◆−めぐる季節X章:アントワーヌ2−UMI(3/21-12:42)No.2827 ┣変わらぬ空の下、今は・・・−小野道風(3/22-05:27)No.2829 ┃┗それは秘密です、今のところは・・・(笑)−UMI(3/22-14:47)No.2832 ┗めぐる季節Y章:アントワーヌ3−UMI(3/29-12:31)No.2847 ┗ 優しさはライアの花のようで− 小野道風(4/3-14:03)No.2882 ┗好きなってくれて嬉しいです−UMI(4/3-17:26)No.2884
2827 | めぐる季節X章:アントワーヌ2 | UMI | 3/21-12:42 |
「何だ、何だ。久しぶりに親友に会ったてのにそのしけた面は!」 苦虫をつぶしたようなゼルガディスの顔を見てアントワーヌは言った。 「・・・誰が親友だ・・・」 アントワーヌの言葉にゼルガディスは小さく呟いた。それが聞こえなかったのか聞こえない振りをしたのか。 「まあ、いいさ」 そう言うとアントワーヌはゼルガディスの手を引いた。ゼルガディスはそれを振り払おうとするがアントワーヌは離そうとしない。 「離せよ」 「何言ってるんだ。お前のこと待っていたんだぜ。一年間ずっと剣の腕を磨いていたんだ。今年こそお前に勝ってみせる!」 毎年のことだがいいかげん嫌になる。 (全くこいつは変わらない・・・) 目の前の人物は成長することを知らないのだろうか。これで自分と年が変わらないというのだからあきれてしまう。 (いいかげんにしろ!) ゼルガディスがそう言おうとするとアントワーヌの父親である村長が代わって怒鳴りつけた。 「アントワーヌ!いいかげんにしろ!」 アントワーヌは不服そうに唇を尖らせると、つかさず母親のメアリが言った。 「アントワーヌ、ゼルガディスさんは長旅でお疲れなのですよ。腕試しはまたになさい」 「・・・はい、母さん」 両親にたしなめられて、さすがのアントワーヌもこの場は引き下がることにしたようだ。ゼルガディスは腕をふり払うと、ため息をついた。 (・・・だから来たくなかったんだ・・・) 「いや、すみませんな。落ち着きのない息子で」 申し訳なさそうな顔をして村長はレゾとゼルガディスを家の中に招き入れた。 「いえいえ、相変わらずお元気な息子さんで。ゼルガディスにもこれくらいの元気があればいいのですが」 「いつまでも子供なのですよ。お恥ずかしい限りです」 レゾと村長はそんなことを談笑していた。居間に通されるとテーブルにはお茶の支度がされており、アントワーヌの祖母であるマリーが待っていた。 「よく、いらっしゃいました。おかけ下さい」 「ありがとうございます」 一礼してレゾとゼルガディスは席についた。カップに紅茶が注がれ甘い香が部屋の中にたち込める。 紅茶を飲みながら村長とレゾは今年のフライヒトの質や収穫量についての話をしていた。マリーとメアリは台所で夕食の準備をしているため、ゼルガディスはアンリとアントワーヌと話をすることになった。だが、アントワーヌはゼルガディスと一対一で話をできないのが不満らしい。しょっちゅうアンリの話の腰を折っては父親にたしなめられていた。その時はおとなしくなるのだがすぐに気をとりなおし、話を始めるのだった。 夕食の間もそれは変わらなかった。 「ゼルガディスさん。僕は今植物学の勉強をしているんです」 「へえ」 「将来は学者になってフライヒトを栽培できるようにして、この国をもっと豊かにしたいんです」 目をキラキラさせて話をするアンリを微笑ましく思いながらゼルガディスは答えた。 「アンリは賢いからな」 アントワーヌは二人の間に割って入ってきた。 「なあなあ、ゼルガディス明日は空いているんだろ。昼前に別荘の方に行くから」 「アントワーヌ」 父親が料理を口に運ぶ手を休めて静かに叱りつける。アントワーヌは罰の悪そうな顔をしてナイフとフォークを動かし始めた。それまで黙っていた祖母のマリーが口を開いた。 「クレスト、まあいいじゃありませんか。久しぶりにゼルガディスさんに会えたんですから」 「さすが、ばあちゃん話がわかる」 アントワーヌはいつも自分をかばってくれるこの祖母が好きだった。 「アントワーヌは黙っていなさい。お母さんはアントワーヌを甘やかし過ぎるんです」 「クレストの言う通りですわ。お母さま」 メアリもそれに同意した。 「でもねえ・・・」 マリーはまだ何か言いたそうだったがこの場での口論はしたくなかったのだろう。そのまま口を閉ざした。 (何も変わっていないな・・・) ゼルガディスはそう思った。 アントワーヌもその家族もこうしたやりとりも去年と何ら変わるところがない。 ゼルガディスはこの村長の家、パティスト家は嫌いではなかった。家族と話すことも食事をとることもどちらかといえば楽しみであった。ただアントワーヌだけが苦手だった。悪い奴ではないのはわかる。しかしどうしても彼の底抜けの明るさや人なつこさには慣れることができなかった。 「それではレゾ様。おやすみなさい」 「ありがとう。パティストさん」 夕食がすみ、村長はレゾとゼルガディスを馬車で別荘に送ってくれた。 別荘には明りが灯っている。レゾが滞在している間だけ村長の家から数名の召し使いがここで働くことになっているのだ。 村長は馬車を出す間際ゼルガディスに声をかけた。 「ゼルガディス君、うちの馬鹿息子が何かやらかしたら遠慮なく言って下さい」 ゼルガディスは何と言っていいのか解らず、笑ってそれに答えた。 「では、レゾ様。失礼します」 そう言うと村長は屋敷へと戻って行った。 (来るだろうな、アイツは) アイツ、アントワーヌは自分がこの村にいる間は毎日でも来るだろう。自分に会いに別荘へ。例え両親が何を言おうとも間違いなく来る。ゼルガディスにはそれが恐いくらいに解っていた。 「たく、何だって俺に付きまとうんだ・・・」 ゼルガディスは薄く家の明りに照らされた車輪の跡を見ながら小声で呟いた。 キインと澄んだ音を立ててアントワーヌの手かロングソードが弾き飛ばされた。孤を描き地面につき刺さる。 「ちくしょー!またかよ」 「何が『今年は勝つだ』少しは成長しろ」 「来年こそは勝つ!」 (去年もそう言ったな、お前・・・) ゼルガディスは心の中であきれて言った。 アントワーヌとゼルガディスの二人は村から少しばかり離れた小高い丘の上にいた。 頭上には澄みきった青空が広がっていた。 結局、次の日ゼルガディスはアントワーヌに連れ出されて一勝負するはめとなった。結果はゼルガディスの勝ち。これもいつものことだった。 アントワーヌは決して腕が悪いわけではないが、ゼルガディスの剣技はアントワーヌのそれを軽く上回っていた。相手が強すぎるのだ。 「たく、なんだってお前はそう強いんだ」 そう言うとアントワーヌはごろりと草の上に寝転がった。 「さあな」 ゼルガディスも剣を置くとアントワーヌの横に座った。 「まあ、いいさ。ライバルは強い方が倒しがいがあるってもんだ」 (勝手に決めるな・・・) ゼルガディスは心の中でぼやいた。アントワーヌの中で自分は親友兼ライバルにすっかりなっているらしい。 「なあ、ゼルガディス」 「なんだ」 アントワーヌの呼びかけに振り向きもせずゼルガディスは答えた。 「俺、夢があるんだ!」 「夢?」 ふいとアントワーヌの方を見ると、こぼれんばかりに目を開いたアントワーヌの顔にぶつかった。 頬を上気させて微笑みながらこちらを見ている。 「聞いてくれるか?」 「言ってみろ」 ゼルガディスが何を言ったところでアントワーヌは話すのだ。それなら勝手に言わせておけばいい。 アントワーヌは一呼吸おいてゆっくりと言った。 「俺は騎士になる。しかも親衛隊の騎士隊長だ。そしてその国の姫ぎみと恋におちて、その姫から口付けを受けるんだ・・・」 「はあ?」 早春の風が二人の間をすり抜けていき、彼らの柔らかな髪が軽くなびいた。 空は高く青くどこまでも続いていた。 To be continued・・・ |
2829 | 変わらぬ空の下、今は・・・ | 小野道風 | 3/22-05:27 |
記事番号2827へのコメント UMIさま こんにちは。 回想編の続きですね。さっそく読ませていただいてしまいました。 > 「何だ、何だ。久しぶりに親友に会ったてのにそのしけた面は!」 おお、アントワーヌ君いきなりパワフルな発言。年の割に大人びたゼルガディスと年齢相応(?)にきかん気なアントワーヌ、ゼルガディスの意思に反してなかなか微笑ましく見えていたりして。 > 「いえいえ、相変わらずお元気な息子さんで。ゼルガディスにもこれくらいの元気があればいいのですが」 ちょっと想像してしまいました、さわやかで元気なゼル・・・なんだか・・・ふははは。(ゼルごめんなさい) 見ようによっては無神経なほどの明るさと人なつこさをもつアントワーヌが語る夢、かたわらで聞いてるゼルガディスの顔が目に浮かんでくるようです。 > 「俺は騎士になる。しかも親衛隊の騎士隊長だ。そしてその国の姫ぎみと恋におちて、その姫から口付けを受けるんだ・・・」 > 「はあ?」 いかにも彼っぽい夢かな、なんて思ってしまいました。いや、ゼルガディスならそういう反応をするだろうなと。(アントワーヌごめんなさい・・・いや、彼なら気にしないというか気づいてないに違いありませんが) > 空は高く青くどこまでも続いていた。 いつかの時点ではっきり終わりを告げてしまったらしい二人のそんな「恒例行事」。変わらぬ空の下、今は一人旅を続けるゼルガディス・・・そのアントワーヌを捜して。二人に何が起きてしまったのでしょう。 ああ、気になります。わくわく。 続き、楽しみに待っています! では、また。 |
2832 | それは秘密です、今のところは・・・(笑) | UMI | 3/22-14:47 |
記事番号2829へのコメント こんにちは小野さん。 早速の感想ありがとうございます。 >年の割に大人びたゼルガディスと年齢相応(?)にきかん気なアントワーヌ、ゼルガディスの意思に反してなかなか微笑ましく見えていたりして。 二人の年齢は15か16くらいを想定しています。読み返してみるとゼルガディスが大人びているというより何だか嫌な奴になってしまったような・・・ >さわやかで元気なゼル・・・なんだか・・・ふははは。(ゼルごめんなさい) あはは、確かに笑えますね。想像できないというより、想像するのが怖い気がします。 > いかにも彼っぽい夢かな、なんて思ってしまいました。いや、ゼルガディスならそういう反応をするだろうなと。(アントワーヌごめんなさい・・・いや、彼なら気にしないというか気づいてないに違いありませんが) アントワーヌは細かいことに気にしない奴という設定だったのですが、単に鈍い奴になりました・・・ 彼は何事に対しても一生懸命で真剣なんですけど、それが人によっては鬱陶しく感じられてしまうんです。 考えてみれば、よくいるタイプの人物かもしれません。 > いつかの時点ではっきり終わりを告げてしまったらしい二人のそんな「恒例行事」。変わらぬ空の下、今は一人旅を続けるゼルガディス・・・そのアントワーヌを捜して。二人に何が起きてしまったのでしょう。 それは秘密です(笑)今のところは。でも、すでにもうラストが想像ついていらっしゃるのではないでしょうか? UMIの頭の作りは単純ですから・・・ > 続き、楽しみに待っています! ありがとうございます。ご期待に応えられるように努力はします(笑) それと、番外編の方をお許しいただきありがとうございます。 でも、書くのはかなり先になりそうです。まず本編を完結させないと・・・ ようやく、折り返し地点が見えたかなというところですので。 私にとっては、まだ先は長いです。よろしかったら、最後までお付き合いください。 それでは。 |
2847 | めぐる季節Y章:アントワーヌ3 | UMI | 3/29-12:31 |
記事番号2827へのコメント (本気で言っているのか・・・?) ゼルガディスはまじまじとアントワーヌを見た。 「もちろん恋に落ちるのは姫君の方が先でって、おい、聞いているのかよ」 アントワーヌは真剣そのものといった顔で続けて言った。目をそらさずじっとゼルガディスを見ている。 どうやら本気で言っているらしい。 (こいつがヒロイックサーガの類が好きだってのは知っていたが・・・) 「アントワーヌ・・・お前は馬鹿か?」 あきれてゼルガディスは言った。 「馬鹿とは何だ!俺は真面目に言っているんだ!」 「だから馬鹿と言ったんだ」 アントワーヌは立ち上がり顔を真っ赤にしてゼルガディスを睨みつけた。 ゼルガディスは少し驚いてアントワーヌを見上げた。こんなに怒りをあらわにしたアントワーヌを見るのは初めてだった。 「お前はおとぎ話の読みすぎだ」 ゼルガディスはその驚きを隠して極力冷静に言った。 とたん、弾かれたようにアントワーヌが叫んだ。 「人間夢を失くしたらおしまいだぞ!じゃあ、お前の夢は何なんだ!?」 (・・・夢・・・?) アントワーヌに問われてはたと気付いた。自分は将来の夢など考えたことがなかったことに。 今も昔も見ているものはレゾの背中だけだった。 あの偉大過ぎる自分の育ての親。 どうやったら追い付けるのか追い抜けるのか。 考えることはそれだけ。 これが自分の夢といえば夢なのだろうか? だが、それをアントワーヌに告げる気にはむろんなれずゼルガディスはただこう言った。 「そんなものはない」 それを聞くとアントワーヌの顔から怒りの色が消え、代わりに悲しげに目を伏せた。 「俺はお前が心配だよ、ゼルガディス」 「それはこっちのセリフだ」 こんな子供じみたことを本気で考えているアントワーヌに言われたくなどなかった。 「やれやれ。可愛げのない奴」 そう言うとアントワーヌはゼルガディスの横にすとんと腰を下ろした。 (可愛くなくて結構だ) 口には出さなかったがゼルガディスは心底そう思った。 「あっ!」 突然アントワーヌが声を上げた。何事かと思い、ゼルガディスはアントワーヌに呼びかけた。 「どうした?」 「これこれ」 言いながらアントワーヌはゼルガディスが地面につけていた左手の辺りを指差している。 特に変わったものはない。いぶかしんでゼルガディスはアントワーヌに尋ねた。 「いったい何なんだ、アントワーヌ?」 「もうこの花の咲く季節になったんだなあ」 「花?」 言われてみると小さな青い花が咲いている。しかしだからといってこれが何なのだろうか? 「お前知っているかこの花?」 「知らん」 どこかで見たことはあるのかもしれない。だがゼルガディスはその花の名前は知らなかったし、今まで花などに気をとめたことなどなかった。 それを聞いてアントワーヌは意外そうな顔をした。 「変な奴だな、誰でも知っているぞ普通」 「変で悪かったな」 (・・・お前ほどじゃないさ) そうゼルガディスは心の中で付け足した。 アントワーヌはゼルガディスの言葉を気にもせず話し続けた。 「ライアの花、春の訪れを告げる花さ。春一番に咲くんだ」 そう言ってアントワーヌは愛おしそうに目を細めた。 (幸せな奴・・・) ゼルガディスはそう思った。たかが花一つでここまで嬉しそうに話をする奴もそうはいないだろう。 「・・・・・・」 「フライヒトと違ってどこにでも咲くんだが、この村で咲く花が一番奇麗だよ」 「お前はこの村から出たことがあるのか?」 「いや、ない」 アントワーヌははっきりと言った。ゼルガディスは頭を思わず押さえた。 (・・・なんとかしろ、こいつを・・・) アントワーヌはしばらく嬉しそうに花を見ていたが、ゼルガディスの方に顔を向け唐突に口を開いた。 「お前も少しは自分の足元を見てみろよ。前ばっかりじゃなくてさ」 「それはおまえだろう」 心外と言わんばかりにゼルガディスは答えた。 (・・・くだらん空想にふけっているお前よりかは足元を見ているさ) 「こんな奇麗なものがあるんだぜ。そんなんじゃ見過ごすどころか、踏み付けちまう」 「余計なお世話だ。それよりもお前は本気で騎士隊長とやらになる気なのか?」 いいかげん話題を変えたくてゼルガディスは切り出した。 「もちろん」 当然と言わんばかりにアントワーヌは答えた。 「貴族でもないお前がなれると思っているのか?」 ただの騎士ならともかく、騎士隊長、しかも親衛隊の騎士隊長など一介の農民が普通に考えてもなれるわけがない。実力以上に身分や血筋といったものが必要なのだ。小国の貴族でもない村長の息子がなれるようなものではない。 「そういった例がないわけじゃないだろ」 「そんなのは例外中の例外だ」 「じゃあ、その例外になるまでさ」 何を言っても無駄のようだ。 (名前だけは立派に騎士だがな・・・) 彼のフルネームは「アントワーヌ・ジュリ・パティスト」という。 初めて聞いた時は本人と名前のギャップに驚いたものだった。 (名は体を表すというが・・・あれは嘘だな・・・) 自己紹介の時ゼルガディスはしみじみそう考えたものだった。 アントワーヌと初めて会った時のことは覚えている。自分が自己紹介をして開口一番、 「変な名前だな」 こう言ったのだ。あの頃とこいつは何も変わっちゃいない・・・ 「おい、ゼルガディス聞いているのかよ?」 「・・・何だ?」 ゼルガディスは返事をするのも億劫になってきていた。 「大事なのは本人の気持ちだろ?」 「・・・まあ、そうだな」 そう言ってゼルガディスは立ち上がった。もう何も言う気はなかった。 遅かれ早かれアントワーヌも理想と現実との違いに気がつくことだろう。 その時が来るまでは自分とアントワーヌが噛み合うことはないに違いない。 「おい、どこへ行くんだ?」 「日暮れまでには戻れとレゾに言われているんでな」 この場を立ち去るための嘘である。だが、アントワーヌはあっさりと信じたようだ。 「・・・そうか。今年はどれくらいこの村に居るんだ?」 「さあな。レゾに聞かなければ解らん」 ゼルガディスは置いていた剣を腰にさし、歩き始めた。 その背中にアントワーヌが呼びかけた。 「おい!ゼルガディス、よかったらいつでもうちに来いよ!歓迎するからな!」 ゼルガディスはその声に振り向かず、ただ軽く手を上げて応えた。 To be continued・・・ |
2882 | 優しさはライアの花のようで | 小野道風 | 4/3-14:03 |
記事番号2847へのコメント UMIさま こんにちは。いよいよライアの花の登場ですね! 今回のアントワーヌ、とても愛らしいです。いささか現実味に欠けているとはいえ自分の夢にひたむきで、(ごく内面はともかく)呆れるほど楽天家で、お人好しで、そしてゼルガディス曰く「幸せな奴」なところが。 > 今も昔も見ているものはレゾの背中だけだった。 > あの偉大過ぎる自分の育ての親。 > どうやったら追い付けるのか追い抜けるのか。 > 考えることはそれだけ。 > これが自分の夢といえば夢なのだろうか? そんなゼルガディスを、 > 「お前も少しは自分の足元を見てみろよ。前ばっかりじゃなくてさ」 と多分無自覚ながら言い当てたアントワーヌは、たしかに「幸せな奴」かもしれませんけれど、ほんとに優しい子なんだなと思いました。優しいといえば、 > 「俺はお前が心配だよ、ゼルガディス」 > 「やれやれ。可愛げのない奴」 まったくです(笑)。前ばかりを見て足元を見ないというのは、良い意味でも悪い意味でもゼルガディスだけの大切な生き方だと思いますけれど・・・。面と向かって心配なんて言ってくれる人がいるのは、素敵なことですよね。あまりに平凡に映る暖かさなのでライアの花のように見逃してしまいそうで、読んでいて胸がいたいです。でもその後の会話が、 > 「お前はこの村から出たことがあるのか?」 > 「いや、ない」 私、こういう子が好きなんです、ほんとに(笑)。 マイペースなアントワーヌ、調子狂わされっぱなしのゼルガディス、二人の足元にひっそりと咲くライアの花・・・役者が揃ってしまいました。 二人はどうなるんでしょう。うう、4が見たいのに時間がない・・・(泣)。でもまた4のほうも読ませていただきますね!楽しみです。 ではでは。 |
2884 | 好きなってくれて嬉しいです | UMI | 4/3-17:26 |
記事番号2882へのコメント 小野さん、こんにちは。感想ありがとうございます。 アントワーヌのことを気に入ってもらえて嬉しく思います。 > 今回のアントワーヌ、とても愛らしいです。 アントワーヌに言ってあげたいですね。「えへへ」とか言って頭を掻くことでしょう。その隣でゼルガディスが「馬鹿か」と言うでしょうけど・・・ > ほんとに優しい子なんだなと思いました。 そうなんです。彼は優しい子なんです。ただちょっと、いやかなり突っ走ってしまうだけで(笑) > 前ばかりを見て足元を見ないというのは、良い意味でも悪い意味でもゼルガディスだけの大切な生き方だと思いますけれど・・・。面と向かって心配なんて言ってくれる人がいるのは、素敵なことですよね。 私はゼルガディスの生き方は決して嫌いではありませんが、見ていて寂しいですね。でもこれは彼が本当に望んでいる生き方ではなく、他に生きる術がなかっただけなのだと思っています。だから他人からみるととても寂しく映るのではないのでしょうか。 > 私、こういう子が好きなんです、ほんとに(笑)。 ありがとうございます。アントワーヌが聞いたら大喜びです。アントワーヌもてもて(笑) >二人はどうなるんでしょう。うう、4が見たいのに時間がない・・・(泣)。でもまた4のほうも読ませていただきますね!楽しみです。 そう言ってもらえて嬉しいです。お暇なときに覗いてくださればいいですよ。ちなみに4で回想編は終了です。予定では2回終わるはずだったんですが・・・不思議なことに倍になりました(笑) 桜が咲き始めたとはいえ、寒暖の激しい季節です。風邪などに気をつけてください。UMIは花粉症なのでかなり死んでます・・・ それでは、また。 |