◆−禁句(ありがちネタですが)−UMI(1/18-14:29)No.2644 ┣なるほど−わかば(1/18-22:06)No.2645 ┃┗あっ、わかばさんだ−UMI(1/20-11:33)No.2654 ┗こんばんは。−小野道風(1/19-00:51)No.2648 ┗楽しんでいただけましたか?−UMI(1/20-12:02)No.2655
2644 | 禁句(ありがちネタですが) | UMI | 1/18-14:29 |
前回のBLUEとは一転して今回はギャグです。 しかも、ありがちネタでそれにお約束ネタを重ねまくってみました。 それでもゼルアメ色強いですが・・・ どうなることやら・・・ではGO! ======================================= 「で・・・・・なんでこうなるんだ・・・・・?」 ゼルガディスはポツリと呟いた。 目の前には青い空と海が広がっている。頬を撫でる潮風が気持ちいい。いや、んなことはどうでもいいのだ。 文字どうりゼルガディスは崖っぷちに立たされていた。 ぐるぐる巻きにされて。御丁寧に縄の先にはでかい岩までくくり付けられていた。 「・・・・・なんでこうなるんだ・・・・・」 彼は再び呟いた。 事の起こりはこうである。 半日ほど前のこと、リナがうきうきした調子で朝食後、古びた地図をガウリイ、ゼルガディス、アメリアの前にひろげた。 「なんですかこれ?」 最初に口を開いたのはアメリアだった。 「もう、見てわかんないの。宝の地図よ。た・か・ら・の・ち・ず」 「宝の地図!!?」 リナを除いた三人の声がはもる。 「それじゃあ、昨日帰りが遅かったのはこのためか?」 と、ちょっと意外そうにガウリイが言う。彼はリナはいつものように盗賊いじめにいっていると思っていたからである。むろん、残りの二人もそう思っていたのだが。 「そゆこと。ちょっと交渉が長引いちゃってね。まあ、なんとかこっちの言い値で手に入れられたからいいけど」 どんな風に交渉をまとめてきたのか・・・・聞くまでもなかったので誰も尋ねることはしなかった。 「どういったものなんだ、リナ」 やや、あきれたようにゼルガディスが尋ねた。待ってましたとばかりリナが答える。 「ふふ〜ん、この町の港から一時間ほど船でいった所に小島があってね、そこにあるって話なの。でね、その島のほぼ中央になんでも一千年近くも前に建設された神殿があるらしいのよ。その神殿内の地図がこれなのよ!」 そういうと、ぽんと指で地図を叩いた。 「・・・・・・・」 怪しい、怪しすぎると、ゼルとアメリアは思った。ガウリイはむろん何も考えてはいない。 「で、どんなお宝があるんですか?」 とりあえずこれだけは聞かなければと、アメリアが問う。 「だから、それを確かめにこれから行こうってんじゃないの」 し〜〜〜〜〜〜〜ん 沈黙が流れる。誰も何も言わない。いや、言えないのだ。恐くて・・・リナの目は完全にいってしまっている。もはや「お宝」二文字しか目に映っていない。こんなリナに『そんなうさんくさい話に付き合ってられない』などと言おうものなら・・・・どんな状況であっても冷静な判断力を失わない彼女であるが、こと「お宝」がからめば話は別である。宿屋の食堂に大きなため息が広がった。 ざざ〜〜ん。海は広いな大きいな。いや、そうではなくて。 それから一刻ほど後、仲良し四人組は小舟を借りて島へと向かっていた。 いい天気である。風の強さも向きも申し分ない。この調子なら無事に島へと辿り着けることだろう。 と、誰もが思っていた時である。水面に巨大な影が映り、ぐらりと大きく舟が揺れる。 「なによ!」(リナ) 「なんだ!」(ゼルガディス) 「なんですか!」(アメリア) 「なんなんだ!」(ガウリイ) 口々に四人が叫ぶ。 ざっぱ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!! 水面から顔を出したのはタコとイカを足して割ったような軟体生物である。だが、問題はそのでかさ!!見えている部分だけでも五、六メートルはあるだろうか?全長は何メートルあるか見当も付かない。 (なんで、毎度こうなるんだ!) 心の中でぼやきながらも呪文を唱えるゼルガディス。爆発系の魔法では舟ごとこちらが沈んでしまう。そう考えて氷系の呪文で、動きを封じるつもりであった。 が、しかし。 「・・・・血の流れよりも赤きもの・・・・」 小声ではあるが、怒りを押し込めた声であの呪文を唱えるのはリナ!! その目は『私のお宝への邪魔をするものは許さん!!!』と言っている。 アメリアもガウリイもそれに気づいて顔色を変えた。 「ば、馬鹿!!!」 叫んで呪文を中断させようとするが・・・・・・・無情にもリナの呪文は完成した。 「ドラグスレーーーーーーーーーーーーーイブ!!!!!!!」 「・・・・・・さん、ディスさん、ゼルガディスさん」 心配げな少女の声にうっすらとゼルガディスは目を開ける。 「・・・・アメリア・・・・?」 今にも落ちそうな程大きく目を見開いているアメリアと目が合う。 「大丈夫ですか?」 「ああ・・・」 答えて起き上がろうとするが、くらりと目眩いに襲われる。 「まだ、起き上がらない方がいいです!」 あわてて、アメリアが起きようとするゼルガディスを押しとどめる。 (そうだ、確かリナの竜破斬で吹っ飛ばされて・・・) その後のことはよく覚えていない。おそらくそのまま沈んで溺れてしまったのだろう。ふと目をやると、あさっての方向を向いているリナとあきれ顔のガウリイが視界に入った。 「ゼル、大丈夫か?」 心配そうにガウリイが覗き込んでくる。 「ああ、もう平気だ」 そう言ってゆっくりと身体を起こす。 「まあっったく、これぐらいのことで溺れないで欲しいわ。心配するこっちの身にもなってちょうだい」 (誰のせいだとおもっとるんだ!!!!!!誰の!!!) 心の中で大絶叫するが、 「・・・お前な・・・・・」 ぼそりと言うにとどめておく。叫んだりしたらまた、倒れそうな気がしたのだ。それに、水に沈んでしまうという自分のこの弱点は確かになんとか対処法を考えておかねばとは、前々から思っていたことではあった。だから、彼は次のように述べた。 「そのうち、特訓しといたほうがよさそうだな・・・・」 と。 「特訓!!!(はあと)」 ぴくりと反応してアメリアが言う。 ・・・・しまったあああ!!!!・・・・・・後悔してももう遅い。 先ほどまでの心配げな表情はどこへやら、らんらんと瞳を輝かせて彼女はこう言った。 「そうですよ、ゼルガディスさん!自らの弱点を克服するには特訓あるのみです!さすがゼルガディスさんです!微力ながらこのアメリア、手伝わせていただきます!」 「ちょっと、待て!」 あわててアメリアを押しとどめようとするが。 「さあ、そうと決まったら早速特訓開始です!」 「今やるとは言うとらんだろーが!!」 「何言ってるんですか、ゼルガディスさん!思い立ったが吉日!特訓は早ければ早いほどいいんです!」 「お前らだまっていないで、何とか言えよ!」 溺れるものは藁にもすがる(笑)ゼルガディスはわずかな期待を抱いてリナとガウリイに助けを求める。が、しかし。 「いいんじゃないの。この機会に特訓してもらったら」 「まあ、せっかくだしな」 予想どうりの答えにゼルガディスは人知れず涙を流した。 以上が事の発端である。お解りいただけたであろうか。 さて、時間を戻そう。 「・・・なんだって、こんなことに・・・・」 まだ、ぶつぶつ言っているゼルガディス。無理もない。 「さあ、準備OKです。ゼルガディスさん(はあと)」 心底嬉しそうに言うアメリア。 「なあ、アメリア。何も岩までくくり付けんでもいいと思うんだが・・・」 「何言っているんですか、ゼルガディスさん!特訓はハードあるのみです!!」 即答され、大きくがっくりと肩を落とすゼルガディスであった。 「さあ、いきますよ!ゼルガディスさん!」 そう言って、アメリアがゼルガディスを蹴り落とそうとした時。 「あ!!ちょっと待ったーーーーー!!」 待ったをかけたのは意外にもリナだった。 (まさか土壇場でアメリアを止めて・・・・・?) 「さるぐつわを噛ませなくちゃ。魔法を使ったらしたら水泳特訓にならないわよ」 くれるわけがなかった(涙) 「そうですね。さすがはリナさんです」 リナとアメリアの二人にさるぐつわを噛まされるゼルガディス。 「さあ、これで本当に準備OKです」 「んーー!んーー!(お前ら後で覚えてろよ!!)」 「せーーーの!!」 どん!!!! ・・・・・・・・・ひゅるるるるるる・・・どばっしゃあああーーーーんんん!!! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ざっぷ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん・・・・・・ ・・・・・・ざざ〜〜〜〜ん・・・・波の音だけがむなしく響く。 「上がってこないなあ」 「こないわね・・・」 「引き上げた方がいいんじゃないか?」 「そうですね。ちょっと様子を見てみましょうか」 「・・・・・・げはっ、ぐはっ、ごふ」 どうにか引き上げられ、ゼルガディスは多量の水を吐き出した。 (死、死ぬかと思った・・・・・・) 「まったく、情けないわねえ」 心底あきれ声で、しかしどことなく愉快そうにリナは言った。 (・・・こ、こいつは) プツンと何かが切れてゼルガディスが言い返そうとした時だった。 「そんなことないです!」 アメリアが声を上げる。 (アメリア?!俺のために言ってくれるか!) 事の元凶は彼女であることを一瞬忘れるゼルガディスだったが。 「何事も最初から上手くできるわけないです!!」 (・・・・て、最初からって・・・・) 「おい!!まだやる気なのか!?」 思わず叫んでアメリアに問い詰める。 「当たり前です!!正義は常にネバーギブアップです!!!」 ゼルガディスは改めてアメリアの恐ろしさを認識したのであった。 どん!!ひゅるるるるるぅぅぅ〜〜〜・・・・・・・・・どばっしゃーーーーーーんん!!! 「ゼルガディスさん、私は信じてます」 アメリアは崖の上から海を見下ろし力強く言う。海の底にいるゼルガディスには何の慰めにもならないであろうが。その時だった。ゼルガディスをつないでいるロープが左右に揺れ動いた。 「なにかしら?」 それにリナが気づいてロープに近づこうとした時 ざっぱ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!! どっかで聞いたような水しぶきの音にいっせいに三人が振り向く。 現れたのは先ほど舟を襲った巨大な軟体生物!! 「なっ!!」 リナが驚きの声を上げる。 (さっきの竜破斬をくらってまだ生きてるの!?) 軟体生物ごときに馬鹿にされたとあっては(向こうはそんなつもりはなかろうが)美少女天才魔道士リナ・インバースの名がすたる。 (このままにしておくものか!) リナは即座に呪文を唱えはじめた。 「待って下さい、リナさん!あそこ!!」 アメリアが必死の形相で叫びつつ、軟体生物を指差す。 その指の先には巨大な触手に巻き付かれたゼルガディス! 目をまわして気絶しているのだろう。ピクリとも動く気配がない。 が、しかし。 「問答無用!ドラグスレーーーーーーーーーーーーーイブ!!!!!」 再度リナの呪文が爆発した。 「おい、大丈夫か、ゼル?」 ガウリイの声に気づいてゼルガディスが目を開ける。 (一体、何がどうなったんだ・・・) アメリアに再度つき落とされてから記憶がない。 「・・・何が起きたんだ・・・?」 ゼルガディスはかすれた声で問いた。 「お前は、またリナの呪文で吹っ飛ばされたんだよ」 『また』の部分にやや力を込めてガウリイは答えた。言いながらチラリとリナ達の方に目をやる。 そこには申し訳なさそうな顔をしたアメリアとあさっての方角を見ているリナの姿があった。 ゼルガディス達の視線に気づいてリナが答えた。 「いやあ、めんご、めんご。つい、力が入りすぎちゃって」 「・・・・・あやまってすむ問題か・・・・・・」 怒りを押し殺した声で言うゼルガディス。 「・・・まあ、こうして無事だったんだし。そりゃ、最初の時はあたしが悪かったのは認めるけど、今回のは、そもそもアメリアが」 リナはじと目で睨まれて思わずアメリアに矛先を向けた。 「・・・・・・ごめんなさい・・・・・・」 アメリアは素直にゼルガディスに頭を下げた。あっさりと謝られゼルガディスは拍子抜けする。 「ただ、ゼルガディスさんに溺れないようになって欲しくて・・・」 しょぼんとうなだれて言うアメリアに、叱りつけることをゼルガディスは忘れてしまう。彼女は彼女なりに自分のことを思ってしてくれた事なのだろう。やり方にかなり問題はあるが。 「・・・まあ、お前も悪気があってしたわけではないしな・・・」 我ながら甘いとは思いつつもゼルガディスは答えた。 その言葉に、アメリアはゼルガディスはどうやら怒っていないらしいと気づいた。彼女に笑顔が戻ってくる。それにほっとしてゼルガディスは更に言葉を続けた。 「水への対処法を何とかしなければとは考えていたことだしな。言い出したのは俺だ」 そう言って、アメリアの頭に手をやろうとした時、アメリアが元気よく顔を上げた。 「じゃあ、ゼルガディスさんはあきらめてはいないんですね!!」 「へ・・・?」 行き場の失くした右手を上げたまま、思わず間が抜けた声を出してしまう。 「そうですよね。三度目の正直です!!」 (な、なんでそうなるんだ・・・・・・) 「あきらめず、常に希望を持って行なえば、必ず道は開かれるのです!!」 あさっての方角をびしいっと指差しながらいつもどうりの口上を高らかと述べるアメリア。それを呆然とゼルガディスはただ見ていた。無論、彼にはもはや何も言う気力はなかった・・・・・・ そして・・・・・・ 再び、青い空のもと元気よく水しぶきは上がるのであった。 アメリアの言うとおり、三度目の正直となるかそれとも二度あることは三度あるとなるのか・・・ それは誰にもわからない。 「ゼルガディスさん、私は信じてます(はあと)」 合掌・・・ 完 そういえば・・・お宝はどうなったんだろう? ========================================= はい、お疲れ様でした。ここまで読んで下さってありがとう。もっと短くまとめるつもりだったのですが、冗長になってしまいました。そのため読み手が疲れる文章になってしまったみたいです。うう、もっと精進せねば。 もとになったネタは御存じの方も多いと思いますが、ラジオドラマのゼルガディスの特訓うんぬんの台詞です。あの台詞の後、私は絶対こうなると思っていたんです。でもそうならなかったので、じゃあ、自分で書いてやろうと(笑)それにしてもゼルガディス、BLUEとはえらい扱いの差だなあ・・・ えーと、次はBLUE:アメリア編です。できるだけ早くお届けできるように頑張るつもりです。 つもりじゃなくて本当に頑張れよ、私・・・ |
2645 | なるほど | わかば E-mail URL | 1/18-22:06 |
記事番号2644へのコメント こんばんは。 特訓に涙しつつ、姫には甘い魔剣士さん。 おもしろかったです。 私も、あのラジドラには続きがあると思っていました。 なるほど、こういうことがあったのね。 素敵なお話を読ませて頂きありがとうございました。 BLUE楽しみにしています。 |
2654 | あっ、わかばさんだ | UMI | 1/20-11:33 |
記事番号2645へのコメント こんばんは。また、来ていただいてもらって感激です。 楽しんでいただけたようで、ほっとしております。 >私も、あのラジドラには続きがあると思っていました。 私だけじゃなかったんですね、続きがあると思ってたのは。 >なるほど、こういうことがあったのね。 そういうことです(笑)ちょっと魔剣士さん不幸すぎ。 自分で書いといて言うかい。 >BLUE楽しみにしています。 ご期待にそえるものになるといいのですけど。 うう、頑張ります(声が震えとるぞUMI)。 わかばさんのお話も楽しみにしています。 感想ありがとうございました。 |
2648 | こんばんは。 | 小野道風 | 1/19-00:51 |
記事番号2644へのコメント UMIさま、こんばんは。 さっそく遊びに来てしまいました。 ゼルガディス、お約束の不幸っぷりでかわいそうと思いつつやっぱり笑ってしまいました。ゼルってなんでこうも受難が似合うんでしょう。そして最高ですね、アメリアの優しさ(?)!方向が微妙にずれていたとしても、あの純粋さがきっとゼルを惹きつけてやまないんでしょうね。 > 「・・・・・・ごめんなさい・・・・・・」 > 「ただ、ゼルガディスさんに溺れないようになって欲しくて・・・」 なんて、ゼルにとってはもう殺し文句としかいいようが・・・。それをなにげに自認してるゼル自身もアメリアに負けず劣らず可愛らしく(?)て、素敵でした。 二人が手に手をとって「水辺で」愛を語れる日は来るんでしょうか。その時は正義も一緒に語る羽目になってるのかもしれませんけれど・・・(笑)。 そして予告では、また趣が変わってアメリアサイドのあのお話が! とても読みたかったので、ほんとにうれしいです。ありがとうございます! 心から楽しみに待っていますね。 では、また。 |
2655 | 楽しんでいただけましたか? | UMI | 1/20-12:02 |
記事番号2648へのコメント よく、おいでくださいました。たいしたものはありませんけど。 >ゼルってなんでこうも受難が似合うんでしょう。 もはや、一種の才能ですね(笑) >あの純粋さがきっとゼルを惹きつけてやまないんでしょうね。 アメリアはいつも悪気はないんでしょう。無邪気が一番怖いのものかも・・・ >二人が手に手をとって「水辺で」愛を語れる日は来るんでしょうか。その時は正義も一緒に語る羽目になってるのかもしれませんけれど・・・(笑)。 いや、全くそのとうりだと(笑)やっぱり、水もしたたるいい男になるのがオチかも・・・(ひでえ) > 心から楽しみに待っていますね。 ご期待にそえるものを持ってこられるかどうか、かなり不安ですが頑張ります。 それと、あのフレーズ気に入っていただけて嬉しいです。 でも、最高だなんて(てれてれ) ・・・また、やってもいいですか? いっぺんUMIは豆腐の角に頭をぶつけてくる必要があるようです。 あと、誤字があったようですね。「そんあ」じゃなくて「そんな」ですよね。 失礼しました。では、これで。感想ありがとうございました。 小野さんも頑張ってください。 |