◆−グロリアナ−CANARU(12/20-20:29)No.2573
 ┣大好きな時代です♪−P.I(12/21-00:22)No.2575
 ┃┗ありとうございました〜〜!!−CANARU(12/21-16:00)No.2577
 ┗ううん、ぐっどていすと(笑)−まりや(12/23-00:03)No.2581
  ┗ありがとうございました〜〜!!−CANARU(12/23-11:03)No.2582


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2573グロリアナCANARU 12/20-20:29


長編書きたいけど気力が無いです・・(涙)
其処で二本立てと言う事でお許しを・・(涙)「リナさ〜〜ん!!」
久々に戻ったロンドンの宮殿にアメリアの能天気な声が響く。
「な〜に?アメリア。」
忙しくよそ行きの純白のドレスを身に着けながらリナは少々
素っ気無く答える。
「ねえねえ、折角ロンドンに戻ってきたんですし。テムズ河に散歩に行きません?」
あのねえ・・・・・。
言いたい気持ちを堪えてリナは深く溜息をつく。
「それ所じゃないのよ。リナは・・。済まないわね。アタシの名代だなんて・・。」
親族の女・・・・。
リナと同じテューダー王家の血を引くベッシィーの声である。
深い黒っぽい瞳、赤みを帯びた腰よりも下のほうにある美しい長い髪の女性。
年の頃はリナよりも4つか5つくらい上であろうか・・?
「構わないわよ。ベッシィー。たかが・・・・・・。」
あ〜〜あ・・・。
何でアタシが三代前の国王・・・・。
エドワード5世の子孫が牢獄から釈放されるからって迎えに行かなくちゃならないの・・?
確かにベッシィーが行くには礼が過ぎている。
かといってそんじゃ其処らの貴族が迎えに行くのは礼節を欠いていると言う訳か・・。
しっかし・・・・・・・・・・・・・・・・。
よりによってあたしが・・・。

馬車に引かれていきながらロンドン塔へ行く・・・。
この場所はハッキリ良いって嫌い。
ヨーク家とランカスター家の争いによって獄死した幼い二王子の面影を
引きずっているような気すらしてならない。
「リナさん・・・。ココ・・。陰気で嫌です・・。」
「そりゃあまあね。ロンドン塔を見ていい気をする奴が居るとしたら
是非とも一回アタシとしてもお目に掛かってみたいわよ。」
素っ気無く言いながらよっぽどひまだったのだろう。
リナに付いてきたアメリアに言う・・・・。
「お〜〜い・・・。誰か居ないかあ・・?」
裏門のほうから聞こえる微かな情けない声。
「何かしら・・・?ったく・・・・。
こんな時にこんな所で迷子になる奴が居るなんて。信じられない!!」
半分怒った様に言いながらもリナはあまりにも声が情けないのでほっておけずに
裏門のほうに駆け出した。
「リナさ〜〜ん!!王子様の迎えは??」
「王子様じゃないわ!!現国王はエドワード7世陛下よ!!
そりゃあまあ・・。今ココから釈放されるという人は王位継承権は持ってはいる
みたいだけど!!あ、後は任せたわよ!!アメリア!!、ゼル!!」
そう言って嫌な仕事からさっさと抜け出してさらに加速して逃げる!!
「こら!!俺達に押し付けるな!!」
ゼルの抗議の声をアッサリ無視!!
「さ〜〜ってと・・。間抜けさんはあ・・・っと・・・。」
地図らしきモノを片手にロンドン塔の庭をうろうろしている金髪の背の高い青年。
「お〜〜い!!まいったなあ・・。こりゃ。本気で道が分からん・・。」
そりゃあまあ・・・。
道なんてこの牢獄にあるはずは無いけど・・迷子になる程の場所でも無いのでは・・?
突っ込みをいれるよりも先に此方の存在に気付いて青年がリナのほうにやってくる。
「お!!人だ!!まともな人間だ!!何年振りだろ〜〜!!」
嬉しそうに大げさなことを抜かしながらやって来る。
「いやあ・・・。参ったぜ。俺がココに居る間ここの連中ときたら・・。
尋問だの何だかんだでろくな人間居なかったんだぜ?」
ひとしきり喋りながらリナのほうにどんどんやって来る・・。
「ココに居る間って・・・・?」
「あ。説明不足っだったか・・。俺・・ナンダカ・・えっと・・。
ナンダカ5世・・・だったかな・・・?」
「エドワード5世・・・???」
「あ、そう!!それだ!!俺。ソイツの子孫だからってことで・・。
それだけでず〜〜っとココに閉じ込められてたんだぜ・・?」
と言うことは・・・・・。
コイツがあたしの迎えに来るべき人だったのかあ・・・??
「アタシはリナ。テューダー。現国王の一族モノのよ・・。」
呆れて溜息混じりの声でリナ。
「お!!なんだ!!ちゃんと迎えが来たのか!!俺はガウリイって言うんだ。」
「そう・・・・。」
いや・・・。
本気でそうとしか言えない・・・・・・。
コレからベッシィー、アメリアとともにコイツも一緒にハットフィールドの屋敷に行って
毎日顔をあわせるのか・・・??
そう思うと・・・。何と無く気が重いかも・・・。


ハットフィールドの屋敷は先王ヘンリー8世の最後の妃、キャサリン
が再婚相手の夫、シーモア卿とともに営んでいる小さな宮廷と言っても良い
場所だった。
その片隅でテューダー一族のベッシィーはもとよりもリナやアメリア、
そして高位役人としてゼルも所属していたのだった。
「お帰りなさい。リナ。」
ベッシィーがラテン語の本を読みながらリナ達を出迎える。
「まったく・・・。何なのよ。あいつは・・・。」
「何があったのよ?」
くすくすと笑いながら結い上げもしないで自然に流した赤褐色の髪を
手櫛ですくいながらベッシィーがリナをからかう。
「あいつ!!ガウリイときたら!!気がついたら何時の間にか
傍に来てるのよ!!しかも何かにつけて質問攻め!!さっきなんてお気に入り
のマント思いっきり引っ張るから機嫌を損ねて逃げてきた所!!」
「ふ〜〜ん・・・。ま、アタシには関係の無い事ね。」
微かに笑いを含んだ表情でベッシィーは再びラテン語の本に目を戻し
やおら机の中から紙とペンを取り出す。
「何を書いてるの?ロビィへのラブレター?」
仕返しとでも言わんばかりにリナは年上の美しい女性に言う。
「そんなのじゃ無いわよ・・。ったく。弟の具合が悪いのよ・・・・。
ココの所会ってないのよ。あのこには。」
言ってペンにインクを滴らせながら紙を汚していく。
美しい字体である。
「ならば。会いに行ったらどう?」
「会わせてもらえないのよ。この手紙だって・・・。届くかどうか怪しいわ。
アタシに弟を会わせたがってない人が居るのよ。」
まあ・・・・・。
ベッスィーが心配している気持ちは良く分かる。何故なら・・。
「ねえ。ベッスィー・・。もしもよ・・・。ロビィの事はもとよりも
だけど・・・。もし・・・。」
リナが言いかけたその時だった・・・・。
「お〜〜いい・・。リナぁ・・・・。」
う・・・・・・・・・。
「ほら!!間抜けな王子様がお呼びよ。」
ガウリイ・・・・・。
「行くわよ!!行けば良いんでしょ!!もう!!」
あからさまに怒っているのは偽装のリナを微苦笑しながら見送るベッスィー。
微かに濃い色の瞳に羨みと寂しさを湛えて・・・・・・。

「なあ。リナ。アレ誰だ?」
結局またまた一緒に居ることを強要されて・・・。
庭を散歩しながらガウリイがリナに聞いてくる。
「あ・・・。ああ!!シーモアのお兄様よ。トマス卿の甥にあたるリッチモンドお兄様。
お世話になってる方なの。後で挨拶に行かなくちゃ・・。」
教えてるのか自分に言っているのか・・・。
小声でごにゃごにゃと呟きながらリナが言いながらその人物の方に
向かっていく。
つまらなそうにそれを見送るガウリイ。
「ガウリイ。ちょっと・・・。」
不意にゼルが声をかけてくる。
「何だ・・?ゼル〜〜!!」
億劫な声を出して答えながらガウリイはゼルのほうを見る。
「あまりリナにべたべたするな。」
「・・・・・・・・???」
「別に嫉妬してこんな事言ってるんじゃない。今、イングランド
の王家は混沌状態にある。下手なスキャンダル・・・・・。
強いて言えば王位継承の可能性のある人間は結婚にも慎重にならざる得ないんだ。」
「・……。リナも・・。そうなのか・・?」
急にべたべたするなと言われた上こんな話である。
「ああ・・・。別に一緒に居て悪いって訳じゃない。だがな、ガウリイ。
あいつにスキャンダル沙汰はご法度だ。下手をすれば陰謀と疑われても仕方が無い。」
陰謀と疑われる・・・・・・・?
「牢獄に・・送られちまうのか・・・?」
「ああ。良いか。それだけは頼むぞ!!」
どうやら・・・・。
リナと一緒に居るときは勘違いされないように・・・・。
と言っても気持ちは本気で離れたくないのだが・・誰かに立ち会って
貰ったほうがいいのかもしれない・・・・・。


「ベッスィーさん。リナさん知りませんか?」
アメリアが未だに炉辺に座って本を読むベッスィーに聞く。
「ガウリイさんと一緒に居るんじゃないの?」
本から顔を上げようともせずベッスィー。
「俺はココに居るぜ・・・?」
存在に気がついて貰えなくて少し寂しそうな声で言うガウリイ・・・・。
「じゃあ・・・。リッチモンド『お兄様』と悪ふざけに興じているのかしらね・・?」
悪ふざけ・・・・・????
「隣の部屋で一緒に居ると思うわ。まった悪い癖を出したわね。リナ。」
やおらだっと駆け出すガウリイ・・。
「ベッスィーさん。悪ふざけって言ったって・・・。」
「二人して下手なヴァイオリン弾いて回りに迷惑かけてるのだって悪ふざけ。
けど、貴方の彼氏にアッサリ言い包められてリナに近付かないガウリイなんて・・。
見てて面白くも無いわ。大丈夫。あの二人なら妙なゴシップ沙汰にはなりゃしないわ。」
本から目さえ上げないで言ってのけるベッスィーを呆れた思いで見るアメリア。
まったく・・・。
一見してクールな女性なのに結構良い正確した奴である・・・。

「何だよ!!俺がべたべたすると怒るくせに・・って・・・。
そ〜ゆ〜問題じゃ無いよな・・・。」
ブツブツ独り言を言いながら隣の部屋に歩んでいくガウリイ。
ゼルが言ったことが本当なら・・・牢獄に送還になるのに!!


「あ〜〜もお!!にーさまみたいに上手く出来ないわ!!」
リッチモンドとて十分ヴァイオリンはヘタクソである。
しかし、リナの演奏はそれに輪をかけて酷い・・・・。
「まあ、まあ。落ち着いて。そう歩き回ると転ぶだろって・・・!!」
言ってる傍から転びかけるリナをとっさに支えるリッチモンド・・・。
と、その時だった・・・・・。

ギギギギギギギ・・・。
重い音を立てて扉が開かれる。
その光景を目にしてガウリイが硬直したように佇む。が、無言で室内に
進入してリナの腕を掴んでさっさと退出するのだった・・・。

「一寸!!何するの!!ガウリイ!!」
「悪ふざけでもして良いことと悪いことがあるだろうが!!」
「・・・・??????」
混乱したリナの沈黙をガウリイは困惑と見たらしい。
「自粛しなくちゃ・・。スキャンダルなんか起こした日には・・・。
牢獄行きだろ?もっとも・・・。」
「もっとも・・何よ・・・。」
困惑しきりながらもガウリイの言葉の続きをリナは問いただす。
「俺が嫉妬しただけ・・と言ったらそれまでだけどな・・。」
自嘲的に笑うガウリイ。
「・・・。分かった・・。ごめん・・。」
妙に神妙にリナは頷いた。
「ガウリイさん!!リナさん!!」
すっかり忘れていたことを思い出し、ガウリイの後を追ってきたアメリアが
二人を呼びとめた。
「なに・・・?アメリア・・・。」
「現国王が・・。ご崩御されました・・・。
そして・・・。国王の二人の異母姉妹の廃嫡、王位継承権の剥奪が決定・・・。」
「なんですって!!??」
唐突なことにリナは絶叫する。
「じゃあ・・・。誰なの・・?新しい国王は・・?」
「王家の一族の・・グレイ家の長女・・。レディ・ジェーンです・・。」

「良いのか・・?リナ。ベッスィー・・。テューダー家の人間なのに・・・。
ジェーン新女王の挨拶に行かなくて・・・。」
ガウリイがゼル、アメリアもそろった部屋でリナとベッスィーに聞く。
「ハッキリ言って。レディ・ジェーンの王位継承は不当だわ。有力貴族の手回しも
出来てはいないし・・・。」
ベッスィーが外の景色に目をやりながら言う。
「今回の陰謀・・・。リッチモンドお兄様も一枚噛んでいる様ね・・。ガウリイの助言
に従って正解だったわ・・。」
リナの一言にゼルがガウリイにお前何をした・・・?
と言うような視線を送る。
しかし微苦笑でそれをかわす。
「いずれ・・・。クーデターが起こるわね。」
分かりきったようにベッスィーが言った。


「まったく・・・。とんだことになっちまったなあ・・・・。」
久々にリナと一緒やってきた土地、ロンドン。
テムズ河を進む船の中で二人で外の景色を眺めながらガウリイが呟く。
「まあ、ね・・。」
「良いのか・・?俺と一緒に外出しちまって・・・。」
「大丈夫・・。一応シェントリ身分の娘に変装したるから。」
言ってリナは軽く微笑む。
「牢獄かあ・・・。」
今まで自分が居た場所ではある・・。が、リナをそんな所に行かせるわけには行かない・・。
「・・・・・・・。多分・・。」
リナが言い終わるか終わらないかののその時だった・・・・。
バアアアアアンン!!!!
不意に聞こえる銃声・・・・。
咄嗟に腕を出してガウリイはリナを庇うような感じになる。
「ガウリイ!!血・・・・。」
やはり本能的にスカーフを取り外してガウリイの腕に巻きつける。
「馬鹿!!隠れてろ!!2発目がきたらどうするんだ!!」
「怖がらないで!!」
咄嗟にリナはガウリイに向かって言った。
「怖がる・・・・・???」
自分は怖がっているのか・・・??
「だから着いて来るなって言ったのよ。今は・・・・。
かのレディーが・・・。先王の異母姉妹が廃嫡された今となったら・・・。
女王となるための障害はアタシなのよ・・・・。担ぎ上げられた彼女も・・。可哀想に・・」
手早くリナはそう言う。
知っていて技と来たのか・・・・?
そして。自分は怯えているのか・・・・??
たった9日前に女王となったかのレディーの一派に狙われていると言うのにリナは・・?
「リナさ〜〜ん!!」
不意に聞こえる大砲の音とアメリアの声。
「まったく!!世話を焼かせる!!」
今度はゼルの声がする。
退却していく敵艦。
「逃したか…。」
悔しげに呟くゼル。が・・・・。
「まあ。でもこれが最初で最後ですよ・・。けど・・・。」
今度はアメリアは言う。
「どうしたの・・・?アメリア・・・?」
「廃嫡されたはずの・・。先王の姉君がクーデターを起こして女王に
即位なさったんです・・・。で・・・・。かのレディーはロンドン塔へ送られました。
そして・・・。その即位に荷担したものの処刑が始まったんです!!リッチモンドさんも!!」
「何ですって・・・・??」
これで・・・・。リッチモンド等と少なからずとも関わりを持っているリナとベッスィー
の反逆罪は成立する・・・。
「裁判にかけられるまで・・・。反逆者の囚人として扱われちゃいますよ・・。
私達・・・。ねえ・・。リナさん!!」
完全に怯えた声で言うアメリア・・・。
「・・・・・・・・・・。」
沈黙しながらガウリイはリナを見やる。
その様子に気付きリナは微かに微笑みながら言う。
「やっぱり。貴方の助言に従っておくべきだったわね・・・。」
今となってはそうとしか言えない・・・・。
「ホント・・。政治の道具にされたレディーが・・。可哀想・・・。」


リナアメリア、、ベッスィーが問答無用でロンドン塔に送られたのはそれからすぐの
事だった。
「さっさと牢獄の中に行って頂ければ有難いのですが・・・?」
牢獄の番人がリナ、アメリア、ベッスィーに言ってくる。
「そんな屈辱受けるくらいなら・・・。ココで眠ったほうがましよ。」
悪態とも何とでも受け取れる態度でリナ。
「しかし・・・。」
「煩いわね。」
リナの隣にやはり座り込んだままのベッスィーが言う。
しっかりとビスケットをつまみながら。
「ベッスィー・・・。」
「お腹が空いているのよ。仕方ないでしょう?」
確かに、和んでいると言った様子でも場をわきまえていないと言った
様子でもない。
ただ単に「空腹を満たす」と言う行為にだけ没頭している様子だった。
「捨てておいて。」
牢番に言ってさっさと牢獄のほうに入っていくリナ。
「ベッスィー・・・?」
「こんな所で駄々捏ねてたって仕方ないでしょう?」
アッサリと言ってのける。
「それもそうね・・・・。」
仕方なくベッスィーの後に続くリナとアメリア・・・。


深い牢獄・・・。
何時も寒さと悪夢に満ちていた・・・。
その事を思い出しガウリイは其処に居るであろうリナ達の事を思う。
「大丈夫だ。すでに手はずは整っている。」
ゼルの言葉にやおらそっちを見つめるガウリイ・・・。


「綺麗な指輪・・・。綺麗な人ね・・・。」
眠さの中・・・・。ベッスィーの長く美しい指に填められた指輪を眺めながら
リナがいう。
暗闇の中でもまどろみがやって来る。
「ありがとう・・。リナ。あたしのお母様なの・・・。」
「・・・・。ベッスィーが自分のお母様のこというの・・。始めて聞いた・・。」
「でしょうね・・・・・。」
言って再度指輪をベッスィーは眺める。
信じられないほど自分でも言ってはいない。
繊細な金細工に彫刻された女性の肖像。
「こんな事になったって・・。文句は言えないわ。乳絞りの娘に産まれれば良かったとか・・。
平凡に生きたいとか・・。だって。私はヘンリーの娘だから・・・。」
言ってベッスィーは凭れ掛かってくるリナとアメリアの頭を優しく撫ぜる。
「今度は・・。ガウリイは恐ろしがることは無いとおもう・・・。」
眠気の混じった声でリナ。
「ええ。彼がきっと助けてくれるでしょうね・・。」
「ベッスィー・・。ベッスィーが女王になったら・・・。」
「・・・・。お姉様の政策は過激過ぎるわ・・。何人もの人間が・・・。
意に添わないというだけで処刑されてる。ホントはお姉様も善良な人なのに・・。
悲しいわね。王家の血も・・・。私のこの・・・。」
「言わないで。私のエリザベスお姉様・・・・。」
そっとリナはベッスィー・・いや。エリザベスに言う。
「・・・。貴方は強いわね・・・。リナ・・・。」
既に自分の膝にもたれかかって眠りについたリナに言う。


がたり・・・・・。
不意に聞こえる音。
「誰・・・?」
エリザベス、アメリアを押しのけ音のするほうにリナは向かう。
「花束です。」
少年が王位継承者で投獄されていると言う三人を哀れんで贈りに来たという。
「ありがとう・・ん・・・・??」
不意にリナは少年を見やる。
「はい。僕はガウリイの弟です。」
悪戯っぽく少年はリナ達に言う。
その時だった・・・・・。
「ガウリイ・・・・????」
少年の背後から現れる見知った影。
「リナ!!」
喜び勇んでやってくるガウリイ。
「どうして・・・・??」
「処刑覚悟で嘆願したんだよ。俺が身元引き受け人なって・・・。
釈放とはいかないがお前達を軟禁保護するからって。」
「ガウリイ・・・。」
不意に泣きたい気分になる。
「ごめんね・・・。」
牢獄から出てきたばかりのガウリイのことを邪険にしてしまった・・・。
なんて言うのか酷いことをあいてしまった思い出が頭を過る。
「いいって。それに・・。リナをこんな所に閉じ込めておきたくなかったんだ・・。」
言ってガウリイは苦笑する。


エリザベスと引き裂かれながらの軟禁生活が開始された・・・。
「エリザベスさんはもっときつい監禁生活を何処かでされてるんですね・・。」
その事でリナも笑えない気分である。
「そうね・・・。」
ココでガウリイに護られながらも何時も絶えず危険は迫っている。
「アメリア・・。もうに帰っていて・・。」
「でも・・・。」
「お願い・・・。」
何時に無く真剣なリナの様子に仕方なしに引くアメリア・・・。
「もう・・・。いや・・・・!!」
暗殺・・。陰謀・・・。
何で・・。こんな事に!!??
やおらリナは腰に括りつけていた剣を抜き放つ!!
機が狂いそうな思いを持ちながら剣を遮二無二振るまわす・・・。
そう・・・。
精神的に自分が参っていることは疑いが無かった・・。
「止めろ!!」
不意に腕がつままれて剣を取り上げられる。
「ガウリイ…。」
思わずリナは無き気持ちになる。
「もう・・。気にするな・・。もう何も俺は恐れない・・・。
リナ・・。絶対に何があってもお前を護る・・・・。だから・・・。
お前も何も恐れるな・・・。いいな・・・???」
「うん・・・・・・。」
泣きながらガウリイにしがみ付くリナ。
「あの時・・。貴方は何を・・恐れたの・・・??」
あのガウリイは・・テムズ河でのガウリイは何かを恐れていた。
「お前だよ。リナ・・・。」
不意に言い放たれた言葉・・。
「そりゃ・・。言っちゃ悪いがお前が単純じゃないから怖いと思ったんだ・・。
何だか豪放磊落で・・・。強くて不遜で・・。俺自身がお前に屈服しそうに思えた・・。
でもそれって・・・。」
「いやなの・・・?」
「・・・。さあな。でも、結局リナだって一己の人間だって分かって・・・。
もともと好きだったのになお更放ってはおけないだろ??」
「・・・・・・。」
そう言ってくれれば・・・。
もう怖いもは無い・・・・・。
そうリナが思った矢先だった・・・・。

「邪魔して悪いが・・・。」
遠慮がちなゼルの声・・・・・・・・。


「エリザベス女王万歳!!」
声の限り群集が叫ぶ。待ちに待った「処女王」エリザベスの誕生である。
「ねえ・・。ガウリイ・・。」
「ん・・。何だ・・・?」
「もう。安心して良い状況だけど。さっき言ったこと。コレからも言ってくれる・・?」
「約束する。絶対にだ・・・。」
グロイアナの時代・・・・・。
大繁栄を遂げるであろうコレからの時代・・・。
ずっと、これからも一生・・。絶対に・・・。


(おしまい)


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2575大好きな時代です♪P.I E-mail 12/21-00:22
記事番号2573へのコメント

CANARUさん、こんばんは!
ヘンリー八世〜エリザベス一世誕生までの英国お家騒動物語!(って言ってしまうとミもフタもないですが ^^;)でもこの辺のエピソードがPはイギリス史の中でも特に好きなんですよ!(あとスコットランドのメアリの話とかも)書いていただけて嬉しいです〜♪
リナが「お姉さま」と呼んでいるせいか、エリザベスがまるでルナ姉ちゃんみたいで格好良かったです(はぁと)ラテン語の本なんか読みながらも、しっかりリナとガウリイのこと見てるし(^^)エリザベスVSブラッディー・メアリもちょっと見てみたかったですね。

長編をお書きになる気力が無い・・・?レポート疲れですね〜。冬休みはお好きな本でも読んで、ゆっくり充電なさってください。
バロネス・オルツィの「紅はこべ」ってご存じですか?Pはしっかりガウリナ変換して読んでます(^^;)面白いですよ!

ともあれ、お疲れ様でした。
つい次も・・・と期待してしまいますけど、まずはゆっくりお休み下さい。
それではまた!


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2577ありとうございました〜〜!!CANARU 12/21-16:00
記事番号2575へのコメント

>ヘンリー八世〜エリザベス一世誕生までの英国お家騒動物語!(って言ってしまうとミもフタもないですが ^^;)でもこの辺のエピソードがPはイギリス史の中でも特に好きなんですよ!(あとスコットランドのメアリの話とかも)書いていただけて嬉しいです〜♪
ありがとうございました〜〜!!
スコットランドのメアリーはアタシも興味あります〜〜!!
やっぱりエリザベスは結婚しなかったからガウリナでは無理かな・・?
と思って今回はこうなりました!!
>リナが「お姉さま」と呼んでいるせいか、エリザベスがまるでルナ姉ちゃんみたいで格好良かったです(はぁと)ラテン語の本なんか読みながらも、しっかりリナとガウリイのこと見てるし(^^)エリザベスVSブラッディー・メアリもちょっと見てみたかったですね。
あははは・・・。
やろうと思ったんですけれどもやっぱりチョット怖くて・・(涙)
エリザベスはやっぱりルナさんを連想して書きました!!
>長編をお書きになる気力が無い・・・?レポート疲れですね〜。冬休みはお好きな本でも読んで、ゆっくり充電なさってください。
ありがとうです!!
ちなみにもう休みに入ったので長編を書きたいな・・と思ってます。
今度は多分スペインの話になるとおもいます!!
>バロネス・オルツィの「紅はこべ」ってご存じですか?Pはしっかりガウリナ変換して読んでます(^^;)面白いですよ!
はい!!
是非とも探してみますね!!
>ともあれ、お疲れ様でした。
>つい次も・・・と期待してしまいますけど、まずはゆっくりお休み下さい。
>それではまた!
いえいえ〜〜!!
暇が出来次第また書きますね!!
>

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2581ううん、ぐっどていすと(笑)まりや E-mail 12/23-00:03
記事番号2573へのコメント

すごいおもしろかったし、勉強になりました!
この間テレビでロンドン塔のことやってたんですけど、
やっぱり歴史の中にはファンタジーに負けないくらいの
ロマンとか夢とか不可思議なこととか・・・とにかく
様々なドラマがありますよねー・・・。
それをこうやってガウリナとかにして
読ませてくれるなんて、
「ぶらぼー!」です、CANARUさん!

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2582ありがとうございました〜〜!!CANARU 12/23-11:03
記事番号2581へのコメント

>すごいおもしろかったし、勉強になりました!
わ〜〜い!!
感想有難うございました〜〜!!
>この間テレビでロンドン塔のことやってたんですけど、
>やっぱり歴史の中にはファンタジーに負けないくらいの
>ロマンとか夢とか不可思議なこととか・・・とにかく
>様々なドラマがありますよねー・・・。
ですよね〜〜!!
アタシもそう言った所が大好きで歴史を書いてます。
しかもあたしも書いてるときにロンドン塔が出てきてビックリ!!
>それをこうやってガウリナとかにして
>読ませてくれるなんて、
>「ぶらぼー!」です、CANARUさん!
いえいえ!!
本当に有難うございました〜〜!!