◆−『Honey Moon』上−おーはし(12/14-20:25)No.2542 ┣『Honey Moon』下−おーはし(12/14-20:27)No.2543 ┃┣Re:『Honey Moon』下−くが(12/14-21:39)No.2547 ┃┃┗やっぱ若者ですから(笑)−おーはし(12/18-07:36)No.2563 ┃┣初めまして−しゃも(12/16-00:16)No.2554 ┃┃┗あ、また初めてさんだ(喜!)−おーはし(12/18-07:37)No.2564 ┃┣ほうっ−わかば(12/17-00:35)No.2560 ┃┃┗てれてれ(赤面)−おーはし(12/18-07:38)No.2565 ┃┣はじめまして−UMI(12/22-12:50)No.2579 ┃┃┗あ、まだ感想が!(喜)−おーはし(12/23-15:57)No.2583 ┃┣初めまして。−水晶さな(12/27-00:28)No.2589 ┃┃┗こちらこそ(ぺこ)−おーはし(12/29-22:07)No.2597 ┃┣Re:『Honey Moon』下−にわ(12/28-00:19)No.2592 ┃┃┗違うんですよぉぉ(涙)−おーはし(12/29-22:09)No.2598 ┃┃ ┗Re:違うんですよぉぉ(涙)−にわ(1/13-00:25)No.2625 ┃┃ ┗いえそんな…−おーはし(1/14-21:20)No.2628 ┃┗ああありがたやありがたや(死)−紫麻(1/10-02:18)No.2621 ┃ ┗なんと!まだ読んで下さってる方が!−おーはし(1/12-09:33)No.2622 ┣かわいそ過ぎるぞっ!!−さいとうぐみ(12/14-20:46)No.2544 ┃┗あれ?(汗)−おーはし(12/18-07:39)No.2566 ┗Re:ばんざーい!−鈴鳴 彩菜(12/15-06:33)No.2549 ┗読んで頂けましたか(嬉)−おーはし(12/18-07:40)No.2567
2542 | 『Honey Moon』上 | おーはし | 12/14-20:25 |
『Honeymoon』。 一般に『新婚旅行』の意味に使われるこの言葉ですが、 『新婚第一ヶ月』というのがもともとの意味なんだそうで…。 以前書いたゼルガディス&アメリアのブライダル話『a fairy tale』、これはその続きのお話になります。 あのお話で結局○夜を逃した新婚夫婦、その後の生活はいかに…ってな感じでのお話なんですが… お題がお題だけに「どう書いたもんか…」と、かなり頭を捻りまして、めちゃくちゃ悩んだ末、 「これなら…いっかなぁ?」と出させて頂くことに致しました。 結構オヤジノリな感じではありますが、楽しく明るく笑える(?)ものを、そして少し暖かくなるものを、 そう思って書きました。 できれば、最後までお付き合い頂けると嬉しいです。 =========================================== 「はぁ…」 高い天井と赤い絨毯、華美ではないが上質の建材で作られた執務室。 その中で一人物憂げに溜め息をついているのは、ほんの一週間ほど前に婚儀を終え、 ただ今新婚ほやほや中の新妻、アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。 愛と正義の平和主義者(自称)、フィリオネル王の治める国セイルーンの第二王女である。 「ふぅ…」 身内に合成獣へと改造され(現在は復元済み)、前科持ちの流れ者になってしまったという、 絵に描いたような不幸の持ち主、おちゃめな魔剣士(他称)ゼルガディス=グレイワーズと、 身分の差も乗り越えて、6年越しの恋を実らせゴールイン。 周囲の人々の溢れるような祝福の中、魔族も裸足で逃げ出す幸せいっぱいの毎日! を過ごしている筈、 なのだが…… 「はぁぁぁぁ…」 ? ……このふかぁーい溜め息は……… こんこん 「はい?」 かちゃ 「アメリアー、元気してる?」 「リナさん!」 「うーす。いやぁアメリア久しぶりだなぁ」 「ガウリイさんまで!どうしたんです一体?…って、あ」 「そ。もうあれから一週間になるでしょ?ついでに持ってきた仕事も終わったし、 そろそろ帰んなきゃなってんで、挨拶にきたのよ。ありゃゼルは?」 「今日は……兵士の鍛錬所か、魔道士の研究施設……だったと思います」 「……はぁそう(汗)…。話には聞いたけど、楽じゃないわねー王族生活も……」 式当日から早一週間を過ぎ、結婚式の大騒ぎもそろそろ過去のものになりはじめた今日この頃。 せっせと執務に励む新婚夫婦はその役目の違いから、大概別の場所を仕事場としていて、 日中一緒にいることは少なかった。 え?新婚旅行? 忙しいから却下。(笑) …というのは冗談だが、もの皆萌え出づる春先で忙しいのは本当。 新米王族ゼルガディスの、 『新しい環境に慣れるまで』 という意向とも相俟って、一段落ついた二ヶ月後に、ゆっくりと出かけることになっている。 ちなみに行き先は、リナ&ガウリイ夫妻の住む、ゼフィーリア王国とか…。 果たして生きて帰れるのだろうか?(笑) 閑話休題。 とにかくそう言うわけで、今日もアメリアは一人せこせこと、 執務室で書類決裁などしていたわけなのである。 先刻の溜め息は、その合間、小休止中に漏れていたもの。 リナとガウリイがやってきたのは丁度そんな時だった。 「ま、仕方ないわね。ゼルにはあんたからよろしく言っといて」 「はい。式での証人役、ほんとにありがとうございました」 「え?やだいいわよお礼なんて、友人二人の結婚式の証人なんてすっごく誇らしいことじゃない! おまけの役得で、あんたたちの晴れ姿を間近で見られたし」 「アメリア階段でコケかけてただろ。冷や冷やしたぞ」 「…お祝いの料理は美味しかったし」 「リナと二人して食いまくってたら、追い出されちまってさぁ『城の食料が無くなる』って」 「………後日、今までの積もる話も語り合ったし」 「夜通し騒いだ後、ゼルとリナが取っ組み合いの喧嘩まで始めて… 大変だったよなーあんときは。あははははは」 「……」 …ひくっ(怒) 「が・ガウリイさん…そのへんで…止めたほうが…」 「良い年した大人が子供みたいに掴むわ引っかくわ、もうみっともないったら」 「…ガウリイ…」 「とうとう魔法まで使おうとするのをアメリアと二人、必死で止め…でっ?!」 ぎりっ! 「〜〜〜〜あんたのこの口は〜〜!!!余計な事ばっかり言いくさってぇぇぇ〜〜〜〜」 ぎぎぎぐにぃぃぃぃぃぃ!! 「ひでひでひだいほぉひな(いていて痛いよぉリナ)」 周囲に渦巻く怒りのオーラにも気付かず、のほほんと喋り続けたガウリイは、 リナに口を摘まれるとそのまま一気に左右へと引き伸ばされた。 「リナさん落ちついて!そんなに引っ張ったらガウリイさん顔変わっちゃいますよ!」 その憐れな姿を見るに見かねたアメリアが必死で止めに入る。 「ちっ」 それを見てか、こいつには何をいってもしょうがないと思ってか、 リナは忌々しげに舌打ちをするとガウリイを開放してやった。 「く・口…しゃけるかと…おもふた…」 引っ張られて変形した顔をなでなでしている夫を一瞥後、妻は溜め息混じりにいつもの一言。 「頭ん中ワカメのくせにこういう口だけは廻るんだから! っかあああっ!なぁぁぁぁんでこんなやつと結婚しちまったかなぁ?!あたしったら!」 そりゃあ… 「…………好きだから、でしょ?素直じゃないのは変わりませんね」 ぴく 「アメリアぁぁぁ?なんかいったぁ?ん?」 ちろん びくう! 「いえ!何でもありません!」 ここで藪を突ついたら蛇どころか魔王が出てくる。アメリアはぶんぶんと首を横に振った。 こんな風にしてるけど、 ほんとのところはアメリア&ゼルガディスに勝るとも劣らないらぶらぶカップルなリナとガウリイ。 この二人は始めて出会ったあの日から、アメリアの憧れだった。 何も言わなくてもお互いが解る、解り合っている、傍にいる事がこの上なく自然な二人。 それは、いつか読んだ英雄譚のヒーローとヒロインみたいで、(ヒーロー=リナという説が有力!) 『いいなぁ…恋をするならこんな風(ほんとに?!)になりたいなぁ…』 そう思いながら、いつか会う人を想い描いていた。 『私の隣に立つのはどんな人なんだろう?』 それからほどなく、 その相手に巡りあい、紆余曲折の果てに結ばれることになったのだけど。 けど、 そう。けど…… 「まっ、いいわ。そんなわけであたしたちは帰るけど、元気で仲良くやんのよ! って、言うまでもなく仲良くやるわよね、あんたたちは。 聞いたわよぉ、初日から二人して…………大あくびだったんですってぇ?」 すけべーな目をしてにひゃっと笑うリナ。 どうやら『あの朝』のことは、新婚夫婦の仲の良さを明らかにするものとして、 既に城中の噂になっているらしい。 つまり、 らぶらぶな二人は、寝不足で大あくびをしてしまうほど、夜遅くまで、一生懸命、 がんばっていた(爆笑)、と。 「んんーいいわねぇ新婚は」 「オレたちんときは大変だったけどなぁ。こいつ三日もオレを寝室に入れてくれなくて…」 「…ガウリイ?(怒)」 「ごめんなさい。もう言いません。」 「次言ったら殺る(睨)‥‥って、あり?」 「…………」 ぎょ 性懲りも無く夫婦漫才を披露しているリナ&ガウリイ夫妻の前で、 何故か、アメリアは真っ赤な顔をして目を潤ませていた。 「ど、どしたの?アメリア。きーわるくしちゃった、かなぁ?」 「仲良いって、誉めてるんだぞ、いちおう」 からかい含みのオヤジネタで、今だ純粋無垢な心を保つアメリアの気分を害したかと、 慌ててフォローを入れる二人に蚊の鳴くような声が答える。 「…………まだなんです」 『へ?』 「私……その、まだ、……なんです…」 「……え?……まだ…って……」 「……あのーもしかして、さ?」 「……そーいう…意味?かな?」 「………」 ……こくん え? 『えええええええぇぇぇぇぇぇ?!!!』 二人の驚愕の叫びは執務室の外、城の半分にまで響き渡った。 ****** 昼間の喧騒も夢のように静まり返った、夜のセイルーン王宮。 その淡い灯りに照らされた離宮への廊下を、一人ひたひたと歩いているものがいる。 「疲れた…」 前にもこれと同じ台詞を言いながら、離宮へ向かうこの廊下を歩いていたような気がする彼は、 ゼルガディス=グレイワーズ…いや、今はその下に『セイルーン』がついているのかな? 間に『ディ』とか『ウィル』とか挟んで…… ま、とにかく、心ならずも栄えあるセイルーン第二王女の夫の座に納まった彼、ゼルガディスは、 昼間の慌しい職務の数々と夜の残業(哀)で疲れた身体を揉み解しつつ、 艱難辛苦を乗り越え手に入れた、愛するかあいい奥さん(笑)の待つ自室へと戻るところであった。 「とにかく疲れた…」 その足取りはどことなくへろへろとしていて、見てるこっちが疲れてくる。 慣れない激務の日々に彼は本当にお疲れのようである。 「今日は王宮に勤める魔道士達へ魔道についての講義。それと近衛兵への剣技の指導」 優れた魔剣士として、実戦を数多くこなしてきた彼になら、当然求めてくるであろう事。 身体をもとに戻すため集めた魔道の知識は並大抵の質と量ではないし、 剣技はあのガウリイに迫る腕前、ほっとくには惜しすぎる。 「その前は学術院で薬学や物理学、その他学問に関する知識についての助言」 伝説の聖人、赤法師レゾのもと、多種多様な教育を施された結果得た知識は、 学問の徒にとってしごく貴重なものだった。 「後、毎日一回はフィルさんと外交担当の重臣連中から、 根掘り葉掘り他国の情勢について聞かれて…」 他の国、近隣は当然として、交流の無い遠い国についても、 情報というものは一つでも多く持つものを有利な立場へと導いてくれる。 国から国へ、失われた知識を求めて旅をしていた彼は国の情報もまた数多く頭に入れていた。 「空いた時間は政関係の勉強っと。…まったく…新入りをここまでこき使うか?!」 ここに婿入りしてから一週間。 人材登用のプロ、セイルーン国王フィリオネル閣下は、 そのプロ意識に則って使える人材を容赦なく使い倒しているらしい。 お気楽そうに見えて、結構シビアな人である。 もしかしたら、大事な大事な可愛い娘をひっさらっていかれた、恨みなんかも混じってたりして。 「……まぁ、どれも……嫌いな事じゃあないんだが、身体を動かすのも、頭を使うのも。」 そう。 なんのかんのいっても、自分の能力を最大限に使えるこの状況を、 ゼルガディスは嫌ってはいなかった。 むしろ、歓迎していると言っても良い。 努力の末身につけたさまざまなもの。 今までは自分自身の為にしか使う事の無かったもの。 それがここでは、あらゆる人を助け、より多くのものを生み出す。 自分の知識が、力が、能力が、澱むことなく広がり周囲に影響を与えて行く、変えていく。 今まで社会に交わることができなかった分、その喜びは大きかった。 「覚えの悪い奴や、頭の堅いじじいは我慢ならんが… 無視してりゃなんてことないしな」 多分、我慢して、無視して、力のついた暁にはさっさと排除するのだろう。 見かけによらずシビアなのは国王だけでは無いということだ。 「ただ………これだけは我慢ならん……」 ぶつぶつと独り言を言いながらも動いていた足がここでひたりと止まった。 「俺はそのために!苦労して!努力して!ここまで来た筈なんだ!なのに」 なのに? 「結婚してから今まで!未だにアメリアと、ゆっくり二人っきりで過ごせないのは何故なんだ!」 上記の如く、式の翌日(その前も忙しくはあった)から多忙を極めたゼルガディス。 スケジュールに振り回され目の廻るような日々を過ごしながらも、 あの夜の誓い―これからは絶対にアメリアを一人寂しがらせる事はしない― を守るため、朝晩の食事だけは何があろうとも一緒にとっていた。 朝、目覚める時も必ず傍にいる。 けど、それ以外の、日中の時間はずーっと別部屋。 『式が終われば…』そう思って耐えていたのに、これは無いんじゃないだろか? 唯一、時間の取れた夜は、リナ&ガウリイ夫妻との歓談(最後は闘争と化したが)に費やされ、 楽しかったのだけど、二人っきりの甘い時間はお預けになってしまった。 「百歩譲って!それもしばらくは仕方ないと諦めるとしてもっ、 どうしても!どーっしてもっ!納得できないのは…!」 「どうされました?こんなところで」 は! いきなりかけられたその声にゼルガディスが我に返る。 一人芝居のごとく、誰もいない廊下で派手に独り言をいっているのを怪訝に思ったのか、 偶然通り掛かかった女官が話しかけてきたらしい。 「ご気分でもお悪いのですか?」 女性ながらなかなか果敢な人である。 普通の人間なら、そのあまりの怪しさに見なかったことにして逃げ去っていただろう。 「いや!……その、何でも(ごにょごにょ)……じ・じゃ!」 あからさまにぎこちない態度で足早に去ってゆく第二王女の夫、 その後姿を見送りながら女官はぽつりと言った。 「ほんとに………見かけによらずおちゃめな方」 ****** 「ゼルガディスさん、今日も遅いのかなぁ……」 離宮の廊下、一人闇に向かってぶつぶつ言って女官に不審がられている夫のことなど露知らず、 彼の大事なかあいい新妻アメリアは、でっかい天蓋ベッドの中で今日も帰りの遅い夫を待っていた。 「明日は休日。やっとでお城もお休みでお仕事もお休み。 だから今日は『出来る限り!何としても!起きてるうちに帰ってお前と過ごす!』って、 晩御飯の時不自然なくらい力込めて(笑)言ってたのに」 予想外の重用に毎日残業のサラリーマンのごとく帰りの遅い夫。 結果、アメリアはいつもこうやって一人ベッドの上でゼルガディスを待つ事になる。 で、 そうやって待ってるうちに、 …………寝てしまうのだ。耐えきれずに。 彼女は夜に弱い、夜更かしが出来ない。 しごく健康的とも言える、朝はこれまた早起きなんだから。 結婚してから約一週間、一日(リナたちとの歓談の日)を除き毎日アメリアは睡魔に屈してしまった。 燃える正義の心も、睡魔に対しては無力だったらしい。 アメリアが眠りの海に沈む頃、やっとで帰ってきたゼルガディスは、 一つ溜め息をついた後、起こさぬようにそっとその横に入って眠りにつく。 気持ちよさそうに眠っている彼女を起こすに忍びなくて。 幸せそうな寝顔だけ見て己の欲望(笑)を宥めすかして、何にもせず、眠っている。 ほんっとにただ、眠っている。 ………………。 ここまではっきり言えば解って頂けただろう。 つまり彼らは、本当の夫婦にはなっていないのだ。 まだ。 ほんとなら初日、悪くても次の夜くらいには済ませておきたい(であろう)、 例の…その…えーと………………ほら…子供を作るのに必須の……… …あー…なんちゅうか…それをっ!……………やってないのだ。 未だに。 「はーやくかえってこーないかなっ♪早くしないと寝ちゃうからっ♪…ふう…」 ゼルガディスはまだ帰らない。 アメリアは昼間の執務室での会話を思い返した。 以下その回想。 「ちょっとぉ……まだってあんた……!、もう一週間よ一週間!あたしでさえ三日で折れたのに… 幾らなんでも遅すぎよ!もしかしてあんた、土壇場で怖気づいたってんじゃないでしょうね?!」 「あのさリナ……果し合いじゃなんだから…」 「違います!とりあえず初日以外は!それはその…最初の夜は私のせいだったんですけど…」 そう。最初の夜は全面的にアメリアが原因だった。 彼女のぱにっく(笑)と、ハイテンション(笑)と、それと……… が、その後の事態については彼女に責任は無い。 強いて言えば……環境(笑)が悪いというところだろうか? 「………はぁ…そゆこと。なんちゅうか…あんたらしいというか…」 「ゼルも災難だったなぁ…」 アメリアの明かす『あの日』の裏事情に二人は呆れ顔で溜め息をついた。 「うにゅう(涙)…… 反省したんです!反省して…… 次の日からちゃんと覚悟(?)を決めて待ってたんです!毎日。でも…」 「でも、それからずーっとゼルは深夜帰りで…」 「がんばってるんです!でも…その…つい………耐えられなくて……… …………寝ちゃうんですぅぅぅぅぅぅ!!!…ひーーーーん(涙)」 「よしよし泣くんじゃないぞ」 真っ赤になって訴えるアメリアの頭に手を乗せると、ガウリイはいつもリナにしているように、 わしゃわしゃと髪を掻き回した。 リナがそうであるように、ガウリイにとってもアメリアは妹同然の存在。 家族が無い彼にとって、旅で出会った仲間は新たな家族に等しかった。 「にしても、ゼルもゼルだわ。いくら起こすのが可哀相ってってもよく我慢できるわね」 ずき 「いや…初日にあんたがぱにくったから……ほんとは手……出しかねてるのかも」 ぐさ 「迂闊に手を出して、泣かせたり傷つけちゃいけないって。ゼルあれであんたにはめちゃ甘いから」 ちくちく 「だとすると、まごまごしてると、このまま何もできないまま二人は状況に流されて…… 一週間が二週間に、二週間が三…」 「〜〜〜っ!ヤですぅぅぅぅ!!! そんな、やっとで結婚できたのに!奥さんになったのにぃぃぃぃ!!!」 じわりじわりと恐怖を煽るリナの推測にアメリアの不安は頂点に達した。 名前だけの奥さん。 いつまでもこのまんま。 かわいい赤ちゃん(おお!)なんて夢のまた夢! 「そんなのいやぁぁぁぁ!!!(涙)」 「だったら!!旦那任せにしてないで!ちったああんたもがんばってみんさい!」 きっ! 「はいっ!がんばって起きてます!」 「いんや!それじゃまだまだ!疲れてその気が失せてるゼルをおもいっきりその気にさせる(笑)! そういう努力も必要よっ!」 「はいっ!!……って?……ええええっ?!?!」(赤面!) 「……よくゆーわ…自分の事は棚に上げて……」 げし 「んげ!」 「ガウリイっ!あんたは黙ってる!これは女の問題なんだから!」 「はぁい……(泣)」 「で、ででででも、そ、その気にって……どどどどどーすれば……」 かあああああああ 恋愛に対して恐ろしく不器用な人間と初恋ゴールインしてしまったアメリアは、 実戦(?)経験が極度に少ない。 それはリナだって同じ事だが、彼女はすでに子供も作った実績(爆笑)を持っている。 条件的には同じでもこの差はかなり大きいだろう。 「ま、そうねぇ……とりあえずこれでも着てみたら?」 ごそごそ ぴら 「え!!!………こ、これ…ですかぁ?…」 「ん。これならきっと……いけるわよぉ!」 怪しげな微笑と共に差し出されたそれを、首を傾げながら受け取ったアメリアは、 ちょっと疑いつつも、素直に今夜、着てみることにしたのであった。 以上回想終わり。 「リナさんにあんなこと言われていちおう着てはみたけど… ほんとにこれで…………いいのかなぁ?」 着なれないタイプの夜着はどうも落ちつかない。 アメリアは居心地悪げにもそもそと自らの身体を見まわした。 「う〜、やっぱ落ちつかないよぉ…ゼルガディスさぁん早く帰ってきてくださぁい」 『かちゃ』 妻の不安な呼び声が聞こえたか、寝室の向こう居間の方から微かに聞こえる扉の開く音、 そして、 『アメリア帰ったぞ。……って、いないな。やっぱ寝ちまったか…』 ゼルガディスさんだ! 喜びに顔を輝かせたアメリアは、ベッドから飛び降りると寝室の扉を勢い良く押し開けた。 ****** 「はぁ驚いた…人の近づく気配に気付かないほど疲れてたかな?」 怪訝な顔の女官の前から慌てて逃げ出してきたゼルガディスは、歩みを緩めて息をついた。 ここはもう離宮の中、アメリアの待つ二人の部屋はもうすぐそこだ。 「とにかく!いい加減限界なんだ、俺は!」 忙しさと運命に弄ばれ(笑)、未だにお預け状態の据え膳アメリア。 毎晩隣に眠っているのに。 手を伸ばせば触れられるところにいるというのに。 寝てるのを無理やり起こして(笑)という手もあるのだが、彼にはそんなこと死んでも出来ない。 なにしろ初めて心から好きになった少女なのだ。 大事に、大事に、腕の中に抱えるようにして暖めてきた想いなのだ。 そこらの商売女を相手にするのとはわけが違う。 全然、違うのだ。 そう、いくら彼がニブチンで朴念仁で乙女心を解さない鈍感男で毎回毎回なにかっつーと彼女を泣かせる甲斐性 「…………そこまで言うか?」 あわわわわ…すみません。 「ふん」 (汗)と、とはいえ、このままでは身が持たない。 目の前に積まれる仕事を、手当たり次第に片付けるうち飛ぶように日は過ぎて、やっとで明日は休日。 いくら王族に完全な休日は無いといっても仕事の量は段違いに減るだろう。 夜更かしして、少々寝不足になってても大丈夫。 「多少の抵抗はあるだろうが、時間をかければ説得(?)できる自信はある。 それに、あいつは俺に、その、ベタ惚れ……だからな」 たいした惚気だが、赤面しながら言ってる様じゃ、まだまだ…(ふっ)。 「とにかく怯えさせないよう、怖がらせないよう、何気なく、さりげなーく、切り出さにゃならん。 さて、…………どうしたものか(悩)」 この事態を打破すべく、あれこれと頭をめぐらすゼルガディス。 つらつらと考え歩くうちに、とうとう部屋の扉の前まで来てしまった。 ぴた 「…………」 ぽりぽり 「…………ま、当たって砕けるか」 砕けちゃいかんでしょう、砕けちゃ。 かちゃ 「アメリア帰ったぞ………って、」 大した考えも浮かばないまま開けた扉の向こう、居間にあたる部屋の中に妻の姿は無かった。 「いないな。やっぱ寝ちまったか…」 ほんの少しほっとしてしまった自分を情けなく思いながらも、ゼルガディスは寝室の方へ視線を向ける。 その瞬間、寝室への扉が勢い良く開いた。 ばったん 「ゼルガディスさん!おっかえりなっさぁぁぁいっ!!」 い? 「!っんなあああああっ!!おっ、おまえっ!なんっちゅうカッコをしとるんだあああっ!!」 「え?え?え?」 おろおろおろ(汗) 「いっ!いっいいからっ!早く上になんか着ろっ!早くっ!!!」 「は?はははは、はいっ!!!」 ぱたぱたぱた……ぱたん。 ………しーん。 「っ………ふぅぅぅぅぅぅ……」 ずるずるずる ぺたん 「あ、危なかった…」 ――――無け無しの理性が。 アメリアがリナから渡されたもの。 『これならいける(笑)』と言われ彼女が不審に思い頭を捻りながらも着ていたもの。 それは、 身体のシルエットがばっちり透けて見える、うすーい、ひらひらぴんくの、 かわいいアメリアに良く似合う、 超かわいいベビードールだった。 「はぁ(汗)…ったくもう、驚かすんじゃない!」 言われるままに、上着を着て出てきたアメリアは、 ゼルガディスの座る椅子のテーブルを挟んだ向かい側にちょこんと腰掛けた。 「…ごめんなさいです」 しゅん すこし大胆かな(少し!?)と思いはしたけど、まさか相手に錯乱(笑)されるとは、 考えてもみなかった夫の反応にアメリアはすっかりしょげかえってしまった。 一方、突然の悩殺ファッションに、さっきまでの思惑など吹っ飛んでしまったゼルガディスは、 彼女にこのとんでもない入れ知恵をしたであろう人間の顔を思い描いていた。 ――――リナだな。(断言) あの女に間違いない。こいつにこんな危ないもん与えるなんて何考えてやがるんだ。 もしかしてあの取っ組み合いのし返しのつもりか?性悪ドラまため。 「へくち!」 「どしたリナ?風邪か?」 「んー。いきなりなんかむずむずしてさぁ」 あれはあいつの方から先に手を出したんだからな。 吹っかけたのは俺だが。 「あの…ゼルガディスさん?」 はた 「あ、ああ。リナだろう、お前にそんなもん着ろなんて言ったのは」 こくん 「やっぱりな(怒)。で、どういった経緯でそう言う事になったんだ?」 「むー」 ぐにぐにぐに 「アメリア」 ぴた 「………だって……」 「だって?」 「………だって…ヤだったんです…」 「は?」 「いつまでも名前だけの夫婦なんて……ヤだったんです」 じわ 「へ?」 「やっとで逢えたのに…結婚できたのに…奥さんに、なれたのに」 ぽろぽろぽろ 呆けた表情で見つめるゼルガディスを前に、おっきな目から涙がこぼれる。 なんだかんだと言いながら、アメリアもいい加減限界だったのだ。 全然進展のない二人の関係に、一歩も進まない、この状況に。 恥ずかしいだのパニくるだのどうしたらいいか解らないだの、確かにそれもうそじゃない。 けど、 好きで、大好きで、やっとで一緒になった人なんだから、 もっともっと、溶け合うほど、一つになるほどに睦みあいたい。 そう思う気持ちも隠し様のないほんとうなのだ。 「……そうだな」 すく 「え?」 すたすたすた 突然、ぽつりと言って立ちあがったゼルガディスは、そのまま真っ直ぐアメリアの方へ。 ひょい 「え?!」 そして、出会った時よりは育っているけれども、 それでもまだ小さめな身体を軽々と抱え上げると、寝室に向かって歩き始めた。 すたすたすた 「あの?、あの、ゼルガディスさん?!」 「嫌だったのは俺もだ」 かちゃ ばたん 身体を抱えたまま器用に扉を開けて閉める。 「ち、ちょっと、その」 「なるんだろう?ほんとの夫婦に」 ぽふ アメリアをベッドに降ろす。 「えっ!!で、でででも………………(汗) ほらっ!おおお風呂っ!お風呂まだなんじゃないですか?!」 「一日くらい入らなくても死にゃしない」 すとん 部屋履きを脱ぐとベッドの上に座る。 「そ、そだっ!寝巻きっ!!ゼルガディスさん寝巻きに着換えなきゃ!」 「どうせ脱ぐんだから同じだ」 じりじり 腕から降ろされたアメリアが後退。 ずい それを追ってゼルガディス前進。 「!〜〜っここここんなに遅くなったんだから、お腹空いてませんっ?!ねっ?ねっ?!」 「空いてない。それに、食うならお前の方がいい」 「〜〜〜〜!!!!(大汗!)」 ………………………………うわお(笑) これはまた、一体どうした事か。 今までの甲斐性無しが嘘のようなゼルガディスの積極攻撃。 どうやら、愛妻アメリアの健気な言葉と、方法は何だが一途な行動、 そして、こぼれた大きな涙の粒に、最初言ってた、 『さりげなーく、何気なーく』なんてことは頭からすっきり!消失してしまったらしい。 ついでに理性の糸もぷっつり音を立てて切れてしまって…… こうなるともう歯止めが利かない。 真面目な人間ほどキレると怖いというのは本当だったか。(笑) 対するアメリアは最初の覚悟など何処へやら、ゼルガディスの豹変ぶりに卒倒寸前! ひたすら防戦の一手で、そうこうする内とうとうベッドの端まで追いつめられてしまった。 「あの、その、ちょっと……す!…すとっぷ!」 「……往生際が悪いぞ」 殆ど悪人のような台詞を言いつつも、一応止まったゼルガディスの前で、 アメリアは汗だらだらでへたり込む。 「だ・だってだって、ぜ、ぜるがでぃすさん……目が据わってますよぅぅぅ(泣)」 じろ びく 「……お前が言ったんだろう。このままじゃ嫌だと」 「…う。それは…そうですけど」 「なら、大人しく観念しろ」 「ゼルガディスさん、その言葉、悪っぽいです」 「うるさい(笑)。いいぞ、嫌なら止めてやる。 そして、踏ん切りのつかないままずるずると状況に流されて一週間が二週間に、二週間が三…」 「なんでリナさんとおんなじ台詞言うんですかぁぁぁぁ!!!(涙)」 会えばすぐ喧嘩になるリナとゼルガディスだが、この二人結構似たもの同士なところがある。 実力はあるが性格が悪く可愛げがないとことか、かなり攻撃的で敵には容赦しないとことか、 そのくせ案外子供っぽくて甘えん坊なとことか…… 「……一回殴らにゃ解らんようだな」 ひぃぃぃぃごめんなさいぃぃぃ(大汗) 「ゼルガディスさん…誰と話してるんです?」 「いや(笑)……とにかく!やるのかやらんのかはっきりしろ!」 「〜〜〜〜(汗)…や……」 「や?」 「…………やります…」 「よし」 ………いや……良いんですけどね。 良いんですけど……果し合いじゃないんだから…(汗) とても新婚夫婦とは思えない甘さゼロの闘争を経て、やっとこさっとこ辿りついた○夜。 覚悟を固めたアメリアが真っ赤な顔でぎゅっと目を瞑る。 恥じらいに上気した頬は鮮やかな林檎色、その赤は耳どころか首筋までも仄かに染め上げている。 瞼は堅く閉じられて、込められた力で睫毛が震えるほど。 ……めちゃくちゃかあいい…が、 「どっ、どどどどどど……」 おもいっきり緊張しまくった初々しさに、ゼルガディスの理性がほんの少し戻りそうになる。 すこし強引にすぎたか…… が!ここまできたら待った無し。理性と共に欲望だってしっかり自己主張しているのだ。 「……どうぞ」 きゅっ 緊張で噛み締めているせいか、いつもより紅い唇はとろけるような甘さを想像させる。 ………美味しそう ほらね。(笑) ゼルガディスはそおっと手を伸ばしてがっちがっちのその頬に触れた。 びっくん!! 『げ!?(汗)』 生きの良い魚のような痙攣に一瞬仰け反りかけながらも気を取りなおし、 今度は唇を合わせるべく顔を近づける。 ゆっくり近づく顔と顔、柔らかそうな唇はもう目の前。 もう少し… あとちょっと… 「…アメ…」 ばたばたばたばたばた!! ? だんだんだんっ!! 『姫様っ!!!ゼルガディス様っ!!!』 ぴた 『夜分遅くに失礼しますっ!!!西の森の砦に魔物が襲来っ!!』 !? 『純魔族もいるらしく私どもでは手に余りますっ! お休みのところ申し訳ございませんが!何卒お願いします!』 …………………。 だんだんだんっ!!! 『起きてらっしゃいますかっ?!姫様っ?!ゼルガディス様っ?!』 〜〜〜〜〜〜っ!がばっ! 「〜〜〜〜〜っ行くぞおおっ!!アメリアぁぁっ(涙)!!!」 「はいいいいっ(泣)!!!」 ほんとに、ほんっっっとうにもうちょっとだったのに… 一体全体、神様はこの二人に何か恨みでもあるのだろうか。 あ・結婚式で夫婦揃って不謹慎なこと言った、バチが当たったのかな? 「うるさあぁぁぁぁぁい(号泣)!!!!!」 「ひーーーーーーん(号泣)!!!!」 |
2543 | 『Honey Moon』下 | おーはし | 12/14-20:27 |
記事番号2542へのコメント 「『烈閃槍』!!」 ばち 「くくくくく…セイルーンの魔道士とはこんなものか?他愛の無い」 ふわり 「くっ、姫様は!ゼルガディス殿はまだか?!」 「連絡は届いている筈ですっ!」 西の森の砦、突然あらわれた魔物の群れと一匹の純魔族に、 セイルーンの兵士と魔道士は苦戦を強いられていた。 ここ最近、平和が続いていたため詰めていた人数が少なかったのも原因の一つだが、 何より、純魔族を相手にするには並の兵士や魔道士では荷が勝ちすぎる。 彼らは数は少くなくとも強大なのだ。 並大抵の力では、敵わぬほどに。 「誰が来ようと同じこと……さて一気に滅ぼさせて頂こ…」 ばさっ 「おまちなさいっっっ!!!」 「っ誰だっ!!」 ばっ お約束の台詞と共に振り向いた魔族の目に映る、闇に浮かぶ白い影。 輝く月をバックに、一番高い木の上に降り立ったのは、セイルーンの爆裂王女、 アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンその人。 この状況で一番高い位置を瞬時に見分ける眼力はさすがである。 「姫様っ!!」 すた 「………あれだけは止めて欲しかったんだが…」 「おお!ゼルガディス殿も!」 おもいっきり目立ちまくる妻に対し地味が身についた夫は静かに地上へと舞い降りる。 いくら夫婦になったと言っても、さすがにアレには付き合えない。 恥ずかしくて。 「もの皆眠る安らぎの夜を、恐怖と混乱を持って乱す不埒な魔族!! 正義の申し子、このアメリア=ウィル=テスラ=セイルーンが! 愛と正義と私怨の名のもと成敗してあげます!!!」 「最後の私怨というのは…」 「とにかく!覚悟するんだな『崩霊烈』!」 魔族の深い追求を妨げるべく(笑)、即座に魔法を叩きこむゼルガディス。 「がっ!…ふ、そ・それくらいではまだ…」 よろっ 敵は結構レベルの高い魔族らしい、ダメージは受けているが一発では倒れない。 が、すかさずアメリアからも魔法が飛ぶ。 「もひとつ『崩霊烈』!!」 「いっ?!!…く、!!」 ぐら 「ち、ここは一先ず逃げ…」 精霊魔法最強呪文の連発に、危険な状態になった魔族はこの場から逃げるべく空間を渡ろうとする。 「逃がすか!」 「逃がしません!」 そこに、現役時代からの得意技、協力魔法が決まった。 『とどめっ!!『崩霊烈!!』』 「かあああああ!!!これで出番終わりかあああ(笑)??!!!」 可哀相に、折悪しく夫婦の時間を邪魔したばっかりに… 私怨に燃える連続攻撃を食らった魔族は青い炎の中、儚く消え去っていってしまった。 合掌。 さて、純魔族を倒せば、後に残るのは雑魚のみ。 「『霊王結魔弾』!(ヴィスファランク)」 「『魔皇霊斬』!(アストラルヴァイン)」 魔法で軽く倒せる相手ばかりなのにわざわざ直接攻撃を選ぶあたり、 よっぽど憤懣やる方ないのだろう。 胸どきどきの○夜(笑)を邪魔された恨みは混沌の海よりもなお深い。 逃げ惑う魔物を二人して追いまわし、どつきまわし、んもうタコ殴り状態。 「おお!なんと激しい戦いぶり!」 「うむ。生けるものの天敵、魔族に対するあの容赦の無い戦いぶり! 流石、聖王都の王族でいらっしゃる!」 どか ばき 「……あのでも…何かお二人とも、異様な怒気を…放ってらっしゃいませんか…?」 ぐしゃ 「…………む(汗)……」 悲しき裏事情(笑)など知るよしもない、砦の隊長&一般兵の面々は、 鬼神の如く次々と魔物を屠る二人を手伝う事も出来ず、ただただ立ち尽くすばかり。 「オレ…なんか怖い」 「…オレも」 とうとうこんなこと言うものまで出て来たりして… どしゅ ばこ 「うわ…」 「ヒド…」 倒される魔物だけでなく味方の人間まで震えあがらせた恐るべき新婚夫婦、 その怒りはまだおさまることを知らなかった。 ****** とんとんとん(肩叩き) 「やれやれ、やっとで片付いた」 伸びっ 「んー…いっぱい暴れたら、なんかすっきりしました!」 「その台詞………リナだぞ、まるで」 ぐがぁぁぁぁぁん! 「……ひ…酷いゼルガディスさん、…リナさんと同じなんて…同じなんて…」 よろよろよろ…ぺたん 「しくしくしくしく…(泣)」 「あー……(汗)すまん。言い過ぎた」 「ぶしっ!!」 「またかぁ?リナ」 「んもう!…なんだっつーのよっ!一体っ!」 砦に押し寄せてきた魔族を、結局全てその手で片付けてしまったゼルガディスとアメリア。 呼ばれた役目は果たしたのだし、 後は駐在の兵に任せとっとと帰ろうと、『翔封界』を唱え始めていた。 早く帰ってやり直し? つんつん 「……あのー……ゼルガディスさん?……」 「……安心しろ今日はもうさっさと寝る」 「……ですか…」 あれだけ気張って今日こそは!と思っていたのだが… ―――今更、帰ってどうこうって…(笑) 相談したわけではないが 『明日以降再チャレンジ(笑)』 二人の気持ちはほぼ同じ方向で固まっていた。 が、 「もうこんな時間です。あれだけの数の魔物を相手にしてお疲れでしょうし…… 明日は休日、お急ぎでなければ一晩お休みになって翌朝帰られては?」 と責任者である部隊長が控えめに薦めてきた。 確かにちょっと疲れてるし、これから帰るのも結構億劫だし…… 「どします?」 「お前の良い方にしろ」 「うーん。じゃ、お願いします」 即時即決、あっさり好意を受けることにした。 とんとんとん きぃ 「では、こちらのお部屋をお使い下さい」 一晩泊まることを決め、隊長の先導で案内された部屋は、積め所の二階の端、 建物から少し飛び出た造りになっている客用部屋だった。 「造りは兵舎と変わりないけど、結構居心地よさげな部屋ですね」 「そうだな」 いざ戦争ということにでもなれば、この人里離れた森の中の砦にだって 地位の高い人間が来ることもある。 その『いざ』という時のため、ほんの少し他の部屋より余裕を持って造られた、 そんな感じの部屋だった。 「中の上、ってところか」 実用に勝った簡素で質素なところが、旅をしていた頃を思い出させる。 ゼルガディスはベッドに腰掛けるとほっと息をついた。 彼にとっては城のリネンの滑らかさよりも、少しごわごわとしたこの感触の方が肌に馴染むらしい。 王族という環境と生活に慣れるには、まだまだ時間が必要なようだ。 「リナさんと、ガウリイさんと、なかよし四人組で旅してたころ思い出しちゃいます!私」 「お前は、あの後ずっと城暮らしだっただろうからな。ずいぶんと久しぶりだろうこんなのは」 「はい!えへへ」 アメリアはアメリアで、久しぶりに味わう城の外の空気に眠気も失せたか、うきうきそわそわ。 跳ねるようにゼルガディスの座るベッドの上に飛びのると、その脇にある窓をいっぱいに開いた。 かたん 「んー、ちょっと冷えるけど……気持ちいいー♪」 窓の外には雲一つ無い春の夜空と深い闇に眠る森、 ついさっきまで魔族がいたなどとは思えない程、静かな空気が満ちている。 「わぁお月様だ!ゼルガディスさん見て見て!」 「満月だな」 空の上には、大きなまんまるい月。 薄く甘い黄色、蜂蜜色のハニームーン。 それは、闇に沈む森に優しい光を降らせながら、 並んで自分を見上げる二人に微笑みかけるように輝いていた。 「今日のお月様ほんのり黄色で柔らかそうで、すっごく優しく見えます」 「そうか」 月に負けないくらい明るい笑顔を向けるアメリアを、ゼルガディスは眩しそうに見返した。 見交わす顔と顔、再び二人は月へと視線を戻す。 顔を月へ向けたまま、ふと思い出したようにアメリアが口を開いた。 「……あのですね、前お話したときは言わなかったんですけど、ゼルガディスさんが旅してるとき、 私、毎晩お月様を見上げてお祈りしてたんです。 『無事でありますように』『元に戻れますように』『海に沈んでフジツボまみれになりませんように』 『綺麗なオカマさんに騙されませんように』」 「をい(怒)」 「『病気しませんように』『夜更かししませんように』『ちゃんとごはん食べてますように』」 「……あのな…小学生のガキじゃないんだか」 「『私のこと忘れないでいてくれますように』 『元に戻った後、約束通り絶対、帰ってきてくれますように』」 「……ら…」 「……『まだ、私のこと……好きでいてくれますように』」 「………」 「……信じてるけど、信じてたけど……不安だったんです、どうしても。人の心は変わるものだし、 そこにいない私にはゼルガディスさんが悲しくても苦しくても悩んでいても、 なんにもしてあげられません」 「………」 「そんな時、そばにいてくれた人を大切に想うようになること、止める事できないでしょう?」 いつ帰るかもしれないひとを待って過ごした日々。 不安で不安で仕方なかったあのころ。 彼女は毎日、月を見上げながら一心に祈っていたのだろう、彼の無事を、願いの成就を、 そして、自らの恋の永遠を。 「そんな心配、ぜぇんぜぇん要らなかったんだって! ゼルガディスさんが、ここにこうしていてくれる今はそう思えるんですけど、 あのころは本気で怖かったんです。すごく」 えへ。 にこりと笑って言うアメリア。 その笑顔は不安と哀しみを呑み込んで、今空にある月のような柔らかな光を放っていた。 「……そうか」 長い人生からすれば、ほんのひとときに過ぎない時間、想いを交わしただけの一人の少女。 それを、忘れることなく想いつづけた自分の不器用さと要領の悪さに、 ゼルガディスは今、改めて感謝を奉げた。 「月なら俺も見上げていた、毎晩。祈りはしなかったがな」 「ゼルガディスさん、お祈りとかしそうでないですもんね」 「悪かったな。俺は祈りなんかしない、祈る前に自分の力で何とかしてみせる」 「むー(怒)、じゃゼルガディスさん心配じゃなかったんですか? 帰ってきてみたら私の気が変わってるかも、とか!」 「……(黙)」 「あ!答えないってことは…思ってたんでしょー…?ほらほらほらほらほらぁ」 必要とあらば平然と虚言を弄して憚らない彼も、 心を許す人間には誤魔化しの言葉一つ出てこない。 嘘をついてもバレバレ。 だから、都合が悪い状況に置かれた場合とる方法は一つ、口を閉ざすのだ。 アメリアはそれをよーく知っていた。 「(汗)ええい!うるさいっ!多少気が変わってても、取り返してみせるわい!」 「ええー?ゼルガディスさんなんて目じゃないほど夢中になってたら?」 「それでもだ」 「わぁ、すっごい自信ですね」 「別に自信があるわけじゃない。必要だから、諦められないだけだ」 「………」 「ただ……それでお前が苦しむのなら、不幸になるのなら…仕方ない、諦めるがな」 『もし』、『だったら』、ありえたかもしれないけどあくまで仮定の空話、そうは思っていても こんな言葉、口に出すのも忌まわしい。 そんな気持ちは向かい合って座る少女にも伝わったらしい。 さっきまで楽しそうにからかい気分で話していたくせに、泣きそうな顔で訴えてくる。 「諦めるなんて言っちゃ嫌です。 私の好きな人は、私を幸せにしてくれるのはゼルガディスさんだけです。 だから……ひっ…く」 ぽろ… ぎょ! 「あわわわ……(大汗)こら泣くな!お前が言い始めたんだろうが!ああもう…… そんな顔するなら、最初からこんなバカらしい事聞くんじゃない!」 いきなりぐずり出すアメリアに慌てたゼルガディスは、手近にあった布で乱暴に顔を拭ってやった。 「ほら!泣き止め」 ついでに頭を撫で…… ぐしゃぐしゃぐしゃ いや…これじゃ撫でるというより洗髪では…… 「にゃっ?!やめてくださぁぁい!頭ぐしゃぐしゃになるじゃないですか! ぬぅぅぅぅ…し返しっ!」 がばっ ぐしゃぐしゃぐしゃっ! 「げ!こらやめんかバカ!」 「へっへっへー♪」 今泣いたカラスがもう笑った。 泣き虫アメリアは潤んだ目のまま、きゃぱきゃぱ笑いながらゼルガディスに飛びかかり、 子犬のようにじゃれついて頭を両手で掻き回す。 「ゼルガディスさんの髪猫みたい。さらさらしてて気持ちいーなー、さらさら……さら…さら…」 「止め…!……どうした?」 その動きがふと止まった。 くしゃ 「さらさらの髪…はじめて会った時は……しゃらんって音してたんですよね、細い針金みたいで…」 「…そうだな」 もとの身体に戻る前、合成獣の彼の髪は細い金属の糸だった。 いまは銀色でしなやかで、まるで猫の毛皮のよう。 ひた 「肌も石像みたいに堅くて。 いつも手袋ごしで直に触らせてくれなかったから、 ざらざらしてたのかつるつるしてたのか結局知らないままでしたけど」 「別に知らなくていい」 岩で出来た肌の感触は、多分ざらざら。 非人間的なそれを嫌って、彼は彼女に触れる時、けっして素手では触れなかった。 「私は知りたかったです。あの針金の髪の、岩の肌のゼルガディスさんは、 私が、初めて好きになったゼルガディスさんなんですから」 「…………」 「……辛かったですか?旅」 「すこしな」 「寂しくなかったですか?」 「いや。……と行ったら嘘になるか、お前がいなかったからな」 「人から避けられたり疎まれたり…」 「それは慣れている。と、前にも言っただろう?」 「……もとの身体に戻れたとき……嬉しかったですか…」 「ああ」 僅かに憂いを含んだ微笑、 アメリアはゼルガディスの短い答えにほんの少し、哀しみの響きを感じた。 淡い、痛みを感じた。 戻れて嬉しい。 無論それに嘘はない。 が…… 忌み嫌いながらも、それでも共に歩んだ合成獣の身体。 他人から異形とさげずまれても、顔を上げ前を向き仲間と少女と共に歩んだあの頃の自分との別れ。 以前の姿を取り戻す喜びの中でも、それは少なからぬ痛みを彼に与えただろう。 人の姿のゼルガディスが在る今、合成獣のゼルガディスはもうどこにも存在しない。 この世に在った、もう一人の自分との別れ。 確かに存在していた、もう一人の自分の消滅。 もとの姿に戻るということは、多分そういうことなのだ。 けれど…… 「………心は、残ってる。消えることなく…」 「?何か言ったか?」 ぶんぶん 「いえ。ね、ゼルガディスさん、ちょっとだけ、触ってもいいですか?顔」 「……ああ」 ひた アメリアの両手がゼルガディスの頬に触れる。 「わぁ、すべすべ…これならきっとお化粧の乗りも良いですよ!」 「……何故化粧?」 ゆっくり、優しく、掌が頬を滑る。 柔らかな掌が頬を撫でる感触をゼルガディスは目を閉じじっと味わっていた。 原因であった岩人形が分離して人のものとなった今の肌、滑らかで柔らかで暖かい、人間の肌。 両腕の中抱きしめたなら、それは、優しい温もりで目の前の少女を包みこむだろう。 合成獣であった彼が、あの頃望み、夢見たように。 遠くを見つめる彼の傍らで、少女が、切ないほどに待ち望んだように。 「……これが今日、最初で最後のチャンスかもな」 「え?」 「やっとで、遠慮無く触れることの出来る身体に戻れたんだ」 「あの…」 「前言撤回、眠るにはまだ早い。……嫌か?」 銀の髪と少し濃い色の肌を持つ青年が、両手を広げて問いかける。 「ヤじゃないです」 艶やかな黒髪と雪のように白い肌を持つ少女は、迷うことなくその腕の中に飛びこんだ。 「あれ?……隊長!!」 見回りの当番であるらしい若い兵士が二人、 薄明かりの中、意外な場所に座りこむ隊長に気付いて驚きの声を上げた。 「どうしたんですか?!こんなところにお一人で」 じろ 「見張りだ。若いもんが邪な考えでもって新婚夫婦の部屋に近づかんようにな」 ぎく 「え?!や、やだなぁ!そんなこと考える奴がいるはず無いじゃないですか!な、なぁ?」 「お、おう!隊長ったら考え過ぎですよ!じ、じゃっ!」 そそくさ 「…………これで五人目。 はぁ……本当に行動の予想のしやすい奴らばっかり揃いおって… 覗きなんぞに使う時間があったら可愛い娘の一人でも捕まえてこんか!……ったく情けない」 二人の部屋へと続く階段の前で、置いた椅子に座りなおしながら彼は深々と溜め息をついた。 窓の外、ふと目を上げれば、そこには蜂蜜色した甘い月。 「ただでさえお忙しいお二人の時間を奪ってしまったんだ、せめてこれくらいはせんとな。ん?」 ひたひたひた 『すっごく仲が良いって、城でも評判なんだってさ』 『へぇぇぇぇ』 「………また来たか(溜め息)」 実直な砦の隊長はこの後、蜜にたかる蟻のように近づいてくる出歯亀たちを、 睨み、威嚇し、追い払い、 夜が明けるまで二人の部屋を守りつづけた。 夜が明けて、蜂蜜色の月が朝の光の中、 白く溶けて消えるまで。 end =========================================== ………おわりです。 頭の中に浮かんだことぜーんぶ入れようとしたら、やっぱりながーくなりました。 (入れられなくて、削った部分もあるんですけどそれでも長かったです。私には(涙)) 昔はこの三分の一くらいでも『長い』とか思ってたんですけどねー。(遠い目) 今ではその長さが『短いもの』になっちゃうんですから、いやはや人生わかんないもんです。 (それを言うなら作文C評価の私がこんなん書いてる方も解らない(笑)) 頂いた感想のお返事に、ぽつぽつと予告めいたこと書いたりしちゃいましたので、(涙) 『書かねば!っつーか書き上げねば!(涙笑)』とがんばったのですけど、 期待を裏切らないものに……なって……いましたでしょうか?(冷汗だらだら) では、最後まで読んで頂いてありがとうございました。 |
2547 | Re:『Honey Moon』下 | くが | 12/14-21:39 |
記事番号2543へのコメント 笑いました。 アメリア可愛い。ゼルも可愛い(笑) おかげで笑えました。 そして、最後はしっとりと読ませてもらいました。 胸にじ〜〜んときました。 二人ずっと一緒にいて欲しいと思いました。 そして最後に、また笑いました。 セイルーンの兵士って一体……。 |
2563 | やっぱ若者ですから(笑) | おーはし | 12/18-07:36 |
記事番号2547へのコメント またのご感想、ありがとうございますです。 上下とも喜んで頂けて一安心です。(ほっ) いやその(汗)、前半かなりオヤジ入ってるし、 『す○べ(笑)』とか思われたらどうしよう…とか思って(ぐにぐに) 笑ってもらえるかなぁ?最後まで読んで下さるかなぁ?と、 結構不安だったのです。今回。(毎回言ってるような気もする(笑)) 覗きネタは最後の方で『ぽっ』と出てきたんですよね。 『そういやここって森の中の砦、つまり男ばっか。 女っ気のない若い男ばっかのとこに、 新婚さん(笑)それも熱烈恋愛結婚(!)の、が泊まるんだから… ……やっぱ……ねぇ(笑)』……と。 ほんとにもう…… こーゆーとこばっかり気がまわるんだから(笑) |
2554 | 初めまして | しゃも URL | 12/16-00:16 |
記事番号2543へのコメント 初めまして、おーはし様! しゃもと申します。 いつも楽しく読ませて頂いておりますが 度胸がなくて、いつも書き込みをしていませんでした・・・。 しかし!も、もう辛抱たまらなくなってしまいました!! たまりませんでした!!「Honey Moon」 上を読んで「・・・ゼ、ゼル・・・(泣、笑)」 (何ともあの二人らしいと言うか(笑)) しつつ下を読んで「二人ともお幸せに〜!!」と 頬を赤らめてみたり もう、本当に良かったです〜! 何だか上手く感想が書けなくて口惜しい・・・ とってもお腹いっぱい夢いっぱいになりました! 次回作も期待しております〜! |
2564 | あ、また初めてさんだ(喜!) | おーはし | 12/18-07:37 |
記事番号2554へのコメント こちらこそはじめましてです。(ぺこり) ご感想頂くのは初めてさんですけど、前のも読んで下さってるんですね。(嬉) 重ねて、有難うございます。(深々) なにしろ書いてくださった分しか『読んだ!』って解らないから(←当然(笑)) カミングアウトはすんごく嬉しいんですよ。 えへ。 お返事書くの、遅くてヘタで恥ずかしいんですけどね。(てれてれ) んでも、「下」の最後に赤面とは… ……清らかなんですね……(遠い目(笑)) この恐ろしくオヤジ(笑)な話を、怖じけることなくよく読んでくださいました。(笑) では、ほんとにご感想ありがとうございました。 |
2560 | ほうっ | わかば E-mail | 12/17-00:35 |
記事番号2543へのコメント 読み終わって、ほうっと幸せのため息。 暖かいお話でした(前半ひやひやものですね) それにしても、魔剣士さんの「・・・必要だから諦められない」 良いですねえ。そんなことを言わせてしまう姫様ってすごい存在ですね。 またまた、素敵なお話を読ませていただき、ありがとうございました。 |
2565 | てれてれ(赤面) | おーはし | 12/18-07:38 |
記事番号2560へのコメント 今回もちゃんと感想下さって、ほんとに毎度ありがとうございます。 前半ひやひや……でしたか。(笑) うーん、さいとうぐみさんのお言葉といい、 このお話、前半だけで止めとかなくてほんと良かった。 一回、考えたんですよね。 前半だけで、お笑いものとして出そうかなぁ…とか。(汗笑) ほんと、良かったです。 実際、書きあがってみると言いたいこと殆ど後半に詰め込んじゃってて、 後半なしでは納まらない内容になっちゃってましたしね。 (でも、後半はほんとに先の見えないイタコ書き状態でした(汗笑)) では、ほんとうにありがとうございました。 |
2579 | はじめまして | UMI | 12/22-12:50 |
記事番号2543へのコメント こんにちは、いつもおーはし様のお話は読ませていただいているのですが、 コメントを書くのははじめてです。寒い季節にぴったりな暖かくてらぶらぶな 話で、とっても良かったです。個人的におーはし様の作品で特に好きなのが 「記憶の底に眠るもの」と「あなたの胸で眠りたい」だったりします。「あなたの 胸で」の方は番外編とか読みたいなとか思っているんですけど。アメリアの 結婚話をゼルが聞いてからアメリアを森に連れて行くまでのあたりなんかを。 はじめましてなのにやたら勝手な事を書いてしまってごめんなさい。 次回作も楽しみにしています。頑張ってくださいね。 次は新婚旅行編になるのでしょうか、やっぱり? |
2583 | あ、まだ感想が!(喜) | おーはし | 12/23-15:57 |
記事番号2579へのコメント 「もう無いだろう」と思ってたとこでのご感想!(驚&嬉) こちらこそはじめまして、毎度ご愛顧ありがとうございます。 毎日寒いですから(うちはちょい前に初雪降って嬉しいやら寒いやら) お話読んでぬくぬくして頂けて嬉しいです。 季節は外してるんですけどね(笑)冬の最中に春爛漫(再笑) 『あなたの胸〜』気に入って下さいましたか。(喜) とか言って、書いた本人も結構気に入ってはいるんです。 暗いものだけど、二人を底無しにらぶらぶに書けたもんで(笑) 逆に『記憶の底〜』はらぶらぶが基本でないとこが気に入ってます。 で、「あなたの胸〜」番外と、新婚旅行編……ですか?(汗) うぅ〜〜む(悩)………書けるかなぁ………(涙) 現時点では年末大忙し(貧乏暇無し)の頭からっぽ状態で、 「次に書くなら全然違うの」くらいしか考えてなかったのですけど… はっきりしなくてごめんなさいです。(←優柔(以下略)) あ!でもでも、こやって聞いたことは覚えておいて、 お話の種にしてますんで、言って頂くのは嬉しいです。 書いてて楽しいのも重要だけど、 できれば、喜んでもらえるもの出したいですから。(てれてれ) ではほんとにありがとうございました。 |
2589 | 初めまして。 | 水晶さな | 12/27-00:28 |
記事番号2543へのコメント 初めまして、水晶さなといいます。 実はちょくちょくここを見に来ていて、おーはし様の作品を何度か読ませて頂いていたんですが、コメントを書くのは初めてです(遅!!) 前々からおーはし様の書くゼルアメ小説が大好きでした〜。 特に今回は「fairy tale」の続きだし(実は密かに待っていた)とても面白かったです。過不足の無い言い回しと情景描写の的確さには脱帽しました。うーん上手い言い方ができない・・・とにかく感動したんですよぅ。 これからも応援してますので頑張って書いて下さいっ。短いですがこれで失礼します。 |
2597 | こちらこそ(ぺこ) | おーはし | 12/29-22:07 |
記事番号2589へのコメント 今回多いです。はじめてさん。(驚) はじめまして、ご感想&カミングアウト(笑)ありがとうございますです。 それにしてもお話出してからもう二週間を過ぎたのに… ここまで長い間感想頂けたのって始めてかも(再驚) 続き、待っててらしたんですね。 …………。 続き出ると……思ってらっしゃいました?(汗) ほんとの事言うと私、アレ書いた時点では、 「これはここでおわり」 ………と思ってたのです(恐る恐る)… あはは(汗)書く気になって良かったです、ほんと(笑) んでも、その………そんな身に余る誉め言葉を頂くと……(ぐにぐに) 照れちゃって照れちゃって……(恥) えー…と、とにかく、喜んで頂けて嬉しいです。うに。 では、ほんとにありがとうございました。(ぺこり) |
2592 | Re:『Honey Moon』下 | にわ | 12/28-00:19 |
記事番号2543へのコメント すごく面白かったです^^。前半はかわいそーだったけど、 最後はLOVE^2でよかった〜。 それにしても隊長さんも実はのぞきっぽい感じがします〜。 |
2598 | 違うんですよぉぉ(涙) | おーはし | 12/29-22:09 |
記事番号2592へのコメント ひゃあ!今回四人目のはじめてさんです。(驚&嬉) ご感想どうもありがとうございます。 「新婚さん、しかも○夜話なんて濃いもの…だいじょぶだろか(汗)」 とか、 めちゃめちゃ心配してたのに…(笑) 喜んで頂けて嬉しいです。 で、いきなりですが、 隊長さんはすんごく真面目で朴訥な人なんですよぉぉぉ(泣) ノゾキなんて!ぜぇぇぇったいしませんです! ちょい役ゆえに詳しくは書いてないけど、『渋くて真面目で忠義に厚い』っていう 義仲さん版コミックのロディマスさんみたいなのを想定して書いたんですよぉぉぉ 見張ってる場所だって! 階段下の中の音(!)が聞こえない(!!)とこなんですから! って……何ゆえここまで力説する!私!(←オヤジ趣味?(笑)) あ、でも、同じ忠義者でもゾルフさんはノゾキそうかも。(をい) なんか変な持論を力説してしまいましたが(汗) ほんとにありがとうございました。 |
2625 | Re:違うんですよぉぉ(涙) | にわ | 1/13-00:25 |
記事番号2598へのコメント 前回はアホなコメントをのっけてしまってすいませんでした・・・。 あれから「過去の小説」でおーはしさんの小説は全部読ませて いただきました。どれもすっごくおもしろかったです!! ゼルとアメリアがなかよし(^^)なのでわたしにとってはうれしい かぎり。これからも楽しみにしています。 |
2628 | いえそんな… | おーはし | 1/14-21:20 |
記事番号2625へのコメント アホななんてとんでもない! あーゆうこと書きましたが意表をついたご意見に実は笑っちゃったりしたんです。 「そーいう見方もあったか!」とか言って(笑) 前のお話読んで下さったそうで、喜んで頂けて嬉しいです。 けど、昔の拙い文を読まれてしまった(赤面)と思うとちょびっと、 いやかなり恥ずかしくもありますです。あははは…(汗笑) では、どうもありがとうございました。 |
2621 | ああありがたやありがたや(死) | 紫麻 | 1/10-02:18 |
記事番号2543へのコメント ハネムーン! やっぱ結婚といったらッ・・・まあそれは(汗) こ、コドモは早く寝なさい!(何) ってなカンジなんでしょうかねえ・・・。 ・・・・私もじゅ〜ぶんガキですが。(死) ゼルアメ〜(嬉) めっさスキなんですけど、この頃見てなかったんですよ。(全然) で、久しぶりに来たらおーはしさんの作品があって♪(感涙) ファンなんです(怪)マジで。 だって俗に言う(?)その、なんというか、大人の・・・ええぃっ!(何) 子供つくるのにひつよーふかけつな行為。(恥)・・・あの二人の場合 それまでの過程だけど(汗) それをいとも簡単にかいてしますんですもの。 これを尊敬しないでいられますかってなもんです! 隊長さん。 ええ人や(涙) あそこまで気を使ってくれるなんて。 普通いませんよね。ああええお人や〜〜(シツコイ) それに比べて兵士ABC(他)・・・・。 どんな奴等じゃ〜〜(汗) ノゾキはいかんですよ! 更衣室の覗きでも万死に値するんだから・・・。(我的考え) 王女&王(仮)の・・・の覗きなんて。 ・・・・ふふふ(怪) すいません、なんか夜中なもんで妙にハイテンション・・・(汗) これ以上失礼な事をかかないうちに逃げます(笑) では。次回作、楽しみにしています〜♪では。 |
2622 | なんと!まだ読んで下さってる方が! | おーはし | 1/12-09:33 |
記事番号2621へのコメント こんなに下に下がってしまってるのを見つけて読んで下さって、 おまけに感想まで書いて下さって、ほんとにありがとうございます。 扱ってる内容が内容ですから(笑) おもいっきりテレながら書いてくださった跡ありありなご感想で、 書いた当人の私も読みながらなんかみょーにテレちゃいました。(てれてれ) 身に余るお褒めの言葉には更にテレてしまいました。(再てれてれ) 隊長さんのこと誉めて下さってありがとうございます。 そうなんです。真面目に気を使ってくれてるんです。(笑) 私は老若男女とりまぜた旅行で風呂ノゾキを目撃、 『こんな年でもノゾキたがるんだな』と感心した思い出があります。(なんちゅう思い出) あ、でも王族のほにゃらら(笑)って傍で監視された時代があったって聞きますよ。 日本でもそこそこ大きい家の○夜は聴衆付きだったとかなんとか…… いや昔の人って大変だったんですね。 12月、このお話書いてからこっちめちゃくちゃ忙しくて全然時間が無くて、 1月になって書けるかな?と思ったら今度はやたらめったら邪魔が入って、 お休みあったのに、お話ぜんぜん書けてないです(涙) イタコ書きはこれだからいけませんね。計画出産が出来ない(泣笑) できれば一月に一個くらいは……とか思ってるんですけど……(汗涙) で、ではほんとにありがとうございました。 |
2544 | かわいそ過ぎるぞっ!! | さいとうぐみ | 12/14-20:46 |
記事番号2542へのコメント えっと、お久しぶりです。 では、感想というか、率直に・・・・すう・・・ 可哀想すぎですよぉ!! もうちょっと、幸せにしてあげてくださいっ!! ・・・純魔族が、ゼロスだったら、殺します・・・ なんでっ!! あんなに、らぶらぶなのにぃぃぃぃ!!! ・・・はぁ、はぁ・・・ 私の云いたい事は、以上です。 では、まだ「上」ということなので、「下」をたのしみにしてます。 |
2566 | あれ?(汗) | おーはし | 12/18-07:39 |
記事番号2544へのコメント わぁ!ほんとにお久しぶりです。 またご感想頂けて嬉しいです。 嬉しいけど…、けど…、 あり? ………おかしい…なぁ?……(首捻り) 私、投稿するとき「上」「下」セットで出したのですけど… ツリーに…「上」しか出て無かったんでしょうか? 変だなぁ……うーん(悩) でも……だとしたら……おこらりちゃうの仕方ないかも… 「上」だけだと確かにかあいそうですからね、二人共。(笑) と言う訳で、 できれば続きの「下」、読んで下さいまし。 ちゃんと幸せな結末(大滝○一?(笑))を用意してますので。 んで、読んで頂いて、 『読んだ!』と、ご連絡頂けたら安心&嬉しいです。 では。 |
2549 | Re:ばんざーい! | 鈴鳴 彩菜 E-mail URL | 12/15-06:33 |
記事番号2542へのコメント 読みました。 ば。 ばんざ〜いいい♪ 良かったね、ぜるりん。(^^) 欲求達成されて★ つーか二人とも新婚初◯達成おめでとお!(^^)! よかったね、ほんとによかった。(と、ここで涙ぐむ) とてもポワワ〜ンとした気持ちのまま終われて嬉しいです。 惜しむらくはここでは初○の「実況」が見れなかったことくらい。(殺) 邪な私ですいません。ホントバカ。 その辺は仕方ないので想像で我慢します。(^_^) ではでは、いいお作をいつもどぉもでした! |
2567 | 読んで頂けましたか(嬉) | おーはし | 12/18-07:40 |
記事番号2549へのコメント も、諸手を上げての祝福、ありがとうございます。(汗) しかも万歳まで叫んで頂いて……(笑) 本人達が聞いたら全身真っ赤かも(爆笑)。 が、その…… 流石に現場(?!)の実況は…………ヤバいでしょう?(汗) (ただでさえこのお話、削除ギリギリじゃないかと思ってましたし(冷汗)) っつーか、私じゃ書くのは無理ですよぅよぅよぅ…(涙) でも……… こそこそっと(笑)言いますと……… 現場(!)とばして翌日、朝の方は考えに入ってました。 アメリアの行動とゼルの行動で、こんなんさせたいってのがありましたので。 上手くまとめられないかも、とか、表現がちょっとなあ、とか考えて、 ついでに自分の根性の限界(笑)を考えて、 そこまで書かずにまとめたのですけど。 あ、そうだ!(ぽん)私まだお願い権残ってるから『実況』部分、 鈴鳴さんとこのぴんくでお願いしようかなぁ?…ふふふふ…(不気味) それでは、また今回もありがとうございました。 |