◆−おばあちゃんは大魔道士!!−R.オーナーシェフ(8/15-18:10)No.3930 ┣Re:おばあちゃんは大魔道士!!−みすず(8/16-10:19)No.3932 ┃┗ありがとうっ!!−R.オーナーシェフ(8/17-16:23)No.3948 ┣おばあちゃんは大魔道士!! 2−R.オーナーシェフ(8/17-16:58)No.3949 ┗おばあちゃんは大魔道士!! 3−R.オーナーシェフ(8/18-22:26)NEWNo.3965
3930 | おばあちゃんは大魔道士!! | R.オーナーシェフ | 8/15-18:10 |
かがやいていた太陽が西へかたむき、赤みをおびてくる。夕日って好き。なーんとなく、ロマンチックになれる。ここはゼフィーリアでも けっこう景色のいいといわれるポイントだ。ゼフィールシティ魔道士協会の近く。郊外の田園風景、森が広が地平線までひろがる。 東をみれば、青く暗く、深い空。もうすぐ魑魅魍魎が跋扈する夜がやってくる。 風に栗色の髪をなびかせながらふりかえると、 「あれ?あそこ・・・。」 あたしんちの墓地があるとこだ。女の人が立ってる。 ・・・・・・・・・・・・・・・・な、泣いてる!? 遠くで涙など見えるはず無いのだが、なんとなくそう思えた。 と、丘の下の方から声。 「おーい、レイナー!!ぬわああああにやってんのー!?帰るわよー!!」 「わっわっわ!ミーナ姉ちゃん声がでかい!!」 「えええ!?なんだってええええ!?」 「しぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」 背がすらっと伸び、腰に長剣をさした金髪の女、あたしの姉ちゃんだ。騎士団の士官学校に通ってる。 その姉ちゃんを必死に黙らせようとした。・・のだが、 ・・・・遅かった・・。 「れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇいぃぃぃぃぃぃぃぃぃなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」 「ま、ま、ま、導師(マスター)ジュリア!!!!」 この人はゼフィール魔道士協会評議長。もともとゼフィーリア騎士団で、永遠の女王(エターナルクイーン)直属の対魔族特殊部隊隊長なんぞ をしていたのだが、引退し、『色の称号』も持っていたので今の地位におさまった。いわゆる天下りというやつ。あたしの魔道の先生だ。 「あたしの授業さぼろうなんていい度胸してるわねえ。んっんっんっ!?今から特別講習でもやろうかしら!?」 「マスター、おてやわらかに。」 「問答無用!!」 「きゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・」 「ああ。かわいい妹だったわ。あなたの死は無駄にしないからね。」 「ミーナ姉ちゃん、あたし、死んでない・・・・・・・・。」 協会をでて、姉ちゃんとしばらく行くとおかっぱ頭の女の子が待っていた。 「ナナ。」 「ねえ、早く帰って遊ぼ。姉ちゃんたち。」 あたしたち三人姉妹の末っ子。なぜか生まれつきのばか力。 「うん。でもちょっとまって。」 あたしは歩き出した。 「あれ、レイナ、うちらの家はこっちじゃん。いくら頭の悪いあたしでもこれくらい分かるぞ。レイナってば!」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「あれ、ここお墓じゃない。我がインバース家の。って、レイナ!!」 あたしはそのまま突き進んだ。 「ここだわ。確か。」 「確かって、ここ、」 「じいちゃんのお墓なんだよね。あたしはちっちゃくて覚えてないけど。」 「あの丘で見てたとき、確かに女の人がたってたのよ。泣いていたような気がした。・・・・・・・・・・・・はっ!?まさか!?」 『旅にでていたおばあちゃん!!!!???』 “魔を滅するもの”リナ・インバース。今ではレイ・マグナス、赤法師レゾと並ぶ大賢者とされている。 もう1人の魔を滅するもの、“光の剣の勇者”ガウリイ・ガヴイエフとともに高位魔族と戦った史上最強の魔道士。 あたしたちのおじいちゃんとおばあちゃんなのだ!! そのリナおばあちゃんは、ガウリイじいちゃんに先立たれてから旅に出た。お父さんは、おばあちゃんはおじいちゃんのこと、 よほど好きだったみたいと言っていた。 それから三年が過ぎた。あたしは10歳になった。 「ということは・・、急いで帰らなくちゃ!!今家にいるかも!!」 「そうね。」 「行こ。」 「うん。」 今沈もうとする太陽に照らされ夢中で走るあたしたちの影が長くなる。このへんは魔道士協会がライティングを灯す地域から外れた田舎道だ。 夜になると真っ暗になる。この近くには、歴代の勇者や赤の竜神の騎士といった人たちに滅ぼされた魔物の瘴気が集まりやすい 地域がいくつかあるという。たまに低級魔族と出会っちゃうという例もあるのだ。 「よし!近道していこ!!」 「あ!レイナ!そっちにいったらだめだって!!」 「平気だって。」 ミーナ姉ちゃんの忠告を無視しあたしは森の中を走っていった。 ・・・・・・・・ま、迷った・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ぎゃあぎゃあ、バサッバサッ。 わけわからん鳥が鳴き飛びぬける。そこらへんの薮がガサガサうごいたり・・・。 ま、このあたしにとっちゃあ、たまにあることさ。 「ふう。ちょっと休もうっと。」 あたしは近くの大木によりかかり・・、 スッ 「へ!?」 背中に手応え無し。いきなりの出来事にあたしは一瞬思考が停止し、倒れこみ・・、地面に・・いや!地面が消える!? 「え!?え!?きゃあああああああああああああ・・・・・・・・・・」 |
3932 | Re:おばあちゃんは大魔道士!! | みすず URL | 8/16-10:19 |
記事番号3930へのコメント はじめまして〜。初書き込みですが感想書かしてもらいます。 私こういう話大好きなんですよ、リナたちの次世代とかのはなし。 >風に栗色の髪をなびかせながらふりかえると、 >「あれ?あそこ・・・。」 >あたしんちの墓地があるとこだ。女の人が立ってる。 この文みて、最初リナの幽霊だと思ってました。 次回を期待していますので、がんばってください。 |
3948 | ありがとうっ!! | R.オーナーシェフ | 8/17-16:23 |
記事番号3932へのコメント >はじめまして〜。初書き込みですが感想書かしてもらいます。 ありがとうございます。この段階で来るとはねえ。今回調子いいかも・・。 >私こういう話大好きなんですよ、リナたちの次世代とかのはなし。 結構長く暖めていたネタなんですよ。ずーっと昔、猫南蛮亭で小説募集していたことがあるの覚えてますか? 最初に考えたのはそのころ。その後思ったのは、究極の超ガウリナらぶらぶうっ!!!にしちゃおうか・・・? なんてね。ガウリイ殺しちゃったのはまずかったかなあ。今はスレイヤーズ本編を流れるテーマの 継承ってことでいこうかなと思ってます。それ以上はなんも浮かんでこないんだけど・・。必殺いきあたりばったり!!! >>風に栗色の髪をなびかせながらふりかえると、 >>「あれ?あそこ・・・。」 >>あたしんちの墓地があるとこだ。女の人が立ってる。 >この文みて、最初リナの幽霊だと思ってました。 うーみゅ・・。正体バラさずにもうちょっとミステリアスに行けばよかったかな。ちょっち失敗。でも幽霊ってのは 少し考えてます。 >次回を期待していますので、がんばってください。 うっ!プ、プレッシャーが・・・・・なんとかするにょ。(あれのテレビ放送もうすぐなんだよな) |
3949 | おばあちゃんは大魔道士!! 2 | R.オーナーシェフ | 8/17-16:58 |
記事番号3930へのコメント 「きゃあああああああああああああ・・・・・・」 夜につつまれた森がゆがみ、さらに深い闇のなかへ一気におちてゆく。どこまでも。 いったいなんなのよ!? 「れ、レビテーション!!・・って!?きかないいいいいっ!!おちるううううっ!?」 ボカッ!! 「いたっ!」 「ええかげんにせい。」 「ミーナ姉ちゃん!?あれ!?ありゃりゃ!?」 「ありゃりゃじゃなくて。なーに1人でジタバタやってんのよ。しまいにゃいきなり呪文で浮かぼうとするし。」 「助けてくれたんだ。」 「まあ、あんだけおっきい声で騒げばね。」 ナナが言った。 「ところでレイナ?」 「ん?何?姉ちゃん?」 「ここ、どこ!?」 『・・・・・・・・・・・・・・・』 姉ちゃんはよくおじいちゃんに似ていると言われる。 「近道っていうからついてきたのに。先へどんどん行っちゃうし。でかい騒ぎ声でやっとみつけたのよ。」 「そっか・・・・・。どこだろ・・・ここ・・。」 森をまっすぐ抜ければとうちゃんかあちゃんが店のかたづけやってる姿が見えてくるはずなのだ。通ったのはこれが最初 ではない。 「おし!上から見てくる。最初っからこうすりゃ良かったわ。レイウィング!」 風の結界をまとい、あたしは一気に舞い上がり・・・・・ん? 三日月のうかぶ、木々に挟まれた夜空がゆがむ!? 突然なにかに引っ張られるような・・視界が暗転・・ こ、この光景・・・・目の前のベッドにおじいちゃん。そばには涙を流し必死によびかけるおばあちゃんが・・・・ 3年前のあたしが見た光景・・・・・・・・!? 刹那!! みえていたすべてが夜よりも深き闇に引き裂かれる!! 「はっ!?」 そこにたっていたもの。それは 『お、おばあ・・』 「ふふ。ただいま。ごめんね。ずっとあえなくて・・。」 |
3965 | おばあちゃんは大魔道士!! 3 | R.オーナーシェフ | 8/18-22:26 |
記事番号3930へのコメント 「り、リナおばあちゃん?」 「おばあちゃんよ!!おばあちゃんだ!!!わーい!!!!」 あたしと姉ちゃんは思わず抱きついた。 「会いたかった。おばあちゃん。」 「ずいぶん遅くなっちゃったわね。」 やがておばあちゃんはナナのところへ進み、 「お、おばあちゃん・・・?」 「無理もないわね。前は2歳、いや、1歳だったかしら。大きくなったわね。」 おばあちゃんはナナを抱き上げた。 「・・・あ、なんか・・なつかしいにおいがする・・・。」 目を閉じ、顔をうずめるナナ。 「なんか・・・・不思議な感じ。まるで何十年も遠い昔から知っているような・・・・。」 「・・そりゃそうかもね。」 『へ!?』 「ん?いや。なんでもない。」 あたしと姉ちゃんが、おばあちゃんの言葉の意味がわかったのは少し後のことだった。 「ところでおばあちゃん?あたし、いったいどうなって、どうやって助けてくれたの?」 「人の、悪い心が好きな魔物に悪い夢を見せられたのね。明るく元気でいれば大丈夫よ。どうやって助けたかは ・・・後で教えてあげる。」 「今知りたい。」 %E ワィ法 ,C慴i5Bめ。」 「なんでよ!?」 「きまぐれパツキン大魔王に食べられちゃうから。」 『大魔王!?』 あたしたち姉妹がハモった。 その後、三年ぶりの再開をよろこんだあたしたち一家はリアランサーというお店で食事をし、やがて家へかえりあたしは ベッドへはいった。 魔族。おばあちゃんたちがずっと戦ってきた相手。話に聞くだけであたしはまだ出会ったことがない。 レッサー・ブラスデーモンとかならけっこう倒してるが。森で体験したあれはやはり魔族なのだろうか。 あたしはおばあちゃんに言われるまでもなく、いつも元気だし、別に恐くはない。 恐くはないが・・・・・・・・・ まいいや。考えるのはよそう。・・あ。そういやあ、夕方、丘から眺めていた時に見えた女性。おばあちゃんなのだろう。 でも、なんか、若くみえたような気がする。はて・・・・? やがて、まぶたが、重くなってくる・・・・。 |