◆−LA CORONA−CANARU(12/20-20:31)No.2574 ┗Re:LA CORONA−にらいかない(12/21-18:24)No.2578 ┗ありがとうございました〜♪−CANARU(12/22-20:07)No.2580
2574 | LA CORONA | CANARU | 12/20-20:31 |
インカ・・・・・・。 黄金の地と言われる大帝国である。 「まったく。欲に目がくらんだ連中が。」 スペインからこの地へ航海してきて何ヵ月目だろう。 ようやく辿り着いた陸地に上がるなりガウリイは船団の体長と大喧嘩をした。 理由は単純。 原住民の生活を破壊し浴に目のくらんだ略奪計画のみを考えるつまらない男に反抗の意を訴えただけで・・・・。 大乱闘となってしまったのだった・・・・・・・・。 「あ〜〜あ・・。何だか知らないが。」 母親に似てスペイン人とは思えない豊かな金髪を陽光に揺らめかせながらガウリイは溜息をつく。 「何やってるんだ・・?」 ゼルがガウリイのことを気にかけながらやって来る。 「ただ座ってるだけだよ。」 そうとだけガウリイは言う。 「じゃあ、立って戻ってこいよ。隊長ますますおかんむりだぜ?」 「じゃ、立つか。」 くら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 言って立ちかけたガウリイだがやおらヨロヨロと眩暈を起こしてクラクラとする。 「馬鹿・・。ずっと座り込んでるからだ。」 「ブ・・・・・。」 微かに聞こえる聞きなれない女性の笑い声がゼルの冷たい突っ込みと重なる。 「・・・・・・・・・。」 惨めな思いを抱いたまま本能的に笑った人間を捜し当てようと声のほうを向くガウリイ。 「リナさん!!」 黒髪の少女が未だにくすくすと笑いを堪えきれない栗色の髪の少女に注意をする。 「いいじゃないの、アメリア。あんな運動神経よさそうな体格してるのに・・・。なに?あの見事なこっけっぷり!!」 まだまだくすくす笑いを堪えきれないようにリナと呼ばれた少女は笑っている。 「・・・・。立場をわきまえてください・・・。」 そんなリナを半ば諭すようにアメリア。 どちらもインカ帝国の高貴な身分の娘であることは間違いがなさそうだ。 身につけた衣装、装飾品がその事実を物語っている。 「分かったわよ・・・。私はバラモンか・・・ないしは国王の花嫁・・。そうだったわね・・・。」 諦めとも嫌々とも受け取れる口調でリナが言う。 そして、再度ガウリイに一瞥をくれその場を立ち去っていく。 「・・・・。可哀想にな・・。あの娘・・・。」 不意にゼルが立ち去っていく二人を眺めながら呟く。 「何が可哀想だって言うんだ・・・?」 同様にガウリイも二人を見送りながら呟く。 「ここ・・。インカの野蛮な習慣の犠牲者だ。あの娘、生贄として育てられている娘に違いない。」 「生贄・・・????」 「ああ。帝国に天変地異や何かの災いが起こったとき・・・。それを鎮めるために生贄とされるんだ・・・。もしそう言った災害が無かったりしても強制的に王の妃にされてしまうんだ・・・。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 去っていくリナを見送りながらガウリイはほうけた表情をするしかなたっか・・・。 「お兄様。」 未だに執務に取り組んでいる従兄でもある国王エスタにリナは声をかける。 「リナ。イヤにご機嫌だな。」 「ええ。面白いものを見たの。最近この国に来て・・。お兄様の宝物を奪っていく人達の 仲間を見つけたんだけど・・・。」 「スペイン人か・・・・。」 微かに顔を曇らせながらエスタが言う。 「ええ・・・。でも一寸毛の色が違ったけど。金色だったわ。で、その人・・・・・。 ぼーっとして座ってたけど・・。見事にコケたのよ!!」 思い出したようにくすくすと笑うリナにエスタは苦笑する。 「そうか・・・・・。」 何もわかってないこの妹のような娘。 何事もこの帝国に起こらなかったらそのまま生かされる存在。 だが・・・・・・。 無邪気な笑顔が痛い。 決まったことなのだ。今後スペイン人の侵略が続くのならばこの娘は間違い無く生贄にされてしまうのだ・・・・・・・・・。 それを・・。彼女が知る由も無いだろう。 「いい加減にしてください!!」 ガウリイの絶叫がキャンプ地中に響く。 「貴様!!」 今回の遠征の隊長がガウリイに殴りかかるような勢いで怒鳴る。 「俺はもう貴方のやり方には我慢できない!!」 最初にこの地に来たスペイン人の事を知らないものは多分インカの部族にもこの遠征に参加しているスペイン人にも知らないものは居ないだろう。 僅かな人数にも関わらず最新技術の拳銃やインカ部族の戦闘の脆さに圧倒して一部族を潰滅へと追いやったのだ。 さらには破壊、略奪をくりかえした。 それと同じ事をこの隊長は自分達にやらせようとしているのだ。 「第一俺が王家の人間じゃなかったら・・・・。」 そう・・・。 スペインカステリャー王家の血をガウリイが引いていなかったらこんな遠征にも参加しなかっただろう。 代々スペイン、ポルトガル王家の男は船団を率いるかのエンリケ航海王子の末裔としてこう言った遠征を強制的に強いられる伝統がある。 しかし・・・・・。 かのコロンブスが新大陸を発見しその住民を虐殺したり奴隷として売ったりしたとき・・・。 時の女王イザベルは激怒したという。 金髪の美しい威厳のある女王の血を多く引いたガウリイは彼女同様そう言った行為を赦事が出来なかったのだ・・・。 カステリャー女王・・スペインのアラゴン、カステリャー両王国の血を引くガウリイ。 それを隊長とてムザムザと処罰できない出来ないで居る。 「第一。何を考えてるんです。貴方は・・・・。帝国の国王を誘拐して・・。一体何をしようと・・?」 「いい気になるな!!例え王家の血を引く人間とは言え・・。貴様ごときの関与できる事ではないだろ・・?」 冷たく言い放つ隊長。 ぞっとする凄みを帯びている。 子の男は何を考えているんだろう・・??? 「はぁ・・・・・・・・・。」 またまたあんなことで隊長とけんかした・・・。 つまらない人生を送っている生徒が嫌いな教師とのけんかを日記につけるとしたらこんな感じだろうか・・・??? 「あ。こけた人!!」 不意に聞こえる澄んだ声。 「あ・・・・・・・・・。」 あの時の・・・・。 「あ・・・・・・・。声かけちゃいかなかったんだ・・・。」 ボソッと自分に言い聞かせるようにリナが言う。 その様子にガウリイは不本意に微笑みがもれ、思わず聞いてしまう。 「俺は別に構わないけど・・。何で俺に声をかけたらいけないんだ?」 「だって。兄様が・・。スペイン人と関わっちゃいけないって怒ったのよ。でも・・。貴方は毛の色が違うわ・・。何と無く・・・。」 「金髪だからか?ああ。俺の曾祖母はイギリス人だからな。」 「イギリス人・・・??」 分からないのも当然かあ・・・。 「今日は最後のお月見なのよ。」 言いながら不意にリナはガウリイの隣に腰をかけながら喋り始める。 「最後・・・??」 「本当はお兄様のお嫁に行くはずだったんだけど。そうは行かなくなっちゃたみたいなの。」 「お嫁って・・・??」 「うん。でも。兄様は兄様としか思えないわ。だから・・・。」 「だから・・・・・・??」 謎めいた表現が多いリナ。 今一つ話し方が神秘的、かつ薄智的なのは生贄として育てられていたためなのであろうか・・? 「最後のお月見。でも・・。貴方のせいじゃ無いとは思いたいの・」 「何を・・・・・・?」 不意にゼルの言葉が頭に浮かぶ。 『帝国に何かがあったとき。その生贄の娘は殺される』 「お前・・。真坂・・・・・。」 遠い空を眺めながら・・月を眺めつつリナは呟く。 「うん。明日。あの山に登って・・・。」 顎で遠い山脈をリナは示す。 「あの山で・・・・。アタシ・・。お役目を果たすの。そのためだけに育てられてたから。」 言ってリナは再度つきに目線を移す。 「貴方。名前は?」 「ガウリイ・・・。確か・・。お前はリナって言ったよな・・・?」 「知ってたんだ。でも。別に不思議じゃないわ。」 意味も無い一言を言ってリナは満面の笑顔を浮かべる。 「兄様が言ってた。スペインの人は悪魔だから。だからアタシがその人達を追っ払うように すために生贄にならなくちゃいけないって。」 微笑みながらガウリイにリナが言う。 「俺も・・?その一人か・・・?」 「うんう。何か・・。良く分からないけど。貴方は違うと思うわ。だって、とっても綺麗な目をしてる。」 じっと見つめてくるリナに思わずガウリイは微笑みかける。 「怖くないのか・・・・・?明日は・・・。」 そっと囁く。 「怖いけど・・。こんな事でしかアタシはみんなの役には立てないの。だから、多分平気。 朝一番に山頂まで登って・・。宵星が見えること。アタシはココから居なくなってると思うけど・・。 貴方に会えて良かったわ・・・。」 そう言って去りかけるリナ。 「もう一寸一緒に居られないのか?」 「駄目。バラモン様方が待ってる。もう・・。会えないけど・・・。」 其処から先はリナ自身も言葉が紡げなくなった。 「さよなら。」 意味をなさないその一言。胸に痛い・・・。 「生贄の娘を助ける・・だと・・・?」 先日のこともあり隊長とは未だに喧嘩したままであるガウリイが今日の遠征に参加しなくても別に不思議に思う人間は居ないだろう。 だが・・・。 「無闇にそう言った風習に関与するのは如何したものかと思うが・・・。」 「でも・・・。ハッキリ言っても俺達が・・。スペインの遠征隊がこのインカに害を及ぼすのを止める訳がないだろう?」 まったくもっての正論である・・・。 「はあ・・。分かった。俺もこの隊長のやり方には賛成できないものがある。協力してやる・・。」 「貴方たちは・・・。」 不意に山頂の下のほうに集まっている群衆の中から黒髪の少女が現れる。 「あ、あんたは・・。あの時の・・・。」 「アメリアです・・・。」 「リナは・・・?」 アメリアに対してガウリイが質問する。 「先ほど・・・。山頂にバラモン様に連れられていきました。」 生贄に・・・・・・・・・か・・・。 「スペイン人が何のようだというんだ?」 不意に聞こえる男の声。 「お前か・・・。この部族の国王と言うのは・・・・。」 スペイン人さえ来なければリナが妃となっていたであろう男・・。 「ああ。リナは俺にとっては妹のような存在だった。だが・・。スペイン人がこのインカに害を成す今となっては・・・。生贄として差し出すしか無かったんだ・……。」 怒りと憎しみ、両方の感情を含んだ男の声。 「ならば・・?何故そのリナをムザムザ殺すようなまねをする?」 負けないくらいの怒りを含んだ声で言い返すガウリイ。 「あの子の役目だ。そのくらいあの子自身もも承知している!!」 「そうかな・・・・・・。」 「お前に何がわかる!!?」 怒り狂った国王の声に反してあくまでガウリイの声は冷酷かつ冷静だった。 「分かる事なんて無い。ただ言えることは・・・。もしあいつが死にたくないと思うなら・・。 それは俺に会えたからだと・・自惚れかもしれないが信じている!!」 言って何の装備も無く駆けだし山に登っていくガウリイ。 「・・・・・・・・・・・・・。」 「沈黙することしか・・。出来ないんですか・・・?」 責めるようにエスタにアメリアが言う。 「ああ・・・。そうだ・・・。黙ることしか・・。出来ないのかもしれない・・・。」 実際に自分はリナを見殺しにした。 しきたりだから。彼女も了承していると思いこもうとして・・・・・・・。 「ガウリイ・・・。間に合って戻ってこいよ・・・。」 日暮れまでにすでにバラモン達に連れられて去っていったリナに追いつけなければそれは無意味でしかない・・・。 地中海に面したアラゴンのバルセロナ。 其処からココに来るまで何も一生懸命になれなかった。 けれども・・・・。 今はまだ2度しかあったことも無いインカの生贄の王女の為に必至に雪山を登っている自分が居た。 その事実に驚きながらもガウリイはさらに装備も無しに山を突き進む。 スペイン王家の人間が好んで着る航海時の絹のシャツの心細さが改めて身にしみる。 海には慣れているがこの険しい山道には両脚が悲鳴を上げている。 もっとも・・・・。 アラゴンの険しい山で駆け回っていた事もあるのだがこの薄い酸素の山ではまったくもって別体験も同様である。 「リナ!!」 日暮れまであともう僅かである。 昼夜ぶっ通しで水以外の物は朝から何も口にはしていない体にさらに披露が重なる。 「ガウリイ・・・・・・・・・・・・。」 数百メートル離れた山頂に僅かに見えるリナの姿。 無論、彼女の声が聞こえるはずは無いのだが自分の名前を呼んだことはあからさまだった。 「リナ!!!」 彼女の頭上に振り降ろされようとされるバラモンの掲げる巨石をうで一本で払いのける!! 「何を!!」 文句を言おうとする付き添いのバラモン達を一睨みだけで黙らせる。 「行け。」 その気迫に押されすごすごと立ち去るバラモン達。 「リナ・・・・。」 ふらふらとしているリナをさっさと両手にガウリイは抱え込む。 「ガウリイ・・・。来てくれたんだ・・。兄様はアタシに死ねといったのに・・。」 泣いているのか・・・・? 「俺は兄様じゃないぞ・・。リナ・・・。」 軽く言って髪を撫ぜる。 「何処か痛いところは無いか・・・・・?」 「朝から何も食べてないの。殺される時に痛くないようにするために変な薬を飲まされて・・・。 胃がきりきりする・・・・。」 傍に転がってる水筒の中身を調べるガウリイ。 「芥子か・・・・。」 それなら恍惚状態になってもいたしかたないか・・・。 「大丈夫。下山は手伝ってやる。」 「かえれないわ・・。兄様に・・・。」 「俺は兄様じゃない。いいか、俺の言うことを聞いていればいいんだ。分かったな?」 「わかった・・・。」 まだ恍惚としているのだろう。苦笑してガウリイはリナを背負って夜の山道を下山に掛かったのだった。 背負っていたリナが不意に背後で動く。 「リナ・・・?」 「変な音がする・・・。何だろう・・・。何か・・・。」 「そうか・・・?俺には何も聞こえないが・・・?」 「空が・・。紅い・・・。」 「空が・・・・・・・??」 雪道と言うこともあって足元にばかり気をとられていたが・・・・・。 言われてみれば・・。山裾が火でも放ったように紅い・・・?? 「真坂・・・・・・・・・・・。」 「リナさん!!」 「ガウリイ!!」 焼き放たれた部落。 「一体・・。何があったの・・?アメリア・・・・?」 「スペイン人です!!奴らが・・。幸い部落は焼き放たれましたが犠牲者は居ません・・・。 けど・・。貴重品は略奪されて・・。エスタさんが・・・・」 「兄様が!!??」 「エスタ王が隊長に捕虜として捕まったんだ!!今、あそこに居る・・・。」 「・・・・・・・。アダージョの塔・・・。」 丘の上に聳え立つその純白の建物を見ながらリナが呟く。 「隊長は・・・。何を要求してきたんだ・・・?」 ガウリイがゼルに聞く。 「・・・。エスタ王を釈放して欲しければ・・・。王の捕らえられている部屋の壁に線が引いてあるらしいんだが・・・・。その線まで達する部屋いっぱいの黄金を用意しろ・・と言うことだ・・・。」 「あの野郎・・・。」 やっぱりあの下司な男のやらかすだけの事がある・・・。 「ガウリイ。降ろして・・・。」 言ってやおらガウリイの背中から飛び降りるリナ。 「リナさん・・・。」 「兄様が戻るまでアタシが部族の女王です!!アメリア、貴族達を集めて。そして近隣の部族の所にも使者を送って!!黄金を調達するのよ!!」 「わかりました!!」 言って駆け出すアメリア。 「リナ・・・・・・・・・・・・・・・・。」 自分を見捨てたエスタを助けると言うのか・・・・?? 「ガウリイ。力を貸して。今の部族にはエスタ兄様が必要なの。アタシは・・・・・・・。」 「分かってる・・・。」 もうすべて知ったことではない。 エンリケ航海王子の末裔としてのスペイン王族の地位も・・・。 すべてこの場で捨ててしまおう。 「わかった。俺も黄金を一緒に届に行く。」 「ガウリイ・・。ありがとう・・・。」 今までは・・・。夢の中で生きていただけなのか? さっきまでの薄智的なリナはもはや何処にも無かった。 それでいい。自分はこんなリナと生きたい・・・。ソレだけだ。 一同がアダージョの塔に行ったのはそれからすぐのことだった。 女王であるリナ、その隣にガウリイが進む。 さらには帝国中の富とでも言うべき黄金を運ぶ車が続く。 「スペイン船団総督。ファン殿ですか・・・。エスタ国王釈放のための黄金を国王代理の女王、リナが届けに参りました。」 威厳と冷静を湛えた口調でリナが言う。 まるで・・。かのイザベル女王のようだ・・・。 ガウリイはそう思った。 「それは良いが・・。見慣れた我々の裏切り者の顔があるな・・?」 ファンがガウリイとゼルのほうをジチジト見やりながら言う。 「私と玉座を分かつ人。それだけです。」 凄みを含んだリナの声に圧倒されるファン。 「まあ・・。よかろう・・・。で、黄金は・・?」 「この部屋の・・。あの壁にある線まで詰め込めばいいのね?」 縛られ捕虜となった国王エスタがその部屋から出される。 じゃらじゃらと部屋中に詰め込まれていく黄金。 もはや置き場が無い・・・と言ったくらいの大量の金色は少々あくどいものにまで感じられる。 「まだ。足りないな。」 部屋の壁の上方に引かれた線には僅かに達さない。 やおらリナは自分の頭上・・・急遽持ち出した王家の家宝の王冠を線のあたりに放り投げれる。 「ご満足かしら?」 冷たく言い放つリナ。 「ええ・・。だが・・・・。」 言うが早いかファンは冷笑をリナ、ガウリイの二人にあびせる。 「ココまでだ・・・・・。」 四方八方に居る兵士達。 その手に握られた銃口はエスタに向けられている。 「どう言うつもりです!!裏切るの!!??」 その光景にリナは絶叫する。 「裏切るも何も・・・。」 言いかけるファンに強かな一撃を加える者が居た・・・・・。 「ガウリイ・・・・・・・。」 「いい加減にしろ・・・・・・・・・・。」 怒りを含んだ声に銃口をかけていた兵士達も怯え引き下がる。 「お前・・・・・。」 エスタが始めて口を開く。 「勘違いするな。情けない兄様でも・・。こんな奴の手に掛かったらリナが可哀想。それだけだ・・。」 リナのほうに微笑みかけながら、エスタには表情を見られないようしながら技と無感情な声で言うガウリイ。 「ガウリイ・・・・・・・。」 それに微笑むリナ・・・。 「どうやら・・。スペインにこの国は滅ぼされるのが運命だろうな・・・。」 観念的な声でエスタがやおら言う。 「兄様・・・?」 「幸せになれ。リナ・・・。スペインとの共存は無理だが・・・・・。生き延びろ・・・。例え・・・。 その血筋を吸収されても・・な・・・。」 「ありがとう・・・。兄様・・・・。」 「リナ・・・。」 そう。 インカはもはやスペインの手のうち。 生き延びることは不可能である帝国なのだ。だが・・・・・・・。 ガウリイとならインカの女王としてではなくとしても生きていけるだろう・・・・。 「AMAR HACIENDO EL AMOR」 「え。なに?」 リナの知らないガウリイの発した言葉に不思議そうな顔をするリナ。 「何でも無い。けど、大事なこと。」 「そう・・・・・・・・。」 微笑みながらリナは答える。 高い高山から・・・。新たな時代を迎えようとする・・・。 この世界を眺めながら・・・。 (おしまい) 余談ですがCORONAはスペイン語で「王冠」の意味だそうです。 では〜〜!! |
2578 | Re:LA CORONA | にらいかない | 12/21-18:24 |
記事番号2574へのコメント ・・・・・・・す、すっご〜〜〜〜〜〜〜くかっこいい!! 時代考証から、起承転結から、うますぎ。 ガウリイかっこいいよう(涙) かっこいいよう、かっこいいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!! ああ、それしか言えない自分の語彙力のなさがうらめしぃ!! 次の話も作ってください! ・・・・・できれば、ゼロスやヴァルやフィリアも・・・ 出してほしいな・・・・。 えへ。 |
2580 | ありがとうございました〜♪ | CANARU | 12/22-20:07 |
記事番号2578へのコメント >・・・・・・・す、すっご〜〜〜〜〜〜〜くかっこいい!! >時代考証から、起承転結から、うますぎ。 ううう!! お褒めの言葉有難うございます!! >ガウリイかっこいいよう(涙) >かっこいいよう、かっこいいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!! そう言っていただけてアタシも嬉しいです〜〜!! >ああ、それしか言えない自分の語彙力のなさがうらめしぃ!! いえいえ!! コメント頂けて本当に感激してます〜〜!! >次の話も作ってください! はい〜〜!! 次回もまた歴史の話を書こうと企んでます!! お暇があったら見てやってくださいね!! >・・・・・できれば、ゼロスやヴァルやフィリアも・・・ >出してほしいな・・・・。 > > > >えへ。 はい〜〜!! リクエストに添えるよう頑張りたいです!! |