◆−時の旅人 年末年始編 ``If’’の世界と語られぬ夢 (現代日本パラレル注意!)−羅城 朱琉 (2008/1/1 19:35:28) No.18417
 ┗何でも無い日常が、掛け替えの無い日常で。−十叶 夕海 (2008/1/30 03:48:46) No.18422


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18417時の旅人 年末年始編 ``If’’の世界と語られぬ夢 (現代日本パラレル注意!)羅城 朱琉 2008/1/1 19:35:28


 あけましておめでとうございます。お久しぶりの羅城 朱琉です。
 1月1日中に投稿できてよかった、新年祝いの番外編です。
 では、どうぞ!


(注:現代日本設定のパラレルです。本編に出てこない(今後も登場予定のない)オリキャラが出ていたりします。)







 願う。

 ひと時でもいい、幸せな時を・・・・と。

 願う。

 仮初でもいい、幸せな世界を・・・・と。

 闘いの遠い世界で。

 『運命』に惑わされない時間で。

 敵も味方もなく、ただ、笑っていられる・・・・そんな、夢物語。


 でも、新しい時の始まりぐらい、都合のいい夢を見てもいいだろう?




  時の旅人 年末年始編
   ``If’’の世界と語られぬ夢


 20XX年12月31日、午後11時30分。某有名神社の最寄り駅の駅前は、かなりの混雑を見せていた。
暖冬とは言うものの、それでもやはり、寒いものは寒い。そう心中でぼやきながら、日本という国においてはたいそう目立つ外見をしたその少女は、日本の伝統的な衣服を着て、白い吐息を吐き出した。
 彼女の名は、アリエス=オルフェーゼ=ラーナ。名前で解るとおり、日本人ではない。名乗らずとも、脱色したのでは到底再現できないであろう見事な銀髪と、色素が薄いため光を反射し色を変えるという珍しい瞳を見れば、一目瞭然に解ることだが。
「遅いですね・・・・・・・・。」
 ぽつりと呟いて、アリエスは手提げ鞄から携帯電話を取り出す。待ち人からメールが来ていないか、確認するためだ。案の定、そこには2通のメールが来ていた。どちらも『遅くなる』という内容のもの。それが、それぞれのメールの主の性格を反映した文章で書かれている。片方は、絵文字や顔文字を多用したいかにも若い女性のもの。他方は、シンプルでありながら気遣いの一文を忘れない、優しげなもの。どちらも、アリエスの幼馴染の名が送り主となっていた。
「フェリセへ。・・・・あまり顔文字を使われると、私、読めないよ・・・・。混雑が激しいので、気をつけて。で・・・・送信。
 ユヴェルへ。・・・・大丈夫、風邪引かないように、防寒対策はしてるから。混雑が激しいので、そちらも気をつけて。で・・・・送信。」
 メールを打つときにいちいち声に出してしまうのは、アリエスの悪い癖だ。しかし、どうにも言葉を操るのが苦手なアリエスは、そうでもしないと思いもよらないことまで書いてしまいそうになる。ついでに、少々機械音痴の感もあり、未だメールも上手く打てない。だから、声に出しながら、確認するようにゆっくりとメールを打つのだった。

 物心ついたころには日本にいただけあって、アリエスは完璧に日本語を使いこなせる。しかし、顔立ちだけは変えようがないため、どこへ行っても好奇の目で見られることが悩みの種だった。ついでに言うならば、かなりの童顔で、今年21歳になる大学生だというのに、高校生や中学生にしょっちゅう間違えられることも悩んでいたりするのだが。メールの主であるユヴェルとフェリセは幼馴染の同級生であるのだが、年相応の外見をした彼らと一緒に居ると、どうしても『お姉ちゃん、お兄ちゃんと妹』にしか見えないところも悲しい。髪と目の色が淡いため、あえてぐっと渋い色に押さえた振袖で、少しは大人っぽく見えているかな?と言ったことをつらつらと考えながら、アリエスは二人の訪れを待った。

「あれ?アリエス先輩じゃないですか。」
 アリエスに声をかけてきたのは、待ち人ではなかったけれど、見知った二人だった。
「あ・・・・シオンさん、ルーティアさん。久しぶりですね。」
 ともに赤みを帯びた茶色の髪を持つ男女は、性差を考えずとも似た顔立ちをしている。シオンとルーティアの双子は、アリエスの一つ下にあたる後輩だ。成人式の予行演習か、ルーティアは振袖を着ているが、その足つきはどうにもぎこちない。シオンから少し遅れてよろめくように歩くルーティアに、アリエスは気遣わしげに声をかけた。
「大丈夫ですか?ルーティアさん。」
「あ、大丈夫です。ちょっと、慣れてないだけですから・・・・。」
 そう返したルーティアに、アリエスは苦笑して言った。
「慣れないと、難しいですからね。歩幅を小さくして、膝から歩くようにするんですよ。焦らなくていいですから。」
 そう言って、アリエスは自分からルーティアに近づく。その足取りにぎこちなさはほとんどない。身近に着付けが出来る人がいるため、毎年最低1回は必ず着物を着ているアリエスならではだ。
「偶然ですね。お二人も、初詣に?」
「はい。
 そういえば、さっきディスティア先輩にも会いましたよ。レンシェルマ先生にも。」
 そうですか、と呟いて、アリエスはちらりと手元の携帯電話を再び覗く。そろそろ行かないと、年が変わってしまいそうだ。
 シオンとルーティアに時間を告げ、二人を先に行かせると、アリエスはもう一度小さく息を吐き、電車の到着時刻を確認した。・・・・あと3分。それからすぐ合流できたとして、ギリギリ間に合うくらいか。
 そう考え、上向きの視線を元に戻したとき・・・・・・・・

   『彼』は、いた。

 アリエス自身のものよりも、さらに純粋な銀の髪。ありえないほどに澄んだ、銀の瞳。着物に似た・・・・しかし、明らかに異質な服装の、中性的なその人物は、明らかに浮いた存在ながら、誰にも気に止められることもなく。まるで予定調和のように、そこに立っていた。
 『彼』とアリエスの視線が絡む。まるで魅せられたかのように、アリエスはそこから動けなくなった。
 そして・・・・『彼』が、ふと微笑んだ。穏やかに、包み込むように。限りない慈愛と、尽きせぬ憧憬と・・・・ほんの少しの、寂しさを込めて。
「『幸せ』、かい?」
 『彼』の唇が、言葉を紡ぐ。アルトとテノールの間の高さの、響きのよい落ち着いた声。男とも女とも取れる美声が、ざわめきをすり抜けてアリエスの耳に届いた。
「今、君は幸せかい?『アリエス=オルフェーゼ=ラーナ』。」
 初対面のはずなのに、どこか懐かしいその声が、はっきりとアリエスの名を呼ぶ。
 凍りついたように、何の反応も示さないアリエスに向かって、『彼』は笑みを深くした。
「幸せになるんだよ、アリエス。誰よりも、何よりも、幸せに。
 例え、この先に何が待ち構えていても。辛く、悲しいことが起こっても。それすら自分の選択した結果だと、悔いなく笑って言えるように。」
 『彼』が歩き出す。雪が降り始めた外へ向かって、アリエスの脇を通り過ぎて。
 その刹那。
「幸せになるんだ、アリエス=オルフェーゼ=ラーナ。それが君の、権利であり義務なのだから。」
 囁くように言われた言葉に、アリエスは硬直を解かれて振り返る。
 しかし、そこに既に『彼』の姿はなかった。



「アリエスお待たせ!」
「すみません、遅くなりました。」
 後ろから聞こえた声に、アリエスは振り返る。そこに、待ち人がいた。
「・・・・あれ?どうしたのアリエス、ぼーっとしちゃって。」
 銅の髪の女性・フェリセが、首を傾げる。アリエスは気を取り直し、少し笑った。
「何でもありませんよ。それより、早く行きましょう?年が変わってしまいますよ。」
 そうして、3人の後姿が連れ立って人ごみに紛れていく。
 皆、楽しそうに笑いあいながら・・・・。





     *     *     *     *     *





「``If(もしも)’’の世界・・・・か。」
 アリエスたちの後姿をそっと見送り、『彼』・・・・語り部は目を閉じた。
「彼らは、これからどうなる?」
 ぽつりと、独り言のように呟いたそれに、いつの間にか現れた『もう一人』が答える。
「大学を卒業して、望んでいた職について、結婚して、子供を育てて、老いて死んでいく。平凡だけど暖かく、劇的ではないけど幸せな、そんな人生を送ることになるね。」
 腰にまで届きそうな、現代日本にしては長めの髪。黒い瞳。痩せても太ってもいない、平凡な顔立ちの女性が、そこにはいた。
 どこにでもいる、どこにでも溶け込める、そんな彼女はしかし、誰にも認識されない語り部を認識し、語り部にも見えぬ『この世界の未来』を、さも当たり前のように語る。そして、語り部もまたそれを、当たり前のように受け入れて、笑った。
「良かった。」
「現代日本では、それが『アタリマエノセイカツ』って奴なんだけどね。
 SFやファンタジーも好きだけど、たまにはこういう何もない、平和な世界もいいものよ。・・・・まあ、それじゃあ『物語』は進まないけど。」
 そうして、彼女は歩き出し、語り部に「Bye!」と手を振った。
 語り部は、また独り残される。
「ああ、さようなら。もう二度と、君に会うことはないだろうけど・・・・。」
 もはや後姿さえ見えない『彼女』にそう呟いて、語り部もまた姿を消す。





 『物語』に関われない『彼女』と、『運命』という名の物語を見届ける『彼』。
 その、ほんの短い邂逅は、夢のように儚く終わる。
 この出会いが、そして、この幸せな時が、『アリエス=オルフェーゼ=ヴィータ=フェラナート』の運命に影響を与えることはないけれど。
 それでも、新たに始まるこの年の、幸せな『初夢』として、ほんの少しでも心に残ることを願って。

 あけましておめでとう。
 今年が『あなた』にとって、幸せな一年であるように。






  あとがき
 改めまして、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 さて、ずっと更新していない本編なんですが、実は、もう既に大分書きあがってはいるのです。ただ、今現在終わりから書いているため、投稿できないだけで・・・・。
 そのため、今度投稿し始めたら、恐らく一気に最後まで投稿することになるはずです。今しばらくお待ちください。

 それでは、また。

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18422何でも無い日常が、掛け替えの無い日常で。十叶 夕海 2008/1/30 03:48:46
記事番号18417へのコメント


> あけましておめでとうございます。お久しぶりの羅城 朱琉です。
> 1月1日中に投稿できてよかった、新年祝いの番外編です。
> では、どうぞ!
>
>

ユア:一月遅れですが、レスです。
   そして、あけましておめでとうございます。
久遠:ユアちゃんは、投稿できるのあるのに、しないものね?
ユア:ともあっれ、レスに行きますです。

>
>
>
>
>
>
>
> 願う。

祈る。
>
> ひと時でもいい、幸せな時を・・・・と。

華胥の夢、都でも、幸せな時を・・・と。

>
> 願う。

祈る。

>
> 仮初でもいい、幸せな世界を・・・・と。

虚演でもと、ただ穏やかな世界を・・・と。

>
> 闘いの遠い世界で。

争いの縁遠き箱庭で。

>
> 『運命』に惑わされない時間で。

『誰にも定められない』、定め無き時間を。

>
> 敵も味方もなく、ただ、笑っていられる・・・・そんな、夢物語。

境界無く、ただ、幸せそうに微笑める・・・そんな戯曲。

>
>
> でも、新しい時の始まりぐらい、都合のいい夢を見てもいいだろう?

されとて、年神を迎える時くらい、そんな機械の神めいた夢で、微睡んでも良いでしょう?

ユア:返歌風味で、レスさせて戴きました。

>
>
>
>
>  時の旅人 年末年始編
>   ``If’’の世界と語られぬ夢
>
>
> 20XX年12月31日、午後11時30分。某有名神社の最寄り駅の駅前は、かなりの混雑を見せていた。
>暖冬とは言うものの、それでもやはり、寒いものは寒い。そう心中でぼやきながら、日本という国においてはたいそう目立つ外見をしたその少女は、日本の伝統的な衣服を着て、白い吐息を吐き出した。
> 彼女の名は、アリエス=オルフェーゼ=ラーナ。名前で解るとおり、日本人ではない。名乗らずとも、脱色したのでは到底再現できないであろう見事な銀髪と、色素が薄いため光を反射し色を変えるという珍しい瞳を見れば、一目瞭然に解ることだが。

ユア:有名神社でなくとも、地元でも、それなり、混みますからね。
久遠:なのよね、その後の、熱燗とおせちをちょこっと摘むのが、またいいのだけれど。

>「遅いですね・・・・・・・・。」
> ぽつりと呟いて、アリエスは手提げ鞄から携帯電話を取り出す。待ち人からメールが来ていないか、確認するためだ。案の定、そこには2通のメールが来ていた。どちらも『遅くなる』という内容のもの。それが、それぞれのメールの主の性格を反映した文章で書かれている。片方は、絵文字や顔文字を多用したいかにも若い女性のもの。他方は、シンプルでありながら気遣いの一文を忘れない、優しげなもの。どちらも、アリエスの幼馴染の名が送り主となっていた。
>「フェリセへ。・・・・あまり顔文字を使われると、私、読めないよ・・・・。混雑が激しいので、気をつけて。で・・・・送信。
> ユヴェルへ。・・・・大丈夫、風邪引かないように、防寒対策はしてるから。混雑が激しいので、そちらも気をつけて。で・・・・送信。」
> メールを打つときにいちいち声に出してしまうのは、アリエスの悪い癖だ。しかし、どうにも言葉を操るのが苦手なアリエスは、そうでもしないと思いもよらないことまで書いてしまいそうになる。ついでに、少々機械音痴の感もあり、未だメールも上手く打てない。だから、声に出しながら、確認するようにゆっくりとメールを打つのだった。

ユア:・・・・・・・。
久遠:訳:昔の私が居る。というか、そんなアリエス嬢にふぉーりんら。
   ユアちゃんも、そんな時代があったのね。
ユア:それに、可愛いなァ、三人の関係!!

>
> 物心ついたころには日本にいただけあって、アリエスは完璧に日本語を使いこなせる。しかし、顔立ちだけは変えようがないため、どこへ行っても好奇の目で見られることが悩みの種だった。ついでに言うならば、かなりの童顔で、今年21歳になる大学生だというのに、高校生や中学生にしょっちゅう間違えられることも悩んでいたりするのだが。メールの主であるユヴェルとフェリセは幼馴染の同級生であるのだが、年相応の外見をした彼らと一緒に居ると、どうしても『お姉ちゃん、お兄ちゃんと妹』にしか見えないところも悲しい。髪と目の色が淡いため、あえてぐっと渋い色に押さえた振袖で、少しは大人っぽく見えているかな?と言ったことをつらつらと考えながら、アリエスは二人の訪れを待った。

ユア:そのうち、「家族の写真」の方でも、アルアリ風味で、未来話を先に書きたいです。
久遠:あーはいはい、なんか、幸せそうなそんな可愛い悩み方をしてるしね。

>
>「あれ?アリエス先輩じゃないですか。」
> アリエスに声をかけてきたのは、待ち人ではなかったけれど、見知った二人だった。
>「あ・・・・シオンさん、ルーティアさん。久しぶりですね。」
> ともに赤みを帯びた茶色の髪を持つ男女は、性差を考えずとも似た顔立ちをしている。シオンとルーティアの双子は、アリエスの一つ下にあたる後輩だ。成人式の予行演習か、ルーティアは振袖を着ているが、その足つきはどうにもぎこちない。シオンから少し遅れてよろめくように歩くルーティアに、アリエスは気遣わしげに声をかけた。

ユア:かんわいい。
   ・・・(こほん)確かに、慣れないと、歩きにくいですからね。
久遠:ああ、ユアちゃん数年前の成人式の時、スッ転んだのだっけ?


>   『彼』は、いた。
>
> アリエス自身のものよりも、さらに純粋な銀の髪。ありえないほどに澄んだ、銀の瞳。着物に似た・・・・しかし、明らかに異質な服装の、中性的なその人物は、明らかに浮いた存在ながら、誰にも気に止められることもなく。まるで予定調和のように、そこに立っていた。
> 『彼』とアリエスの視線が絡む。まるで魅せられたかのように、アリエスはそこから動けなくなった。
> そして・・・・『彼』が、ふと微笑んだ。穏やかに、包み込むように。限りない慈愛と、尽きせぬ憧憬と・・・・ほんの少しの、寂しさを込めて。
>「『幸せ』、かい?」
> 『彼』の唇が、言葉を紡ぐ。アルトとテノールの間の高さの、響きのよい落ち着いた声。男とも女とも取れる美声が、ざわめきをすり抜けてアリエスの耳に届いた。
>「今、君は幸せかい?『アリエス=オルフェーゼ=ラーナ』。」
> 初対面のはずなのに、どこか懐かしいその声が、はっきりとアリエスの名を呼ぶ。
> 凍りついたように、何の反応も示さないアリエスに向かって、『彼』は笑みを深くした。
>「幸せになるんだよ、アリエス。誰よりも、何よりも、幸せに。
> 例え、この先に何が待ち構えていても。辛く、悲しいことが起こっても。それすら自分の選択した結果だと、悔いなく笑って言えるように。」
> 『彼』が歩き出す。雪が降り始めた外へ向かって、アリエスの脇を通り過ぎて。
> その刹那。
>「幸せになるんだ、アリエス=オルフェーゼ=ラーナ。それが君の、権利であり義務なのだから。」
> 囁くように言われた言葉に、アリエスは硬直を解かれて振り返る。
> しかし、そこに既に『彼』の姿はなかった。
>

ユア;・・・・・・みゅいぃいい
久遠:新年話早々、泣かないの?
   『語り部さん、カッコいいけれど、傍観者って、切ないねぇ』って?
ユア:うみゅです。


>
>
>
>
>「``If(もしも)’’の世界・・・・か。」
> アリエスたちの後姿をそっと見送り、『彼』・・・・語り部は目を閉じた。
>「彼らは、これからどうなる?」
> ぽつりと、独り言のように呟いたそれに、いつの間にか現れた『もう一人』が答える。
>「大学を卒業して、望んでいた職について、結婚して、子供を育てて、老いて死んでいく。平凡だけど暖かく、劇的ではないけど幸せな、そんな人生を送ることになるね。」
> 腰にまで届きそうな、現代日本にしては長めの髪。黒い瞳。痩せても太ってもいない、平凡な顔立ちの女性が、そこにはいた。
> どこにでもいる、どこにでも溶け込める、そんな彼女はしかし、誰にも認識されない語り部を認識し、語り部にも見えぬ『この世界の未来』を、さも当たり前のように語る。そして、語り部もまたそれを、当たり前のように受け入れて、笑った。
>「良かった。」
>「現代日本では、それが『アタリマエノセイカツ』って奴なんだけどね。
> SFやファンタジーも好きだけど、たまにはこういう何もない、平和な世界もいいものよ。・・・・まあ、それじゃあ『物語』は進まないけど。」
> そうして、彼女は歩き出し、語り部に「Bye!」と手を振った。
> 語り部は、また独り残される。
>「ああ、さようなら。もう二度と、君に会うことはないだろうけど・・・・。」
> もはや後姿さえ見えない『彼女』にそう呟いて、語り部もまた姿を消す。
>

久遠:当たり前だけれど、当たり前じゃなくて、だからこそ、掛け替えの無くて、でしょう、ユアちゃん的には?
ユア:そうですね、「そうじゃなくなる」瞬間瞬間の後片付けに関わる事が多い家業ですので。
   当たり前、って、無くなって気付くモノなのかもです。
久遠:それはそうと、語り部ちゃんも、切なげよね。



>
>
>
>  あとがき
> 改めまして、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
> さて、ずっと更新していない本編なんですが、実は、もう既に大分書きあがってはいるのです。ただ、今現在終わりから書いているため、投稿できないだけで・・・・。
> そのため、今度投稿し始めたら、恐らく一気に最後まで投稿することになるはずです。今しばらくお待ちください。
>
> それでは、また。
>

二人:改めて、あけましておめでとうございます。
ユア:うみゅうみゅ、楽しみですね。
久遠:ユアちゃんは、中間ポイント(アルト&アリエスの期末話)までにやらなきゃ行けない話をちょこちょこ書いてるわ。
ユア:感情豊かで、ちゃんと16歳しているアリエスが、次回更新予定に出ますです。
二人:それでは、これからもよろしくです。