◆−小説投稿です!【そうして新たな旅路へ・・・】−まりや(3/19-21:08)No.2816 ┣良い話ですね・・・−聖夜里奈(3/20-00:36)No.2817 ┣はじめまして−一坪(3/20-05:21)No.2818 ┗言うなれば実話とも・・・【 春姫 】−まりや(3/20-10:29)No.2819
2816 | 小説投稿です!【そうして新たな旅路へ・・・】 | まりや E-mail | 3/19-21:08 |
まりやと申します。 短編小説を創ってみました。 読んでください! 【 そうして新たな旅路へ・・・ 】 『約束の地で 必ず いつになるかわからないけど ずっと待ってるから いっしょに また・・・』 氷の中に閉じ込められた、一人の女性。 眠ったまま、そのままのような、以前と変わらぬ姿で、 ―――冷たく、美しかった。 今にも風になびきそうな栗色の長い髪や、幼い顔立ち。 華奢な身体。 閉じられた目―――その中にルビーのように赤い、瞳を隠して。 火炎の煌きを失い、今はそこにあるまま、その冷たい氷のように。 それに歩み寄る、一つの存在。 「久しぶり、リナ。」 ・・・男は、呟く。 心底懐かしそうに。 愛しそうに。 哀しそうに。 「やっとここまで来れたよ。 ―――ようやく見つけた。 遅くなって、わりい。 オレも、何もしてなかったわけじゃないんだけどな。 ・・・色々あったよ。 お前に聞かせたい。 会えなかった年月分、話したい。 だんだん自分のことがわかってきたんだ。 だから、―――なあ、起きてくれよ。 ・・・リナ。」 返ってくる反応はない。 ただ眼を閉じて、そこに在るだけ。 悲しいまでに、人形のように。 「―――いっつもオレを引っ張るのは、お前だったじゃないか。 オレにはお前の手を引いて歩くなんて、できなかった。 させてくれなかったしな。 現に、今もこうして何もやってやれずにいる。 起きるのは、お前自身じゃなきゃいけないんだ。 情けないけど、な。」 聖堂に響く、唯一人の声。 他には何もない。 風の入る隙間もなければ、水の気配もなく、生き物の存在も、この二人のみ。 その静寂が二人を包む、時の流れさえも感じない、「無」の空間。 「オレの―――旅の果ては、こんな淋しい場所じゃない。 お前と色んな所に行って、色んなものを見て、 色んな人に会って、それから・・・・・・・。 お前と、一緒の場所に眠りたかった。 永遠に。体が無くなっても、まだ二人旅をしたかったよ。」 永久に―――共に在りたかった。 たとえ、祝福されたことではなくても。 天が、地が、神・魔・人間・精霊が自分達を拒んでも、それでも共に。 「皆、いなくなっちまったよ。 オレ達が知る皆は。 大人になって、結婚して、所帯もって、死んだ。 それなのにオレは、どうしてかオレだけは、歳をとることができずにいるんだ。 多分、お前の影響でさ。 お前とじゃなきゃ、歳もとりたくないって身体が言ってるみたいだ。 ―――時が流れて、名前も変えた。」 いつまでも変わらない姿の男は、友を失い、時代の流れと共に名を変え、 武勇の歴史から消えた。 世界から身を霧のように隠して。 「ようやく、静かに暮らせる時代がやって来たんだ。 今ではお前の存在を知る者も、ほんの一握りだ。 それで―――こんなところで言うのもなんか雰囲気外れだが、 今ようやく言える。 一緒になろう、リナ。」 ――――――――――――。 答える者は、いなかった。 彼の口から発せられた言葉は、やがて霧散する音になり、空間へ溶けた。 「―――ふられちまった、かな。 やっぱり。 オレじゃだめなのかな。」 俯き、座り込む。 ぃぃぃいいいいいんんん・・・・ どこから聞こえてくるのか、音にならない音が響き渡る。 「・・・もしかしたら、お前もう・・・どこかにいっちまったのかもな。 あの時から・・・。 それなら、オレも・・・その後・・追うよ。」 座り込んだ、その姿勢のまま、男は静かに歳をとる。 外側では変わりなく、内側の、止まってしまった彼の時計が、 今までの後れを取り戻すかのように、早く早く廻り出す。 ≪ カチッ・・・。 ≫ ―――氷の結晶の前に、一つの光が灯る。 暖かく、全てを包み込むような明かりが。 淡く小さな存在でも、大きく辺りを燈す。 尽きてしまった命を、光は母親のように擁(イダ)く。 やがてそれは女性の姿を象り、線の朧気なその顔には、 聖母の笑みと、一粒の涙を浮かべて、囁く。 『ありがとう・・・』 どーだったでしょうか!? 短編ですが・・・ほんっとに短いですね。 感想もらえれば幸いです!! でわっ。 |
2817 | 良い話ですね・・・ | 聖夜里奈 | 3/20-00:36 |
記事番号2816へのコメント どうも初めまして。 あたしは聖夜里奈と申します。 良い話ですね。本当。 久しぶりにこう言うような、告白系・・・ しかも、永き時を経てというリスク付き(笑)な お話がよめて、感動しています。 どうもこう言う話に弱いんです。あたし。 こう・・・二人の絆の強さが改めて感じさせられるので・・・。 これからも頑張って下さいね。 では、今後ともよろしくですぅ☆ |
2818 | はじめまして | 一坪 E-mail | 3/20-05:21 |
記事番号2816へのコメント 投稿ありがとうございました!! うーーーめちゃ切ない話ですねー。 タイトルの「そうして新たな旅路へ・・・」というのがまた……。 良かったらまた新作投稿してくださいね。 |
2819 | 言うなれば実話とも・・・【 春姫 】 | まりや E-mail | 3/20-10:29 |
記事番号2816へのコメント 【 春姫 】 また次の春も 一緒にこの花を見れるといいね そう言った君は 何時の間にかいなくなってた 僕は今 一人で見てる 君が愛したこの花の 子供の子供の花 暖かくて 日差しが丁度良いなんて 思ってたのに 心は風邪をひくくらいに 凍えてた ぽたり 涙が零れ落ちた 一滴の水に含まれた 今までの想い ここで全て忘れないように 僕は涙を拭う 春がまた通り過ぎる 季節の姫君が 裾を気にしながら つばの広い帽子が吹き飛ばされないように ゆっくりな急ぎ足で また通り過ぎる めちゃ短いですね。 感想もらえて嬉しくって書いたんですけど、ちょっとわかりにくいですねえ。 彼らの事を、呼び方「オレ」と「僕」変えただけなんですけど。 このお話、実際にあったことをモデルにして書いてますから、 少々悲しく切ないけど、個人的に一生とっておきたい作品です。 自分の作品をそこまで称賛するなっつーに。 感想くれた方々、本当にありがとうございます。 一行、一言でもいい、心に打つものが私の作品にあればいいな、と思います。 それでわ。 |