◆−それは…手の届く場所に。(ゼロフィリ)−葵 芹香(6/9-23:11)No.3149
 ┣んきゃああぁぁ〜−麻生誠(6/10-00:08)No.3150
 ┃┗あはははは…ど〜も〜−葵 芹香(6/10-09:13)No.3154
 ┗はじめまして−一坪(6/10-07:34)No.3152
  ┗よろしくお願いします。−葵 芹香(6/10-13:27)No.3155


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3149それは…手の届く場所に。(ゼロフィリ)葵 芹香 E-mail 6/9-23:11



初めまして、でいきなり小説書く身の程知らずの葵芹香という者です。
ゼロフィリ…あんまり見かけないんで自分で書いちゃいました(笑)。
本当につたない文章力なんですが、読んでいただければ幸いです。

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『それは…手の届く場所に。』

穏やかな日差しが差し込んでいる、とある町の、とある骨董屋。
その店の女主人である竜の娘は、日の光を受けて輝いている卵…ヴァルを、愛おしそうに眺めながらティータイムを楽しんでいた。
ふぅ…っと小さく息を吐き、想いに耽(ふけ)る。
思えば、火竜王の神託を受けてリナ達と出会ってから、いろいろな事を知ったような気がする。
本音でぶつかりあう事、隠された真実を知る事、そしてそれに立ち向かう事…。
どれも“神殿”という箱の中にいたままでは、知りうることのない経験だった。

そして、今。

フィリアは再び卵に視線を向ける。
夢だった自分の店を持ち、二匹のにぎやかな獣人達と一緒に、
新しい生を受けてこの世界に舞い降りてくるヴァルを楽しみに待つ日々・・・
たまらなく幸福な時間。
償いじゃないと言えば嘘になるけど、それは本心だった。


―だけど・・・。

何かが足りない…。
彼女の心がそうつぶやいていた。
限りなく‘幸せ’でいっぱいのはずの心の、ほんのわずかな一部分が、満たされていない、と叫んでいる。
(わがままよね、心を幸せで満タンにしたいなんて。・・・でも…?)
満たされていないと感じるのはなぜなのか。
今の自分はとても幸福だ。それは自負できる。
それでは何が足りないというのだろう…自分に尋ねてみる。

リナ達と旅をしていたとき。
リナの隣りにはガウリィがいて、アメリアの隣りにはゼルガディスがいた。
それがあまりにも自然だったので、大して気にはならなかったが。
二人でいることの意味は何なのか。
あの人達なら、一人でも十分、何事にも立ち向かっていけるしなやかな強さを持っているのに。
ずっと一人、火竜王が聖一位の巫女として一人で生きてきたフィリアにはわからなかった・・・全身を預けられる誰かを持つ、ということが。

ふぅ・・・。
再び息を…今度は大きな息を吐いた。考えてもわからない。
ティーカップに残る紅茶にゆらめく自分の顔を眺めながら。

「どうなさったんです、ため息なんかついて?」

―――っ!!
「……んなっ!?―ゼッ、ゼロスッ!!いきなり現われないで下さいっ……いいえ、それより、一体何の用ですっ?!・・・はっ、まさかヴァルを・・・っ!!!」
「いえ、いえ。かつての神と魔の力を持ち合わせていたヴァルガーヴさんならいざ知らず、ただの竜になってしまったヴァルさんでは、僕らとしては何の価値もありませんから。・・・今日は純粋に貴女に逢いに来たんですよ、フィリアさん」
いつもの人を喰ったような笑顔で、自分の人差し指を彼女の唇に当てた。
「だっ、誰が魔族なんかの言うことなんて信じるもんですかっ!!」
顔を真っ赤にして反論する。自分の頬の赤さに、怒り以外の感情が混ざっていることを彼女は知らない。
「おやおや、相変わらず可愛くないお嬢さんですねぇ!そんなんだから浮いた話がひとつも舞い込んで来ないんですよっ!!」
…実際は違う。彼女の美しさに魅入られて、言い寄ろうとする男は山ほどいる。
そうした輩は店に近づく前に、ことごとくゼロスに阻害されているが。

(モチロン、これはフィリアさんには秘密です。)

「・・・『浮いた話』って・・・何?」
不思議顔で尋ねる竜の娘に、たじろぐ獣神官。
・・・その青い瞳に見つめられるのに弱いから。
「それは・・・」
「それは?」
「それは秘密です」
チュッ、と彼女の頬に口づけると、ふわっと宙に浮く。
一瞬、硬直していたフィリアだったが、すぐに我に返ると、わなわなと震えながらさっきよりもいっそう顔を赤くして、
「ゼ〜ロ〜ス〜〜〜ッ!!!」
モーニング・スターを取り出して、フワフワ逃げ惑うゼロスを追いかける。
「ゼロスッ!待ちなさ〜いっっ!!」
「嫌ですよ〜、がんばって捕まえてくださ〜いっ」
「きいぃぃぃっ!!絶対とっ捕まえてやるうぅっ!!!」
ブンブンと手にした鈍器を振り回しながら。
「ハッハッハッ」
ニコ目のままフヨフヨとフィリアの攻撃をかわしながら、
(本当はもうとっくに捕まってるんですけどね。)
貴女の瞳に。
(それにしても…とんと恋愛感情に疎い方ですねぇ・・・。)
小さくため息をつく。
「もうちょっとですよ〜、がんばって追いついてくださいね〜」
僕はいつでも貴女の手の届く場所にいますから。
「むきいぃぃっ!この生ゴミ魔族うぅっ!!」



フィリアが“自分に足りないもの”、だがしかし
“いつかは手に入るもの”に気づくのも、そう遠くはないのかも知れない。





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ああぁっ!まとめがちゃんと出来てなかったっ!!
急な展開の終わり方でしたね。
精進したいと思うので、感想・意見等ございましたらぜひお聞かせ願いたいです。




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3150んきゃああぁぁ〜麻生誠 E-mail 6/10-00:08
記事番号3149へのコメント

こんにちは、麻生誠と申します。ぜろふぃり…いつも探しまくってますが久々に読めて、とっても嬉しいです(^。^)

>「おやおや、相変わらず可愛くないお嬢さんですねぇ!そんなんだから浮いた話がひとつも舞い込んで来ないんですよっ!!」
>…実際は違う。彼女の美しさに魅入られて、言い寄ろうとする男は山ほどいる。
>そうした輩は店に近づく前に、ことごとくゼロスに阻害されているが。
>
>(モチロン、これはフィリアさんには秘密です。)

そうか…そんな事をしているんですか、ゼロスさん(笑)いいですよ、ライバルの芽は早いうちに摘んでおくに限りますから…。

>「・・・『浮いた話』って・・・何?」
>不思議顔で尋ねる竜の娘に、たじろぐ獣神官。
>・・・その青い瞳に見つめられるのに弱いから。

こういううぶっぽいゼロスってすごく好きです。可愛いです。

>ニコ目のままフヨフヨとフィリアの攻撃をかわしながら、
>(本当はもうとっくに捕まってるんですけどね。)
>貴女の瞳に。
>(それにしても…とんと恋愛感情に疎い方ですねぇ・・・。)
>小さくため息をつく。
>「もうちょっとですよ〜、がんばって追いついてくださいね〜」
>僕はいつでも貴女の手の届く場所にいますから。
>「むきいぃぃっ!この生ゴミ魔族うぅっ!!」

早く気づいてもらえるといいですね、この分だとまだまだ時間がかかりそうですが。頑張れ〜(笑)

>=====================================
>
>ああぁっ!まとめがちゃんと出来てなかったっ!!
>急な展開の終わり方でしたね。
>精進したいと思うので、感想・意見等ございましたらぜひお聞かせ願いたいです。
>
とってもほんわかした素敵なお話で楽しませていただきました。有難うございます。
やっぱり、ゼロフィリっていいですよねホント。もう、好き過ぎです。
また、こんな素敵な二人を見せてください(^^)続編、という訳ではありませんが、これから少しつづ進展していく二人…見てみたいなぁ(他力本願)


追記:麻生のお知り合いに葵芹香様っていらっしゃるのですが、もしかしてご本人様なのでしょうか…。もしそうなら、びっくりです。

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3154あはははは…ど〜も〜葵 芹香 E-mail 6/10-09:13
記事番号3150へのコメント

麻生誠さんは No.3150「んきゃああぁぁ〜」で書きました。
>
>こんにちは、麻生誠と申します。ぜろふぃり…いつも探しまくってますが久々に読めて、とっても嬉しいです(^。^)
>
ありがとうございます。といっても、自分も捜してて、なかなか見つからなかったんで、「っく、こうなったら自分で書いてやるっ!!」という衝動にかられて突発的に書いたものなんですが。

>>「おやおや、相変わらず可愛くないお嬢さんですねぇ!そんなんだから浮いた話がひとつも舞い込んで来ないんですよっ!!
>>…実際は違う。彼女の美しさに魅入られて、言い寄ろうとする男は山ほどいる。
>>そうした輩は店に近づく前に、ことごとくゼロスに阻害されているが。
>>
>>(モチロン、これはフィリアさんには秘密です。)
>
>そうか…そんな事をしているんですか、ゼロスさん(笑)いいですよ、ライバルの芽は早いうちに摘んでおくに限りますから…。
>
そうですね。ただ、そのおかげで骨董屋への客足を減少させているのに加担してもいるんですが。

>>「・・・『浮いた話』って・・・何?」
>>不思議顔で尋ねる竜の娘に、たじろぐ獣神官。
>>・・・その青い瞳に見つめられるのに弱いから。
>
>こういううぶっぽいゼロスってすごく好きです。可愛いです。
>
はい。でもそれは決して表に出さないという。
出したところで、うちのフィリアさんは気づかないと思いますけど。

>>ニコ目のままフヨフヨとフィリアの攻撃をかわしながら、
>>(本当はもうとっくに捕まってるんですけどね。)
>>貴女の瞳に。
>>(それにしても…とんと恋愛感情に疎い方ですねぇ・・・。)
>>小さくため息をつく。
>>「もうちょっとですよ〜、がんばって追いついてくださいね〜」
>>僕はいつでも貴女の手の届く場所にいますから。
>>「むきいぃぃっ!この生ゴミ魔族うぅっ!!」
>
>早く気づいてもらえるといいですね、この分だとまだまだ時間がかかりそうですが。頑張れ〜(笑)
>
>>=====================================
>>
>>ああぁっ!まとめがちゃんと出来てなかったっ!!
>>急な展開の終わり方でしたね。
>>精進したいと思うので、感想・意見等ございましたらぜひお聞かせ願いたいです。
>>
>とってもほんわかした素敵なお話で楽しませていただきました。有難うございます。
>やっぱり、ゼロフィリっていいですよねホント。もう、好き過ぎです。
>また、こんな素敵な二人を見せてください(^^)続編、という訳ではありませんが、これから少しつづ進展していく二人…見てみたいなぁ(他力本願)
>
ご感想ありがとうございました。ここから発展していく二人は、表現力の乏しい私には難しいかもしれませんが、できたら続きも書きたいですねぇ・・・。
>
>追記:麻生のお知り合いに葵芹香様っていらっしゃるのですが、もしかしてご本人様なのでしょうか…。もしそうなら、びっくりです。
>
私信…になるのかな?
うふふふふ…ということは、あなたはやっぱりあの麻生誠様なんですね…?
お久しぶりです〜。しばらく連絡とってませんでしたね…また、お手紙したいと思いますんでその時はよろしくお願いします。


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3152はじめまして一坪 E-mail 6/10-07:34
記事番号3149へのコメント

投稿ありがとうございましたーー!

なんか、素敵な日常って感じですねーー。

フィリアさんが幸せでよかったです。
そして今後もっと幸せになれそうだし。(^▽^)


では、これからもよろしくお願いしますね。

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3155よろしくお願いします。葵 芹香 E-mail 6/10-13:27
記事番号3152へのコメント



この度は突然(?)の出現にもかかわらず、快く受け入れていただきまして本当にありがとうございます。

これからもちょくちょく(ほぼゼロフィリで)現れると思うんで、
どうぞよろしくお願いします。