◆−りある・しんでれら?−CANARU (2007/7/15 20:09:32) No.18196 ┣Re:りある・しんでれら?−P.I (2007/7/16 01:26:46) No.18198 ┃┗がうでれら・・?−CANARU (2007/7/16 11:34:01) No.18202 ┗かっくい〜です。−井上アイ (2007/7/16 23:42:16) No.18207 ┗大工さんガウ〜〜♪−CANARU (2007/7/17 01:50:45) No.18209
18196 | りある・しんでれら? | CANARU | 2007/7/15 20:09:32 |
と、ある本に。 「その後のシンデレラ」(しかもかなり破滅したストーリー)というのがあったので。そこで、リナならそうはならないだろう!と思いついたリアル・シンデレラっぽい話です。しかしガウ・・影薄し(苦笑) 昔々・・どの程度昔かといえば16世紀の中葉のイタリア半島にリナというお嬢さんがいました。 当時、イタリアは日本の戦国時代のように各都市国家が分裂し統一されていない状態であり、 リナは其の中の北イタリアの小国・・・フェラーラとマントヴァに挟まれた更に小さな公爵国 であるゼフィーリアに在住していました。 更に悪いことに北の大国ミラノはフランスに・・南の王国ナポリはスペイン(神聖ローマ帝国・ハプスブルク家) に支配されつい先日にはローマにその神聖ローマ帝国皇帝の群が率いる兵団が侵入し完膚なきまでに都を破壊するという (サック・ディ・ローマ)大事件が起こりました。 「まあったく・・不安定な世の中よね〜〜」 ぶつぶつ言いながらリナはつまんあさそうに粗末な服装で本を読んでいました。 彼女の階級的にはこの公国では高いほう。 何しろそこそこの豪商に加えて新参者ながら貴族の称号だけは有しているインバースの家の娘です。 「活版印刷って味気ないけどまあ。たしかに大量に本が読めるのはいいことだわ。それにしても・・ このクソせわしない世の中によくもまあ・・着飾ってパーティーなんぞ行く気になれるわね。 どいつもこいつも・・」 そう。今日は公国の跡継ぎである人物(確か、ガウリイとか言った)のお妃を決めるパーティーがお城であるのですが・・。 「ああ・・御可愛そうなお嬢さん!!貴方は着ていくドレスがなくて・・いぢわるな継母と義理姉に虐待されてパーティーに いけないんですね・・そうなのですね・・・」 よよよよよっと、いう得体の知れない泣き声に。ふと隣を見遣れば・・・・。 どんがらがっさあああああああああああああああああああんん!!!! 「いきなり何するんですか!!今まで腰掛けていた樽で思いっきり殴らないで下さいよ!!!」 「じゃっかしい!不法侵入の上に後姿がゴッキー似・・っとなれば!条件反射で殴るモンでしょうがぁぁぁ! 人間!!!!それに!アタシは別、不幸なお嬢さんでもナンでもないわよ!確かに実のか〜ちゃんとね〜ちゃんと と〜ちゃんは旅行に行っていて今家留守にすると後が怖いからパーティーには行かないけど!! 誰があんな着にくそうな服着て弱小国家の領主の嫁になりに行くモンですか〜〜〜!!!」 「失礼ですね!僕は魔法使いのゼロスと申します!今日中に何が何でも不幸なお嬢さんを助けなければ テストで減点されてしまうんです!とりあえず・・貴方の三つの願いをかなえます。ガラスの靴と馬車と ドレスですか!!?」 「人の話を聞いてるのか・・おまいは。だからね。アタシはこんな弱小国家の領主の嫁になんかなりたかないのよ!! だいったいねえ〜。普通王子様の結婚といえば政略結婚と決まっているでしょう?何で態々こんな パーティー開いて国内から候補を集めていると思う?」 「な・・・なんでですか・・・」 ずずずっと迫ってくるリナに多少気おされながらゼロスはとりあえず律儀に質問を返す。 「答えは簡単!無闇滅多に他国と婚姻関係を結んで・・相手国が大国であった場合こんな国 アッサリと占領されてしまうからよ!そんな問題を防ぐため。致し方なく国内のそこそこ金のアル 娘を選ぼうって魂胆ね!!」 うんうんっと頷きつつ言うリナに。 「それじゃ・・貴方はパーティーに行かなくてもいいって言うんですか〜〜〜(涙)」 「そ、だからこのマキャべリ著作、『君主論』(権謀術数についていっぱい書いてある本)読むの邪魔しないで欲しいわね・・・。 あと数年したらあたしはこんな村でてって!!!大軍の傭兵隊長の軍師として活躍して・・いずれはかつて、農民の身から大国。 ミラノの主になった(日本版では秀吉を想像してください)スフォルツァ家みたいになるのよ!!! ヘタレな王子様に嫁ぐよりもよっぽどもいいわ!!権謀術数もお手の物だしね!!!」 「・・・ソ・・そうなんですかあ・・・??」 「そうよ。この前なんかやっぱりか〜ちゃん、ね〜ちゃん、と〜ちゃんの留守中に恐れ多くも「と〜ちゃんの愛人」 を名乗った女とその娘がこの家をのっとろうときたんだけど・・・。アタシの策略にはまって泣きながら出て行ったわ。 無論・・言っていること自体真っ赤な嘘だから全然問題なかったんだけどね♪」 なんだか。とんでもない家に着ちゃったみたいですね・・僕は〜〜(涙)」 ・・・・・そして同日同時刻。リナ曰く「典雅さも優美さも芸術性のかけらもない完全に13世紀の遺物である 役立たずな城砦にしか過ぎないガブリエフ家の城」・・・では。 「おい。ガウリイ。さっさと舞踏会に行く支度をしろ!」 不機嫌そうに側近のゼルガディスが君主のガウリイに向かって声をかけます。 「ええ・・だって・・俺・・踊りよりも剣術の稽古していたいぞ・・・?」 君主のこの言葉にゼルガディスははぁっと溜息を出ます。 この国の没落の遠因、現在の城主であるガウリイの叔父・・ガウリイはその領主が子供がなかったため 弟の息子としてこの城に引き取られたのだが・・・は無類の戦争バカだった。 しかも。中世の大帝、シャルルマーニュの真似事をするにあたり国庫を破綻させ・・・。 ガウリイ自身は幼少期を実家で過ごしたためかそれなりにマトモには育ってはいたものの・・。 兎角、叔父の趣味である「剣術」にハマり国家政策や自身の婚姻問題、更に言えば「お人よし」 という彼の唯一最大(顔以外で)美点はむしろネックになるご時世である。 まったく・・・。 「せめて!!国内のそこそこ・・下手をすればこの城よりも金のアル家の娘と結婚するのが唯一の 救済策だというのに・・この男は・・・」 「でやああ!!!とおおお!!!」 まるっきり単なる一介の「傭兵」となるには問題のない気質ではありましょ〜〜が・・・。 溜息をつきながらゼルガディスは思う。 「そこそこの富豪で・・このさい容姿はどうこう言わん・・。権謀術数に長けてこの国の運営を 任せられる・・下手すれば財政・軍事部門すら仕切ってくれる嫁が・・現れるわけね〜よな・・」 着飾った貴婦人の一団を目のしてゼルガディスは益々深く溜息をつくのでありました。 「ったく!やっばい。姉ちゃんが帰ってくる前に掃除と洗濯と・・・」 「をを!リナさん・・やっぱり掃除洗濯の人生は嫌なんですね。では・・貴方の願いを三つ・・」 「じゃかましい!お前は7コ集めたら願いが叶うボールかい!邪魔邪魔!掃除の邪魔よ!そこどいて! それからお店の帳簿もつけて・・」 「お店の帳簿・・・ですか・・・」 くらりっとゼロスはめまいを覚えます。高貴なでの貴婦人は絶対にそんな真似はしないからです! 「これも人件費削減よ!それから・・」 と、リナが言いかけたそのときでした。 どたばたどたばたどたばたああ〜〜〜〜〜〜〜!! 不意に家の外が騒がしく、どよめいているのをリナは敏感に感じ取りました。 「どったのよ?お隣のオバちゃん」 窓を開けてリナは気さくに隣のお屋敷の女将さんにこえをかけます。 「り・・リナちゃん・・大変だよ!!この町の城門のすぐ傍で・・・・フランス軍とスペイン軍が 小競り合いを始めたんだよ!!下手すればもうすぐ城門が破られて・・両軍の兵団が市街戦を始めかねない 状態らしいんだよ!!!」 「・・・ったく!!これで何回目よ!!フランス王とスペイン皇帝がよりにもよってイタリア半島で激突するのは!!」 こんな田舎町の平野での会戦となれば・・もはや両軍の国王・皇帝および高級指揮官の指図が及んでいないことは 明らかである。 だが・・・・。 「これは出世のチャンスだわ!!雪崩れ込んできた緒戦愚連隊ながら両軍をこのアタシが成敗したとなると!! うん。これは出生の足がかりになるわね!!!っと、言うわけでゼロス!第一の願い事よ!!」 「はいはい♪それじゃ、まずはガラスの靴ですね〜♪」 「何バカいってるの?今の時代・・そんなんじゃ戦闘指揮間になれないわよ。っと。言うわけで。今は騎馬・歩兵の時代じゃない。 飛び道具・・大砲を用意して!!!」 ビシっと詰め寄るリナにゼロスは。 「そんな・・魔法をかけるにしても。原料が・・・」 っと、ひたすらなまでにおたおたして見せるのでしたが。 「大砲の材料♪『アレ』があるじゃない・・・〜〜♪」 ビシっと元気良くリナが指差して見せた先は・・・といえば。 「ひいいいいい!あれは町の大賢者!赤法師レゾさまの像じゃありませんかああああ!!しかも芸術作品!!」 「うっさい!あたしが許す。溶かすなりなんなりしてさっさと大砲作って!勿論運びやすい滑車つきで!」 もう・・知りませんよとぶつぶつ言いながらもレゾの彫刻からゼロスは見事な大砲を何個か作り上げてくれました。 「でもって。この服じゃ思うように戦えないわ!!ローマのスイス傭兵団みたいな格好いい軍服出して!!!」 「・・・本当にそれでいいんですかああ〜〜〜(涙)」 もはやゼロスとしてもここまでくればもうやけっぱちです。 「でもって三つ目の願いは!この大砲を今にも破られそうな城門附近の城壁まで運んでくれたら アンタ、お留守番お願い!!!!掃除と洗濯と帳簿もよろしく!」 「何で魔法使いが掃除洗濯帳簿をおおおおおおおおおお!!!」 かくして。ゼロスの絶叫は町の騒動に空しく吸い込まれていくのでした。 そして其の頃。敵軍を撃破しようとしている城壁の上。 「きゃああああああ!きゃあああああ!!!」 「くっそ!これくらの敵・・・俺とゼルの軍団だけならばどうとでもなるんだが・・」 足手まといとなる廷臣や貴婦人が多数集まっているとなってはさしものガウリイとしても手も足も出ません。 もはやこれまでか・・・・!!!彼が覚悟を決めかけたその時でした。 「おっしゃ!!火薬転送おっけ〜〜。クロスファイアー・ポイント確保!集中砲火〜〜〜!!」 ずだああああああああああああああああああああああああああああんん!!! けたたましい轟音と共に、壮麗な軍服に身を包んだ少女が何時の間にか運び込まれていた大砲をセットし 敵に向かって攻撃を開始し始めました。 「其処のアンタ!ぼ〜っと立ってないで!あたし一人じゃ十字砲火はできないのよ!さっさと手伝って!!! 「お・・おう・・」 突然名指しされてガウリイは大慌てで使い慣れない大砲の射程をさだめます。 そして。 「・・・何とか敵は撃退したけど。お前さんすっごいなあ〜〜〜〜」 感心したようにガウリイはリナをしげしげと見詰めます。 「ま、歩兵軍団率いるにしちゃアンタもそこそこ頑張ってたみたいだけど。欧州ナンバーワインの陸軍保有国で あるフランスと・・・勇猛なドイツ傭兵を率いるスペイン。近代戦に持ち込まなくちゃ分が悪いことは うけあいじゃないのよ!・・けど。これで決心がついたわ。これまでアタシ。フランスに着くかスペインに つくか迷ってはいたのだけど。一応住んでいるこの辺りが巻き込まれたとなれば大三勢力・・ヴェネツィア共和国に 同盟を申す込むべきだということがね・・じゃ!アタシ留守番があるから〜〜。じゃあねえ〜〜」 すたたたたたたたた・・・っと言うだけ言って去っていくリナ。 「ヴェネツィアとの同盟か。盲点だったな。フランスとスペイン・・ハプスブルクにばかり気を取られていた。 陸上の権利について譲渡をしなければならない部分は多々出る矢も知れぬが。ヴェネツィアを味方にすれば この公国の存続の可能性は・・って・・・ガウリイ?」 「ゼル〜〜。俺・・あの子を嫁にするぞ!うん・・・決めた!!!」 多少突拍子もない人物のようですが。 「確かに。あの指揮軍事能力ならば・・・」 うん。このクラゲ公国に公妃としてとついでも問題がないかもしれない人物であろう。 しかし・・・・。 同盟に関しての助言はすれども自身に関しては何も語らなかった彼女をどうすれば・・・・。 「この大砲の持ち主を探せば分かるんじゃないか?」 暢気なガウリイの言葉にゼルガディスは・・・・。 「すまんが。この大砲の無持ち主の娘を探して・・・・」 「私、そんな趣味ありませんわ!!!!」 「この大砲の持ち主・・・」 「知りません・・・」 こんな恥ずかしいやり取り続けてやっと最後の一件に辿り着き・・そして・・・。 「リナ〜〜!どういうことかしらね〜〜?掃除もお洗濯も手抜きしたわね?あまつさえ・・ 遊びに行った形跡が・・!!!」 「うわああああ!!姉ちゃん・・ごめんなさいいいいいいいいい!!」 うわ。すっげぇ嫌な光景。それに・・・。 今、実の姉に吊るし上げられている女の子の胸のなさは昼間のあの少女に見間違うはずもありません。 かくして。 「フ!このアタシを失墜させようなんていい根性しているじゃないの?ヴェネツィアとの同盟は順調ね? わが国の河川のヴェネツィア商人の通行を自由に、軍事演習の場所の提供というくらいなら 安いもんだわ!それと・・無駄遣いしない!!手工業を活発化すれば財政も元には戻るわね〜〜」 「リナ〜〜♪かっこいいなあ〜〜」 マキャヴェリストの公妃様とクラゲ公爵様は幸せに暮らし、大国との均衡・商業の活性化により 公国もそれなりの繁栄を遂げたそうです。 おしまい。 |
18198 | Re:りある・しんでれら? | P.I | 2007/7/16 01:26:46 |
記事番号18196へのコメント CANARUさん、こちらでもこんばんは(笑) りある・しんでれら・リナちん、感想を一言で言うなら・・・。 >「リナ〜〜♪かっこいいなあ〜〜」 このガウさんのセリフに尽きますね(笑) こんなやり手の奥さんもらったら、ガウさんはそれこそ主夫にでもならない限り存在感薄くなっちゃいますよね(^^;) やっぱりリナちんあってこそのガウさんとゆーことで(←らぶらぶ?) ではでは〜♪ |
18202 | がうでれら・・? | CANARU | 2007/7/16 11:34:01 |
記事番号18198へのコメント 早速の感想を有難うございました〜〜! そして・・その後のガウ君はといえば。 「ガウリイ。この塔と、この中庭、ついでに洗濯物取り込むのと・・。 今日の料理の監督お願い」 「わかっぞ〜〜♪」と・・。 すっかり「ガウデレラ」になってしまっていそうです〜。 ありがとうござました! |
18207 | かっくい〜です。 | 井上アイ | 2007/7/16 23:42:16 |
記事番号18196へのコメント リナ、あれで男だった日には、モテモテでしょうね。 ガウリイ、立つ瀬が無いですね。 完全、やる事なさそう。前線に出張るしかないじゃないのでしょうか? 争いが終了したら、何が出来るのでしょうねえ。 さしずめ、城の補修くらいでしょうか? |
18209 | 大工さんガウ〜〜♪ | CANARU | 2007/7/17 01:50:45 |
記事番号18207へのコメント 早速の感想をありがとうございました〜〜! リナ・・気がついたら「シンデレラ」のはずが。某フランス革命名作漫画の「男装の麗人」状態になってしまいました(笑) 勿論公爵夫人になった後もリナちゃん、「女性ファン」がたっくさんついていることと予測されます♪ そして立場のない公爵ガウ。 大工さんスタイルで(しかもリナのデザインした通りの)お城の修復をしている姿が目に浮かんできてしまいました〜(笑) 素敵なコメントを有難うございました! |