◆−サマーサンセット =ゼロフィリ学園物語番外編=−葵 芹香(8/11-02:49)No.3905 ┗やっぱりヴァル君?−珠捕ヶ 九音(8/12-13:38)No.3910 ┗これが彼の生きる道。−葵 芹香(8/13-01:07)No.3912
3905 | サマーサンセット =ゼロフィリ学園物語番外編= | 葵 芹香 E-mail | 8/11-02:49 |
どうも、葵芹香です。いやぁ〜、夏まっさかりっ!!ってなわけで、スレイヤーズ学園inリゾートヴァージョンでっすvドンドンパフパフーッ!!(ようやく念願の桑島法子さんのアルバムが手にはいったせいか、やけにハイテンション←汗) 今回は何かもー、ヴァル君大感謝祭!!みたいな感じになっちゃいました…ゼロフィリ期待した方、ごめんなさい。あんまりラヴラヴになれませんでした…。それどころか途中でヴァルフィリ入ってるし…。 ==================================== 『サマーサンセット』 「リナさん、ガウリィさん、おっそーいっ!!」 「ごめ〜んっ、でもあたしは悪くないわよ!ガウリィ迎えに行ったら、案の定寝坊してるんだもん、ガウリィってばっ!!」 ここは学園近くの駅前。アメリア父が手配した一台の小型バスに、時間(&場所)指定をした当人が遅れた理由を説明しながら乗りこむ。 「いや〜、すまんすまん、ハッハッハッ。」 「笑ってごまかすなぁ!…っと、あれ…ヴァル!!あんた数学の課題終わったの?」 最後の2人がようやく集まり、バスがゆるやかに発進しはじめてからヴァルの存在に気づいたリナ。リナは…いや、その場にいたヴァル以外誰もが、彼は来れないだろうと予想していた…5冊もの数学テキストを課題に出されていては。 「おう、バッチリだぜ!」 「本っ当〜に、終わしたんでしょうね、ヴァル君?」 おもしろくないのは彼らの中で一番年長のゼロスだ。自分の目論みが外れたことに対して、だろう。 「ああっ!連徹(連続徹夜、の省略らしい…)したおかげで何とか終わすことが出来たぜっ!!」 ニヤッと含み笑いを浮かべながら思いっきり挑発的な視線をゼロスに向ける。 「チッ、やはり10冊にしておけばよかったか…。」 「おい、てめぇっ!今何てほざきやがったっ?!」 ゼロスの小さなつぶやきもしっかり耳に入ってるヴァル君。…君は地獄耳かい? 「あの〜、私を挟んでケンカするのは止めてほしいんですけど…。」 間にはさまれたフィリアは困惑気に口を挟む。…一連のことはある意味自分のせいだというのに。 「フィリアさん、こんな奴の言うことなんかに耳を貸さなくていいですからねっ。」 彼女の肩をギュッと抱き、自分の方に引き寄せる。 「おいっ!教師が生徒を差別する気かよっ?!…それに、何勝手にフィリア抱き寄せてんだよっ、離れやがれっ!!」 「いやです。それから、今はプライベートですから、教師も生徒も関係ありませんよ。ねぇ、フィリアさん♪」 彼は自分の腕の中にいる少女に愉しそうに話しかける。その笑みにつられてフィリアも微笑み返しているので、ヴァルは地団駄を踏んで悔しがり、 「やっぱりお前はプライベートでも嫌いだ!!」 普通の街角で叫んだなら誰もが振り向く大声、けれどもここはあのリナ達の乗っているバスの中。そんな叫び声など打ち消されてしまう程賑やかなバスの中。 何はともあれ、バスは無事、目的のリゾートホテルへと到着するのだった…。 「着きましたね〜v」 「青い海、白い砂浜、心地よい潮風、これこそバカンスを楽しむ最適の環境よっ!!」 アメリア父が経営するホテルは真っ白な外壁に、海に面した専用プールのある17階建ての、結構TVなどでも有名なリゾートホテルだった。こんなところに格安で招いてくれたアメリア父にお礼を言いたかった一行だったが、残念ながらアメリア父は新企画の打ち合わせとやらで、海外へ渡っているのであいさつは出来なかった。 「じゃ、それぞれの部屋に荷物置いて、水着に着替えたらプールサイドで合流ね♪」 部屋の階は17階、一番見晴らしのいい階に男女ともに取ってくれた。男性陣は1705号室、女性陣はその2つくらい隣りの1709号室だった。近いのだからまとまって行けばいいのに…と男性陣は思ったのだが、女性陣はそうはいかない。 気合いをいれて準備してきた水着姿のお披露目なのだ。せめて浜辺まで秘密にしておきたいと思うのが乙女心である。 そんな訳で、プールサイドで待ちぼうけをくらう男ども4人…傍から見るとすっごく悲しい4人組。 「おっまたっせ〜〜っ♪」 「オイッ!!おそ…い……」 やっと現われた女性陣に文句のひとつでも言ってやろうとしていた彼らだったが、彼女たちの水着姿に目を奪われ、一瞬息を呑んだ。 リナは髪や瞳の色にマッチした、暖色系のハイビスカス柄の入ったセパレートタイプの水着。寄せてあげて機能(笑)によってカップを1ランクあげているあたりがリナらしいと言えばリナらしい。 「ガウリィ君…何か言うことはないのかな?」 んっふっふ…とガウリィに近寄って尋ねる。呆然としていたガウリィが、やっとのことで口にしたセリフは、 「あ、ああ…可愛い……。」 まずはリナ、成功。 アメリアはというと、薄いピンクでフリルのついたワンピース型の水着だった。 「ゼルガディスさん…?」 少し頬を赤く染めながら、上目遣いで彼を見上げる。 ゼルガディスはというと、真っ赤になって手を口元にあてながら、 「あぁ……よく似合ってる…。」 アメリア、成功。 そして… フィリアはアメリアと同じワンピースタイプ、色はアクアブルー。水着と同系色の、花柄のパレオを腰に巻いていた。時たま、パレオから覗く素足が非常に艶かしい…のだが。 「リナさ〜ん、アメリアさ〜ん、助けて…」 そこにいたのはゼロスとヴァルに奪い合いされているフィリアだった。 「だから何で、お前はすぐにフィリアを抱きしめるんだよっ!離れろ、コラァッ!!」 「フィリアさんて、柔らかくて抱き心地がいいんですもん♪それに水着がとってもキュートですしv」 「私は抱き枕なんですか…?」 「いい加減に離せよ、コノヤローッ!!」 そんないつものやり取りをいつものように眺めていたリナとアメリアは、 「多分…成功、ですよね…?」 「どっちに見せたかったのかは知らないけどね。」 「でも…、あれじゃヴァルさん、あんまりにも可哀想じゃありませんか?」 アメリアが向ける視線の先には、どう見ても形勢不利のヴァルの姿。夏休みに入ってから一向に良いことがない彼…少々不憫ではある。 「そうね……それじゃ、今回だけは助け舟を出してあげましょうか?」 リナの「ニヤリ。」という笑みに、笑顔で大きくうなずくアメリア。 「お〜い、そこでじゃれ合ってる3人!ビーチバレーやるわよ〜っ!!」 「ビーチバレー?」 2人の間からようやく抜け出したフィリアが復唱する。 「そ。ペアを3組作って…あ、ゼロス先生ルール知ってるんだから、審判ね。」 リナの強引な決定に、慌てて抗議するゼロス。 「ちょっ…ちょっと待ってくださいよっ!ペアって言ったら、リナさんとガウリィさんでしょ、アメリアさんとゼルガディスさん、じゃ、フィリアさんはヴァル君となんですか?」 「そうなるわね。…じゃ、まずアメリアペア対フィリアペア!ゲーム開始!!」 「ちょっ、ちょっとぉぉ〜っっ!!」 ゼロスの抗議もあっさり無視されて、ビーチバレーは始まっていったのだった…。 「いや〜、遊んだ遊んだぁ〜〜っ!」 すでに日は傾き、水平線に沈みかけている。浜辺にいた人々もまばらになってきた。 「たくさん遊んだらお腹が空いてきましたね。」 「そ〜ね♪」 何やらモジモジしていたヴァルが、意を決したようにフィリアに近寄り、 「フィリア…浜辺を散歩していかないか?」 「え?ああ、いいですよ。」 ピクゥッッ!! 「フィリアさ…」 「夕食はゼロスせんせーのおごりだってよ〜っ!!」 当然のように邪魔に入ろうとしたゼロスの首をガッとひじで抑え、とんでもないことを抜かし出したあげくズルズルとホテルに引っ張って行くリナ。 「ちょっとリナさんっ!邪魔しないでくださいよぅ!!」 「あんたはヴァルが課題でヒーヒー言ってる間ずっとフィリアを一人占めしてたんだから、これ位いいでしょ?」 「よくないですっ!フィリアさんはゆくゆく僕のお嫁さんとなる人なんですっ、変な虫がついたらどうしてくれるんですかっ?!」 「それは、予定であって決定ではないんでしょ?なら少しくらいヴァルに貸してあげたっていいじゃない。」 「よくないですぅぅぅ〜〜っ!!あああ、フィリアさん〜〜〜っっっ!!!」 ズルズル引きずられながら、遠くなる彼女を呼ぶ声が空しく響くのだった。 「キレイな夕焼けですね♪」 「…ああ、そうだな。」 しばらく波打ち際を歩いて、休むのにちょうど良さそうな丸太があったのでそれに座って夕陽を眺める。太陽は水平線に半分まで隠れていた。 「…夕陽を見てると、あんたに初めて会ったときを思い出すよ。」 「初めて会ったとき?…入学式じゃありませんでしたっけ??」 ガクッとくるヴァル。…やっぱり覚えてないのか。 「俺、入学式には出てなかったぜ…。」 そう。入学式どころか、授業が始まっても1ヶ月ぐらいは学校に近寄りもしなかった。 (ずいぶん丸くなったもんだな、俺も。) あの頃の自分は、今から考えると信じられないくらい荒れていた。 ケンカなんかは日常茶飯事、流血沙汰なんて珍しくもなかった。 フィリアに出逢った日もそうだった。 子分の一人、ジラスが隣街の連中にやられた。何とか敵は取ったものの、怪我がひどくて足取りがおぼつかず、夕暮れのなか、河川敷で休んでいたところを彼女に見つかった。…彼女は血まみれの自分を恐れもせず、白い木綿のハンカチで応急処置をしてくれた。 そのときのフィリアの言葉が今でも忘れられない。 「友達をいたわるのも、自分をいたわるのも、どちらも同じくらいに大切よ。」 と―――。 彼女の横顔をチラッと盗み見る。いまだ夕陽を眺めている彼女の微笑みは何とも清らかで…優しげで、ヴァルの目には聖母マリアのように映った。慈愛に満ちた眼差し…けれど彼は知っている、この微笑みが最高の笑顔ではないことを。 「フィリアさん。」 背後から呼びかける声。この俺ですら分かるのだから、フィリアなら尚更…だな。 瞬く間に彼女の顔が生き生きとした輝きを放つ笑顔に変わっていく。立ちあがって声の主の方へと駆け寄る。 「ゼロス先生っ!」 「ご飯食べに行きませんか?」 「え?…でも先生、もう食べたんじゃ…?」 別れ際にリナが言っていたおごりのこと。リナのことだから、冗談、という訳ではないだろうし…。 「いいえ、貴女と食べようと思って食べませんでした。…リナさん達の分はしっかり払わされましたけど。」 ハハハ、と笑って頬を掻いているゼロスにつられて、フィリアもくすくす笑う。一通り笑った後、ヴァルの方を向いて、 「じゃあ、ヴァルさんも一緒に夕食を…」 「いや、俺はまだいいや。」 「そうですか…?それじゃあ…。」 ゼロスと連れ立ってホテルの方へ歩いていく。 別にゼロスの視線が恐くて誘いを断ったわけじゃない。ただ考える時間が欲しかっただけだ。 フィリアは彼女自身の気持ちに気づいていない。自分にも、リナ達にも向けたことのない笑顔で奴を迎えていることなど。…どういった訳か、そういうとこにはゼロスも鈍感で、そのことに気づいちゃいない…がな。 2人がそのことに気づいたときには…俺の出番はない、か。 ヴァルは大きく伸びをした。 「さ〜て、どうすっかな〜…」 告白してキッパリ振られるのなら、諦めがつくかもしれない。 …だが―― ゼロスの意地悪そ〜な笑みが脳裏に浮かぶ。…あっさり負けるのは腹が立つ。もはや4割程度は意地になっているのかもしれない。 「やっぱり当分は、邪魔しまくってやるっ!!」 夕陽に向かって青春ドラマさながらに叫んでいるヴァルだった。 「クシュンッ!」 「先生?風邪ですか?」 「う〜ん、潮風にあてられちゃいましたかねぇ〜。」 ズズッと鼻をすすりながら。 「それはそうと…こんなフルコースディナー4人前も払ったんだから、大変なお金だったでしょう?」 「いいえ、リナさん達はバイキングでしたから、そんなに掛かったわけじゃないんですよ。」 「そんなっ!じゃあ、私だけこんな高いのをご馳走になんてなれませんっ!!」 「いえ、いいんですv…ところでフィリアさん、ワインお好きですか?」 どこから持ち出したのか…いや、きっとボーイが持ってきておいたのだろう、ゼロスの手には赤ワインのボトルがあった。 「私っ、未成年ですっ!!」 「まあまあ、そう言わずにv」 グラスに注いでフィリアに手渡す。 「…教師が生徒に飲酒を勧めないでくださいっ!」 軽く拗ねたような言いぶりで、それでも頬を少し染め、上目遣いに彼を見る。手にはちゃんとグラスを握っている。 ゼロスはそれを承諾の印と受け止め、グラスを手前に差し出すと、 「それではフィリアさん、この良き夏の日に貴女とこうして過ごせることに…」 カツンッ☆ 「カンパイ」 ===================================== …何かいつもよりも、やたらめったら長くなってしまったような気がするのは気のせいか…? ヴァル君がな〜、戦線離脱するんだかしないんだか。するとしたら、いつするのか。…ハッハッハッ、自分で書いといてわかりませんねぇ〜。 ひとまずは、日曜日がやってくる前に書き上げられてよかったな、と。 あとは、どうやってフィリアさん(またはゼロス)に気づかせるか…なんですが……考えるのは止めて、とりあえず私は寝ます。おやすみなさい。 |
3910 | やっぱりヴァル君? | 珠捕ヶ 九音 E-mail | 8/12-13:38 |
記事番号3905へのコメント 葵 芹香さんは No.3905「サマーサンセット =ゼロフィリ学園物語番外編=」で書きました。 > > >どうも、葵芹香です。いやぁ〜、夏まっさかりっ!!ってなわけで、スレイヤーズ学園inリゾートヴァージョンでっすvドンドンパフパフーッ!!(ようやく念願の桑島法子さんのアルバムが手にはいったせいか、やけにハイテンション←汗) >今回は何かもー、ヴァル君大感謝祭!!みたいな感じになっちゃいました…ゼロフィリ期待した方、ごめんなさい。あんまりラヴラヴになれませんでした…。それどころか途中でヴァルフィリ入ってるし…。 こんにちは、九音です。お待ちしてましたリゾート編…ヴァル君大感謝祭、ですか。まぁ、この間中彼もヒーヒー言っていたようだから、少しくらいはいい目を見ないと確かに可哀想かも?入るお邪魔はヴァル君自身よりも、その他な方々のような気がするんですけど…さて、さて... >「笑ってごまかすなぁ!…っと、あれ…ヴァル!!あんた数学の課題終わったの?」 >最後の2人がようやく集まり、バスがゆるやかに発進しはじめてからヴァルの存在に気づいたリナ。リナは…いや、その場にいたヴァル以外誰もが、彼は来れないだろうと予想していた…5冊もの数学テキストを課題に出されていては。 >「おう、バッチリだぜ!」 >「本っ当〜に、終わしたんでしょうね、ヴァル君?」 >おもしろくないのは彼らの中で一番年長のゼロスだ。自分の目論みが外れたことに対して、だろう。 >「ああっ!連徹(連続徹夜、の省略らしい…)したおかげで何とか終わすことが出来たぜっ!!」 >ニヤッと含み笑いを浮かべながら思いっきり挑発的な視線をゼロスに向ける。 やはし、やり遂げてしまいましたねぇ・・・大したものです(笑)。 さぁさ、ゼロス先生に反撃だ! >「チッ、やはり10冊にしておけばよかったか…。」 >「おい、てめぇっ!今何てほざきやがったっ?!」 >ゼロスの小さなつぶやきもしっかり耳に入ってるヴァル君。…君は地獄耳かい? >「あの〜、私を挟んでケンカするのは止めてほしいんですけど…。」 >間にはさまれたフィリアは困惑気に口を挟む。…一連のことはある意味自分のせいだというのに。 ヤな奴の呟きって結構耳に入るものですねー。それにしても…フィリアさん相変わらずのほほん。 >「じゃ、それぞれの部屋に荷物置いて、水着に着替えたらプールサイドで合流ね♪」 >部屋の階は17階、一番見晴らしのいい階に男女ともに取ってくれた。男性陣は1705号室、女性陣はその2つくらい隣りの1709号室だった。近いのだからまとまって行けばいいのに…と男性陣は思ったのだが、女性陣はそうはいかない。 >気合いをいれて準備してきた水着姿のお披露目なのだ。せめて浜辺まで秘密にしておきたいと思うのが乙女心である。 頑張れ女の子! >そんな訳で、プールサイドで待ちぼうけをくらう男ども4人…傍から見るとすっごく悲しい4人組。 >「おっまたっせ〜〜っ♪」 >「オイッ!!おそ…い……」 >やっと現われた女性陣に文句のひとつでも言ってやろうとしていた彼らだったが、彼女たちの水着姿に目を奪われ、一瞬息を呑んだ。 >リナは髪や瞳の色にマッチした、暖色系のハイビスカス柄の入ったセパレートタイプの水着。寄せてあげて機能(笑)によってカップを1ランクあげているあたりがリナらしいと言えばリナらしい。 >「ガウリィ君…何か言うことはないのかな?」 >んっふっふ…とガウリィに近寄って尋ねる。呆然としていたガウリィが、やっとのことで口にしたセリフは、 >「あ、ああ…可愛い……。」 >まずはリナ、成功。 >アメリアはというと、薄いピンクでフリルのついたワンピース型の水着だった。 >「ゼルガディスさん…?」 >少し頬を赤く染めながら、上目遣いで彼を見上げる。 >ゼルガディスはというと、真っ赤になって手を口元にあてながら、 >「あぁ……よく似合ってる…。」 >アメリア、成功。 >そして… >フィリアはアメリアと同じワンピースタイプ、色はアクアブルー。水着と同系色の、花柄のパレオを腰に巻いていた。時たま、パレオから覗く素足が非常に艶かしい…のだが。 >「リナさ〜ん、アメリアさ〜ん、助けて…」 >そこにいたのはゼロスとヴァルに奪い合いされているフィリアだった。 >「だから何で、お前はすぐにフィリアを抱きしめるんだよっ!離れろ、コラァッ!!」 >「フィリアさんて、柔らかくて抱き心地がいいんですもん♪それに水着がとってもキュートですしv」 >「私は抱き枕なんですか…?」 >「いい加減に離せよ、コノヤローッ!!」 >そんないつものやり取りをいつものように眺めていたリナとアメリアは、 >「多分…成功、ですよね…?」 >「どっちに見せたかったのかは知らないけどね。」 女の子達の戦果はまずまず、だったようですね。気合いいれただけ、報われて良かった。 >「でも…、あれじゃヴァルさん、あんまりにも可哀想じゃありませんか?」 >アメリアが向ける視線の先には、どう見ても形勢不利のヴァルの姿。夏休みに入ってから一向に良いことがない彼…少々不憫ではある。 >「そうね……それじゃ、今回だけは助け舟を出してあげましょうか?」 >リナの「ニヤリ。」という笑みに、笑顔で大きくうなずくアメリア。 ヴァル君にしてみれば心強い天使達、ゼロス先生にしてみれば小悪魔な二人・・・ >すでに日は傾き、水平線に沈みかけている。浜辺にいた人々もまばらになってきた。 >「たくさん遊んだらお腹が空いてきましたね。」 >「そ〜ね♪」 >何やらモジモジしていたヴァルが、意を決したようにフィリアに近寄り、 >「フィリア…浜辺を散歩していかないか?」 >「え?ああ、いいですよ。」 結構一大決心だったのかな?この辺以降からがヴァルフィリ?? >ピクゥッッ!! >「フィリアさ…」 >「夕食はゼロスせんせーのおごりだってよ〜っ!!」 >当然のように邪魔に入ろうとしたゼロスの首をガッとひじで抑え、とんでもないことを抜かし出したあげくズルズルとホテルに引っ張って行くリナ。 >「ちょっとリナさんっ!邪魔しないでくださいよぅ!!」 >「あんたはヴァルが課題でヒーヒー言ってる間ずっとフィリアを一人占めしてたんだから、これ位いいでしょ?」 >「よくないですっ!フィリアさんはゆくゆく僕のお嫁さんとなる人なんですっ、変な虫がついたらどうしてくれるんですかっ?!」 >「それは、予定であって決定ではないんでしょ?なら少しくらいヴァルに貸してあげたっていいじゃない。」 >「よくないですぅぅぅ〜〜っ!!あああ、フィリアさん〜〜〜っっっ!!!」 >ズルズル引きずられながら、遠くなる彼女を呼ぶ声が空しく響くのだった。 ゼロス先生の負け(笑)。でも、確かに予定は決定ではないけど九音はフィリアさんはゼロス先生のお嫁さんになって欲しい。 変な虫は、つかないと思います。だって、その前にゼロスが穴掘ってそーゆー輩を埋めちゃうでしょ?! >(ずいぶん丸くなったもんだな、俺も。) >あの頃の自分は、今から考えると信じられないくらい荒れていた。 >ケンカなんかは日常茶飯事、流血沙汰なんて珍しくもなかった。 >フィリアに出逢った日もそうだった。 >子分の一人、ジラスが隣街の連中にやられた。何とか敵は取ったものの、怪我がひどくて足取りがおぼつかず、夕暮れのなか、河川敷で休んでいたところを彼女に見つかった。…彼女は血まみれの自分を恐れもせず、白い木綿のハンカチで応急処置をしてくれた。 >そのときのフィリアの言葉が今でも忘れられない。 >「友達をいたわるのも、自分をいたわるのも、どちらも同じくらいに大切よ。」 >と―――。 ヴァル君回想録。なるほど、そういう経緯があったんですか。天使ですね、フィリアさん。彼女の天職って、巫女さんや骨董品屋さんの店主も良いですけど、看護婦さんとかも良いなぁと思います、アイキャッチみたく(←ちょっと横道にそれました?)。 >彼女の横顔をチラッと盗み見る。いまだ夕陽を眺めている彼女の微笑みは何とも清らかで…優しげで、ヴァルの目には聖母マリアのように映った。慈愛に満ちた眼差し…けれど彼は知っている、この微笑みが最高の笑顔ではないことを。 >「フィリアさん。」 >背後から呼びかける声。この俺ですら分かるのだから、フィリアなら尚更…だな。 >瞬く間に彼女の顔が生き生きとした輝きを放つ笑顔に変わっていく。立ちあがって声の主の方へと駆け寄る。 彼女のことを好きだからこそ…ふとした瞬間にいろいろと分かってしまうんですね? >別にゼロスの視線が恐くて誘いを断ったわけじゃない。ただ考える時間が欲しかっただけだ。 >フィリアは彼女自身の気持ちに気づいていない。自分にも、リナ達にも向けたことのない笑顔で奴を迎えていることなど。…どういった訳か、そういうとこにはゼロスも鈍感で、そのことに気づいちゃいない…がな。 >2人がそのことに気づいたときには…俺の出番はない、か。 >ヴァルは大きく伸びをした。 >「さ〜て、どうすっかな〜…」 >告白してキッパリ振られるのなら、諦めがつくかもしれない。 >…だが―― >ゼロスの意地悪そ〜な笑みが脳裏に浮かぶ。…あっさり負けるのは腹が立つ。もはや4割程度は意地になっているのかもしれない。 >「やっぱり当分は、邪魔しまくってやるっ!!」 >夕陽に向かって青春ドラマさながらに叫んでいるヴァルだった。 うん、これがヴァル君なのかもしれない。でも、彼にだっていつか彼だけのために極上の笑顔を見せてくれる可愛い女の子が現れますよね? その時まで、戦線離脱はしないのかしら??それもまた良し、と。 >「いえ、いいんですv…ところでフィリアさん、ワインお好きですか?」 >どこから持ち出したのか…いや、きっとボーイが持ってきておいたのだろう、ゼロスの手には赤ワインのボトルがあった。 >「私っ、未成年ですっ!!」 >「まあまあ、そう言わずにv」 >グラスに注いでフィリアに手渡す。 >「…教師が生徒に飲酒を勧めないでくださいっ!」 >軽く拗ねたような言いぶりで、それでも頬を少し染め、上目遣いに彼を見る。手にはちゃんとグラスを握っている。 >ゼロスはそれを承諾の印と受け止め、グラスを手前に差し出すと、 >「それではフィリアさん、この良き夏の日に貴女とこうして過ごせることに…」 >カツンッ☆ > >「カンパイ」 不良教師と不良女子高生(笑)。でも、まあ嗜む程度、でしょうから良いのかな(…やっぱだめ??)。しかしゼロス先生の懐はさぞかし寒くなったのでは?? でも、フィリアさんと過ごす貴重な時間は何にも勝りますよね。 >…何かいつもよりも、やたらめったら長くなってしまったような気がするのは気のせいか…? >ヴァル君がな〜、戦線離脱するんだかしないんだか。するとしたら、いつするのか。…ハッハッハッ、自分で書いといてわかりませんねぇ〜。 >ひとまずは、日曜日がやってくる前に書き上げられてよかったな、と。 >あとは、どうやってフィリアさん(またはゼロス)に気づかせるか…なんですが……考えるのは止めて、とりあえず私は寝ます。おやすみなさい。 お疲れ様でした。あまりに鈍い(??)お二人にいかに気付かせるかは問題ではありますが、だんだんと距離は縮んできたような気がするので、そう遠くはないですよね?今回のお話も楽しかったです。また、次のお話を心よりお待ちしている九音でした。それでは・・・ |
3912 | これが彼の生きる道。 | 葵 芹香 E-mail | 8/13-01:07 |
記事番号3910へのコメント 珠捕ヶ 九音さんは No.3910「やっぱりヴァル君?」で書きました。 >こんにちは、九音です。お待ちしてましたリゾート編…ヴァル君大感謝祭、ですか。まぁ、この間中彼もヒーヒー言っていたようだから、少しくらいはいい目を見ないと確かに可哀想かも?入るお邪魔はヴァル君自身よりも、その他な方々のような気がするんですけど…さて、さて... はい。気づいてみたら、ゼロフィリの邪魔をしてるのはリナとかであって、決してヴァル君自身ではないんですよね…。う〜ん私、ヴァルのお邪魔虫って考えられないのかなぁ…? >>「笑ってごまかすなぁ!…っと、あれ…ヴァル!!あんた数学の課題終わったの?」 >>最後の2人がようやく集まり、バスがゆるやかに発進しはじめてからヴァルの存在に気づいたリナ。リナは…いや、その場にいたヴァル以外誰もが、彼は来れないだろうと予想していた…5冊もの数学テキストを課題に出されていては。 >>「おう、バッチリだぜ!」 >>「本っ当〜に、終わしたんでしょうね、ヴァル君?」 >>おもしろくないのは彼らの中で一番年長のゼロスだ。自分の目論みが外れたことに対して、だろう。 >>「ああっ!連徹(連続徹夜、の省略らしい…)したおかげで何とか終わすことが出来たぜっ!!」 >>ニヤッと含み笑いを浮かべながら思いっきり挑発的な視線をゼロスに向ける。 > >やはし、やり遂げてしまいましたねぇ・・・大したものです(笑)。 >さぁさ、ゼロス先生に反撃だ! 教師の権力を傘にしやがってぇぇぇっ!!ですか(笑)。でも、その数学テキスト、全部あってる(理解できてる)とは限らないんですよね…。 >>「でも…、あれじゃヴァルさん、あんまりにも可哀想じゃありませんか?」 >>アメリアが向ける視線の先には、どう見ても形勢不利のヴァルの姿。夏休みに入ってから一向に良いことがない彼…少々不憫ではある。 >>「そうね……それじゃ、今回だけは助け舟を出してあげましょうか?」 >>リナの「ニヤリ。」という笑みに、笑顔で大きくうなずくアメリア。 > >ヴァル君にしてみれば心強い天使達、ゼロス先生にしてみれば小悪魔な二人・・・ あんまりにも不器用なヴァル君を見かねて、のことですね(笑)。…いや、単に面白そうだったからとか、ゼロス先生が慌てるところを見たかったからとか…。 >>すでに日は傾き、水平線に沈みかけている。浜辺にいた人々もまばらになってきた。 >>「たくさん遊んだらお腹が空いてきましたね。」 >>「そ〜ね♪」 >>何やらモジモジしていたヴァルが、意を決したようにフィリアに近寄り、 >>「フィリア…浜辺を散歩していかないか?」 >>「え?ああ、いいですよ。」 > >結構一大決心だったのかな?この辺以降からがヴァルフィリ?? ゼロスのヤローは簡単に言えるのに、何で俺は言えねぇんだあぁぁっ!!って常日頃思ってましたから、やっとのことで、だったと思います。 >>「あんたはヴァルが課題でヒーヒー言ってる間ずっとフィリアを一人占めしてたんだから、これ位いいでしょ?」 >>「よくないですっ!フィリアさんはゆくゆく僕のお嫁さんとなる人なんですっ、変な虫がついたらどうしてくれるんですかっ?!」 >>「それは、予定であって決定ではないんでしょ?なら少しくらいヴァルに貸してあげたっていいじゃない。」 >>「よくないですぅぅぅ〜〜っ!!あああ、フィリアさん〜〜〜っっっ!!!」 >>ズルズル引きずられながら、遠くなる彼女を呼ぶ声が空しく響くのだった。 > >ゼロス先生の負け(笑)。でも、確かに予定は決定ではないけど九音はフィリアさんはゼロス先生のお嫁さんになって欲しい。 >変な虫は、つかないと思います。だって、その前にゼロスが穴掘ってそーゆー輩を埋めちゃうでしょ?! はい、なってもらいます。(って宣言してどうするっ!)今、学園物語は高校編ですが、そのうち大学編に発展してってもらおうかと…。そこで色々と…ねぇ? そして…やはり変な虫はつかないでしょう。ゼロスが社会的に復帰できないようにしちゃうでしょうし。 >>(ずいぶん丸くなったもんだな、俺も。) >>あの頃の自分は、今から考えると信じられないくらい荒れていた。 >>ケンカなんかは日常茶飯事、流血沙汰なんて珍しくもなかった。 >>フィリアに出逢った日もそうだった。 >>子分の一人、ジラスが隣街の連中にやられた。何とか敵は取ったものの、怪我がひどくて足取りがおぼつかず、夕暮れのなか、河川敷で休んでいたところを彼女に見つかった。…彼女は血まみれの自分を恐れもせず、白い木綿のハンカチで応急処置をしてくれた。 >>そのときのフィリアの言葉が今でも忘れられない。 >>「友達をいたわるのも、自分をいたわるのも、どちらも同じくらいに大切よ。」 >>と―――。 > >ヴァル君回想録。なるほど、そういう経緯があったんですか。天使ですね、フィリアさん。彼女の天職って、巫女さんや骨董品屋さんの店主も良いですけど、看護婦さんとかも良いなぁと思います、アイキャッチみたく(←ちょっと横道にそれました?)。 日常生活1でゼロスがフィリアに惚れた理由を書いたので、ヴァルの理由も書かないとだめかな〜とか思いまして。そうそう、あのアイキャッチは良かった…v初めて見たとき悶えましたもん、「あぁぁフィリアさんっ!!何気にバックにゼロスいるしぃ〜〜っ!!」 >>彼女の横顔をチラッと盗み見る。いまだ夕陽を眺めている彼女の微笑みは何とも清らかで…優しげで、ヴァルの目には聖母マリアのように映った。慈愛に満ちた眼差し…けれど彼は知っている、この微笑みが最高の笑顔ではないことを。 >>「フィリアさん。」 >>背後から呼びかける声。この俺ですら分かるのだから、フィリアなら尚更…だな。 >>瞬く間に彼女の顔が生き生きとした輝きを放つ笑顔に変わっていく。立ちあがって声の主の方へと駆け寄る。 > >彼女のことを好きだからこそ…ふとした瞬間にいろいろと分かってしまうんですね? 彼も彼なりにフィリアのことが好きなんですよ。ゼロスの迫力には負けますけど。 >>「さ〜て、どうすっかな〜…」 >>告白してキッパリ振られるのなら、諦めがつくかもしれない。 >>…だが―― >>ゼロスの意地悪そ〜な笑みが脳裏に浮かぶ。…あっさり負けるのは腹が立つ。もはや4割程度は意地になっているのかもしれない。 >>「やっぱり当分は、邪魔しまくってやるっ!!」 >>夕陽に向かって青春ドラマさながらに叫んでいるヴァルだった。 > >うん、これがヴァル君なのかもしれない。でも、彼にだっていつか彼だけのために極上の笑顔を見せてくれる可愛い女の子が現れますよね? >その時まで、戦線離脱はしないのかしら??それもまた良し、と。 いつかそんな女性が現われて、ゼロスに(フィリアを)譲る気になってくれたらそれはそれでOK. >>「いえ、いいんですv…ところでフィリアさん、ワインお好きですか?」 >>どこから持ち出したのか…いや、きっとボーイが持ってきておいたのだろう、ゼロスの手には赤ワインのボトルがあった。 >>「私っ、未成年ですっ!!」 >>「まあまあ、そう言わずにv」 >>グラスに注いでフィリアに手渡す。 >>「…教師が生徒に飲酒を勧めないでくださいっ!」 >>軽く拗ねたような言いぶりで、それでも頬を少し染め、上目遣いに彼を見る。手にはちゃんとグラスを握っている。 >>ゼロスはそれを承諾の印と受け止め、グラスを手前に差し出すと、 >>「それではフィリアさん、この良き夏の日に貴女とこうして過ごせることに…」 >>カツンッ☆ >> >>「カンパイ」 > >不良教師と不良女子高生(笑)。でも、まあ嗜む程度、でしょうから良いのかな(…やっぱだめ??)。しかしゼロス先生の懐はさぞかし寒くなったのでは?? >でも、フィリアさんと過ごす貴重な時間は何にも勝りますよね。 いや〜ゼロス先生の方は、彼女を酔わせてその後…なんてことをちょっと考えたりしましたけど、さすがに止めたらしいです。 >お疲れ様でした。あまりに鈍い(??)お二人にいかに気付かせるかは問題ではありますが、だんだんと距離は縮んできたような気がするので、そう遠くはないですよね?今回のお話も楽しかったです。また、次のお話を心よりお待ちしている九音でした。それでは・・・ いつもありがとうございます。気持ちに気付いてから告白まで、の問題もありますが(苦笑)、私はこんな2人を書けて幸せですv それでは、この辺で。最近本気でHP開きたいかも、と思い始めた葵芹香でしたっ。 |