◆−白紙の存在意義 (8)−amy(10/26-21:26)No.2379
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2379白紙の存在意義 (8)amy E-mail 10/26-21:26



 淋しい。
 少なからず、彼女はそう思ったに違いない。
 全ての者の母でありながら、全ての者を育みし者に取られたのだから。
 人間達も、動物達も、はては植物達も、、、、、、。
 彼女の存在すらも認識せず、必要としなくなっている。
 そして、、、、、魔族は人間に似てきてしまったのだ。





「こんな風に人間のように暮らして、、、、、。
        お前達魔族は本当に楽しいのか?」
「ええまあ、僕は慣れていますし。」
「まあまあだな。」
 ゼルの質問に、二人(二匹?)はさらりと答える。
(これでいいのか魔族っ!!)
 ついついゼルはそんなことを思ってしまう。
「このままでは、お前達。
    いつまで経っても魔族に戻れんぞ。」
「そう言われましてもねえ。」
「なんとか出来るならとっくにしているぞ、キメラよ。」
 ずずっ、、、とお茶を飲み干しながらゼラスはつぶやく。
 それにゼルは肩の力を落とした。
「親子(?)そろって人間クサイな、、、、、」
 そのゼルのセリフに、ゼラスがピクリと肩を震わせる。
 ゼロスは慌てた。
「そおおんなことないですよおお!!
     僕も獣王様も魔族らしくってしょうがないと言いますか、、、、」
 あんまり意味のないフォローに、ゼラスは思わず深い溜め息をついた。





「ゼラス=メタリオムは?」
「神官と同行し、アストラルの外へ行ってしまったようです。」
 ロード・オブ・ナイトメアの質問に、ルビー・アイは答えた。
 それは驚きを微かに含んでいる。
「そうか。」
 失態を咎めない自分の主に、ルビー・アイはまたまた顔を驚愕の色に染めた。


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 お久しぶりでーす!amyです!!
   学校の行事などが忙しく、ずっとご無沙汰してました!
  ご心配おかけしてすみません!!

  まだ行事が残っているのでゆっくり更新だとは思いますが、
    最期まで見捨てずに読んでいってくださいね。


 もっと書きたいのですが、、、、


       時間がありませんので、、、、。



              amyより

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2413白紙の存在意義 (9)amy E-mail 11/2-22:19
記事番号2379へのコメント

 
 ざざっ!
 
 草を掻き分けて走る音がする。
 荒い息と足の運び。
 そして時々、草を踏むせいか汁の出る音もする。
 それは一人の男だった。
 疲労が色濃く顔に出ている。
 全身汗まみれで、足も段々ともつれ始めていた。
 白い服には緑色の草の汁がたっぷり付着している。
 誰かに追われているのだろうか?
 男の瞳にはただただ恐怖でいっぱいだ。
「はあっ、、、、はあっ、、、、。」
 突然立ち止まり、男は肩で息をした。
 膝に手をつき、頭ももたげる。
 時々ちらりと後ろを振り向き、追っての有無を確認する。
「、、、、、、、、、。」
 誰も追ってきていないのを知り、男は安堵の息を洩らすとその場に座り込ん
だ。背もたれ代わりの木に全体重を委ねる。
「、、、、一体、、、、なんだってんだ。」
 しばらく後、男はポツリとそうつぶやいた。






「取り逃がした?」
「はい、、、すみません、、、、。」
 ゼラスのキツイ口調に、ゼロスはただただ頭を下げる。
 それをゼルは冷ややかに眺めていた。
「人間風情を見失ったというのか?」
「だって、僕は魔力を封印したから力が、、、、、」
「言い訳は聞かん!」
 一際大きな声に、ゼロスはびくっと体を震わせる。
「あいつは殺せと言っただろうがっ!!」
「ですが、、、操られてただけですし、、、、、」
 直も食い下がるゼロスを一瞥すると、ゼラスは大きく息を吐いた。
「そうだな。あの人間は正気に戻っていた。」
「はい。」
「操られていた間の記憶もない。」
「そうです。」
 こくこく頷くただの首フリ人形となったゼロス。
「っっっっの馬鹿者っ!!
       だからまた利用される可能性が高いのだろうがっっ!!」
 ゼラスの言葉に、ゼロスはうる目になる。
「、、、、、もおいいだろう。獣王?」
 以外な助け船はゼルだった。
「いくら魔力を封じたとはいえ、人間にやられることはあるまい?
             第一、殺したら殺したで後々面倒だぞ?」
「だが、我々はこの先どうなるかも知れん身なのだ。
         こういう場合に不安要素を残すのは喜べん!!」
 ゼルの言葉に、むすっとしてゼラスが答える。
 ゼルはやれやれと肩をすくめた。
「確か、、、、名前は、、、、、ガルスだったか?」
「はい、神官、、、、だそうです。」
 ゼルの質問に、ゼロスは小さく答える。
「ああ、だから白い服を着ていたのか。」
 ゼルはふむふむと頷いた。






「まだ、見つからない、、、、、と?」
「、、、、はい。」
 ルビー・アイがうやうやしく頭を下げる。
 目の前の金髪の女性は、ルビー・アイにキツイ眼差しを注いだ。
「草の根分けてでも見つけだすのだ。
      きちんと混沌に還すことも忘れるな。」
 憎悪と軽蔑にも似た眼差しで言い放たれ、ルビー・アイは硬直する。
「、、、分かって、、、、います。」
 たどたどしいその口調は、彼女を苛立たせただろうか?
 ルビー・アイはそのことばかり考えていた。



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  うう、、、時間がない、、、、。

  今回もこの辺で、、、、、。


         amy

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2469白紙の存在意義 (10)amy E-mail 11/13-21:53
記事番号2413へのコメント


「ガルス、という男を知らないか?神官だ。」
「ガルスう?さてねー。
   そんなありふれた名前じゃあちょっとね。
    それに、ここの街じゃあ神官ってポピュラーな仕事だし、、、、」
 白ずくめの男の質問に、宿屋の主は答えた。
 ここには大きな神殿はない。
 それも、小さな神殿に祭ってあるのはスイフィードではないのだ。
 そのスイフィードの分身、水龍王を祭っている。
 しかし、それでもこの街は熱狂的な信者が多いらしく、巫女や神官になりたが
る輩は後を立たない。
 勿論、大神官だのなんだのは人数が限られる為誰でもなれるわけではないが、、、。
 ただ、巫女や神官に関しての規定テストは他の国よりも甘い。
 まさに来る者拒まずである。
 巫女や神官が多いイコール患者が多く来るのだ。
 他にこれといってなんの魅力も持たないこの国にはそれが都合良かった。
「白い服を着ているらしい。」
「あんたのようにかい?
    まあ、巫女や神官は大抵そんな服装だよ。
             あんたも神官か何かかい?」
「いや。」
 ゼルは首を振る、それを見て、宿屋の主人は目を細めた。
「何だ?弟子入りかね?
   でもダメだよう。あの神殿に顔を隠してくと入れてもらえないよ。」
「いや、もういい。」
 触れてほしくない話題になり、ゼルは早々と宿を出ようとする。
「ちょっと待ちなよ。
   あんた幾つくらいだい?声から聞くと随分若そうだね。
               何で旅なんかしてるんだい?」
 日頃退屈な時間を過ごしている主人が好奇心で聞いてくる。
 ゼルはそれを鬱陶しそうに見てから。
「182才。」
 一言言って、立ち去って行く。
 後ろには硬直する主人の姿があった。





「あっははあははははは!!!」
「うるさいぞ。」
 戻ると、そこには笑い転げるゼロスの姿。
「ゼルガディスさんも人が悪いですねえ!
     何もブロウ・デーモンの方の年令で、、くう、苦しいっ!」
「いつまでも笑ってるんじゃない!」
 むっとして、ゼルはゼロスを叱責した。
「大体、なんで俺が聞き込みなど!!」
「だって、僕がいったらガルスさんに見つかっちゃったりするかもしれないですよ?」
「姿変えて行ってこい。」
 憮然として言うゼル。
 どうやら機嫌を損ねたらしい。
「すみませんって、ゼラス様みたいな口調で言わないで下さいよ。」
「ふん、さっさと次に行くぞ。」
 言ってくるりと体を回す。
「はあ〜い」
 ゼロスはそれに着いて行った。




「ガルス?ああ、丁度見かけたよ。
    あっちの角を右に、ついさき。追いかけてみな。」
 屋台のおじさんに言われ、ゼルはそちらへ走り出す。
 途中のカフェでのんびりお茶していた所のゼロスの首根っこを掴んでまた
走り出す。
「あ、食い逃げになっちゃう。」
「後で貴様が払え!!」
 手にカップを持ったままで言うゼロスに、ゼルは叱責する。
 さっとゼルは角を曲がり、、、、
「ゼルガディスさんっ!そこっ!」
 ゼロスの声に振り向けば、確かにそこに白ずくめの男がいた。



         続く