◆−白紙の存在意義 (3)−amy(9/11-22:28)No.2191
 ┗お久しぶりですっ!!−えもん(9/13-21:05)No.2202
  ┗白紙の存在意義 (4)−amy(9/15-13:57)No.2209
   ┗うっ!?そんな展開・・・びっくり〜−えもん(9/16-19:15)No.2213
    ┗白紙の存在意義 (5)−amy(9/18-18:31)No.2219
     ┗白紙の存在意義 (6)−amy(9/23-17:12)No.2231
      ┗白紙の存在意義 (7)−AMY(9/25-17:50)No.2242


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2191白紙の存在意義 (3)amy E-mail 9/11-22:28



「、、、、、、ゼルガディスさあん、、、、、。」
「、、、、、、、。」
「、、、、、ゼルガディスさんってばあ、、、、、。」
「、、、、、、、。」
「ううう、、、、(涙)」
 先ほどから完璧に無視され、涙ぐむゼロス。
 何度話し掛けても答えてはくれない。
 こういう所は初めて会った時から一向に変わる様子がない。
「なんで構ってくれないんです〜?」
「いちいちうるさい。」
 以上。
 冷たい言葉で終わる。
「え〜ん、ひどいやひどいやっ。」
「いっぺん死ね。」
「、、、、、、。」
 あまりの冷たさに、ゼロスはいつ自分が彼を不機嫌にさせたのだろうかと思惑
していた。
 そもそも、自分は彼にはまだ(おい)何もしていないのだ。
 彼を怒らせるようなことは断じてしていない(はず)だ。
 第一、『不機嫌』かどうかも定かではない(たぶん)ではないか。
 ゼルの今の状態の理由が分らず、ゼロスはただただゼルを眺めていた。




「、、、、、、。」
 瓦礫と煙りに埋もれた、かつて街だった場所に立つ男。
 長く、蒼い髪。
 女性を思わせる顔立。
 すらりとした高い背。
 手に持つ杖。
 身に纏うのは高位僧侶の証である赤いローブ。
 そして、、、、、、赤い瞳。
「、、、、レイ、、、、、。」
 彼の足下の瓦礫の下から、掠れた声がした。
 男はゆっくりとした動作でそれを見る。
「どう、、、して、、?」
 視線の先には全身血まみれの哀れな女性。
 必死に彼へ手を伸ばす。血まみれの手を。
「、、、、。」
 その体を、彼は容赦なく踏み付ける。
 ぐしゃ、、、、、
 軽い音と共に、女の悲鳴。
 自分の靴にこびりついてしまった血を、彼は汚物を見るような目で見た。
「れ、、、、い、、、、、。」
 前よりも弱々しくなった声でまだ呼び続ける女性。
 彼は、、、、、今度は彼女の頭を踏み砕いた。
 鈍い音と水がしたたるような音。
 それを聞いて、彼------レイ=マグナスは表情を歪めた。
「むごい、、、、ことを。」
 後ろから聞こえた男性の声に、レイはゆっくりと振り向いた。




「シャブラニグドウ様は?」
「あの方の所。」
 ゼラスの問いに、ダルフィンは答えた。
「そうか。」
「何か用事でもあった?」
 残念そうなゼラスに、ダルフィンは興味本位で問う。
「ああ、少々シャブラニグドウ様と相談があったのだが、、、、、、。」
「相談などせずにさっさと行動してしまえばいいのに。」
「私はシャブラニグドウ様の指示に従いたいのだ。」
「随分と人間クサイね。」
 ダルフィンの言葉に、ゼラスは突然笑い出す。
「私がか?バカバカしい。
   私よりも貴様の方がもっと人間くさかろう?」
「だって、『指示』に従いたいなんて、、、、
        まるで人間の王様に使える兵士みたい。」
「そんなものと一緒にしないでいただこう。
     私は『兵士』ではなく『腹心』なのだから、、、、、。」
 くすりと、ゼラスは薄く笑った。




「ルビーアイよ、久方ぶりだな。」
「ロード・オブ・ナイトメア様もお代わりなきご様子。」
 金髪の女性の前で、うやうやしく頭を下げる黒髪の男。
「氷の大地に繋げられたお前はどうなっている?」
「あいも変わらず、毎日空を眺めております。
           少々退屈気味でございます。」
「平和ボケしているな。」
「腕はなまっておりませぬ。」
 くくくっと笑うロードに、ルビーアイは言った。
「あの男、、、、、」
「は?」
「氷に繋がれているお前は、人間の時どういう名前だった?」
「?」
「いいから答えろ。」
「確か、、、、、レイ=マグナスだったかと、、、、、。」
「そうか。」
 満足げに頷いて、ロードは沈黙した。
「、、、、神々への対抗についてですが、、、、」
「おい。」
 場を和まそうと、適当なことを言ったルビーアイに叱責が飛ぶ。
「我は神と魔に対して中立の立場だ。
     我に何を言っても無駄というもの。
    我はお前達にも神にも力を貸すつもりはないのでな。」
 さっさと出て行けと言わんばかりに、ロードは手を振る。
 ルビーアイは渋々頭を下げて出て行った。
「全く、あの方の我がままは人間並に手がつけられん。」
 自分の住処に戻った所で、ルビーアイはつぶやいた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 はい!(3)終わり!!
  (2)は『過去の記事』と『著者別〜』にあります。
 
 ふう、長らくお待たせしました!(え?待ってない?)
  白紙の存在意義の続きでえ〜す。

 夏休み等で色々ありまして、今まで更新が滞っておりました。
  深く反省しております。


 もう時間がないので、、、、、


      ではでは
amyより

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2202お久しぶりですっ!!えもん E-mail 9/13-21:05
記事番号2191へのコメント

こんにちは、AMYさん。
ほんと、お久しぶりですね〜っ!!
先日、久々にきたら、ツリー落ちちゃってるし・・・。
でも、こーして連載が再開したのはうれしい限りっ!!
また、のんびり更新で構いませんので、書いてくださいね。

久々なんで、ちょっとしたゼルとゼロスの掛け合いが妙にうれしかったりする。でへへ
冷たいゼルっていいわぁ〜。いぢめられるゼロスもいいのよねぇ〜。(笑)

L様、登場っ!!
やっぱし、L様の前では部下Sだわ・・・・。ま、しょうがない関係ですな。
今後、L様がどー絡んでくるのか。気になるところ。
あ、ゼルとゼロスの関係も・・・(こっちのほうが気になるくせに>自分)

続き、楽しみにしてます!!
また、ちょこちょこ見にきますね。

えもん

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2209白紙の存在意義 (4)amy E-mail 9/15-13:57
記事番号2202へのコメント

「知っていますか?
   どんな動物も、人生の『密度』は同じなんですよ。」
「『密度』?」
「そう、『密度』です。
  例えばネコは寿命が10年前後、人間は100年くらいですよね?」
 ゼロスの言葉に、ゼルは一つ頷いた。
 それに満足そうにゼロスは頷き返す。
「ネコは人間より10倍、人生を長く感じるんですよ。」




「今、、、なんと、、、なんとおっしゃったんです!?」
 ヒステリー気味にダルフィンが叫ぶ。
 それにルビーアイは顔をしかめた。
「うるさい。
  私はただ、ゼラス=メタリオムを滅ぼせと、、、、」
「何故ですっ!!?」
 明らかに不愉快そうにルビーアイは眉を寄せる。
「我々には『仲間意識』などないはずだが、、、、、?」
「それでもっ!!!」
 自分の主に逆らっているのだと承知で、ダルフィンは声を荒げた。
「それでも納得出来ませんっっ!!!」




「じゃあ、お前もそうなのか?」
「ええ、人間に比べて時間を遅く感じているんでしょうね。
     人間の100年は僕にとって何十万年と同じなんですよ。」
 ゼルの言葉に、ゼロスは微笑みながら答える。
「僕達に寿命はないけれど、それでもいつかは混沌に帰りますから、、、、。」
 ゆっくりつぶやくそれは、まるで死を覚悟した老人のようだった。




「魔族にも、神々にも。
    『人間臭さ』など、いらないのだよ。」
 そっとつぶやき、小さく息をはく。
 美しい金色の瞳が揺れていた。
「もし『人間臭さ』を知ったら、、、
    お前達は逃げていくのだろう?
      帰ってしまうのだろう?
    我を忘れてしまうのだろう?誰も、、、、、」
 金髪の髪が揺れる。

「我を必要としなくなるのだろう、、、、、、?」





「、、、、、この文献によれば、、、、神々にも寿命はない。」
「ええ。」
「魔族にも、、、、、。」
「そうです。」
「魔族は滅びを望む。」
「はい。」
「では何故、、、、、」
 頷くだけのゼロスの顔を、ゼルは覗き込む。
「滅ぼされる時に悲鳴をあげるんだ?」




「魔王様は、何故私をお避けになるのだ?」
 いかにも不服そうにゼラスは独りごちる。
「私が何をしたというのだ?
   全く、ゼロスもどこで油を売っているのだ。」
 カラカラ、、、と、グラスの中の氷が音を立てた。
「私に一体なんの非があるというのだ?」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 う〜、わけわかめ状態。
  とりあえず(4)終了です!

えもんさん、コメントありがとうございました!
 更新遅くってすみませんでした(汗)
  これからものろのろ更新だと思いますが、許して下さい。

  ちょっと時間がないので、、、、

        AMY

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2213うっ!?そんな展開・・・びっくり〜えもん E-mail 9/16-19:15
記事番号2209へのコメント

こんにちは、AMYさん。

>「知っていますか?
>   どんな動物も、人生の『密度』は同じなんですよ。」
この1行・・・納得です。
AMYさんって、物の考え方がすごいっ!!感心しちゃいますよぉ。

>「うるさい。
>  私はただ、ゼラス=メタリオムを滅ぼせと、、、、」
おぉぉっ!?いきなし凄いセリフが!!
L様ったら、何を企んでいるのでしょうか・・・
これからお話しのスケールが大きくなることを予感しちゃいますね。
ん〜、これからの展開が楽しみ、楽しみ。

私事で大変恐縮ですが・・・
来週から、ようやく夏休み(もう秋だけど・・・)になります。
10日間ほど読むことができませんが、復帰次第、真っ先にチェックしにきま〜す。

ではでは。
えもん

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2219白紙の存在意義 (5)amy E-mail 9/18-18:31
記事番号2213へのコメント


「、、、、元々、神も魔も同じものだったんですよ。
           勿論、人間や動植物もそうです。」
 パラリ、、と本のページを捲ってゼロスが言う。
「それが違う方向へそれぞれ突き進んだのが今。
   つまりそれが結果です。
    人はそれを『進化』と言っていたようですね。」
 パラリ、、とまた捲る。
「『進化』もあれば『退化』もあります。
    人間は『知恵』より『魔力』を選んだ。これが退化です。」
「退化?」
 不思議そうにゼルが聞き返す。
「ええ、だって魔族や神々くらい強力な魔力ならともかく。
     大して強力でない魔力を選んだんですよ?
    どんなに頑張っても魔族には叶わない、それすなわち。
 『人間は魔力との相性があまりよくない』ということです。
       そんな魔力でも人間にとっては便利なんですよね。」
「?」
「飛べるなら、それで移動出来るなら足はいらないでしょう?
   それを応用すれば物も浮かせられる、なら手もいらない。
  そしてそのうちもっといらないものが出てきます。
    最期には、、、頭しか残らないかもしれません。
  猿の尻尾が人間にないのは必要ないから、、、退化したんですよ。
    頭しか残らないほどのことを、、、退化と言わずにな何と言うんです?」
 冷ややかに微笑みながらゼロスは言った。
 ゼルは無表情のまま黙っていた。
「話が、、、、大分脱線しましたね。戻します。
     元々同じだったものがいがみ合う理由もあるんです。
  人間の進化前の生物は魔族側だったんですよ。
   それがいつのまにか『慈愛』なんてものを作って、
   神々の方へふらふら〜っといってしまった。
      神々の方があとあと自分達に都合がよいからでしょうね。
    そして人間に進化したんです。
  だから今でも神を崇める宗教があるでしょう?
     それが魔王様の癪に触ったんですよ。
  やがて魔王様はムキになって神々と戦い始めました。」
 一息ついて紅茶を口に運び、ゼロスは溜め息をつく。
「まあ、つまりは人間の先祖が原因で戦火が肥大したんですよね。」





(ゼラス!!)
(え?)
 急に頭の中から声が聞こえ、ゼラスは驚いて顔をあげた。
 ぐるりと辺りを見回すが誰もいない。
(気のせい、、、、か?)
(ゼラス!ゼラス=メタリオム!!!!)
(!)
 今度ははっきりと聞こえる。
 ダルフィンの声だ。
(ダルフか?どうしたのだ?)
(シャブラニグドウ様がっ!)
 悲痛なダルフィンの声に、ゼラスは焦る。
(何だ!シャブラニグドウ様に何かあったのか!?)
(違う!シャブラニグドウ様が君を滅ぼすと!)
(!?)
 あまりにも唐突な物言いに、ゼラスは思わず沈黙した。





「ゼルガディスさんはどう思います?いまの話。」
「ふん、俺には関係ない。」
 身も蓋もないその言い方に、ゼロスは思わず苦笑する。
「そうですよね、貴方ならそう言いますよね。」
 くっくっく、と笑い続ける。
 それがゼルの癪に触ったらしい。
「切るぞ貴様。」
「あ〜すみませんすみません!アストラルヴァインはやめて下さいいいい!」
 はっしとゼルの剣を白羽取りして、汗を流すゼロス。
 笑ってはいるが、顔が蒼かったりする。
「で、聞くのを忘れていたが今回は何で俺のとこに出てくる?」
「、、、ずっとそのツッコミがないのでどうしたんだろうって思ってましたよ。」
 剣を納めたゼルに、ゼロスがつぶやく。
「まあ、今回はゼルガディスさんかリナさんにくっついていればいいんです。
           別に命を取ろうってわけじゃないですからご安心を。」
 そう言って、ゼロスはいつも通り笑った。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 えもんさん、コメントどうもです。
  旅行ですか?いってらっしゃい!
    お土産話をよろしく♪

  うっ!時間がない!
    すみません、ちょっとおいとまさせていただきます。


        ではではamy

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2231白紙の存在意義 (6)amy E-mail 9/23-17:12
記事番号2219へのコメント


「俺かリナにくっついて、、、??」
「はい、命令内容がそれだけなんですよ。」
 そう言って、ゼロスはまたもやにっこり笑う。
「だから命を取ったりは絶対しません。」
「『殺せ』と命令が来たら、、、、、?」
 冗談半分で言ったその言葉に、ゼロスはぴくりと体を震わせる。
「、、、、、、、、さあ?」





「すまなかったな。ダルフィン。」
「いいえ。それより早く逃げなよ。」
 謝罪するゼラスに、ダルフィンは首を振る。
「ああ、ゼロスがあのゼルガディスと行動しているはずだ。
              そちらに行ってみようと思っている。」
「アストラルサイドから切り離して、
      それから少々魔力を封印した方がいい。
     でないと、すぐに見つかってしまうかもしれない。」
「ああ、すまないな。」
 言って、ゼラスはダルフィンの前から姿をかき消した。
「、、、、ぜらすっ!」
 残されたダルフィンのつぶやきには、誰も答えなかった。





「人間は天の落胤なんですよ。」
「らくいん?」
 唐突につぶやくゼロスに、ゼルは訝しげに言う。
「落胤というのは、身分の高い男性が、正妻以外の女性に産ませた子供。
            まあ、言わば落としダネ。といったところですか。」
「??」
 ゼロスの言わんとしていることが分らず、ゼルは眉を寄せる。
「人間はね、僕達と同じようにあの方に作られていながら、
   神々にまた『進化』させられた、二重の意味での天からの落胤なんです。」
 言って一息つくと、ゼロスは可笑しそうに笑った。
 それは嘲笑とも、ただの笑みともとれぬ微笑みだった。



「最初に、、、人間を『創造』したのはあの方でした。」
 ゼルに促され、ゼロスは淡々と語り始める。
 それは懺悔にも似た、人間の知らぬ告白だった。
「その後、『進化』を『創造』したのは神々でした。
        神々は人間を『創造』した時、
          彼らは人間に死を割り当てて、
           生命は自らの手に留めておいたのです。」

  つまりそれは、、、、、、、。

「人間も神々の僕であり、魔族の僕であり、そしてー、、、、。
         ただ『戦争』に使われる『道具』だと言うことです。」








   ギルガメッシュ、何処に行こうとするか

        お前が捜し求める生命は見つからぬ

   ギルガメッシュ、むしろお前の腹を満たせ

        昼も夜も楽しみ

          日毎に饗宴をひらけ

     衣を清くし  髪を洗い  水に浴びよ

      子供らを腕に抱き

       妻を胸に抱いて  これを喜ばせよ



      ------これが人間のなすべき業なのだ--------



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 はい!(6)終了!!

  『ギルガメッシュ〜』は、何かの本に載っていた詩を
               ノートにメモしてあったものです。

     なのでどの本だったか未だ不明(^^;)

   只今捜査中です。

 最近、更新も遅いし文章も短いですが、、、許して(はあと)

    忙しいんですよー、秋って。

  私、一応学生だから行事だありまして。

     面倒ですよー。行事。

     合唱とかってもー、皆バラバラに歌いますからねーあっはっは。

  もういやだい(泣)


   さて、今日は久々の祝日ですが、、、、

        塾のテストだった為、休みになんかなりませんでした。


   、、、、、ちぇっ。



 ではでは

      AMY

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2242白紙の存在意義 (7)AMY 9/25-17:50
記事番号2231へのコメント


「何故だ、、、、、」
「、、、、。」
 男の問いに、レイは答えない。
 ただ、黙って彼を眺め、立っている。
「何故だ、、、、何故、、、、、」
 血を吐くように、小さく、鳴き声にも聞こえる声で男が問う。
「何故彼女を、、、、お前の大切な、、、」
 彼はそこまで言って、息絶えた。
 唐突に、何の前触れもなく。
 ドサリと倒れたのだ。
「、、、、、フン。」
 それをなんとなしに見て、レイはくるりと踵を返す。
 迷いなく、周囲に滅びと混乱をまき散らしながら。
 ゆっくり、ゆっくりと大きな街の方へ足を進めた。





       怖かった



  怖くて怖くて仕方なかった

    狂気という、、、安らぎ、、、だけが-------。



  そう----------、此の感情の名は、”絶望”


     絶望という暗闇の中




    僕達の存在意義は全くの白紙だった-----------。





「魔族に離反したのかっ!?」
「、、、、いや。」
 ゼルの問いに、ゼラスは静かに首を振る。
「じゃあ何故?」
「分らない。」
 溜め息をついて、ゼラスは頭を抱える。
「分らないんだ。」
(泣いてなんか、、、、、いないだろうな。)
 俯いたゼラスを見て、ゼルは思う。
 誇り(プライド)が邪魔をして、彼女はきっと泣けないだろうな、、、と。
「アストラル・サイドからは切り離した。
   魔力も少々封じた。ゼロスもそうすればすぐにはバレん。」
 やがて顔をあげて、ゼラスはつぶやくように言った。
「しばらくの間だけでいい。
   人間よ、お前について行かせてもらう。」
「何故、、、俺なんだ?」
「リナ=インバースでも良かったが、、、、」
 ゼルの質問に苦笑しながら、ゼラスは言葉を紡ぎ出す。
 その姿には、余裕を感じ取ることが出来なかった。
「強力な魔力と引き換えに魔族との関係が多すぎる。」







「引き金を引いたのは自分

       
       望んだのも自分     何故か?


         終わらない夢を見ているような、、、、、、。」





 金髪の女性。
  虚無に住み、全ての者を作り出せし存在。

   ロード・オブ・ナイトメア

 彼女は、大きな椅子に凭れ掛かり、そうつぶやきながら空を見上げた。

  何の色もない、真実の虚無が広がっていた。

 彼女は、自問自答に明け暮れ、一人でつぶやき続ける。



「造ったのも自分

   信じたのも自分

     けれど育てたのはもっと違う、、、何か別のもの」


 椅子から立ち上がり、彼女はくるりと体を回転させ、椅子の後ろに行く。
 そこでまた椅子に凭れ掛かった。


「人間や、鳥や、動物や植物は、、、、自由だ。

         何故か?

   それは我が育てたものではないから。

       だからそれらは我を必要としない。」

 目を伏せ、静かなその言葉に虚無が反応する。


「全てが全てを拒否するかのような-------------、、、、。」





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 はい!(7)終わりです!
    何だかまだまだ続きそうで恐いこのシリーズ。

 もう少し付き合って下さいませね。



     ではAMY