◆−初投稿(ゼルアメ、のつもり)−UMI(1/7-14:41)No.2614
 ┣BLUE:迷いの森を抜けて−UMI(1/7-14:45)No.2615
 ┗BLUE:荒野に広がる・・・−UMI(1/7-14:54)No.2616
  ┣はじめまして−わかば(1/8-13:29)No.2618
  ┃┗こんにちは、ありがとうございます−UMI(1/12-10:36)No.2623
  ┗Re:BLUE:荒野に広がる・・・−小野道風(1/9-03:42)No.2620
   ┗どうもありがとうございます−UMI(1/12-10:53)No.2624


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2614初投稿(ゼルアメ、のつもり)UMI 1/7-14:41


どうも、こんにちはUMIともうします。
今回、無謀にも(というか、身のほど知らず)初投稿させていただきました。もう、小説を書くのすらはじめてです。
内容は、ちょっと変わってるかもしれません。同じパターンで二つのシチュエーションを書いてみました。これのどこがゼルアメとかいわれそうですが。
では、少しでも楽しんでくれれば幸いです。

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2615BLUE:迷いの森を抜けてUMI 1/7-14:45
記事番号2614へのコメント



 光さし込まぬ昏く深く閉ざされた森
 気を抜けば、その闇にすぐさま飲み込まれてしまうに違いない
 一度足を踏み入れれば容易には出られない
 けれどそんな森も永遠に広がっているわけではないのだ・・・


 「ちぃ、またか」
 短剣でつけられた大樹の黒い幹の十字の傷痕を見て、ゼルガディスは舌を打った。
 (完全に迷っちまったか・・・)
 行く手を遮るように鬱蒼と生い茂る木々。真っ昼間だというのにろくに光もささない。樹木でできた迷路、いわゆるマジックメイズ(迷いの森)である。
 (こんなところで足留めを食らっている暇など無いというのに・・・)
 心の中でそうつぶやき、ため息を一つつくと彼は懐から羊皮紙を取り出し、なにやら簡単に書き付ける。皮紙を懐にしまうと、再び歩き始めた。しばらく行くと見覚えのある大木がある。ゼルガディスはそれに近づき幹を調べる。
 (やはりな・・・)
 思ったとおり、そこにはさっきと同じ十字の傷跡。彼はまた羊皮紙を取り出し、書き付ける。そしてほんの少し歩くと、彼は奇妙な形に枝を伸ばした大木を見つけた。
 (これなら、目印になるな)
 そう考えて、短剣を取り出すと十字の傷をつける。傷がしっかり付いたのを確かめると、羊皮紙にまた書き込みをして歩きはじめる。
傷をつけた木の場所に戻っては皮紙に書き付けをして、少し歩く。目印になりそうな木を見つけると短剣で傷をつけ、書き込みをする、そんな単調極まりないことをどれくらい続けていただろうか。気がつくと闇の濃さが増している。日が暮れかかっているらしい。完全に日が落ちれば真の闇に閉ざされてしまうだろう。これ以上、歩き回るのはかえって危険だ。彼はそう判断するとここで野宿をすることに決めた。
 焚火に使えそうな枝を彼は集めると呪文をとなえる。
 「火炎球(ファイアーボール)」
 焚火を起こすにしては威力が強い火炎球である。だが、この光のささない森には枯れ枝なんてものはなかったのだ。どの枝も多かれ少なかれ湿っている。魔法が使えなかったら火を起こすのにかなり難儀することだろう。
 ゼルガディスは火が無事ついたのを確かめると腰を下ろした。羊皮紙を取り出すと焚火の明りを頼りに丹念に目と指でなぞっていく。
 (何とか明日には、この森を抜けられそうだな)
 羊皮紙には、今日一日歩き回って調べたマジックメイズの情報が細かく書き付けられていた。
 マジックメイズ、迷いの森というやつは確かに入り込んでしまうと抜けるのは容易なことではない。だが、容易ではないというだけであって、出られないということではない。迷いの森のパターンや法則性さえわかれば、抜けるのは比較的難しいことではないのだ。ゼルガディス自身、数多くのマジックメイズのパターンを知っている。しかし、今回出くわしたマジックメイズは彼の知らないパターンの森であった。
 「全く、時間が無いというのに」
 ゼルガディスはいらついて小さく呟いた。彼はこの森の向こうの町で、ある情報提供者と合流することになっていた。その情報とは異界黙示録の写本についてである。この機会を逃せばいつ次の情報にありつけるのかわかったものではない。
 (おそらくまた、役に立つものではないだろうがな・・・・・・)
 彼は心の中でぼやいた。ついこの間もガセネタを掴まされたばかりだったのだ。それでも他に当てがあるわけではない。彼は次の町に行くしかなかった。
 探して探して、追い求めて、それでもこの身体を戻す手がかりにはかすりもしない。だが、次こそはと、ひょっとしたらと思うと、うさんくさい物から十中八九ガセだと思われるものまで彼は飛びつかざる得なかった。
 いつまでこんなことが続くのだろうか、ふとそう考えている自分に気がつき頭を振った。そんな考えに捕われたら進めなくなる。可能性はゼロではないのだ。ほんのわずかなでも可能性がある限り歩みを止めるわけにはいかない。彼は自分自身にそう言い聞かせると、目を閉じた。
 しかし、彼は気づいていたのだろうか。本来の彼なら今日中にでもこの森を抜けられていたかもしれないことに。ようやく手にした情報は期待外れのものばかりという、繰り返しの状況に彼は疲れていた。そんな疲れや不安、焦りといったものが彼本来の冷静さや判断力を鈍らせていたことに。
 どれほどまどろんでいたとだろう。辺りが明るくなってきたのに夜が明けたことに気がつく。もっとも明るくなってきたといっても、真っ暗闇だったのが薄暗くなったという程度のものでしかない。ほとんど消えかけてはいたが火の始末をすると、ゼルガディスは羊皮紙を見返し、ゆっくりと歩きはじめた。
 「もうそろそろ、抜けてもいい頃なんだが・・・」
 行く手を拒むようにまとわりつく葉っぱや細い枝をかきわけながら小さく呟く。
 (読み間違えたか)
 ありえないことではない。嫌な考えが脳裏をかすめ、唇をかむ。
 ふいに強い光が目の前から差し込み、思わず目を細める。
 (抜けたか?)
 邪魔な小枝を振り払い、ようやく彼は森を抜けた。
 ぴたりと彼の足がとまる
 目の前の光景に息を呑む
 そこで彼が目にしたものは


 目の眩むような青い世界
 どこまでもどこまでも深く青い湖
 それを映しとったかのような果てなく広がる青い空
 まるでそこだけ時が止まったかのよう
 彼はしばしその場に立ち尽くした


 
 「アメリア・・・」
 ふいに彼がつぶやく。愛しい少女の名を。彼の心の奥底に秘められている少女の名を。
 目の前に広がる青い湖と空に彼女の青い瞳を思い出したのだ。この湖と同じぐらい、いやそれよりもなお、深い青い瞳を。
 (・・・ゼルガディスさん)
 そう呼ばれたような気がして、彼はかすかに微笑んだ。たったそれだけで自分の機嫌がなおってしまったことがおかしくて。
 (意外と単純だな俺も・・・)
 どのくらいその光景に目を奪われていただろうか。頬にあたる風の感触にうながされるように彼は口を開いた。
 「・・・・・・行くか」
 名残惜しかったのは確かだった。だが、時間が無いのも事実なのだ。彼は湖に背を向けると再び次の町へと、つまり次の目的地へと進路を取った。

 彼はこれから幾度となくこうして「目的地」から「目的地」へと旅を続けていくのだろう。
 けれど、最後に辿り着く場所はきっと・・・・・・・

                          END
 
 

 



 

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2616BLUE:荒野に広がる・・・UMI 1/7-14:54
記事番号2614へのコメント



 乾ききったどんなに不毛な大地でも
 その上には必ず青い空が広がっている・・・


 ざあああっっっ!!
 乾いた大地から砂ぼこりが舞い上がる。
 ゼルガディスはマフラーを口元まで引き上げた。視界が遮られるだけではなく、呼吸すら出来なくなる。
 (厄介な奴らに出会っちまった)
 目の前の「敵」からの攻撃をかわし、心の中で彼はぼやいた。
 この荒野で彼が対峙することになった敵は砂漠などに生息する「砂ムカデ」というモンスターである。全長七、八メートル、その装甲は恐ろしく固く、火炎球(ファイアーボール)程度の呪文は軽くはね返す。
 むろん、魔法剣でもないかぎり並み大抵の武器では傷すらつけられない。もちろん、ゼルガディスほどの使い手ならあっさりとしとめられるだろう。だが、今回はそれが五体同時に襲いかかってきた。
 (一、二体ぐらいだったら・・・)
その巨体からは想像できないようなスピードで仕掛けて来る攻撃を、驚異的な跳躍力でゼルガディスはかわした。おそらく、砂ムカデ達はすさまじく飢えているのだろう。その飢餓感が彼らを狂暴化させているのだ。
 (・・・あちらさんも生きるのに必死てわけか)
 この不毛な大地では餌となるものが満足にあるわけがない。今、目の前にいる「餌」を逃したら次にいつありつけるかわからない。
 背後に気配を感じて、彼は空中で敵の牙の攻撃を紙一重でかわす。砂ムカデの牙と爪は猛毒を持っている。そのためわずかな傷であっても命取りとなるのだ。
 (さて、どうするか・・・)
 攻撃力の高い呪文を使えば砂ムカデといえども一発で倒せるだろう。しかし、そういった呪文の難点は呪文の詠唱時間が長いことだ。この恐ろしいまでのスピードで繰り出してくる攻撃をかわしつつ上手く当てることができるか・・・。はずしてしまうだけならまだいい。これ程の接近戦になると下手をすれば自分までも巻き込まれる可能性があった。
 (面倒だが、一体一体確実にしとめていくしかない)
 ゼルガディスは覚悟を決めた。執拗に追って来る砂ムカデ達をかわしながら呪文を紡ぎ、地面に降り立った瞬間に発動させる。
 「地撃衝雷(ダグハウト)!!」
 地面から無数の土の錐が飛び出し二匹の砂ムカデの動きを封じる。通常の地撃衝雷では砂ムカデの足留めなど不可能だが、これには少々アレンジを加えてある。むろん地撃衝雷程度では砂ムカデの装甲は突き抜けないが時間稼ぎぐらいにはなる。
 「ぐぎゃあぁ!!」
 地撃衝雷にかからなかった一体が後ろに迫る。
 「氷の矢(フリーズ・アロー)!」
 攻撃を予想していたゼルガディスは、振り向かないまま自分の背後に氷の矢を出現させる。氷の矢を食らった砂トカゲはたちまち凍り付く。が、ほとんど砂漠と変わらないこの地の熱気のため、砂ムカデが抜け出るのにそう時間はかからないだろう。けれど三体までの動きを封じた今、残りの砂ムカデをかたずけることはゼルガディスにとってたやすいことだった。
 「烈火球(バースト・フレア)!」
 火炎系最強の呪文である。さすがの砂ムカデも真っ黒に焦げ付き、ぶすぶすと煙を放ちながらその場にくずれ落ちる。生き物が焼ける独特の匂いが鼻を突くが、それを気に止めることなく再び呪文を紡ぐ。
 「魔皇霊斬(アストラルヴァイン)」
 赤い光が剣に宿る。大地を蹴って宙に舞い、無駄のない動きでもう一体のムカデの首を切り落とす。マントをひるがえすと、氷の呪縛から抜けかかっている砂ムカデの首も切り落とした。地撃衝雷の檻の中でもがいている二体の砂ムカデの方を振り向くと、烈火球でまとめて焼き殺す。再び独特の臭気が辺りに広がる。その臭気が切り殺したばかりの砂ムカデの血の匂いと混じりあい、ゼルガディスは顔をしかめた。
 (終わったか・・・)
 目の前の死体に彼は目をやった。首を切り落とした砂ムカデは、なおあきらめきれないかの様に身体をひくつかせている。
 (これで何度目の敵さんか・・・やれやれ・・・)
この荒野に足を踏み入れてからすでに十日たっていた。「順調」つまり、モンスターなどに会わずにいったとしても、この荒野を越えるには一月近くはかかるのだ。この調子ではいつ越えられるのか見当がつかない。彼はため息をつき、その場に座り込んだ。
 例えこの荒野を越えたとしてもその先に自分の目指すものがあるかどうかわからない。また、無駄足に終わるかもしれない。そんなことを考えると旅や戦いの疲れもあいなって、立ち上がるのも億劫になりそのまま後ろにひっくり返った。
 その瞬間、目に飛び込んできた青に驚く。
 頭上には青い空がどこまでも広がっていた。
 あまりにも澄み切った青空が、自分の傍らの血生臭い光景とあまりにも不釣り合いで彼は唇をわずかに歪めかけた。その時、なんの前触れもなくその青空とある少女の瞳がだぶる。
 「アメリア・・・」
 おもわずゼルガディスは呟いた。その少女の名は彼にとっては何者にも代えがたい神聖な言葉。
 (彼女も、今この空を見ているのかもしれない・・・)
 ゼルガディスはそう考えた。その空はまるで少女の瞳を映しとったかと思われるほど深く澄んだ青だったのだ。
 (だから、こんなに青く澄んでいるのか?・・・)
 アメリアに見つめられているかの様に感じて、ゼルガディスはしばし空を見つめ続けた。


 (この空の下にお前もいる・・・お前はいつでも俺のことを想っていると言った・・・
 お前はいつも俺のことを見ている、そう思っていいんだよな・・・)
 このどこまでも続く空は間違いなく少女へと続いている
 そう考え、ゼルガディスは愛しい少女に想いを馳せた



 ふいに風が吹き、砂ぼこりが舞い上がる。砂嵐の前兆かもしれない。なんにせよここでもたもたしているのは危険だ。
 彼は起き上がり、深く息を吐くともう一度空を見上げた。
 「さて、行くか」
 一言そういうと彼は再び荒野を歩きはじめた。この荒野が終われば何かかがある。
 先ほどとはうって変わった、そんな不思議な予感を胸に秘めながら・・・・

                          END




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はひー(汗)。以上でございます。
いかがでしたでしょうか。いろいろ突っ込まれそう・・・
念の為に書いておきますが。迷いの森の設定とかは全部わたしの勝手な考えですので本気にしないで下さいね。
砂ムカデもそうです。(なんとかしろよ、このださいネーミング・・・)
それでは、新年早々失礼しましたー。





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2618はじめましてわかば E-mail 1/8-13:29
記事番号2616へのコメント

 はじめまして、わかばと言います。
何というか、透明感のあるお話で素敵でした。
姫の存在を感じることで彼は進んでいける、そんな気がしました。
素敵なお話をありがとうございました。

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2623こんにちは、ありがとうございますUMI 1/12-10:36
記事番号2618へのコメント

コメントありがとうございます。
返事が遅れてしまって本当にごめんなさい。
コメントいただけるなんて思ってもいなかったのでとっても嬉しいです。
わかばさんの作品は何度か読んだことがあります。
すごく素敵だなと思っていたので、もう感激です。
また投稿しましたら、みてやってください。(いつになるやら・・・)

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2620Re:BLUE:荒野に広がる・・・小野道風 1/9-03:42
記事番号2616へのコメント

 こんばんは。
 お言葉に甘え、遊びに来てしまいました。
 
 なんと澄みきった、そして深い青なんでしょう・・・

 アメリアはきっと、ゼルガディス自身の心が森や荒野に踏み迷っていることを知っていて、彼が必ず自分の力でそこから還って来ることも解っていて、そのうえで彼を見送ったのでしょう。
 待っている、と一言だけ添えて。
 彼女への想いを青く輝く景色に素直に映し重ねることのできたゼルガディスは、心の迷い道からもようやく確かに一歩踏み出したのだと思います。
 自分のなかの、アメリアへの気持を信じて。
 今度はゼルガディスの番なんですね。
 ・・・なんて普段の彼に言ったりしたら白い目で見られそうですけれど(笑)。
 今日晴れたら、私もゆっくり青空をみたいなと思います。

 UMIさま。
 このお話のアメリアサイドが見たいな、なんて思うのですけれど・・・。
 もし良かったら、リクエストを聞いてやってください。
 素敵なゼルアメストーリー、次も楽しみに待ってますね。
 では、また。  
 

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2624どうもありがとうございますUMI 1/12-10:53
記事番号2620へのコメント

読んでくださって、どうもありがとうございます。
しかもこんな丁寧な感想まで・・・(感涙)
うう、返事が遅れて申し訳ないです。
ええと、このお話はTRY後、ゼルはどんな風に旅をしているのかなと思って書いてみたのです。なんかゼルが弱気過ぎるかなあとは思ったのですが、彼も人間ですから。こんな風になることもあるかなと・・・
アメリアサイドのお話ですか?実は考えてあります(笑)
けれど、今回は格好つけすぎた気がするので次の話はギャグにしようかなと・・・・ごめんなさい。でもでも、きっと書きますので気長に待っててください。
では、本当にありがとうございました。
小野さんも頑張ってください。いつも楽しみにしています。