◆−幻想−CANARU(12/15-19:34)No.2553 ┗類友・・・(くすっ)−P.I(12/16-01:34)No.2555 ┗やっぱり参考ありでっす!!−CANARU(12/16-10:08)No.2556
2553 | 幻想 | CANARU | 12/15-19:34 |
拳闘師。 この商売をしてい男達に熱狂する女性はリナにとってはまったく想像もつかない異世界の人間のように思えてならなかった。 「まったく・・・。」 周囲の熱狂をよそにリナは冷え切った顔をしていた。 「何が悲しくて。獣や奴隷同士が殺し合うスポーツを見なくちゃならないのかしらね・・?」 呆れきったようにリナは呟く。 この下らない競技会に兄のシェザルが参加すると言うことを知らなければこんなコロッセオにきもしなかっただろう・・・・・・・。 「あ〜〜あ・・・。何だかね・・・・・」 呆然と特等席の一番前に座りなんとも言えない眼差しを投げかける。 まったく。奴隷でもないくせにこんなことに現を抜かす兄シェザルに呆れた思いを抱かずに入られない。 「危ない!!!!」 不意に聞こえる周囲からの声。 「何・・・・・・・・??????」 目の前に飛び掛ってくる・・これは・・ 「虎です!!リナさん!!」 半泣きのようなアメリアの声が聞こえる。 「分かってるわよ!!そんな事!!」 仕損じた手負いの虎が闘技場から飛び出し、リナ、アメリアの居る特等席に飛び出してきたのだった・・・・。 が・・・・・・・・・・・。 「何が起こったの・・・・・・???リナさん・・・・?」 「兄・・・上・・・・???」 こんなに瞬時に飛び出した虎を一撃の元に倒せるのは兄、シェザルしか思いつかない・・・・・。 そう判断し、リナは兄の長い黒い髪と長身の後姿を求めて伏せた顔を覗き上げる。 が・・・・・・・・・・・・。 瞬時に目に飛び込んだのは見慣れない金髪・・兄と同様の長身・・・・・・・・。 「大丈夫か・・・?」 拳闘師・・・? イヤ・・・違う。 奴隷ならばこんなに綺麗な服装はしてはいないだろう・・・・・。 ローマの名家の子息であることは間違い無い・・・・。 真坂・・・。兄以外にも奴隷にまみれてこんな協議に参加する人が居るとは・・・・・・。 「呆れて物も言えないわ・・・。」 口元まででかかった言葉を辛うじて飲みこむリナ。 「ありがとう・・。助かったわ・・・・。」 手短にそうとだけ言う。わざわざ助け起こしてくれる所が名家の子息にしては珍しい。 「ん・・・。お前さん。見かけない顔だな・・・?俺はガブリエフ家のガウリイって言うんだ。で、お前は・・?」 なるほど・・・。 確かにアタシは見かけない顔よね。 例えローマ一の名家、ガブリエフ家の子息にとっても。 「知ってのっとりだと思いますが・・・。この人ガブリエフ家・・ローマ一の高貴な家系の次男坊ですよ・・。リナさん。変わり者で有名の!!関わらないに越したことはありません!!」 コソリっとアメリアがリナに耳打ちする。 へえ・・・。 変わり者で有名・・・・・。しかも関わらないほうが良いときたか・・・。 こう言うことを言われた日には・・・。 余計に関わりたくなる・・・・・・・。 まあ・・・。彼にその度胸があればだが・・・ね・・・。 「アタシはクラウディスウ帝の・・・・。」 ココでリナはいったん言葉を切る。 「先妻の娘・・・・。メッサリーナの娘、皇帝の戯け者のシェザルの妹・・。リナよ・・・。」 ほ〜〜ら・・・・・。 コレを聞いて尋常で居られるわけなののよ・・・? 勿論、威張れるわけは無い。 未だに処刑されながらもメッサリーナほど戯けた女は居ないと言われるほど。 そして、今の皇帝一家は後妻にはいったアブリッピナと言う悪女とその息子、ネロに乗っ取られてしまっている。 皇女だからといって・・ましてや悪名名高いメッサリーナの娘と来た日には妙な烙印を押されても致し方ないのだった。 「・・・・・。」 未だにリナの手を取ったままのガウリイの硬直。 それをリナは驚愕と世間一般で言う所の「嫌悪」と判断した。 「なんだあ・・・。お前がシェザルの妹か〜〜♪」 予想に反して帰ってきたのは満面の嬉々とした笑顔だった・・・・・。 「すまない・・・。ガウリイ!!」 あ・・・・。兄上・・・。今更遅い・・・・。 口に出掛かったがあえて何も言わないことにリナはした。 どうやら・・・。 この二人知りあいだったらしい・・・。と、言うよりもしかして変わり者の仲間・・・??? 「今日からコイツは俺の側近になるんだ。」 混乱しているリナの頭を撫ぜながらシェザル。 「そう、シェザルには世話になってるんだぜ?俺ついに家追い出されちまってさ。」 あははと笑うようにガウリイ・・・。 まったく・・・・。 類友と言うのは本当にこういうののことを言うのかもしれない・・・・・・・・。 今だしっかり回らない頭を抱えたままリナはかろうじてそうおもったのだった。 「リナ!!何処にいって居たんだよ!!??」 ローマの中心部にある宮殿に着いたその時だった。 やおら噴水の脇から一人の少年・・・年の頃ならリナより五つくらい年下だろうか? 金色に近い鳶色の髪、ほぼ灰色に近い蒼い瞳、そしてその肌の色は透けるように白い線の細い感じの脆弱な少年である。 「ネロ!!」 怯えた眼差しを隠そうともせずリナの手にしがみ付くまだ幼さを隠し切れないが精一杯威厳を保とうとしている姿がどことなく痛々しさすら感じてしまう。 「分かってる。僕だって情けないこといってるって事は理解してるよ。でも・・・・・・。」 ココから先は・・・。言わせるべきじゃない。 そうリナは判断して自分から少年を諭す。 「わかっている。あんたを置いて何処にも行きやしないわ。」 この少年が頼れるのは皮肉なことにも自分だけなのだと言うことをリナは知っていた。 「リナ・・・」 ネロが言い終わるか終わらないかのうちだった。 「ネロ様。何をしていらっしゃるのです?」 不意に聞こえる甲高い女の声。 「だれだあ・・・。あのオバさん・・・。」 ボソリと状況を知らないガウリイが言う。 『くそ煩いネロ様の家庭教師のマダム(爆笑)ポッパイアです。これまた煩い母上のアグリッピナ様がお決めになった方なんです。』 小声でアメリアが登場人物説明をする。 「やだ!!」 不意に泣きそうな声を出しながらネロはリナの服の端をつかみながら叫び反抗する。 「ネロ様!!お母上のアグリッピナ様のご命令です!!」 「嫌だ!!僕は・・もう嫌だ!!あの女の傍には居たくない!!」 なおも泣きながらリナに必死にしがみ付く少年に 「ネロ様!!」 振り下ろされようとするポッパイアの手・・。 が・・・・・。 「ガ・・?ガウリイ・・・・???」 ネロを折檻するために振る降ろされるはずだったその手をきっちりとガウリイが受け止めていた・・・。 「おいおい・・。オバさん。子供は殴るもんじゃないぜ?何時もこんな目にあってりゃ誰だって嫌になるよな?坊主!!」 言ってガウリイはグシャグシャとネロの頭を撫ぜる。 「う・・うん・・・。お兄ちゃん・・。ありがとう・・。」 ぎこちなく微笑むネロ。 それが・・・・・・・。 全ての始まりだったのかもしれない・・・・。 「良いですか?リナさん。無闇滅多にうちのネロを甘やかさないで頂きたいわね。」 足を投げ出し、ソファーに半分寝転がったような状態で果実酒を片手に侍女に髪を梳き上げられながらリナとシェザルの継母にしてネロの母、アグリッピナが言う。 無論、その場に当事者のガウリイも同行させられている。 「なあ・・。リナ・・。」 「貴方は黙ってて。厄介事は起こしたくないから貴方は単なる目撃者。アタシだけが当事者と言うことにして欲しいのよ。」 すばやく小声で言って製する。 「けれども・・。ネロは極端に怯えています。あの年の少年にしては・・・脆弱なほど・・・。」 「貴方にとやかく言われる謂れは無いわ。それに・・・。万が一・・・。あの子が脆弱なままの育ったとしても。権力の座に着けばソレで良し。それでも役者不足ならリナさん・・・。貴方があの子の妃としてサポートすればそれで済む。ソレだけの事でしょう?」 氷のように済みきった美しい青い瞳・・・・。 残酷なまでに紅い形の良い・・同性から見てもうっとりするような唇で微笑みそうとだけ口にするアグリッピナに冷たい戦慄を感じリナは閉口して退出する。 「あの女の前に出ると・・・。ゾっとするわ。何時も何時も権力のことばかり。ネロも彼女の道具にしか過ぎないのよね・・。可哀想に・・・。」 廊下を歩きながらリナはブツブツと誰にともなく言う。 「なあ・・。リナ・・・・。」 「何・・・?」 後ろから声をかけてくるガウリイに対して振り帰りもしないでリナは返事だけする。 「ネロの妃・・・とかあのおばさん言ってたが・・・・・??」 焦りを意図的に押さえた声でガウリイ。 「ああ・・・・。あのオバさんの勝手な計画よ。それに・・・。アクメって言う女の子がネロには居るわ。アタシは・・・。単なる保護者なだけ。」 「単なる保護者・・・か・・・。」 そうとだけガウリイは口にした。 「ええ・・。保護者よ・・・。あの子のためにも・・。近々私は兄上とお別れしなくちゃいけないのよ・・。寂しいわね・・・。」 聞いてはいないが・・・・・? とふとガウリイは思った。 側近となったからには。自分も着いていかねばならないのだろうか・・・・? 会って未だ一日も経ってはいないのに・・・・。 ガウリイは完全にリナという存在に束縛されたことを感じているのだった。 「大競技場の四連馬車競技会?」 不意に出された提案に困ったように答えるガウリイ。 「ああ。俺はもとよりネロ、シェザルも参加する。お前も出るだろ?ガウリイ?」 同僚のゼルガディスの唐突の誘い。 「しかしなあ・・・・・・。ま、いっか・・・。」 「確かに。あの脆弱なネロが出るのには一抹の不安が無いわけではないさ。俺だってな。」 ガウリイの気持ちを察したのだろうかゼルが答える。 「行って見たらどうだ?ネロはリナと一緒に中庭の噴水の所に居る。」 前にあの少年が怯えて居た場所か・・・・・。 昔から兄と比較され好き勝手に育った自分としてはあの少年の母親を異常なまでに恐れる気持ちは理解できないのだが・・・・・。 まあ。良い。行ってみよう・・・・。 「リナ!!ネロ!!」 二人は黙って噴水の脇に腰掛けている。 「ガウリイ・・・。これ・・・。もともと覚悟していた事とは言え・・・。急にこんな・・・。」 「シェザルからの手紙・・・。」 リナのあとにネロが続き羊皮紙をガウリイに渡す。 「これは・・・・・・・???」 「兄上は戦争に・・・。軍人になったのよ・・・。で・・・。」 ココまでいってリナが言葉を切る。 「シェザルは・・・。あの女・・・。母上の陰謀で激戦区へ飛ばされたんだ。もう・・・。」 「どう言う意味なんだ・・・・・・・?」 この二人の様子は尋常ではない。だが、ガウリイには今一つ意味が読めない。 「リナをよろしく・・・だって・・・。」 言葉を紡がないリナに反してネロが一言だけガウリイに告げる。 「よろしくって・・・・・・????」 ガウリイがいい終わるか終わらないかのうちだった・・・・・・・・・・・・・。 「リナさあああああああああああんんんんんんんんん!!!!!!!」 突如聞こえるアメリアの絶叫。 「アメリア・・?どうしたの!!!??」 尋常ではないその様子に素早く噴水の脇から起き上がりアメリアの方を向くリナ。 「大変です・・・。皇帝陛下が・・・。キノコを召し上がって!!!」 「義父上が如何したの・・?アメリア!!?」 今度はネロが聞く。 「毒殺・・・毒殺です!!・・・・。皇帝陛下が・・・・・」 ココまで言って言葉を詰まらせるアメリア・・・・。 「あいつだ・・・。あの女が義父上を・・・・・・。シェザルは・・・。今日厄介払いされてしまった・・・。あの女は僕を皇帝にして権力を握るつもりなんだ!!嫌だ!!僕は皇帝になんかなりたくない!!助けて!!リナ!!」 泣きながらリナにすがり付くネロ・・・。 「分かってる・・・。分かっているわ・・・。でもまずは泣くんじゃない・・・・。泣いていたって何も解決しやしないわよ・・・?分かるわね・・・?」 少年の瞳を直視してリナはネロに語りかける。 「分かったよ・・・。リナ・・。でも・・・僕は如何したら・・・・・・。」 「自分を見失っては駄目。いいわね・・・・・?」 曖昧に頷くネロ・・・。 「ともあれ・・・。事件はもみ消されると考えたほうがいいだろう・・・。ガウリイ、アメリア、リナ・・・。分かているな・・・?」 ゼルガディスの一言に頷く一同。 「分かったてます。何より・・。この権力闘争劇からネロさんを守る・・。ソレだけでしょう・・。」 そっとアメリアが告げるのだった。 「ネロとリナさんには婚礼を上げていただきます。」 開口一番、アグリッピナはそう告げたのだった。 「何故?確かに僕はリナの事は好きだよ?でも・・。それはお姉様として大好きなんだ・・・・。それに・・・。リナだってそんな事は望まないはずだよ!!?」 懸命に母親に訴えるネロ。 が、そんな少年の頬に母親は平手打ちを浴びせ掛けるだけで轟然と言い放つ。 「お黙り!!ネロ!!お前にそんな事を言う権利も力だってありゃしないんだよ?おまえがそんなに望まないというのならリナはコルシカの何処とも知れない地下牢に閉じ込めることも貧しい貴族に問答無用で嫁がせる事だって出来るんだ!!」 「お願い!!結婚なんて出来ないけど・・・。僕からお姉様を取り上げないで!!」 か弱い少年の懇願をやはり無視し、ガウリイ、アメリア、ゼルに囲まれたリナに歩み寄ってくるアグリッピナ。 やおらその腕をグイと掴み掛かりリナをその場から引き離そうとする。 「シェザル・・・。お前のお兄さんがもはや居ない今・・・。皇帝の座はもはや私のネロのもの。貴方もそれに従ったほうが良いのよ?お分かり?」 冷たい口調でリナの耳元で囁く。 どうすれば・・・・・・・・・・・・・・。 「娘の未来を決めるのは・・・・。その父親か兄の権限だろう・・。あんたが決めることじゃない。」 アグリッピナの腕をリナの腕から振り払いながらガウリイ。 「何を?今更何を言っているの。皇帝はもはや居ないし、ましてやシェザル・・。この子の兄が何かを言っていたわけではあるまし・・・。」 「言ってはいないさ・・・。だがな・・・。」 アグリッピナに負けず劣らず轟然と言い放ちガウリイは懐から羊皮紙を取り出す。 「な・・・・・?」 「あいつは戦に行く前に言ったんだ。『リナを頼む』とな・・・・。」 「・・・何が言いたいの・・・・?」 今だ硬直したまま・・・ある意味恐怖した瞳をしたまま立ちすくむネロを宥めるように眺めながら佇むリナを引き寄せながらガウリイは言う。 「今日よりコイツは俺の妃にする。ソレだけの事だ。もはやリナは今となっては皇帝の娘ではない。身分的にもガブリエフ家のモノである俺なら問題無いだろう?」 言ってガウリイはリナを連れて退出しようとする・・・。 「リナ・・・・・。」 微かに聞こえるネロの不安そうな声。 大丈夫・・・。瞳だけでそう伝える。 「ガウリイ・・・・。」 「戦車競技は中止だ。」 言ってガウリイはリナを隣の席に乗せ黄金の戦車でいかにも凱旋将軍であるかのように市内を駆け巡らせる。 「悪かったな・・・。お前とネロは姉弟みたいなものなのに・・・・。あんな風に嫉妬しちまって・・・。で・・。勝手に・・・・。」 「本気でアタシでいいの・・・?そりゃあまあ。ネロのことは心配だけど・・・・。」 「・・・・。あの子からお前さんを奪い取っちまって悪いことはしたと思ってはいる。けど・・・。やっぱり譲れなかったぐらいなんだぜ・・・?」 さらに馬に鞭をかけ黄金の馬車を丘の上まで駆け巡らせるガウリイ。 「ガウリイ・・・・。」 深紅のマントと黄金の髪の毛のコントラスが眩しい。 やはり金色の勲章すらその髪の前では色あせて見える。 「気分は凱旋将軍だな〜〜♪このまま俺がリナの皇帝になっちまおっかな・・・?」 「ば〜〜か・・。もうすでになってるでしょ?」 嬉しそうに戦車を駆けるガウリイとリナ・・・・・。 そう・・・・・・・・・・・・・。 同じように戦車を駆けながらも今じゃこんあ事になるとは・・・・・・。 「違う・・・。僕じゃない・・・。、僕じゃない!!僕じゃないんだ!!」 うわ言のように未だに呟くネロ・・・・。 事はガウリイがローマから僅かに離れた領地の別荘に新居の準備をしに行った僅かな時間に起こったのだ・・・・・・。 丘の上からローマの市内を見渡すリナ・・・。 嬉しかった。 確かに弟のような少年のことは心配だったが・・・・。 自分のことだけに・・ガウリイとの事だけに酔って居たい心境。 それが・・・。失敗だったのかもしれない・・・・・・・・・・。今となっては。 夕日が美しかった。 かつてネロがエーゲ海から眺めるのはこんな夕日か、と詩で歌った事がある。 まるで火のような、っと・・・・・・。 「火・・・・・・・????」 嫌な予感がする・・・・・・・・・・。 そう思い・・・リナは戦車の馬の一頭を外しガウリイが戻るまでの間市内に戻る事にしたのだった・・・・。 「リナ!!」 燃え盛るローマ市内・・・・・・・・。 四頭居るはずの馬車馬の一頭が見当たらない上にリナの姿も無い・・・・。 と、言うことは・・・。状況はただ一つしか考えられない。 「ガウリイ!!」 「ガウリイさん!!」 無事に非難してきたのだろうゼルとアメリアがガウリイに駆け寄る。 「アメリア、ゼル!!リナは・・・?」 「ココにも居ないんですか!!??」 「って・・事は・・。やっぱり市内にか・・・?」 悔しげにゼルが言う。 「どう言うことなんだ・・・。コレは・・・・・。」 「ネロさんです・・・。ネロさんが錯乱してローマ市内に火を!!」 「何だって・・・・・・・・・・・・・・。」 言い終わるか終わらないかのうちにガウリイは残り三頭の馬で馬車を発信させローマ市内に戻ったのだった・・・・・・。 「僕じゃない・・・。僕じゃない・・・・!!!!」 火が放たれたであろう現場で横たわっていたネロが目を覚まして一番に発した言葉がこれだった・・・。 錯乱している事は明らかである。 「分かってる!!分かってるわ!!」 怯えている・・・・・・。そう分かりネロをリナは必死で抱きしめる。 怖いんでしょう………・??ネロ・・・・・・・・。 「私は貴方を信じてるわ・・・・・。」 そうとしか言えない・・・。この子が錯乱してそんな事をするなんて・・・・。 信じない。絶対に。 「分かってるわ。ネロ。疲れているんでしょう・・・?少し寝なさい・・・・。」 「言いの…?リナ・・・・?」 「大丈夫・・。貴方が目を覚ましても。傍に居るから。ね。」 「リナ・・・・・・。」 よっぽど疲れていたんだろう・・・・・・・・・。 少年はまもなく眠りに落ちた。 信じよう。少なくとも。アタシだけでも・・・・・・。 「何言ってるんだ。信じてくれる奴が神事死んじまったら。目を覚ましたら一緒に居てやることにならないんだぜ・・?」 不意には以後から・・・炎の海から聞こえる見知った声・・・・・。 見知った・…?最初は知らない声だったのに・・・・・・・。 「ガウリイ・・・・。」 炎の中から現れる黄金の馬車と髪。 何時の間にか馬車も四頭の馬に引かれている。 「リナ・・・。お前が其処までして護りたかった弟だ。俺もそのこを信じるぜ?」 「ガウリイ・・・。」 「乗れよ!!今からでも遅くない。ココから逃げるぞ!!」 「はい!!」 言うが早いかリナは黄金の馬車に乗り込んだ。 遠ざかる市街地、力強い力に引かれて去っていく。 「ねえ・・。ガウリイ・・・。」 「な〜に!!シェザルなら生きてるさ。そのうちひよっこり帰ってくる。」 「どれでも・・・。あたしと一緒に居てくれる・・・・?」 「当たり前だろ!!」 炎を駆けぬけながら丘に辿り着く。 例え、後の世で何と言われようとも・・・・。 ネロはもう暗殺されたのだ。ココに居るのはあたしの弟・・そして生きよう。 これからはガウリイと・・・・・・・・。 ローマの市外が復興したのはそれからすぐの出来事だった。 人々は暴君とネロのことを呼びはしたがその存在はもはや何処にも存在しなかった。 「兄上・・。アタシ達は幸せよ。」 ガウリイに寄り添われながら帰ってきた兄をリナは迎えた・・・。 「ああ・・・。良かった・・・。本当にな・・・・・・・。」 ネロの頭を撫ぜながら妹と義弟を眺める兄・・・・・・。 しばらく復興し、より美しくなったローマに平和な風が流れていた・・・・。 (終わり) ふう・・・・。 珍しく後書き。今回は暴君と言われたネロについて書いてみました。 理由は古代ローマの戦車に乗ったガウリナを書きたいというそれだけ・・・・・・。では〜〜!!次回は某女王の映画に触発されて イギリスの話を書きます〜〜♪ |
2555 | 類友・・・(くすっ) | P.I E-mail | 12/16-01:34 |
記事番号2553へのコメント CANARUさん、こんばんは!お早いUPで〜(^^) 真紅のマントと金髪をなびかせ黄金の戦車を駆るガウリイ。 そしてそのガウリイにかっさらわれるリナ・・・羨ましいですなぁ(うっとり!) お兄さんのシェザル、ガウリイと類友なんですか?(ぷぷぷ)きっとこの二人が やらかした悪さの後始末は、真面目なゼル辺りが請け負ってたんでしょうね。 二人でもっとばかやってるところも見てみたかったです!でもってリナが 「いいかげんにして頂戴っ!!ネロが真似したらどーするのっっ!!」 って、こめかみをピクピクさせて怒るの〜(^0^) (結婚してから言いそうな気がする・・・) 某女王ガウリナ・・・ガウリイの役は何かな〜?映画版もいいけど、Pは 榛名しおりさんの「王女リーズ」も好きなんですよ〜♪ レポートとかでお忙しいとは思いますが、また素敵なお話を期待しています! それでは〜!! |
2556 | やっぱり参考ありでっす!! | CANARU | 12/16-10:08 |
記事番号2555へのコメント >CANARUさん、こんばんは!お早いUPで〜(^^) >真紅のマントと金髪をなびかせ黄金の戦車を駆るガウリイ。 >そしてそのガウリイにかっさらわれるリナ・・・羨ましいですなぁ(うっとり!) ありがとうです〜〜!! 英語の授業で「太陽の黄金の戦車」「月の銀色の戦車」 などという単語を習ったので急に思い付いた話でした〜〜!! >お兄さんのシェザル、ガウリイと類友なんですか?(ぷぷぷ)きっとこの二人が >やらかした悪さの後始末は、真面目なゼル辺りが請け負ってたんでしょうね。 ですね!! ちなみに参考にしたのは「ボルジア家の黄金の血」と 言う本のチェーザレとミケロット」の悪ふざけなんです〜〜!! >二人でもっとばかやってるところも見てみたかったです!でもってリナが >「いいかげんにして頂戴っ!!ネロが真似したらどーするのっっ!!」 >って、こめかみをピクピクさせて怒るの〜(^0^) ですね!! ちなみに悪名名高いネロですが・・・。 あえて脆弱な少年に書いてみました(やっぱり急に思い付いたらしい) >(結婚してから言いそうな気がする・・・) ですね・・・。 奥さんぶりが板について〜〜♪ >某女王ガウリナ・・・ガウリイの役は何かな〜?映画版もいいけど、Pは >榛名しおりさんの「王女リーズ」も好きなんですよ〜♪ あ、私も読みました〜〜!! あと「マリア〜ブランデンブルクの真珠」も素敵で大好きなんです!! >レポートとかでお忙しいとは思いますが、また素敵なお話を期待しています! >それでは〜!! はい〜〜終わって暇が出来次第書きますね〜〜!! |