◆−太陽と月に背いて 第四楽章−浅島 美悠(8/19-10:07)No.3974
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3974太陽と月に背いて 第四楽章浅島 美悠 8/19-10:07




思ったよりもスムーズに行きそうだな、と心中で呟く。
下書きは一応終わったし、あとはモデルがいなくても大丈夫。
……けど………。
「インバース」
「ん? 何?」
「お前…時間、大丈夫か?」
ゼルガディスがとんとんと腕時計を指さす。
「え………あっ…ヤバイなぁ…。こんな暗いよ…。あたし帰る。今日はありがとね」
「ああ」
簡単明瞭に別れをすませ、てきぱきと片づけをする。
「………グレイワーズ君」
ぴしゃっと美術室の扉を閉め、鍵をかけながら。
何故か後ろで待っているゼルガディスに、振り向かずに声をかける。
「グレイワーズ君って、ここの近くだよね」
「あ? ああ…まあ………」
「じゃあ、歩き?」
「………何が言いたい?」
「ん……」
こりこり。
「途中まで、一緒に帰ろ?」

無論。
承諾である。
「夕日、沈んじゃったね」
「そーだな」
面倒くさそうに言う──いや、呟くゼル。
こーゆーシチュエーションは、昔からどーも苦手なのだ。
口調も態度も、知らずのうちに素っ気なくなる。
「あたしさ……夕日って嫌いだな」
さあっと吹く、夏独特の生温い風が、リナの髪をたなびかす。
「なんとなく……嫌いだな…。イヤでも思い出すから」
「思い出すって……何をだ?」
「ん〜……」
茶化すように、こりこりと頬をかく。
「…五年ぐらい前に起こった、すんごく吐き気のするよーな出来事……だよ」
「……っそ」
それ以上、彼は追及しなかった。
少女の横顔と、言葉とが、僅かながら震えていたから。
「あ、あたしこっちだから……」
住宅街の十字路で、リナはくいっとゼルガディスとは反対方向の道を指さす。
「じゃ、明日ね」
「おう」

青年は、ひらひらと手を振る。
少女は、その姿が見えなくなると、脅えを含んだ顔で、やはり帰り道を歩いて行った。

翌日、彼女はいなかった。

「………」
カバンは……ない。
少し遅く来るのかもしれない。
かもしれない、のに。
この胸騒ぎは──何だ?
一時限目は、シルフィールの古文だった。
コツコツと、鉛筆でノートの白紙を叩き、じれったい、の意思表示をする。
とにかく、いらいらする。
シルフィールの説明も、ジワジワと鳴く蝉の鳴き声も、こちらに向かってくる震動も──
……………。
こちらに向かってくる………震動?
がららっ!!
突如として舞い込んできた金色の塊に、教室中が硬直状態となる。
「がっ………ガウリイ、様? 一体どうし……」
「ゼルガディスっ!!」
シルフィールが声をかけるがあえて無視(ひでぇ…)
イキナリガウリイに呼ばれたゼルガディスは、とりあえず返事を返す。
「はい?」
「間抜けな声出すな! 先生、すいませんけどオレ今から休暇取ります!」
「へ? え? あの? がうっ……」
「ついでに、ゼルガディス・グレイワーズも早退しますんでーっ!」
「ちょっ…ちょっと待て旦那っ! 勝手にきめ……」
ゼルの抗議の声を無視し、0.001秒の速さで腕をつかみ、教室を出ていくガウ君でした。
あとには、今だその場の展開についていけない生徒達が残りました。


              太陽と月に背いて 第三楽章・了

ごめんなさいですわぁぁぁぁ…。次回っ! 次回で五年前のコトバラしますんでっ! ですわっ!

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3980夕日・・・。どみこ E-mail 8/19-13:07
記事番号3974へのコメント

浅島 美悠さんは No.3974「太陽と月に背いて 第四楽章」で書きました。
ふぁい!!どみこっでぇぇぇぇす!!
今回も感想書かせてもらいます!!
>
>
>思ったよりもスムーズに行きそうだな、と心中で呟く。
>下書きは一応終わったし、あとはモデルがいなくても大丈夫。
>……けど………。
けど・・・・?
>「インバース」
>「ん? 何?」
>「お前…時間、大丈夫か?」
>ゼルガディスがとんとんと腕時計を指さす。
>「え………あっ…ヤバイなぁ…。こんな暗いよ…。あたし帰る。今日はありがとね」
>「ああ」
>簡単明瞭に別れをすませ、てきぱきと片づけをする。
>「………グレイワーズ君」
>ぴしゃっと美術室の扉を閉め、鍵をかけながら。
>何故か後ろで待っているゼルガディスに、振り向かずに声をかける。
>「グレイワーズ君って、ここの近くだよね」
>「あ? ああ…まあ………」
>「じゃあ、歩き?」
>「………何が言いたい?」
>「ん……」
>こりこり。
>「途中まで、一緒に帰ろ?」
をを!!リナっちゃんたらっだぁぁぁいたぁぁぁん!!
>
>無論。
>承諾である。
>「夕日、沈んじゃったね」
>「そーだな」
>面倒くさそうに言う──いや、呟くゼル。
>こーゆーシチュエーションは、昔からどーも苦手なのだ。
>口調も態度も、知らずのうちに素っ気なくなる。
うんうん、やっぱりね。
>「あたしさ……夕日って嫌いだな」
何故に!?
あたしは夕日は結構好き。っていうか周りの空かな。
青から赤へのグラデーションがすっごく綺麗で。
>さあっと吹く、夏独特の生温い風が、リナの髪をたなびかす。
>「なんとなく……嫌いだな…。イヤでも思い出すから」
>「思い出すって……何をだ?」
>「ん〜……」
>茶化すように、こりこりと頬をかく。
>「…五年ぐらい前に起こった、すんごく吐き気のするよーな出来事……だよ」
そーか。色々あったんだね。
>「……っそ」
>それ以上、彼は追及しなかった。
>少女の横顔と、言葉とが、僅かながら震えていたから。
>「あ、あたしこっちだから……」
>住宅街の十字路で、リナはくいっとゼルガディスとは反対方向の道を指さす。
>「じゃ、明日ね」
>「おう」
>
>青年は、ひらひらと手を振る。
>少女は、その姿が見えなくなると、脅えを含んだ顔で、やはり帰り道を歩いて行った。
>
>翌日、彼女はいなかった。
>
>「………」
>カバンは……ない。
>少し遅く来るのかもしれない。
>かもしれない、のに。
>この胸騒ぎは──何だ?
うんうん心配なんだね。リナさんのこと。
>一時限目は、シルフィールの古文だった。
>コツコツと、鉛筆でノートの白紙を叩き、じれったい、の意思表示をする。
>とにかく、いらいらする。
>シルフィールの説明も、ジワジワと鳴く蝉の鳴き声も、こちらに向かってくる震動も──
>……………。
>こちらに向かってくる………震動?
>がららっ!!
>突如として舞い込んできた金色の塊に、教室中が硬直状態となる。
>「がっ………ガウリイ、様? 一体どうし……」
>「ゼルガディスっ!!」
ど、どうした!?
>シルフィールが声をかけるがあえて無視(ひでぇ…)
>イキナリガウリイに呼ばれたゼルガディスは、とりあえず返事を返す。
>「はい?」
>「間抜けな声出すな! 先生、すいませんけどオレ今から休暇取ります!」
>「へ? え? あの? がうっ……」
>「ついでに、ゼルガディス・グレイワーズも早退しますんでーっ!」
>「ちょっ…ちょっと待て旦那っ! 勝手にきめ……」
>ゼルの抗議の声を無視し、0.001秒の速さで腕をつかみ、教室を出ていくガウ君でした。
速い・・・。恐るべしガウリイ。と、いうことはリナちゃんの身に何か起こったんですね!!
>あとには、今だその場の展開についていけない生徒達が残りました。
>
>
>              太陽と月に背いて 第三楽章・了
>
>ごめんなさいですわぁぁぁぁ…。次回っ! 次回で五年前のコトバラしますんでっ! ですわっ!
はーい。期待してます!(プレッシャー/爆)
浅島さま、ふぁいと!!です!!!
では、どみこでした!!

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4045次回ついにっ!風月 みなな 8/22-01:02
記事番号3974へのコメント

浅島 美悠さんは No.3974「太陽と月に背いて 第四楽章」で書きました。

>思ったよりもスムーズに行きそうだな、と心中で呟く。
>下書きは一応終わったし、あとはモデルがいなくても大丈夫。
>……けど………。
もしかして、モデルをやっててもらってる間は逢える・・・とかおもってません??

>「インバース」
お!ファミリーネームで呼び合ってるんですね。

>簡単明瞭に別れをすませ、てきぱきと片づけをする。
>「………グレイワーズ君」
>ぴしゃっと美術室の扉を閉め、鍵をかけながら。
>何故か後ろで待っているゼルガディスに、振り向かずに声をかける。
>「グレイワーズ君って、ここの近くだよね」
>「あ? ああ…まあ………」
>「じゃあ、歩き?」
>「………何が言いたい?」
>「ん……」
>こりこり。
>「途中まで、一緒に帰ろ?」
リナちゃんも気になってるんですねぇー・・・しみじみ

>無論。
>承諾である。
惚れた弱み・・・くくっ(爆)

>「あたしさ……夕日って嫌いだな」
>さあっと吹く、夏独特の生温い風が、リナの髪をたなびかす。
>「なんとなく……嫌いだな…。イヤでも思い出すから」
>「思い出すって……何をだ?」
>「ん〜……」
>茶化すように、こりこりと頬をかく。
>「…五年ぐらい前に起こった、すんごく吐き気のするよーな出来事……だよ」
>「……っそ」
>それ以上、彼は追及しなかった。
>少女の横顔と、言葉とが、僅かながら震えていたから。
優しいんですね。ゼルちゃん。

>「あ、あたしこっちだから……」
>住宅街の十字路で、リナはくいっとゼルガディスとは反対方向の道を指さす。
>「じゃ、明日ね」
>「おう」
>
>青年は、ひらひらと手を振る。
>少女は、その姿が見えなくなると、脅えを含んだ顔で、やはり帰り道を歩いて行った。
>
>翌日、彼女はいなかった。
これは何かおこる気配・・・

>「………」
>カバンは……ない。
>少し遅く来るのかもしれない。
>かもしれない、のに。
>この胸騒ぎは──何だ?
『胸騒ぎの予感はハッピーバースデー♪』この歌詞の曲知ってます?(爆)はい・・・カンケーないです・・・

>「がっ………ガウリイ、様? 一体どうし……」
やはり『様』(笑)

>「ついでに、ゼルガディス・グレイワーズも早退しますんでーっ!」
誘拐してったくせに『ついで』・・・

>「ちょっ…ちょっと待て旦那っ! 勝手にきめ……」
>ゼルの抗議の声を無視し、0.001秒の速さで腕をつかみ、教室を出ていくガウ君でした。
>あとには、今だその場の展開についていけない生徒達が残りました。
次回分かるんですねぇ・・・
五年前の出来事の全貌が・・・っ!

>              太陽と月に背いて 第三楽章・了
>
>ごめんなさいですわぁぁぁぁ…。次回っ! 次回で五年前のコトバラしますんでっ! ですわっ!
待ってます☆☆☆