◆−鎮魂歌−CANARU(8/28-23:24)No.2120
 ┣裁きの亡騎士−CANARU(8/29-14:40)No.2127
 ┃┗続編あったんですね!−P.I(8/31-01:03)No.2138
 ┃ ┗お礼ですー!!−CANARU(8/31-10:39)No.2144
 ┗NESSUN DORMA−CANARU(9/4-23:36)No.2167
  ┣ほのぼの〜♪−P.I(9/5-00:18)No.2168
  ┃┗有り難うございましたー!!−CANARU(9/6-23:39)No.2178
  ┗簡単に…−三剣 綾香(9/6-18:18)No.2173
   ┗有り難うございます!!−CANARU(9/6-23:33)No.2177


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2120鎮魂歌CANARU 8/28-23:24


リナ、過去編です。

「シルフィール・・・?グレイさん・・・。これ・・・。」
用事で立ち寄ったセイルーン。
シルフィールの叔父さん、グレイさんの部屋に置かれた一本の剣。
「先日、アメリアさんに預かってくれるように頼まれたんです。それが・・・?でも・・・。本当に綺麗な剣ですね・・・・。」
見事な細工の施されたその剣を眺めながらシルフィールが言う。
「IACTA EST ALEA・・・・・・・。」(賽は投げられた・・・・。)
「はい・・・・・?」
アタシの発した異国の言葉に戸惑いぎみに答えるシルフィール。
「セザーレ・・・・・・・・。」
「リナ・・・・・?」
多分、アタシは何時にない表情をしていたのかもしれない。
ガウリイまでもが此方を見る。
「セザーレって・・・。あの悪名名高い殺戮者・・・・。セザーレ=ヴァレンシアの事ですか・・・・・?」
悪名名高い殺戮者・・・・・・?
馬鹿馬鹿しい。
あの人のことを何も知らないくせに。
ガウリイも驚きの表情を隠せない様子・・・・・・。
あの人は・・・・。
極端に「自分を語る」と言う甘えを嫌っただけ。
多分・・・。
彼の悪名を気にしたアメリアが「宮殿にこんな剣を置くなんてとんでもない!!」
とかいう理由でセザーレの剣をグレイさんに預けたんだろう。
気が付いたら・・・・。
アタシはグレイさんにでもシルフィールにでもガウリイにでも無く話しかけていた・・・。


『あたしは忘れない。あの日のことを。幼い頃アタシは故郷のゼフィーリアから一時的ながら従兄のセザーレの居るパトヴァ公国に預けられていました・・・・。
彼は軍人の家系に産まれ育ち、幼い頃からアタシの一種の憧憬的な存在でした・・・。
兄であり、アタシの理解者であった彼・・・・・。
その意向は当事戦乱状態にあったパトヴァで日に日に強くなり・・・。
ついには・・・・。国家を覆い尽くす一陣の疾風となっていき・・・・・。
全ての事柄を席巻いていきました・・・・・・・。


「セザーレ!!」
いい加減に呆れながらアタシは従兄に声をかける。
十歳以上年上の彼は多分、当事大学生くらいだったと思う。
アタシが・・・。十歳を過ぎたか過ぎないかくらいの時だったから。
「リナか。」
快活な笑い。どことなく姉のルナを彷彿とさせる。
「『リナか?』じゃない。お腹がすいた。」
未だ馬にギャロップをかけ、軽快に乗馬する従兄を呆れたようにリナは見やる。
「我慢しろ。」
言って愛馬スルタンの腹をもう一度蹴り上げる。
「パーリオ(競馬)大会なんて大嫌い。」
あたしはそっぽを向く。
たかだか馬の競争会の為に相手にしてもらえないなんてつまらないじゃない?
まあ・・・。さっさと用件を言おう・・・。
「お手紙来てるのよ。馬を止めてくれなきゃ渡せないでしょう?」
あたしの一言にもっともだと言うように馬を止めるセザーレ。
黒い髪に青っぽいような水色の眼。
眼の色を除外すれば姉ちゃんにそっくりな従兄。
「リナ・・・・・。」
「はい?」
「オマエが競馬に出ろ。いいか!!スルタンは良い馬だがとっても傲慢ちきだ。競技場を十周するのがルールだが、二周目以内にトップに立たないと右にそれれる悪癖がある。さらに、後続馬に抜かれたらオマエを振り落としてでも逃げ切ろうとするはずだから気を付けろ。」
「え・・・・・・???????????????」
そうとしか言えない・・・・・。
「ちょっと・・・・。セザーレ・・・??????」
とんでも無いことを押しつけてさっさとどこかに行ってしまうセザーレの後ろ姿をあたしはなすすでもなく見送る・・・・・。
今にして思えば・・・・・。
それがすべての始まりだったのかもしれない・・・・・・。


アタシがスルタンに乗って最年少で競技会での優勝を納めたのはそれから六日後。
多分、セザーレもその事は聞いたと思う。
そう・・・・。彼が『軍総司令官』に任命される為に行ったロードに会見するためのでの道のりで・・・・・・。


知っての通り、パトヴァは戦乱が耐えない国だった。
セザーレのような有能な指揮官は否が応でも必要不可欠・・・・・。
野心満々なセザーレに獰猛なロードは表面上的には良き友人だった・・・。
そう。
セザーレがロードの下で大人しくしている限りは・・・・・。


「殺戮に次ぐ殺戮か・・・。」
「今度の軍総司令官は一体全体何を考えているんだろうね・・・。」
口さがの無い連中はセザールの事をなんとでも言える。
けれども・・・・・・・。
分かっていない。
その「殺戮」が行われなければより多くの血が流される結果となる事が・・・・。
不用意に内乱を企てる「反逆者」に「温情」を差し伸べて・・・・。
かえってより多くの血が流されたなんて事は日常茶飯事の事。
セザーレが何を考えているのか・・・・・。
何故自分を弁護しないか、なんて事は問題じゃない。
あたしには彼が何を考えているのか分かるようきがする・・・・・。


「セザーレ・・・・。」
振り返る黒髪の従兄。
「リナか・・・・。」
合理的に物事を考え・・・・。決して自分の感情じゃ動かない。
そして。
何よりも「口には出さないが行動を起こしている」
それが彼と言う男だった・・・・。
「また・・・。戦争に行くの・・・・?」
血の滴ったセザーレの宝剣を見やりながらアタシはセザーレに聞く。
「ああ・・・・。」
何故・・・・?
何のために悪人呼ばわりされても戦うんだろう・・・・。
「また・・・。人を殺しに行くの・・・・・?」
耐えられなかった。
兄のように慕ってるこの人が世間に悪魔呼ばわりされるのがただ耐えられなかった・・。「諦めろ。オマエの従兄はそう言う男だ。」
この人の望んでいる事は分かるような気がする・・・・。
けれど・・・・。誰も分かろうとはしてない。
子供心に感じた。
『この人は生き急ぐ・・・・。』と・・・・。


「夢を持たなければ恐れはない。」
彼の出陣前夜の事。
ふと昔交わした言葉を思い出す。
「どういう事?」
今以上に幼い私には理解できなかった。
「夢を見なければ恐れは感じない・・・・。つまりは・・・・・・。」
そこまで言ってセザーレは言葉を切る。
やっぱりアタシには理解できなかったと思う。
けれども・・・。
こう言った事をハッキリと覚えている。
「でも・・・・。それじゃあ・・・・。光も無い・・・・。」
と・・・・・。
「セザーレ・・・・。貴方の分の光も・・・。アタシはいつでも持っているわ・・。」
無言・・・・。向けられる背中・・・・。
それが肯定を示したのか否定を示したのかは未だにわからないけれども・・・。


「セザーレ!!?」
戦争の後。
血塗れになって帰ってきたセザーレを見てアタシは思わず叫んだ・・・。
「だい・・じょうぶ・・・。」
「大丈夫じゃない!!何よ!!この血・・・・・。」
言うまでまでも無くセザーレ軍は敵兵団に大敗を喫した・・・。
そして・・・・。
彼の際立つ決断力、武勇、さらには野心を恐れたんでしょう・・・・。
ロードは傷も癒えないセザーレの軍総司令官の地位剥奪とパトヴァ追放を言い渡してきたのでした・・・・・・。


「リナ!!?」
姉のルナが止めるのも構わずアタシは何処へともなく駆け出して行ったのを覚えてる。
何処で何があったのか・・・・。
全く覚えてない。
ただ、唯一記憶に残ったもの・・・・・・。
何人もの敵兵に囲まれ倒されたセザーレ・・・・・。
泣き叫ぶアタシを止めてくれた金髪の傭兵であろう少年の事だけ。』


「リナさんの従兄だったんですね・・・・。」
冷酷な軍人としてのセザーレの一面はシルフィールも知っていたはずだろう。
言葉を選んでいることは間違いない。
「セザーレを悪く言うことは簡単よ・・・・。けれども・・・。」
聞こえた。
確かにあの時・・・・・・・。



グレイさんの家からの帰り道・・・。
「なあ・・。あの時のあの子供・・・・。リナだったんだな・・・。」
不意にガウリイが言う。
「へ・・・・・???」
思わずアタシは問い返す。
「だからさ・・・。隊長・・・・。セザーレが戦死したとき・・・・・。泣き叫んで乱入していこうとするオマエを止めた傭兵居ただろ?」
カクンとアタシは頷く。
「俺だよ。」
アタシは思わずガウリイを見やる。
「セザーレが言ってた・・・・。アイツの未来のために自分はどんな誹謗中傷をうけても平和のために戦わなくちゃいけないって・・・。今まで傭兵になってからあんな隊長についたことは無かったから・・・・。良く覚えてる。」
ああ・・・・。そうだ・・・・。
総司令官の地位を追われたセザーレは傭兵の身分に落ちたんだ・・・・。
それでも。
彼は戦うことをやめなかったんだ・・・・。
「あの人は言ってた。『夢がなければ恐れもない』て・・・・。」
生き急ぐ・・・。
分かり切ってた事なのに。
「かもな・・・。あの人自身には夢は無かったかもしれない。けれども・・・。少なくともリナには夢を見て欲しかったんだと思う・・・・。」
ガウリイが言いにくそうに言う。
「光」・・・・・。
その言葉が一瞬脳裏を掠めた。
「結局・・・・。シルフィールとグレイさん・・・。怒られちゃうね・・・。」
あの後・・・。
フィルさんとアメリアには訳を話してくれると言ってシルフィールはアタシにセザールの形見の剣をくれた。
施された美しい装飾を見やる。
一面には彼の象徴であった戦の紋章が彩られている。
もう一面には「CUM NUMINE CAESARIS OMEN 」
偉大なる力の前兆と黄金の文字で書かれている。
さらに別の面には自らの凱旋のシーンが描かれている。
「FIDES PRAEVALET ARMIS 」
信頼は武器に勝る、と。
「武器を取ることを・・・。望んだ訳じゃななかったのよ・・・・。」
あたしには分かる・・・・。
ただ。彼はそこに到達できなかっただけの事なのだから。
「オマエさえ・・・。セザーレの事を分かってればいいさ。」
ガウリイが言う。
「そうだね・・・・・。」
有る意味・・・。
彼は本当に「メフィストフェレス」(悪魔)だったかもしれない。
けれど。
あたしにしてみれば「メフィストフェレス」の魅力は不滅である。
自らを語るという事を嫌ったあの人が唯一、古代風の寓意で表したこの剣の「意志」。



「多分、俺はアイツの・・・。セザーレのように大切に出来る者がほしかったんだろうな・・。」
ガウリイの言葉をあたしは微笑んで肯定する。
多分、もう大丈夫。
形こそは違っても。
ガウリイが居るから。
もう、夢を見ることに恐れを伴う事は無いと思う。
光もすぐそこにある・・・・。


『リナ・・・・・。』
聞こえたのは気のせいだろうか・・・・?
あの少年、ガウリイに止められてセザーレに近づけなかったあの時・・・。
耳元でしっかりと彼の声が聞こえたのは気のせいだろうか・・・?
『リナ・・・・・。』
そして・・・。今も・・・・・・・。
「持っているわ・・・。セザーレ・・・・。貴方のもてなかった光も・・・・。」
アタシが・・・。
ずっと永遠に。多分、ガウリイも・・・・・。


「気のせいだったかな・・・・。」
ふとガウリイが呟く。
「え?」
思わずガウリイをみるあたし。
「いや・・・・。泣き叫んで戦場に駆け出そうとしてくオマエを止めたとき・・・・。セザーレが耳元でハッキリと『リナ』って呼んだ気がしたんだ・・・。で・・・。今も・・。」ガウリイが戸惑いがちに言う。
「気のせいじゃないわ・・・・・。」
根拠があるわけはない。
けど。
聞こえたモンは聞こえたんだからしょうがない。
持っています・・・・。
セザーレ・・・・。
貴方が持てなかった光も。夢も・・・・。
そして・・・。
これから持てるであろう武器よりも勝る信頼も・・・・。
永遠に・・・。
貴方のために・・・・・・。


(お終い。)

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2127裁きの亡騎士CANARU 8/29-14:40
記事番号2120へのコメント

「鎮魂歌」の続編です。
「至急、ソレントシティに急行せよ。」
アタシが姉ちゃんからの手紙でセイルーンから動いたのはつい一週間ほど前のことだった・・・。
「な・・・・・。どういうことです・・・?リナさん・・・。」
アメリアが後ろの方からアタシに声をかけてくる・・・。
「そんなこと・・・。アタシが聞きたいわよ ・・・・。」
この冷酷無比な「殺戮」としか形容のしようもない光景。
巻き込まれているのはすべてソレントシティの正規兵団で民間人ではない。
に、してもこの手口が・・・・・。
「リナ・・・・。」
「分かってる・・・。」
そう。
分かってはいる。この手口。そしてこのやり方。
この「殺戮劇」を引き起こした真犯人の顔も姿も。
そしてその名前を。
しかし、アタシは続けて言う・・・。
「アタシが知りたいわよ・・・・・・。」
そう。
「彼」がこんなことをするはず・・・いいや。出来る筈がない。
何故なら・・・。
「彼」は何年も昔にアタシの・・・アタシとガウリイの目の前で敵兵に囲まれて惨殺されているのだから・・・・・・。
「セザーレ・・・・・・・。」
冷酷無情と言われた従兄・・・・・・・。
しかし・・・アタシにとっては最愛の兄でもあるかつて、幼いアタシの預けられていた公国パトヴァの軍総司令官の男・・・・・。
セザーレ=ヴァレンシア・・・・・・・・・・・。



「セザーレ=ヴァレンシアだと・・・?」
ゼルが怪訝な顔でアタシの方に言う。
「リナさん!!何いってるんですか!!あの残虐無比な悪魔は数年前に戦死して居るんですよ!?」
アメリアは彼の悪評しか知らないのだろう。
が、今のアタシにあえて反論しようとする気持ちは残念ながら微塵もない。
「第一・・・。あんな男・・・。死んだ方が世の中のためだったんです!!それに・・」なおも何か言いかけるアメリアだが、ガウリイの何時にない怒りを含んだ眼差しに気付いたのだろう。慌てて沈黙する。
「お前ららしくもないな・・・。」
そんなアタシとガウリイの様子を疑問に思ったのだろう。
ゼルがアタシとガウリイの顔を交互に見ながら聞いてくる。
「セザーレはアタシの従兄弟だったのよ・・・・。」
心なしか声に怒りを含んでアタシは言う。
「リナさん・・・・・・???」
気がつくと・・・・。
アタシは血がにじみ出るほど堅く唇を噛みしめていた。
「そうよ・・・。確かに彼は残酷な悪魔だったかもしれない。けれども・・・。少なくとも無意味な殺戮を好むほど愚かな男じゃないわ!!」
居ても経っても居られなくなりアタシはそのまま席を立つ。
何処に行こうとしているのか自分でも分からない。
幼い頃。
自分の目の前で無数の敵兵によって惨殺された従兄の姿が脳裏に過ぎる。
あれから・・・・。
どれだけその残像を振り切ろうとしたか・・・???
あの飛び散る血吹雪の色を忘れ去ろうと努力したか・・・・???
セザーレはまだどこかにいる!!
きっと今に帰ってくる。
何度自分に言い聞かせようとしたか。
が・・・・・・。
世間での彼の悪評・・・・そんな彼の死を喜ぶかのような情報が否が応でも耳に届く。
救いは・・・。あの時の腕の感触。
セザーレを追って戦場に行って・・・。
殺される寸前の従兄に泣き叫びながら叫び寄ろうとしたアタシを止めてくれた傭兵であろう少年・・・・。
唯一セザーレを理解してくれていた人・・・。ガウリイの腕の感触だけだった・・。


「リナ!!」
飛び出して行ったリナにゼルが声をかける。
が、聞こえていないのは一目瞭然だろう。
「どうしたんです・・?リナさんは・・・。何か変ですよ!!?」
アメリアが俺に聞いてくる。
「たく・・・・。セザーレもセザーレなら・・・。リナもリナだな・・・。」
正直言い、感想は「血は争えない」。
それだけだ。が、この状況をアメリアとゼルに説明をしない限りどうにもならないだろう・・。
「セザーレ=ヴァレンシアはリナの従兄だった・・・てことは・・・。今聞いたよな・・。」俺の一言にアメリア、ゼル共々頷く。
「いいか。俺はヤツの下について働いたことが一度だけ有るんだ。が・・・・。アイツは噂の言うような男じゃなかったぞ・・・。それでもヤツは・・・。自分を『弁護』するなんて馬鹿なことは決してしなかった・・・。それを・・。リナは一番知っている。」
正直言い、状況は良く理解できていないので自分の感慨を二人に伝えることしか出来ない。「・・・・・・・・・。じゃあ・・・。リナさんは・・・・・。」
「多分・・・。真相を確かめに行ったんだろう・・・・・。」
今回の殺戮事件の真相を・・・・。



何処に行くのか分からない。
ただ・・・。本能に任せてアタシは歩く。
其処は・・・・・。誰も知らないような森の奥深く・・・・。
「セザーレ・・・・。」
そこに彼は居た。
漆黒の鎧。血に塗られたロング・ソードが月に映え、鈍い銀色の光りを放っている。
「今夜は・・・月下美人が咲いたな・・・リナ・・・・。」
胸元に剣を突きつけられ 、アタシが聞いた一言。
変わっていない。
声も・・・仕草も・・・その寂しさを含んだ・・・
知らない人にとって冷酷な、けれどもアタシにとっては何よりも優しい微笑み・・。
涙があふれてくる・・・・・・。
「セザーレ・・・・可哀想な人・・・・。」
そうとしか言いようがない。
全てが自分の意志のみで生きていたかのような従兄・・・・。
しかし。
今の彼には「意志」なんてものの欠片も見当たらない。
水色・・・少なくともあの時はそう思った青みかかった灰色の瞳。
が・・・・。
その瞳に今は光りはない。
「居るんでしょう・・・。ゼロス・・・。」
場違いなほど澄み切った自分の怒りを含んだ声。
「あー・・・。バレちゃいましたか・・。ははは・・・。」
どうやら。
此処に居たには居たようだが。
口調からしてコイツが主犯格ではないらしい。
「どういうことよ・・・。」
ゼロスの方を凝視せずアタシは未だセザーレを凝視したまま言ってやる。
「いやあ・・・。僕の部下の手違いですよ。」
「手違い・・・・。手違いでこんなことが許されるとでも思っているの!!?」
流石にこの一言には声を荒らげずには居られない。
「そんな怒らないで下さいよ。すべてはそのセザーレさんの強力すぎる『想い』の力が原因なんです。この方は・・・。戦死したとはいえ強力な意志と想いをこの世界に残留思念として残したんです・・・。それに目を付けた僕の部下の一人がちょっとしたちょっかいを出したんですよ。」
「彼を・・・。魔族に引き入れようとしたのね・・・。」
大方・・・。
魔族の考えそうなことである。
「ええ・・・。所が。セザーレさんはそれを拒絶したんですよ。己の自我を崩壊に導いてまでも・・・ね・・・。」
此処まで言ってゼロスは姿を消す・・・・・。
まあ・・・。
あたしに任せる・・・と言う意味にとっても文句は出ないだろう。
「セザーレ・・・・・。」
彼はアタシの方を見ている。
が・・・・。
アタシという存在を果たして理解しているのだろうか・・・・??
もう涙も枯れ果てている自分にアタシは気づき、苦笑する。
それとも。
あまりにもの事態で絶望すら感情の奥深くに塗り込められたのかもしれない。


「リナ!!!!」
ガウリイの声がする。
「ガウリイ!!」
アタシは思わずそちらの方を振り向いたその刹那だった・・・。
右肩に突如走る激痛・・・・・・。
「リナさん!!」
あわててアメリアが駆け寄ってきてアタシを支える。
「セザーレ・・・・・。」
アタシの血の滴ったままのソードを構えたままそこに佇むガウリイを凝視するセザーレ。
「さがってろ・・・。リナ。ソイツの腕はガウリイ並みなはずだ。」
セザーレを見つめながらゼルが言う。
が・・・。
あたしはかぶりをふる。
「リナ!!」
慌ててガウリイがアタシの左肩をつかむ。
「お願い。ついてきて・・・。」
セザーレに歩み寄りながらアタシはガウリイにそっと小声でお願いする。

四つのタリスマンが光を放つ。
右肩の傷が気にならないわけではないが・・・・・・。
やがて呪文が完成する・・・・。

「ラグナ・ブレード!!!」

それは・・・虚無に存在を帰す技。
セザーレ・・・・・・・・・・・。
これが・・・。彼なりの答えだったんだろう。
今のアタシから繰り出したこの技ならセザーレほどの力量の持ち主ならば確実的に回避出来たはずである。
が・・・。
彼は穏やかだった。
何も告げず。何も動かずに・・・・。
やがて「無」へと帰る・・・・・・・・・・・・。


「リナ・・・。大丈夫か・・・?」
ガウリイが心配そうに此方を見る。
「多分・・・。ね・・・。」
右肩の傷は今、アメリアがリカバリーをかけてくれている。
これが。彼の存在した証拠なのだろうか・・・???



「無」
いままで幾度と無くそれに帰す者達を見てきた。
リナの繰り出すあの虚無の刃で・・・。
だが。



「リナ・・・・・。今・・・。お前の住む世界に帰る・・・・。」
最後のあの瞬間。
セザーレの声・・・(もしかすると意識)が俺にはハッキリと聞こえた。
「もう・・・。祈る必要は・・・。無いわね。」
リナは意味深なことを言っていた。
その顔は穏やかだった。
アイツが自分の過去・・・セザーレの戦死のことを語って以来。
「セザーレのために祈っている・・・。」
と言っていた。
が・・・。
「その必要は・・・。もう無くなったわ・・・。お帰りなさい。セザーレ・・・。」
独り言でリナはある日そう言っていた。
その時俺は、リナの話している相手の声は聞こえなかったし姿も見えなかった。
しかし。
ただ言えることが一つある。
セザーレが帰ったところは虚無の中なんかじゃない。
結局、リナの所に帰ってきたのだと。


「ガウリイ・・・。有り難うね・・・・。」
分かってくれて・・・・・・・・。
これからも・・・。大丈夫だよ。セザーレ。アタシにはガウリイが居るし。
もう。悪夢を見ることもない。
お帰りなさい・・・。セザーレ・・・。
そして・・・。さようなら・・・。永遠に・・・・・。


(お終い)


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2138続編あったんですね!P.I E-mail 8/31-01:03
記事番号2127へのコメント

CANARU様
またまたこんばんは。
「鎮魂歌」は以前別の所で読ませていただいていたんですが、
その続編があったなんて嬉しいです!
セザーレ兄さんの魂もやっと平安を取り戻し、リナとガウリイ
の想いにもこれでようやく終止符が打て、本当に良かったです
ね。 ・・・しかし魔族はほんとにいらんことをする(^^;)

話には全然関係ないですが、「至急、ソレントシティに急行せよ」
という一文を見たとき、思わず「帰れソレントへ」の歌詞が頭を
よぎりました。 かえれ〜きみ〜♪・・・失礼しました(^^;)
それではまた!

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2144お礼ですー!!CANARU 8/31-10:39
記事番号2138へのコメント

>CANARU様
>またまたこんばんは。
>「鎮魂歌」は以前別の所で読ませていただいていたんですが、
>その続編があったなんて嬉しいです!
有り難うございますー!!
つい最近出来たものです!!
>セザーレ兄さんの魂もやっと平安を取り戻し、リナとガウリイ
>の想いにもこれでようやく終止符が打て、本当に良かったです
>ね。 ・・・しかし魔族はほんとにいらんことをする(^^;)
本当に厄介な事をしましたね・・・。
ゼロスの部下も!!
(ゼロスは個人的にそんな要らない事に体力使うようなタイプに思えなかったので・・・・)
やっぱり「後始末」のタメに派遣されたんでしょうねえ・・・(汗)
>話には全然関係ないですが、「至急、ソレントシティに急行せよ」
>という一文を見たとき、思わず「帰れソレントへ」の歌詞が頭を
>よぎりました。 かえれ〜きみ〜♪・・・失礼しました(^^;)
>それではまた!
アタシもですー!!
話も全体的にイタリアの地名を使わせていただきましたー☆

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2167NESSUN DORMACANARU 9/4-23:36
記事番号2120へのコメント

NESSUN DORMA
(眠れぬ 想いで 編)第三部!!


「あのお・・・・。リナさん・・・。ガウリイさん・・・。そろそろ・・・。
許していただけないでしょうか・・・?」
妙に情けない声で二人に懇願する高位魔族・・・。
「ま。オマエにはしーゆー罰を与えるのも悪くは無いな。」
「そーですね。部下の責任は上司の責任ですしね。」
ゼルとアメリアまでもが今のゼロスの姿を眺めながらそう言う。
「そ・・・そんなあああああああ!!!」
更に情けない声をゼロスが上げる・・・。
「いいじゃないですか。お似合いですよ。ゼロスさん!!」
嬉しそうにアメリア。
「嬉しくありません!!こんな恰好似合ったって!!」
今の彼の出で立ちはと言うと・・・・。
何時もと同じ神官の服装。
が・・・。その上は・・・・。
「一昔前のアルバイトか・・・?ありゃ・・・?ほら。サンドウィッチ・マンとか言うあの!!」
「しっかし・・・。妙なこと書いて有るなあ・・・。」
お腹と背中と両面にぶらさげられたプラカードとも看板ともつかない板きれ。
其処には・・・・・。
「危険物につき、取り扱い注意!!」
と書かれている。
「どーした魔族の僕がこーんなモノぶらさげてあるかなきゃならないんですか!!」
何時になく半ベソかきながらゼロス。
「あーら。前の・・・。部下の不祥事を珍しく詫びに来て・・・。何でも言うこと聞きますって言ったの。何処の誰だったかしらねー!!」
「 ま。これで・・・。セザーレの妹さん・・・。リナの従姉妹に会いに行くってゆーのも・・。悪くないな。」
ガウリイまでも楽しそうに言う。
「パトヴァ・・・。何年ぶりだろう。元気かな・・・。レツィアお姉ちゃん。」



先日の部下の不祥事をゼロスがリナとガウリイに珍しくお詫びに来たときのことだった。「リナさーん!!まぁたお姉さんからお手紙ですよー!!」
紙切れを持ってアメリアがやってきた。
「・・・・・・・。」
読むなり沈黙するリナ。
「どうした?リナ?」
先日のセザーレの件もあり 、少し警戒したようにガウリイが聞く。
「・・・・。レツィアに・・・。セザーレの妹の・・・。レツィア姉ちゃんに!!赤ちゃんが産まれたのよ!!男の子よ!!でね!!アタシに名付け親になって欲しいんですって!!」
かくして・・・。
ゼロスを「お仕置き」がてらに従えた四人はパトヴァに向かって旅立ったのだった・・。



「パトヴァかあ・・・。」
行ったことがあるような・・。無いような・・・。
まあ・・。いっか・・・。
回想をしたり、止めたりするガウリイ。
「うん。パトヴァはゼフィーリアの隣の公国なんだけれども。海が綺麗なのよ。まあ・・。それに伴って盗賊ならぬ海賊が出ることでも有名何だけれども・・・。」
隣でリナが何気なく言う。
「なあ・・。ちょっと聞きたいんだけれども。リナ。『デュカーティー』って銀貨の単位使ってる国か?」」
「へえ・・・。良く知ってるわねえ・・・。」
あっさりリナが言ってのける。
そーかあ・・・。
「危険物につき・・」の言葉といい・・。港といい・・・・。
やっぱり・・・。アレは・・・・。



「いや!!アタシも行くの!!」
リナは倦んでいた。
そんなさなか、セザーレ達の士官学校一行は海軍の演習に出ると言う。
帆に沢山の風をはらんだガレー船の船団。
紺碧の海に跳ね返る日光の光りが眩しい。
「遊びに行くんじゃ無いんだぞ。リナちゃん。」
セザーレの親友、アンリがリナを窘める。
「なによ!!自分たちばっかり楽しそうにしちゃってるくせに!!」
まだ九歳のリナには少なくとも彼等はそう見えるのだった。
「こわーい海賊とかもいるんだぜ!!?」
さらにアンリは窘める。
「海賊!!」
悪いことにリナの瞳がさらに輝きを増す。
「おい・・・。アンリ・・・・。」
「済まない・・・。セザーレ・・・。」
ジト目の親友に平謝りし、自分はさっさとお目当てのレツィアの方へ逃走する。
「おい・・・。リナ・・・。」
「バカバカ馬鹿ー!!セザーレの馬鹿 !!アンリの大馬鹿ー!!連れていってくれないと船爆破してやるー!!テロリストしてやるんだからあああ!!!」
泣きながら絶叫するリナ。
「おい・・・。リナ・・・。ほら。彼処の金髪のお兄ちゃんも笑ってるぞ・・。」
関係のない少年を指さして説得を試みるセザーレ。
「関係ないもん!!あーんなクラゲみたいなとっぽいお兄ちゃん!!船破壊して死んでやるーーーーーー!!!」
さらにボロクソな事を言って駄々をこねるリナ・・。
「だああ!!オマエは!!どーしてお淑やかに一人で死ねないんだ!!?」
困り果ててこれまた意味不明なことをセザーレ。
「おい・・・。リナ・・。」
「何よ!!」
「これ以上駄々をこねたり俺の留守中に悪さをしたりするとなあ・・。」
「何よ!!」
上から高圧的な態度で言ってくるセザーレにリナも負けじと睨み返す。
「『危険物につき取り扱い注意』って書いたプラカードぶら下げてご町内を一週させるぞ!!」
「う・・・・・・・・・。」
流石にこの攻撃には参ったのだろう。
にわかに沈黙して黙るリナ。
「よし。いいな。分かったか?ご町内一週がイヤならいい子でいろよ?」
そうとだけ言ってさっさと去っていくセザーレ。
「プラカード・・・。ご町内一週・・・。『危険物につき取り扱い注意・・・。』」
これは・・・。
姉ちゃんのビンタよりも手強いお仕置きかもしれない・・・・。



とは言うモノの・・・。
倦んでいるリナにとってセザーレの居ない時間は退屈で仕方ないし・・・。
「ん・・・・?」
1デュカーティー銀貨・・・・???
「らっきー!!」
やおら拾おうとしたその時・・・・。
「ドロボーだ!!捕まえてくれー!!」
唐突に背後からかかる少年の声!!
「え!!?」
じゃあ・・・。このお金。
単なる紛失物じゃなくってあの兄ちゃんのれっきとした「所持品?」
ちぇ!!つまんないの・・・て・・・。
そんなこと言ってる場合じゃない・・か・・・。
「どけ!クソがき!!」
言ってやおらその男・・・まあ・・。「ドロボーさん」としておこうはリナをけ飛ばそうとする。
「こらー!!子供を蹴ったりするなんてなあ!!卑劣だぞ!!」
蹴られた拍子で転んだリナを起こしながら・・・被害者の金髪の少年は犯人追跡を諦めながら言う。
「あ・・・。さっきの・・・。」
クラゲみたいなおにーさんだ・・・・。
「大丈夫か?怪我無かった?」
「うん・・・・。」
怪我はないけれども・・・。
「おにいちゃん、あのドロボーさん。逃がしちゃったね・・・。」
離れていく男を見ながらリナは言う。
「小さい子をほっと置けないだろ?それに。今からなら追えば多分・・・。」
うーん・・・・。
いくらこのお兄ちゃんが足が速くても一寸無理かも・・・。
この距離じゃあ・・・・・。
「じゃ・・。そーゆー訳で・・・。」
「待って!!」
走りかける少年の金髪をリナはムギュ!!とつかむ。
「いででででででででででで!!!???て・・・・???」
呪文・・・?
それも以前どっかで聞いたことのある滅茶苦茶怖い魔法の呪文に似てるような・・?
「ファイアー・ボール!!!」
どげらしゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああんんんんんん!!!!!!
見事に命中・・・・。
真っ黒焦げになってるドロボーさん・・・・。
「ひえええええ・・・・。やるな・・・。お嬢ちゃん・・・。」
驚愕の眼差しを少年は自分に向けてくる。
が・・・。リナはそれどころじゃない・・・。
「どうしよう・・・。『せいぎょ』出来なかった・・・。」
は・・・・・・・・??????
言われてみれば・・・・。
鬱蒼と茂った野原だったのに・・・・。
今は一面の焼け野原・・・・・。
「どうしよう・・・。怒られる・・・。セザーレに・・・。怒られる・・・・。プラカード・・・。『危険物につき、取り扱い注意』・・・。ご町内一週・・・。」
ワナワナとリナは震える・・・。
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
夜にはセザーレは帰ってくる!!
そーしたら明日の朝!!一番鳥さんが鳴く頃に・・・。
プラカードぶら下げて町内一週!!
肉屋のおじちゃん、花屋のおねーちゃん、隣のギャラハッドの笑いモノ!!??
「ぎゃあああああああああああああああ!!!!」
訳も分からず絶叫するリナに少年は困惑する。
正直言い・・・。
こういった場面では適当なことを言うしか・・・。
「い・・・。良いんだよ!!お嬢ちゃん!!どーせ悪人に人権なんて無いんだから!!」慌てて少年は適当なこと言ってのける。
「本当・・・??」
まだ焦りに顔を青くしたリナは少年に問いつめる。
「ほ・・・本当。本当。自信持って!!」
「ウソついたら・・。怒るよ。おにーちゃんも一緒にプラカードだよ?」
「・・・・・。」
よく分からないが・・・。
一応の納得はしてくれたようである・・・・。
その後。
役人の調査でそのドロボーさんは使命手配中のこそ泥常習犯と判明したのだった。


「リナがこそ泥常習犯を旅の少年と捕まえたって?」
「ええ。お兄さま。町中の評判ですわ。リナちゃんと。旅の少年・・・。確か、ガウリイくんとか言ったかしら。が、こそ泥常習犯を捕まえたって。」
セザーレとレツィア。
「で?そのリナと少年は・・・・?」
「お役所に居ますわ。どうも・・・。リナちゃんはお兄さまに怒られるのが怖いみたい。私も帰ってくるようには言ったんですけれども・・・。でも、ガウリイ君もついていてくれますし、大丈夫ですわ。」
言ってレツィアはクスリと笑う。


「ガウリイ。」
「はい。父さん。兄さん。」
役所に迎えに来た二人の男と共にリナの寝顔を一瞥し去っていくガウリイ。
・・・・怒られる・・・怒られるって言って・・・。
泣き疲れてねちゃったか・・・・・。
このまま置いていくのも何だし・・・・。



「怒らないであげて下さい、か・・・。」
ガウリイとか言った少年の置き手紙にセザーレは苦笑する。
毛頭あの言葉は単なる脅しだったし、怒るつもりは無い。
「おい・・・。リナ!!」
「・・・お兄ちゃん・・・。ウソついたら怒るよ・・・。悪人に人権はないって・・・。本当だよね・・・??ふええええ・・・。ごめんなさい。セザーレ・・・。ワザトじゃない・・・。ご町内一週・・・・。」
魘されながら寝言を言うリナにセザーレは苦笑し、抱き上げる。
レツィアの話によれば。
ガウリイとか言う少年は眠りこけたリナを担いで連れてきてくれたという。
「すっかり・・。重くなったなあ・・・・。」
一頻りの感慨をのべ、役所を後にするセザーレ。
「本当に・・・。悪人に・・・。人権は・・・。」
まだ言ってやがる・・・。
よっぽどこの言葉が気に入ったんだろう・・・。
つくずく将来の心配な娘である・・・・。



「レツィア姉ちゃん!!友達も連れてきたわ!!」
「リナちゃん!!おひさしぶり!!」
「よ!!リナちゃん!!」
扉を開け放ち無遠慮に入ってきたリナ達をレツィアとアンリが迎える。
「まったく・・・。アンリ。あんたがレツィアねーちゃんと結婚したときにもビックリしたけど・・。まさか男の子の父親とはねえ・・・。」
「オマエこそー・・・。」
言ってアンリはリナの隣のガウリイを見やる。
「ちょ!!!ちょ!!!」
「あら。そう!!じゃ、リナ。今度は私が名付け親になってあげるわね!!そのうち!!」「なああ!!!レツィア姉ちゃんまでええ!!」
「なあ・・。リナ。そーいやオマエ。赤ん坊の名前、考えてるのか?」
突然尤もなことをガウリイが言う。
「そういえば・・。そんなそぶり無かったが・・。大丈夫か?リナ?」
ゼルがリナに問いかける。
「ええ・・・・。」
「わー!!可愛い!!水色の目をしてますよ!!この赤ちゃん!!」
レツィアの息子を見てアメリアが嬉しそうに抱かせて貰う。
「ええ・・・・。水色の目・・・。黒い髪の毛・・・。」
「ああ・・・・・。あの人・・・。そのものだな・・・。」
リナに言葉にガウリイがかぶせ・・・。
そしてまたリナが頷く。
「この子の名前は・・・・・・。」
生まれ変わりかもしれないアナタに・・・・・。
「セザーレ・・・・・・。」
もう一回その名前を・・・・・・・・・・・・・・・・。



(お終い)

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2168ほのぼの〜♪P.I E-mail 9/5-00:18
記事番号2167へのコメント

CANARUさん、こんばんは。
また読ませていただきました!
今回はほのぼのですね♪ちびリナとちびガウ、かわいい!!
ガウリイくん、リナの後の性格形成にじつは大きく関わって
いた!?これはもう責任重大ですよね(^^;) きっちり
最後まで面倒見てもらわにゃ〜!
でもリナちん、あの銀貨ちゃんとガウリイに返したのかな?
ガウリイもファイヤーボールショックで忘れてるみたいだっ
たし・・・。
それにゼロスのサンドイッチマン(ぷぷ!)、部下の不始末
のせいとはいえ、逆に妹さんに同情されたりして(^0^)

楽しいお話をありがとうございました。
また書いてくださいね!

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2178有り難うございましたー!!CANARU 9/6-23:39
記事番号2168へのコメント

>CANARUさん、こんばんは。
>また読ませていただきました!
何時も有り難うございますー!!
>今回はほのぼのですね♪ちびリナとちびガウ、かわいい!!
>ガウリイくん、リナの後の性格形成にじつは大きく関わって
>いた!?これはもう責任重大ですよね(^^;) きっちり
>最後まで面倒見てもらわにゃ〜!
言えてますー!!
やっぱりこうなった限りは一生面倒見なくちゃ駄目ですよねー!!
ガウリイくん!!
しかもリナちゃんはあの言葉を肝に銘じて生きてますしねえ・・・。
>でもリナちん、あの銀貨ちゃんとガウリイに返したのかな?
>ガウリイもファイヤーボールショックで忘れてるみたいだっ
>たし・・・。
うーん・・・。
セザーレに怒られることを怯えたいたいけな少女・・・。
ガウリイくんもきっと(返さなくても)笑って許してくれるでしょう!!
>それにゼロスのサンドイッチマン(ぷぷ!)、部下の不始末
>のせいとはいえ、逆に妹さんに同情されたりして(^0^)
されてます!!されてます!!
「リナちゃん・・・。可哀想な人をこれ以上増やさないでね。」
「でも・・。レツィア姉ちゃん。コイツ魔族だし・・。」
「じゃあ・・。可哀想な魔族を増やさないであげてね・・・。」
なーんて・・・(笑)
>楽しいお話をありがとうございました。
>また書いてくださいね!
有り難うございましたー!!

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2173簡単に…三剣 綾香 9/6-18:18
記事番号2167へのコメント

はじめまして楽しく読ませていただきました
三剣綾香と申します。

リナの過去って言うのはなかなか面白かったです。
「悪人に人権はない」
このセリフはガウリイ少年のものだったんですねぇ
成長した今となってこのセリフに振り回されているあたり因果は巡るって感じでなかなか楽しませていただきました。

しかし…デュカーティとかセザーレとか学生時代の世界史を思い出しまして
なかなかうんちくあるお話でした。

こういう割と雰囲気のしっかり目のお話は好みなんですよ、私。
これからもがんばってくださいね、応援しています。
簡単ですけど感想でした。

では。
綾香でした。

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2177有り難うございます!!CANARU 9/6-23:33
記事番号2173へのコメント


>
>はじめまして楽しく読ませていただきました
>三剣綾香と申します。
此方こそ初めましてー!!
感想有り難うございました!!
>リナの過去って言うのはなかなか面白かったです。
うーん・・・。
アタシも今年になって初めて書いてみようと思ったんです。
ガウリイばっかり多いので一寸対抗してみた次第ですー!!
>「悪人に人権はない」
>このセリフはガウリイ少年のものだったんですねぇ
うんうん。
それを肝に銘じるリナが真っ先に浮かんできてたりしてます!!
>成長した今となってこのセリフに振り回されているあたり因果は巡るって感じでなかなか楽しませていただきました。
因果ですねえ・・・。
運命ですねえ!!
>しかし…デュカーティとかセザーレとか学生時代の世界史を思い出しまして
>なかなかうんちくあるお話でした。
たはは・・・・。
世界史から取ってる部分の多い話でしたー!!
>こういう割と雰囲気のしっかり目のお話は好みなんですよ、私。
>これからもがんばってくださいね、応援しています。
>簡単ですけど感想でした。
感想ありがとうございましたー!!