◆−children's day−中田珂南(7/18-01:30)No.3595
 ┗最高・・・!!−扇(7/21-02:49)No.3614
  ┗ありがとうございました。−中田珂南(7/24-00:33)No.3637


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3595children's day中田珂南 E-mail URL7/18-01:30


「children's day」



―――それは、ずっとずっと昔の話。
まだ彼が、闇も悲しみも知らなかった頃の出来事。

「あなたは、だあれ?」

ひまわりが一面に咲き誇る丘の上で。
長い銀の髪を大きなリボンで結んだ、緑の瞳の少女が訊いた。

「おれは、ルーク。あっちのいえにすんでる。
 おまえのなまえは?」

燃えるような赤い髪に、同じ赤い瞳の少年が訊いた。
すると。
少女は銀の髪を揺らして、ととと、と彼に駆け寄って、

「あたしは、ミリーナよ。このあいだ、ひっこしてきたの。
 ………おともだちになってくれる?」

右手に抱えたひまわりの花束の中から、ひょいっと一本抜き出して。
にっこりと無邪気に微笑むと、その花を差し出した。

「お、おれはおとこだからな。
 おんななんかを、ともだちになんて……」
「……だめなの?」

照れてそっぽを向いた少年に、少女は悲しげな顔をした。
その手の中にあるひまわりの花も、心なしかしゅんとする。
そんな彼女の眼差しに、さすがに少年も悪いと思ったのか、

「………わかったよ。しかたねーな。
 とくべつに、ともだちになってやるよ。だから……もうなくな」
「ほんとに?」
「ああ」

少年の返答に、少女は笑顔を取り戻す。
そして。半ば無理やりに花を手渡すと、少女は少年に小指を差し出して、

「じゃ、ルーク。
 これからもずっと、わたしのそばにいてくれるって……やくそくして」
「やくそく?」
「そう。
 あしたも、あさっても……おとなになっても、わたしのそばにずっといるって」

少女が差し出した細い小指に、少年が戸惑いがちに小指を絡める。
そして。
『ゆびきりげんまん』と、無邪気に唄を唄いながら。小さな、しかし確かな『約束』を結んだ。
………二人の他には誰もいない、ひまわりの咲き誇る丘の上で。

その時に交わした『約束』を、ずっと憶えていたどうかは定かではないが。
彼は大人になった後も、彼女のそばに在り続けた。一時は、彼女と離れ離れになってしまい、……日の当たらぬ血生臭い世界に、独り身を投じたこともあったけれど。
冷静で、自分の感情にも不器用になってしまった彼女に。いつでも声高に愛を叫びながら。
彼は最期の瞬間まで、彼女の傍に在り続けた。

『約束』を交わしたあの夏の日に、二人の旅路は始まった。
―――それは、ずっとずっと昔の話。
まだ彼が、闇も悲しみも知らなかった頃。
……彼女が、悲しみのうちに消えてしまう前の話。


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ご無沙汰しております。中田珂南でございます。
夏コミ合わせの原稿に追われる中で、ふっと浮かんだ掌編をお送りしました。
(っつーか。原稿ほっといて何やってるかな、自分・苦笑)
いつぞやのドラマガの特集に書かれてあった、
「ルークとミリーナは、多分おさななじみか何かでしょう」
てな記述があったような記憶が、かすかにありましたので……(かなり曖昧・汗)
でたらめな過去話をでっち上げてみました(笑)
ちなみに、ひまわりの花に特別な意味はありません。単に、今が夏だから(笑)

ルクミリお好きな方、こんなでたらめな話書いちゃってごめんなさい(汗)

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3614最高・・・!!7/21-02:49
記事番号3595へのコメント

中田珂南さんは No.3595「children's day」で書きました。

 はじめまして、中田さん。扇ともうします。
 ああ、ルクミリ・・・ルクミリ・・・(かなり好き。超好き)
 ここ最近全っ然ルクミリがなくって、しょうがないから自分でルクミリ書いてた私ですが(小説1で読めます。多分)
 あぁぁぁぁ、良い話ですねぇぇぇぇっ!!
 あああ、私の半生の三分の一を捧げただけありますわ・・・(三分の二はヴァル(笑))
 もう、最高! いい感じですねっ!!

>いつぞやのドラマガの特集に書かれてあった、
>「ルークとミリーナは、多分おさななじみか何かでしょう」
>てな記述があったような記憶が、かすかにありましたので……(かなり曖昧・汗)
 おおうっ、初めて知りましたっ!!
 私は、ミリーナは家出した元どこかのお嬢様あたりだと思ってました(笑)

>でたらめな過去話をでっち上げてみました(笑)
 いやぁ、私の『それでも彼らは生きていく』ってシリーズが有るんですけど(それの3がルクミリ)
 それも、そーとー過去をでっち上げてます(笑)
 だって、サブタイトルが『勝手に過去シリーズ』だし・・・(おい)

>ちなみに、ひまわりの花に特別な意味はありません。単に、今が夏だから(笑)
 でも、それが一層いい感じを引き立ててますねっ!

>ルクミリお好きな方、こんなでたらめな話書いちゃってごめんなさい(汗)
 いやいやいやいやっ!!
 それ言っちゃったら、もー。
 ともかく、良い話をありがとうございましたっ!

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3637ありがとうございました。中田珂南 7/24-00:33
記事番号3614へのコメント

拙作にご感想頂き、本当にありがとうございました♪
……遅いレスですみません(激汗)

> 私は、ミリーナは家出した元どこかのお嬢様あたりだと思ってました(笑)

私も、最初はそう思ってました〜〜。
でも、本当はどうなんでしょうね?その記事が手元に無いんで(結局買い損ねた・涙)
こんな話を書いてよかったのかどうか、未だに悩んでおります。(←バカ)

ここに書くのも何ですが(汗)扇様のお作も拝読しました♪
素敵なお話で楽しかったです。堪能させて頂きました♪
あああああ、自分の駄作が恥ずかしい・・・・・。
こんなんじゃ全然ダメですね、もっと精進してきます。。。

本当にありがとうございました。
次の機会がありましたら(って、また投稿する気かい、私・汗)
また宜しくお願いしますね♪