◆−遠い日の約束<ガウリィ>−ルイ(8/18-17:28)No.2067
 ┗感想です−エイス(8/19-01:35)No.2068
  ┗有難う御座います−ルイ(8/19-12:31)No.2073
   ┗ルイさんへ−エイス(8/19-13:20)No.2075
    ┗Re:ルイさんへ−ルイ(8/19-15:27)No.2077


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2067遠い日の約束<ガウリィ>ルイ E-mail 8/18-17:28



  こんにちは――というか、はじめまして。
  ルイと言う者です。
  前にこちらで書かせてもらった、『遠い日の約束』という物の、
  ガウリィサイドです。ちなみにガウリナです。
  よろしければ、期待しないで読んで下さい。

――――――――――――――――――――――――――――

       遠い日の約束<ガウリィ>


「うー、ひっく、うっうっ……」
 ある街の外れにある、人の一生ほどの時間(とき)を過ごしてきたであろう大きな樹の下で、まだ六、七才ぐらいの少女が、その赤い瞳を曇らせて泣いていた。
「どうしたんだ?」
 それを見て、青い澄んだ瞳を持つ十五、六の少年が、少女の栗色の髪をなでてそう言った。
 少女は、真っ赤にはれた目を大きく開いて、金髪の少年を見上げた。
 優しそうな少年の目を見て少女は、
「……ねえちゃんにおこられた」
とだけ言ってみせた。
「何で?」
と、少年が聞くと、少しためらった表情を見せてから答えた。
「…るいすとけんかして、けがさせちゃったから」
 うつむく少女に、少年は優しく問い掛けた。
「どうして喧嘩なんかしたんだ?」
「……るいすが、ねえちゃんのわるぐちいったから」
「それは姉ちゃんに言ったのか?」
 少女は小さく首を振った。
「なら、きっと言えばわかってくれるさ。けがをさせちまったのは悪いが、これからはやらないようにすれば良いんだしな」
 言って少年は微笑んだ。
 不思議と人を安心させる笑顔に、栗色の髪をした少女も可愛らしい笑顔を見せた。そして、いつのまにか少年への警戒心は消えていた。
「ねぇ、おにいちゃんって、たびしてるの?」
と、今度は少女が、興味津々というように尋ねた。
「ああ。当ての無い旅だ。」
 そう言って、少年は少し寂しそうな目をした。
 しかし、少女がそれに気付くはずもなく、好奇心おおせいに、次々と質問を投げかけた。
 そして最後に少女が、
「たびしててたのしい?」
と聞いた。すると少年は、困ったような顔を見せた。
「楽しくないの?」
 少女は不思議そうに言った。
「いや、そんな事はないさ。いろんな場所を見たり、名物料理を食べたり、いろんな人と知り合ったり出来るしな。」
「ほんと?」
「ああ」
「あたしも、たびしてみたいなぁ」
 少女は目を輝かせて言った。
「でも、それには泣かない強い子にならなきゃ駄目だぞ」
「もうなかないもん」
 少年の言葉に、少女は少し拗ねたように言った。
「もっと大きくなったらな」
「うんっ!」
 少年は優しげな笑みを浮かべた。そして、少女は元気いっぱいの笑顔を見せた。
「――リナー!リナー!!」
「ねえちゃん!」
 街へ続く道の方から、栗色の髪の少女に良く似ていて、しかし、少し大人びた少女が走って来た。その少女は、誰かを探すように辺りを見まわしている。
「ほら、お出迎えだぞ。早く行けよ」
「うん。でも……」
「大丈夫だって言ったろ。お前のこと心配してきてくれたんだから、いい姉ちゃんじゃないか」
「うん!」
 栗色の少女は、自分の姉に向かって走り出した。
「おにいちゃんばいばーい!あたしがたびはじめたら、またあえるよねー!!」
「ああ。またな」
「ばいばーい!ぜったいだよー!!」
 少女は満面の笑みを浮かべて、少年を一人残し、走り去って行った。
「……また会える、か……」
 少年は寂しげに笑って、街とは反対方向へと消えていった。

――――――――――――――

「やー、久しぶりねぇ」
 俺達は、リナの故郷の、ゼフィ……なんとかとか言う街の近くまで来ていた。
 リナは、初めは家に帰るのを嫌がっていたが、実際来てみると、辺りを懐かしそうに眺めている。そして出てきたのが、さっきの言葉だった。
「ここがゼフィーリアなんですか。きれいな所ですねぇ」
 アメリアも、感心したように辺りを見回していた。
「わぁー。こっちの方もきれい……」
 言うと、アメリアは顔を輝かせて、花畑の方へ駆けて行った。
「ゼルガディスさーん!こっちもきれいですよー!」
「――ったく……」
 ゼルガディスも、口ではそう言いながらもまんざらじゃない様子で、アメリアの方へ走って行った。
「あんまり遠くへ行かないでよ!
 ――もう、アメリアったらあんなにはしゃいじゃって」
 お前も十分はしゃいでるじゃないか、と口に出しそうになったが、言うと後が恐いので、とりあえずは心の中にしまっておいた。
 しかし、アメリア達が走り去って行くのを見た時、なにか思い当たる事があった。
「なぁリナ。ここ、前にも来た事無いか?」
「――え?ガウリィと来たのは初めてよ?あたしと旅をする前に来たんじゃないの?」
 唐突に浮かんだ俺の疑問に、リナは不思議そうな顔で答えた。
「そうかなぁ……リナと一緒に来たような気がするんだけどなぁ……」
 俺は少し考えてから、
「ま、いいか」
 ――俺がいくら考えたって思い出せるわけ無いんだし――
と、後半の言葉を飲みこんで呟いた。
「それより日陰で休もうぜ」
 俺は、考え込んでいたリナに声をかけた。
 リナは頷くと、近くにあったやたらと大きい樹の根本に、腰をおろした。
「あれ?」
 俺が横に座ると、リナはなにか思い出したように声を上げた。
「ん?どうしたんだ?」
「あ、いやちょっと今思い出して。
 ここ、姉ちゃんに怒られた時、いつも泣いてた場所だなーと思って」
 俺が聞くと、意外な言葉が返ってきた。
「ふーん。お前にもそんなかわいい時があったんだなぁ」
 思わず俺がそう言うと、リナは怒ったような目でこっちを見た。
       ぽんっ
 俺は笑いながら、リナの頭に手を乗せ、なだめるようになでた。
「もうっ、子供扱いしないでよ」
 そう言いながらも、リナは恥ずかしそうに笑ってみせた。

       ヒュー
 心地よい風が、俺達の頬をなでていった。
「ねぇ、ガウリィ」
 だんだん眠くなってきた頃、沈黙を破るようにして、リナが口を開いた。
「ん?どうした?」
「あのさぁ――旅してて、楽しい?」
 リナの口から、昔、どこかで聞いたような言葉が聞こえた。
 ……え……?
 その時、何か、忘れていた事を思い出したような気がした。
 少しして、やっと我に返って答えた。
「おまえと会ってから、いろんなことがあったからなぁ。
 まぁ、楽しいと言えば楽しかったのかなぁ」
 ――あんまり覚えてないけど。
「過去形なの?」
 なんだか変な事にこだわるやつだ。
「いや、楽しい、かな?」
 言いながら、俺はリナの方を見た。
 すると、何年も前に、ここであった事が思い出される。
 ――泣いている少女。笑顔を浮かべている少女。そして、走り去って行く少女。
 その姿がリナに重なった。思い出したのはそれだけ。
 そして、リナに言葉を返した。
「急にそんな事……どうしたんだ?」
「ん、何となく……」
「そうか……」
 その時、全部を思い出した気がした。
 ――前にここで、リナに出会った時の事を――
 ふと気付くと、横から視線を感じた。
「なんだよ。人の顔じろじろ見て」
 そう言うと、リナははっと気付いたような顔をして、
「なっ、何でもないわよっ!」
と言うと、頬を朱色に染めて、前かがみになっていた身体を大木に預けた。
「そうかぁ?」
 それだけで真っ赤になるリナを見て、思わず笑みがこぼれた。
「……あのお嬢ちゃんも大きくなったんだな……」
 出来るだけ、リナに聞こえないように小さな声で呟いた。
 きっと、リナは覚えてないだろう。でも、あの時の約束は守れたみたいだな……
 しっかし、まさか本当に会えるとは思わなかったな。しかも、こんな近くに……
「ねぇ、ガウリィ」
「ん、なんだ?」
 俺は、リナの方に目を向ける。
「また会えたね」
 リナは、とびっきりの笑顔でそう言った。
 いつから知っていたんだろう。ずっと前から?それともここに来てから?はたまた、俺の呟きが聞こえたんだろうか?
「……そうだな……」
 俺は笑いながらそう答えた。
 ………………
「よしっ、行くわよっ!」
 沈黙を破ると、リナは立ち上がって駆け出した。
「おいっ、待てよ!」
 俺も立ち上がって後を追う。
「ゼルー、アメリアー、行くわよっ!」
 リナは、少し離れた所にいるゼル達に声をかける。
 俺は、元気よく走って行く、リナの後を追って走って行った。


    青年と少女――二人の約束は、トキを経て現実のものとなった
    二人にとってこの約束は、旅を続ける理由
    約束が果たされた今、自分自身
    そして、仲間たちが、旅を続ける理由―――


                   fin

―――――――――――――――――――――――――

  たいした物ではありませんが、ここまで読んで頂いて有難う御座います。
  題名が思い付かなかったんで、そのままなんで、
  勝手に題名付けて読んで下さい。

  では、読んで下さって、心より感謝申し上げます。


                ルイ

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2068感想ですエイス E-mail URL8/19-01:35
記事番号2067へのコメント

 こんばんは〜。エイスです。
ノートパソコンのコードも無事買い直したので(一日で済んだ)さっそく読みました。

 えっと、過去の小説をさぐって、元の方も見てきました。
なんか、リナが憶えてないふり(?)をしてるとことか、なんか好きです。
 ガウリイは…約束のこと、後では思い出したけど、街の名前すら言えないところが(笑)

 感想にもなってなくてすいません。
今なんか眠いんです(笑)


 それではぁ。
     エイス

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2073有難う御座いますルイ E-mail 8/19-12:31
記事番号2068へのコメント


> こんばんは〜。エイスです。

  こんにちは〜ルイです。感想有難う御座います。

>ノートパソコンのコードも無事買い直したので(一日で済んだ)さっそく読みました。

  パソコン直ったんですか?
  一日で直って良かったですね。

> えっと、過去の小説をさぐって、元の方も見てきました。

  わざわざ、どうも。

>なんか、リナが憶えてないふり(?)をしてるとことか、なんか好きです。
> ガウリイは…約束のこと、後では思い出したけど、街の名前すら言えないところが(笑)

  初めは、ガウリィ街の名前覚えてたんですけど……
  ここに書く時に、忘れてる方が『らしい』かなぁと……
  リナは……書くの苦手なんですよねぇ……
  こんな時、なんて言うのかなって考えると、二つ、三つ浮かんでくる時と、
  全然、思い付かない時があるんで……書いた時によって、違う事言ってる……

> 感想にもなってなくてすいません。

  いえいえ、そんな。一言もらえるだけで嬉しいんですから。

>今なんか眠いんです(笑)

  私は、(夜以外)ずっと眠いです。(笑)

> それではぁ。
>     エイス

  一つ聞いて下さい。
  エイスさんのHP行った時に、きり番(100)とっちゃったんですけど……
  なんかちょくちょく行ってたもんで……
  と、それだけです。

  では、感想有難う御座いました。


               ルイ

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2075ルイさんへエイス E-mail URL8/19-13:20
記事番号2073へのコメント

ルイさんへ

>  一つ聞いて下さい。

 なんでしょう?

>  エイスさんのHP行った時に、きり番(100)とっちゃったんですけど……

 げほっっ

>  なんかちょくちょく行ってたもんで……
>  と、それだけです。

 る、ルイさんが取ってたんですね。どおりでいつのまにか100こしてると……。
 えと、これからはきり番取った時は私のHPの掲示板か、メールで知らせて下さい。こっちだと見逃しちゃうかもしれないんで。

 あ、きり番取った人のところに名前のせますよ。

 それだけです。


 それではぁ。
    エイス

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2077Re:ルイさんへルイ E-mail 8/19-15:27
記事番号2075へのコメント


  ルイです。

> る、ルイさんが取ってたんですね。どおりでいつのまにか100こしてると……。
> えと、これからはきり番取った時は私のHPの掲示板か、メールで知らせて下さい。こっちだと見逃しちゃうかもしれないんで。

  すいません。エイスさんのホームページ見てすぐに、書き殴りに来たもんで、
  ついここに書いちゃいました。

> あ、きり番取った人のところに名前のせますよ。

  先ほど見てきました。何となく嬉しい……

  では、何度もレス書かせてしまってすいません。


               ルイ