◆−finale(ゼロフィリ…ってもう、書かなくてもOK?)−葵 芹香(8/5-01:33)No.3820
 ┣終末的恋愛事情?!−珠捕ヶ 九音(8/5-17:25)No.3824
 ┃┗迷ったけどやっぱり終末。−葵 芹香(8/6-00:21)No.3832
 ┗胸キュンキュンvv−麻生誠(8/6-22:51)No.3844
  ┗キュンというと、飲み物。(意味不明…)−葵 芹香(8/7-00:13)No.3845


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3820finale(ゼロフィリ…ってもう、書かなくてもOK?)葵 芹香 E-mail 8/5-01:33



ども、葵芹香です。今回はダーク&シリアス、しかも季節外れ…でもゼロフィリという訳の分からん作品になってしまいました。ハッピーエンド好きな葵さんが何故こんなのを書いてしまったのかが分からない、そして書いておきながら設定も曖昧という、分からない事だらけの作品を読みたい方はどうぞ☆

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 『finale』


見事な黄金の髪を持つその美しい女性は、憂いを帯びた表情で窓の外を眺めた。
外は木枯らしが吹き荒れ、時たま雪が降ることさえもあった。…季節でいけば、今は夏のはずであるのに。――その理由は彼女にはわかっていた。
ロッキング・チェアに腰掛け、瞳を閉じて、彼女は回想に耽った…遠い昔のこと、つい最近までのこと…。
リナという、勇敢でいつでも明日に立ち向かっていく少女たちと旅したのはいつのことだったか。…今、彼らが存在していたら、彼らのような者が存在していたら……―止めよう、その先を考えるのは。
転生したヴァルもすっかり大人になり、この小さな骨董屋から巣立っていった。今どこでどうしているのか…生きているのか死んでいるのかさえ、彼女には分からなかった。
今、この店を切り盛りしているのは自分1人…といっても、客が来るわけではないのだが。再び彼女は――フィリアは、窓の外に視線を向けた。昼だというのに、街中に人の影は見当たらない…近年ではそう珍しいことでもなかった。

降魔戦争の再来――。

それが人々を家の中に留まらせる理由だった。外にいても内にいても、危険の度合いは変わらない。家というものに守られている、と感じることで恐怖をいくぶんか和らげているのであろう。
事の発端が何であったのかは、知らない。…だが、確かな予感がある。恐らく魔族たちはこれを機に、世界と共に混沌へ還ろうとしている。その証拠に、覇王グラウシェラーと海王ダルフィンという五大魔族である者たちが、己の存在と引き換えにしてまでも神族…地竜王と、風竜王を滅ぼした。現在、自分が仕えていた火竜王と…獣王ゼラス=メタリオムが交戦中であるが…火竜王の絶対不利的な状況下にある。

――世界は闇に閉ざされていた。

人間界は神と魔の争いに巻き込まれ、または魔族の制圧によってつぎつぎと、小さな村から聖王国までもが滅んでいった。さして大きくもない、有名でもないこの街だけが、最後まで残った“人間界”と呼べるものであり、おそらくは1万人にも満たなくなってしまったであろう数の人間が、唯一住むことのできる場所だった。
…何故、この街だけが最後の最後まで残ったのか、何故この街だけ、最後まで魔族に攻められることがなかったのか。――その理由も彼女は知っていた。
「…ゼロス……。」
どの位ぶりだろう、その名を口にしたのは。

――獣神官ゼロス――

魔族の、人間界制圧の先頭に立っていたのは紛れもなく彼だった。五大魔族に次ぐ実力の持ち主、先の降魔戦争では黄金竜と黒竜を一瞬で滅ぼした…彼ならば人間界を滅ぼすことなど容易であろう。
もう、長いこと会っていない……自分が拒んだ、あの日から。
フィリアは窓辺に立ち、ガラスに頬を寄せた。ひんやりと、外気が伝わってくる。巨大な聖気と瘴気のぶつかり合いにより、狂ってしまった気候…暖炉を灯していないと凍えてしまうくらいだった。
しばらくした後、彼女は閉じていた目をぱちっと開くと、店から見える小高い丘を見上げた。
―――ついにやって来た―――!
燃え盛る暖炉をそのままに、フィリアはショールをまとって外に出た。

「――お久しぶりですね、フィリアさん?」
辿り着いた丘の上で待っていたのは、他の誰とも間違いようのない彼、だった。最後に会った時と何ら変わっていない、――片時も忘れたことなどなかった彼。
「僕がここに来た理由…わかりますよね?」
竜の娘は淡い、どこか儚げな微笑みを浮かべながら彼に近寄っていった。
「つい先ほど、我が主・獣王ゼラス=メタリオム様が…かつて貴女が仕えていた火竜王を滅ぼし、シャブラニグドゥ様と共に混沌へと還られました。事実上最後の魔族となった僕に課せられた任務は…地上に最期まで残った生命を殲滅してから滅ぶこと、です。」
彼の話を聞きながらゆっくり街を振り向くと、すでにそこは炎の海だった。昔の自分なら、ゼロスの制止を振り払ってでも助けに走っただろう。……でも今は…この手を、この腕を、振り払うことなど出来なかった。背後からギュッと抱きすくめられる。
「貴女はどうして…どうして貴女はあの時、僕のものになってくれなかったのですか…?」

 ―――僕と行きましょう、フィリアさん―――
        ―――……いいえ、私は行けません…―――
 ―――…っ!どうしてっ?!―――
        ―――私は……―――

「貴女が僕のものになってくれていたら、今僕がこんな想いせずに済んだのに…。知りませんよね、貴女と別れてから僕がどれだけこの終幕の時を望んだか。貴女のいない時を、どんな想いで過ごしたかなんて。」

        ―――私は神族ですから、あなたと共には行けません…―――
 ―――まだそんなことを言っているのですか?貴女の“巫女”という立場は、僕が剥奪したでしょうっ?!―――
        ―――…それでもっ!あなたと一緒には行けないんです…―――

「ねぇ、フィリアさん…?」
言って、口づける。息も出来ぬほど、深く、深く―――。
ハァ…ッ
彼女の唇から甘い吐息が漏れたのは、しばらく経ってからだった。
「ねぇ、どうしてですか…?」
「…私は、神族ですから……」
「それはあの時も聞きました。貴女はもう巫女じゃない…僕が汚しましたから。どうしてそれが理由になるんですか?」
世界に1人となった魔族の腕の中で、同じく世界に1人となった竜の娘はかぶりを振った。
「本当は行きたかった、あなたと一緒に。ヴァルがいるからとか、火竜王の巫女だからとか、関係なくついて行きたかった…。」
「…じゃあ、どうして……」
何もかも捨てて彼について行ってしまおう、と思ったとき気付いたのだ。自分は人間ではない、ましてや彼と同族でもない、自分は神族なのだ、と。
自分が同族から否定され、迫害されるのは怖くない…望んだのは自分だから。けれど、自分といることで彼の立場が危うくなったり、自分が彼の弱点になるようなことを考えると…恐ろしくて夜も眠れないのだ。
「あなたのお荷物にだけはなりたくなかった…。」
はらはらと、彼の胸を涙で濡らしながら…青い瞳の少女は言う。
「そんなこと…」
そんなこと、大したことなかったのに。…言いかけて、止めた。過ぎ去った時間は戻らないし…何より今、あれほど望んだ彼女は自分の腕の中にいるのだから。たとえ、崩れゆく世界のなかであっても。
「…フィリアさん見てください、雪ですよ。」
自分のマントにすっぽりとくるまっている娘に空を見るよう、促す。灰色の空から、真っ白な雪が舞い降りてくる。…まるで汚れた大地を浄化するかのように。
「2人きりですね…。」
「そうですね…世界中に、僕と貴女の2人っきりです。」
フィリアはじっと雪を眺めている。…ゼロスは、ようやく手に入れた恋人の美しい髪を梳かしながら、語りかけた。
「フィリアさん…貴女が、貴女が生を望むなら…存在することを望むなら、僕が貴女のアダムになる。貴女が、金色の母の胎内に還ることを望むなら……」
彼が言い終わる前に、フィリアの温かい唇が頬に触れた。悲しげな顔で、尋ねる。
「私には、あなたの望みを叶えてあげることも出来ないんですか…?」
しんしんと降りしきる雪の中で、
「1つくらい…最後くらい、あなたの望みを叶えさせてください…。」
魔族の望みは世界と共に滅びること…それが最高目的。けれどゼロスの一番の望みは…。
(貴女の望みを叶えること、なんですけどね。)
自分が彼女の願いを叶えたいと思うように、彼女も自分の願いを叶えたいと思ってくれている。
ほんの一時の、たまらなく幸福な時間―――。

「ゼロス…」
だいぶ降り積もった雪の上に横たわる影が2つ。
「愛して…ます……。」
「僕もですよ、フィリア…。」



雪が降る――白い雪が。
この世に積もった罪と罰を真更にしていく…終幕を告げる白い……雪が。




=====================================
もう、訳わからんっ!全然滅びゆく世界に見えてないしっ!!ラ〇クの“finale”(←タイトルにそのまんま借用…汗)をイメージして書いたつもりがどこでどう間違っちゃったんだか…うみゅう。あ、ちなみに設定について問いただされても葵さん逃げるんで、そこんとこヨロシクッ!!(さわやかに言うな…)
こんなん書いてても私はハッピーエンド好きです…ホントだってば。vとか♪とか☆とか、1つも出てこない文章(というか駄文)なんて初めて書いたしねっ!

それでは、今回はこの辺で。来週はリゾート編で弾けたい…いや、弾けます!!こんな私を暖かく見守ってやってくれる方、募集中(笑)。




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3824終末的恋愛事情?!珠捕ヶ 九音 E-mail 8/5-17:25
記事番号3820へのコメント

葵 芹香さんは No.3820「finale(ゼロフィリ…ってもう、書かなくてもOK?)」で書きました。
>
>
>ども、葵芹香です。今回はダーク&シリアス、しかも季節外れ…でもゼロフィリという訳の分からん作品になってしまいました。ハッピーエンド好きな葵さんが何故こんなのを書いてしまったのかが分からない、そして書いておきながら設定も曖昧という、分からない事だらけの作品を読みたい方はどうぞ☆

こんにちは、九音です。分からないだらけの作品?一体どんなのなんですか?
でも、葵様だから…愛はあるでしょう?ダークだろうがシリアスだろうが…
だから、九音は安心して読みます(笑)。

>転生したヴァルもすっかり大人になり、この小さな骨董屋から巣立っていった。今どこでどうしているのか…生きているのか死んでいるのかさえ、彼女には分からなかった。

不良息子ヴァル(笑)。連絡ぐらいしてあげなさい、と思ったのですが

>降魔戦争の再来――。

・・・これではしょうがない、ですね。でも、しぶとく生き残る強さを持っていると思うのですが、彼なら。

>事の発端が何であったのかは、知らない。…だが、確かな予感がある。恐らく魔族たちはこれを機に、世界と共に混沌へ還ろうとしている。その証拠に、覇王グラウシェラーと海王ダルフィンという五大魔族である者たちが、己の存在と引き換えにしてまでも神族…地竜王と、風竜王を滅ぼした。現在、自分が仕えていた火竜王と…獣王ゼラス=メタリオムが交戦中であるが…火竜王の絶対不利的な状況下にある。
>
>――世界は闇に閉ざされていた。

ダークスター以来じゃないですか?
世界の終末が来ちゃったんですね。

>人間界は神と魔の争いに巻き込まれ、または魔族の制圧によってつぎつぎと、小さな村から聖王国までもが滅んでいった。さして大きくもない、有名でもないこの街だけが、最後まで残った“人間界”と呼べるものであり、おそらくは1万人にも満たなくなってしまったであろう数の人間が、唯一住むことのできる場所だった。
>…何故、この街だけが最後の最後まで残ったのか、何故この街だけ、最後まで魔族に攻められることがなかったのか。――その理由も彼女は知っていた。
>「…ゼロス……。」
>どの位ぶりだろう、その名を口にしたのは。

…なるほどね。

>しばらくした後、彼女は閉じていた目をぱちっと開くと、店から見える小高い丘を見上げた。
>―――ついにやって来た―――!
>燃え盛る暖炉をそのままに、フィリアはショールをまとって外に出た。

いきなりどーしたの、フィリアさん?!貴女も並の感覚じゃないですね(笑)。

>「貴女はどうして…どうして貴女はあの時、僕のものになってくれなかったのですか…?」
>
> ―――僕と行きましょう、フィリアさん―――
>        ―――……いいえ、私は行けません…―――
> ―――…っ!どうしてっ?!―――
>        ―――私は……―――
>
>「貴女が僕のものになってくれていたら、今僕がこんな想いせずに済んだのに…。知りませんよね、貴女と別れてから僕がどれだけこの終幕の時を望んだか。貴女のいない時を、どんな想いで過ごしたかなんて。」
>
>        ―――私は神族ですから、あなたと共には行けません…―――
> ―――まだそんなことを言っているのですか?貴女の“巫女”という立場は、僕が剥奪したでしょうっ?!―――
>        ―――…それでもっ!あなたと一緒には行けないんです…―――

あらあら、まぁまぁ・・・妄想の海にダイブしても良いですか?!
っていうか、今回のお話、艶っぽいところがいっぱいあって九音、感涙!

>世界に1人となった魔族の腕の中で、同じく世界に1人となった竜の娘はかぶりを振った。
>「本当は行きたかった、あなたと一緒に。ヴァルがいるからとか、火竜王の巫女だからとか、関係なくついて行きたかった…。」
>「…じゃあ、どうして……」
>何もかも捨てて彼について行ってしまおう、と思ったとき気付いたのだ。自分は人間ではない、ましてや彼と同族でもない、自分は神族なのだ、と。
>自分が同族から否定され、迫害されるのは怖くない…望んだのは自分だから。けれど、自分といることで彼の立場が危うくなったり、自分が彼の弱点になるようなことを考えると…恐ろしくて夜も眠れないのだ。
>「あなたのお荷物にだけはなりたくなかった…。」
>はらはらと、彼の胸を涙で濡らしながら…青い瞳の少女は言う。
>「そんなこと…」
>そんなこと、大したことなかったのに。…言いかけて、止めた。過ぎ去った時間は戻らないし…何より今、あれほど望んだ彼女は自分の腕の中にいるのだから。たとえ、崩れゆく世界のなかであっても。

・・・崩れゆく世界、終末的恋愛じゃないでしょうか?

>「…フィリアさん見てください、雪ですよ。」
>自分のマントにすっぽりとくるまっている娘に空を見るよう、促す。灰色の空から、真っ白な雪が舞い降りてくる。…まるで汚れた大地を浄化するかのように。
>「2人きりですね…。」
>「そうですね…世界中に、僕と貴女の2人っきりです。」
>フィリアはじっと雪を眺めている。…ゼロスは、ようやく手に入れた恋人の美しい髪を梳かしながら、語りかけた。

白い雪は浄化の象徴なんですね?
でも、フィリアさんのイメージでもありませんか?白って?

>「フィリアさん…貴女が、貴女が生を望むなら…存在することを望むなら、僕が貴女のアダムになる。貴女が、金色の母の胎内に還ることを望むなら……」
>彼が言い終わる前に、フィリアの温かい唇が頬に触れた。悲しげな顔で、尋ねる。
>「私には、あなたの望みを叶えてあげることも出来ないんですか…?」
>しんしんと降りしきる雪の中で、
>「1つくらい…最後くらい、あなたの望みを叶えさせてください…。」
>魔族の望みは世界と共に滅びること…それが最高目的。けれどゼロスの一番の望みは…。
>(貴女の望みを叶えること、なんですけどね。)
>自分が彼女の願いを叶えたいと思うように、彼女も自分の願いを叶えたいと思ってくれている。
>ほんの一時の、たまらなく幸福な時間―――。

お互いを思いやる「賢者の贈り物」(ってお話じゃなかったかしら?)に似てますね。

>「ゼロス…」
>だいぶ降り積もった雪の上に横たわる影が2つ。
>「愛して…ます……。」
>「僕もですよ、フィリア…。」
>
>
>
>雪が降る――白い雪が。
>この世に積もった罪と罰を真更にしていく…終幕を告げる白い……雪が。

で、このお話はやっぱり“終わり”のお話で、“再生”のお話ではないわけですね?
いや、何だかフィリアさん「生きること」を選択しそうにないなぁ、と思ったので。
「生めよ、増やせよ、地に満ちよ」でゼロスと二人で“アダムとイブ”やって欲しいかもしれない、という希望もありますが…
ダーク・シリアスに徹するのなら、このまま“終幕”ですね。

>もう、訳わからんっ!全然滅びゆく世界に見えてないしっ!!ラ〇クの“finale”(←タイトルにそのまんま借用…汗)をイメージして書いたつもりがどこでどう間違っちゃったんだか…うみゅう。あ、ちなみに設定について問いただされても葵さん逃げるんで、そこんとこヨロシクッ!!(さわやかに言うな…)
>こんなん書いてても私はハッピーエンド好きです…ホントだってば。vとか♪とか☆とか、1つも出てこない文章(というか駄文)なんて初めて書いたしねっ!

こういう作品も、良いんじゃないでしょうか?たまには。
だけれど、基本はハッピーエンド?(九音もそうですけど)
楽しんで読ませていただきました、今回も。

>それでは、今回はこの辺で。来週はリゾート編で弾けたい…いや、弾けます!!こんな私を暖かく見守ってやってくれる方、募集中(笑)。

お疲れ様でした。それから、リゾート編で弾けて下さい(笑)。
九音、暖かく見守っていますから。
頑張って下さいね!
それでは、この辺で失礼いたします。


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3832迷ったけどやっぱり終末。葵 芹香 E-mail 8/6-00:21
記事番号3824へのコメント

珠捕ヶ 九音さんは No.3824「終末的恋愛事情?!」で書きました。

>こんにちは、九音です。分からないだらけの作品?一体どんなのなんですか?
>でも、葵様だから…愛はあるでしょう?ダークだろうがシリアスだろうが…
>だから、九音は安心して読みます(笑)。
どうも、九音さん。分からないことだらけってそりゃもう、書いてた自分が混乱してきた作品だからです。でも、愛はたんまりに込めました。そりゃもうこってりと。

>>事の発端が何であったのかは、知らない。…だが、確かな予感がある。恐らく魔族たちはこれを機に、世界と共に混沌へ還ろうとしている。その証拠に、覇王グラウシェラーと海王ダルフィンという五大魔族である者たちが、己の存在と引き換えにしてまでも神族…地竜王と、風竜王を滅ぼした。現在、自分が仕えていた火竜王と…獣王ゼラス=メタリオムが交戦中であるが…火竜王の絶対不利的な状況下にある。
>>
>>――世界は闇に閉ざされていた。
>
>ダークスター以来じゃないですか?
>世界の終末が来ちゃったんですね。
はい、来ちゃったんです。

>>しばらくした後、彼女は閉じていた目をぱちっと開くと、店から見える小高い丘を見上げた。
>>―――ついにやって来た―――!
>>燃え盛る暖炉をそのままに、フィリアはショールをまとって外に出た。
>
>いきなりどーしたの、フィリアさん?!貴女も並の感覚じゃないですね(笑)。
あー…何か、なつかしい闇の気配を感じたんで…。

>>        ―――私は神族ですから、あなたと共には行けません…―――
>> ―――まだそんなことを言っているのですか?貴女の“巫女”という立場は、僕が剥奪したでしょうっ?!―――
>>        ―――…それでもっ!あなたと一緒には行けないんです…―――
>
>あらあら、まぁまぁ・・・妄想の海にダイブしても良いですか?!
>っていうか、今回のお話、艶っぽいところがいっぱいあって九音、感涙!
もう、酸素ボンベが尽きるとこまでいっちゃってください!そうっすか、艶っぽいっすか。全体に暗めにしたらこんなフィリアさんに…。

>>「あなたのお荷物にだけはなりたくなかった…。」
>>はらはらと、彼の胸を涙で濡らしながら…青い瞳の少女は言う。
>>「そんなこと…」
>>そんなこと、大したことなかったのに。…言いかけて、止めた。過ぎ去った時間は戻らないし…何より今、あれほど望んだ彼女は自分の腕の中にいるのだから。たとえ、崩れゆく世界のなかであっても。
>
>・・・崩れゆく世界、終末的恋愛じゃないでしょうか?
遠い昔に別れた2人が再び巡り逢い、結ばれる…それが世界の終わる時だった、と。

>>「…フィリアさん見てください、雪ですよ。」
>>自分のマントにすっぽりとくるまっている娘に空を見るよう、促す。灰色の空から、真っ白な雪が舞い降りてくる。…まるで汚れた大地を浄化するかのように。
>>「2人きりですね…。」
>>「そうですね…世界中に、僕と貴女の2人っきりです。」
>>フィリアはじっと雪を眺めている。…ゼロスは、ようやく手に入れた恋人の美しい髪を梳かしながら、語りかけた。
>
>白い雪は浄化の象徴なんですね?
>でも、フィリアさんのイメージでもありませんか?白って?
そう思います…っていうか、そういう話を書いた覚えが…。

>>魔族の望みは世界と共に滅びること…それが最高目的。けれどゼロスの一番の望みは…。
>>(貴女の望みを叶えること、なんですけどね。)
>>自分が彼女の願いを叶えたいと思うように、彼女も自分の願いを叶えたいと思ってくれている。
>>ほんの一時の、たまらなく幸福な時間―――。
>
>お互いを思いやる「賢者の贈り物」(ってお話じゃなかったかしら?)に似てますね。
そのお話かどうかは分かりませんが、確かそんなことを説く童話があったなー、と思いながら書いた部分でもあります。

>>「ゼロス…」
>>だいぶ降り積もった雪の上に横たわる影が2つ。
>>「愛して…ます……。」
>>「僕もですよ、フィリア…。」
>>
>>
>>
>>雪が降る――白い雪が。
>>この世に積もった罪と罰を真更にしていく…終幕を告げる白い……雪が。
>
>で、このお話はやっぱり“終わり”のお話で、“再生”のお話ではないわけですね?
>いや、何だかフィリアさん「生きること」を選択しそうにないなぁ、と思ったので。
>「生めよ、増やせよ、地に満ちよ」でゼロスと二人で“アダムとイブ”やって欲しいかもしれない、という希望もありますが…
>ダーク・シリアスに徹するのなら、このまま“終幕”ですね。
はい、このお話は終焉の物語でした。途中で、創世にしちゃおっかな〜とか思ったんですけど、「この2人じゃ…子供作れんしな…いや、ゼロスが頑張ってどうにかするのか?どうにかってどうするのさ、う〜ん分からない…。」と煮え詰まって結局終幕のお話になりました。アダムとイヴにするにしても、創世伝をちゃんと知ってないとなりませんしね!(←知っとけよ自分…)

>こういう作品も、良いんじゃないでしょうか?たまには。
>だけれど、基本はハッピーエンド?(九音もそうですけど)
>楽しんで読ませていただきました、今回も。
こんな暗いのもちょっと好きだったりするけど、でもでもっ、ホントに本当に基本はハッピーエンド好きなんですぅぅ〜!信じてえぇ……。

>お疲れ様でした。それから、リゾート編で弾けて下さい(笑)。
>九音、暖かく見守っていますから。
>頑張って下さいね!
>それでは、この辺で失礼いたします。
ありがとうございますっ!!暖かく見守ってくれる人を確保(?)したところで、私はリゾート編の構成を練りに行きます。それでは、失礼します。



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3844胸キュンキュンvv麻生誠 E-mail 8/6-22:51
記事番号3820へのコメント

どうも麻生です。今回、本当にシリアスダークで胸キュン(←死語)になってます。
でもこういうゼロフィリもあり…なんですよね、やはし。麻生もハッピーな二人が基本だけど、どこか頭の片隅にこういう破滅的な二人、を思い描いているフシがあったりします。
自分でかくときっと泣いちゃうんだろうなあ、と思うので避けちゃいますが(^_^;)

フィリアの「神族だから」という言葉が印象的でした。2人が考えていた「神族だから」の後に続く言葉が違っていたのが、また悲しくて…。
破滅的な結果でも、2人が2人の望みをかなえられたのなら、ソレはソレで良いかと思いました。
「死」をもってしか結ばれない、というのも事実ありますし。これって日本人特有の「美的」観念らしいです…、外国の方にはイマイチ理解できないらしいですね。

今度は「創生」アダムとイブ的な2人も見てみたいですわ。芹香しゃま、創世記勉強して、てへvvv(相変わらず他力本願な麻生さん)
もちろんリゾート編&学園連載も楽しみにしておりますわ、でわでわ(^o^)

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3845キュンというと、飲み物。(意味不明…)葵 芹香 E-mail 8/7-00:13
記事番号3844へのコメント

麻生誠さんは No.3844「胸キュンキュンvv」で書きました。
>
>どうも麻生です。今回、本当にシリアスダークで胸キュン(←死語)になってます。
どうも麻生さん。その胸キュンはやはり、ときめきのキュンではなくて切ないキュンなんでしょう…ね。自分でも書いてて切なくなってきちゃったりして。

>でもこういうゼロフィリもあり…なんですよね、やはし。麻生もハッピーな二人が基本だけど、どこか頭の片隅にこういう破滅的な二人、を思い描いているフシがあったりします。
>自分でかくときっと泣いちゃうんだろうなあ、と思うので避けちゃいますが(^_^;)
ああ、よかった他にも思ってる人がいて。
神と魔、光と影という相反するものである限り、どこか壊れそうな儚さは付いてまわると思うんです…微妙な均衡を保ちながら。今回はその均衡を見事に崩したお話と言えるでしょう。

>フィリアの「神族だから」という言葉が印象的でした。2人が考えていた「神族だから」の後に続く言葉が違っていたのが、また悲しくて…。
>破滅的な結果でも、2人が2人の望みをかなえられたのなら、ソレはソレで良いかと思いました。
フィリアは自分が神族だから、彼の足手まといになるから行けないと考え、ゼロスは彼女が神族だから、自分とは正反対の神に仕えているから来れないと考える。たぶん「行けない」と言ったときのフィリアはつらかったと思います。ゼロスは行けない理由を間違って解釈してるし、でも自分はそれを正すことが出来ないし…。
地上には誰もいなくなったけど、大地がある限り何万年、何億年かかってもまた生命の輪は巡りますしね。私的には2人には転生してて欲しいですけど。

>「死」をもってしか結ばれない、というのも事実ありますし。これって日本人特有の「美的」観念らしいです…、外国の方にはイマイチ理解できないらしいですね。
…そうですね、外国の方には鈴虫の鳴く音もただの雑音(笑)にしか聞こえないみたいですしね。感性が違うのかな?

>今度は「創生」アダムとイブ的な2人も見てみたいですわ。芹香しゃま、創世記勉強して、てへvvv(相変わらず他力本願な麻生さん)
>もちろんリゾート編&学園連載も楽しみにしておりますわ、でわでわ(^o^)
えへv「ノアの箱舟」なら何とかなるかな、と思ってる今日この頃。(←話変わるじゃん。)
来週…というか今週はリゾートリゾートvでもちょーっとラヴラヴになるかどうかは分からない…何せ邪魔されるんで(笑)。それではまた。