◆−Missing parts<1>−桜牙(11/13-05:29)No.2466
 ┣Missing parts<2>−桜牙(11/13-05:31)No.2467
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 ┣Missing parts<4>−桜牙(11/17-02:26)No.2478
 ┣Missing parts<5>−桜牙(11/17-02:29)No.2479
 ┣Missing parts<6>−桜牙(11/17-02:32)No.2480
 ┣Missing parts<7>−桜牙(11/19-03:25)No.2484
 ┗お姉ちゃんになった日−桜牙(11/19-06:57)No.2485


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2466Missing parts<1>桜牙 E-mail URL11/13-05:29


うわ〜、ここに来るのは久しぶりかも♪
こんにちわ、桜牙です。
今回はゼロリナのなっが〜い(私にとっては)話を載せます。
よろしければ読んでください。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
最近はめっきり寒くなって、秋なんだなぁと思うときがある。
この前までは暑かったはずなのに気づくともう肌寒くなっていた。
きづかなくても時は規則正しく流れているようだ。
そういえば、この季節になるとなぜか思い出したいのに思い出せない事がある。
いつもは全く覚えていないのに、色が落ち始めた木々を見るとなぜかふっと頭をよぎるあの景色。
あたり一面に広がった紅葉。
その中にぽつんと建つ小さな小屋。
そこでいつも迎えてくれた男の人。
あたしより背が高くて・・・・・たぶん黒い髪だと思う。
髪は長くなかったかな。
顔は・・・・・わからない。
ぼや〜っとしたシルエットしか思い出せない。
思い出したいのに思い出せない。
あの人は誰?
あたしの何なんだろう?

「ねぇ、ゼロス?」
あたしはなぜか隣を一緒に歩くゼロスに声をかける。
『なぜか』をつけたのは、あたしが一人出歩いていたらいつのまにか隣にいたからだ。
心臓に悪いからもう少し登場の仕方を考えて欲しい・・・・。
「なんですか?」
「な〜んで、毎日毎日現れるの?」
「いいじゃないですか、べつに」
「何その言い方?用があるならさっさと言ってよ」
「う〜ん、用はあるんですけど今はまだ言えません」
いつも通り人差し指を口に持っていって決めポーズ。
こいつがそのポーズをしたときは何を言っても教えてくれない。
一体何を隠してるんだか・・・・・・。
「ねぇ、リナさん。何か思い出しません?」
「は?」
「・・・・・そうですか」
ゼロスの顔が曇った。
それはと〜っても珍しい事だった。
いつもにこにこしていて表情のないやつなのに、こんな顔するなんて。
・・・・給料減ったのかなぁ?
「そういえば!!ねぇ、ゼロス♪」
「なんですか?」
「あたし、今日19才の誕生日なの!!なんかちょうだい♪」
「え〜?あげるものなんてありませんよぉ」
やっぱり給料減ったのねぇ、いつもサボってるから・・・・・・。
勝手にそう思いこみ、心の中でざまぁみろと付け足した。
だってそうでしょ?最近ず〜っとあたしに付きまとってるんだから!!
「しょうがないわね、盗賊いじめてくるから手伝って。それでチャラにしてあげる」
「ちゃらって、そんなぁ・・・・・・・」
そういうわけで、あたし達は森へと向かった。

今日が期限の日。
なのにリナさんは思い出してくれません。もうだめなんでしょうかね・・・・・・・。
もし思い出してくれなかったら、僕はもうあなたの敵です。
そう、ず〜っとね・・・・・。
僕は盗賊を倒しながらも、感傷に浸っていました。
魔族の僕が感傷に浸るのはおかしいとも思いますが、創造主はあのゼラス様ですからねぇ。
どこか普通の魔族とは違うのでしょう。
「・・・・・はぁ、どうしたものでしょう」
横目で盗賊をふっ飛ばしているリナさんを見ながら、僕は大きく息を吐いた。
あの日もこんな森の中でしたっけ。
季節も一緒。
ちょうど葉が紅くなり始めで、風が少し冷たい秋。
今からちょうど5年前、リナさんが14才の頃でしたよね。
あのころの事ははっきりと思い出すことが出来ます。

ゼラス様と喧嘩して家出していた僕は森の中の小さな小屋に住んでいました。
何もないところなのでお腹も空きましたが遭難者を殺して細々と暮らしていた僕。
あの日も僕は餌食を探して森の中を歩いていました。
そこで倒れている少女を一人見つけました。
格好からするとおそらく魔道士。
年は11,2才かと思っていましたが後から本人に聞いたところ14才でした。
気を失っていては食事にならないので、僕は小屋につれて帰って目を覚ますのを待ちました。
怪我もしていなかったし、息もしっかりしていたのですぐ目を覚ますかと思ったのですが・・・・・・。
その子はなかなか起きてくれませんでした。
そして一週間後、や〜っと目が覚めた少女の第一声は・・・・・・・。
「え!?ここどこ?・・・っていうか、あたし誰だっけ?」
ずべっ!
思わず僕はこけました。
なんてものを拾ってしまったんでしょう・・・・・・・。
「お兄さん大丈夫?」
心配そうに駆け寄ってきた少女に、僕はいつもの微笑で言った。
「大丈夫ですよ、おどろいただけです」
「そっか、聞きたいんだけどあたしって誰?」
「さぁ・・・・僕は森の中で見つけただけなのでなんとも・・・・・」
「じゃ、お兄さんは誰?」
強い意思を持った紅い瞳に僕は戸惑いました。
それでもとりあえず名前は教えます。
「僕はゼロスといいます。あなたは・・・・名前ぐらいはわかります?」
「う〜ん、たしか・・・・・・リナだか・・・ルナだか・・・・・そんな名前よ」
栗色の髪に紅い瞳のルナ?
たしかスィーフィードナイトの特徴がそうでしたよねぇ。
1回しか会った事ないので何ともいえませんが、この子と似てるような・・・・・・。
妹さんはリナって名前だった気がしますけどまさかこの少女が!?
う〜ん、世間は狭いですねぇ。
「ゼロス?いきなり黙っちゃってどうしたの??」
「あぁ、すいません。もしかしたらあなたは知り合いの妹かもしれませんよ」
「え?」
「そうだったら、名前はリナ=インバース。年は・・・・・・見た目からすると11才か12才ですかね」
「あたしは14よ!!」
「・・・・・年は覚えてるんですか」
妙に疲れる、と思いました。
ペースを崩されるというかなんというか・・・・。
今までに会った事のないタイプの人間だったんです。
「ねぇ、思い出すまでしばらくここにいてもいいかな」
はっきり言って嫌でした。
「え・・と・・それは・・・・・」
「こんな寒空の中いたいけな少女を放っておくなんてしないわよねぇ?」
「いや、それでも僕は構いませんが?」
「うっわ〜、ひど〜い。それじゃかわいそうだとか思わないの??」
そんなこといわれても僕は魔族ですしねぇ・・・・。
それを言うか言わないか迷いました。
おそらくこの子はスィーフィードナイトの妹でしょう。
そうなると手なずけておけば後々役立つかもしれない、と思ったんです。
「・・・・わかりました。いてもいいですけど、食料とかは自分で取って来てくださいね?」
「OK♪それじゃ、よろしくゼロス」
「よろしくお願いします、え〜っと・・・・リナさんでいいですか?」
「なんでもいいわよ、名前なんて」
「じゃ、リナさんとお呼びします」
「うん、わかった」
こうして僕達の生活が始まりました。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
あはは、リナちゃんは今回14才なんですよ。
現在よりはちょっぴり素直でこどもっぽくしてみました♪

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2467Missing parts<2>桜牙 E-mail URL11/13-05:31
記事番号2466へのコメント

続きです♪
ゼロス君とリナちゃんの生活はいかに!?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
僕達が一緒に暮らす事になった次の日、さっそくリナさんは問題を起こしてくれました・・・・・。
リナさんは朝早く起きると、いきなり僕の所にやってきてこういったんです。
「服がない」
そんなこと言われても僕には服のかえなんていりませんから小屋には一着もありませんでした。
そこで僕は正直にないと言ったんです。
「すいませんがここには服なんてないですよ?」
「え〜!!!じゃあ、ゼロスは服着替えてないの!?」
リナさんはいかにも汚いと言ったような顔で1歩下がりました。
人間ごときにそんな事をいわれて少し腹が立った僕は瘴気を抑えるのを緩めたんです。
こうすればこのうるさい少女が近寄らなくなると思ってのことなんですが・・・・・・。
いやぁ、若気のいたりですね。
─――――ブワッ・・・・・ッパーン!!
僕を中心に風が舞い、小屋のガラスはことごとく壊れていきます。
リナさんは驚いた様子でそれを見ていました。
驚きのあまりに何もいえなかったんでしょうね。
そのころのリナさんは魔族に狙われていませんでしたからねぇ。
「少し静かに出来ませんか?それにリナさんの服なんて僕には関係ない事でしょう」
リナさんは黙ったまま僕をじっと見つめていました。
少しやりすぎましたか、と思った僕はしかたなくにっこりと微笑みました。
「ガラスは当たっていませんね?さて、片付けないと」
優しくそういってガラスを片付け始めた僕。
しかしリナさんは一向に動く気配も見せず、下を向いていました。
「ガラスが当たってしまいしましたか?」
「・・・・・よ・・・」
「よ?」
「・・・ったく!!なんなのよ!!」
リナさんはいきなり僕の方を見たかと思えば右手を振りあげ・・・・・
バシッ!!
はじめて人間に叩かれました。
この僕がですよ?
まぁ、痛くはなかったんですけどね。
「あたしは服のことを聞いただけでしょう?なんでこんな目にあわなきゃいけないわけ??」
「・・・・・・・今、僕のこと叩きましたよねぇ?」
「だから何?あんたはあたしに向かって凄い風を起こしてガラスを割ったでしょう?」
「ほぉ・・・・おあいこだとでもいいたいのですか?」
「あら、もう少し痛めつけてもよかったけど?」
そのとき僕は殺してしまおうかと思いました。
それぐらい不愉快だったんです。
リナさんはずっと強い光をたたえた紅い瞳で僕を睨んでいましたし、何よりその瞳が嫌だったんですよ。
「あなたはなにか勘違いをなさっているようですねぇ」
「それはあんたでしょう?」
「なぜ僕なんですか?」
「ゼロス、あんた魔族でしょ?それをあたしは知らないと思ってない?」
「なんだ、知ってたんですか。それなら話は早い、あなたの立場はわかっているでしょう」
「くすっ、あんたがどれだけ高位の魔族かはよくわかんないけどあたしは負けないわ」
そう言ってリナさんは不敵に笑いました。
「たかが14になったばかりの人間に何が出来ますか?」
「あたしを普通の人間と思わないことね」
「知ってますよ、スィーフィードナイトの妹でしょう?それがどうかしましたか?」
「そっか、知ってたんだね。それであたしを殺さずにいたわけか」
「他に殺さない理由なんてあります?ないでしょう」
「まぁね、でもそのことじゃないわ」
「他にも何かあるんですか?」
「ねぇ、あたしが姉ちゃんのこと覚えてるってことはどう言う事だと思う?」
「・・・・なっ・・・記憶をとりもどしたんですか」
「そう言う事♪朝起きたら誰もいないし仕方なく2度寝しようと思ってたらあんたが宙からわいて出たのよ」
「それで僕が魔族だとわかったわけですね」
僕が出かけていたのは朝の3時でした。
そんな時間に目が覚めるなんて思いもしませんでしたから気をつけていなかったんです。
「それでちょっとかまかけたのよ」
「それに引っかかったわけですか、僕が」
「そう、それと♪記憶が戻ったからには呪文もばっちり思い出したわよ」
「呪文?どうせ僕には効きませんよ」
「そうかしら?あたしが知ってる中で1番強い呪文ならあなたにも効くわ、絶対にね」
「・・・・絶対?」
いまにしてみればそれはギガスレイブの事だったんでしょうね。
確かにあれなら僕にも効くでしょう。
もっとも、いまのリナさんは使いませんけど。
その頃の僕はそんな事全く知りませんでしたから戯言だと思ってました。
でも、僕にそんな口をきいたのはリナさんが初めてだったのでおもしろかったんです。
「絶対に、よ♪」
「それではどうします?試してみますか?」
「やだ」
ずべしっ!!
そこでそう言われると思わなかった僕はガラスの散らばった床に・・・・・・・・・。
「あ〜あ、顔中にガラスが刺さってるわよ?ま、大丈夫でしょ」
「痛くはありませんけどね・・・・・・」
「それじゃ、あたし自分の食料とってくるわ」
「ま、待ってください・・・・・・。僕が魔族だとわかって、しかもあなたの記憶が戻ったのに?」
「わるいけどしばらくあんたと一緒に暮らすわよ」
「僕は嫌なんですけど」
「魔族に人権はないわ!!」
リナさんはきっぱり言いました。
たしかに人じゃないですから人権はないですけど・・・・・・・。
「僕があなたを殺すといっても?」
「あたしを殺していいなんて上から命令されてないでしょう?」
「殺しちゃいけないともいわれてませんが?」
「ふ〜ん、あたしを殺したらスィーフィードナイトが出てくるかもしれないわよ?」
「・・・・・・わかりました。確かにいまはあの人と揉め事は起こしたくないですからね」
「じゃっ、いってきま〜す」
「・・・・・はぁ・・・・・・」
大きくため息を吐いた僕はがっくりと肩を落としました。
これから先のことを考えると、どうしても面倒な事になる気がしたんです。
それは僕が思っているよりも面倒な事になっていくとは思いませんでしたけどね。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
あはは、まだつづくんですねぇ・・・・・・・・。

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2468Missing parts<3>桜牙 E-mail URL11/13-05:35
記事番号2466へのコメント
すこ〜し、ゼロスの魔族らしいところがだせたかなぁこの回は。
リナはあいかわらずですけど・・・・・・。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
リナさんに素性がばれてしまった以上何もする事がなくなってしまった僕は、ただぼけ〜っとしていました。
しかたないですよね、せっかく裏でこそこそと調べたり用意したものが全て無駄になってしまったのですから。
それからどれぐらい経ったのでしょうか、少し遠くから聞えてきた爆音で僕ははっと正気に戻りました。
「・・・・・・まさかと思いますがリナさんじゃ・・・・」
いや〜な不安を胸に現場と思われるところへ跳ぶと、案の定リナさんがいました。
腰に手を当て不敵な笑みを浮かべる彼女の前には倒れたごろつきの山、山、山・・・・。
どうしてこうリナさんは昔からあぁなんでしょうかねぇ・・・・。
僕は木の上でリナさんの様子を見ていました。
実はリナさんの少し後ろにまだ残党がいたんです。
それは3人でしたが、気配を隠すのが得意らしくリナさんは気づいていませんでした。
「どうするんでしょうねぇ、彼女は・・・・くすっ」
3人は僕の思惑通りリナさんの3メートル近くまで近寄りました。
一方リナさんは両腕の中のお宝に瞳を輝かせています。
「おやおや、やはり大口叩いても少女は少女ですねぇ。油断しすぎですよ、リナさん」
木の上で僕はくすくすと笑いながら様子を見守るだけ。
かなり離れているのでリナさんに気づかれる事はありませんでした。
もちろん残党達にも気づかれていません。
リナさんはお宝に、残党はリナさんしか目に入っていませんからね。
「ぶつぶつうるさいわよ、ゼロス!!そんでもって後ろの残党さん?そんなにゆっくりじゃあたしは倒せないわよ?」
「・・・・・なっ・・・・エルフ並ですね・・・・耳がよすぎですよ」
「場所が場所だからでしょ?何もないところじゃ声は通っちゃうのよ・・・・ドラグスレイブ!!」
「え!?うっわ〜、ひでぇぞ!!そっちと話してたんじゃ・・・・・・うぐっ・・・・はぅ・・」
「あ、あにき!!・・・・お・・おれも・・・・はぅ・・・・」
「・・・・・・ばたん・・・・・」
「あ〜あ、残党さんもかわいそうに・・・・」
「そんなことこれっぽっちも思ってないくせに」
「はっはっは、気にしちゃいけませんよ」
ちっちっちと指を振ると、僕はリナさんの元へ跳びました。
一瞬リナさんは面食らったようでしたがすぐににやっとした笑いに変わりました。
「どうしたんですか?にやにやして」
「いや、べっつに〜?」
「ま。いいですけどね。僕は先に帰ってますよ、それじゃ」
「え?待ってよ!!あ〜!!ずるい!!」
ぎゃあぎゃあわめくリナさんを置いて僕は先に小屋へ戻りました。
心なしかいつもより体が軽かった気がします。
それと、毎年嫌になる紅葉があの時は少しだけ綺麗に見えました。
僕は魔族なんですけどねぇ・・・?
くすっと微笑んで小屋に入ると、入ってすぐ目の前にあるテーブルの椅子に腰掛けました。
もちろんドアの真正面になるように座って、リナさんの帰りを待つのです。
これはこのあと習慣となり、僕の1番楽しい時間となります。
ドアをあけて入ってくるリナさんの表情を考えてると、時間なんてあっという間に過ぎ去るのです。
そしてリナさんが勢いよくドアをあけ「ただいま」と言い、それに僕が「おかえりなさい」と返す。
たったそれだけのことなのに、僕はあの瞬間がたまらなく好きでした─――――。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ふ――――っ、やはり長いですねぇ。
読んでてつかれますか?
あはは、すいません(^^;
もう少し付き合ってくださいね。
コメントなども頂けるとうれしいです♪

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2478Missing parts<4>桜牙 E-mail URL11/17-02:26
記事番号2466へのコメント

え〜っと、続きです。
だ〜んだんわけのわからない話になっているようなきが・・・・・・・・・。
いや!!きのせいよ、きっと!!・・・・・おそらく・・・。
飴玉もそろそろ終わらせないといけないのになぜ他の話を書いてるんだろ・・・(^^;
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――「ただいま〜、ゼロス」
「今日も大量ですねぇ、食料だけじゃなくお宝も♪」
これで十何日目になるでしょうか、その日も僕は椅子に座ってお茶でも飲みながらリナさんの帰りを待っていました。
いつも通りの時間に帰って来たリナさんはやはり両手に大きな袋を持って満面の笑みでした。
中にはお宝8割・食料2割というところでしょう。
はじめの頃は食料が8割だったのですが、残りは貯めておいたのでそれほど取りに行かなくてもいいほどありました。
まぁ、そこはリナさんですからいくらあってもたりないんですけどね・・・・・・・。
「リナさん、夕食が終わったら散歩にでも行きませんか?」
なんとなく散歩をしたいと思った僕は、わき目も振らずがつがつ食べているリナさんを誘ってみました。
初めは僕に気づいていないのか全く返事をしてくれませんでした・・・・・。
しかし少しするともうそろそろ紅葉の季節も終りだったからか、リナさんは首を縦に振ってくれました。
ぱくぱくぱく!!!
じ――――――――っ・・・・・・
ぱくぱくぱくぱく!!!
じ――――――――――――っ・・・・・
ぱくぱくぱくぱくぱく!!!
更にじ――――――――――――――っ・・・・・・
リナさんの額に青筋が!?
「・・・・そんなにじっとみないでくれる?」
「今更照れなくてもいいじゃないですかぁ、僕とリナさんの仲ですし」
ひゅ〜んっ――――ずぼっ!!びよよ〜ん・・・・・・
リナさんの手から飛んだフォークは僕の頬をかすめてそのまま壁に刺さりました。
案の定リナさんの目はすわっています・・・・・・・・。
「ゼロス、何か言ったかしら?」
「べつにいいです・・・・・・・」
実際は本当に仲がいいわけではないのですが、僕がリナさんを気に入っているのは確かでした。
出来ればこのままずっと一緒にいてもいいなとも思っていました。
リナさんがそのときどう思っていたのかは知りませんけどね。
今もそうですけど、あのころはもっと照れ屋さんだったんですよ。
それはもうおもしろいぐらいに。
あの頃にからかいすぎたから免疫でも出来ちゃったんでしょうかねぇ。
「なにボーっとしてるのよ、散歩に行くんでしょう?」
気づくとリナさんはすでに食べ終わっていて、用意も終わっていました。
僕は特に用意はないのでさっそく僕らは少し肌寒い夜の森へと出かけました。
この少し後で大変な事が起ったのです。
未来を左右するほど大きな出来事でした・・・・・・・。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
次回!散歩に出かけた二人の前にルビーアイ様が!!・・・・んなわけないか。
あはは、嘘です(^^;


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2479Missing parts<5>桜牙 E-mail URL11/17-02:29
記事番号2466へのコメント

続き♪続き♪
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――夕食を終え散歩を始めた僕ら。
僕としては紅葉を楽しみつつ、少しお喋りでも、と思っていたのです。
が、歩き始めたとたんにリナさんの質問攻めにあいました・・・・・。
さすがに魔道士をやっているだけあって普通の方よりは理解をしてくれるのですが、やはり無理な所もありました。
初めの質問は魔族とは何なのか、だったと思います。
「魔族ってなんなの?」
よほど興味があるのか、目を輝かせて僕に聞いてきました。
お得意のそれは秘密ですを使おうかとも思いましたが、なぜかリナさんには話したかったのです。
とりあえず簡単に説明しました。
「僕らは無を求める者です」
「・・・無??」
「貴方方人間は僕らを滅びを撒き散らす者だと思っているようですが、それは無に還す為に行われた結果なのです」
「ん〜、確かに無に還すには滅ぼさないといけないわよね」
「でしょう?」
「でも、それならあんたらだけで勝手に滅んでればいいじゃない」
「それでは意味がないんですよ。僕らだけが無になるのではなく全体を無にするのです」
「よくわかんないわね」
「リナさんは人間ですから」
僕は苦笑を交えてそう言いました。
そしてリナさんは難しい顔をして真剣に悩んでいるようでした。
が、すぐに今の問いはあきらめて次を聞いてきます。
「じゃあさ、魔族って感情とかある?上からの命令って絶対なんでしょう?感情があったら邪魔じゃない?」
「・・・感情・・・ですか・・・・」
確かに魔族にも感情のようなものはありますが、人間と同じかどうかはわかりませんでした。
そんな事考えた事もなかったですし、考える必要もなかったですからね。
とりあえず僕がわかることだけ話しました。
「人間と同じではないと思いますがありますよ」
「邪魔にならないの?」
「いえ、感情よりも命令の方が優先順位が高いんですよ」
「ふ〜ん、たいへんなのねぇ」
「そうですね、上の命令がどうしてもいやでも実行しなければいけませんからね」
「嫌な命令なんてあるの?」
「ありますよ、例えば気に入っていた場所や物を壊さなきゃいけないとか・・・・・殺さなきゃいけないとかね」
「魔族が気に入るなんてことあるの?」
「たまにですけどね、僕達は珍しい物が好きなんですよ」
「珍しい物、ねぇ・・・・」
「リナさんのことも結構気に入ってますよ。こんな人間いませんからね♪」
「なっ、魔族なんかに気に入られてもうれしくないわよ!!」
慌てた様子のリナさん。
僕を置いてさっさと早足で歩いていってしまいました。
「まってくださいよ、リナさん」
「あんたが遅いんでしょう、早く来なさいよ」
「いいんですね?」
「は?」
僕は確認を取ると、リナさんの目の前まで空間を渡りました。
リナさんは早足で歩いていた事もあって急には止まれず、僕にぶつかって2,3歩後ろに下がりました。
「うきゃ〜!!いきなり現れないでよ」
「早く来なさいって言ったのはリナさんじゃないですか」
「そういう意味じゃなってば」
「はっはっは、気づきませんでした」
「・・・・もういい・・・・。次の質問するわ」
「いいですよ」
「ゼロスはいつまであたしといるの?」
ピタッ─―――
僕は歩くのを忘れ止まってしまいました。
ここでようやく思い出したのです。
僕とリナさんはいつまでも一緒にいられるわけではないと言う事に・・・・・。
僕を飽きさせる事のないリナさんと一緒に生活した時間は、永遠に続くような錯覚を生み出していたのです。
しかし、そんな事は無理に決まっています。
僕は魔族でリナさんは人間なのですから・・・・・・・・・・。
無を望む者と有を望む者。
僕らは相反する存在。
常に反対側にあり、重なることの許されぬ光と闇―――――――あれ?
なぜ僕はリナさんと一緒にいることを望むのでしょう。
なぜ一緒にいられないことに落胆するのでしょう。
なぜ?・・・・・何故?・・・・・ナゼ?
その時の僕の中は混乱だけでした・・・・・・・。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・・・・ゼロス君がち〜っとも魔族っぽくないですねぇ。
なんでだぁぁああああ!!!

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2480Missing parts<6>桜牙 E-mail URL11/17-02:32
記事番号2466へのコメント

あとちょっと〜!!
この話ともう1話で完成です。
わたしにしたらめっちゃながかったんです・・・・・・・。
どうぞ読んでください♪
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――その時の事を僕はあまり覚えていません。
確かリナさんが僕の顔を不思議そうに見つめて・・・・・・・・・え〜っと・・・・・。
どうしたんでしたっけ??
え、あ、ちょっと待ってて下さいね!!今すぐに思い出しますから!!!
先ほどから少し頭がぼんやりしてるんですよ。
仕事がきつかったんでしょうかね。
え〜っと・・・僕は悩んでいて・・・・頭の中がグルグルしていたんですよねぇ。
そして・・・・リナさんが近寄ってきて・・・・・・ん?・・・あれ?覚えてない!?
そんなさっきまで覚えていたはずです!!
・・・・最初から整理してみましょう。
僕はリナさんと5年前に出会っていました。そして強引に一緒に暮らす事になりました。
そして・・・・あ・・・れ?
僕の記憶が薄くなってません?おかしいですよねぇ・・・・・・。
僕がリナさんと何かの約束をしたのは覚えているんですがあとが・・・・・。
あ・・・僕の奥底から何かがぬけて出ていってる感じがします。
なぜ?時間はもう少しあるはずです!!
いやです!!なぜ僕の中から記憶が抜けるんですか!!
いやだ・・・いやだ・・・・・・・あとちょっとなんです・・・・もう少しで!!
あぁ!!・・・や・・・やめてください・・僕から・・・・とら・・・ないで・・・・・・

―――――Time out――――――

「ゼロス〜、ゼロスってば!!起きなさいよ!!魔族のくせに寝るんじゃない!!」
すぱこ〜んっ!!
紅葉の時期も終わりにさしかかり、空気がひんやりとしている今日はスリッパの音がよく響く。
「あぁ・・・いい響き・・・・・・」
思わずリナもスリッパを握り締めて余韻に浸る。
一方はたかれた張本人はようやくお目覚めのご様子。
ゆっくりと起きあがり頭を左右に2,3度軽く振ると目をパチパチと瞬かせた。
「どしたの?」
気を使っている振りをしながらリナはちらりと自分ではたいた部分を確認する。
どうやらスリッパのせいではないらしい。
当たり前の事だが傷1つついていない。
「ねぇ、リナさん。僕って一体何してたんでしたっけ?」
「魔族のくせに寝てたのよ」
「寝る前は何してました?」
「それがあたしもよくわからないのよ」
「は?」
「気づいたら寝てたのよ、あたしも」
「それですぐ僕を起こしたんですか?」
「えぇ、ゼロスの仕業かと思ったから起こしたんだけど・・・・・違うの?」
ゼロスはわけのわからないといったように縦に首を振った。
それを見てリナも首をかしげる。
「一体何があったのかなぁ・・・・・・」
「さぁ、なんだったでしょう??」
お互い顔を見合わせて更に首をかしげた。

「ごめんなさいね、リナ。あなたの愛しいへっぽこ魔族との約束を消しちゃって」
ピキ!
「あ〜らごめんなさいね、ゼロス。おまえの愛しい人間ごときとの約束を消しちゃって♪」
・・・・二人とも沈黙。
栗色の肩までの髪の女性はに〜っこりと微笑んでいて、金髪の長い髪の女性は唇を片方だけ吊り上げている。
これは異様な組み合わせである。
スィーフィードナイトのルナと獣王ゼラスだ。
真っ白な空間に丸い水晶のような球を目の前にして二人とも浮んでいる。
そして水晶には首を傾げたゼロスとリナが映っていた。
「協力するのは今回限りでしょうね」
「そうねぇ、よほどの事がない限りありえないわ」
「今回はなぜ協力したのかしら?獣神官のため?」
「いえ、私の後始末のためよ」
ふんっとそっぽを向き言い放つゼラス。
ルナはくすっと笑うと、いたいところをついた。
「駆け落ちでもされたら大変でしょうからねぇ」
「・・・」
「正反対の者に惹かれるのはしかたがないわね」
妹の事を淡々と語るルナだが、額には青筋がちょっぴり。
「どうせ記憶を消してもまた惹かれるんでしょうねぇ、あの子達は」
「そうなるわね」
「・・・・・・・・そのときはまた消すのでしょう?」
「・・・・・・・・えぇ、もちろん♪人間との恋なんて許さないわよ」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
一体なぜルナとゼラスが!?
事の真相は次回を待ってください!!

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2484Missing parts<7>桜牙 E-mail URL11/19-03:25
記事番号2466へのコメント

よ〜しっ!これで最期です♪
ここまで付き合ってくれた皆様、どうもありがとうございました。
それでは、続きをどうぞ〜。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――実はゼロスが混乱した後、こういう事が起きていたのだった。
ゼロスを心配したリナが顔をのぞきこみ、どうしたの、と声をかけた。
ちっとも反応しないゼロスにリナはいたずらを思いつく。
にっと笑うと両手でゼロスの顔を挟んで・・・・・・・・かる〜く口付け♪
「・・・な!?リ、リ、リナさん?」
「や〜っと正気に戻ったの?」
「へ?あ、ぼ〜っとしてました?」
「うん、10分ぐらいかな。・・・・・・そんなにさっきの質問は難しかった?」
「・・・・さっき、あなたの事を気に入っているといいましたよね」
その言葉にリナの頬がほんのり赤く染まる。
自分からはキスしたくせに言葉には弱いらしい。
「僕の上司は僕の気に入った物を壊させるのが好きなんです」
「・・それって・・・・・・」
「あなたの事がばれたら僕はあなたを殺さなければならないでしょう」
「なんで!!」
「僕達魔族にとって上司の命令は絶対です、逆らえません」
ゼロスはリナから目をそらした。
しかしリナはゼロスから目をそらさない。
「・・・・・一緒にいられないって事ね?」
「はい・・・そうです」
「そっか・・・・・・・」
リナがなんともいえぬ表情でふっと笑った。
あきらめがついたのだろうか?それとも開き直っただけ?
その時いきなり回りの木々が二人に向かっていっせいに倒れてきた!!
バキッ―――メキメキッ!!
「リナさん!!」
「黄昏よりも昏きもの・・・・・ドラグスレイブ!!」
回りにあったはずの木は赤い光に飲みこまれ灰と化す。
ぱらぱらと小枝が降ってきたものの、怪我はなかった。
「なんだったの・・??」
「・・・・・・・・・・・・・お久しぶりです、ゼラス様」
急にかしこまったゼロスの目の前には一人の金髪美女の姿が!!
ゼラスと呼ばれた女性はなにやらうれしそうにリナを見下ろしている。
「あ〜ら、ゼロス。こちらにいる女の子はだれかしら?」
「あたしは」
「偶然出会った人間です、ゼラス様の思っているような事はありません」
リナがなにか言いかけるのをさえぎり、ゼロスが先に説明をした。
「ふ〜ん、偶然であった人間ねぇ。あなた、名前は?」
「・・・・リナ=インバースよ」
「あぁ、あれの妹ね。これはまたおもしろい組み合わせよね、ゼロス」
「そうですか?ただの人間でしょう」
リナはなにか言いたかったが、ゼロスが自分の事をかばっているのがわかるのでぐっとこらえて二人の話を聞いていた。
おそらく自分がなにか言えばゼロスと戦わなければならない。それはなるべく避けたかった。
「そんなのはどうでもいいの。で?」
「なんでしょうか」
「このリナちゃんはあなたのお気に入り?」
「いえ、人間などは目にも入りません」
「ふ〜ん、じゃあ今私が殺しても良いわね?」
「お待ちください!!きっとこの少女は後で役立つはずです」
「ゼロス、おまえが素直に気にいっていると言えば殺さないわよ?どうする?」
ゼロスは相変わらずかしこまったままで言葉に詰まっていた。
もしここで気にいっているといえばリナはたすかるかもしれない。
が!何かある事はわかっている。
ここで選択を間違えたらきっと大変な事になる。
そう思ってゼロスは慎重に言葉を選んでいたのだが・・・・・・・・・・・。
「・・・あたしは・・・あたしはゼロスが好きよ」
リナが先に口を開いてしまった。
「あら、リナちゃん?あなたに聞いているんじゃないのよ。黙っててちょうだい」
「嫌よ、あたしはゼロスが好きなの。ゼロスがどう思っているかなんて知らないけどあたしは好き」
「お子ちゃまは黙ってなさい、リナちゃん」
そう言ったゼラスにさっきまでの微笑みはない。
「確かにあたしはまだ子供だけど、後5年もすれば大人になるわ。魔族にとって5年なんてあっという間でしょ?」
「そうねぇ、じゃあ私と賭けをしない?」
「賭け?」
「そうよ、もし5年後のあなたの誕生日までにあなた達がまだ好きだって言うなら認めてあげましょう」
「もしだめなら?」
「あなた達が出会った日からの記憶は全て消すわ。それだけよ」
「わかった、その賭けにのる」
「やめてください、リナさん」
今まで黙っていたゼロスが顔を上げて鋭く睨みつけた。
「やめない、どうせ賭けにのらないとこの場で殺されるんでしょう?」
「あら、よくわかったわねぇ♪」
「あなたはあたしよりはるかに強いわ。あの呪文を使ってもね。それなら賭けにのった方がいいでしょ?」
「ですが・・・・」
「ゼロス、リナちゃんがやるきになってるんだからいいじゃない」
「・・・・・わかりました」
「じゃあ、ゼロスはうちに帰りなさい」
何故かゼラスがうれしそうに微笑みながら命令する。
ゼロスにはその笑みがやけに気になった。
しかし、命令は命令なので従うしかない。
「それではリナさん、また後で仕事が終わり次第あいにいきますね」
「バイバイ、ゼロス。まだあんたから気持ちをはっきり聞いてないんだから後で言いなさいよ?約束だからね!!」
「あはは、そうでしたね。後でいやってほど言ってあげますよ」
こうしてゼロスは闇に消えた。
残るはゼラスとリナのみ。
「目の前でいちゃつかないでくれないかしら?」
「いいじゃない、別に」
「先に言っておくわ。私は人間が大嫌いなのよ、覚えておいてね」
「はいはい、それで?何か用があるの?」
「あなたの記憶は消そうかとおもって」
「なんでよ、それじゃ賭けは出来ないじゃない!!」
「ま、がんばって思い出せばいいでしょう。∈∂ζ!!」
ゼラスの口から聞き取れないような言葉が発せられて・・・・・・リナはその場で倒れた。
「さて、スィーフィードナイトにも事情を説明した方がよさそうね。あれも魔族が嫌いだから協力してくれるでしょう」
たおれたリナを横目にゼラスは妖しく微笑んだ。

その後1,2年してからようやくリナにあえたゼロスは記憶がない事を知り愕然とした。
最初は会えなかったことに怒ったリナがわざと忘れているふりをしているのかと思ったのだが違った。
本当に忘れていたのだ。
なんだかんだでタリスマンを売った後、ゼロスは1つだけ聞いてみた。
「ねぇ、リナさん」
「なによ、なれなれしいわね」
「失われた物って戻って来ると思いますか?」
「当たり前じゃない、最初からないんじゃなくてあったものがなくなったんでしょう?それならいつかは戻るわ」
「・・・・そうですね、努力してみましょう」

約束の日から5年後、結局二人の記憶は消されてしまう。
今度は片方ではなく二人とも消えてしまった。
しかし、失われた記憶はいつかは戻る。
確かに一緒に暮らした時間は存在したのだから――――――

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
え〜っと、いかがでしたでしょうか?
今回は私にとっておもいっっっっっきり長かったんですよぉ。
その分楽しく書いてましたけどね♪
本当だったら、いつも通りパロディにしてハッピーエンドにしようと思ってたんです。
でも、たまにはこういうのもありかなぁっと・・・・・・・・。

それでは、桜牙でした(ぺこっ)


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2485お姉ちゃんになった日桜牙 E-mail URL11/19-06:57
記事番号2466へのコメント

・・・ふふふっ、徹夜の私は小説書きまくってます。
なぜてつやなのかは聞かないで下さい・・・・・・・。
さて、今度はいつもとは違った話です。
ではどうぞ〜♪
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――紅い髪の小さなおんなのこが、母親らしき女性の前で紅い瞳からぼろぼろと涙を流している。
母親の方は相当怒っているらしく、泣いている女の子に優しい言葉などかけない。
「・・うっ・・ひっく・・・お・・ねがい、返して・・・・いらないなんて言わないから・・・えっぐ・・」
「でも、ルナはいらないって言ったわよね」
幼女の名前はルナ。
この道を少しいったところにあるインバース家の長女だ。
たしか今年で4才だったはずである。
ここいらの噂によると、彼女は誰にも負けた事がないらしい。
・・・・・・・・ルナを誘拐したやつらを、逆に半殺しにしたという事実もある。
だが、今のルナからはそんな姿は想像も出来ない。
母親に向かって泣きながら「返して」と繰り返すルナ。
小さな体がなお小さく見える。
そんなルナに母親は容赦なかった。
「ルナ、あなたは昨日なんて言ったの?いらないって言ったんでしょう?」
その言葉にルナが体をビクっと震わせた。
「・・っ・・・ごめんなさい!!・・・ひっく・・もう・・言わな・・・から・・返して・・」
「お母さんに謝っても仕方ないでしょう。誰に謝らなきゃいけないのかな?」
「・・・ふぇ・・ひっく・・・・・・リナ・・・・でも・・いないよぉ・・・ふぇっ・・え〜ん・・」
「よくできました」
ようやくここで母親はルナを優しく抱き上げた。
腕の中で泣き続けるルナに優しく微笑む。
「さぁ、おうちに帰ってリナに謝りましょうね」
「・・え?リナおうちにいるの?」
ルナが驚いた様子で顔を上げた。
母親はふふっと小さく笑いをこぼすと、頷きながらいう。
「もちろんよ」
「だって!!お母さん、ルナが昨日リナなんていらないって言ったから魔族にあげちゃったって言った!!」
・・・・・それが本当ならずいぶんな話である(^^;
母親は苦笑すると、ルナの言葉に訂正を加えた。
「・・・あげちゃったって・・・・お母さんは連れていかれちゃったって言ったのよ・・・・」
「同じだもん!!」
「同じじゃないわよ・・・・。まぁ、いいわ。早く帰ってきちんと謝りましょうね」
「うん、もういらないなんて言わない!!リナはルナが守るの」
「そう、ルナが守ってくれるのね?」
「リナがいなくなっちゃうのはやだ。だからルナが守るの」
「はいはい、がんばってちょうだい」
「うん♪」
ようやくルナの顔に笑顔が戻った。

家に着くと、母親の腕から飛び降りていそいでリナの元に向かう。
2階にあがりリナが寝ていると思われる部屋に入ると・・・・・・・リナが赤ちゃん用のベットの上ですやすやと眠っている。
「よかったぁ、ちゃんとここにいる。ごめんね、リナ」
そう言うと、ルナはベッドの柵の隙間から腕を伸ばしてリナの小さな手を握った。
そこにはちゃんとぬくもりがある。
そのぬくもりが存在を証明している様で、ルナは安堵のこもった笑みを浮かべもう一度謝った。
「ごめんね、今日からはルナが・・・じゃなくてお姉ちゃんがリナを守る!!」

この日からルナは自分を『お姉ちゃん』と呼ぶようになった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
え〜っと、どうでした?
いつも書くようなのとは違った話になっていたでしょう。
ただ、リナとルナの母親ってむずかしい・・・・・・・・。
ふとっぱらかあちゃんにするか、ふわ〜っとしたお母さんにするか・・・・。
結局中間ぐらいにしましたけどね(^^;

では、桜牙でしたぁ(ぺこっ)