◆−夢のあと(ガウリイ編)−天野つばさ(10/2-23:40)No.2274
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2274夢のあと(ガウリイ編)天野つばさ E-mail URL10/2-23:40


短編です。
シリアスな小説を書いていて、気分的に重た〜くなったため、気分転換にと書いた代物です。
一応、ほのぼのらぶらぶを目指したんですが。
ほのぼのって難しいです……。

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 焚き火の燃ゆる音。
 規則正しい寝息。
 それ以外は静寂に閉ざされていた。
 ふと目を開けて、ようやく自分が眠っていたことに気づく。
 慌てて焚き火を見ると、炎は未だ衰えず燃えさかっていた。
 どうやら眠っていたのはほんの十数分のようだ。
 薪を棒でかき混ぜながら、さっきまで見ていた夢を思い出し、思わず苦笑した。
 目覚める前に見た夢は叶うと聞いたことがある。
 すぐ隣で無防備に寝息をたてる少女に目を移した。
 ま。叶うとしても、まだまだ先のこと、か。
 でも、それでもいい。
 今まで随分待ったんだ。楽しみがもう少しくらい延びたとしても、大差ないだろう。
 なにより、今は彼女の側にいれるだけで。
 彼女の頬にかかる栗色の髪を掻き上げ、軽く唇を落とす。
「今はこれで我慢しておくか」
 そのあと、すぐに焚き火に目を移したため、彼女の頬が赤く染まったことに気づかなかった。

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2275夢のあと(リナ編)天野つばさ E-mail URL10/2-23:44
記事番号2274へのコメント

 頬がなんだかくすぐったくて、あたしは覚醒する。
 目を開けようとしたその時、頬に柔らかく暖かい感触。
「今はこれで我慢しておくか」
 そう言う彼の言葉で、ようやく何をされたのか気づいた。
 かっと顔が熱くなる。
 人が寝てる隙に何さらしてんのよっ、このくらげはっっ。
 魔法で吹き飛ばしてやろうかとも思ったけど、やめた。
 気づいてたって知られるのが恥ずかしかったし、それに……。
 あたしはさっきまで見ていた夢を思い出し、さらに顔が火照る。
 夢はその人の願望なのだと聞いたことがある。
 あれが、あたしの願望……?
 だーーーーっ。違うっ。絶対に違うっっ!!!
 心の中でめいっぱい否定してみる。だけど、思い当たることがないわけじゃない。
 ホントは気づいているのだ。自分の気持ちにも、彼の気持ちにも。
 ただ、どうしても素直になれないだけ……。
「ごめんね」
 小さく呟いた言葉が彼に通じたのか、彼はあたしの髪を優しく梳る。
 それがあまりにも心地よくて、再び深い眠りに落ちていった。

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読んで下さってありがとーございますぅ。
ちなみに、二人の見た夢の内容については、各自で想像して下さい(笑)