◆−幸福な男−映日(3/16-23:34)No.2804
 ┣初めまして(笑)−飛来 鳳(3/17-20:20)No.2809
 ┃┗Re:初めまして(笑)−映日(3/19-07:47)No.2814
 ┣はじめまして−一坪(3/18-07:09)No.2812
 ┃┗お手数おかけしました(^^;)−映日(3/19-07:49)No.2815
 ┗Re:幸福な男−はえとり草(4/1-13:10)NEWNo.2869


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2804幸福な男映日 E-mail 3/16-23:34


 こんばんは〜。
 というよりも、初めましての方がよろしいでしょうか(些か嘘入っていますけどね(^^;)
 映日(あきひ)と申します……とりあえずは。
 ガウリナを書いてみたので、読んでいただきたいなぁと思ったのですが……よくよく考えなくとも、偽物ガウリナだったかもしれません。
 とりあえず、お暇な方、読んでやっていただけると嬉しいです。

**********************
 
         「幸福な男」

 
 小さな村の小さな家に、一人の男が眠っていた。
 力強く地を蹴った足は、細く肉をそぎ落とし、枯れ木の風情で横たえられている。
 無双と誰もが讃える剣を振るった腕も、早、胸の上で組まれ、か細く震えていた。
 
 
 ――暖かな春の日。
    男は、微笑んだ。
 
 
 かつて男は、嵐と共にあった。
 春の木洩れ日のように優しく、柳のように柔軟で、どんな花よりも芳しい――人の形を取った、嵐と。
 
 
 艶やかで、それ自体が装飾でもあるつややかな髪が、靡く程元気よく、“彼女”は振り返った。
 どんな罪も闇も、その一刺しでえぐり出せる毅さを持った暁光の瞳が、真っ直ぐに男を射た。
 身体中から発せられる、輝く香気。躊躇いも、弱さも、知っていてなお歩める者だけに与えられた――万人に一人も持ち得ない、光。
 男は、まじまじと“彼女”を見た。
 
 コレハ何ダ?
 
 問いかける。
 
 小柄な身体、凹凸に乏しい体型、愛らしい顔。
 裏側が視えれば視える程、疑問は膨らむ。
 
 何故なら、“彼女”は――……。
 
「……何だ。ガキじゃないか……」
 
 
 男は目を開き、また、閉じた。
 
 
 赤い闇が、在った。
 誰もが恐怖し、狂わんばかりに逃れたいと願うであろう、真の闇が。
 ……けれど、“彼女”は前を向いていた。
「――あたしは絶対死にたくない。だから、戦うときは必ず、勝つつもりで戦うのよ!
 むろん――あなたたちも」
 戦いの前、“彼女”が言った言葉が、蘇る。
 そして――だから、男は、もう一度立ち上がろうとした。
 “彼女”が口の端に笑みを浮かべた。不敵に。
 ――自分は、負けることなど知らぬと、言いたげに。
 その手に、魔すらも超えた滅びを抱きながら、生に満ちて、“彼女”は笑い、そして頭をもたげていた。
 勝ち、そして、生きるために……。
 
 
 ……そして、時は瞬く間に流れ、戦いが終わる。
 男は、別れを思いながら、“彼女”を見た。
 全て事が終わった今、おそらく、戦いの女神は飛び立つだろう。それをとどめることは、誰にも出来ない。
 ――当の、“彼女”以外。
 だから、男は問うた。
 未練を、切り捨てるように。
 そうして、“彼女”と共にあった日々を、恥じぬよう、“生きる”ために。
 
 けれど、“彼女”は――。
「おしっ! わかったわっ!
 光の剣にかわるよーな剣を、なにか見つけてあげよーじゃないのっ!」
 
 
 ――そうして、男は微笑んだ。
 
 
 春も、夏も、秋も、冬も。
 流れる季節を追い越すスピードで、男と“彼女”は共に走っていった。
 
 けれど……。
 
 男は、ふと、首をかしげた。
 
 
 ――“彼女”は、何処だ?
 
 
 だから、男は微笑んだ。
 ――また、後で、怒鳴られちまうな……。
 男は疑いもしなかった。待っていれば、必ず彼女は迎えに来る。
 嵐のような輝きで自分を張り倒し、共に、進むために。
 
 ……何かを、忘れているような気が、した。
 けれど、男は気にしなかった。
 
 必ず、彼女は来る。それだけが、判っているから……。
 
 
 
 小さな村の小さな家で、老いた男が眠っていた。
 暖かな春の日。
 幸せな男は微笑んで……眠りに、就いた――……。
 

*********************

 つまるところ……ガウリィなら、まず、後悔して死出の旅には出ないだろうなぁというお話なんですがねぇ。
 いまいち、僕の意図するところからは外れたような外れなかったような……。
 いえ、嫌いな話にはならなかったので、個人的自己満足は満たされましたが(死)
 それでは、また……があるかどうか判りませんが、またお目にかかりましたときに、少しでも目を通していただければ幸いです。

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2809初めまして(笑)飛来 鳳 E-mail 3/17-20:20
記事番号2804へのコメント

 こんばんは。飛来 鳳と申します。「はじめまして」映日さんヾ(^.^)

 お話拝見いたしました。
 う〜ん・・・確かに「後悔しながら」死んでいく、というのはガウリィには似合わないでしょうね。(いえ、ガウリィのみならず、スレイの世界の人物達はみな「後悔」という単語からもっとも遠いところにいるような人々ばかりですが(^^;))
 最期の時に彼がリナとどのような状態にあるのかは分かりませんが、彼の言う通り、こっぴどく派手に(魔法で)吹き飛ばされるのは間違いないでしょう。
ただ、

 > ……何かを、忘れているような気が、した。

 という一文だけは気になりましたが、

> けれど、男は気にしなかった。
> 必ず、彼女は来る。それだけが、判っているから……。

 ということなら、彼自身の中では決着が付いていることなのでしょう。・・・たぶん(^^;)

> それでは、また……があるかどうか判りませんが、またお目にかかりましたときに、少しでも目を通していただければ幸いです。

 はい、またお目にかかれます時を楽しみにいたしております(^-^)/~~~

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2814Re:初めまして(笑)映日 E-mail 3/19-07:47
記事番号2809へのコメント

>こんばんは。飛来 鳳と申します。「はじめまして」映日さんヾ(^.^)

 …………バレバレですね(笑)
 わざわざ、こちらに感想有り難うございます(^^)
 
>お話拝見いたしました。
>う〜ん・・・確かに「後悔しながら」死んでいく、というのはガウリィには似合わないでしょうね。(いえ、ガウリィのみならず、スレイの世界の人物達はみな「後悔」という単語からもっとも遠いところにいるような人々ばかりですが(^^;))
>最期の時に彼がリナとどのような状態にあるのかは分かりませんが、彼の言う通り、こっぴどく派手に(魔法で)吹き飛ばされるのは間違いないでしょう。

 えぇ、スレイ世界の皆様、後悔からはほど遠いようですが……まぁ、中でもガウリィはそうかなぁということで。
 でも、人間、最期のその瞬間には、一番印象的だった場所に還るかもしれないと考えた時……ガウリィが還る場所は“あそこ”かな、と思ったもので。
 そんなガウリィを、リナが本当に吹き飛ばすかは知りませんが、ガウリィの中のリナは吹き飛ばすでしょう、きっと(笑)

>ただ、
>> ……何かを、忘れているような気が、した。
>という一文だけは気になりましたが、

 まぁ……つまるところこの話にリナが出てこないように、今のガウリィの側にはリナはいない、と。
 いたら絶対、どれだけ年くってようが、ガウリィの襟首ひっつかんで揺すぶって叩き起こすような気がしますし(笑)
 で、その原因を、ガウリィはすっぱり頭から消しちゃってます(^^;)
 彼の中で、それは、どうでもいいことなので。リナと会って多分この後も会えるだろうというそのことだけが重要みたいです。

>> けれど、男は気にしなかった。
>> 必ず、彼女は来る。それだけが、判っているから……。
>ということなら、彼自身の中では決着が付いていることなのでしょう。・・・たぶん(^^;)

 えぇ……付いてるんです。……多分(^^;)
 いえ、半分くらげ入ってるかもしれないなぁとか思わないでもないですけど〜〜〜。

>> それでは、また……があるかどうか判りませんが、またお目にかかりましたときに、少しでも目を通していただければ幸いです。
>はい、またお目にかかれます時を楽しみにいたしております(^-^)/~~~

 というか、飛来鳳様の場合は、まず確実にお会いできるような……(笑)
 いえ、感想、どうも有り難うございました(^^)
 またお気が向かれましたら、目を通してやって下さいませ。

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2812はじめまして一坪 E-mail 3/18-07:09
記事番号2804へのコメント

投稿ありがとうございました!

いろいろと想像させられる作品ですね。
読む人によって感想が違いそうです。


では、また気が向いたら投稿してくださいね。

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2815お手数おかけしました(^^;)映日 E-mail 3/19-07:49
記事番号2812へのコメント

 こんばんは、映日です。
 投稿早々からお手数おかけしまして、申し訳ありませんでしたm(_)m

>いろいろと想像させられる作品ですね。
>読む人によって感想が違いそうです。

 ……の、つもりでしたので、そう読んで頂けて嬉しいです(^^)

>では、また気が向いたら投稿してくださいね。

 有り難うございました。

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2869Re:幸福な男はえとり草 4/1-13:10
記事番号2804へのコメント

こんにちは、映日様。
作品拝見させていただきました。

ガウリィの最後の微笑みや彼の回想のなかのリナ、暖かな春の空気までもが鮮明に頭に思い浮かんで、何だか幸せなような切ないような気分になってしまいました。
うーん、それにしてもリナ、かっこいいです!!ガウリィにしてもものんきモードの彼をこんな風に書けるなんて、すごい事だとおもいます。

ああ・・・また変な感想になってしまいましたね。何分苦手なもので・・・
つまり『すてきなお話でとても感激しました。』と言いたかったのです。まわりくどくってごめんなさい(^^;)

ところで、これからはこのお名前でだされるんですか?
がんばってください。
では、また。