◆−白雪姫?1−羅紗(7/11-21:39)No.3509 ┣Re:あ・・・がうりんったら・・・vv−風和(7/11-22:05)No.3511 ┃┗えへ。−羅紗(7/12-19:42)No.3516 ┣白雪姫?2−羅紗(7/12-19:47)No.3517 ┣白雪姫?3−羅紗(7/14-18:06)No.3536 ┗白雪姫?4−羅紗(7/16-15:09)No.3570
3509 | 白雪姫?1 | 羅紗 | 7/11-21:39 |
どぉも。 また懲りずにやってきました。 童話シリーズですv 今度はやっとこさあの方が登場!でもギャグです。 でもって注意。 かっこいいガウリイが好きな方は見ない方がいいです。はい。 では☆ =*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 昔々、ある国のお城で子供が産まれました。 雪のように白い肌を持つその子は「白雪姫」と名付けられ、すくすくと育ちました。 しかし、優しかった母は重い病気にかかりなくなってしまい、父である国王は新しい妃を迎えました。 ところが新しい妃はにこにこ笑う顔の裏で何を考えているのかわからない人でした。 あっという間に国王を骨抜きにし、その子、白雪姫をいぢめ倒す日々が始まりました。 しかし白雪姫は鈍い……もとい、おおらかな性格だったので、特に気にしませんでした。そして毎日の水くみや掃除を体力づくりのために活用していました。 ところで、妃は魔法の鏡なるものを持っていたのです。 妃はそれで毎日同じ事を尋ねます。 「鏡よ、鏡さん。この国中で一番美しいのは誰ですか?」 すると、鏡の精が出てくるのです。 「ゼロス……その格好は……。」 「(シェーラさん、その台本を読んでください。あとでそこらの質問を受け付けますから。)」 「(あ……ああ。)それはあなたです。(……ゼラス様が知ったらなんとおっしゃるだろうな……。)」 「(そ……それは秘密にしておいてください……。)」 白雪姫は今日も今日とて水くみ・掃除に精を出します。 そしてその合間を縫ってこっそり城の近くの丘に行きます。 そこはなくなった母親が好きだった場所で、何となく白雪姫も好きだったのです。 白雪姫は丘の上に座って城を眺めます。白雪姫は実は城があまり好きではないのです。 長い金髪が風に遊ばれてたなびきます。端麗な顔はじっと動きません。 これでおつむの方も良ければ……天は二物をあたえないものです。 「……そろそろ帰るか。」 白雪姫が大きくのびをしたとき、後ろで大きな音がしました。 「だ……。」 「だぁぁぁぁっ、もう最悪!どーして道が途中でとぎれているのよ! おかげで道に迷うわ、からのないカタツムリにあうわ……あああっ!思い出しただけでも寒くなるぅぅぅ。」 盛大にわめきながら出てきたのは、小柄な人でした。白雪姫の肩にもとどかないくらいの身長です。 その人は栗色の髪をふりながら言いました。 「あ、ちょーどよかった。あのさ、このあたりに……げっ!」 ずざざざざざっっっっ!! 「あ…あんた……似合いすぎ……。」 「……嬉しくない……。」 「……もしかして、あんたが白雪姫だとか?」 おそるおそる尋ねます。 「そーゆーおまえはなんだよ。」 「…………おうぢ。」 王子は小さな小さな声で言いました。 「……確かにその胸だと……。」 すぱぁぁぁぁぁぁぁん!! 「そーゆー事言うと、叩くからね。」 「……もう叩いてる。」 「やかましっ!さっさと街の場所教える!……断片的でもいいから。」 王子はスリッパを懐にしまいながら言いました。 白雪姫は頭をさすりながらこたえます。 「……そしたら、ここにいる間この丘に来ないか?」 「なんで?」 「オレ、暇なんだよ。話し相手いないしさ。」 王子はしばらく黙っていましたが、やがてうなずきました。 「いいわ、あたしもとーぶん暇だし。その代わり、このあたりの特産物とか教えてね。」 「ああ、いいぞ。」 「じゃ、決定ね。」 王子と白雪姫はにっこりと笑いました。 それから毎日白雪姫と王子はその丘で会いました。 白雪姫は城の外のことをしきりに尋ね王子はそれに答える、という形で会話が成立していました。 「なあなあ、山ほどの大きさの魚がいるって本当か?」 「ああ、鯨の事ね。本当よ。ちょっと臭みがあるけど、美味しいの。」 「へー、食べてみたいなぁ。」 白雪姫と王子はのんびりと空を見上げました。大きく白い雲がぽっかりと浮かんでいます。 「そーいえばさぁ、なんで他の国の王子がこんな所にいるんだ?」 「あんたがここに来いって言ったからじゃない。」 王子はジト目で言います。 「いや、そーじゃなくて。なんで国抜け出してるんだ?……なんかとてつもなく悪いことして追われているとか?」 「そんなわけないでしょ!だいたい姉ちゃんがいるのにそんなことしたら……。」 王子はぶるるっとふるえました。白雪姫は尋ねます。 「……そんなに怖いのか?」 「……世の中には知らない方が幸せなことが多いのよ。 まあ、その姉ちゃんが『世界見てこい』って言って。それでぶらぶらと……。」 「…なんか、すごい理由だな……。」 「いーんじゃない、別に。 たとえ『世界を救う』とかご大層な理由じゃなくても、要はそこから何をどーするかが問題なんだから。」 王子はごろりと横になりました。 白雪姫も同様に横になります。空を鳥が飛んでいます。 「オレも……旅したいな……。」 白雪姫はぽつりと呟きました。 ─続く |
3511 | Re:あ・・・がうりんったら・・・vv | 風和 E-mail URL | 7/11-22:05 |
記事番号3509へのコメント >どぉも。 >また懲りずにやってきました。 どぉも風和です!! >童話シリーズですv >今度はやっとこさあの方が登場!でもギャグです。 ああ・・・僕白雪姫ネタいっこあったのに・・・ 書いてイイですか?ダブりますけど。 夏休みあたりに・・・(なんて無謀な) >でもって注意。 >かっこいいガウリイが好きな方は見ない方がいいです。はい。 >では☆ 大丈夫。 かっこいいがウもかっこよくないがウも美人のガウも好きぃっvv >昔々、ある国のお城で子供が産まれました。 >雪のように白い肌を持つその子は「白雪姫」と名付けられ、すくすくと育ちました。 >しかし、優しかった母は重い病気にかかりなくなってしまい、父である国王は新しい妃を迎えました。 >ところが新しい妃はにこにこ笑う顔の裏で何を考えているのかわからない人でした。 >あっという間に国王を骨抜きにし、その子、白雪姫をいぢめ倒す日々が始まりました。 ほうほう。 ここまでは、フツーの白雪姫。 >しかし白雪姫は鈍い……もとい、おおらかな性格だったので、特に気にしませんでした。そして毎日の水くみや掃除を体力づくりのために活用していました。 あ・・・これはまさか・・・まさか・・・(汗) っていうか・・・気にしろよ・・・(涙) >ところで、妃は魔法の鏡なるものを持っていたのです。 >妃はそれで毎日同じ事を尋ねます。 >「鏡よ、鏡さん。この国中で一番美しいのは誰ですか?」 >すると、鏡の精が出てくるのです。 >「ゼロス……その格好は……。」 >「(シェーラさん、その台本を読んでください。あとでそこらの質問を受け付けますから。)」 >「(あ……ああ。)それはあなたです。(……ゼラス様が知ったらなんとおっしゃるだろうな……。)」 >「(そ……それは秘密にしておいてください……。)」 はぁぅっ!!! この2人・・・似合いすぎ・・・(v) ゼラス様・・・本当に何て言うんだろ・・・うぷぷぷっ!!(大笑) >長い金髪が風に遊ばれてたなびきます。端麗な顔はじっと動きません。 >これでおつむの方も良ければ……天は二物をあたえないものです。 だね☆ でも、それはそれで良い所v(ほんとかよ) >「……そろそろ帰るか。」 >白雪姫が大きくのびをしたとき、後ろで大きな音がしました。 >「だ……。」 >「だぁぁぁぁっ、もう最悪!どーして道が途中でとぎれているのよ! >おかげで道に迷うわ、からのないカタツムリにあうわ……あああっ!思い出しただけでも寒くなるぅぅぅ。」 リナだね・・・完璧・・・ >ずざざざざざっっっっ!! >「あ…あんた……似合いすぎ……。」 >「……嬉しくない……。」 似合うよね・・・vvvガウったら・・・美人・・・vvv >「……確かにその胸だと……。」 >すぱぁぁぁぁぁぁぁん!! あ。叩かれたわんv >それから毎日白雪姫と王子はその丘で会いました。 >白雪姫は城の外のことをしきりに尋ね王子はそれに答える、という形で会話が成立 していました。 まあっ!!デートっ!!?デートっ!!? いいわねぇ・・・若いって・・・(ちょっと違う) >「オレも……旅したいな……。」 >白雪姫はぽつりと呟きました。 > >─続く おおおおっ!!イイ感じだっ!!すっごくイイ感じっvv 羅紗さんやるぅっ!! きれいよね!羅紗さんってお話の書き方v いいないいなぁ・・・(物ほしそうな目) って事で、短いですがこのへんで。 次、楽しみにしてます!風和でした☆ |
3516 | えへ。 | 羅紗 | 7/12-19:42 |
記事番号3511へのコメント >どぉも風和です!! わお!風和さんだ!どもどもv >>童話シリーズですv >>今度はやっとこさあの方が登場!でもギャグです。 >ああ・・・僕白雪姫ネタいっこあったのに・・・ > 書いてイイですか?ダブりますけど。 >夏休みあたりに・・・(なんて無謀な) ほんとに!?読みたいですぅ! 白雪姫ネタっていろいろな方がかかれてますし、いいのでは? >>でもって注意。 >>かっこいいガウリイが好きな方は見ない方がいいです。はい。 >>では☆ >大丈夫。 > かっこいいがウもかっこよくないがウも美人のガウも好きぃっvv 美人のガウ……某わんだふぉ〜で美人のガウが登場してました。 きれいだけどコントローラー持ってこけました。 >>昔々、ある国のお城で子供が産まれました。 >>雪のように白い肌を持つその子は「白雪姫」と名付けられ、すくすくと育ちました。 >>しかし、優しかった母は重い病気にかかりなくなってしまい、父である国王は新しい妃を迎えました。 >>ところが新しい妃はにこにこ笑う顔の裏で何を考えているのかわからない人でした。 >>あっという間に国王を骨抜きにし、その子、白雪姫をいぢめ倒す日々が始まりました。 > ほうほう。 >ここまでは、フツーの白雪姫。 はい、ふつうです。 >>しかし白雪姫は鈍い……もとい、おおらかな性格だったので、特に気にしませんでした。そして毎日の水くみや掃除を体力づくりのために活用していました。 > あ・・・これはまさか・・・まさか・・・(汗) >っていうか・・・気にしろよ・・・(涙) まあ、彼ですから……。 >>ところで、妃は魔法の鏡なるものを持っていたのです。 >>妃はそれで毎日同じ事を尋ねます。 >>「鏡よ、鏡さん。この国中で一番美しいのは誰ですか?」 >>すると、鏡の精が出てくるのです。 >>「ゼロス……その格好は……。」 >>「(シェーラさん、その台本を読んでください。あとでそこらの質問を受け付けますから。)」 >>「(あ……ああ。)それはあなたです。(……ゼラス様が知ったらなんとおっしゃるだろうな……。)」 >>「(そ……それは秘密にしておいてください……。)」 >はぁぅっ!!! > この2人・・・似合いすぎ・・・(v) >ゼラス様・・・本当に何て言うんだろ・・・うぷぷぷっ!!(大笑) 私も知りたいなぁ(笑) >>長い金髪が風に遊ばれてたなびきます。端麗な顔はじっと動きません。 >>これでおつむの方も良ければ……天は二物をあたえないものです。 > だね☆ >でも、それはそれで良い所v(ほんとかよ) これでこそ、ガウリイ!……ですよね?(←弱気) >>「……そろそろ帰るか。」 >>白雪姫が大きくのびをしたとき、後ろで大きな音がしました。 >>「だ……。」 >>「だぁぁぁぁっ、もう最悪!どーして道が途中でとぎれているのよ! >>おかげで道に迷うわ、からのないカタツムリにあうわ……あああっ!思い出しただけでも寒くなるぅぅぅ。」 > リナだね・・・完璧・・・ やはり王子はこの方に。 >>ずざざざざざっっっっ!! >>「あ…あんた……似合いすぎ……。」 >>「……嬉しくない……。」 >似合うよね・・・vvvガウったら・・・美人・・・vvv 美人vv >>「……確かにその胸だと……。」 >>すぱぁぁぁぁぁぁぁん!! >あ。叩かれたわんv 当然v >>それから毎日白雪姫と王子はその丘で会いました。 >>白雪姫は城の外のことをしきりに尋ね王子はそれに答える、という形で会話が成立 >していました。 >まあっ!!デートっ!!?デートっ!!? > いいわねぇ・・・若いって・・・(ちょっと違う) あれ?そーか、これって見るように見ればデートなんだ……。新しい発見。 >>「オレも……旅したいな……。」 >>白雪姫はぽつりと呟きました。 >> >>─続く > > おおおおっ!!イイ感じだっ!!すっごくイイ感じっvv >羅紗さんやるぅっ!! > きれいよね!羅紗さんってお話の書き方v >いいないいなぁ・・・(物ほしそうな目) > って事で、短いですがこのへんで。 >次、楽しみにしてます!風和でした☆ うみゅみゅ……(てれてれ) みゅ?その目は何? おっと、続きアップします。ではでは。 |
3517 | 白雪姫?2 | 羅紗 | 7/12-19:47 |
記事番号3509へのコメント 「おやおや、水くみも掃除もせずにどこに行ってるのかと思えば……。 しかしガウリイさんの女装にも磨きが掛かり始めましたね……。」 妃は窓から目を離し、鏡に向き直りました。 「鏡よ、鏡さん。」 「どうした?ゼロス。」 「(一応妃と呼んでください。) この国中で一番女装が似合うのは誰ですか?」 「じょ……女装!?」 「ええ。」 妃のいつもにこにこ顔に、今回はなんだか真剣なものを鏡の精は感じたような気がしました。 しかし、気のせいだと思い、鏡の精は素直に答えました。 「それは、やはり白雪姫じゃないのか?あの姿はどう考えても似合いすぎだろう。」 「ふふふ……そうですか。僕も最近そう思うようになってきましてね……。」 「ぜ……ゼロス?」 「待っていてくださいよ……誰が一番か教えて差し上げますからね……。」 妃の異様な姿に鏡の精はびびりまくりました。 かわいらしさには自信のあった妃だけに、許せないものがあったのでしょう。 「ゼルガディスさん。」 妃の呼びかけに応じ、部屋の一角が揺らめくと、白いフードの男が現れました。 顔のほとんどを隠すその姿は怪しさ爆発。職務質問を受けても仕方がないでしょう。 妃はしかし驚きもせず、話しかけました。 「一人、片づけてくれませんか?」 ゼルガディスは黙っています。 「ちゃんと報酬はお支払いいたしますよ。『写本』……でどうですか?」 妃はにっこりと笑いました。 「……必ず、だぞ。」 何かを押し殺したような言葉に、妃はそのままの笑顔でこたえます。 「もちろんです。」 ゼルガディスはつかの間妃を睨むと、静かに部屋をあとにしました。 「へー、こんな森があったなんてなぁ。」 白雪姫はあたりを見渡しました。 森の中はひんやりとした空気で満たされ、涼やかな風が時折駆け抜けていきます。 木々はどれもまっすぐのびていて、差し込む光の筋が神々しく見えます。 音も遠くでさえずる鳥の声だけで、静閑という言葉にふさわしい雰囲気です。 「ゼルガディスって、物知りなんだな。」 「……まあな。」 ゼルガディスは曖昧にうなずきました。先ほど妃に白雪姫に引き会わされた時のショックがまだ少し残っているからかもしれません。 一瞬回路が停止し、次にまじまじと見、最後になにやら同情の瞳で白雪姫の肩を叩いていましたから。 しかし、彼は自分の仕事を忘れたわけではありません。そのためにわざわざこんな所まで連れてきたのですから。 と、同時に彼はその仕事の難しさも熟知しています。何より知っていたのです。 「ところでゼルガディス。なんのようだ?」 不意に白雪姫が振り返りました。 ゼルガディスは腰の剣を抜きはらいました。 二人の間に静かな緊張が走ります。 「まあ、こういうことだ。悪くおもわんでくれ。」 「あのなぁ。命狙って『悪く思うな』はないと思うぞ。」 「それもそうだ。」 二人は軽口を叩きながらも徐々にその身を構えはじめます。 じりじりと緊張感が高まり、二人の顔も次第に真剣みをましていきます。 (注:ヴィジュアル的このシーンは考えないでください。) 「なあ、ゼル。一つ訊いてもいいか?」 白雪姫はゼルガディスから目を離さずに尋ねました。 「なんだ。」 ゼルガディスも白雪姫から目を離さずに答えました。 「なぜあの妃の言うこと聞くんだ?おまえさん、あいつが嫌いじゃなかったっけ?」 「今でも嫌いだ。」 きっぱりはっきりゼルガディスは言い切りました。 「じゃあ、どうして……」 「知ってどうする。」 つっぱねるゼルガディスに白雪姫は言いました。 「知らないで殺されたら、浮かばれないだろ?」 「おとなしく殺されてくれるようなやつか?おまえが。」 ゼルガディスは苦笑しました。 「まあいい、教えてやる。 俺はこの体を戻すための方法を探しているのはいくら何でも覚えているよな。」 「いくらオレでもそれくらいは……。」 「そのための写本をあいつが持って、この仕事の報酬に渡してもらえる。 つまり俺はあの妃の言うことを聞いたわけではない。取引をした………どうした?」 ゼルガディスは怪訝な顔をしました。白雪姫が不思議そうな顔でゼルガディスを見ていたからです。 「その写本って……なんだ?」 ずしゃしゃぁぁぁぁっ! 「おまえなぁっ!!人がさんざん言っていることも頭の片隅にとどめておけんのかっ!!」 「いや、おまえさんがさんざん言ってる『写本』ってクレア何とかって……。」 「クレアバイブル。」 「そうそう。それだろ? 確かうちにもあって前に城の大臣かなんかが騒いだ記憶が残ってるんだけど。」 「珍しいな。旦那が昔のことを覚えているとは。……明日は雨だな。」 「おい。」 「話を続けてくれ。」 「……それで、確かその『写本』って結局料理の本だったはずだが。」 ひるるるるるるるぅぅぅぅぅ……。 二人の間を寒々しい空気が通り過ぎていきました。 「な……」 「何でも昔のある妃が手料理にこだわって国中の料理の本かき集めて写した『写本』だって。 だいたい確かめたのか?それに、あの妃がそう簡単に渡してくれると思うか?」 呆然とゼルガディスは立ちつくしました。 白雪姫はため息をつき、戦意の失ったゼルガディスを背に歩き出そうとし……立ち止まりました。 「……なあ、ゼル。城に帰るにはどう行けばいいんだ?」 「いや、城には帰らん方がいい。」 立ち直ったゼルガディスが言いました。 「何でだ?」 「考えてみろ。」 白雪姫は考えました。深く考えました。深く深く考えました。深く深く………。 「ぐー……。」 「眠るな!お約束のギャグをやってるんじゃない!!」 「いや、オレそーいうのに向いてなくて……。」 「悪かった。説明する。 妃はおまえの命を狙ってるんだ。それで、城におまえをかばってくれそうなやつはいるか? かばってくれても、力のあるやつは? 俺が見たところ、そういうやつはいなかった。そんな中に行くのは自殺行為だ。」 「でも、オレ、他に行くところなんてないぞ。」 白雪姫は困ってしまいました。すると、ゼルガディスはつかの間考え、言いました。 「俺に心当たりがある。」 ─続く =*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= はい!続きです! 最近発見しました。 私の書くゼルはどうしても不幸になるようです。 なぜ?こんなに好きなのに。ガウリンと同じくらい。 実は最後決まってなかったりします。 やーばーいーっ!! |
3536 | 白雪姫?3 | 羅紗 | 7/14-18:06 |
記事番号3509へのコメント 暑さにへろへろな羅紗です。 7月の試験は終わりました。でも9月に試験がてんこ盛り。 ちくしょぉぉぉぉっ!これじゃあ蛇の生殺しだぁぁぁっ! では、続きです。 =*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 「ゼルガディスさぁぁぁぁんっ!!」 「どぉぉぅわぁぁぁっ!!」 ゼルガディスの案内で森の奥まではいると一軒の小さな家を発見しました。 そこに行こうとすると突然家の扉が開き、中から飛び出した影がゼルガディスにすごい勢いで抱きついたのです。 抱きつかれたゼルガディスはあまりの勢いに倒れてしまいました。 「ホントにホントにゼルガディスさんなんですね!ホントにホントに久しぶりですっ!」 「ああ、久しぶりだ。久しぶりなんだが降りてくれ!アメリア!!」 ゼルガディスは赤い顔で怒鳴りました。 ゼルガディスの上に乗っかっていたのはかわいらしい女の子でした。 黒く艶やかな髪は肩のあたりできれいに切りそろえられ、その上にはちょこんととんがり帽子が乗りかわいらしさを引き立てます。 アメリアと呼ばれた少女は自分の乗っている位置に気づくと、慌てて降りました。 「ゼルガディス。おまえ、ここでもアメリア置いていってるのかよ。」 「うるさい!」 「その声は、ガウリイさ……んんんんんっ!?」 ぴきん。 アメリアは顔を上げたまま固まってしまいました。 その時、家から他のメンバーが出てきました。 「アメリアがあんな勢いで出ていったんだから、絶対ゼルガディスが来たんだって。」 「ですけど、せっかくの逢瀬を邪魔しては……。」 「ルーク、趣味が少し悪くないですか?」 「そーだよな。ミリーナ。」 「おい。俺のミリーナをなれなれしく呼び捨てにするんじゃねぇ!」 「あなたの、じゃありません。ついでにランツ。この手をどけてくれませんか?」 彼らはそう騒ぎながらゼルガディス達の方を見、アメリアと同様固まってしまいました。 そう。彼らの視線の先には……。 「白雪姫だ。」 ぴしぃぃぃんっ。 ゼルガディスの一言に、その場の空気にひびが入りました。 ゼルガディスはため息をつくと、固まっている彼らに言いました。 「おまえらの言いたいことはよくわかるが、今は黙ってくれ。本人が一番辛いんだ。」 彼らはゼルガディスの後ろにいる白雪姫の鋭すぎる視線を受け、慌ててうなずきました。 「なあ、ゼル。もしかして心当たりってここのことか?」 「そうだ。」 『心当たり?』 きょとんとアメリアはゼルガディスをみました。ゼルガディスが説明しようとしたその時。 ぐるるきゅうぅぅぅ。 「……その前に、飯、くれないか?」 その場にいた白雪姫以外の人間がその場に突っ伏したことを責められるでしょうか? 「なんてことでしょう!」 和気藹々と食事をする席で、アメリアはテーブルを叩きました。 「たとえ血のつながりが泣くとも、母親となったからには子は子! それを美しさが負けたからと言って─だいたいこの人に勝てるのなんてルルさんぐらいです─殺してしまおうとするなんて言語道断っ! しかも、事もあろうにゼルガディスさんを利用するなんて!たとえ天が許しても、このわたしが許しませんっ!!」 「後半の方、私情が入ってない?」 「そんだけ愛されてるって事だよな。よかったなー、ゼルガディスv」 ルークはにやにやとゼルガディスを見ました。 ゼルガディスは黙って水を飲んでましたが、耳が赤くなっているのは誰の目にも明らかでした。 「それで……これからどうするんですか?」 ティーカップに紅茶をつぎながらフィリアが尋ねました。 「んが?」 「決まってるじゃないですか!これから悪の城に乗り込み、悪の元凶である妃を倒してこの世に正義を広めるのですっ!」 「却下。」 ゼルガディスはからになったコップを置きました。 「どーしてですか、ゼルガディスさんっ!」 「そーです!あんな生ゴミ魔族を放っておくなんてっ!」 「放っておく気はない。」 「だったら……。」 すると、ゼルガディスはぐるりと皆を見渡しました。 「じゃあ訊くが。ここにいる全員が行って本当にあの妃に勝てると思うか? しかも鏡の中には覇王将軍のシェーラもいるんだぞ?」 一瞬、場が静かになりました。その沈黙を破ったのは、今の今までずっと食べていた白雪姫でした。 「なあ、シェーラって誰だ?」 ごがごがごがごがぁぁぁんっっ! 「お・ま・え・はぁっ!スレイヤーズ本編第2部で何度も出てきただろうがっ! しかも俺達巻き込んで戦ったのはどこの誰だっ!!」 「巻き込んでいたのは厳密には彼じゃないけど……。」 ルークが白雪姫の首根っこを掴んでがっくんがっくんさせる横で、ミリーナはつつぅっと汗を垂らしていました。 「でも、愛と正義と根性があれば高位魔族の一人や二人……。」 「なんとかなるとおもうか?」 「……思いません。」 ゼルガディスのつっこみにアメリアはしゅんとおとなしくなってしまいました。 「ところで、そいつらってどれくらい強いんだ?」 「それよりルーク。のびてるぞ。」 「あ。」 「あぁぁぁっ!今、復活(リザレクション)かけますから!」 再び騒がしくなった皆を眺めながら、ゼルガディスはそっとため息をついてました。 妃に対抗するための策をゼルガディスは持っていましたが、正直あんまり使いたくなかったのです。 しかし、彼らだけでは心許ないのも確かです。 吉と出るか凶と出るか。 ゼルガディスは少しばかり不安になりました。 それと。 部屋の隅っこで忘れ去られたランツがむなしく立ちつくしていました。 ─続く |
3570 | 白雪姫?4 | 羅紗 | 7/16-15:09 |
記事番号3509へのコメント 「えぇぇぇぇっ、ゼルガディスさんもう行っちゃうんですかぁぁぁっ。」 アメリアはしゅんとして、ゼルガディスのマントを掴みました。 「そんなに長く離れるわけじゃない。だから、そんな顔をするな。」 ゼルガディスはマントを掴むアメリアの手をそっと離して言いました。 「そうです、早く帰ってきてくださいね。じゃないとアメリアさんに変な虫が付いてしまうかもしれません。」 フィリアがちらりとランツを見ながら言います。ルークとミリーナがそれに同意するかのようにうなずきます。 「大丈夫だって。このランツがちゃんと守っておくから安心して……。」 「頼んだぞ、ガウ……じゃなくて白雪姫っ!!」 「おう!」 「ゼルガディスぅ〜、兄貴までぇ〜〜(涙)」 ランツがだくだくと涙を流す横で、白雪姫とゼルガディスはがっちりと握手を交わしていました。 「おやまあ。ゼルガディスさんもあっさりと裏切って何をしてらっしゃるのかと思えば。」 鏡にはゼルガディスを見送り、家の中に入っていく白雪姫達の姿が映っていました。 その風景もかき消え、かわりに鏡の精が現れました。 「とまあ、こんな感じだ。嫌われたな。」 「僕はうそをついたこともない正直者なんですけどねぇ。」 はっはっはっ、と妃はさわやかに笑いました。 「で、どうする?兵士でも使うのか?」 「いえ、やめておきましょう。兵士では白雪姫に太刀打ちできませんよ。 シェーラさんはそこからでることが出来ませんし……。」 妃はいつものようににっこりと笑いました。 「僕が行くしかないでしょ?」 さて。ゼルガディスが家を出て数日がたちました。 白雪姫は森での生活を十二分に楽しんでいました。元々城での生活に嫌気がさしていたので、ちょうどよかったのです。 もちろん働かなければならなりません。木の実をとったり、薪を割ったり。 しかし、城でも似たようなことをしていた白雪姫にとっては苦痛にも何にもなりませんでした。 こうして仲良く暮らしていたのですが。 「最近盗賊がこのあたりをうろうろして、何とかしてくれって依頼が来てるんだ。」 ルークが逆立った黒髪をなでながら言いました。 「規模も大きいみたいで、付近の農家は軒並みやられているらしいわ。」 「まあ……。」 フィリアは顔をしかめました。 「それでおれ達に……。」 だんっ! 「それでこの正義の使者であるわたしたちに白羽の矢が立ったのですね! わかりました!すぐに『ネオ・正義戦隊どらぐレンジャー』を出動させましょう!!」 「……その名前、何とかなりませんか……?」 ミリーナが何とも言えない表情で言いました。 「なんでですか?とってもかっこいいじゃないですか!」 「かっこいいか……?」 ランツは首をひねりました。 「なあ。その、ネオ何とかって何だ?」 白雪姫が尋ねます。 「前にこのあたりで問題があったとき、アメリアが作ったもんでな。 それから何か問題が起きた時はここにお鉢がまわるようになったんだ。」 ルークがため息をつきながら言いました。 「まあ、他人事でもないですし。」 ミリーナが苦笑していいました。 「ふ〜ん……。」 「あ、白雪姫さんはここに残っていてくださいね。」 「へ?」 「当たり前じゃないですか。 いいですか?白雪姫さんは妃に命を狙われているんですよ? それなのにのこのこでてきて見つかったらどうするんですか。」 「ま、今回はおとなしくしてもらおうぜ。」 と、いうことで。 白雪姫は独りでお留守番になりました。 「出動!『ネオ・正義戦隊どらぐレンジャー』!!」 『頼むから叫ばないでくれ。』 ─続く =*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 短くてすみません。 次回も短いです。 では。 |