◆−家族の写真 アルト外伝 永遠を願った黒白の世界−十叶 夕海 (2007/7/31 18:43:27) No.18258 ┣家族の写真 アルト外伝 永遠を願った黒白の世界−十叶 夕海 (2007/7/31 18:45:41) No.18259 ┃┗電子を隔てた、鏡面の向こう側。−月読 乾 (2007/9/2 20:45:47) No.18299 ┃ ┗電子の瞳で何をそこに見いだす?−十叶 夕海 (2007/9/6 20:04:14) No.18302 ┣家族の写真 アルト外伝 永遠を願った黒白の世界−十叶 夕海 (2007/7/31 18:46:57) No.18260 ┃┗運命の渦は小さなきっかけで…−月読 乾 (2007/9/6 20:20:52) No.18303 ┃ ┗生まれ、そして荒れ狂う。−十叶 夕海 (2007/9/10 04:06:48) No.18309 ┣家族の写真 アルト外伝 永遠を願った黒白の世界−十叶 夕海 (2007/7/31 18:47:48) No.18261 ┃┗落ちて堕ちて真っ白に…−月読 乾 (2007/9/7 21:11:12) No.18306 ┃ ┗それでも、彼女は彼女だった。−十叶 夕海 (2007/9/24 21:57:40) No.18332 ┣家族の写真 アルト外伝 永遠を願った黒白の世界−十叶 夕海 (2007/7/31 18:49:34) No.18262 ┃┗希望に満ち足りたほど絶望的な不確定要素。−月読 乾 (2007/9/7 21:21:38) No.18307 ┃ ┗それすらも、「予定」どおり・・・?−十叶 夕海 (2007/9/24 22:03:15) No.18333 ┣家族の写真 アルト外伝 永遠を願った黒白の世界−十叶 夕海 (2007/7/31 18:50:48) No.18263 ┗仮想の世界に涙は流れる?−月読 乾 (2007/8/31 21:25:10) No.18298 ┗現実の世界で、乾き尽くす?−十叶 夕海 (2007/9/6 14:18:24) No.18301
18258 | 家族の写真 アルト外伝 永遠を願った黒白の世界 | 十叶 夕海 | 2007/7/31 18:43:27 |
【Amazing Earth】とは、全世界で親しまれているオンラインゲームである。 サイバーダイブシステムと併用される事が多いゲームだ。 作品の世界中にある《始まりの街》から、スタートするモノだ。 また、基本的に、作品の世界地図は、現実の世界地図に準じている。 『ゲームマスターに会う』と言うこと以外目的らしい目的の無いゲームで、RPG系というよりは、生活ゲームと言う方が近い。 職業も、戦闘系『軽戦士』『魔術士』『盗賊』『召喚士』などから、販売系『僧侶』『雑貨屋』『調理士』『鍛冶屋』など、多岐にわたる。 組み合わせやレベル次第では、『魔導師』『賢者』『神官戦士』『魔法戦士』『忍者』『シェフ』『名匠』などに成れるゲームだ。 職業の数では、普通のハードでやるRPGに引けを取らない。 家を持つ事も出来るし、パーティを組む事もだって出来る。 プレイヤー同士の殺人強盗も認められているゲームでもある。 しかし、上級職ほど、成長が遅い事も在って一つの上級職を極めるには、それなりに時間が掛かる。 そこで、『記憶のロザリオ』と言うアイテムが必要になってくるのだ。 それは、『ゲームマスター』と最上級ダンジョンの最奥にしかないアイテム。 まだ面倒ではあるが、『ゲームマスターに会う』という方法で手に入れるほうが早いアイテムだ。 それを手に入れると通常の十倍ちかくのの早さで、レベルアップできるアイテムなのだ。 これを持っているのは、このゲームが始まってから7年ほど経つが、現在12名ほどしか、所持していない。 強盗されても、一定時間で消えてしまうからと言うのもある。 現在持っている人達を総称して、【十二聖騎士】と呼ばれている。 その中で、古参に入る一人が、プレイヤーネーム『ラビ=トレッチェル』、通称『ルーティ』、『ラビ』と呼ばれているのが、今回の主人公だ。 永遠を願った黒白の世界 プロローグ. 叶わないとは思っていた。と貴女に私は言った。 『家族の写真』が、始まる少し前、のことだった。 「・・・・・・やっぱ、ログ溜まるね。 ま、大体は、決闘申し込みが多いか。」 白いふわふわの髪に、琥珀色の髪で、18歳ぐらいの外見の青年だ。 スラックスに、ワイシャツにベストという軽装に、レイピアと杖を指している。 彼は、『賢者』と『忍者』、『銀細工師』、『神官戦士』をマスタークラスまで修め、現在は、『ギャンブラー』をしているプレイヤーだ。 久しぶりに、ログインしたようで、最後にセーブした ノースライティアのニユオリトスの街の自宅に、彼はいた。 この街は、上級者か、中級者のなかでも腕の立つヤツしかいない。 NPCが、それ以下の奴を狩って、調整をしているのだ。 この街では、販売系ですら、駆け出し戦士よりも、強いと言うある種のインフレが怒っている。 俗にいう、『手加減一発、岩をも砕く』というノリである。 ラビは、溜まったメッセージに目を通しながら、 「あ、シャルから、龍退治の誘いか。残念行きたかったのに。」 「うわ、ムカつく。プレイヤーキルしちゃお。」 「エド、ゲーム止めたんだ。」 と、呟いている。 ちなみに、シャルーシャルロットは、【十二聖騎士】としての同輩だ。 ラビよりも、やや遅れて、ゲームマスターに会った。 エドーエドワールは、【十二聖騎士】ではないが、ラビと仲の良かった司祭の職業の男性プレイヤーだ。 そして、ある手紙で、ラビは、ブルブルと肩を震わせ、仕舞いには、その手紙を破りかけた。 内容としては、『三月×日 チュイナのリーレンの《ライシ》に来られたし。聞きたい事がある。』 というもの、チュイナのリーレンとは、このゲーム内の中級クラスの街で、初心者でも、パーティを組めば来る事が出来る街で、交易の街だ。 別に、内容に怒った訳じゃない。 たまに、ある手紙だ。 怒ったのは、差出人の方だ。 『なるべく、来てね。 GM ヴィルジール=メイシュナー』 もちろん、『GM』は、『ゲームマスター』の略である。 「アイツが、俺に何を聞きたいってンだよ。」 ぶつくさいいながらも、相手が相手なだけに、すぐに、移動の呪文を紡ぐ。 「面倒なんだろうけどさ。 《空間と距離を超え 彼の地に我を送れ 疾く疾く 疾風のごとく チュイナ・リーレンに送れ 【リネ・ルートラ】》 嫌になるよ、本当に。」 「ちゃお、ラビ。」 「で、何の用? ヴィル、忙しいんじゃないの?」 酒場《ライシ》の個室で、ヴィルは、少し出来上がっていた。 金髪碧眼で、動きやすさ重視の魔道師系の服装をしている、これと言って特徴の無い青年だ。 もちろん、架空のなのだが、設定年齢が、16歳以上ならば、酒を摂取できる。 そうすれば、酔ったのを同じ状態になるのだ。 「ん〜。 一応さ、《歌乙女》が、動くみたいだから、四年前の真実を知っておきたいんだ。 処分し終わっているとは言え、自分とこの下部組織の暴走だったし。」 「たしかにね、あれで僕は、リーチェを永遠に失ったんだったよ。」 「で、なにがあったの?」 「・・・・・・・・・そこまで、土足で入られると逆に清々しいよ。」 「いやぁ、それほどでも。」 「褒めてない。」 「解ってるって。 で、話すの?」 「話すよ、どうせ。 《C.C.》に、利用されそうだけど、お前が噛めば、それはなさそうだし。」 GMのヴィルは、《御伽噺》や現実の単語になぞらえて、この世界の名称を作っている。 だから、この個室の会話を聞いても、彼らなりの独特の言い回しでやっているとしか思わないのだ。 「で、どっから話せばいい?」 「そのリーチェちゃんの出会いからだね。」 「うん、わかった。」 こうして、ラビは、リーチェとの出会いから別れを話し始めた。 |
18259 | 家族の写真 アルト外伝 永遠を願った黒白の世界 | 十叶 夕海 | 2007/7/31 18:45:41 |
記事番号18258へのコメント 俺は、アルト=ヴァリード。 作家の雪詠蓮の次男ってことになる。 寝坊して、トーストくわえて、学校に遅刻しそうになったり、好きな子を探してみたり、部活やったりしてる。 また、友達と馬鹿やったり、体育の野球を楽しみにしたり、W杯の時ににわかサッカーファンをやったりなんかしてる。 フツーの学生やってる、もうすぐ高校生になる男の子だ。 でも、裏稼業じゃ、《魔導師(マジスタ)ラビ》っていう顔をもっている。 ネームバリューはそこそこか、それより少し上だ。 10人に聞けば、6人7人は知ってるって感じかな? フツーのパソオタクだったのに、なんでこうなったんだろう? 「ラビ、目開けたまま寝た?」 「そんなわけない。」 「じゃ、話してよ。」 オンラインゲームの中で、友人ヴィルにせがまれて、過去を話し始める。 確か、四年前・・・・・・。 永遠を願った黒白の世界 場面.1 初めましてと、俺は貴方に言った。 確か、三年・・・四年前かな。 13になる年で、中学校一年の冬休みだった。 その時の出会いが、キッカケかな. うちの地元って、一応、カントー圏なんだけどさ、雪とかふるせいか、18日ぐらいから、1月の12日までが冬休みなんだ。 曜日とかで、多少の増減はあるけど。 詳しく言えば、12月21日かな。 大掃除とか、年賀状を書くっていう気も起きなくてさ、VD(ヴァーチャルダイバー)で、【Amazing Earth】に潜ってたんだ。 今ほど、整備されきってなくてさ、《始まりの街》でも、裏路地入れば、結構怖いとこもあったし、それにちょっと、アングラに繋がってたみただったし。 その頃でも、ヘビーユーザーになっていた俺でも、十分楽しめたんだ。 疑似だけど、酒とか煙草とかも、嗜めるしね。 一応、設定年齢の制限があるけど。 そのとき、あのゲームで、流行ってたのって、動物の耳とか、シッポを付けるのが流行ってたんだよね 現実風に言えば、動物柄が流行るのに近いかな。 俺も、薄茶のロップイヤー系の耳付けてたの。 一応、その時は、『賢者』だったし。 『忍者』の『忍者マスター』・・・最高ランクまで修めてたから、それなりに有名だったんだ。 『賢者』も、最高レベル間近だったし。 それなりに、ゲーム内じゃ有名だったんじゃないかな? 一応、『記憶のロザリオ』も持ってたし。 その日は、《BAR ピンクの指輪》にいたんだ。 その地域の『始まりの街』に行けば、大抵そこに入り浸ってる酒場。 情報交換場でもあるし、ムーディだしさ。 そう言う目的に使い人もいたみたい。 でも、その日は違ったんだ。 「げへへ、姉ちゃん、ちょっと酒付き合えよ。」 「だぜ、だぜ。」 「嫌だよ、下衆野郎。」 女の子が、チンピラ二人に絡まれてたんだ。 女の子の方は、ふわふわの綿菓子みたいな金髪に、キャンディみたいな蒼瞳で砂糖菓子みたいな雰囲気なのに、口調はスパイシーな16歳ぐらいの女の子だった。 ニュービーなかんじだったね。 その子が、筋肉ダルマーズに絡まれてんだ。 いかにも見かけ倒しのね。 一応、公式と言うほどじゃないけど、【Amazing Earth】では、『思考力』=『戦闘能力』なんだ。 VD持っていない人もいるから、全てって訳じゃないけど、少しは関係してるみたい。 だから、外見が筋骨隆々でも、俺みたいなやせっぽっちに勝てないってわけ。 それぞれ、二発づついれたかな。 「覚えてろよ!!」 「あ、アニキ、置いてかないでくれよぅ。」 っていう、小悪党くさい捨て台詞をのこして、そのチンピラたちは、逃げてった。 ベタベタ過ぎて、言われたこっちが恥ずかしいって感じだ。 ってか多分、リアルじゃ、小柄な俺よりもひょろひょろな奴かもしれないね。 ニセモノの世界で、筋肉纏ってるって、自分に自身が無い奴なのかもしれない。 人間、やっぱ、中身だよね。 「大丈夫?」 「あ、うん、大丈夫。 私、リーチェ=テンレン。 お兄さんは?」 「ラビ=トレッチェル。 ルーティか、親しい人は、ラビって呼んでるよ。」 「兎耳だから?」 「ううん、登録名だってこともあるけど。 何でも知ってるから。」 今でも、覚えてる。 一言一句どころか、雰囲気とか、彼女の服装まで覚えてる。 外見は、砂糖菓子みたいにふわふわで甘いのに、服装もそんな感じなのに。 性格は、スパイシーってほどじゃないけど、明るくて笑顔が素敵だった。 「へぇ、すごいね。 じゃあさ、このゲームの事とか教えてくれない?」 「いいよ、職業は?」 「『唄歌い』。 さっき、登録したばっかだけど。 だから、にぎやかなところ教えてくれない?」 「繁華街ってことだよね?」 「うん、しばらくは何処かに雇ってもらって、スキルとレベル上げなきゃ。」 「なら、スノートの親父んとこ紹介しようか?」 「いいの?」 「うん、こう言うのは助け合いだよ。」 チンピラに絡まれた女の子と助けた男の子。 初心者な女の子とヘビーユーザーの男の子。 ただ、それだけで終わるはずなのに、終わってもおかしくなかったのに。 俺は、リーチェに会いに行ったし。 彼女も、俺がいるところによく現れた。 おまけに、チンピラに絡まれてた。 一応、あっち目的かな。 疑似でも出来るから。 でも、リーチェはこういうのもなんだけど、特別美人だとか言う訳じゃないんだ。 そりゃ、現実じゃ美人の部類なんだろうけど。 【Amazing Earth】のアバターの組み合わせ次第じゃ、もっと美人もいる。 シャルみたいにさ。 『ウソ』つき放題ってことだね。 でも、リーチェは性格に反してと言うか、外見に準じてというか、『加虐欲』ていうか、『支配欲』ってのを刺激するタイプなんだ。 だからなのかもね。 ともかく、それがキッカケに仲良くなったんだ。 「悪い、ヴィル。 俺,もう行くわ。」 「なんで、まだ話途中じゃん。」 ラビがそこまで話すと、大体、ラビが住んでいるところで、午前9時を指すところだった。 「リアルで、家族旅行なの。 すっぽかせねぇもん。」 「・・・・・わかったよ。 次は、何時来れる。 僕は、早くても、四日後なんだ。」 「なら、それくらいの今日と同じぐらいの時間に。」 「じゃあね。」 そういって、ヴィルとラビは別れた。 しばらくして、彼は気付いた。 丸々飲食代を驕らされた事に。 |
18299 | 電子を隔てた、鏡面の向こう側。 | 月読 乾 | 2007/9/2 20:45:47 |
記事番号18259へのコメント こんばんは、乾です。 オンラインゲームをテーマにした外伝、 斬新な発想で楽しませてもらってます。 では、第2話のレスをさせて頂きますね。 >俺は、アルト=ヴァリード。 >作家の雪詠蓮の次男ってことになる。 >寝坊して、トーストくわえて、学校に遅刻しそうになったり、好きな子を探してみたり、部活やったりしてる。 >また、友達と馬鹿やったり、体育の野球を楽しみにしたり、W杯の時ににわかサッカーファンをやったりなんかしてる。 >フツーの学生やってる、もうすぐ高校生になる男の子だ。 >でも、裏稼業じゃ、《魔導師(マジスタ)ラビ》っていう顔をもっている。 >ネームバリューはそこそこか、それより少し上だ。 >10人に聞けば、6人7人は知ってるって感じかな? >フツーのパソオタクだったのに、なんでこうなったんだろう? マジスタ・ラビの正体はアルトくんだったのですね! 『もうすぐ高校生』…と言う文章からすると、まだ時間軸は本編以前と 言う事でしょうか? オフラインでの彼とオンラインでの魔導士に何が起こったのか… >「ラビ、目開けたまま寝た?」 >「そんなわけない。」 >「じゃ、話してよ。」 >オンラインゲームの中で、友人ヴィルにせがまれて、過去を話し始める。 >確か、四年前・・・・・・。 四年前。 それが、運命を分ける事になった時間… 仮想世界での螺旋はどの様に収束していくのか… >確か、三年・・・四年前かな。 >13になる年で、中学校一年の冬休みだった。 >その時の出会いが、キッカケかな. >うちの地元って、一応、カントー圏なんだけどさ、雪とかふるせいか、18日ぐらいから、1月の12日までが冬休みなんだ。 >曜日とかで、多少の増減はあるけど。 >詳しく言えば、12月21日かな。 >大掃除とか、年賀状を書くっていう気も起きなくてさ、VD(ヴァーチャルダイバー)で、【Amazing Earth】に潜ってたんだ。 >今ほど、整備されきってなくてさ、《始まりの街》でも、裏路地入れば、結構怖いとこもあったし、それにちょっと、アングラに繋がってたみただったし。 >その頃でも、ヘビーユーザーになっていた俺でも、十分楽しめたんだ。 >疑似だけど、酒とか煙草とかも、嗜めるしね。 >一応、設定年齢の制限があるけど。 >そのとき、あのゲームで、流行ってたのって、動物の耳とか、シッポを付けるのが流行ってたんだよね >現実風に言えば、動物柄が流行るのに近いかな。 >俺も、薄茶のロップイヤー系の耳付けてたの。 >一応、その時は、『賢者』だったし。 >『忍者』の『忍者マスター』・・・最高ランクまで修めてたから、それなりに有名だったんだ。 >『賢者』も、最高レベル間近だったし。 >それなりに、ゲーム内じゃ有名だったんじゃないかな? >一応、『記憶のロザリオ』も持ってたし。 動物パーツ萌え…ですか(笑? それにしても、電脳の海みたいなゲームの世界で既にここまでやりこんでいる アルトくん…もといラビはさすが! 問題は、あまりにはまりすぎた深みに何があるかなんですが… >その日は、《BAR ピンクの指輪》にいたんだ。 >その地域の『始まりの街』に行けば、大抵そこに入り浸ってる酒場。 >情報交換場でもあるし、ムーディだしさ。 >そう言う目的に使い人もいたみたい。 >でも、その日は違ったんだ。 >「げへへ、姉ちゃん、ちょっと酒付き合えよ。」 >「だぜ、だぜ。」 >「嫌だよ、下衆野郎。」 >女の子が、チンピラ二人に絡まれてたんだ。 >女の子の方は、ふわふわの綿菓子みたいな金髪に、キャンディみたいな蒼瞳で砂糖菓子みたいな雰囲気なのに、口調はスパイシーな16歳ぐらいの女の子だった。 >ニュービーなかんじだったね。 >その子が、筋肉ダルマーズに絡まれてんだ。 >いかにも見かけ倒しのね。 >一応、公式と言うほどじゃないけど、【Amazing Earth】では、『思考力』=『戦闘能力』なんだ。 >VD持っていない人もいるから、全てって訳じゃないけど、少しは関係してるみたい。 >だから、外見が筋骨隆々でも、俺みたいなやせっぽっちに勝てないってわけ。 >それぞれ、二発づついれたかな。 >「覚えてろよ!!」 >「あ、アニキ、置いてかないでくれよぅ。」 >っていう、小悪党くさい捨て台詞をのこして、そのチンピラたちは、逃げてった。 >ベタベタ過ぎて、言われたこっちが恥ずかしいって感じだ。 >ってか多分、リアルじゃ、小柄な俺よりもひょろひょろな奴かもしれないね。 >ニセモノの世界で、筋肉纏ってるって、自分に自身が無い奴なのかもしれない。 >人間、やっぱ、中身だよね。 天然記念物的小悪党ですね(汗 ネット世界で、現実のコンプレックスを露骨に裏返した外面を取る人間って いますしねー(汗 本人達も言ってて恥ずかしくなかったのかな(汗? >「大丈夫?」 >「あ、うん、大丈夫。 > 私、リーチェ=テンレン。 > お兄さんは?」 >「ラビ=トレッチェル。 > ルーティか、親しい人は、ラビって呼んでるよ。」 >「兎耳だから?」 >「ううん、登録名だってこともあるけど。 > 何でも知ってるから。」 >今でも、覚えてる。 >一言一句どころか、雰囲気とか、彼女の服装まで覚えてる。 >外見は、砂糖菓子みたいにふわふわで甘いのに、服装もそんな感じなのに。 >性格は、スパイシーってほどじゃないけど、明るくて笑顔が素敵だった。 >「へぇ、すごいね。 > じゃあさ、このゲームの事とか教えてくれない?」 >「いいよ、職業は?」 >「『唄歌い』。 > さっき、登録したばっかだけど。 > だから、にぎやかなところ教えてくれない?」 >「繁華街ってことだよね?」 >「うん、しばらくは何処かに雇ってもらって、スキルとレベル上げなきゃ。」 >「なら、スノートの親父んとこ紹介しようか?」 >「いいの?」 >「うん、こう言うのは助け合いだよ。」 >チンピラに絡まれた女の子と助けた男の子。 >初心者な女の子とヘビーユーザーの男の子。 >ただ、それだけで終わるはずなのに、終わってもおかしくなかったのに。 >俺は、リーチェに会いに行ったし。 >彼女も、俺がいるところによく現れた。 >おまけに、チンピラに絡まれてた。 >一応、あっち目的かな。 >疑似でも出来るから。 >でも、リーチェはこういうのもなんだけど、特別美人だとか言う訳じゃないんだ。 >そりゃ、現実じゃ美人の部類なんだろうけど。 >【Amazing Earth】のアバターの組み合わせ次第じゃ、もっと美人もいる。 >シャルみたいにさ。 >『ウソ』つき放題ってことだね。 >でも、リーチェは性格に反してと言うか、外見に準じてというか、『加虐欲』ていうか、『支配欲』ってのを刺激するタイプなんだ。 >だからなのかもね。 >ともかく、それがキッカケに仲良くなったんだ。 電脳の世界の、気まぐれな出会い。 それは電脳故の必然なのか電脳だからこその偶然なのか… 彼女には、色々と秘密が隠されていそうです。 >「悪い、ヴィル。 > 俺,もう行くわ。」 >「なんで、まだ話途中じゃん。」 >ラビがそこまで話すと、大体、ラビが住んでいるところで、午前9時を指すところだった。 >「リアルで、家族旅行なの。 > すっぽかせねぇもん。」 >「・・・・・わかったよ。 > 次は、何時来れる。 > 僕は、早くても、四日後なんだ。」 >「なら、それくらいの今日と同じぐらいの時間に。」 >「じゃあね。」 >そういって、ヴィルとラビは別れた。 >しばらくして、彼は気付いた。 >丸々飲食代を驕らされた事に。 次にアルト…ラビから語られる話はどんなものなのでしょうか? 楽しみです。 後、さりげにヴィルさんは因果応報と言うか…(汗 |
18302 | 電子の瞳で何をそこに見いだす? | 十叶 夕海 | 2007/9/6 20:04:14 |
記事番号18299へのコメント >こんばんは、乾です。 >オンラインゲームをテーマにした外伝、 >斬新な発想で楽しませてもらってます。 >では、第2話のレスをさせて頂きますね。 今日は、夕海です。 斬新と言うか、当世風のテーマかと。 うぃ、返レス行きます。 > >>俺は、アルト=ヴァリード。 >>作家の雪詠蓮の次男ってことになる。 >>寝坊して、トーストくわえて、学校に遅刻しそうになったり、好きな子を探してみたり、部活やったりしてる。 >>また、友達と馬鹿やったり、体育の野球を楽しみにしたり、W杯の時ににわかサッカーファンをやったりなんかしてる。 >>フツーの学生やってる、もうすぐ高校生になる男の子だ。 >>でも、裏稼業じゃ、《魔導師(マジスタ)ラビ》っていう顔をもっている。 >>ネームバリューはそこそこか、それより少し上だ。 >>10人に聞けば、6人7人は知ってるって感じかな? >>フツーのパソオタクだったのに、なんでこうなったんだろう? > >マジスタ・ラビの正体はアルトくんだったのですね! >『もうすぐ高校生』…と言う文章からすると、まだ時間軸は本編以前と >言う事でしょうか? >オフラインでの彼とオンラインでの魔導士に何が起こったのか… ですにゃ、若干13歳にして、そう呼ばれ畏怖される少年なのです。 ・・・・・本編の約二三ヶ月前ですね。 ある意味で、この後の話での事が無ければ、出会わなかった二人。 > >>「ラビ、目開けたまま寝た?」 >>「そんなわけない。」 >>「じゃ、話してよ。」 >>オンラインゲームの中で、友人ヴィルにせがまれて、過去を話し始める。 >>確か、四年前・・・・・・。 > >四年前。 >それが、運命を分ける事になった時間… >仮想世界での螺旋はどの様に収束していくのか… 正確には、三年数ヶ月前なんですけど、ややこしいので切り上げました。 その螺旋の収束は、悲劇的に・・・・、 > >>確か、三年・・・四年前かな。 >>13になる年で、中学校一年の冬休みだった。 >>その時の出会いが、キッカケかな. >>うちの地元って、一応、カントー圏なんだけどさ、雪とかふるせいか、18日ぐらいから、1月の12日までが冬休みなんだ。 >>曜日とかで、多少の増減はあるけど。 >>詳しく言えば、12月21日かな。 >>大掃除とか、年賀状を書くっていう気も起きなくてさ、VD(ヴァーチャルダイバー)で、【Amazing Earth】に潜ってたんだ。 >>今ほど、整備されきってなくてさ、《始まりの街》でも、裏路地入れば、結構怖いとこもあったし、それにちょっと、アングラに繋がってたみただったし。 >>その頃でも、ヘビーユーザーになっていた俺でも、十分楽しめたんだ。 >>疑似だけど、酒とか煙草とかも、嗜めるしね。 >>一応、設定年齢の制限があるけど。 >>そのとき、あのゲームで、流行ってたのって、動物の耳とか、シッポを付けるのが流行ってたんだよね >>現実風に言えば、動物柄が流行るのに近いかな。 >>俺も、薄茶のロップイヤー系の耳付けてたの。 >>一応、その時は、『賢者』だったし。 >>『忍者』の『忍者マスター』・・・最高ランクまで修めてたから、それなりに有名だったんだ。 >>『賢者』も、最高レベル間近だったし。 >>それなりに、ゲーム内じゃ有名だったんじゃないかな? >>一応、『記憶のロザリオ』も持ってたし。 > >動物パーツ萌え…ですか(笑? ノリとしては、それが実際にはやせるのが、MMOクオリティ。 >それにしても、電脳の海みたいなゲームの世界で既にここまでやりこんでいる >アルトくん…もといラビはさすが! >問題は、あまりにはまりすぎた深みに何があるかなんですが… 嵌り過ぎなくても、嵌り過ぎても、 何処かでつじつまは合うもんなんです。 それが、救いでもないですが。 > >>その日は、《BAR ピンクの指輪》にいたんだ。 >>その地域の『始まりの街』に行けば、大抵そこに入り浸ってる酒場。 >>情報交換場でもあるし、ムーディだしさ。 >>そう言う目的に使い人もいたみたい。 >>でも、その日は違ったんだ。 >>「げへへ、姉ちゃん、ちょっと酒付き合えよ。」 >>「だぜ、だぜ。」 >>「嫌だよ、下衆野郎。」 >>女の子が、チンピラ二人に絡まれてたんだ。 >>女の子の方は、ふわふわの綿菓子みたいな金髪に、キャンディみたいな蒼瞳で砂糖菓子みたいな雰囲気なのに、口調はスパイシーな16歳ぐらいの女の子だった。 >>ニュービーなかんじだったね。 >>その子が、筋肉ダルマーズに絡まれてんだ。 >>いかにも見かけ倒しのね。 >>一応、公式と言うほどじゃないけど、【Amazing Earth】では、『思考力』=『戦闘能力』なんだ。 >>VD持っていない人もいるから、全てって訳じゃないけど、少しは関係してるみたい。 >>だから、外見が筋骨隆々でも、俺みたいなやせっぽっちに勝てないってわけ。 >>それぞれ、二発づついれたかな。 >>「覚えてろよ!!」 >>「あ、アニキ、置いてかないでくれよぅ。」 >>っていう、小悪党くさい捨て台詞をのこして、そのチンピラたちは、逃げてった。 >>ベタベタ過ぎて、言われたこっちが恥ずかしいって感じだ。 >>ってか多分、リアルじゃ、小柄な俺よりもひょろひょろな奴かもしれないね。 >>ニセモノの世界で、筋肉纏ってるって、自分に自身が無い奴なのかもしれない。 >>人間、やっぱ、中身だよね。 > >天然記念物的小悪党ですね(汗 >ネット世界で、現実のコンプレックスを露骨に裏返した外面を取る人間って >いますしねー(汗 >本人達も言ってて恥ずかしくなかったのかな(汗? ええ、イマドキ、マンガにも居ねぇよ!!的なベタベタなの選びました。 うぃ、ネットの匿名性が故の。 さぁ、言った本人はそうでもないのが、こう言うののセオリーかもでしょうに。 > > >>「大丈夫?」 >>「あ、うん、大丈夫。 >> 私、リーチェ=テンレン。 >> お兄さんは?」 >>「ラビ=トレッチェル。 >> ルーティか、親しい人は、ラビって呼んでるよ。」 >>「兎耳だから?」 >>「ううん、登録名だってこともあるけど。 >> 何でも知ってるから。」 >>今でも、覚えてる。 >>一言一句どころか、雰囲気とか、彼女の服装まで覚えてる。 >>外見は、砂糖菓子みたいにふわふわで甘いのに、服装もそんな感じなのに。 >>性格は、スパイシーってほどじゃないけど、明るくて笑顔が素敵だった。 >>「へぇ、すごいね。 >> じゃあさ、このゲームの事とか教えてくれない?」 >>「いいよ、職業は?」 >>「『唄歌い』。 >> さっき、登録したばっかだけど。 >> だから、にぎやかなところ教えてくれない?」 >>「繁華街ってことだよね?」 >>「うん、しばらくは何処かに雇ってもらって、スキルとレベル上げなきゃ。」 >>「なら、スノートの親父んとこ紹介しようか?」 >>「いいの?」 >>「うん、こう言うのは助け合いだよ。」 >>チンピラに絡まれた女の子と助けた男の子。 >>初心者な女の子とヘビーユーザーの男の子。 >>ただ、それだけで終わるはずなのに、終わってもおかしくなかったのに。 >>俺は、リーチェに会いに行ったし。 >>彼女も、俺がいるところによく現れた。 >>おまけに、チンピラに絡まれてた。 >>一応、あっち目的かな。 >>疑似でも出来るから。 >>でも、リーチェはこういうのもなんだけど、特別美人だとか言う訳じゃないんだ。 >>そりゃ、現実じゃ美人の部類なんだろうけど。 >>【Amazing Earth】のアバターの組み合わせ次第じゃ、もっと美人もいる。 >>シャルみたいにさ。 >>『ウソ』つき放題ってことだね。 >>でも、リーチェは性格に反してと言うか、外見に準じてというか、『加虐欲』ていうか、『支配欲』ってのを刺激するタイプなんだ。 >>だからなのかもね。 >>ともかく、それがキッカケに仲良くなったんだ。 > >電脳の世界の、気まぐれな出会い。 >それは電脳故の必然なのか電脳だからこその偶然なのか… >彼女には、色々と秘密が隠されていそうです。 それは、砂漠の中で、一粒の砂金を見つけるのに等しい。 されとて、ある意味は、必然になるのでしょう。 偶然などは、現実では望めぬのですから。 > >>「悪い、ヴィル。 >> 俺,もう行くわ。」 >>「なんで、まだ話途中じゃん。」 >>ラビがそこまで話すと、大体、ラビが住んでいるところで、午前9時を指すところだった。 >>「リアルで、家族旅行なの。 >> すっぽかせねぇもん。」 >>「・・・・・わかったよ。 >> 次は、何時来れる。 >> 僕は、早くても、四日後なんだ。」 >>「なら、それくらいの今日と同じぐらいの時間に。」 >>「じゃあね。」 >>そういって、ヴィルとラビは別れた。 >>しばらくして、彼は気付いた。 >>丸々飲食代を驕らされた事に。 > >次にアルト…ラビから語られる話はどんなものなのでしょうか? >楽しみです。 >後、さりげにヴィルさんは因果応報と言うか…(汗 彼女との想い出と分かれの話。 うぃ、まぁ、それ以外の報酬もラビに払っているので、一応、赤字なんですけどね。(苦笑 |
18260 | 家族の写真 アルト外伝 永遠を願った黒白の世界 | 十叶 夕海 | 2007/7/31 18:46:57 |
記事番号18258へのコメント それから、冬休みが終わって、学年末テストとか卒業式の練習が始まった頃だったかな。 義理の兄・・・ファラン姉ぇの婚約者のそのアニキにこう言われた。 『裏の方にもう少し深く嵌らない? クラッカーとして、その分析力と激情は、一流の条件だと思うけど?』 中坊を誘うなって、正直思った。 サラ兄とシャー兄は、二人揃えば、人間どころか戦艦を相手に出来るほどだった。 裏じゃ、結構すごかったらしい。 だから、かな。 俺が、裏稼業に染まるってことをさ。 それでも、その頃は全然考えていなかったけれど。 ・・・・・・・・・もう少し考えれば、何変わっていたのかな。 「よう、ラビ。」 「遅かったな、ヴィル。」 「言うなって。 で、あれからどうなったんだ。」 「あれからは・・・・」 ヴィルが少し遅れて、やって来て。 料理を頼み、また話し始めた。 あの頃は、まだ楽しかった。 すごくすごくね。 永遠を願った黒白の世界 場面.2 笑って欲しいと、俺は貴方に言った。 「久しぶり、ラビ。」 「あ、確かにね。一月、振りだっけね。 元気にしてた?」 「うん、元気よ。 ちょっと、検査ばっかでうんざりしかけてたけど。」 「・・・・検査?」 「あ、うん、検査。」 一ヶ月近く、リーチェと顔を合わせなかった時だ。 その前も、一週間とか、顔を見せない時があったけど、そこまで空くのは珍しいと思ったんだ。 ・・・・・・あ、ネットゲームだから、時間合わない時もあるとか思わないでね。 ちょうどその頃だったかな? 双子の妹が誘拐されたの。 ちょっと脱線するけど、俺たち五人姉弟は、全員地元のエスカレータ式の学園に通ってんの。 一番上の姉さんは、外の大学を受けたらしいけどね。 初等部から中等部、中等部から高等部は、制服が変わるんだ。 二学期の終わりに、採寸して、一月の終わりに指定された店に、取りにいくシステムだったんだ。 でも、ここ数年で、それも変わったね。 今じゃ、校舎内で、受け渡しするってシステムになってる。 それは、初等部の生徒が攫われたから。 それが、俺の妹だったの。 ちょっとびくびくしてるけど、笑うとすごく可愛いんだ。 人形が動いたみたいな可愛さのね。 当時、市内の公立小学校の子が誘拐されて、悪戯されて、殺される事件があったんだ。 身代金目的じゃないから、難しい難しい。 それの最期の犠牲者で、唯一の生還者がナツメなんだ。 生きて帰って来れたから良いってもんじゃないね。 男だったら、親兄弟でも、怖がるんだ。 同じ部屋にが入っただけでね。 それで、当時は神経が細かったのか、引きこもりになっちゃったの、俺は。 だからさ、ほぼ一日、このゲームに居たわけ。 強制排出時間の数時間は睡眠時間だったけど。 だからさ、リーチェが、入ったって言ったけど、ウソだってことが解る。 知ろうと思えば、この【Amazing Earth】で解らない事はない。 当時、数少なかった 『賢者』のマスタークラスで、『忍者』のマスタークラスを持ちながら、軽戦士をやっていたのだ。 ゲーム内で、情報屋もどきもやっていたし、賞金をかけたのだ。 それでも、目撃情報はなかったのだ。 あ、うん、そう言う意味じゃ、《魔導師(マジスタ)ラビ》の原点かもしれない。 今でも、ログインすると挑んでくるペーペーがいたり、挨拶して来たりする人が居る程度には、有名な伝説的プレイヤーなんだ。 『十二聖騎士』の中の三強の一人に数えられたと思う。 ともかくね、それでも、俺はリーチェには何も聞かなかった。 「ともかく、笑ってよ。 リーチェの笑顔好きだからさ。」 「ありがと、ラビ。」 基本、俺自身の事聞かれても、話せないしね。 だから、リアルの方で、サラ兄に、ファラン姉の写真をエサに調べてもらった。 結果はさ、すんごく腹立った。 リーチェ・・・・ベアトリーチェ=ステファノティスはさ、とある企業のモルモットになっていた。 詳しい経緯も、吐き気がした。 だけど、俺は手出しはしなかった。 助けてとも、言われないのに、助けるのは、その時は、おせっかいだと思っていたから。 ・・・それに、リアルじゃ只の中学生だったから、その時は。 それからね、シャルとか、カルロスとかにも、リーチェに引き合わせた。 そのころに、リーチェは、《歌唄い》から、《吟遊詩人》になっていた シャルは、シャルロット=ルルーシュ。 濃いオレンジ色の波打つ髪をポニーテールにしていて、濃い緑の瞳で、白いドレス姿の二十歳半ばのクリスマスカラーの似合う女性だ。 その当時は、紋章師と魔術師の最上級職で、《魔章師》ってのに付いていたね。 紋章っていうのは、攻撃力とかステータスを上げたりすると、普通のジョブスキルー『魔法』とか、『盗む』とかを付与したり、特別なスキルー『再生』とか、『隠者』とかを付与するために、必要なもんでさ。 組み合わせ次第じゃ、その魔章師ってのが、一番強いんじゃない? 全種類の紋章扱えるし、上級魔術も使えるから、成長は遅いけど、組み合わせ次第じゃ《龍殺し》よりも強いんじゃない? カルロスは、カルロス=アリエスト。 若草色のつんつん頭に、焦げ茶色のの瞳に、褐色の肌で、樹みたいにひょろっとした感じで、軽装の二十歳後半の男性だ。 その当時は、盗賊と軽戦士とギャンブラーの上級職の《トレジャーハンター》ってのについていた。 洞窟だとか、塔だとかの、探索には連れてきたい職業だね。 探索も楽になるし、戦力にもなるし。 二人とも、《十二聖騎士》で、カルロスの方が、俺とシャルよりも、古くからいるし。 言葉の端々から、結構オジサンがやってるのかなって人。 二人は、ゲームじゃ良くつるんでる悪友同士って感じで、俺も含めて、最強トリオとかって言われてたね。 「はじめまして、シャルロット=ルルーシュよ。」 「カルロス=アリエストだ。 よろしく頼むよ、別嬪の吟遊詩人さん」 「よろしくおねがいします。」 「で、ルーティ、この子。 お前さんのこれか?」 「ち、違うって。」 カルロスが、小指を立てて聞いて来た。 下世話だけどね、『お前の女か?』と聞いて来たんだ。 持っていた剣で、殴りつけた。 鞘付きだけど、マスタークラス二つ持っている軽戦士を舐めるなって感じだ。 リーチェも、シャルと結構樹があっていたみたいだった。 それからさ、よくその四人で、洞窟とかに挑戦したりしたよ。 んで、そのパーティは結構有名になった。 戦士系の上級職が居ないのと【十二聖騎士】三人に、普通のが一人って言う構成のせいもあってね。 夏休みが来る頃には、リーチェも、歌唄い系最高の《トゥルバトール》になっていたし、俺も、《魔法戦士》の職に就いていた。 あの頃が、一番楽しかった。 シャルも、カルロスも、リーチェも、一緒に笑って居られたから。 だけど、すぐかな、夏休みが終わる頃に、リーチェは突然消えた。 『助けて。 私を助けて。』 その手紙だけを残して、ある日突然、登録を削除した。 本当、突然だったよ。 数時間前に、『少し寝てから、【オルレンの塔】に挑戦しような』って言って別れたばっかだったから。 その頃にはさ、リーチェは、大切な存在になっていた。 当時は、『恋心』だって勘違いするぐらいに。 今思えば、近所のお姉さんに幼稚園児が恋するようなもんだったんだろうけど。 アコガレだね。 シャルも、カルロスも、すごく慌てた。 もちろん、俺もね。 んで、リアルのサラ兄とシャー兄のケツを蹴り上げる勢いで、リーチェ・・・ベアトリーチェ=ステファノティスの行方を探ってもらった。 とある企業の実験動物になってるのは知っていたけど、何処のかは知らなかったしね。 そこまで詳しく調べてもらった。 「アルト?」 「あ〜、とさ、ヴィル。 もう少し時間くれない? まだ、納得しきってないから。」 「・・・・・・わかった。 んじゃ、一週間後にな。」 ヴィルは、それだけ言い残すと、お金をいくらか置いていった。 そのレストランの個室に一人残されたラビは、こう一人呟いた。 「まだ、想い出にできれてない。」 |
18303 | 運命の渦は小さなきっかけで… | 月読 乾 | 2007/9/6 20:20:52 |
記事番号18260へのコメント こんばんは、乾です。 オンラインゲームをテーマにした外伝、いよいよ佳境と言った感じですね。 では、返レスさせて頂きます。 >それから、冬休みが終わって、学年末テストとか卒業式の練習が始まった頃だったかな。 >義理の兄・・・ファラン姉ぇの婚約者のそのアニキにこう言われた。 >『裏の方にもう少し深く嵌らない? > クラッカーとして、その分析力と激情は、一流の条件だと思うけど?』 >中坊を誘うなって、正直思った。 >サラ兄とシャー兄は、二人揃えば、人間どころか戦艦を相手に出来るほどだった。 >裏じゃ、結構すごかったらしい。 >だから、かな。 >俺が、裏稼業に染まるってことをさ。 >それでも、その頃は全然考えていなかったけれど。 >・・・・・・・・・もう少し考えれば、何変わっていたのかな。 きっかけは、ふとした事… 嵌ろうとすれば、あっけないほど覗く事が出来る鏡面の世界… アルトくんが、裏の世界に身を染める事になったのは、 偶然だったのか… 必然の事だったのか… >「よう、ラビ。」 >「遅かったな、ヴィル。」 >「言うなって。 > で、あれからどうなったんだ。」 >「あれからは・・・・」 >ヴィルが少し遅れて、やって来て。 >料理を頼み、また話し始めた。 >あの頃は、まだ楽しかった。 >すごくすごくね。 何気ない一瞬一瞬の出来事が、実は最も幸福と呼べる事なのかも知れませんね。 これから、どんな運命の渦が待っているのでしょうか? >「久しぶり、ラビ。」 >「あ、確かにね。一月、振りだっけね。 > 元気にしてた?」 >「うん、元気よ。 > ちょっと、検査ばっかでうんざりしかけてたけど。」 >「・・・・検査?」 >「あ、うん、検査。」 >一ヶ月近く、リーチェと顔を合わせなかった時だ。 >その前も、一週間とか、顔を見せない時があったけど、そこまで空くのは珍しいと思ったんだ。 >・・・・・・あ、ネットゲームだから、時間合わない時もあるとか思わないでね。 >ちょうどその頃だったかな? >双子の妹が誘拐されたの。 >ちょっと脱線するけど、俺たち五人姉弟は、全員地元のエスカレータ式の学園に通ってんの。 >一番上の姉さんは、外の大学を受けたらしいけどね。 >初等部から中等部、中等部から高等部は、制服が変わるんだ。 >二学期の終わりに、採寸して、一月の終わりに指定された店に、取りにいくシステムだったんだ。 >でも、ここ数年で、それも変わったね。 >今じゃ、校舎内で、受け渡しするってシステムになってる。 >それは、初等部の生徒が攫われたから。 >それが、俺の妹だったの。 >ちょっとびくびくしてるけど、笑うとすごく可愛いんだ。 >人形が動いたみたいな可愛さのね。 >当時、市内の公立小学校の子が誘拐されて、悪戯されて、殺される事件があったんだ。 >身代金目的じゃないから、難しい難しい。 >それの最期の犠牲者で、唯一の生還者がナツメなんだ。 >生きて帰って来れたから良いってもんじゃないね。 >男だったら、親兄弟でも、怖がるんだ。 >同じ部屋にが入っただけでね。 >それで、当時は神経が細かったのか、引きこもりになっちゃったの、俺は。 本編で語られたエピソードですね。 その事がきっかけになって、アルトくんがやがては裏の社会に身を投じるきっかけになるとは… >だからさ、ほぼ一日、このゲームに居たわけ。 >強制排出時間の数時間は睡眠時間だったけど。 >だからさ、リーチェが、入ったって言ったけど、ウソだってことが解る。 >知ろうと思えば、この【Amazing Earth】で解らない事はない。 >当時、数少なかった 『賢者』のマスタークラスで、『忍者』のマスタークラスを持ちながら、軽戦士をやっていたのだ。 >ゲーム内で、情報屋もどきもやっていたし、賞金をかけたのだ。 >それでも、目撃情報はなかったのだ。 >あ、うん、そう言う意味じゃ、《魔導師(マジスタ)ラビ》の原点かもしれない。 >今でも、ログインすると挑んでくるペーペーがいたり、挨拶して来たりする人が居る程度には、有名な伝説的プレイヤーなんだ。 >『十二聖騎士』の中の三強の一人に数えられたと思う。 >ともかくね、それでも、俺はリーチェには何も聞かなかった。 >「ともかく、笑ってよ。 > リーチェの笑顔好きだからさ。」 >「ありがと、ラビ。」 >基本、俺自身の事聞かれても、話せないしね。 >だから、リアルの方で、サラ兄に、ファラン姉の写真をエサに調べてもらった。 >結果はさ、すんごく腹立った。 >リーチェ・・・・ベアトリーチェ=ステファノティスはさ、とある企業のモルモットになっていた。 >詳しい経緯も、吐き気がした。 >だけど、俺は手出しはしなかった。 >助けてとも、言われないのに、助けるのは、その時は、おせっかいだと思っていたから。 >・・・それに、リアルじゃ只の中学生だったから、その時は。 モルモット… リーチェさんにそんな秘密があったなんて。 普段の明るさがあるだけに、一層切ない気がしました。 >それからね、シャルとか、カルロスとかにも、リーチェに引き合わせた。 >そのころに、リーチェは、《歌唄い》から、《吟遊詩人》になっていた >シャルは、シャルロット=ルルーシュ。 >濃いオレンジ色の波打つ髪をポニーテールにしていて、濃い緑の瞳で、白いドレス姿の二十歳半ばのクリスマスカラーの似合う女性だ。 >その当時は、紋章師と魔術師の最上級職で、《魔章師》ってのに付いていたね。 >紋章っていうのは、攻撃力とかステータスを上げたりすると、普通のジョブスキルー『魔法』とか、『盗む』とかを付与したり、特別なスキルー『再生』とか、『隠者』とかを付与するために、必要なもんでさ。 >組み合わせ次第じゃ、その魔章師ってのが、一番強いんじゃない? >全種類の紋章扱えるし、上級魔術も使えるから、成長は遅いけど、組み合わせ次第じゃ《龍殺し》よりも強いんじゃない? >カルロスは、カルロス=アリエスト。 >若草色のつんつん頭に、焦げ茶色のの瞳に、褐色の肌で、樹みたいにひょろっとした感じで、軽装の二十歳後半の男性だ。 >その当時は、盗賊と軽戦士とギャンブラーの上級職の《トレジャーハンター》ってのについていた。 >洞窟だとか、塔だとかの、探索には連れてきたい職業だね。 >探索も楽になるし、戦力にもなるし。 >二人とも、《十二聖騎士》で、カルロスの方が、俺とシャルよりも、古くからいるし。 >言葉の端々から、結構オジサンがやってるのかなって人。 >二人は、ゲームじゃ良くつるんでる悪友同士って感じで、俺も含めて、最強トリオとかって言われてたね。 >「はじめまして、シャルロット=ルルーシュよ。」 >「カルロス=アリエストだ。 > よろしく頼むよ、別嬪の吟遊詩人さん」 >「よろしくおねがいします。」 >「で、ルーティ、この子。 > お前さんのこれか?」 >「ち、違うって。」 >カルロスが、小指を立てて聞いて来た。 >下世話だけどね、『お前の女か?』と聞いて来たんだ。 >持っていた剣で、殴りつけた。 >鞘付きだけど、マスタークラス二つ持っている軽戦士を舐めるなって感じだ。 >リーチェも、シャルと結構樹があっていたみたいだった。 >それからさ、よくその四人で、洞窟とかに挑戦したりしたよ。 >んで、そのパーティは結構有名になった。 >戦士系の上級職が居ないのと【十二聖騎士】三人に、普通のが一人って言う構成のせいもあってね。 >夏休みが来る頃には、リーチェも、歌唄い系最高の《トゥルバトール》になっていたし、俺も、《魔法戦士》の職に就いていた。 >あの頃が、一番楽しかった。 >シャルも、カルロスも、リーチェも、一緒に笑って居られたから。 >だけど、すぐかな、夏休みが終わる頃に、リーチェは突然消えた。 > >『助けて。 > 私を助けて。』 > >その手紙だけを残して、ある日突然、登録を削除した。 >本当、突然だったよ。 一体、リーチェさんに何が? これが、楽しかった最後の思い出になってしまうのでしょうか? >数時間前に、『少し寝てから、【オルレンの塔】に挑戦しような』って言って別れたばっかだったから。 >その頃にはさ、リーチェは、大切な存在になっていた。 >当時は、『恋心』だって勘違いするぐらいに。 >今思えば、近所のお姉さんに幼稚園児が恋するようなもんだったんだろうけど。 >アコガレだね。 >シャルも、カルロスも、すごく慌てた。 >もちろん、俺もね。 >んで、リアルのサラ兄とシャー兄のケツを蹴り上げる勢いで、リーチェ・・・ベアトリーチェ=ステファノティスの行方を探ってもらった。 >とある企業の実験動物になってるのは知っていたけど、何処のかは知らなかったしね。 >そこまで詳しく調べてもらった。 > 動物実験… 恋心に近い感情まで芽生えていた相手が、そういう扱いを受けていると知った時の感情はどういうものなのでしょう…? > > > > >「アルト?」 >「あ〜、とさ、ヴィル。 > もう少し時間くれない? > まだ、納得しきってないから。」 >「・・・・・・わかった。 > んじゃ、一週間後にな。」 >ヴィルは、それだけ言い残すと、お金をいくらか置いていった。 >そのレストランの個室に一人残されたラビは、こう一人呟いた。 >「まだ、想い出にできれてない。」 この後、顛末に入るのでしょうか? 次回もしっかりと拝見させていただくつもりです。 |
18309 | 生まれ、そして荒れ狂う。 | 十叶 夕海 | 2007/9/10 04:06:48 |
記事番号18303へのコメント >こんばんは、乾です。 >オンラインゲームをテーマにした外伝、いよいよ佳境と言った感じですね。 >では、返レスさせて頂きます。 こんばんは、夕海です ですかね。 ともあれ、返レス行きます。 > > > >>それから、冬休みが終わって、学年末テストとか卒業式の練習が始まった頃だったかな。 >>義理の兄・・・ファラン姉ぇの婚約者のそのアニキにこう言われた。 >>『裏の方にもう少し深く嵌らない? >> クラッカーとして、その分析力と激情は、一流の条件だと思うけど?』 >>中坊を誘うなって、正直思った。 >>サラ兄とシャー兄は、二人揃えば、人間どころか戦艦を相手に出来るほどだった。 >>裏じゃ、結構すごかったらしい。 >>だから、かな。 >>俺が、裏稼業に染まるってことをさ。 >>それでも、その頃は全然考えていなかったけれど。 >>・・・・・・・・・もう少し考えれば、何変わっていたのかな。 > >きっかけは、ふとした事… >嵌ろうとすれば、あっけないほど覗く事が出来る鏡面の世界… >アルトくんが、裏の世界に身を染める事になったのは、 >偶然だったのか… >必然の事だったのか… 本当に、些細な事。 それこそ、普通の中学生が、煙草に憧れるかのように。 ある種の必然。 ある種の偶然。 どちらかは未だ、闇の中。 > >>「よう、ラビ。」 >>「遅かったな、ヴィル。」 >>「言うなって。 >> で、あれからどうなったんだ。」 >>「あれからは・・・・」 >>ヴィルが少し遅れて、やって来て。 >>料理を頼み、また話し始めた。 >>あの頃は、まだ楽しかった。 >>すごくすごくね。 > >何気ない一瞬一瞬の出来事が、実は最も幸福と呼べる事なのかも知れませんね。 >これから、どんな運命の渦が待っているのでしょうか? うぃ、失えば、その尊さが何よりも辛い。 これからは、少なくとも、学生と呼ばれる身分には辛い怒濤の展開でしょう。 > >>「久しぶり、ラビ。」 >>「あ、確かにね。一月、振りだっけね。 >> 元気にしてた?」 >>「うん、元気よ。 >> ちょっと、検査ばっかでうんざりしかけてたけど。」 >>「・・・・検査?」 >>「あ、うん、検査。」 >>一ヶ月近く、リーチェと顔を合わせなかった時だ。 >>その前も、一週間とか、顔を見せない時があったけど、そこまで空くのは珍しいと思ったんだ。 >>・・・・・・あ、ネットゲームだから、時間合わない時もあるとか思わないでね。 >>ちょうどその頃だったかな? >>双子の妹が誘拐されたの。 >>ちょっと脱線するけど、俺たち五人姉弟は、全員地元のエスカレータ式の学園に通ってんの。 >>一番上の姉さんは、外の大学を受けたらしいけどね。 >>初等部から中等部、中等部から高等部は、制服が変わるんだ。 >>二学期の終わりに、採寸して、一月の終わりに指定された店に、取りにいくシステムだったんだ。 >>でも、ここ数年で、それも変わったね。 >>今じゃ、校舎内で、受け渡しするってシステムになってる。 >>それは、初等部の生徒が攫われたから。 >>それが、俺の妹だったの。 >>ちょっとびくびくしてるけど、笑うとすごく可愛いんだ。 >>人形が動いたみたいな可愛さのね。 >>当時、市内の公立小学校の子が誘拐されて、悪戯されて、殺される事件があったんだ。 >>身代金目的じゃないから、難しい難しい。 >>それの最期の犠牲者で、唯一の生還者がナツメなんだ。 >>生きて帰って来れたから良いってもんじゃないね。 >>男だったら、親兄弟でも、怖がるんだ。 >>同じ部屋にが入っただけでね。 >>それで、当時は神経が細かったのか、引きこもりになっちゃったの、俺は。 > >本編で語られたエピソードですね。 >その事がきっかけになって、アルトくんがやがては裏の社会に身を投じるきっかけになるとは… 直接ではないけれど、キッカケですね。 少なくとも、引き蘢らなければ、こうならなかったかもしれない。 > >>だからさ、ほぼ一日、このゲームに居たわけ。 >>強制排出時間の数時間は睡眠時間だったけど。 >>だからさ、リーチェが、入ったって言ったけど、ウソだってことが解る。 >>知ろうと思えば、この【Amazing Earth】で解らない事はない。 >>当時、数少なかった 『賢者』のマスタークラスで、『忍者』のマスタークラスを持ちながら、軽戦士をやっていたのだ。 >>ゲーム内で、情報屋もどきもやっていたし、賞金をかけたのだ。 >>それでも、目撃情報はなかったのだ。 >>あ、うん、そう言う意味じゃ、《魔導師(マジスタ)ラビ》の原点かもしれない。 >>今でも、ログインすると挑んでくるペーペーがいたり、挨拶して来たりする人が居る程度には、有名な伝説的プレイヤーなんだ。 >>『十二聖騎士』の中の三強の一人に数えられたと思う。 >>ともかくね、それでも、俺はリーチェには何も聞かなかった。 >>「ともかく、笑ってよ。 >> リーチェの笑顔好きだからさ。」 >>「ありがと、ラビ。」 >>基本、俺自身の事聞かれても、話せないしね。 >>だから、リアルの方で、サラ兄に、ファラン姉の写真をエサに調べてもらった。 >>結果はさ、すんごく腹立った。 >>リーチェ・・・・ベアトリーチェ=ステファノティスはさ、とある企業のモルモットになっていた。 >>詳しい経緯も、吐き気がした。 >>だけど、俺は手出しはしなかった。 >>助けてとも、言われないのに、助けるのは、その時は、おせっかいだと思っていたから。 >>・・・それに、リアルじゃ只の中学生だったから、その時は。 > >モルモット… >リーチェさんにそんな秘密があったなんて。 >普段の明るさがあるだけに、一層切ない気がしました。 うぃ。 でも、彼女は、全てを承知の上かはどうかとして、自らあの道を選んでいたわ。 だから、切なく・・・・・・尊いのかもしれない。 > >>それからね、シャルとか、カルロスとかにも、リーチェに引き合わせた。 >>そのころに、リーチェは、《歌唄い》から、《吟遊詩人》になっていた >>シャルは、シャルロット=ルルーシュ。 >>濃いオレンジ色の波打つ髪をポニーテールにしていて、濃い緑の瞳で、白いドレス姿の二十歳半ばのクリスマスカラーの似合う女性だ。 >>その当時は、紋章師と魔術師の最上級職で、《魔章師》ってのに付いていたね。 >>紋章っていうのは、攻撃力とかステータスを上げたりすると、普通のジョブスキルー『魔法』とか、『盗む』とかを付与したり、特別なスキルー『再生』とか、『隠者』とかを付与するために、必要なもんでさ。 >>組み合わせ次第じゃ、その魔章師ってのが、一番強いんじゃない? >>全種類の紋章扱えるし、上級魔術も使えるから、成長は遅いけど、組み合わせ次第じゃ《龍殺し》よりも強いんじゃない? >>カルロスは、カルロス=アリエスト。 >>若草色のつんつん頭に、焦げ茶色のの瞳に、褐色の肌で、樹みたいにひょろっとした感じで、軽装の二十歳後半の男性だ。 >>その当時は、盗賊と軽戦士とギャンブラーの上級職の《トレジャーハンター》ってのについていた。 >>洞窟だとか、塔だとかの、探索には連れてきたい職業だね。 >>探索も楽になるし、戦力にもなるし。 >>二人とも、《十二聖騎士》で、カルロスの方が、俺とシャルよりも、古くからいるし。 >>言葉の端々から、結構オジサンがやってるのかなって人。 >>二人は、ゲームじゃ良くつるんでる悪友同士って感じで、俺も含めて、最強トリオとかって言われてたね。 >>「はじめまして、シャルロット=ルルーシュよ。」 >>「カルロス=アリエストだ。 >> よろしく頼むよ、別嬪の吟遊詩人さん」 >>「よろしくおねがいします。」 >>「で、ルーティ、この子。 >> お前さんのこれか?」 >>「ち、違うって。」 >>カルロスが、小指を立てて聞いて来た。 >>下世話だけどね、『お前の女か?』と聞いて来たんだ。 >>持っていた剣で、殴りつけた。 >>鞘付きだけど、マスタークラス二つ持っている軽戦士を舐めるなって感じだ。 >>リーチェも、シャルと結構樹があっていたみたいだった。 >>それからさ、よくその四人で、洞窟とかに挑戦したりしたよ。 >>んで、そのパーティは結構有名になった。 >>戦士系の上級職が居ないのと【十二聖騎士】三人に、普通のが一人って言う構成のせいもあってね。 >>夏休みが来る頃には、リーチェも、歌唄い系最高の《トゥルバトール》になっていたし、俺も、《魔法戦士》の職に就いていた。 >>あの頃が、一番楽しかった。 >>シャルも、カルロスも、リーチェも、一緒に笑って居られたから。 >>だけど、すぐかな、夏休みが終わる頃に、リーチェは突然消えた。 >> >>『助けて。 >> 私を助けて。』 >> >>その手紙だけを残して、ある日突然、登録を削除した。 >>本当、突然だったよ。 > >一体、リーチェさんに何が? >これが、楽しかった最後の思い出になってしまうのでしょうか? うぃ。 いつも、分かれは突然に。 お別れの挨拶が言える事が、ある種の奇跡なのです。 > > >>数時間前に、『少し寝てから、【オルレンの塔】に挑戦しような』って言って別れたばっかだったから。 >>その頃にはさ、リーチェは、大切な存在になっていた。 >>当時は、『恋心』だって勘違いするぐらいに。 >>今思えば、近所のお姉さんに幼稚園児が恋するようなもんだったんだろうけど。 >>アコガレだね。 >>シャルも、カルロスも、すごく慌てた。 >>もちろん、俺もね。 >>んで、リアルのサラ兄とシャー兄のケツを蹴り上げる勢いで、リーチェ・・・ベアトリーチェ=ステファノティスの行方を探ってもらった。 >>とある企業の実験動物になってるのは知っていたけど、何処のかは知らなかったしね。 >>そこまで詳しく調べてもらった。 >> >動物実験… >恋心に近い感情まで芽生えていた相手が、そういう扱いを受けていると知った時の感情はどういうものなのでしょう…? 複雑ってもんじゃないでしょう。 それでも、彼は必死に探した。 >> > >> >> >> >>「アルト?」 >>「あ〜、とさ、ヴィル。 >> もう少し時間くれない? >> まだ、納得しきってないから。」 >>「・・・・・・わかった。 >> んじゃ、一週間後にな。」 >>ヴィルは、それだけ言い残すと、お金をいくらか置いていった。 >>そのレストランの個室に一人残されたラビは、こう一人呟いた。 >>「まだ、想い出にできれてない。」 > >この後、顛末に入るのでしょうか? >次回もしっかりと拝見させていただくつもりです。 うぃ、ネットゲーム内メインは、次でラストです。 次次回が、えぴろーぐになりますね。 |
18261 | 家族の写真 アルト外伝 永遠を願った黒白の世界 | 十叶 夕海 | 2007/7/31 18:47:48 |
記事番号18258へのコメント 『堕ちる覚悟は出来てますか、アルト君。』 『サラ、ちびっこ脅かさないで欲しーな。』 『・・・・・・・シャール、裏社会を頼ると言う事は、堕ちるも同然です。 麻薬に身を任せるが如く、一度頼れば、抜け出せなくなるかもしれない。』 『でもさ、サラ。 オトコノコが、オンナノコ助けたいって言うのは、いいんじゃないかな。』 『シャール!!』 リーチェを助けたいって、二人の義兄に頼った。 そしたら、こう言われた。 サラ兄は、最後まで、反対してた。 だけどね。 その時には、リーチェは、もう『他人』じゃなかったんだ。 「で、想い出に出来た?」 「話せるぐらいにはね。」 「・・・・場所は、確か中東でもなく欧州でもないような、その中間の国。」 「そう、その国のとある研究所。 そこが、彼女のある意味での最後の場所だった。」 こうして、ヴィルに促され、また話し始めた。 永遠を望んだ黒白の世界 眠りが平穏であるように 貴女に私はそう言った。 「・・・・・・××××のベリューシオン研究所だね。」 「あと、結構時間もないみたい。」 「アルト君、今日の日付変わる頃に、迎えに来ますから。」 リーチェが、短い手紙を残して、ネットゲームから消えて数日後。 サラ兄とシャー兄の報告が、そう言う内容だった。 珍しく二人とも、慌てたように思う。 二人は、様子が違うとは言え、微笑と笑顔の余裕は崩さないのに。 その理由は、リーチェのところに、言ったら解ったよ。 でも、その時は、また一緒にネットゲームを楽しめるって本気に信じてた。 ・・・・で、その日の夜半。 俺は、義兄二人に、連れられてそのベリューシオン研究所とやらに来ていた。 白い白い箱みたいな建物。 窓もろくに無くて、息が詰まりそうだった。 んで、サラ兄が、爆弾で壁と門とそこの守衛を吹き飛ばした。 ほら、上海だか香港だかにいる、ライラって居るでしょ? 先々代の《氣殺》使い・ベルの奥さんの。 あれに作ってもらったんだって。 『薬』には違いないからね、『爆薬』も。 そんで、探した。 二人の話によると、リーチェはゲームのアバターとそう変わらない外見だったらしい。 金髪のふわふわの綿菓子みたいな猫っ毛とミントキャンディみたいな鮮やかな瞳らしい。 ちょっとドキドキしてた。 ゲームのオフ会とかに憧れる年代だったし。 んで、地下か、一階だったかな。 二人が、牽制に投げた小型爆弾・・・手榴弾って言うの?あれのせいで、一階の天井から上は、夕焼けがの空がのぞいていた。 ポッド・・・・ヴァーチャルダイバーのアーケード版っていうかそれのもう少し大仰にして、横になって入るタイプね。 その一つに、リーチェは居た。 でも、金髪のふわふわだったかもしれない髪は、ばさばさで、肌もかさかさだった。 それに、ゲームでは、十代半ばほどだったのに。 そのリーチェは、二十歳少し過ぎで、ファラン姉と同じぐらいだった。 「・・・・・・リィ・・・チェ?」 彼女を抱き上げて、そう呼びかける。 義兄二人は、その研究についての資料集める為に、隣の部屋に居た。 俺の呼びかけに、彼女はゆるゆると瞼を開ける。 瞳は、ゲームと同じミントキャンディみたいな緑色だった。 どうやら、身体を起こせないようで、手だけを俺に伸ばして来た。 ガサガサの手は、少しくすぐたかった。 「・・・・・誰? ・・・・・・・・ラビ? あれ、なんか小ちゃくない?」 「チャイルドファンム(幼児幻想薬)は飲んでないよ。 それに、ここは、現実だよ。」 「現実でも、兎みたいなふわふわの髪なんだね。」 「・・・うん。」 ゲームの中の彼女と何も変わらなくて。 でも、何かが違っていて。 淡く笑う彼女は、人魚姫のように泡になって消えてしまいそうで。 「逆だね。 ゲームだと、私の方が年下だったのに。」 リーチェの言葉を聞いても、俺は返せなかった。 「一番、私が幸せだった頃の、外見だったの。」 今とは、全然違う様相。 知っている外見から、今までの数年間何があったのだろうか? 「コールガールとかやってしまっていたわ。 ・・・・・ラビ、泣いてるの?」 「わかんない。」 でも、俺は泣いていた。 何でだかなんてのは、解んない。 だけど、涙が出て来た。 その涙が、リーチェを濡らしていた。 「ごめんね。 あんな手紙残して。」 「ううん、そんな事ない。 ・・・でも、助けになれた?」 「うん。 最後に、ラビに会えて良かった。」 「え?」 ―すぐには、理解出来なかった。 「よくわかんないけどね、私もうすぐ死ぬらしいんだ。」 「え?」 ―正確には、したくなかった、 「人間の心を機械にも与えれないかって言う研究の被験体だったんだ。 失敗したらしくて、私の精神、もうダメなんだって。」 「え? う、う・・・・ウソだよな。」 ―それだけしか、言葉にできなかった。 「ううん。 今こうやってても、自分が消えてしまいそうな感じだから。」 「せっかくあえたのに。」 「ごめんね・・・・、本当にごめんね。」 「ベアトリーチェ?」 「あ、嬉しいな。 名前で呼ばれるの、久しぶりだ・・・・・よ・・・・・。」 ・・・・・・・・・・・・・・そして、彼女は、目を閉じた。 たぶん、ずっと目覚める事のない眠りに落ちたんだ。 そう、サラ兄から、聞いた時は、俺は泣いて、泣きまくった。 その後、時期だったね。 《重力への反抗(レジスト・グラビティ)》に目覚めたの。 え?それからどうしたかって? 知ってるくせに、ヴィルは、意地悪だよね。 そもそも、《記憶のロザリオ》は、或る意味、《御伽噺》関係者のためのアイテムでもあったもん。 過去の記憶の覚醒。 そのスイッチが、リーチェの永遠の眠りなのは、皮肉過ぎるけど。 「あの時は、本当に会社が傾いたからね。」 「あんな研究させる方が悪い。」 「だけど、代替え品でも、人は愛せるのかねって思ってさ。」 ヴィルは、困ったように笑うが、ラビの台詞に、頷くしかなかった。 その後の顛末は、ヴィルもすこしだけど、知っている。 ・・・それで、二人は出会ったモノのような形だけど。 |
18306 | 落ちて堕ちて真っ白に… | 月読 乾 | 2007/9/7 21:11:12 |
記事番号18261へのコメント こんばんは、乾です。 今回はアルトくんが裏社会に落ちる経緯ですね。 では、返レス行かせて頂きます。 >『堕ちる覚悟は出来てますか、アルト君。』 >『サラ、ちびっこ脅かさないで欲しーな。』 >『・・・・・・・シャール、裏社会を頼ると言う事は、堕ちるも同然です。 > 麻薬に身を任せるが如く、一度頼れば、抜け出せなくなるかもしれない。』 >『でもさ、サラ。 > オトコノコが、オンナノコ助けたいって言うのは、いいんじゃないかな。』 >『シャール!!』 >リーチェを助けたいって、二人の義兄に頼った。 >そしたら、こう言われた。 >サラ兄は、最後まで、反対してた。 >だけどね。 >その時には、リーチェは、もう『他人』じゃなかったんだ。 堕ちるその眼に映る人は、もう他人じゃない… 理由は充分だと思います。 大事な人の為に、一線を踏み越える時… >「で、想い出に出来た?」 >「話せるぐらいにはね。」 >「・・・・場所は、確か中東でもなく欧州でもないような、その中間の国。」 >「そう、その国のとある研究所。 > そこが、彼女のある意味での最後の場所だった。」 >こうして、ヴィルに促され、また話し始めた。 既にリーチェさんは… 顛末が気になります! >「・・・・・・××××のベリューシオン研究所だね。」 >「あと、結構時間もないみたい。」 >「アルト君、今日の日付変わる頃に、迎えに来ますから。」 >リーチェが、短い手紙を残して、ネットゲームから消えて数日後。 >サラ兄とシャー兄の報告が、そう言う内容だった。 >珍しく二人とも、慌てたように思う。 >二人は、様子が違うとは言え、微笑と笑顔の余裕は崩さないのに。 >その理由は、リーチェのところに、言ったら解ったよ。 >でも、その時は、また一緒にネットゲームを楽しめるって本気に信じてた。 >・・・・で、その日の夜半。 >俺は、義兄二人に、連れられてそのベリューシオン研究所とやらに来ていた。 >白い白い箱みたいな建物。 >窓もろくに無くて、息が詰まりそうだった。 >んで、サラ兄が、爆弾で壁と門とそこの守衛を吹き飛ばした。 >ほら、上海だか香港だかにいる、ライラって居るでしょ? >先々代の《氣殺》使い・ベルの奥さんの。 >あれに作ってもらったんだって。 >『薬』には違いないからね、『爆薬』も。 >そんで、探した。 >二人の話によると、リーチェはゲームのアバターとそう変わらない外見だったらしい。 >金髪のふわふわの綿菓子みたいな猫っ毛とミントキャンディみたいな鮮やかな瞳らしい。 >ちょっとドキドキしてた。 >ゲームのオフ会とかに憧れる年代だったし。 >んで、地下か、一階だったかな。 >二人が、牽制に投げた小型爆弾・・・手榴弾って言うの?あれのせいで、一階の天井から上は、夕焼けがの空がのぞいていた。 >ポッド・・・・ヴァーチャルダイバーのアーケード版っていうかそれのもう少し大仰にして、横になって入るタイプね。 >その一つに、リーチェは居た。 >でも、金髪のふわふわだったかもしれない髪は、ばさばさで、肌もかさかさだった。 >それに、ゲームでは、十代半ばほどだったのに。 >そのリーチェは、二十歳少し過ぎで、ファラン姉と同じぐらいだった。 >「・・・・・・リィ・・・チェ?」 >彼女を抱き上げて、そう呼びかける。 >義兄二人は、その研究についての資料集める為に、隣の部屋に居た。 >俺の呼びかけに、彼女はゆるゆると瞼を開ける。 >瞳は、ゲームと同じミントキャンディみたいな緑色だった。 >どうやら、身体を起こせないようで、手だけを俺に伸ばして来た。 >ガサガサの手は、少しくすぐたかった。 >「・・・・・誰? > ・・・・・・・・ラビ? > あれ、なんか小ちゃくない?」 >「チャイルドファンム(幼児幻想薬)は飲んでないよ。 > それに、ここは、現実だよ。」 >「現実でも、兎みたいなふわふわの髪なんだね。」 >「・・・うん。」 >ゲームの中の彼女と何も変わらなくて。 >でも、何かが違っていて。 >淡く笑う彼女は、人魚姫のように泡になって消えてしまいそうで。 燃え盛る炎も、まるでたゆたう波の様に流れて行ってるのでしょうか? 今この場の2人には。 初めてのリアルでの出会いが、こんな形になるなんて… それでも、ほんの一瞬だけでも彼女は幸せだったのかな? >「逆だね。 > ゲームだと、私の方が年下だったのに。」 >リーチェの言葉を聞いても、俺は返せなかった。 >「一番、私が幸せだった頃の、外見だったの。」 >今とは、全然違う様相。 >知っている外見から、今までの数年間何があったのだろうか? >「コールガールとかやってしまっていたわ。 > ・・・・・ラビ、泣いてるの?」 >「わかんない。」 >でも、俺は泣いていた。 >何でだかなんてのは、解んない。 >だけど、涙が出て来た。 >その涙が、リーチェを濡らしていた。 >「ごめんね。 > あんな手紙残して。」 >「ううん、そんな事ない。 > ・・・でも、助けになれた?」 >「うん。 > 最後に、ラビに会えて良かった。」 >「え?」 >―すぐには、理解出来なかった。 >「よくわかんないけどね、私もうすぐ死ぬらしいんだ。」 >「え?」 >―正確には、したくなかった、 >「人間の心を機械にも与えれないかって言う研究の被験体だったんだ。 > 失敗したらしくて、私の精神、もうダメなんだって。」 >「え? > う、う・・・・ウソだよな。」 >―それだけしか、言葉にできなかった。 >「ううん。 > 今こうやってても、自分が消えてしまいそうな感じだから。」 >「せっかくあえたのに。」 >「ごめんね・・・・、本当にごめんね。」 >「ベアトリーチェ?」 >「あ、嬉しいな。 > 名前で呼ばれるの、久しぶりだ・・・・・よ・・・・・。」 >・・・・・・・・・・・・・・そして、彼女は、目を閉じた。 >たぶん、ずっと目覚める事のない眠りに落ちたんだ。 >そう、サラ兄から、聞いた時は、俺は泣いて、泣きまくった。 >その後、時期だったね。 >《重力への反抗(レジスト・グラビティ)》に目覚めたの。 >え?それからどうしたかって? >知ってるくせに、ヴィルは、意地悪だよね。 >そもそも、《記憶のロザリオ》は、或る意味、《御伽噺》関係者のためのアイテムでもあったもん。 >過去の記憶の覚醒。 >そのスイッチが、リーチェの永遠の眠りなのは、皮肉過ぎるけど。 その瞬間から、新しいアルトが生まれた…は陳腐な表現でしょうね。 でも、全ての運命の伏線は張られていたのでしょうか? 今はただ、永久の眠りに僅かな希望を託す免罪を求めたいです。 >「あの時は、本当に会社が傾いたからね。」 >「あんな研究させる方が悪い。」 >「だけど、代替え品でも、人は愛せるのかねって思ってさ。」 >ヴィルは、困ったように笑うが、ラビの台詞に、頷くしかなかった。 >その後の顛末は、ヴィルもすこしだけど、知っている。 >・・・それで、二人は出会ったモノのような形だけど。 この運命の悪戯が、裏社会に入るきっかけだったのですね。 |
18332 | それでも、彼女は彼女だった。 | 十叶 夕海 | 2007/9/24 21:57:40 |
記事番号18306へのコメント >こんばんは、乾です。 >今回はアルトくんが裏社会に落ちる経緯ですね。 >では、返レス行かせて頂きます。 こんにちは、夕海です。 進んで堕ちていったのでしょう。 > > >>『堕ちる覚悟は出来てますか、アルト君。』 >>『サラ、ちびっこ脅かさないで欲しーな。』 >>『・・・・・・・シャール、裏社会を頼ると言う事は、堕ちるも同然です。 >> 麻薬に身を任せるが如く、一度頼れば、抜け出せなくなるかもしれない。』 >>『でもさ、サラ。 >> オトコノコが、オンナノコ助けたいって言うのは、いいんじゃないかな。』 >>『シャール!!』 >>リーチェを助けたいって、二人の義兄に頼った。 >>そしたら、こう言われた。 >>サラ兄は、最後まで、反対してた。 >>だけどね。 >>その時には、リーチェは、もう『他人』じゃなかったんだ。 > >堕ちるその眼に映る人は、もう他人じゃない… >理由は充分だと思います。 >大事な人の為に、一線を踏み越える時… うぃ、他人じゃないから、助けたい。 「家族」とか、「恋人」とか、「友達」とか、名前はどうでもいい。 「大切」だから、助けたい。 > >>「で、想い出に出来た?」 >>「話せるぐらいにはね。」 >>「・・・・場所は、確か中東でもなく欧州でもないような、その中間の国。」 >>「そう、その国のとある研究所。 >> そこが、彼女のある意味での最後の場所だった。」 >>こうして、ヴィルに促され、また話し始めた。 > >既にリーチェさんは… >顛末が気になります! 一応は、生きている。 でも、それは、「一応」でしかないのだ。 > >>「・・・・・・××××のベリューシオン研究所だね。」 >>「あと、結構時間もないみたい。」 >>「アルト君、今日の日付変わる頃に、迎えに来ますから。」 >>リーチェが、短い手紙を残して、ネットゲームから消えて数日後。 >>サラ兄とシャー兄の報告が、そう言う内容だった。 >>珍しく二人とも、慌てたように思う。 >>二人は、様子が違うとは言え、微笑と笑顔の余裕は崩さないのに。 >>その理由は、リーチェのところに、言ったら解ったよ。 >>でも、その時は、また一緒にネットゲームを楽しめるって本気に信じてた。 >>・・・・で、その日の夜半。 >>俺は、義兄二人に、連れられてそのベリューシオン研究所とやらに来ていた。 >>白い白い箱みたいな建物。 >>窓もろくに無くて、息が詰まりそうだった。 >>んで、サラ兄が、爆弾で壁と門とそこの守衛を吹き飛ばした。 >>ほら、上海だか香港だかにいる、ライラって居るでしょ? >>先々代の《氣殺》使い・ベルの奥さんの。 >>あれに作ってもらったんだって。 >>『薬』には違いないからね、『爆薬』も。 >>そんで、探した。 >>二人の話によると、リーチェはゲームのアバターとそう変わらない外見だったらしい。 >>金髪のふわふわの綿菓子みたいな猫っ毛とミントキャンディみたいな鮮やかな瞳らしい。 >>ちょっとドキドキしてた。 >>ゲームのオフ会とかに憧れる年代だったし。 >>んで、地下か、一階だったかな。 >>二人が、牽制に投げた小型爆弾・・・手榴弾って言うの?あれのせいで、一階の天井から上は、夕焼けがの空がのぞいていた。 >>ポッド・・・・ヴァーチャルダイバーのアーケード版っていうかそれのもう少し大仰にして、横になって入るタイプね。 >>その一つに、リーチェは居た。 >>でも、金髪のふわふわだったかもしれない髪は、ばさばさで、肌もかさかさだった。 >>それに、ゲームでは、十代半ばほどだったのに。 >>そのリーチェは、二十歳少し過ぎで、ファラン姉と同じぐらいだった。 >>「・・・・・・リィ・・・チェ?」 >>彼女を抱き上げて、そう呼びかける。 >>義兄二人は、その研究についての資料集める為に、隣の部屋に居た。 >>俺の呼びかけに、彼女はゆるゆると瞼を開ける。 >>瞳は、ゲームと同じミントキャンディみたいな緑色だった。 >>どうやら、身体を起こせないようで、手だけを俺に伸ばして来た。 >>ガサガサの手は、少しくすぐたかった。 >>「・・・・・誰? >> ・・・・・・・・ラビ? >> あれ、なんか小ちゃくない?」 >>「チャイルドファンム(幼児幻想薬)は飲んでないよ。 >> それに、ここは、現実だよ。」 >>「現実でも、兎みたいなふわふわの髪なんだね。」 >>「・・・うん。」 >>ゲームの中の彼女と何も変わらなくて。 >>でも、何かが違っていて。 >>淡く笑う彼女は、人魚姫のように泡になって消えてしまいそうで。 > >燃え盛る炎も、まるでたゆたう波の様に流れて行ってるのでしょうか? >今この場の2人には。 >初めてのリアルでの出会いが、こんな形になるなんて… >それでも、ほんの一瞬だけでも彼女は幸せだったのかな? 哀しい形での出会い。 でも、決して、彼女は「不幸」では無かった。 > > >>「逆だね。 >> ゲームだと、私の方が年下だったのに。」 >>リーチェの言葉を聞いても、俺は返せなかった。 >>「一番、私が幸せだった頃の、外見だったの。」 >>今とは、全然違う様相。 >>知っている外見から、今までの数年間何があったのだろうか? >>「コールガールとかやってしまっていたわ。 >> ・・・・・ラビ、泣いてるの?」 >>「わかんない。」 >>でも、俺は泣いていた。 >>何でだかなんてのは、解んない。 >>だけど、涙が出て来た。 >>その涙が、リーチェを濡らしていた。 >>「ごめんね。 >> あんな手紙残して。」 >>「ううん、そんな事ない。 >> ・・・でも、助けになれた?」 >>「うん。 >> 最後に、ラビに会えて良かった。」 >>「え?」 >>―すぐには、理解出来なかった。 >>「よくわかんないけどね、私もうすぐ死ぬらしいんだ。」 >>「え?」 >>―正確には、したくなかった、 >>「人間の心を機械にも与えれないかって言う研究の被験体だったんだ。 >> 失敗したらしくて、私の精神、もうダメなんだって。」 >>「え? >> う、う・・・・ウソだよな。」 >>―それだけしか、言葉にできなかった。 >>「ううん。 >> 今こうやってても、自分が消えてしまいそうな感じだから。」 >>「せっかくあえたのに。」 >>「ごめんね・・・・、本当にごめんね。」 >>「ベアトリーチェ?」 >>「あ、嬉しいな。 >> 名前で呼ばれるの、久しぶりだ・・・・・よ・・・・・。」 >>・・・・・・・・・・・・・・そして、彼女は、目を閉じた。 >>たぶん、ずっと目覚める事のない眠りに落ちたんだ。 >>そう、サラ兄から、聞いた時は、俺は泣いて、泣きまくった。 >>その後、時期だったね。 >>《重力への反抗(レジスト・グラビティ)》に目覚めたの。 >>え?それからどうしたかって? >>知ってるくせに、ヴィルは、意地悪だよね。 >>そもそも、《記憶のロザリオ》は、或る意味、《御伽噺》関係者のためのアイテムでもあったもん。 >>過去の記憶の覚醒。 >>そのスイッチが、リーチェの永遠の眠りなのは、皮肉過ぎるけど。 > >その瞬間から、新しいアルトが生まれた…は陳腐な表現でしょうね。 >でも、全ての運命の伏線は張られていたのでしょうか? >今はただ、永久の眠りに僅かな希望を託す免罪を求めたいです。 でも、このとき、アルトは今のアルトになった。 ある意味で、張られていたのかもしれない。 うぃ、魂の永久の眠りを。 > >>「あの時は、本当に会社が傾いたからね。」 >>「あんな研究させる方が悪い。」 >>「だけど、代替え品でも、人は愛せるのかねって思ってさ。」 >>ヴィルは、困ったように笑うが、ラビの台詞に、頷くしかなかった。 >>その後の顛末は、ヴィルもすこしだけど、知っている。 >>・・・それで、二人は出会ったモノのような形だけど。 > >この運命の悪戯が、裏社会に入るきっかけだったのですね。 無かったら、遊びで、ほんとの表層にしか、入らなかった。 奥まで入ったのはこのキッカケが。 |
18262 | 家族の写真 アルト外伝 永遠を願った黒白の世界 | 十叶 夕海 | 2007/7/31 18:49:34 |
記事番号18258へのコメント 『シャールの言った事当たりましたね。』 『褒めるなって、サラ。』 『褒めてないですよ。 子どもを裏に染める手伝いは、ディスやアークだけで十分です。』 『ありゃ能力上仕方ないだろうし。 そう言う意味じゃ、アルト君も変わらない。』 『はいはい、むしろ、アレの欠片を持っている以上危ないんでしょ? 《凍れる予見者(フリージング・シーヤー)》の悪名躍如と言うところでしょうか?』 俺が、リーチェの復讐をしたいと言った時、台詞ほど呆れた調子ではなく、『ああ、そうなったか、』的な締念混じりにそう言われた。 十中八九、間に合わないか、あの結末になると、そうしたら俺がそう言うだろうと、予測していたのだろう。 シャー兄は、特に、複数系統の能力に目覚めてたしね。 俺のは、無理矢理やるなら、念力系だし、瞬間移動も、念力系だ。 モノを凍らせるのも、念力系なのに、シャー兄は、予知系の能力も持ってたんだ。 ともかく、リーチェの実質的な死・・・・・・精神の死が、俺を《マジスタ》と呼ばれるほどの、クラッカーにのし上げた。 そう言ってもウソじゃないくらいの大きなキッカケだった。 永遠を望んだ黒白世界 望んでは居ない事だろうけど。と貴女に私は言った。 正直ね、それまで俺は、かわいげのないと言うか。 良く言えば、大人びた子どもだったように思う。 すぐ上の兄も、三つ違いだし。 その上の姉は、五つ違いで、一番上の姉貴に至っては、十歳ほど年齢が違う。 おまけに、兄も、下の姉も、上の姉の婚約者も、暴走族チームになんかに居たから、頻繁ではなかったが、チームの人を連れてくる事も、珍しくはなかった。 その強面お兄さんとかに、遊んでもらった事もあるし。 幼等部も、年少組年中組年長組の途中からしか通わなかったし。 周りに、年上の人間が居ることが多かったせいもある。 それに、今は行方不明だけど、アンドレッセンや、今は殺されてしまったけど、エリスやレイティスに、色々と教えてもらった事も関係しているのかもしれない。 アンドレッセンには、基本的な体術・・・本当に、ガキ向けのを教えてもらった。 その彼は、8年前から、行方不明なのだけれど。 エリスやレイティスには、パソコンの楽しさを教えてもらった。 その彼らは、6年前と3年前に、時国宗留に殺された。 だけど、三年ほど前に、あの決断を下せたのは、関わって来た年上が、そうすべきだと教えてくれた。 ・・・・・・リーチェは、決して望まないのかもしれない。 ステファノティスー『清らかな祈り』の言葉を持つ花の名前を持った彼女の願いでないのかもしれなくても、だからこそ、成し遂げたいことだった。 彼女の死が、キッカケで覚醒した能力はあいにく、情報収集に特化したモノではなかった。 あと、ディス姉ぇは、何も言わなかったけど、黎夜をくれたっていうか譲ってくれた。 ・・・・・・・止めるでもないけど、手を汚して欲しくはないと言うように。 このデキゴトの少し後に、師匠役としてついた《エータ・ミレアム》には、『人間リニモ?』と言われた。 あ、うん、あの《エータミレアム》。 ディス姉に、歪みまくったと言うかひねくれまくった愛情を持っていた人。 まぁ、情報屋としては、一流だった。 ディス姉はさ、どっちかというと運び屋系の仕事だったしね。 ・・・・・・・で、リーチェの仇っていうか、あの研究所の出資者を捜して、小さいところから、潰していった。 サラ兄たちも、手伝ってくれはしたね。 あと、潰すと言っても、金銭的に立ち行かなくしたり、社長さんとかの重役の家族を人質にして、自殺を迫ったり、あとは、会社のデータを全部クラッシュさせたり。 社屋ごと、壊したり。 そんな感じ。 えげつないって言わないでね。 ああいう研究の出資をしていたんだし、覚悟はしてるでしょ? 人に酷い事をするときは、される覚悟無しに、するもんじゃないと思うよ。 あの研究所、リーチェ以外にも、年間十人ぐらいの死亡者を出すスパンで、研究をやってたみたい。 そんなに大きくない研究所でだよ? せいぜいが、九部屋しかない三階建ての2LDKアパートと同じ床面積の地下が二階分のそんな面積の研究所で、年間十人・・・常時二十数人を犠牲にしてたんだ。 ともかく、順々に出資した会社を潰していった。 少なくとも、俺は、手を汚してないなかった。 手をかけなくてはいけない時でも、黎夜が、やってくれた。 ・・・・・・・ディス姉ぇには、悪いけど、最後の【Amazing Earth】社の社長だけは、自分の手でやるつもりだった。 だって、ショックだよ。 好きなゲームだったけど、結局リーチェが登録したのも、あるいみ箱庭で実験させる為でしょ? 最初から、ああ言う幕切れだってのは、決まってたみたい。 ゲーム内の噂と言うか、都市伝説的なのに、消える予定も気もない人が突然登録削除するっていうの。 あれって、あの研究のモルモット・・・リーチェも含めてね。 それが原因なんだもん。 んで、現実で、【Amazing Earth】社の室に忍び込んで、ヴィルと対峙したんだっけね。 そん時だよね、ヴィルの本名が、ミカル=エイセルだってこと知ったの。 会長名も、マイケル=エインセルって、英語系の感じだったしね。 「初めまして、【Amazing Earth】社・社長、マイケル=エインセル様。 縁もゆかりもないですが、死んでいただきますので、悪しからず。」 「悪しからずってったってね。 そう言われて、殺される人はいないだろうし。 抵抗ぐらいさせてもらうからね。」 ってのが、初めての言葉で、そのあと、金髪碧眼の30歳ぐらいの人が、いきなり、十代の外見に縮んだのは、びっくりしたね。 『戦うのに、余計な能力使ってられませんから。』っていわれてもな。 普通、小さくなれば、驚くし、その上あの攻撃方法だぞ? 俺が、景気付けもかねて、力をその部屋の床に叩き付けて、波のようにしてから、そいつに向かわせた。 水が噴き出すのが一番絵的に近いか。 それのかわりに、床のコンクリが、波打ってるの。 ・・・・・・・でもさ、避けるか、力ぶつけて相殺するかなら、解るよ。 でもさ、社長がしたのは、自分の腕を思い切り切り裂いて、吹き出す血を壁になるように腕を横薙ぎにしたわけ。 それで、止まんだよ。 本気じゃないし、目覚めたばっかの能力だったっても、それなりに力込めたのを血の壁で止めるんだよ。 「さて、短期決戦しないと、貧血になってしまいそうですからね。」 そう言いながら、笑顔でにじり寄って来て、尚かつそいつが十代で血塗れだったら驚くだろう。 っていうか、正直怖かったぞ。 んで、それからしばらくは、防戦のみだった。 というか、思い切り動揺して、攻撃に移れないと言うのもある、 こら、ヴィル爆笑するな。 お前が原因だろうが。 スプラッタ映画の新鮮ゾンビみたいな様相で襲ってくれば、誰だって驚く。 っていうか、驚かないヤツの神経は、極太のナイロンザイルで出来てると言い切っても良い。 それくらいだった。 当然、何叫んでるかまでは自分も意識していなかった。 「・・・・・・・ベリューシオン研究所って、××××のベリューシオン研究所のことですよね。」 「ちょっと、待って。それは、会社としては関わってないよ。 というか、まず、お話聞いてくれない?」 「・・・・・・・・ちょっとした実験だったんですって。 《御伽噺》関連の。」 とか言われて、最後の一言で、やっと止まれた。 あ、実験云々ってトコじゃなくて、《御伽噺》ってとこね。 でなきゃ、のど元を持って来たナイフで切り裂いてるところだった。 詳しく話を聞けば、【Amazing Earth】の社長が、《運命演算三姉妹長女》で、現《賢き愚者》の息子で、ダンピールで。 その自分が生まれた経緯も、800年前の《歌乙女》に似ているからと買われた母親が身ごもったせいで。 身代わり・・・・・本人じゃなくても、そう言うこと出来るモノなのか解らなかったから、そう言う系統の研究所に、手当り次第に出資していた事。 で、たまたま、その研究所が、多かっただけで。 尚かつ、数多い出資者の中で、偶然多かったのも、そうであってそれ以上でなくて。 「・・・・・・・・・・で、今はこうして、友人やってるわけだ。」 「運命ってのは、解らないね。 『過去』の積み重ねであっても。」 誤摩化されてやるモノかとも思ったけれど。 でも、実際に、あれからすぐではないけど、知人になって、友人になっていったんだ。 あ、ちゃんと、【Amazing Earth】のゲーム内で、色々とアイテムを融通してもらったけどね。 それで、《夢幻師》なんていう合成が好きな人用の販売系もやったりした。 結構あれは新鮮だった。 ともかく、『過去』が『積み重な』って今ここに居るってことだけが、現実なんだし。 |
18307 | 希望に満ち足りたほど絶望的な不確定要素。 | 月読 乾 | 2007/9/7 21:21:38 |
記事番号18262へのコメント こんばんは、乾です。 今回で一旦オンラインゲームを舞台にした外伝も終わりですね。 では、返レスを。 >『シャールの言った事当たりましたね。』 >『褒めるなって、サラ。』 >『褒めてないですよ。 > 子どもを裏に染める手伝いは、ディスやアークだけで十分です。』 >『ありゃ能力上仕方ないだろうし。 > そう言う意味じゃ、アルト君も変わらない。』 >『はいはい、むしろ、アレの欠片を持っている以上危ないんでしょ? > 《凍れる予見者(フリージング・シーヤー)》の悪名躍如と言うところでしょうか?』 >俺が、リーチェの復讐をしたいと言った時、台詞ほど呆れた調子ではなく、『ああ、そうなったか、』的な締念混じりにそう言われた。 >十中八九、間に合わないか、あの結末になると、そうしたら俺がそう言うだろうと、予測していたのだろう。 >シャー兄は、特に、複数系統の能力に目覚めてたしね。 >俺のは、無理矢理やるなら、念力系だし、瞬間移動も、念力系だ。 >モノを凍らせるのも、念力系なのに、シャー兄は、予知系の能力も持ってたんだ。 >ともかく、リーチェの実質的な死・・・・・・精神の死が、俺を《マジスタ》と呼ばれるほどの、クラッカーにのし上げた。 >そう言ってもウソじゃないくらいの大きなキッカケだった。 『あの時』から今のこの姿をリーチェさんはどう思ってるのでしょうか? この些細で、そして大きなきっかけが裏社会の今を形作っているのですね。 >正直ね、それまで俺は、かわいげのないと言うか。 >良く言えば、大人びた子どもだったように思う。 >すぐ上の兄も、三つ違いだし。 >その上の姉は、五つ違いで、一番上の姉貴に至っては、十歳ほど年齢が違う。 >おまけに、兄も、下の姉も、上の姉の婚約者も、暴走族チームになんかに居たから、頻繁ではなかったが、チームの人を連れてくる事も、珍しくはなかった。 >その強面お兄さんとかに、遊んでもらった事もあるし。 >幼等部も、年少組年中組年長組の途中からしか通わなかったし。 >周りに、年上の人間が居ることが多かったせいもある。 >それに、今は行方不明だけど、アンドレッセンや、今は殺されてしまったけど、エリスやレイティスに、色々と教えてもらった事も関係しているのかもしれない。 >アンドレッセンには、基本的な体術・・・本当に、ガキ向けのを教えてもらった。 >その彼は、8年前から、行方不明なのだけれど。 >エリスやレイティスには、パソコンの楽しさを教えてもらった。 >その彼らは、6年前と3年前に、時国宗留に殺された。 >だけど、三年ほど前に、あの決断を下せたのは、関わって来た年上が、そうすべきだと教えてくれた。 >・・・・・・リーチェは、決して望まないのかもしれない。 >ステファノティスー『清らかな祈り』の言葉を持つ花の名前を持った彼女の願いでないのかもしれなくても、だからこそ、成し遂げたいことだった。 >彼女の死が、キッカケで覚醒した能力はあいにく、情報収集に特化したモノではなかった。 >あと、ディス姉ぇは、何も言わなかったけど、黎夜をくれたっていうか譲ってくれた。 >・・・・・・・止めるでもないけど、手を汚して欲しくはないと言うように。 >このデキゴトの少し後に、師匠役としてついた《エータ・ミレアム》には、『人間リニモ?』と言われた。 ほんの僅かな前… でも裏に足を踏み入れた瞬間に、それは遠い彼方の出来事になった様な感じでしょうか? それでも、何も言わずにアルトはアルトだと言ってくれてる… そんな気もします。 >あ、うん、あの《エータミレアム》。 >ディス姉に、歪みまくったと言うかひねくれまくった愛情を持っていた人。 >まぁ、情報屋としては、一流だった。 >ディス姉はさ、どっちかというと運び屋系の仕事だったしね。 >・・・・・・・で、リーチェの仇っていうか、あの研究所の出資者を捜して、小さいところから、潰していった。 >サラ兄たちも、手伝ってくれはしたね。 >あと、潰すと言っても、金銭的に立ち行かなくしたり、社長さんとかの重役の家族を人質にして、自殺を迫ったり、あとは、会社のデータを全部クラッシュさせたり。 >社屋ごと、壊したり。 >そんな感じ。 >えげつないって言わないでね。 >ああいう研究の出資をしていたんだし、覚悟はしてるでしょ? >人に酷い事をするときは、される覚悟無しに、するもんじゃないと思うよ。 >あの研究所、リーチェ以外にも、年間十人ぐらいの死亡者を出すスパンで、研究をやってたみたい。 >そんなに大きくない研究所でだよ? >せいぜいが、九部屋しかない三階建ての2LDKアパートと同じ床面積の地下が二階分のそんな面積の研究所で、年間十人・・・常時二十数人を犠牲にしてたんだ。 >ともかく、順々に出資した会社を潰していった。 >少なくとも、俺は、手を汚してないなかった。 >手をかけなくてはいけない時でも、黎夜が、やってくれた。 >・・・・・・・ディス姉ぇには、悪いけど、最後の【Amazing Earth】社の社長だけは、自分の手でやるつもりだった。 >だって、ショックだよ。 >好きなゲームだったけど、結局リーチェが登録したのも、あるいみ箱庭で実験させる為でしょ? >最初から、ああ言う幕切れだってのは、決まってたみたい。 >ゲーム内の噂と言うか、都市伝説的なのに、消える予定も気もない人が突然登録削除するっていうの。 >あれって、あの研究のモルモット・・・リーチェも含めてね。 >それが原因なんだもん。 >んで、現実で、【Amazing Earth】社の室に忍び込んで、ヴィルと対峙したんだっけね。 >そん時だよね、ヴィルの本名が、ミカル=エイセルだってこと知ったの。 >会長名も、マイケル=エインセルって、英語系の感じだったしね。 >「初めまして、【Amazing Earth】社・社長、マイケル=エインセル様。 > 縁もゆかりもないですが、死んでいただきますので、悪しからず。」 >「悪しからずってったってね。 > そう言われて、殺される人はいないだろうし。 > 抵抗ぐらいさせてもらうからね。」 >ってのが、初めての言葉で、そのあと、金髪碧眼の30歳ぐらいの人が、いきなり、十代の外見に縮んだのは、びっくりしたね。 >『戦うのに、余計な能力使ってられませんから。』っていわれてもな。 >普通、小さくなれば、驚くし、その上あの攻撃方法だぞ? >俺が、景気付けもかねて、力をその部屋の床に叩き付けて、波のようにしてから、そいつに向かわせた。 >水が噴き出すのが一番絵的に近いか。 >それのかわりに、床のコンクリが、波打ってるの。 >・・・・・・・でもさ、避けるか、力ぶつけて相殺するかなら、解るよ。 >でもさ、社長がしたのは、自分の腕を思い切り切り裂いて、吹き出す血を壁になるように腕を横薙ぎにしたわけ。 >それで、止まんだよ。 >本気じゃないし、目覚めたばっかの能力だったっても、それなりに力込めたのを血の壁で止めるんだよ。 >「さて、短期決戦しないと、貧血になってしまいそうですからね。」 >そう言いながら、笑顔でにじり寄って来て、尚かつそいつが十代で血塗れだったら驚くだろう。 >っていうか、正直怖かったぞ。 >んで、それからしばらくは、防戦のみだった。 >というか、思い切り動揺して、攻撃に移れないと言うのもある、 >こら、ヴィル爆笑するな。 >お前が原因だろうが。 >スプラッタ映画の新鮮ゾンビみたいな様相で襲ってくれば、誰だって驚く。 >っていうか、驚かないヤツの神経は、極太のナイロンザイルで出来てると言い切っても良い。 >それくらいだった。 >当然、何叫んでるかまでは自分も意識していなかった。 >「・・・・・・・ベリューシオン研究所って、××××のベリューシオン研究所のことですよね。」 >「ちょっと、待って。それは、会社としては関わってないよ。 > というか、まず、お話聞いてくれない?」 >「・・・・・・・・ちょっとした実験だったんですって。 > 《御伽噺》関連の。」 >とか言われて、最後の一言で、やっと止まれた。 >あ、実験云々ってトコじゃなくて、《御伽噺》ってとこね。 >でなきゃ、のど元を持って来たナイフで切り裂いてるところだった。 >詳しく話を聞けば、【Amazing Earth】の社長が、《運命演算三姉妹長女》で、現《賢き愚者》の息子で、ダンピールで。 >その自分が生まれた経緯も、800年前の《歌乙女》に似ているからと買われた母親が身ごもったせいで。 >身代わり・・・・・本人じゃなくても、そう言うこと出来るモノなのか解らなかったから、そう言う系統の研究所に、手当り次第に出資していた事。 >で、たまたま、その研究所が、多かっただけで。 >尚かつ、数多い出資者の中で、偶然多かったのも、そうであってそれ以上でなくて。 意外な出会いですね。 復讐から始まる奇妙な関係。 彼は、今後どういう風に関わってくるのでしょうか? >「・・・・・・・・・・で、今はこうして、友人やってるわけだ。」 >「運命ってのは、解らないね。 > 『過去』の積み重ねであっても。」 >誤摩化されてやるモノかとも思ったけれど。 >でも、実際に、あれからすぐではないけど、知人になって、友人になっていったんだ。 >あ、ちゃんと、【Amazing Earth】のゲーム内で、色々とアイテムを融通してもらったけどね。 >それで、《夢幻師》なんていう合成が好きな人用の販売系もやったりした。 >結構あれは新鮮だった。 >ともかく、『過去』が『積み重な』って今ここに居るってことだけが、現実なんだし。 過去の積み重なりが、大きなうねりを作り出す。 誰にも分からないからこそ、絶望的なほど希望に満ちたくらいの不確定要素。 |
18333 | それすらも、「予定」どおり・・・? | 十叶 夕海 | 2007/9/24 22:03:15 |
記事番号18307へのコメント >こんばんは、乾です。 >今回で一旦オンラインゲームを舞台にした外伝も終わりですね。 >では、返レスを。 ですね、少々、エピローグ的な感じなのもありますが。 > >>『シャールの言った事当たりましたね。』 >>『褒めるなって、サラ。』 >>『褒めてないですよ。 >> 子どもを裏に染める手伝いは、ディスやアークだけで十分です。』 >>『ありゃ能力上仕方ないだろうし。 >> そう言う意味じゃ、アルト君も変わらない。』 >>『はいはい、むしろ、アレの欠片を持っている以上危ないんでしょ? >> 《凍れる予見者(フリージング・シーヤー)》の悪名躍如と言うところでしょうか?』 >>俺が、リーチェの復讐をしたいと言った時、台詞ほど呆れた調子ではなく、『ああ、そうなったか、』的な締念混じりにそう言われた。 >>十中八九、間に合わないか、あの結末になると、そうしたら俺がそう言うだろうと、予測していたのだろう。 >>シャー兄は、特に、複数系統の能力に目覚めてたしね。 >>俺のは、無理矢理やるなら、念力系だし、瞬間移動も、念力系だ。 >>モノを凍らせるのも、念力系なのに、シャー兄は、予知系の能力も持ってたんだ。 >>ともかく、リーチェの実質的な死・・・・・・精神の死が、俺を《マジスタ》と呼ばれるほどの、クラッカーにのし上げた。 >>そう言ってもウソじゃないくらいの大きなキッカケだった。 > >『あの時』から今のこの姿をリーチェさんはどう思ってるのでしょうか? >この些細で、そして大きなきっかけが裏社会の今を形作っているのですね。 心配・・・でしょうかね。 うぃ、今の裏社会の一翼をになっていますです。 良きにしろ悪きにしろ。 > >>正直ね、それまで俺は、かわいげのないと言うか。 >>良く言えば、大人びた子どもだったように思う。 >>すぐ上の兄も、三つ違いだし。 >>その上の姉は、五つ違いで、一番上の姉貴に至っては、十歳ほど年齢が違う。 >>おまけに、兄も、下の姉も、上の姉の婚約者も、暴走族チームになんかに居たから、頻繁ではなかったが、チームの人を連れてくる事も、珍しくはなかった。 >>その強面お兄さんとかに、遊んでもらった事もあるし。 >>幼等部も、年少組年中組年長組の途中からしか通わなかったし。 >>周りに、年上の人間が居ることが多かったせいもある。 >>それに、今は行方不明だけど、アンドレッセンや、今は殺されてしまったけど、エリスやレイティスに、色々と教えてもらった事も関係しているのかもしれない。 >>アンドレッセンには、基本的な体術・・・本当に、ガキ向けのを教えてもらった。 >>その彼は、8年前から、行方不明なのだけれど。 >>エリスやレイティスには、パソコンの楽しさを教えてもらった。 >>その彼らは、6年前と3年前に、時国宗留に殺された。 >>だけど、三年ほど前に、あの決断を下せたのは、関わって来た年上が、そうすべきだと教えてくれた。 >>・・・・・・リーチェは、決して望まないのかもしれない。 >>ステファノティスー『清らかな祈り』の言葉を持つ花の名前を持った彼女の願いでないのかもしれなくても、だからこそ、成し遂げたいことだった。 >>彼女の死が、キッカケで覚醒した能力はあいにく、情報収集に特化したモノではなかった。 >>あと、ディス姉ぇは、何も言わなかったけど、黎夜をくれたっていうか譲ってくれた。 >>・・・・・・・止めるでもないけど、手を汚して欲しくはないと言うように。 >>このデキゴトの少し後に、師匠役としてついた《エータ・ミレアム》には、『人間リニモ?』と言われた。 > >ほんの僅かな前… >でも裏に足を踏み入れた瞬間に、それは遠い彼方の出来事になった様な感じでしょうか? >それでも、何も言わずにアルトはアルトだと言ってくれてる… >そんな気もします。 ある意味での、別離でしょう。 でも、それでも周りの人には、アルトにはアルトなのです。 > > >>あ、うん、あの《エータミレアム》。 >>ディス姉に、歪みまくったと言うかひねくれまくった愛情を持っていた人。 >>まぁ、情報屋としては、一流だった。 >>ディス姉はさ、どっちかというと運び屋系の仕事だったしね。 >>・・・・・・・で、リーチェの仇っていうか、あの研究所の出資者を捜して、小さいところから、潰していった。 >>サラ兄たちも、手伝ってくれはしたね。 >>あと、潰すと言っても、金銭的に立ち行かなくしたり、社長さんとかの重役の家族を人質にして、自殺を迫ったり、あとは、会社のデータを全部クラッシュさせたり。 >>社屋ごと、壊したり。 >>そんな感じ。 >>えげつないって言わないでね。 >>ああいう研究の出資をしていたんだし、覚悟はしてるでしょ? >>人に酷い事をするときは、される覚悟無しに、するもんじゃないと思うよ。 >>あの研究所、リーチェ以外にも、年間十人ぐらいの死亡者を出すスパンで、研究をやってたみたい。 >>そんなに大きくない研究所でだよ? >>せいぜいが、九部屋しかない三階建ての2LDKアパートと同じ床面積の地下が二階分のそんな面積の研究所で、年間十人・・・常時二十数人を犠牲にしてたんだ。 >>ともかく、順々に出資した会社を潰していった。 >>少なくとも、俺は、手を汚してないなかった。 >>手をかけなくてはいけない時でも、黎夜が、やってくれた。 >>・・・・・・・ディス姉ぇには、悪いけど、最後の【Amazing Earth】社の社長だけは、自分の手でやるつもりだった。 >>だって、ショックだよ。 >>好きなゲームだったけど、結局リーチェが登録したのも、あるいみ箱庭で実験させる為でしょ? >>最初から、ああ言う幕切れだってのは、決まってたみたい。 >>ゲーム内の噂と言うか、都市伝説的なのに、消える予定も気もない人が突然登録削除するっていうの。 >>あれって、あの研究のモルモット・・・リーチェも含めてね。 >>それが原因なんだもん。 >>んで、現実で、【Amazing Earth】社の室に忍び込んで、ヴィルと対峙したんだっけね。 >>そん時だよね、ヴィルの本名が、ミカル=エイセルだってこと知ったの。 >>会長名も、マイケル=エインセルって、英語系の感じだったしね。 >>「初めまして、【Amazing Earth】社・社長、マイケル=エインセル様。 >> 縁もゆかりもないですが、死んでいただきますので、悪しからず。」 >>「悪しからずってったってね。 >> そう言われて、殺される人はいないだろうし。 >> 抵抗ぐらいさせてもらうからね。」 >>ってのが、初めての言葉で、そのあと、金髪碧眼の30歳ぐらいの人が、いきなり、十代の外見に縮んだのは、びっくりしたね。 >>『戦うのに、余計な能力使ってられませんから。』っていわれてもな。 >>普通、小さくなれば、驚くし、その上あの攻撃方法だぞ? >>俺が、景気付けもかねて、力をその部屋の床に叩き付けて、波のようにしてから、そいつに向かわせた。 >>水が噴き出すのが一番絵的に近いか。 >>それのかわりに、床のコンクリが、波打ってるの。 >>・・・・・・・でもさ、避けるか、力ぶつけて相殺するかなら、解るよ。 >>でもさ、社長がしたのは、自分の腕を思い切り切り裂いて、吹き出す血を壁になるように腕を横薙ぎにしたわけ。 >>それで、止まんだよ。 >>本気じゃないし、目覚めたばっかの能力だったっても、それなりに力込めたのを血の壁で止めるんだよ。 >>「さて、短期決戦しないと、貧血になってしまいそうですからね。」 >>そう言いながら、笑顔でにじり寄って来て、尚かつそいつが十代で血塗れだったら驚くだろう。 >>っていうか、正直怖かったぞ。 >>んで、それからしばらくは、防戦のみだった。 >>というか、思い切り動揺して、攻撃に移れないと言うのもある、 >>こら、ヴィル爆笑するな。 >>お前が原因だろうが。 >>スプラッタ映画の新鮮ゾンビみたいな様相で襲ってくれば、誰だって驚く。 >>っていうか、驚かないヤツの神経は、極太のナイロンザイルで出来てると言い切っても良い。 >>それくらいだった。 >>当然、何叫んでるかまでは自分も意識していなかった。 >>「・・・・・・・ベリューシオン研究所って、××××のベリューシオン研究所のことですよね。」 >>「ちょっと、待って。それは、会社としては関わってないよ。 >> というか、まず、お話聞いてくれない?」 >>「・・・・・・・・ちょっとした実験だったんですって。 >> 《御伽噺》関連の。」 >>とか言われて、最後の一言で、やっと止まれた。 >>あ、実験云々ってトコじゃなくて、《御伽噺》ってとこね。 >>でなきゃ、のど元を持って来たナイフで切り裂いてるところだった。 >>詳しく話を聞けば、【Amazing Earth】の社長が、《運命演算三姉妹長女》で、現《賢き愚者》の息子で、ダンピールで。 >>その自分が生まれた経緯も、800年前の《歌乙女》に似ているからと買われた母親が身ごもったせいで。 >>身代わり・・・・・本人じゃなくても、そう言うこと出来るモノなのか解らなかったから、そう言う系統の研究所に、手当り次第に出資していた事。 >>で、たまたま、その研究所が、多かっただけで。 >>尚かつ、数多い出資者の中で、偶然多かったのも、そうであってそれ以上でなくて。 > >意外な出会いですね。 >復讐から始まる奇妙な関係。 >彼は、今後どういう風に関わってくるのでしょうか? 今は、親友とも。 少なくとも、生死を分かち合ったこともあります。 > >>「・・・・・・・・・・で、今はこうして、友人やってるわけだ。」 >>「運命ってのは、解らないね。 >> 『過去』の積み重ねであっても。」 >>誤摩化されてやるモノかとも思ったけれど。 >>でも、実際に、あれからすぐではないけど、知人になって、友人になっていったんだ。 >>あ、ちゃんと、【Amazing Earth】のゲーム内で、色々とアイテムを融通してもらったけどね。 >>それで、《夢幻師》なんていう合成が好きな人用の販売系もやったりした。 >>結構あれは新鮮だった。 >>ともかく、『過去』が『積み重な』って今ここに居るってことだけが、現実なんだし。 > >過去の積み重なりが、大きなうねりを作り出す。 >誰にも分からないからこそ、絶望的なほど希望に満ちたくらいの不確定要素。 まるで、小さな石が、大きな波紋のように。 でも、それすらも、「予定」どおりなのかもしれない。 |
18263 | 家族の写真 アルト外伝 永遠を願った黒白の世界 | 十叶 夕海 | 2007/7/31 18:50:48 |
記事番号18258へのコメント もう、ラビとはお喋りできないけど。 だけど、ラビと過ごしたあのゲームでの日々は、とてもとても楽しかった。 父様や母様達が、亡くなって、あの仕事を始めてからは、辛いことしかなくて。 何回も・・・数えきれないほど、枕を濡らして寝た事もある。 あの生活から抜け出せるならって、モニターになったけど。 やっぱり、変わらなかった。 決められたこと以外は、何もしなくても、温かいご飯が貰えて、清潔な服が着れて。 でも、外出の自由はなくて。 だけど、寒いのも暑いのも、心配しなくて良かった。 幸せと言えば、そうだったのかもしれないけどね。 でも、自分からもう一回生きたいって思えたんだよ。 ラビや、シャルさんたちに出会えて。 自分から、生きたいってそう思えた時には、もう時間は無くて。 現実の自分の身体に居る時でも、水を飲むのも、ご飯を食べるのも辛くて。 瞼が重くて、閉じてしまいたいくらい疲れたままで。 ゲームやネットの中に居る時だけが、安心できて平穏だった。 ラビの笑顔が、とても優しくて。 だけど、もう自分が長くないって解った時。 もし、現実で会えたとしても、哀しませるだけかもしれない。 そう解っていても、あの手紙を残した。 だけど、会えた。 会えたけど、そこまで頑張ったけど、それ以上は無理だった。 瞼を閉じる時間になってしまった。 ごめんなさい。 泣かせてしまってごめんなさい。 最後に一言だけ、ラビに言いたかったけど、言えなかった言葉。 ありがとう、大好きでした。 永遠を望んだ黒白世界 最後に言わせて。と貴女に私は言った。 「ってのが、彼女の最後の気持ちだよ、ラビ。」 「・・・・・・・珍しいね。 《運命演算三姉妹》としての能力をそう使いたがらないのに。」 「ラビは、過去を話して、僕の糧にした。 ならば、代価を支払うのが相応と言うモノだろう。」 過去を話を終えたラビ=アルトに、ヴィル=ミカルはそう代価としてリーチェの話と言うか感情を語る。 彼女は、アルトに出会えて、幸せだったと。 自分より年上だったと言えど、それでも、二十を幾つも超えてないだけしか生きていなかったのに。 「ま、それから、姉さんの部屋で、あの女の子写真を見て、本格的に裏に入る決心をして。 ウィザードよりも更に上の《魔導師(マジスタ)ラビ》って魔で呼ばれるようになって。 カルロスの正体が、ラディハルトだって知って。 そんで、リーチェの外見をカラーリングだけ変えて、性格プログラミングだけ違うロボットプログラムを作って。 今に至るって感じかな。」 「ラビ、一つ。 過去・・・・・・《運命演算三姉妹》の長女としての忠告だ。 まだ、思い出している領域が少ない。 これから、また思い出していくだろうけど、飲み込まれるな。」 「うん。ありがとう。 それと、いつか、もしかしたら、近いうちに、《戦乙女》を連れてくる事になるかもしれない。」 「何故?」 「なんか、覚醒してないみたい。 条件は揃ってるのに。 そうじゃなくても、《C.C.》の時に記憶がないのは辛いだろうし。」 「出会う予感があるわけだ。」 「うん、《妖鳳王》としての感だよ。」 こうして、過去を語り終えたアルト。 そして、運命の糸車は、狂々(くるくる)と廻り始めた。 出来上がる糸玉は、何色か? 幸せな 白色の糸玉か。 絶望の 黒色の糸玉か。 まだ解らないけれど。 糸車は廻り始めたのだった。 |
18298 | 仮想の世界に涙は流れる? | 月読 乾 | 2007/8/31 21:25:10 |
記事番号18258へのコメント こんばんは、乾です。 今回はいつもと趣向の違う世界観を見ることが出来そうでワクワク状態です。 では、レス行きますね。 >【Amazing Earth】とは、全世界で親しまれているオンラインゲームである。 >サイバーダイブシステムと併用される事が多いゲームだ。 >作品の世界中にある《始まりの街》から、スタートするモノだ。 >また、基本的に、作品の世界地図は、現実の世界地図に準じている。 >『ゲームマスターに会う』と言うこと以外目的らしい目的の無いゲームで、RPG系というよりは、生活ゲームと言う方が近い。 >職業も、戦闘系『軽戦士』『魔術士』『盗賊』『召喚士』などから、販売系『僧侶』『雑貨屋』『調理士』『鍛冶屋』など、多岐にわたる。 >組み合わせやレベル次第では、『魔導師』『賢者』『神官戦士』『魔法戦士』『忍者』『シェフ』『名匠』などに成れるゲームだ。 >職業の数では、普通のハードでやるRPGに引けを取らない。 >家を持つ事も出来るし、パーティを組む事もだって出来る。 >プレイヤー同士の殺人強盗も認められているゲームでもある。 >しかし、上級職ほど、成長が遅い事も在って一つの上級職を極めるには、それなりに時間が掛かる。 >そこで、『記憶のロザリオ』と言うアイテムが必要になってくるのだ。 >それは、『ゲームマスター』と最上級ダンジョンの最奥にしかないアイテム。 >まだ面倒ではあるが、『ゲームマスターに会う』という方法で手に入れるほうが早いアイテムだ。 >それを手に入れると通常の十倍ちかくのの早さで、レベルアップできるアイテムなのだ。 >これを持っているのは、このゲームが始まってから7年ほど経つが、現在12名ほどしか、所持していない。 >強盗されても、一定時間で消えてしまうからと言うのもある。 >現在持っている人達を総称して、【十二聖騎士】と呼ばれている。 >その中で、古参に入る一人が、プレイヤーネーム『ラビ=トレッチェル』、通称『ルーティ』、『ラビ』と呼ばれているのが、今回の主人公だ。 今回は、オンラインゲームの世界と言う趣から進むみたいで、斬新な視点だな…って感じました。 仮想世界での主人公の体験は、どう言う物語になっていくのか… >『家族の写真』が、始まる少し前、のことだった。 > >「・・・・・・やっぱ、ログ溜まるね。 > ま、大体は、決闘申し込みが多いか。」 >白いふわふわの髪に、琥珀色の髪で、18歳ぐらいの外見の青年だ。 >スラックスに、ワイシャツにベストという軽装に、レイピアと杖を指している。 >彼は、『賢者』と『忍者』、『銀細工師』、『神官戦士』をマスタークラスまで修め、現在は、『ギャンブラー』をしているプレイヤーだ。 >久しぶりに、ログインしたようで、最後にセーブした ノースライティアのニユオリトスの街の自宅に、彼はいた。 >この街は、上級者か、中級者のなかでも腕の立つヤツしかいない。 >NPCが、それ以下の奴を狩って、調整をしているのだ。 >この街では、販売系ですら、駆け出し戦士よりも、強いと言うある種のインフレが怒っている。 >俗にいう、『手加減一発、岩をも砕く』というノリである。 >ラビは、溜まったメッセージに目を通しながら、 >「あ、シャルから、龍退治の誘いか。残念行きたかったのに。」 >「うわ、ムカつく。プレイヤーキルしちゃお。」 >「エド、ゲーム止めたんだ。」 >と、呟いている。 おお!家族の写真ともリンクしているんですね。 しかし、さすが全世界規模のオンラインゲーム。 インフレ状態が起こるとドンドン強いプレイヤーが育つと言う状況…(汗 やたら強い商人を想像してしまいました(汗 >ちなみに、シャルーシャルロットは、【十二聖騎士】としての同輩だ。 >ラビよりも、やや遅れて、ゲームマスターに会った。 >エドーエドワールは、【十二聖騎士】ではないが、ラビと仲の良かった司祭の職業の男性プレイヤーだ。 >そして、ある手紙で、ラビは、ブルブルと肩を震わせ、仕舞いには、その手紙を破りかけた。 >内容としては、『三月×日 チュイナのリーレンの《ライシ》に来られたし。聞きたい事がある。』 >というもの、チュイナのリーレンとは、このゲーム内の中級クラスの街で、初心者でも、パーティを組めば来る事が出来る街で、交易の街だ。 >別に、内容に怒った訳じゃない。 >たまに、ある手紙だ。 >怒ったのは、差出人の方だ。 > >『なるべく、来てね。 GM ヴィルジール=メイシュナー』 ゲームマスター直々のお誘いですか… しかし、何やら深い因縁のある様子? 何にせよ、一癖二癖はあるゲームマスター? >もちろん、『GM』は、『ゲームマスター』の略である。 >「アイツが、俺に何を聞きたいってンだよ。」 >ぶつくさいいながらも、相手が相手なだけに、すぐに、移動の呪文を紡ぐ。 >「面倒なんだろうけどさ。 > 《空間と距離を超え 彼の地に我を送れ > 疾く疾く 疾風のごとく チュイナ・リーレンに送れ 【リネ・ルートラ】》 > 嫌になるよ、本当に。」 それにしても、今回はオンラインゲーム視点なのでファンタジーと仮想世界の ブレンドされた様な独特の描写になってますね。 実際に、プレイヤー感覚から見てどんな感じなんだろうと思ってしまいます。 >「ちゃお、ラビ。」 >「で、何の用? > ヴィル、忙しいんじゃないの?」 >酒場《ライシ》の個室で、ヴィルは、少し出来上がっていた。 >金髪碧眼で、動きやすさ重視の魔道師系の服装をしている、これと言って特徴の無い青年だ。 >もちろん、架空のなのだが、設定年齢が、16歳以上ならば、酒を摂取できる。 >そうすれば、酔ったのを同じ状態になるのだ。 >「ん〜。 > 一応さ、《歌乙女》が、動くみたいだから、四年前の真実を知っておきたいんだ。 > 処分し終わっているとは言え、自分とこの下部組織の暴走だったし。」 >「たしかにね、あれで僕は、リーチェを永遠に失ったんだったよ。」 >「で、なにがあったの?」 >「・・・・・・・・・そこまで、土足で入られると逆に清々しいよ。」 >「いやぁ、それほどでも。」 >「褒めてない。」 >「解ってるって。 > で、話すの?」 >「話すよ、どうせ。 > 《C.C.》に、利用されそうだけど、お前が噛めば、それはなさそうだし。」 >GMのヴィルは、《御伽噺》や現実の単語になぞらえて、この世界の名称を作っている。 >だから、この個室の会話を聞いても、彼らなりの独特の言い回しでやっているとしか思わないのだ。 >「で、どっから話せばいい?」 >「そのリーチェちゃんの出会いからだね。」 >「うん、わかった。」 >こうして、ラビは、リーチェとの出会いから別れを話し始めた。 お酒を摂取できる… どんな感じなのか興味があったり(笑 それにしても、このゲームそのものが御伽噺なども絡めた壮大な仮想空間だったとは! そして、やはりシリアスな展開になる気配ですね。 どんな出会いがあったのでしょうか? |
18301 | 現実の世界で、乾き尽くす? | 十叶 夕海 | 2007/9/6 14:18:24 |
記事番号18298へのコメント >こんばんは、乾です。 >今回はいつもと趣向の違う世界観を見ることが出来そうでワクワク状態です。 >では、レス行きますね。 こんばんは、ユアです。 ですね、メイン舞台が、ネット上ですので。 では、返レスを。 > > > > > >>【Amazing Earth】とは、全世界で親しまれているオンラインゲームである。 >>サイバーダイブシステムと併用される事が多いゲームだ。 >>作品の世界中にある《始まりの街》から、スタートするモノだ。 >>また、基本的に、作品の世界地図は、現実の世界地図に準じている。 >>『ゲームマスターに会う』と言うこと以外目的らしい目的の無いゲームで、RPG系というよりは、生活ゲームと言う方が近い。 >>職業も、戦闘系『軽戦士』『魔術士』『盗賊』『召喚士』などから、販売系『僧侶』『雑貨屋』『調理士』『鍛冶屋』など、多岐にわたる。 >>組み合わせやレベル次第では、『魔導師』『賢者』『神官戦士』『魔法戦士』『忍者』『シェフ』『名匠』などに成れるゲームだ。 >>職業の数では、普通のハードでやるRPGに引けを取らない。 >>家を持つ事も出来るし、パーティを組む事もだって出来る。 >>プレイヤー同士の殺人強盗も認められているゲームでもある。 >>しかし、上級職ほど、成長が遅い事も在って一つの上級職を極めるには、それなりに時間が掛かる。 >>そこで、『記憶のロザリオ』と言うアイテムが必要になってくるのだ。 >>それは、『ゲームマスター』と最上級ダンジョンの最奥にしかないアイテム。 >>まだ面倒ではあるが、『ゲームマスターに会う』という方法で手に入れるほうが早いアイテムだ。 >>それを手に入れると通常の十倍ちかくのの早さで、レベルアップできるアイテムなのだ。 >>これを持っているのは、このゲームが始まってから7年ほど経つが、現在12名ほどしか、所持していない。 >>強盗されても、一定時間で消えてしまうからと言うのもある。 >>現在持っている人達を総称して、【十二聖騎士】と呼ばれている。 >>その中で、古参に入る一人が、プレイヤーネーム『ラビ=トレッチェル』、通称『ルーティ』、『ラビ』と呼ばれているのが、今回の主人公だ。 > >今回は、オンラインゲームの世界と言う趣から進むみたいで、斬新な視点だな…って感じました。 >仮想世界での主人公の体験は、どう言う物語になっていくのか… サイバーパンクとは、また違う感じですが。 この体験は、過去は、積み重なり、未来を編み紡ぐ、 > >>『家族の写真』が、始まる少し前、のことだった。 >> >>「・・・・・・やっぱ、ログ溜まるね。 >> ま、大体は、決闘申し込みが多いか。」 >>白いふわふわの髪に、琥珀色の髪で、18歳ぐらいの外見の青年だ。 >>スラックスに、ワイシャツにベストという軽装に、レイピアと杖を指している。 >>彼は、『賢者』と『忍者』、『銀細工師』、『神官戦士』をマスタークラスまで修め、現在は、『ギャンブラー』をしているプレイヤーだ。 >>久しぶりに、ログインしたようで、最後にセーブした ノースライティアのニユオリトスの街の自宅に、彼はいた。 >>この街は、上級者か、中級者のなかでも腕の立つヤツしかいない。 >>NPCが、それ以下の奴を狩って、調整をしているのだ。 >>この街では、販売系ですら、駆け出し戦士よりも、強いと言うある種のインフレが怒っている。 >>俗にいう、『手加減一発、岩をも砕く』というノリである。 >>ラビは、溜まったメッセージに目を通しながら、 >>「あ、シャルから、龍退治の誘いか。残念行きたかったのに。」 >>「うわ、ムカつく。プレイヤーキルしちゃお。」 >>「エド、ゲーム止めたんだ。」 >>と、呟いている。 > >おお!家族の写真ともリンクしているんですね。 >しかし、さすが全世界規模のオンラインゲーム。 >インフレ状態が起こるとドンドン強いプレイヤーが育つと言う状況…(汗 >やたら強い商人を想像してしまいました(汗 うぃ、一応外伝ですので。 ええ、それでも、一応上限あるんですけど。 でも、駆け出し戦士より、熟練承認の方が強いですからねぇ。 > > >>ちなみに、シャルーシャルロットは、【十二聖騎士】としての同輩だ。 >>ラビよりも、やや遅れて、ゲームマスターに会った。 >>エドーエドワールは、【十二聖騎士】ではないが、ラビと仲の良かった司祭の職業の男性プレイヤーだ。 >>そして、ある手紙で、ラビは、ブルブルと肩を震わせ、仕舞いには、その手紙を破りかけた。 >>内容としては、『三月×日 チュイナのリーレンの《ライシ》に来られたし。聞きたい事がある。』 >>というもの、チュイナのリーレンとは、このゲーム内の中級クラスの街で、初心者でも、パーティを組めば来る事が出来る街で、交易の街だ。 >>別に、内容に怒った訳じゃない。 >>たまに、ある手紙だ。 >>怒ったのは、差出人の方だ。 >> >>『なるべく、来てね。 GM ヴィルジール=メイシュナー』 > > >ゲームマスター直々のお誘いですか… >しかし、何やら深い因縁のある様子? >何にせよ、一癖二癖はあるゲームマスター? ゲームマスター=ヴィルではないですが、そうでもあるのです。 因縁は・・・・ゲームマスター自体とはないです。 ええ、一癖二癖、どころか、三癖以上ありそうです。 > >>もちろん、『GM』は、『ゲームマスター』の略である。 >>「アイツが、俺に何を聞きたいってンだよ。」 >>ぶつくさいいながらも、相手が相手なだけに、すぐに、移動の呪文を紡ぐ。 >>「面倒なんだろうけどさ。 >> 《空間と距離を超え 彼の地に我を送れ >> 疾く疾く 疾風のごとく チュイナ・リーレンに送れ 【リネ・ルートラ】》 >> 嫌になるよ、本当に。」 > >それにしても、今回はオンラインゲーム視点なのでファンタジーと仮想世界の >ブレンドされた様な独特の描写になってますね。 >実際に、プレイヤー感覚から見てどんな感じなんだろうと思ってしまいます。 うぃ、オンラインゲームの醍醐味的描写なのです。 一応、そのキャラの視点になるんですかね。 他にも、ふかんで見れるモードもありますが、キャラの目線が基本視点です。 > > >>「ちゃお、ラビ。」 >>「で、何の用? >> ヴィル、忙しいんじゃないの?」 >>酒場《ライシ》の個室で、ヴィルは、少し出来上がっていた。 >>金髪碧眼で、動きやすさ重視の魔道師系の服装をしている、これと言って特徴の無い青年だ。 >>もちろん、架空のなのだが、設定年齢が、16歳以上ならば、酒を摂取できる。 >>そうすれば、酔ったのを同じ状態になるのだ。 >>「ん〜。 >> 一応さ、《歌乙女》が、動くみたいだから、四年前の真実を知っておきたいんだ。 >> 処分し終わっているとは言え、自分とこの下部組織の暴走だったし。」 >>「たしかにね、あれで僕は、リーチェを永遠に失ったんだったよ。」 >>「で、なにがあったの?」 >>「・・・・・・・・・そこまで、土足で入られると逆に清々しいよ。」 >>「いやぁ、それほどでも。」 >>「褒めてない。」 >>「解ってるって。 >> で、話すの?」 >>「話すよ、どうせ。 >> 《C.C.》に、利用されそうだけど、お前が噛めば、それはなさそうだし。」 >>GMのヴィルは、《御伽噺》や現実の単語になぞらえて、この世界の名称を作っている。 >>だから、この個室の会話を聞いても、彼らなりの独特の言い回しでやっているとしか思わないのだ。 >>「で、どっから話せばいい?」 >>「そのリーチェちゃんの出会いからだね。」 >>「うん、わかった。」 >>こうして、ラビは、リーチェとの出会いから別れを話し始めた。 > >お酒を摂取できる… >どんな感じなのか興味があったり(笑 >それにしても、このゲームそのものが御伽噺なども絡めた壮大な仮想空間だったとは! >そして、やはりシリアスな展開になる気配ですね。 >どんな出会いがあったのでしょうか? 判断力、バランス感覚、(ステータス)、ぷらす、暴走(バサーク)(状態変化)が、べろべろになると付加されます。 前述二つは、そこそこ飲んでも付加されますが。 一応、ゲームマスターが、《御伽噺の幽霊》の一人ですしね。 シリアスですね、ドが着くほどに。 哀しくも、印象的な出会いですね・・・・・・。 > |