◆−花よりも団子?‐51‐−井上アイ (2007/12/15 00:11:40) No.18406 ┣花よりも団子?‐52‐−井上アイ (2007/12/17 22:34:43) No.18407 ┃┗花よりも団子?‐53‐−井上アイ (2007/12/19 02:23:22) No.18408 ┃ ┗花よりも団子?‐完結(前)‐−井上アイ (2007/12/24 17:36:06) No.18411 ┃ ┗花よりも団子?‐完結(後)‐−井上アイ (2007/12/26 23:57:50) No.18413 ┣Re:花よりも団子?‐51‐−みずるん (2008/6/12 08:18:17) No.18447 ┗Re:花よりも団子?‐51‐−みずるん (2008/6/12 08:21:05) No.18448 ┗有り難うございます(^^)−井上アイ (2008/7/18 10:57:53) No.18455
18406 | 花よりも団子?‐51‐ | 井上アイ | 2007/12/15 00:11:40 |
もうごめんなさい、こんな長くって☆ では、51話です。 花の学園生活も、遠い過去の産物なので、行事類をすっ飛ばすのは辛い決断でした。書きたかった… ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ 入学して2週間経ち、アメリアの周りは静かになっていた。 物珍しさが無くなったのもあるが、「良家の子女が、はしたない」とミリーナとリナが入学式の次の日、アメリアに群がる生徒に言ったのが効いたのだ。 「ちょっ・・・これ、何?」 「何て、見ての通り、[正義遂行倶楽部]」 特別ルームの扉の横にある看板を見て、脱力した様に言ったリナに、アメリアは当然の様に言う。 「あたしの目にもそう見えるわよ。で?何?」 「正義を広めようと思って、で、とりあえずの拠点にしようかな、と♪」 「うが〜!何の相談も無しにこんなもん勝手に付けるなぁ!!」 「え〜!リナなら賛同してくれると思ったのに!」 [正義遂行倶楽部]と書かれた板をバシバシと叩き言ったリナに、アメリアは非難の色の濃い言い方をする。 勿論、リナは自分には非が無いので、力無く反論を試みる。 「いや、んな、あたしが悪いみたいな言い方しないでよ。大体、ミリーナだって嫌がるわよ、これ。」 「賛同してくれたわよ。この部屋の管理者なんだもの、昨日の内に承諾貰ったわ。」 「嘘よね?」 「うん。て言って欲しいだろうけど、真実だから♪」 楽しそうに笑いながら言ったアメリアの言葉に、さしものリナも呆然自失、がくっ!と膝を付き、虚ろな目であはははははと乾いた笑いで空気を震わせるのみだ。 「おはよう、リナさん、どうかしたの?」 「どうも、嫌みたいよアレ。」 特別ルームへと入って来たミリーナの言葉に、アメリアは苦笑しながら答えた。 その2人の視線の先では、部屋の隅で「夢なら早く覚めて」等ブツブツ呟いているリナの姿がある。 「まあ、確かに、少し入り辛いネーミングね。」 「え?そう?良いと思ったんだけど。」 「入るのに少し躊躇したわ。」 「む〜。でもでも、もう作っちゃったし、諦めてくれないかなぁ、とか思うんだけど。」 「私は別に構わないわ。」 大きな目で上目遣いをし言ったアメリアに、ミリーナは肩をすくめてみせる。 「構いなさいよ!あんな妙な名前付けられたら、ここに出入りしてるあたし達まで奇異な目でみられるのよ!」 ぐりん!と頭だけを2人に向け、リナが必死の形相で叫ぶ。 「アメリアさんの事で、リナさんの周りは、騒がしいでしょう?それが静かになるのなら、アレ位、可愛い物だと思わない?」 「思わない。」 ミリーナの静かな声に、リナは嫌な顔をし即答する。 リナは、アメリアと仲が良い事で、アメリアに近付きたい生徒達が周りをうろちょろする様になったのだ。 「ねぇ、聞いてた所、どんな看板が立てられるか聞いていなかったの?」 体ごと2人の方に向け、リナはゆっくりとした歩みで近寄る。 「ええ。アメリアさんからは、この学校を良くする為の活動をしたいから、看板を付けさせて欲しい、としか話を聞いていなかったのよ。」 「うわ、詐欺まがいだわ。」 「まあ、あの名前は好ましく無い気はするけど、いじめとかで困っている生徒を助ける、という活動内容は良いんじゃないかしら?」 「ん?ミリーナ、まさか、一員?」 首を傾げたミリーナを見、リナは眉を寄せる。それはまるで、いかがわしい詐欺にでもひっかかってんじゃない?とでも言いたげな表情だ。 「リナもよ♪昨日、同好会のメンバーリストに加えておいたから♪」 「は?!ちょっと待て、聞いてないわよ、それ?」 にっこり笑顔で言ったアメリアの言葉に、リナはアメリアの頭を両手でガシッ!と掴みに〜こりと笑う。 「まだ言ってなかったの?」 「だって、そんな空気じゃなかったし。」 意外そうなミリーナの言葉に、アメリアはハタハタと手を振る。 ―カランカラン 学園の鐘が鳴り響き、3人にもその音が届く。 「ちっ!ヤリ損ねたわ。」 「あはは☆じゃあねv」 しゅた!と手を挙げ、アメリアは鞄を手にして教室へと走る。 彼女の教室が、一番遠いからだ。 「活動内容に、何か問題でも?」 「無いわよ。でも、あんな名前のクラブ、嫌過ぎ。」 鞄を手にし、重い足取りのリナの後に続き、ミリーナも鞄を手にし、部屋を出、リナと並び、口を開く。 「バイトばかりで、あまり遊んでくれない、て愚痴ってたのよ、彼女。」 「そんなんで、同好会を立ち上げたんかい。」 「部活の勧誘がしつこかったんですって。それで同好会を作る気になったみたい。」 「だからって、何でよりにもよって…」 「でも、アレでアメリアさんに近付きたいだけの同好会への入会希望者が殺到する事は無いわ。」 「う〜、結局穏和な学園生活、てのは無理なのね。」 かくっ!と頭を落とし、リナは、くは〜と長い溜め息を吐いた。 「こ、これは・・・」 「素敵でしょう?」 学園に遊びに来たゼルは、目の前にある物を認め、目まいを覚えたが、その隣のアメリアはうっとりとした顔で件(くだん)の看板を撫でているる。 「どういう事だ、アレは?」 「あたしに聞かないで。」 口を引き攣らせながらのゼルの問いに、リナは疲れた顔をする。 「苦労しているんだな。」 「あんたがもっと構えば、減るわ。」 「無理を言うな。ま、ガンバレ。」 「うあ、心篭って無いし。」 お互い、顔を背け、言葉にも力が入らない所を見ると、そうとう堪えているのだろう。 お茶を入れていたアメリアが、トレー片手に戻り、それを視認すると、何故か頬を膨らませ口を開く。 「わたしとしゃべっている時より、楽しそう。」 「冗談はよしてくれ、んな事、こいつの旦那に聞かれてみろ?あいつのヤキモチは洒落にならんくらいヤバいんだからな。」 「旦那じゃない!」 何かあったのか、げんなりして言ったゼルの頭を、リナは辞書で殴り、立ち上がった。 「それじゃ、せっかくの逢瀬を邪魔しちゃ悪いし、あたし帰るわ♪」 言うが早いか、鞄を手にし、リナは部屋を出ていく。 それにより、2人きりになった特別ルーム。 「たく、あんな狂暴女のどこが良いんだ、あいつ。」 「ゼルガディスさん、大学はどう?」 首をゴキゴキと鳴らし毒付いたゼルに、アメリアは濡れ布巾を渡す。 それを受取り、ゼルは隣のソファに腰を下ろしたアメリアに視線を向ける。が、手にした布巾を、首に当てている、という絵は何ともマヌケだ。 「悪く無い。」 「そう。」 「あんたは?」 「楽しいわ、念願のリナとの学生生活を送れているんだもの。」 「そうか。」 微笑みながら言ったアメリアの言葉に、ゼルは笑みを浮かべ、カップを手にするが、口には付けず呟く様に言葉が発っせられる。 「羨ましいな。」 「へ?」 「こうしてると、一年でも良いから、一緒に学校に行きたかった、と思うよ。」 「え?」 「文句言いつつも、あんたの滅茶苦茶に巻き込まれているリナが羨ましい、と言ったら、可笑しいか?」 「ぅひゃ・・・」 「どこから出た、その声?」 ひっくり返り、上づった声を発したアメリアを、ゼルはくっくっと喉で笑いつつも、その背をトントンと軽く叩き、落ち着かせ様とする。 「ゼルガディスさん、ずるい、不意打ちするんだもん。」 「そういうつもりは無かったんだがな。」 「わたしだって、ゼルガディスさんと同じ時期に通いたかったわ。」 「そうか。ま、こうして遊びに来てやるさ。」 「学校行事を一緒にしたかったなぁ。」 「ああ、そうだな。」 目にうっすら涙を浮かべ言ったアメリアの髪をそっと撫で、ゼルは目をつむった。彼には、瞼の裏に、2人が同じ制服を着ている絵が見えた気がした。 ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ ゼルアメ色強いですよね、この話。 一年前までは考えられないな。原作派なので、原作に無いカップリングのゼルアメは非難的だったのデスよ。 ガウリナ、影が薄いな! |
18407 | 花よりも団子?‐52‐ | 井上アイ | 2007/12/17 22:34:43 |
記事番号18406へのコメント る〜るるるる。 誤植がありましたネ。“いるる“て何ですか? うや〜んな52話目です。 うぅぅぅ、ガウリナが第一なのに、久々ってどういう事? ФФФФФФФФФФФФФФФФФФФ 特別ルームを出たリナは、真っ直ぐ住まいの部屋へと戻っていた。バイトは無く、予定も無い日なので、どうしたものか、と思案し、リナは気が付く。 こうして何も無い日、というのが随分久しぶりだ、という事に。 今日は、ミリーナは幼稚舎の頃からの友達の家に招待されているので、捕まらない、で、最近の騒動の中心のアメリアは意中の彼との逢瀬中。 「手紙でも書こうかな。」 ゼルと話している時に見せるアメリアの穏やかな笑みを思い出し、リナは呟いた。 自分も、彼と過ごした期間、あんな表情が出来ていただろうか?とほんの一ヶ月前を思い出そうとしたが、何だか遠い昔の出来事の様な気がして頭を軽く振った。 「体が馬鹿でかい分、存在感も大きいのかしらね。」 苦笑まじりに言ってみせるが、勿論返ってくる言葉がある訳では無い。 寂しさに気付かない様にリナはうしっ!と何故か気合いを入れ、便箋と封筒を取り出す。 毎日の様に、オーブで連絡を取り合っている2人、今更手紙で書く事も無さそうだが、お互いバイトで忙しい為、満足に話が出来ていないのもあり、筆はスラスラと進む。 「こういうのも新鮮で良いわね♪レトロだけど、味があるわv」 ふふふと笑み、リナは筆をインク壺に浸ける。 「おら!青二才!!ちっと来い!」 遠い空の下、とある建物の中の一室で、最近始終ご機嫌が斜めな男の喝が飛ぶ。 ご機嫌斜めにしている張本人は、喜々として仕事をしているので、周りの方が逆にげんなりとしていたりする。 「はい。」 「この石は何だ?」 目の前まできた青年を、親の仇でも見るかの目で睨み、男は青年が選別した石を指差す。 「さあ?でも、綺麗だったんで。」 「こんのドあほぅが!!誰がんなもんを買うんだ!あ゛あ!!?」 「その石、使えないですか?」 「ったり前だろ!ただの石ころに、金払う馬鹿がいたら、見てみたいもんだな!」 「じゃあ、貰っても良いですか?」 「勝手にしろ。」 こめかみをぴくぴくさせて言った男に、青年は嬉しそうに笑み崩れ、石を大事そうにハンカチに包んだ。 「それ以外は文句ねぇ。残念な事だがな。」 「じゃあ、仕事に戻ります。」 「聞けや、おい。」 文句無い、と聞いてすぐ席に戻る為に踵を返した青年の背中に、男は力無く突っ込んだが、その声は残念な事に、その耳には届かなかった様である。 スキップする勢いのご機嫌な青年は、長い金髪を揺らしながら席へと戻った。 「リナに似合うかな〜♪」 「ヘラヘラしてねぇでさっさと仕事しねぇか!」 にへらと笑みながら口にした青年の言葉が聞こえたのか、男はさっきより輪をかけ不機嫌になり、使わなくなったのにも関わらずデスクに鎮座しているガラス製の灰皿を青年に向け投げつけた。最近の灰皿は、用途が多様化している。 未確認非行物体ならぬ、れきっとした凶器が空中を飛び、青年の頭に迫るが、慣れた様に避けられた。青年の近くの従業員も、騒ぎ立てる事無く、非難済みだ。 青年がバイトとして入った日から一月、事ある毎に上司が青年に対して暴力的解決を試みるので、すっかり耐性が出来ているのだ。 「ちっ!ヤリ損ねたか。」 憎々しげに放たれた男の言葉に、従業員達は懲りない人だ、と半笑いになる。 一方、敵意を向けられた青年ことガウリイは、涼しい顔で仕事の続きにかかっている。 「何で首にしないか不思議だ。」 「ヤル機会を失うからだろ。」 「何でバイト君を嫌うか不思議だな。感が良いから使えるし、礼儀もなってるだろう?」 最近の従業員の話題は、上司の不機嫌な訳の解明だが、分かる訳が無い。娘の彼氏だからという余りにも公私混同な理由なのだから。 夜遅くに借りている部屋へと戻り、ガウリイは石を取り出した。 「うん♪やっぱりリナに合いそうだ♪」 布で研いただけの石は、仄かに赤い色をしているが、男の言葉通り、宝石には成り得ない石だ。 それをイソイソと机に置き、ガウリイはオーブを手にする。 『お疲れ様』 繋がると直ぐにリナの優しい声がガウリイの耳に届く。 それだけで嬉しくなり、疲れている筈の体も軽くなるのだから、つくづくゲンキンだな、と自分で思い、そういえば、毎日の様に思っているな、と気付く。 そして、また明日も同じ事を思うのだろうな、と思い至る。 ゼルが学校に遊びに来たのだ、と言ってリナが苦笑した。 『アメリアに振り回されてるのよ、ゼル。』 「へぇ、冷静なゼルがなぁ。楽しそうだな、そっちは。」 『うん。そっちは?』 「忙しいけど、何とかやってる。リナの親父さん、仕事に厳しいからな。」 『ま、自分で選んだんだから、頑張りなさいよね。』 厳しい言い方だが、ほんの僅かな優しさを感じ、ガウリイは微笑む。 彼女の父親も、言葉使いは荒いが、人を気遣う繊細な心使いを出来る人だと、この一月で感じる事が出来た。といっても、自分に対してだけは厳しいが、それは仕方の無い事なので、達観している。それに、乱暴も少しだけだが手加減されている事から、根が良い人なのだろう、と予想されるのだ。 「リナは、親父さんに似ているなあ。」 『はあ?いきなり何?』 「いや。」 つい口に出た言葉に怪訝そうな顔をしたリナに、ガウリイは首を振った。 『そ?じゃ、もう寝るから。』 「そうか、おやすみ、リナ」 『おやすみ。』 フッ!と暗くなったオーブを見、ガウリイは寂しそうに笑う。 あまりにもあっさりとした挨拶に、物寂しさを感じたのだ。 だが、今日の様に少し遅くなっても、オーブに反応してくれているリナを思うと、それを口にするのは、子供じみている気がし、何も言えなくなる。 それに、リナは帰りが遅くてもオーブを待っている、それは、とりもなおさず、自分を思っていてくれている、と感じる事が出来るのは嬉しくなるのだ。 「よし!」 パン!と頬を叩き、ガウリイは寂しい気持ちを振り払い、机に向かう。 石を手にし、バイト先から借りたヤスリを右手に持ち、石を研き始める。 ガウリイの握り拳程ある大きさの石を、彼は宝物でも撫でる様に研く。 数日経ち、ガウリイの手元に、シンプルな青い封筒が届いた。 「リナ、有り難うな♪嬉しいよ♪」 その日のオーブでのやりとりは、ガウリイのご機嫌な声から開始された。 手紙には、同好会でどんな苦労をしているか、とかミリーナの友人が美人だ、とか書いてある。 そして、ガウリイの躰の事を気遣う文面があり、その続きには、「でかい図体が側に無いと物足りない」とあった。 『べ、別に深い意味なんて無いからね!ただ、いつも視界に収まっていた物が無いと、何か足らないなぁ、て思って!』 顔を赤らめたリナが必死に言っているが、ガウリイは幸せそうに笑み崩れる。 『うが〜!幸せそうに笑うな!あたし、あんたのその顔、叩きたくなるのよ!!』 「じゃあ、今度まとめて叩いてくれよ♪」 『うげ〜、嬉しそうに叩いてくれとか言わないでよ気持ち悪い。』 「リナに会えるのが嬉しいから、叩かれる位何て事ないぞ♪」 『あ゛〜、もう!会話になんない!』 「楽しみだな〜♪あ!ちゃんとバイトは休み貰ったからな〜v」 『あっそう。じゃ、おやすみ。』 「おうv」 オーブが光を失ってからも、ガウリイは嬉しそうに笑っている。 リナの手紙の最後には、「連休そっちに行く」と書いてあったのだ。 ФФФФФФФФФФФФФФФФФФФ わぉ!ガウリナ久々じゃない? 書いていてムズムズしました… 多分、次の次くらいが最終です。 予定は未定★(予防線ι) |
18408 | 花よりも団子?‐53‐ | 井上アイ | 2007/12/19 02:23:22 |
記事番号18407へのコメント 変換ミス発見!非難じゃなくて避難でしょうι しかも、これわざわざ選んだのですよ!最初は避難て出たのに、もう一つの方だ、と思ってポチと変換を押したのさ★馬鹿だ… もうもう!な53話目です。 ガウリナは難しいと思うのは何故でしょう? ФФФФФФФФФФФФФФФФФФФ 「リナ♪」 乗り合い馬車の停留所で、待ち兼ねていた人物が降りて来ると、ガウリイは待っていたとばかりに笑顔全開になる。 「恥ずかしいから、んな喜ばないでよ。」 ガウリイの腕をつねり、リナが睨むが、痛みを感じる神経がイっているかの様にガウリイは、にへらと笑う。 「怖っ!つねられて笑わないでよ!そういう趣味でもあるの?」 「リナv」 「ああ、もう、あんたと話すの疲れるわ。」 にょほ〜んと口をだらしなくニヤケさせ笑うガウリイに、リナは溜め息混じりに言う。 「荷物持つよ♪で?リナの家はどっちだ?」 「こっち。」 自分の荷物を手に下げたガウリイを引き連れ、リナは久しぶりな道を歩く。 「こうして歩くの久しぶりだな♪」 「あんたって安あがりよねぇ。」 鼻唄混じりな背後からの声に、リナは苦笑するが、自身もほんのちょっとだけ元気が出ていたりする。 当然の事だが、自分の家に着く前に、リナは荷物をガウリイから奪い取り、インバース家へと一人で戻った。 残されたガウリイは、待てと言われた本屋で、所在なさげに佇み、リナが戻って来るまで、意味も無く辞書を読んでいたりする。 半刻もしない内に、リナがガウリイの腕を叩くと、彼は寂しそうに笑った。 「リナを育ててくれた人に、挨拶したかったな。」 「馬鹿言わないでよ。高校卒業もしていないのに、将来の事を決めたくないわ。」 揃って本屋を出て、ガウリイは残念そうに言い、リナはそれに溜め息混じりに答えた。 「でもよ、付き合っている訳だし、ご両親には知っていて欲しいんだよな。」 「知ってるわよ。姉ちゃんに気付かれた時点で、両方の両親に言ってあるわ。」 「そうか、オレ、両親への挨拶、二回も出来るんだ♪」 リナの言葉に、ガウリイはウキウキとした表情を見せる。 それに呆れたリナが、変人でも見るかの表情で彼を見上げる。 「普通、面倒だと思わない、それ?」 「え?何でだ?大事なリナと付き合わせて貰える為だぞ?面倒な訳ないだろう?」 「言っとくけど、両方の父親共、手強いわよ。まあ、父ちゃんの事はバイトで知ってるだろうけど・・・」 「ああ、あの人、変わってるけど、良い人だよな♪」 自分の父親を変わっている、と言い、また良い人だとも言ったガウリイに、リナは首を傾げたくなった。 基本、人当たりの良い人間なのだが、事自分や姉に関しては、人が変わった様に子供じみた嫉妬をするのが自分の父親なのだ。それを良い人だと言ってのけるこいつは、器が大きいのか、はたまた頭がどこかおかしいのか?と疑問が湧き出たからだ。 が、リナはとりあえずにっこり笑い、言う。 「人の父親を変わっているとか言うな★」 リナ=インバースは、口も早いが手はそれ以上に早い。ゼフィールでは結構有名だ。それが今、実現された。 リナの右足は、ガウリイの左足の脛を狙い繰り出されていたのだ。 「うぐ?!」 「ちなみに、インバースの方も、簡単に許して貰えるような相手じゃないからね。」 「・・・つまり、リナは、すっげぇ愛されているんだな。それなら、尚の事、挨拶は丁寧にしないとな♪」 「あんたの頭って、羨ましい思考回路よね。」 「そうか?」 ニコニコ笑っているガウリイに、リナは大袈裟に溜め息をついてみせる。 連休は、互いの馴染みの場所を教え合う事に費やされ、ガウリイの大学の合間を利用しての事なので、時間はそれだけで終わってしまった。 泊まる為だけに帰っていたインバース家では、父親はむっすりと不機嫌になっていた。 「父さん、あんまり無理しないでね。」 「父さんが倒れたって、リナには迷惑掛けんだろう?」 カルマートに戻る日、リナの言った言葉に、父親はふん!と顔を背ける。 「心配してるのよ。父さんの背中、何か小さく見えるんだもん。」 「・・・それだけリナが成長しただけだ。リナも、元気でな。」 「ん。じゃ、母さん、父さん、行ってきます。」 鞄を手にし、リナは元気良く玄関から出ていく。 「リナ!」 すっかり待ち合わせの場所として定着した本屋の前で、ガウリイはリナの姿を認めると直ぐに駆け寄る。 「馬車、何時だ?」 当たり前の様にリナの鞄を取り、ガウリイは首を傾げる。 「あと二刻後よ。」 「そっか、あっという間だったな。」 「まあ、3日だけだしね。あんた、大学があったし。」 「今度は、オレがそっちに行くな。」 「ゼルの振り回されっぷりを見てよ☆」 楽しそうに笑うリナに、ガウリイは穏やかに笑い言う。 「リナに会いに行くから。」 「ば〜か。」 「おう、馬鹿だよ♪」 僅かに顔を赤くして言ったリナの言葉に、ガウリイはニコリと笑う。 きゅ!と控え目に右手を握られ、ガウリイは右隣を見る。そこには、不機嫌そうな顔のリナが居る。で、その左手が自分の手を握っているのだ。 「何がそんなにオカシイのよ?さっきから笑ってばっか。」 「ん?だってさ、せっかくリナと会ってるんだぜ?寂しい顔したら、もったいないじゃないか。」 「ふ〜ん。」 「もしかして、離れるのが寂しいのか?」 「別に。あっちに戻ったら、忙しいもの。」 「オレは寂しいぞ?でもな、惚れた相手には、暗い顔を見せるな、てガーブオヤジに言われてるからな。」 「あんた、おっちゃんの事大好きよねぇ。」 「うぇ?!オレ、そんな趣味無いぞ!」 染々と言ったリナの言葉に、ガウリイは慌てて首をぶんぶかと振る。 それを見て、リナは可笑しそうに笑い、言う。 「んな趣味の男だったら、縁を切るから☆」 「ち、違うからな!オレ、確かにガーブオヤジは好きだけど、そういうのとは違うからな!」 「あっはっは☆解ってるわよ♪こんな可愛い彼女がいるのに、ムサイおっさんになびく訳無いじゃない♪」 余りにも必死なガウリイに、リナは握っていた手を離し、バシバシと叩く。 「当たり前だろ?自慢の彼女だからな。」 離れたリナの左手をぎゅう!と握り、ガウリイはムスッとした顔で言う。 「・・・あんたの手、大きいね。」 「リナは小さいな。」 自分の手をすっぽりと包み込む手に、リナが感慨深げに言うと、ガウリイは愛しそうな目で自分の右手を見る。 平日の午前、出勤や登校の時間はとうに終わり、昼まで少しばかりの時間があるためか、乗り合い馬車の停留所は、ガウリイとリナの2人しかいない。 会話が途切れ、ガウリイはリナをジッと見る。リナはそれに気付き、頬を染め、視線を地面へと向ける。 「リナ。」 「ん?」 暫くし、ガウリイが穏やかな声で声を掛けると、リナは誘われる様に顔をあげた。そこには慈しむ様な表情をしているガウリイがいた。 と思ったら、リナの手、ガウリイが握っていた左手が引っ張られ、その胸に飛込んでいた。 「ちょ!何を!」 「好きだよ、リナ。」 慌てて胸を押し、離れ様としたリナを抱き締め、ガウリイは小さな頭の上に顔を擦り寄せ、頭の天辺に口付けを送る。 「・・・ん。」 「言った事、無かったから。」 腕の中で大人しくなったリナに、穏やかな声で言い、ガウリイはゆっくりと体を離した。 視線をリナに向ければ、真っ赤な顔でふふん!と鼻で笑い、口を開く。 「あんたは、全身で言っていたわよ。知らなかった?」 「リナには敵わないな。」 「当然!」 苦笑したガウリイに、リナは勝ち気に笑ってみせる。 「これ、オレだと思ってくれ。」 自分の鞄から取り出した物をリナに渡し、ガウリイは照れた様に笑う。 リナの手には、赤い石で彫られた不格好な犬がちょこん、と座っていた。 「どうしたの?これ。」 「ん?要らない石を貰ってな、彫ってみたんだ。」 「ガウリイが?」 「おう♪」 「下手くそ。」 「はは、ちょっと失敗しちまったか?」 「あたしは好きだわ。」 「そうか。」 大事そうに石の彫刻を両手で包み込んだリナを見、ガウリイは満足そうな表情をする。 「ちょっとしゃがんでくれる?」 「ん?何だ?」 ちょいちょいと手招きされるがまま腰を落とすと、リナはガウリイの右耳を引っ張り、ぼそりと言う。 「ありがとう、大事にするから。」 「ああ。」 嬉しそうに笑ったガウリイを見、リナは不機嫌そうな顔をする。 「何かシャクだわ。」 ぽつりと言うが早いか、ぐい!とガウリイの胸ぐらを引っ張り唇を合わせる。 「?!」 慌てて唇を押さえ、ガウリイは赤い顔でリナから離れた。 「さっきビックリさせられた仕返し☆」 チロリと小さく舌を出し子悪魔の様に笑んだリナは、やはり赤い顔をしているが、自身で気付かない振りをし、言う。 「ファーストキスを上げたんだから、有り難く思いなさいよ。」 「は、はい。」 ぽ〜、としているガウリイから自分の鞄を奪い取り、リナはそっぽを向く。 結局、馬車が来るまでの5分間、2人は顔を合わせる事無く過ぎ去り、リナが馬車に乗り込むと、ガウリイはぎこちなく笑う。 「リナには驚かされっぱなしだな。」 「何よ?文句ある?」 「まさか。ある訳ないだろ?」 「そ。」 「今度は、オレが頑張るからな。リナにばっかりリードはさせないから。」 「あたしだって負けないわよ。」 お互いに不敵に笑い合うと、馬車の出発時間になり、馬車は走り出した。 ФФФФФФФФФФФФФФФФФФФ 痒いよ〜!何でこんな事に! 宣言通り、次で終わりになりそうです。 実は、最終話の展開は、考えてありました。それに向け、途中はしょり、リナ、ガウリイの誕生日という恋愛物では外せない事までも省略してしまいました。 では、次回まで☆ |
18411 | 花よりも団子?‐完結(前)‐ | 井上アイ | 2007/12/24 17:36:06 |
記事番号18408へのコメント 語る事はありません(・∀・) 長過ぎた話もいよいよ完結です。 また話がぶっとび!! ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ 「あいつらが一番先だとはな。」 「意外よね。」 ゼルの言葉に、アメリアは苦笑してみせる。 その日は、朝から晴天で、クリーム色の外壁は白にも見えそうな程光を反射している。 その建物の中、玄関ホールには、正装をした人達が話を盛り上げている。 「では、こちらへお入り下さい。」 係りの男の言葉に、そこに居た人達が移動を始めた。 「あれ?ね、あの2人見た?」 「いや。まったく、あいつらは〜З」 アメリアの問いに、ゼルは呆れた様に溜め息をつき、人の流れに沿って案内された扉へと向かう。その後に続き、アメリアも歩き、肩をすくめた。 部屋に入ると、縦一列に並ぶ椅子が二列あり、中央には赤い絨毯が敷かれてあった。 ゼルはその列の右に並ぶ椅子に向かい、アメリアは左に並ぶ椅子へと向かった。 「随分、規模を押さえたな。」 「そうですねぇ。身内だけでももっと居るでしょうに。」 ゼルの言葉に、その隣に立ったゼロスはいつもの笑顔で首を傾げる。 「あんたも、いい加減、落ち着いたらどうだ?さっきもナンパばかりしていただろうが。」 「いやですねぇ、より素敵な淑女を求めているだけですよ。」 「あんまり遊んでいると、本命が出来た時に困るぞ。」 「はっはっは☆この僕の誘いを断る方が居る訳がありません♪」 ぼそぼそとした囁きが響く中、暫くすると、ゼル達が入った扉とは反対側、正面の方の小さく控え目な扉から、神官が出てきた。 それに続き、巫女姿の女性が2人出てくると、部屋は静けさを取り戻す。 静かになると、神官の背にあるステンドグラスと、控え目な照明により、部屋は厳かな空気になる。 ―ガチャ 重々しい扉の音に、縦長の部屋中の視線が後ろへと向けられた。 そこには、長い金髪を一つの三編みにした青年と、長い髪をアップにした女性が立っていた。 「おい・・・」 ガクッと頭を落とし、ゼルは誰に言うでもなく突っ込む。 「あはは☆あんたがのんびりしてるのが悪いんだからね!」 「リナだって!髪が決まらないて延々やってたじゃないか!」 扉を開けた2人、リナとガウリイは向かい合い言い合いを始めようとするが、その間に神官みならいの男が立つ。 「もうじき始まりますので、お席へ移動して下さいませ。」 「あら、ごめんあそばせ☆」 おほほ、と笑いリナが左側へ歩き出すと、ガウリイがその後に続こうとする。 それに気付いたリナは振り返り口を開く。 「あんたはあっち!!」 「へ?何でだ?」 「何でだじゃない!」 べし!とリナに頭を叩かれ、ガウリイはすごすごと右側の列へ向かおうとするが、 「端を歩け、端を。」 真ん中を堂々と歩こうとした所で、ゼルにその肩を掴まれた。 「そういう決まりだ。」 ガウリイが疑問を口にするより早く、ゼルはそう言い、部屋の右端を歩く。その後に続き、ガウリイは反対側に居るリナを見る。 彼が、のんびりしている間に席に着いたリナは、アメリアの隣に立っていた。そして、アメリアを挟んだ反対側、背の高い金髪の女性がリナに向かい、何やら話し掛けていた。 「新郎、新婦が入場致します。皆様、ご起立下さい。」 時間になり、神官の言葉により、会場中の人々が立ち上がる。 「新郎の入場です。」 神官の言葉と共に、部屋の視線が後ろ、荘厳な造りの扉へと向けられた。 ―ガ、チャ ゆっくりと扉が開かれ、今日の主役のおまけである新郎が緊張した面持ちで、赤い絨毯=ヴァージンロードをゆっくりと歩く。 高校時代、黒くした髪は、元来の髪の色である赤、いつもは逆立たせている髪型も、今日は後ろへと撫で付けて、白い燕尾服に胸ポケットには白い百合の花、靴も上等な皮の白、と神官の前に立った彼は、非日常的な格好である。 (ガッチガチに緊張してやがる。) 新郎の表情を見、ゼルはこっそり溜め息をついた。 そして、いよいよ主役が入室する。 父親にエスコートされ、しずしずと歩くと、感嘆の溜め息がそこかしこから漏れた。 ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ ここで切るか! すみません、仕事がまだありますので!! クリスマス、年末年始、お盆、仕事が休みだったためしが無いデス。 色々とヤバい、というか痛い? |
18413 | 花よりも団子?‐完結(後)‐ | 井上アイ | 2007/12/26 23:57:50 |
記事番号18411へのコメント もうすぐこの年も終りますネ。 良かった、年を跨ぐ事だけはしたくなかったのですヨ。 では、完結話の後編です。 始まり始まり〜♪カンカンカンカン・・・!! ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ 長いプラチナブロンドは、今日は緩くカールされ、後ろに結われており、真っ白なドレスは、飾り気は無いが絹の一級品である事を思わせ、光を暖かく反射している。ドレスの形は、緩やかに体にフィットしていて、床に着いた生地を踏みやしないか、と思う程だが、見事な足捌きで、危なげなく歩いている。長いベール越しに見える表情は、新郎とは違いいつも通りの無表情だが、若干柔らかそうな表情をしている新婦。 対照的な2人が神官の前に並ぶと、神官は穏やかに口を開く。 「ではこれより、新郎ルーク=マグナスと新婦ミリーナ=ワイザーの神への結婚の誓いを執り行います。ご列席の皆様、ご着席願います。」 式は滞り無く終わり、会場を近くのリストランテへと変え、2人の披露宴へと移行していた。 「お、これ美味いぞ☆」 「ん♪さっすがミリーナ、センス良いわぁv」 ガウリイとリナは競って料理に舌鼓みを打つのに忙しそうにし、 「飲みすぎるなよ?フィルさんに怒られるのはゴメンだからな。」 「うふふvなら、今日は泊まって行こうかしら?」 ゼルの忠告にアメリアが艶やかに笑ったり、と問題なさそうな中、同じ席で、奇声が上がった。 「きぃー!近寄らないで下さいな!貴方の様な汚わらしい方とは一秒たりともご一緒したくありません!」 「おやおや?聞き捨てならないですねぇ。僕のどこが、汚いなどと?自慢ではありませんが、上から下まで今日の為だけに特別に用意させた一級品ばかりですよ?」 ヒステリックな声を発したのは、式の前、リナに声を掛けていた女性で、ミリーナの幼少の頃からの親友、フィリアだ。で、その奇声の原因は、無駄な笑顔を振り撒くゼロスだ。 ただ、彼は何かをしたと言う訳では無く、同じ席に着いたよしみとして声を掛けようと椅子から立ち上がり、近付いただけなのだが? 「外見ばかり装っても無駄です!貴方の内側からは、淀みきった何かが溢れ出ています!」 「ちょ?!あのですね!初対面の相手に対して、いきなり失礼じゃありませんか?!」 「貴方にはそれ位しても、どこからも文句は来ません!」 珍しく引き攣った顔をしたゼロスに、フィリアは「はん!」と笑った。 「まったく意味が分からないのですが、僕は何故嫌われているのでしょうか?」 「この線から入らないで下さいな!!」 思わず止まった足を進め様としたゼロスに向かい、フィリアは床に見えない線を足で引いた。その際、ドレスから生足がチラリと見えたのは気付いていない様だ。 「聞きしに及ぶ男嫌いだな。」 溜め息まじりのゼルの言葉に、アメリアは苦笑する。 現在、ゼルは大学を卒業し、グレイワーズコーポレーションで平社員として勉強中である。アメリアはセイルーンの王立大学で経済学を学び、将来ゼルを支えるつもりでいる。 この前の年、アメリアの姉が、親戚筋と結婚、懐妊した為、アメリアは目出度く王位継承権を放棄する事が出来たのだ。 「ゼロスって、女関係だらしないじゃない?フィリアにとって余計嫌な存在なのよ。」 ゼルの言葉に応えたリナは肩をすくめてみせ、優雅にワイングラスを傾ける。 その隣に居るガウリイは、暇を持て余しているのか、時折リナの髪を指に絡めたりほどいたり、としながら穏やかな表情だ。 この2人の今は、ガウリイはガブリエフコンチェルンで兄の元、彼を支える為に鋭利的に働き、営業成績を上げている。 リナは、といえば、ゼフィーリアの大学で教員免許資格取得に向け、勉強にいそしんでいる。その為、〈ルイス〉からは離れ、インバースとして過ごす事を決めたとか。 「いや〜ぁぁぁ!私の影を踏まないで下さいな!私が汚れます!!」 「おやおや?たかだか影を踏んだだけではありませんか?全く、箱入り娘はこれだから手が負えないですねぇ。」 フィリアをからかう事に、興味を覚えたらしいゼロスは態とらしく両手を上げ、肩をすくめる。 「んにゃろ、主役をほったらかしかよ。」 「だから、席は自由にした方が良いと言ったのに。」 お披露目席で、愚痴をこぼしたルークに、ミリーナが静かに言った。 お色直しを終え、深い緑の色のカクテルドレスに着替えたミリーナは、一番騒がしい席を見て目を細める。 何だかんだで、一番乗りのこの2人。 ルークの押しの一手で結婚にまで漕ぎ着いたのだ。 そんな幸せ?な2人の今は、ルークは父親の後を継ぐ事にし、目下の目標は、安心安全な街造りである。 ミリーナは、カルマートの大学で、社会倫理を専攻している。 「この生ごみ!近寄らないで、と言っているでしょう?!」 「な、生ごみぃ〜?!」 まさに手が届く所まで来たゼロスに、フィリアが叫ぶと、さすがに口をヒクヒクとさせるゼロス。 当たり前だろう、生ごみと呼ばれて喜ぶ人間なんぞ、Mの毛がある人間だけだ。 「そうですわ、貴方は生ごみで十分!!人なんて上等な生き物ではありませんわ!」 「なる程、貴女という方を十分理解出来ました。ただの我が儘お嬢様だ、て事がね。」 にっこり笑って見せゼロスは言うが、その目は笑っていない。 この2人、あまりにも騒がしい為に、披露宴から抓み出されたのは言うまでも無い。 そして、何の因果か母親の後を継ぎ、茶道を教えるゼロスの元に、フィリアが通う事になり、いつも教室を騒がす事になったのは言うまでも無い。 この2人の行く末は、まだ決まっていない。‐EMD‐ ΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦΦ という訳で終わりです。 特別ゲストとしてフィリアさんにご登場願いました☆ 折角の結婚式なのに、ロクに書いて無くてゴメンよルーク。 はっきり言って、宣誓をするミリーナが想像出来なかったんだ☆ とりあえず、離婚にならない様に努力したまえ、とだけルークには言いたいですね♪ では、お付き合い有り難うございました<m(__)m> |
18447 | Re:花よりも団子?‐51‐ | みずるん | 2008/6/12 08:18:17 |
記事番号18406へのコメント あたしこの話とっても大好きです〜!!(>∀<) これからも、もっとかいていってくださいね! |
18448 | Re:花よりも団子?‐51‐ | みずるん | 2008/6/12 08:21:05 |
記事番号18406へのコメント あたしもこんな風にかけたらなあ。(スレイヤーズ大好き) |
18455 | 有り難うございます(^^) | 井上アイ | 2008/7/18 10:57:53 |
記事番号18448へのコメント 久々にこちらに来たら、嬉しいお言葉がv 今読み返すと、拙い作品で、勢いだけで作ったので話が分かり難い所もあったりで、こうして感想を頂き嬉しいです♪ 続きは……ごめんなさい考えていません(>_<) ですが、終了して半年経った作品を読んで下さり、感想まで残して頂いた事に御礼申し上げますv |