◆−月のように月よりも(ゼロリナ)−恭華(4/21-12:06)No.2937
 ┗はじめまして−一坪(4/24-08:31)No.2945


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2937月のように月よりも(ゼロリナ)恭華 E-mail 4/21-12:06



始めまして、恭華と言います。
ゼロリナが好きなのです。だから、ゼロリナ(はぁと)
この話はリナ片思い中っていうところでしょうか?
よかったら読んでやって下さい。

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 月がすき。
 闇の中に柔らかい光を放つから。
 ―デモ、ホンノ少シ嫌イ
 月がすき。
 見上げるだけで切なくなるから。
 ―デモ、ホンノ少シ嫌イ

 月が嫌い。
 何処までも無慈悲だから。
 ―デモ、ヤッパリ好キ
 月が嫌い。
 みつめると気が狂いそうになるから。
 ―デモ、ヤッパリ好キ


キラキラと湖面に光をちりばめながら輝く月を見つめて、そんな私らしくない考えに苦笑を漏らした。
どうも、月を見ると感傷的になってしまう。
それは月が―――アイツに似てるから。一見優しげな笑顔。でも本当に優しいワケじゃない。
まっっっっっっったくホントに月みたい。
月がただ地球に寄り添って、地球の側から決して離れないように。
地球から離れてしまった瞬間に、その意味をなさなくなるように。
決して『魔族』からは離れない。
分かってる、分かりきっているのに、私は捕まった。
最初は見上げるだけ。でも、気がついた時には目を逸らすことすら出来なくなっていた。
姿が見えない時でさえそれを求めて空を仰ぐ。
無意味だと、自分に何度も言い聞かせる。相手にとっては自分は沢山あるなかの一つ。
月が暇つぶしに、星と戯れるのと同じ。月の心はいつでも地球にあるのだから。

それでも、この手を届かない天空に伸ばすのは罪なのだろうか?
むなしく空を切る音に涙が零れるのは愚かな事なのだろうか?
一笑されるだけの思いを、あの月の一番近くの星に託すことも?

「…月なんて嫌い」
アイツの姿を思い浮かべながら、そう呟いた。
「嫌い、嫌い、嫌い、嫌イ、嫌イ、キライ…………ス…キ」
はらりと涙が一滴だけ落ちて、それと同時に素直な気持ちが一度だけ表れて、私は俯いた。
「何がスキなんですか、リナさん?」
俯いたままの私に、頭上から声が落ちてきた。月の声……そんな錯覚をするにはこの声を覚えすぎている。
「なんの用よ……ゼロス」
「……ただリナさんに会いに。」
いつもの戯けた声ではなくて、私はゆっくりと顔を上げた。
月を背にして立っているゼロスの表情は見えない。ゼロスはそのまま話し始めた。
「リナさんが好きなものって一体なんでしょう?」
「んなこと、教えるわけないでしょ。それに、何で好きな方しか聞かないのよ。」
「え?さっきご自分で、月がキライだっておっしゃってたじゃないですか。」
そんなところから居たのかと、ため息が漏れる。
「ったく、いるんならもっと早く出てきなさいよ!」
「まぁまぁ。それより本当に何が好きなんですか?」
「教えないって言ってるでしょ!」
「そんなこと言わないで、教えて下さいよー」
ゼロスがほんの少しだけ位置をずらしたことで、はっきりとゼロスの顔が見えるようになった。
その瞳が器用にも、ウルウルと潤んでいる。
それがあまりにも情けなくて(演技だって分かってるけど)私はヒントだけをあげることにした。
「…しょうがないわね。ヒントだけよ。」
「ヒントですか……?」
「そう、後は自分で考えるように!良い、ヒントは『月もどき』よ。」
「月…もどき……?何ですかそれ。」
「だから、自分で考えなさいって言ってるでしょ。」
「………新しいお菓子……とか…」
スパーン!っといい音があたりに響いた。『対ゼロス』と書かれたスリッパの一撃だ。
「痛いですよぉー、リナさん!」
「痛いわけないでしょうが…あんたが変な事言うからでしょ!」
「でも、リナさんの好きそうなものと言ったら食べ物かと…」
白々しく頭をさすりながら、そう言うゼロスにため息が零れる。
まぁ、分かるなんて期待してなかったけど……全く記がつかないのも少々腹が立つ。
「もし…」
「もし?」
「新月の時の月を見せてくれたら、教えてあげる。」
「新月の時の月って……普通見えませんよね?」
「かもね。」
「えー、リナさぁぁぁん。そんな意地悪しないでくださいよぉー」
ゼロスの言葉を無視して私は宿屋に戻るために歩き出した。
月を真上に仰ぎながら。

罪であっても、愚かであっても良い。届かないんなら届く高さまで登ってみせる。
空を切る音を軽快なリズムに変えてみせる。
地球に寄り添うより、一番近くの星と戯れる方が大切だと思わせてみせる。
だから――だから、新月のように隠された表情を見せて。その表情が見れたら………教えてあげる。

―――ねぇ、月のように嫌いで月よりも好きな『月もどき』くん

END

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っと、まぁこんな感じです。リナがリナじゃない!っと自分でかなり激しくツッコミながらの作品……
感想を頂けると嬉しいです(はぁと)

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2945はじめまして一坪 E-mail 4/24-08:31
記事番号2937へのコメント

投稿ありがとうございました!

リナさんが少女って感じでカワイイですねーv
「月もどき」って言葉がみょーに気に入りました。(笑)


では、よかったら、また投稿してくださいね。