◆−花言葉シリーズ−ミーナ(10/8-01:06)No.2290
 ┣花束をあたしに−ミーナ(10/8-01:12)No.2292
 ┃┗花束のように抱かれてみたく(誰の言葉だっけ?)−P.I(10/9-21:20)No.2302
 ┃ ┗ありがとございます・・・・・そして予告・・・・・・−ミーナ(10/11-00:06)No.2317
 ┣心の花−ミーナ(10/11-00:10)No.2318
 ┣花束をお前へ−ミーナ(10/15-20:06)No.2345
 ┃┗Re:花束をお前へ−P.I(10/15-22:03)No.2347
 ┃ ┗ありがとうございますっ!!−ミーナ(10/16-13:46)No.2354
 ┣花に秘められた−ミーナ(10/26-21:10)No.2378
 ┃┣Re:花に秘められた−P.I(10/27-01:14)No.2381
 ┃┃┗ありがとうございますっ!!−ミーナ(10/27-21:01)No.2383
 ┃┣Re:花に秘められた−松苗 潤(10/27-10:40)No.2382
 ┃┃┗Re:花に秘められた−ミーナ(10/27-21:02)No.2384
 ┃┗Re:花に秘められた−うさびん(10/29-00:04)No.2389
 ┃ ┗Re:花に秘められた−ミーナ(10/29-23:02)No.2392
 ┗夢の中で咲く花は−ミーナ(11/3-18:08)NEWNo.2420
  ┗Re:夢の中で咲く花は−松苗 潤(11/5-17:09)NEWNo.2426


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2290花言葉シリーズミーナ E-mail 10/8-01:06


こんにちは。ミーナです。
このツリーでは花言葉を使ったお話を書いていこうと思います。
題して『花言葉シリーズ』(そのまんまだって…)
シリーズとは言ってますが一話完結ものの予定です。
(もしかしたら前後編くらいにはなるかもしれませんが)
ですから、花にまつわる短編集みたいな感じで読んでいただければいいと思います。
よろしければお付き合いください。


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2292花束をあたしにミーナ E-mail 10/8-01:12
記事番号2290へのコメント

こんにちは。ミーナです。
花シリーズの第一弾をお届けします。今回はガウリナです。


『花束をあたしに』

あたしの目の前に真っ赤なバラの花束が差し出された。
ざっと50本近くはあるだろう。
それを抱えているのは私の自称保護者のガウリイである。
さすが脳みそはくらげでも顔のよさは天下一品。
バラの花束を抱えてくるその姿は思わず見とれるほどかっこよかった。
……恥ずかしいから本人には絶対言ってやんないけど。

「20歳の誕生日おめでとうな」
花束を差し出したガウリイは緊張した顔をしている。
きっと照れてる・・・・・・・・・・・・・・・んじゃないんだろうな。
あたしはガウリイから花束を受け取りながら、今までの誕生日を思い出していた。


16の誕生日
『ガウリイ、今日あたし誕生日なのよね』
『ほう。いくつになったんだ』
『16』
『ウソだろ。どうみたってそんな年には…・・・・特に胸・・・・』
『ガウリイ。なんか言った?』
『いや』
『うそつき。聞こえてたんだからね。って訳でドラグ・スレイブ!!!!』
どごどげぇぇぇぇぇん!!(ガウリイと後ろの森がなくなった・・・・・・)

『ほれ、プレゼントだ』
『ガウリイ、これなに?』
『見ての通り花束』
『そんなのわかるわよ。なんで赤いカーネーションなのよ』
『いやー それしか花の名前知らなくてなぁ』
ぱこここここぉぉぉん(スリッパでたたいた音)
『このくらげ!!この花は母親に送るのよ』
『そうなのか』
『そうなの』
『いらないか』
『ううん 花に罪は無いから貰っておく』

17の誕生日
『リナ 今日誕生日だろ』
『うん よく覚えてたわね 脳みそふえるワカメ詰まってるのに』
『・・・・・・・・おい あんまりじゃないか?』
『へへ 冗談よ 冗談(実は本気だけど)』
『・・・・・まいっか それより、今年は先に聞いてやる なんの花がいいんだ』
『うーーーーん バラ』
『ばら?』
『そ。ちゃんと覚えときなさいよ』

『リナ 誕生日おめでとう』
『ありがとう ガウリイ でも……』
『へ。ちゃんとバラだろ。お店の人に聞いたから間違いないぞ』
『どうして黄色のバラなのかしら』
『まずかったのか』
『この色はね嫉妬とか愛の減退ていう意味があるのよ。
 誕生日には向かないと思わない。 ねぇ〜 ガウリイ〜』
『わ!!知らなかったんだ!!悪かった!!』
『問答無用 フリーズアロー!!!』
『・・・・・・・・(凍るガウリイ)』
『花束も凍ちゃった。まいっか。一応貰っとくね』

18の誕生日
『リナ もうすぐお前誕生日じゃなかったっけ』
『今日よ 今日』
『今日って、後二時間しかないじゃないか どうしていわなかったんだよ』
『去年覚えてたから今年も覚えてるかなって』
『覚えてるわけ無いだろ。俺を誰だと思ってるんだ』
『・・・・・・ガウリイ 自分で言ちゃお終いだって・・・・・・・』
『今から探してくる』
『もう無理でしょ 明日でいいわよ』
『いや 探してくる。ちゃんとここで待ってるんだぞ。
 盗賊いぢめ行くんじゃないぞ』
『(ぎく)わかってるわよ ちゃんと部屋にいるって』

『おい リナ 見つけたぞ』
『・・・・・・・・・・・』
『おーーーーい リナ』
『・・・・・・・すぴょすぴょ・・・・・・』
『寝ちまってんのか はぁ 俺って…』

『…あぁ よくねたっ!! ってあたしガウリイ待ってたんじゃ・・・・
 ん? 寝る前は花瓶に赤いバラの花なんて埋けて無かったわよね。
 ってことはこれがプレゼントか』

『おはよう リナ 飯にしようぜ』
『おはよ おばちゃんAセット5人前持ってきて』
『こっちはAからCまで2人前づつ持ってきてくれ』
『ガウリイ 花 サンキュウね』
『おお!!今年は成功か』
『ん 何が?』
『いや…こっちのこと』
『そうだ、ガウリイ毎年 年の数だけ花くれるでしょ。
 誕生日は覚えてても 年は忘れるのがいい男なのよ』
『……はい・・・・・・・』

19の誕生日
『ほい プレゼントだ』
『なんで?』
『え……今日誕生日じゃなかったか』
『………そうだった ガウリイに言われるまで気づかなかったとは一生の不覚』
『ははは リナでもそんなミスするんだな 仲間 仲間(はあと)』
『悔しい!! ガウリイと同類なんて・・・・ ファイヤーボー…』
『リナちょっと待て 花まで燃えちまうだろ』
『…そっか。ガウリイは無事でも花はダメだね』
『(俺だって大丈夫じゃないんだが…)ほら 受け取れよ』
『ありがと。 ってどうして今年は花束じゃないの』
『どうしてって。去年お前が言ったんだろ。『年は忘れる方がいい』って』
『だからってどうして一本しかないのよ』
『もっとほしかったのか』
『そうよ。それより、花貰ったらもういいわよね(ニヤ)』
『なにが……(汗;)』
『さっきの続き(はあと)』
『わーーーーーー やめろーーーーー』
『知るかぁぁぁぁ!!! 増幅版ファイヤーボール!!!』


そして……
あたしの目の前に50本はあるだろう真っ赤なバラの花束が差し出された。
「20歳の誕生日おめでとうな」
花束を差し出したガウリイは緊張した顔をしている。
「ありがとう ガウリイ」
「今年は問題ないか?」
「うん うれしい」
あたしの答えにガウリイは満足げに頷いている。
「そっか。思えばここまで長い道のりだった」
「……あんた おぼえてるの?」
「リナに呪文で凍らされたり、火だるまにされたことはな」
……なんでそんなことだけ覚えてるんだ こひつは……
「今年はもう一つ渡すもんがあるんだぜ」
ガウリイはあたしに目をつぶるように促した。
ちゅ
軽く唇にキスがおとされる。
!?
「・・・・・・・が・・・・・が・・・・・・・がうりい・・・・・・・!?」
唇を押さえて目を丸くしてるあたしにガウリイはうれしそうに言った。
「左手見てみろよ」
んん?
「こっ これ」
あたしの左手の薬指には銀色の細い指輪が輝いている。
「リナが20歳になったら言おうと思ってたんだ。結婚しよう」


ここはゼフィーリアの小さな教会。
「リナさん お久しぶりです」
ピンク色のドレスを着たアメリアがドアを開けて入ってくる。
「おひさ〜 来てくれたんだ ありがとね」
「あたりまえです。リナさんとガウリイさんの結婚式ですよ」
…そこまで思ってくれてたんだ……アメリアっていい子よね。
「もしこなかったら、セイルーン潰されちゃうかもしれないじゃないですか」
前言撤回。
「きゃ!!冗談です 冗談。」
あたしの迫力に恐れをなしたか、アメリアは二、三歩後ろに下がった。
いくらあたしだってウエディングドレス着てそんなことしないってば。
・・・・・・・・でも、呪文の詠唱ならできそうね。

「リナさん ブーケ私に下さいね」
アメリアはあたしの手を“ひしりっ”と掴んでいる。
「いいわよ。あんたに向かって投げてあげる」
「本当ですか!!うれしいな 約束ですよ 絶対ですよ」
絶対あげるから…・・・・ぶんぶんと手を振らないで頂きたいものである。
ドレスが着崩れるんだから。
それにしても、この子ゼルとうまくいってんかしら。
「ところでリナさん その肝心のブーケはどこですか?」
アメリアはきょろきょろと控え室を見回している。
そんなとこに無いってば。
だって、ブーケは・・・・・・・・・・
「ガウリイが持ってくるわ」

あの時、あたしが言った言葉に従って・・・・・・・


(あとがき)
この話は『誕生日は覚えてても、年は忘れるのがいい男』という言葉を使いたいために出来上がりました。
リナが赤いカーネーションを母親に贈る花だといったとこですが、普通の日に贈った場合は「傷付いた心」「あなたの恋を信じる」という意味があるそうです。
では、ここまでお付き合いありがとうございました。
レス等いただけるとうれしいです。よろしくお願いします。


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2302花束のように抱かれてみたく(誰の言葉だっけ?)P.I E-mail 10/9-21:20
記事番号2292へのコメント

はじめまして、ミーナさん。回遊魚のP.Iと申します。どうぞよろしく。
「花束をあたしに」読ませていただきましたよ!
お花を貰うたびになんだかんだと文句をつけながら、それでも嬉しそうな
リナがすっごくかわいかったです!結局リナはガウリイにホレてるし甘えて
るんだな〜と・・・(くすっ ^^)プロポーズの返事が聞いてみたかった
です!!
これはシリーズなんですね?次回もガウリナですか?
お花にまつわるかわいいお話を期待していますよ!
それではまた!

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2317ありがとございます・・・・・そして予告・・・・・・ミーナ E-mail 10/11-00:06
記事番号2302へのコメント

P.I様
どうもありがとうございました。
これは「花言葉」がキーワードになっているシリーズです。
言い換えれば、花言葉が使われているというところにしか共通点はありません。
つまり、「花束をあたしに」の世界観は続かないということです。
ただ、この続きとして「花束をお前へ」という題名で書こうとは思っています。
これに、リナのプロポーズの返事も書くつもりです。(まだ、構想しかできてないんで、気長に待っててください)
ええと。次回はガウリナではありません。ゼラゼロです。
これは書きあがってますので、このお返事と同時にUPします。
そのあと、「花束をお前へ」になるはず……(自分で自分の首をしめてるなぁ)
ではまた………

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2318心の花ミーナ E-mail 10/11-00:10
記事番号2290へのコメント

こんにちは。ミーナです。
『花束シリーズ』第二段をお届けにきました!
…・・・・・いらない? そんなぁ しくしく……
今回はゼラゼロです。魔族が花なんか愛でていいんだろうか。という小さな疑問(?)は捨て置きつつ読んでくだされるとうれしいです。

『心の花』

ここは群狼の島。
瘴気に満ち、人が立ち入ることを許さぬ禁断の地。
そこに彼女はいる。
小麦色の肌に、すらりと伸びた手足。
見るもの全てを魅了する氷の微笑を持つ美女。
彼女の名はゼラス=メタリアム
魔王者ブラニグドュウの五人の腹心の一人として絶大なる力をもつもの。
すなわち、この南の地を治める獣王その人である。
その彼女の前には彼女の前には膝を折り、頭(こうべ)をたれている青年が一人。
黒いマントに身を包み、血のように赤い石をはめた杖を持つもの。
彼の名はゼロス。
かの目的のために彼女が力を分け与えた唯一の部下。
そう。彼は彼女より作られしもの。

「ゼラス様 ただいま戻りました」
「ごくろう。何か変わったことはなかった?」
「特にゼラスさまのお気を煩わすことは」
彼の言葉に彼女はさも当然とばかりに頷き、その細い指を彼の頬にはわせた。
そしてゆっくりと彼に上を向かせ、二人の視線がかさなっていく。
「そうね 写本の始末などお前には簡単なことでしたね。
 先の闇を撒くものとの戦いの休みも取らせぬまま、
 このような雑用に駆出して悪かったわね」
「いいえ。ゼラス様 もったいなきお言葉」
彼は頬に置かれた彼女の手を取ると、その手の甲に唇をおしあてた。
その動作を彼女は満足そうに見つめる。
「ところで、何を隠し持ってるのかしら」
彼女は楽しそうに彼の瞳を覗き込み、彼は自分に向けられる視線をうれしく思いながら、アストラルサイドから一本の枝を取り出し彼女の前にさしだした。
「桃の花です。ゼラス様にと思いまして。
 お気に召さなければお捨て下さって結構ですよ」
「ふっ 受け取っておくわ。
 お前が花など持ってくるのはめずらいしことですもの」
「ありがとうございます」
「もういいわ。下がりなさい」
「はい 失礼します」
彼は軽く一礼をすると、すぐに彼女の側を離れていった。
彼女は彼の気配が完全に消えるのを確認して、手の中にある桃の枝を見つめる。
『粋なことをする子だこと』
枝を適度な大きさに手折り自分の髪に飾り、残りをアストラルサイドに消した。
『そろそろグラウシェラーからの報告があるころね』
彼女は楽しそうに笑い、報告を受けるために仕事場へ向かうことにした。
そう、ここは彼女のプライベートルーム。

彼は島の南部にある岸壁から夕日が沈むのを眺めていたが、
彼の目にはこの美しい夕日のことなど少しも入ってなかった。
ただあったのは先ほど渡した桃の花のことだけだった。
『あのお方はわかっておられなかいでしょうね。あの花の意味を。
 あの花にこめられた僕の思いを・・・・・・』
彼は軽くため息をつき、夕日に背を向けて歩き出した。
彼女の仕事を手伝うために・・・・・・

――――桃の花言葉
       私はあなたの『恋の奴隷』―――――



(あとがき)
難しかったです。思わず書いてて後悔しました。
ゼラス様といる時のゼロスの態度がわからなくて。そのためゼロスの性格が大きく変わっちゃって、もう原型とどめてません。ああ…ゼロスファンの皆様ごめんなさい。ゼラスファンの皆様も一緒にごめんなさい。
さて、今回は桃の花です。これには『恋の奴隷』『あなたのとりこ』という意味があります。小さな可愛い花にこんな強い思いがあるなんて驚きです。
では、ここまでお付き合いありがとうございました。
レス等いただければうれしいです。よろしくお願いします。

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2345花束をお前へミーナ E-mail 10/15-20:06
記事番号2290へのコメント

こんにちは。ミーナです。
花シリーズ第3段『花束をお前へ』をお送りします。
これは先出の『花束をあたしに』の続編ぽくなってます。
ですからカップリングはガウリナです。では・・・・・・・・・

『花束をお前へ』

俺はゼフィーリアの教会近くのそこそこ大きな花屋の前にいた。
店の中は色とりどりの花が所狭しと並べられ、多くの人々でにぎわっている。
バラにカーネーション……あとはわかんないが、とにかくたくさんの花があった。
これだけいろいろあれば、俺の探しているものもあるだろう。
ゆっくりと店の中へ進んでいくと、花の香りがぷぅんとただよってくる。
花にこんなに匂いがしたのかと改めて思い知らされた。
きょろきょろと花屋の中を見て回っていると、とある一角が目についた。
・・・・・数分後に気づいたときには、真っ赤な毒々しい食虫花の前にたたずんでいた。
恐るべし食虫花。本来の目的を見失わせるとは。
危くとてつもなく恐ろしいことになるところだった。
想像するのも恐ろしいほどの……


『20歳の誕生日おめでとうな』
俺は緊張の面持ちでリナに50本の真っ赤なバラを渡した。
毎年恒例の俺からリナへのプレゼント。
『ありがとう ガウリイ』
『今年は問題ないか』
『うん うれしい』
リナの言葉にうれしさがこみ上げてくる。
去年までは失敗して呪文で吹き飛ばされたもんな。

『今年はもう一つ渡すもんがあるんだぜ』
リナに目をつぶるように促して、手を取りそっと指輪をはめた。
それから軽くキスをおくる。大切な俺の宝物へ。
『・・・・・・・が・・・・・が・・・・・・・がうりい・・・・・・・!?』
真っ赤になって唇を押さえるリナは可愛いい。
こんな顔させてるのが俺だと思うとうれしくなるな。
『左手見てみろよ』
リナの左手の薬指には銀色の細い指輪が輝いている。
特別な俺からリナへプレゼント。
『リナが20歳になったら言おうと思ってたんだ。結婚しよう』
リナは真っ赤な目をして、小さく頷くと言った。
『ウエディングブーケもプレゼントしてね』
『おう』

『ところでリナ ウエディングブーケってなんだ』
『ちょっとガウリイ!あんた知らないで返事したの!!』
『ああ。後で聞けばいいかなって』
ずべべべべべ…・・・・
リナがゆっくりベットから落ちていった。
あっ ベットサイドに置いてあった本、リナの下敷きになったぞ。
あれ借り物じゃなかったっけか。まどーなんとかってとこからの。

『いい。脳みそスライムのガウリイにもわかるように説明すると、ブーケってのは 結婚式で花嫁が持ってる花束のことよ』
…・・・・脳みそスライムって・・・・知らなかったことまだ怒ってるな・・・きっと・・・・
『前にマルチナが式で持っていた奴だろ』
『そう。よく覚えてたじゃない』
リナは言いながら、俺の背中をバンバンたたく。
・・・・い、いたひ・・・・・・・
『ガウリイ 結婚式は一回しかないんだから、
 一発でちゃんとしたブーケちょうだいよ』
『努力はするが』
自信ないぞ。誕生日だって5年かかったんだからな。
『もし、できなかったら・・・・・・・』
『もし、できなかったら・・・・・・・?』
『ガウリイと結婚してあげない』
あ゛あ゛あ゛……・・・・・・
いっきに天国から地獄にまっさかさま。
結婚してあげない・・・・・結婚してあげない・・・・・・・結婚してあげない・・・・・結婚してあげない…・・・・・結婚してあげない…・…結婚してあげない・・・・・・・結婚してあげない・・・・・・・・結婚してあげない・・・・・・・・結婚してあげない・・・・・・・・・・・結婚してあげない・・・・・・・・・結婚してあげない・・・・・・・・結婚してあげない・・・・・・・・
リナの声が頭をぐるぐる駆け巡る。
『がんばってね。ガウリイ(はあと)』
リナは楽しそうな声が遠くのほうから聞こえた気がした。


きょろきょろ…・・・きょろきょろ・・・・・・・
やっぱり店員に聞くしかないか。
結婚がかかってるもんな。
よし。
「すみま……・・・・」
んん?
あそこにいるのあいつじゃないか。
いいとこで会ったな。
・・・・ほらあの白いやつ・・・・・・ええと・・・・・・・・・・・名前・・・・・なんだっけ…??
・・・・・うーーん・・・・・・・・・・思い出した!!
「ゼル! ゼルガディス!」
俺の言葉にゼルガディスがこっちを振り向いた。
こいつ二年前とちっとも代わってないな。
「が、ガウリイか」
「久しぶりだな。どうしてこんなとこにいるんだ」
「花嫁に花でもと思ってな。・・・って花婿のお前がなんでこんなとこにいるんだ!! 式が始まるまであと2時間ないじゃないか!!」
めずらしいな。こいつが慌てた顔するなんて。
せっかく会えたんだからゼルに相談してみるか。

「なるほど。そういうわけなら手を貸そう。もし失敗したら、リナのやつ間違いな く大暴れするぞ。俺は死人が出るとこなんて見たくないからな」
ひどい言われようだな。
・・・・・・・間違っちゃいないけど・・・・・・(笑)

「ブーケにするならこの辺だな」
そういって、ゼルに連れてこられたのは白い花が集まっている一角だった。
何で真っ白なんだろう。
あっちにある赤いのなんてリナにあいそうなのに。
「ゼル。あっちの色のついた花じゃだめなのか」
「はぁ 色がついた花はやめとけ、失敗する可能性が高い。
 結婚解消になっても知らんぞ」
もちろん俺はおとなしく白い花達と向かい合うことにした。

「これはスズラン。意味は『幸福が訪れる』 こっちはカスミ草。意味は『清い
 心』 これがジャスミンで『素直』 こいつはフリージアで『あどけなさ』 
 それから、マーガレット。意味は『誠実』 これが胡蝶蘭で、『清純』 
 それから………・・・・・・と、まぁこんな物だがどうする?」
ゼルが次々と花を指さして名前と花言葉を説明していく。
言ったことはことは一応わかった。
だが、どうするといわれてもなぁ・・・・・・
「ゼル。そんなにいっぺんに言われて俺が覚えてられるとおもうか」
ズル
あっ ゼルがこけた。
マントに足かけたみたいだな。足跡がくっきりついちまってる。
「…そうだったな。ところで、ガウリイ 別々に言えば覚えられるか?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
無回答の俺に、ゼルは頭を抱えて大きくため息をついた。
結構長い付き合いなんだからいいかげん慣れてくれればいいのに。
「わかった。おまえの好きな花を選べ。駄目だったら言ってやるから」
ゼルのあきらめとも聞こえるセリフを聞きながら、白い花を物色しはじめた。
さっきゼルが指差していた大きな白いのもよかったし、同じ形の薄いクリーム色のもいいな。それとも、あっちの紙を巻いたような形の変わった花もいいかもしれないな。おっ あそこにある小さな花のがいっぱい付いたやつもかわいいな。どうしようかな。
「あれがいいな」
俺が指差したのは大きな6枚の花びらを持った、真っ白なにおいの強い花だった。
「ユリか 花言葉は『純潔』『無垢』だな。結婚式にはいいんじゃないか。ブーケの王道だし」
「そうか、じゃあこれにするぜ」
「あとはまわりに飾る花を選べ。ユリだけじゃ寂しいからな。
 小さい花なんかがいいぞ。形がとりやすいから」
「じゃぁ あれかな」
今度のは緑色の葉の中に小さな白い花で、ユリを小さくしたような形をしていた。
「ほー ホトトギスか」
「ほととぎす?」
「ガウリイ 鳥じゃないからな」
ドキッ ・・・・よまれてた(笑) 
俺は慌てて出そうとしてた『鳥のくちばしと羽セット』をもとの場所にしまった。
「でも、いい花を選んだな」
「どういうことだ? ゼル」
「ホトトギスには『永遠にあなたのもの』っていう意味があるからな。
 今日にぴったりじゃないか」
ゼルは口の端に軽く笑みをたたえて、俺を見つめた。
こいつ、いい表情するようになったな。
2年前よりもやわらかくなってる。これもアメリアのおかげかね。
俺がリナと会えたみたいに……

「決まったなら、店員に頼んでブーケにしてもらってこい」
ゼルは自分の義務は終わったぞとばかりにパタパタと手をふっていた。
俺は、店員に花を渡しブーケにしてくれるように頼んだ。
なんだか、そこの女性店員に探られてるような気がしたんだが…気のせいだろうか…・・・
「ところで ゼルって花詳しかったんだな」
俺の言葉にゼルの顔が紫色に変わっていく
・・・・・・ということはアメリヤがらみだな(ニヤ)
「いいから早くいけ!!時間ないんだろ」
「そうだった。遅れたらリナに殺されかけん。ゼル さんきゅうな!」
「ああ、あとで会おう」

店員からブーケを受け取り、俺はゼルに別れを告げ、教会を目指した。
真っ青な空が目の前に広がっている。結婚式日和だな。
いつの間にか俺は走り出していた。
あと1時間もすれば・・・・・
ウエディングドレスに身を包み、ブーケを抱えたリナ。きれいだろうな。
俺はブーケに目を落とし、小さくつぶやいた。

「リナのやつが、気に入ってくれますように・・・・・・」


(あとがき)
今回は「花言葉にも詳しいゼルガディス」がテーマです。そのため、ガウリナなのにリナが最初の回想シーンにしか出てこないというとんでもないことになってしまいました。リナファンの皆様ごめんなさい。ええと。ユリの花言葉ですが、ユリ自体には『威厳・純潔・無垢』、白は『甘美』、黄色は『虚偽』、おにゆりは『にぎやか・富と誇り』てっぽうゆりは『純潔・淑女』とともかくいろいろな種類があります。今回は使いやすい言葉をいただきました。では、ここまでお付き合いありがとうございました。レス等いただければ幸いです。


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2347Re:花束をお前へP.I E-mail 10/15-22:03
記事番号2345へのコメント

ミーナ様
また読ませていただきました♪
ガウリイ・・・いい所にゼルがいて本当に良かったね(^^;)
一人だったらどうなっていたやら(汗)
しかしガウリイ、食虫花の前で何を考えていたのか・・・って
手にとるよーにわかってしまうところが大笑い!!
一方、ゼルの方でもアメリアとなにごとかあったみたいですね。
そっちも見たいな〜(期待!)

また楽しいお話を書いてください。
それでは!

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2354ありがとうございますっ!!ミーナ E-mail 10/16-13:46
記事番号2347へのコメント

P.I様
>また読ませていただきました♪
ありがとうございます。プロポーズの返事いかがでしたか。

>ガウリイ・・・いい所にゼルがいて本当に良かったね(^^;)
>一人だったらどうなっていたやら(汗)
きっとリナが大暴れして……なんてことはなかったとしても、ガウリイはドラグスレイブの一発や二発食らってたはず。結婚はしてもらえただろうけど。

>しかしガウリイ、食虫花の前で何を考えていたのか・・・って
>手にとるよーにわかってしまうところが大笑い!!
しょせんガウリイなんてそんなもの…・・・(^^;)

>一方、ゼルの方でもアメリアとなにごとかあったみたいですね。
>そっちも見たいな〜(期待!)
はっ!!考えてなかった・・・・・・・・
でも、期待していただいたなら書かねば!!
ということで、次はゼルが花言葉に詳しくなったわけを書くはず…
気長に待っててください。
では、

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2378花に秘められたミーナ 10/26-21:10
記事番号2290へのコメント

こんにちは。ミーナです。
「花束をお前へ」でやけに花に詳しいことの判明したゼル。
今回はどうして彼がそうなったかというお話です。
……もちろんゼルアメですよ。


「花に秘められた」

カルマート公国の南に位置する小さな村は秋の豊穣感謝祭の真っただ中であった。
空は青く澄み渡り、心地よい風が通りを駆け抜けていき、祭りにはしゃぐ子供の声や、店の売り子たちの声をアメリアのもとに届けていた。

ひまだなぁ
本当なら外に出て、名物料理やかわいい小物を物色しているはずだったのに……
病人よろしくベットに入り、おでこに氷嚢をのせながら、アメリアは先ほどから天井とにらめっこをしていた。
実際、彼女はしっかり病人だった。昨日、宿屋につくなりアメリアは高熱を出して倒れたのだから。だが、魔法医による治療と、アメリアの驚異の回復力のため彼女の体調は驚くほどよくなっている。そうなるとアメリアとしては外に出たかったのだが、リナからおとなしくしているように言われてるので、仕方なくベットの中にいるのである。
もう大丈夫なのに……今ごろリナさん達おいしいもの食べてるんだろうなぁ
アメリアは先ほど『なんかお土産買ってきてあげるからおとなしくしてんのよ』といって部屋を出てった、栗色の髪をした魔道士と、その保護者の金髪の青年の姿を思い出していた。
きっとリナさんとガウリイさんのことだから食べ物屋さん片っ端から制覇してるんだろうな。
それで、お店の人とかに『もう勘弁してください』とか言われてたりして。
アメリアはそんな二人の姿を想像してクスクスと笑い出した。
……アメリアは知る由もないが、リナ達は今、カルマートの名物料理を扱った屋台を一軒食い尽くし、店員に涙目で見られていた。

ゼルガディスさんは今ごろどうしてるかな。
次にアメリアは自称クールな魔剣士、実際ちょっとお茶目な魔道芸人のことを考え始めてたらしい。
ゼルガディスさん図書館に行くって言ってましたよね。元の体に戻るための手がかりが見つかったかなぁ。でも、今のままだって十分かっこいいと思うんですよね。銀色の細い針金の髪、涼しげな瞳、聴き心地のいい声……きゃぁぁぁ♡
アメリアはばたばたとベットの中で暴れだした。
どうやらゼルガディスのことを考えて興奮してしまったようだ。
はぁ、なんか熱上がっちゃったみたいです。窓もう少しあけて風通しよくしましょう。
おでこに乗っけていた氷嚢をサイドテーブルにおき、窓に向かって歩き出し、窓に手をかけて………そのまま凍りついたように動かなくなってしまった。

窓からは白と黄色の花束を抱えたゼルガディスの姿が見える。
フードで顔までは確認できないのだが、上下真っ白で、フードを目深にかぶっている人などほかにはいないので、かえってすぐにゼルガディスだとわかった。
その側にいるのは17,8歳くらいの、長い黒髪を後ろに束ね、水色のワンピースを着た少女。彼女はかつてのゼルガディスの想い人を思い出さる風貌をしている。
あの人ミワンさんそっくり。
ああいう守ってあげたくなるようなタイプ、ゼルガディスさん好きなんですよね。
私とはぜんぜん違うタイプ。
でも、私はあんな風にはなれない…
ううん。ならない。だって正義の使者じゃなくなってしまうもの。
上から眺めているアメリアには気づかぬようすで、ゼルガディスは彼女と一言二言言葉を交わすと、白いほうの花束を娘に差し出した。
娘のほうもまんざらではないようで、それを受け取るとうれしそうな表情を見せる。

――――パタン―――――
そこまで見て、アメリアは窓から離れてしまった。
もうあんなゼルガディスさん見たくない。
誰かに花をあげてるゼルガディスさんなんて……
アメリアはベットに入ると枕に顔を伏せた。
両目から涙があふれ出し、枕によって吸い取られていく。
わかってたはずなのに。
ゼルガディスさんが私のこと仲間としか思ってくれていないこと。
子供だって思われてること。
でも、期待していた。
私のこと好きでいてくれたらと。
どうして私は彼女じゃないんだろう。
こんなに………好きなのに………!!

トントン
軽くドアがノックされる。
リナさん達かな。
あっ いけない このままだと泣いていたこと気づかれてしまうかも。
アメリアは慌てて手の甲で目をごしごしとこすった。
「リナさん お帰りなさい」
声をかけながらドアを開ける。
「…ゼルガ…ディス…さん?」
「悪かったな リナじゃなくて」
少々憮然とした様子でゼルガディスはアメリアをみた。
なんで??
どうしてゼルガディスさんがここに??
やだ。ぜるがディスさんの顔見てたらまた涙が……
アメリアは必死に涙を見せないようにしながら
「お帰りなさい。どうしたんですか」
手短に答えて、目線を下に落とした。
「みやげだ」
アメリアの前に例の黄色い花束が差し出された。

……最終宣告。
こんなに嫌われてたなんて。
だからって、ここまでしなくても。
一生懸命こらえていた涙がアメリアの目から次々と流れだし、そのピンク色の頬を伝っていく。
「……ひくっ…ひくっ……」
小さな嗚咽がアメリアの口から漏れ出した。
「おい どうしたんだいったい」
いきなり泣き出したアメリアに、ゼルガディスはどうすればいいのかもわからず困惑の表情を浮かべながらも、このまま突っ立って泣かせとくわけにもいかないだろうとアメリアの肩を抱いて、ベットに座らせ、自分もその横に腰を下ろした。

「おい アメリア いったいどうしたんだ」
ゼルガディスは今だ手にしっかり握り締めていた花束をベットの上に置きながら、肩を抱いていた手を背中に回し、母親が子供にするようになでてやる。
しかし、アメリアはその手を払うと、顔を上げて冷たい口調でいった。
「私にやさしくなんかしないでください」
……同情というやさしさは辛すぎるから。
明日は笑えるようになるから、今はほって置いてください。
大きな瞳にいっぱいの涙を浮かべて、この世の終わりとでも言うような辛そうな顔をして、
どうしてアメリアがこんなことを言うのかゼルガディスにはまったくわからなかった。
「なぜだ?」
ゼルガディスの怒ったような低い声にアメリアの体が恐怖でぴくりと揺れる。
……こわい……
でも、ちゃんと言わなくちゃ。
それがこの苦しみから離れる手っ取り早い方法だと知っているのだから。
「好きな人がいるんですから、私にやさしくなんてしないでください。その人に誤解されます。それに……ゼルガディスさん私のこと嫌いなんですよね」
痛い。
自分で言ったセリフなのに、こんなに心が痛いです。
アメリアのセリフにゼルガディスは困っていた。
ゼルガディスとしてはアメリアを嫌ってるつもりなんて無かったし、それに誤解されて困るような人もいない。
「どういうことだ。分かりやすく言ってくれ」
ゼルガディスはアメリアの肩をつかむと強引に自分のほうにむけ、その目をしっかりと覗き込んだ。

とく とく とく
ゼルガディスさんかっこいい。
泣いているのも忘れ、アメリアはじっとゼルガディスを見つめた。
このまま時が止まってしまえばいいのに。
「アメリア」
自分の名を呼ばれ、幸せな妄想から一転現実の世界に引き戻された。
アメリアは両肩に置かれた手を離してもらおうと軽く身をよじったが、そう簡単には離れてくれそうもなかった。
仕方なく、そのまま言葉をつむぐ。
「ゼルガデぃスさん、さっき女の人に花束あげてましたよね。私、上から見ていたんです。」
その言葉にゼルガディスははっとした。
そして、アメリアがあんなことを言い出した理由もわかってきた。

「お前、ちゃんと見ていなかっただろう。あの人は花屋だ」
「……花屋? 花屋さんからは花を買うもんじゃないですか。どうしてあげたりするんです。やっぱり好きだからじゃないですか」
「だから、あれは花をやってたわけじゃない。これを選ぶんで、いくつか持たせてもらったんだ」
言って、ベットに置きっ放しになっていた花束に視線を落とした。
「じゃあ あげてたように見えてたのは……」
「買わない花を返していただけだ」
さもあきれたというような口調で、ゼルガディスはアメリアの頭を軽くたたいた。
「そうだったんですか。……って、ゼルガディスさん まだ話は解決してません。それなら、どうしてこんな花贈るんですか」
こんな、いやな言葉を持った花を…
好きな人はいなくても、私のこと嫌いだからこんな贈ったくせに。
「昔、カーネーション好きだっていってただろう」
えっ?……覚えててくれたんですか?
『この花好きなんです。今ごろセイルーンの庭も満開でしょうね』
取り留めのない会話の中のセリフだから、覚えててくれてるなんて思いもしませんでした。
それなら、もしかしたら………
「ゼルガディスさん どうしてこの色にしたんですか」
「……………」
おやっ??ゼルガディスさんの頬心なしか紫になってるような気が……
「赤や白よりも黄色のほうがいいと思ったからだ」
手短に言うとゼルガディスは明後日の方向を向いてしまった。
なぁんだ。
ゼルガディスさん知らなかったんですね。
「ごめんなさい。私すごい誤解してたみたいです」
アメリアは申し訳なさそうにゼルガディスを見上げた。
その様子がまるで何かに怯えている小動物を思い起こさせ、ゼルガディスは口元に小さな微笑を浮かべずにはいられなかった。
「おまえいったい何を思ってたんだ。それに黄色のカーネーションにいったいどんな意味があるんだ」
ちょっとあきれたような、それでいて楽しそうな声。
怒ってないのかな。
ゼルガディスさんの好意を勝手に誤解して、あんなに大泣きしてしまったのに。
「それは………軽蔑です」
「軽蔑??」
「はい。だから私……」
「もういい。誤解だとわかったんだろ。俺はおまえを軽蔑なんてしてないさ」
顔をそむけているゼルガディスの耳がしっかり赤くなっていること知って、アメリアはその肩に頭を乗せながらささやいた。
……………で…す……


すー すー
「おい、アメリア」
すー すー すぴょぴょぴょ
ゼルガディスの肩の上に頭を乗せたまま姫君は夢の住人になっている。
「どうしろっていうんだ」
誰にともなく文句を言ってアメリアをみる。
濡れたようなつやのある黒髪。
口紅を塗ったような鮮やかなピンク色の唇。
やわらかそうな頬。
「…さっきの涙の……」
喜ばせようと思ったのに、かえって泣かせてしまった。
いつでも笑っていてほしいと思ってるのに。
あんな意味があることに気づきもしなかったことが悔やまれる。
もう二度とあんな失敗はしない。
ゼルガディスはアメリアの肩を抱いて小さな決意をした。

“今度こいつに花を贈るそのときまでに……”


(あとがき)
お久しぶりのゼルアメです。いかがだったでしょうか。今回のテーマは「誤解するアメリア」です。思い込んだら一筋の人ですから、どんどん落ち込んでいちゃうんですよね。でも、書いてて楽しかったです。ええと。今回はカーネーションの花言葉について少々。赤色は「傷付いた心」白色は「私の愛情は活きている」桃色は「あなたを熱愛します」黄色は「侮べつ」です。では、ここまでお付き合いありがとうございました。感想などいただければ幸いです。
  

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2381Re:花に秘められたP.I E-mail 10/27-01:14
記事番号2378へのコメント

こんばんは!
お約束のゼルアメ、読ませていただきました〜。
花言葉って実際難しいですよね(^^;)同じ花でも色によって
違う意味を持ってたりしますから。
ゼルくん、大いに反省?真面目な彼のことですから、きっと真剣に
勉強したんでしょう(^^)
思いこみ一直線のアメリアも可愛かったです!
また素敵なお話を書いてくださいね。
それでは!

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2383ありがとうございますっ!!ミーナ 10/27-21:01
記事番号2381へのコメント

またまた、かんそうありがとうございます。
>お約束のゼルアメ、読ませていただきました〜。
無事お届けできて、ホッとしております。
>ゼルくん、大いに反省?真面目な彼のことですから、きっと真剣に
>勉強したんでしょう(^^)
で、あんなに詳しくなってしまったと。
でも、一生懸命花言葉調べてるゼルっていやかも……(^^;)
>思いこみ一直線のアメリアも可愛かったです!
そこが彼女の長所であり短所ですね。
私的にはそういうアメリア大好きです!!
では、また次回作もよろしくお願いします。

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2382Re:花に秘められた松苗 潤 10/27-10:40
記事番号2378へのコメント

こんにちは〜〜。お作読ましていただきました。
 いいですね〜もうアメリアかわいいです(はぁと)
 ゼルもかっこいいです♪
 私こういうシチュエーション大好きなんで
 よろこんで読ませていただきました♪ラストのほうでアメリアが
 小動物になってるところがツボです(笑)
 お互い想っているのになかなか伝わらないってのがゼルアメなんです
 よね〜(−_−)

 ではでは幸せな作品をありがとうございました。
 また次回作とかあったら読ませていただきます♪

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2384Re:花に秘められたミーナ 10/27-21:02
記事番号2382へのコメント

>こんにちは〜〜。お作読ましていただきました。
こんにちは〜〜!!読んでいただけてうれしいです。

>いいですね〜もうアメリアかわいいです(はぁと)
>ゼルもかっこいいです♪
ありがとうございます。
思い込んだら一直線♪のアメリアとそれに振り回されるゼルです。

>ラストのほうでアメリアが小動物になってるところがツボです(笑)
アメリアって守ってあげたくなるような、ぎゅってしたくなるような
落ち込み方するイメージがあるもので。

>お互い想っているのになかなか伝わらないってのがゼルアメなんです
>よね〜(−_−)
そうですね。アメリアは鈍いしゼルは照れやだし。
でも、お互いがお互いを大切に思っているんですよね。

>また次回作とかあったら読ませていただきます♪
次回作もゼルアメの予定です。ぜひ読んでくださいね

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2389Re:花に秘められたうさびん 10/29-00:04
記事番号2378へのコメント

こんにちは〜。うさびんでーす。匂いに引き寄せられてきました。ぜるあめですね。


>ゼルガディスさんは今ごろどうしてるかな。
>次にアメリアは自称クールな魔剣士、実際ちょっとお茶目な魔道芸人のことを考え始めてたらしい。
魔道芸人・・・新たな地位を確立してしまったゼル・・・。

>ゼルガディスさん図書館に行くって言ってましたよね。元の体に戻るための手がかりが見つかったかなぁ。でも、今のままだって十分かっこいいと思うんですよね。銀色の細い針金の髪、涼しげな瞳、聴き心地のいい声……きゃぁぁぁ♡
>アメリアはばたばたとベットの中で暴れだした。
>どうやらゼルガディスのことを考えて興奮してしまったようだ。
これぞ、恋する乙女ですね。

>窓からは白と黄色の花束を抱えたゼルガディスの姿が見える。
>フードで顔までは確認できないのだが、上下真っ白で、フードを目深にかぶっている人などほかにはいないので、かえってすぐにゼルガディスだとわかった。
>その側にいるのは17,8歳くらいの、長い黒髪を後ろに束ね、水色のワンピースを着た少女。彼女はかつてのゼルガディスの想い人を思い出さる風貌をしている。
>あの人ミワンさんそっくり。
>ああいう守ってあげたくなるようなタイプ、ゼルガディスさん好きなんですよね。
アニメ見てると、ゼルって惚れっぽいのかな?とおもいます。シルフィールとか
ミワンもそうだけど、リナにも興味ないわけではなさそうだし・・・。


>とく とく とく
>ゼルガディスさんかっこいい。
誤解と嫉妬の虜になっていたかと思いきや、いきなり思考が飛んじゃうのがいいですね(笑)


>「昔、カーネーション好きだっていってただろう」
>えっ?……覚えててくれたんですか?
>『この花好きなんです。今ごろセイルーンの庭も満開でしょうね』
>取り留めのない会話の中のセリフだから、覚えててくれてるなんて思いもしませんでした。
意外とマメですね。

>それなら、もしかしたら………
>「ゼルガディスさん どうしてこの色にしたんですか」
>「……………」
>おやっ??ゼルガディスさんの頬心なしか紫になってるような気が……
>「赤や白よりも黄色のほうがいいと思ったからだ」
>手短に言うとゼルガディスは明後日の方向を向いてしまった。
照れ屋さんですよね。そこがかわいいんですけど。


一途すぎて誤解しっぱなしのアメリアがかわいい〜。
それにゼル、普段は自分のこと以外は無関心ぽい人なのに、アメリアのために花を買うなんて・・・(涙)
ゼルの意外な一面が見れました。では、この辺で・・・。

 


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2392Re:花に秘められたミーナ 10/29-23:02
記事番号2389へのコメント

こんにちは。感想ありがとうございます。

>>次にアメリアは自称クールな魔剣士、実際ちょっとお茶目な魔道芸人のことを考え始めてたらしい。
>魔道芸人・・・新たな地位を確立してしまったゼル・・・。
「スレイヤーズTRYスペシャルコレクション@」(フィルムブック)でこういう風に紹介されてました。確認してみてくださいな。

>>あの人ミワンさんそっくり。
>>ああいう守ってあげたくなるようなタイプ、ゼルガディスさん好きなんですよね。
>アニメ見てると、ゼルって惚れっぽいのかな?とおもいます。シルフィールとか
>ミワンもそうだけど、リナにも興味ないわけではなさそうだし・・・。
そうですよね。TRYでリナがアリスの服(?)きたときも赤くなってましたね。

>>ゼルガディスさんかっこいい。
>誤解と嫉妬の虜になっていたかと思いきや、いきなり思考が飛んじゃうのがいいですね(笑)
アメリアですから(^^;)
やっぱり基本は恋する乙女一直線ということで。

>>「赤や白よりも黄色のほうがいいと思ったからだ」
>>手短に言うとゼルガディスは明後日の方向を向いてしまった。
>照れ屋さんですよね。そこがかわいいんですけど。
かわいいなんてゼルが聞いたらすねちゃいますよ。きっと。
でも本当に照れ屋ですよね。彼がここまで照れ屋じゃなかったらアメリアとの関係ももっと進んでたでしょうね。(それはそれで寂しいかも・・・・・)

>一途すぎて誤解しっぱなしのアメリアがかわいい〜。
私の中のアメリア像はこんな感じなもんで。
正義と決めたら突っ走っちゃうあの感覚で妄想も突っ走ってしまうと。

>それにゼル、普段は自分のこと以外は無関心ぽい人なのに、アメリアのために花を買うなんて・・・(涙)ゼルの意外な一面が見れました。
ゼルっぽくない?
でも、アニメのほうだと結構お人よしそうなので、こんなゼルもありじゃないかと思うのです。

またゼルアメを書いた折にはよろしくお願いします。
では、この辺で・・・・・


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2420夢の中で咲く花はミーナ 11/3-18:08
記事番号2290へのコメント

こんにちは。ミーナです。
早いもので「花束シリーズ」の第5段となりました。
今回もまたゼルアメです。
よろしければ、最後までお付き合いください。



「夢の中に咲く花は」

ここは雪に閉ざされた森。
空から粉雪が舞い落ちていくる。
それはふわふわと勝手気ままな動きをみせたり、
風に合わせて踊ってみせたりする。
そして、あたりの木々を白く飾り付け、地面に真っ白な絨毯を敷いた。
その絨毯の上には小さな人間の足跡が森の奥へと続いてる。
足跡の主は雪のように白い肌、石炭のように黒い髪と瞳、血のように赤い唇を持ち、巫女の簡略衣を身に付けた、アメリア・ウィル・テスラ・セイルーンその人だった。

ここはどこなのか。
どうしてこんなところを歩いているのか。
いったい何を目指しているのか。
アメリアは何もわからないまま、ただひたすら歩きつづけていた。
どうしても前に進まなければならないと心が訴えるから。

どれほど歩いたころであろうか、気が付くとアメリアの前には真っ白な野原が広がっていた。
その場所は先ほどの森中より彼女をいっそう不安な気持ちへと駆り立てていった。
だが、アメリアは歩みを止めることはしない。
ただひたすら前を目指して歩みを進めていた。
白い雪の絨毯を踏みしめる音が広い森に響き渡ると、世界に自分だけしかいないような気がしてくる。無意識のうちにアメリアはその細い腕できつく体を抱きしめ、少しでも心から不安をなくそうとしていた。

かさっ
何かが視界の隅で動いた。
うさぎ?それとも熊?
アメリアはよくよく目を凝らして、真っ白な雪をじっと見つめ、真っ白なマントを身に付けた、青黒い肌に銀色に輝く髪をした青年を発見した。
青年の名はゼルガディス・グレイワーズ。この少女の想い人である。
彼は何かを探してるらしく下を向いて、一心不乱に雪を見つめていた。

声をかけようとして、アメリアははたりとあることの気がつく。
自分もゼルガディスもこんな雪の中耐えられるはずもないほどの薄着でいること。
それなのに、寒さを感じないこと。
そして、この風景が昨日通った道に似ているということを。
『―― 夢 ――』
どうしてかは知らないが、アメリアは漠然とこれが正しいことを感じ取っていた。

アメリアの心の中からは先ほどまでの不安が消えていた。
ただ、それがゼルガディスを見かけたときからなのか、この世界が夢であると感じたときからなのかはわからなかったが。

「ゼルガディスさーん」
アメリアは声をかけながら、ぴょこぴょことゼルガディスに向かって走っていき、何かを取ろうと雪に手を伸ばしていたゼルガディスの背中に飛びついた。
「アメリアか」
ゼルガディスは自分の背中に張り付いているものを掴むとくるりと自分の腕の中に抱きこんだ。つまり、アメリアの背後からゼルガディスが覆う形になっている。
「寒かったろ」
ゼルガディスは後ろからアメリアの耳元にささやきかけ、自分のマントをアメリアにかけたのである。
この行為がこの世界が夢であるということをアメリアに確信させた。
夢でもない限りアメリアを腕の中に抱き込むなんてするはずがないし、
ましてこんな気障な行為をさらりとやり遂げたりはしないからである。
「大丈夫です。ところでゼルガディスさんはなにしてたんですか」
腕の中からゼルガディスの顔を見上げてアメリアは尋ねた。
どうやら彼女はこの甘い夢をしっかり謳歌する気でいるらしく、
軽くゼルガディスに寄りかかっている。
「ああ、こいつを探してたんだ」
「……スノードロップ……」


『おーいリナ 本当にこっちの道でいいのか』
『あたしが信じなさい ガウリイ』
『だが、おまえさんを信じると道に迷うんだよな』
『ちょっと、どういう意味よ(ジト目)』
『いや……なんでも………ところで、ゼルとアメリアは?』
『そーいえば……なんであの二人なんであんなに後ろにいるのよ。
 ゼル!アメリア!早くしなさい!』

『はぁはぁ ごめんなさいリナさん 探し物をしてまして』
『あんまり遅れんじゃないわよ。それより見つかったの?』
『いいえ』
『じゃあ戻って探したほうがいいんじゃないか』
『あっ 違いますガウリイさん。別に落としたわけじゃないんです』
『アメリアは花を探してたんだとさ』
『『花!!』』
『こんな雪山の中にそんなもんあるわけないじゃない』 
『それがあるんですよ。リナさん。スノードロップっていう花が。
 お正月前に見つけるといいことが起こるんですって』
『スノードロップか なんかうまそうだな』
『ガウリイ……あんた飴かなんかと勘違いしてるでしょ』


一茎にひとつ、釣鐘状の小さな白い花を下向きにつける花。
『希望』という意味を持った花。


「ほら受け取れ」
ゼルガディスはアメリアの手をとって、スノードロップを握らせた。
「ありがとうございます」
スノードロップの花よりもなお可愛らしいアメリアの微笑みに、
ゼルガディスは腕の中の少女を正面から抱きしめた。
そっと見上げてくるアメリアの視線がこの上なく心地よい。
「ゼルガディスさん……」
誘うように自分の名を呼ぶアメリアの声を聞きながら、
ゼルガディスはその顎に手をかけそっと上を向かせていった。
「アメリア」
名前を呼ばれた少女はそっと瞳を閉じ、ゼルガディスの次の動作を待っている。

そして………粉雪の舞い散る中二つの人影がそっとかさなっていく。

これは夢………甘くやさしい夢………
ゼルガディスの唇がやわらかいアメリアの唇をついばむように、
包み込むようにあわせられる。

そっと唇が離れていくとアメリアは切なげにゼルガディスを見上げ、
「もう一度……してください……」
普段なら決していえないそんなセリフ。
でも、これは夢だから……
夢だとわかっているから……
「アメリア」
ゼルガディスはちょっと驚いた表情をしたが、すぐにやさしく目を細め、
もう一度その唇をあわせた。

「……はぁっ………」
やさしく長いキスの合間にアメリアがため息をつく。
その切なげな声に駆り立てられるようにゼルガディスは舌を差し入れ、
窒息してしまいそうな激しいキスを与えつづけた。
アメリアは執拗に口内を弄られて、内側から自分がとかされていくような気がして、両腕でゼルガディスの体をしっかり抱きしめた。


………チュン…チュンチュン……
がぱっ
「おはよう。アメリア」
ベットには明るい光が注ぎこみ、目の前には身支度をしているリナが笑っていた。
「……? おはようございます。リナさん」
やはり先ほどまでのは夢だったらしい。
わかってはいたがそれでも少し残念だと思ってしまう。
アメリアはそっと唇にふれてみた。
今でも唇に残ってるやさしい感触。
夢だとわかっていたのに、夢だったのにとってもリアルだったあのキス……
「アメリア 何ぼーとしてんの。早く着替えちゃいなさい」
「あっ はい」
「……ん?枕もとにあいてあるそれ何」
リナにいわれて枕もとを見てみると白いかわいらしい花がちょこんと置いてある。 
?あれ?
「これ……スノードロップですよ」
「スノードロップ って昨日あんたが言っていた雪の中に咲く花だっけ」
「そうです。でも、どうしてこんなとこに?」
あれは夢……やさしく甘美な夢………
じゃあ、これは?
「まぁ、とにかく早く準備しなさいよ」
リナは興味なさそうにいって、自慢の長い栗色の髪のブラッシングをはじめた。
しばらくの間スノードロップをまじまじと見つめていたアメリアは、急に立ち上がると大きく背伸びをした。
まっ いっか
悩んでも解決しそうにはないのだから。
アメリアはスノードロップを荷物の中にしまうと、急いで身支度をはじめだした。

『今日は一日いいことがありそうです!!』

                           END


(あとがき)
またまたゼルアメです。今回のテーマは積極的なゼルと誘うアメリアです。どこが?って声が聞こえてきそうですが。気持ち的にはそうなのです。さて、今回の花、スノードロップの花言葉は『希望』『慰め』『恋の最初のまなざし』です。スコットランドではお正月がくる前にこの花を見つたら、翌年の幸せが約束されるといわれています。それでは、ここまでお付き合いありがとうございました。感想などいただけると幸いです。では……


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2426Re:夢の中で咲く花は松苗 潤 11/5-17:09
記事番号2420へのコメント

 こんにちは〜〜〜。
 また作品読ませていただきました。はぁ・・・。
 いいですね・・・キスシーン・・・(笑)
 堪能させていただきましたよ(笑)いつもこのくら積極的だったら
 いいんですけどねぇ・・・ゼル・・・(笑)
 また次回作を楽しみにしています♪ではでは〜〜〜♪