◆−青き石、赤き竜9−ねんねこ(8/25-14:16)No.4118 ┣最期の瞬間−ねんねこ(8/25-14:18)No.4119 ┃┗月夜の誓い−ねんねこ(8/29-15:16)No.4167 ┃ ┣感想書きに来ました。−桜井 ゆかり(8/29-16:32)NEWNo.4168 ┃ ┃┗ありがとうございます!−ねんねこ(8/30-14:36)NEWNo.4177 ┃ ┗Re:月夜の誓い−笹森 明日香(8/29-20:22)NEWNo.4169 ┃ ┗またまたどーもです。−ねんねこ(8/30-14:38)NEWNo.4178 ┣Re:青き石、赤き竜9−笹森 明日香(8/25-18:17)No.4126 ┃┗いつもいつもありがとうございます−ねんねこ(8/27-16:51)No.4145 ┗良かったですv−雫石彼方(8/25-21:09)No.4130 ┗そう言って頂けると……(感涙)−ねんねこ(8/27-16:54)No.4146
4118 | 青き石、赤き竜9 | ねんねこ | 8/25-14:16 |
こんにちは、ねんねこです。 …………………………… のひぃぃぃぃぃぃぃっ! ツリー落ちてるぅぅぅぅっ!? 最後の1話なのに―。しくしくしくしくしく。 では、張り切って参ります。最後までどーぞっ! 「ったく。今日はまたこてんぱんにやられたな、クラヴィス」 「やかましいぞっ、アドニスっ! 大体いたいけな子供相手に問答無用に本気でかかってくるか、普通!?」 絶対なんか恨みを持ってるぞ、とぶちぶち文句を言うクラヴィスにアドニスは苦笑いした。 「ノヴァの旦那は一番この仕事に向いているからな」 「……? どういうことだ?」 尋ねるゼルガディスの頭をぺしぺし叩きながら、アドニスは答える。 「自分の目的のためならなんでもする。たとえ相手が子供だろうと女だろうと容赦はしない。人としての心を捨て、すべてを利用する。 ……おれにはあまりむかん仕事だ」 「じゃあ、なんでやってんのさ」 「……幸せって奴を見つけたいのさ」 『幸せ?』 クラヴィスとゼルガディスは声をハモらせた。 「いい気なもんだなぁ、クラヴィス」 腕を折られ、のた打ち回るクラヴィスにアドニスは嘲り交じりで言った。 「裏の世界で働いていたことも忘れ、良いとこの坊ちゃんやってて幸せだろ?」 「……何が言いたい」 「てめぇを見ていると虫唾が走る。たいした苦労もせず人並み以上の幸せって奴を味わってるてめぇを見てるとな。あのお姫さんもだ」 言って、アドニスはクラヴィスの腹に蹴りを叩き込む。 咳き込むクラヴィスを見下ろして、続ける。 「ノヴァに教えられたよ。“幸せ”っつーのは、誰かの犠牲によってのみ得られるってな。お前は誰を犠牲にしたんだ? 裏の世界から抜け出せるきっかけを作ってくれたゼルか?」 言われてクラヴィスはアドニスを睨みつけた。 自分が裏の世界から――しいてはレゾの元から抜けたのは、ゼルガディスの両親のことを知って、取り乱したことが原因だった。その取り乱したところをゼルガディスは偶然にも聞いてしまい、あんな姿へとなった。ゼルガディスの犠牲と引き換えに、裏の世界から抜けられた、と言われても何の文句も言い返せない。 「だからって姫君捕まえて、犠牲にして幸せを手に入れようってか? おきらく極楽天然記念物ものの天井知らず馬鹿だな」 「口数の減らん奴だな」 「あの冷徹策士の言うことを鵜呑みにしてやがる脳足りんなてめぇにひとつ教えてやるよ。 誰かの犠牲によって得られた“幸せ”なんて、偽りの“幸せ”に過ぎねぇんだよっ!」 昨日、ゼルガディスにすべてを話したアメリア。 母親の犠牲によって得られた『生きる』という幸せは、結果彼女に『母親を犠牲にしてしまった』という心の傷を残すこととなった。 「あんた、騙されてるんだよっ、ノヴァにっ!」 動くことを拒否した身体を無理矢理動かす。 アドニスは狂ったように叫ぶ。クラヴィスにはまるでアドニスが自分自身に言い聞かせるように聞こえたが。 「違うっ! おれは幸せを手に入れるんだっ!! 楽園を手に入れるんだっ!!」 「アドニスっ!!」 構わずアドニスは、クラヴィスに掴みかかろうと、一気に間合いを詰め―― ざしゅっ! そんな微かな音を立てて、アドニスの身体は軽く切り裂かれた。 「っ!?」 驚くアドニスにクラヴィスは先ほど懐から取り出した金属の糸を再度操った。 それは、アドニスがクラヴィスに手ほどきした暗殺術。 「悪く思うなよっ!」 金属の糸はアドニスの身体に潜り込んだ。 「……なぜ殺さない? クラヴィス」 「幸せっつーもんを勘違いされたまま死なれるのは嫌なんだよ」 倒れたアドニスに向かって冷たく言い放った。 「勘違い?」 アドニスが訊いてくる。急所をはずしたとはいえ、重症だ。動けないので襲ってくる様子もない。 「確かにあんたの言うとおりだ。時と場合によっちゃあ、幸せは誰かの犠牲によって得られる。だけど、全部が全部ってわけじゃあないだろ? オレはゼルを踏み台にして裏の世界からぬけた。それは、認めよう。だけどさ、オレはオレなりにあいつが幸せになるために協力してると思ってる」 「…………」 「本当の幸せって、人と人が協力し合って初めて得られるもんだと思うね。 『人は一人じゃ生きていけない』なんて、中途半端な人生送ってる奴がよく意味もわからず使う言葉だけどさ、それって一人じゃ幸せになれないから生きていけないって意味じゃないのか? 二人でも三人でも良いんだ。ただ、普通に暮らしていく中でみんなで笑いあったりすることが幸せなんじゃないのか?」 「…………」 「オレは……あんたと一緒に生活して仕事して馬鹿騒ぎして……結構幸せだと思ったけどな」 「…………あれが幸せ?」 「一人で生きてくのは辛いことさ。何かの感情を分かち合うことこそ幸せなんじゃないか? これはあくまで二十二年間生きてきたオレの持論だが」 「おれは………幸せだったのか?」 「それは自分で考えろ。幸せの価値観なんて誰もが一緒じゃない」 肩をすくめて、クラヴィスはアドニスに近づいた。彼の体にリザレクションをかける。 「…………クラヴィス」 アドニスの声にクラヴィスが顔を上げた。 アドニスがクラヴィスに向かって手のひらを向ける。 一言、呟く。 「ディム・ウィン」 生まれた風にクラヴィスが吹き飛ばされた。左腕を折られて、アドニスにこてんぱんにのされた身体は容易く地面に叩きつけられた。 「なにしやがるっ!?」 「良いんだ。回復なんて」 「何言ってやがる……このままじゃ死ぬぞ」 「今のダメージでお前も立てないだろ? お前は元から堪え性がないんだ。あまり無理して体に負担をかけるな」 確かに動きそうもなかった。意識もかろうじてという感じだった。 「クラヴィス」 「なんだ?」 「ノヴァの奴に言ってくれ。『地獄で待ってるから』ってな」 「……オレが責任もって送り出してやる」 「すまんな……それと……」 「なんだ?」 「おれも幸せだったかもしれない。裏の世界にいても……」 「幸せなんてどこにでもあるさ。気付かないだけで」 アドニスが笑った。 「あの姫君に謝っておいてくれ。おれがあいつに手を貸したりしなければ、こんなことに巻き込まれなかった」 「わかった」 アドニスは満足そうな笑みを浮かべて――静かに目を閉じた。 「あんたはすごいよ。ほとんど計算どおりに事を運んだ」 クラヴィスがノヴァを睨みつけながら静かに言った。 「アドニスはレゾが死んで裏の世界から足を洗おうとしてたんじゃないのか? それをあんたがたらしこめたんだ。『幸せを得たくはないか』と言ってね」 ゼルガディスが続ける。 「いつもの手口でセイルーンに入り込んだお前は、『女神の涙』と魔道書のことを知った。厳重な警戒を縫って入り込み、『楽園』を手に入れようとした。あの見張りを縫って侵入するのはあんたにとっちゃ造作もないことだろ。 『女神の涙』を手に入れて、きっとあんたは満月の夜に呪文を唱えたんだろうな。でも何も起こらなかった。当然だ。それは偽物だったんだから。 本物を探していた時、あんたは偶然にもアメリアとあった。いつもは蒼い石が紅くなっていたのを見たあんたは本物だと確信した。偶然にも本物の持ち主を知ったあんたはわざわざアメリアに予告状を送った」 言って肩をすくめる。 「予告状を送りつけた理由は二つ。一つは自分の身の保証。いくらレプリカとはいえ、一国の王女の持ち物が盗まれたとなれば騒ぎになる。直後に姿を消せば嫌でも自分に疑いがかかるからな。二つ目は――」 ちらり、とアメリアの方を見る。彼女はだいぶ落ち着きを取り戻したようだ。泣き止んで、こちらの話に耳を傾けている。 「二つ目は、アメリアを城の外におびき出すためだ。盗むには、どうしても彼女の前に姿を現さなければならなかった。彼女を生かしておけば自分の事がばれる恐れがある。だから、予告状を送ってアメリアを外におびき出し、ある程度セイルーンから離れたら、迎えに来たフリでもして石を奪って殺すつもりだったんじゃないのか?」 「でも……もしわたしが予告状を見ても城から出なかったらどうするつもりだったんですか?」 アメリアが尋ねる。ゼルガディスは彼女を見る。 「出てったよ、お前は絶対に」 「なんで?」 「お前は石が本物だと知っていて、それでも父親に話さなかった。予告状が送られたくらいでお前がフィルさんに話すとは思えない。どっちかといえば、『犯人自分で捕まえてやるっ!』とか息巻いて外に出て行く可能性がお前の場合、ほぼ百パーセントだ」 「あう」 アメリアがうめいた。実はゼロスに身代わりを頼んだ時の台詞そのままだったのだ。 「ちなみにあの予告状を書いたのはアドニスだな。筆跡から自分が犯人だとバレないように。 後はアドニス使って事件に絡んだ人間を残らず抹殺。もちろんアドニスも含んでな。そして自分はのうのうと楽園とやらを手に入れる」 ゼルガディスが冷ややかな目でノヴァを見る。 黙ったまま動こうとしないノヴァ。 彼を見つめて、クラヴィスが嘆息した。 「あんたの誤算は魔道書の解読が完全でなかったこととオレたちの乱入だった。少し甘く見すぎたんじゃないのか? 俺だって、裏の世界を抜けたとはいえプロだ」 「はっ! なんとでも言え」 ノヴァが鼻で笑った。二人の推測を否定しないところを見ると大方あっているのだろう。 「いいか? 私はこの森をすべて網羅している。そして『女神の涙』はこちらにある。私の勝ちなんだよ」 「それはどうでしょう?」 「なにっ!?」 ノヴァの声にゼロスは懐から蒼い石のペンダントを取り出す。 「実はこっちが本物だったりして♪」 「あああああっ! ゼロスさんっ! いつの間にっ!?」 アメリアが指をさして叫ぶ。 ノヴァが目を見開いた。 それを眺めて、ゼルガディスはこめかみに手を当てて呟く。 「……こっちが力ずくで取り返さない時点で気づけ」 「黙れっ! 出来そこないの『後継者』がっ!」 石を捨て、ノヴァが叫んだ。 言われたゼルガディスとクラヴィスから殺気がにじみ出る。ゼルガディスが静かに剣を抜こうと、柄に手を伸ばした時だった。 「失礼ですねっ! ゼルガディスさんは出来そこないなんかじゃありませんっ!」 いつものように指差して、いつものように啖呵を切ったのは、やはりいつものようにアメリアだった。 「たしかにっ! ちょっと不器用で無愛想でちょっとじゃ済まされないくらい女運悪くて、性格もひねくれてるし、何よりっ! 思いっきり不幸を絵に書いてみましたってひどい人生送ってるけどっ!」 「うわっ、ひど」 「出来そこないとどっちがマシでしょう……」 クラヴィスとゼロスが同時に呟く。言われた当の本人はめいっぱい顔を引きつらせていた。 「けどっ! ゼルガディスさんは人に信頼されて、それに一生懸命応えてますっ! レゾさんみたいにたくさんの人は後について来ないけど、でも、クラヴィスさんもわたしもゼルガディスさんにちゃんとついていってますっ! 誰も自分の意見についてこないようなあなたのほうが、よっぽど人間として出来そこないですっ!」 断言されて、ゼルガディスは思わず恥ずかしさに顔を赤らめた。クラヴィスの方を盗み見る。彼は苦笑いをしていた。 ゼルガディスは、とりあえず完全に勢いをそがれたノヴァを見る。 「セイルーン秘宝強奪未遂に王者暗殺未遂。どっちにしても死刑ものだな」 「どうするつもりだ?」 「ゼロスからは、関わったものを殺せ、と言われているし、あんたの後ろからクラヴィスが狙ってる」 ゼルガディスは嘆息した。クラヴィスは一歩前にでる。 「アドニスと約束したんでな。てめぇを地獄に送ってやると。 まぁ、あんたが行きたがってたところとはちょっと違うが似たようなもんだろ? どうせ死ぬんだ」 クラヴィスは静かに呟いた。 満月が輝いていた。 自分の部屋の窓から月を見てゼルガディスは視線をベッドの上の少女に向けた。少女の前には紅く光る石を持つ神官。更に、視線をはわすと、壁にはってある絵を指差して『下手くそ』と呟く聖職者もどきの姿。 アメリアはすべての事をゼロスから聞いた。 石について。そして自分の上司から石を破壊しろ、と命じられたことについて。 「え……と、ですからこれは……」 かなり言葉を選んでゼロスが言う。 アメリアが泣きそうな表情を浮かべる。 「……壊しちゃうんですか?」 「う……」 「大事な形見なんです……」 「うう……」 「ゼロスさん」 アメリアがまっすぐゼロスを見つめた。 「……お願い……返して」 「うううううううう」 ゼロスはうめいた。 はっきり言って究極の選択。 彼女の笑顔を取るか、上司の誉め言葉を取るか。 究極の選択をするゼロスを見て、ゼルガディスは意地悪そうな笑みを浮かべた。 「アメリアの想いを犠牲にしてまで任務を遂行するなんざ、いい度胸だな。ゼロス。まるで竜族みたいだ」 「うううううううううううううううううううううう」 ゼルガディスの言葉が効いたらしい。 ゼロスは泣きながらアメリアにペンダントを返す。 にゃぱあ。 嬉しそうな顔をするアメリアに、ゼロスはほんのり顔を赤くする。 「じ……じゃあ、僕はこれで失礼します」 そう言い残して消えたゼロスを見送って、ゼルガディスは手にした便箋を彼女に手渡した。 「? 何ですか?」 「親父さんに一筆書いてやれ。報告書と一緒に送るから」 報告書の中身は至極簡単な内容だった。 魔道書と『女神の涙』の本当の存在理由のこと。 実はアメリアが持っている石こそ本物だということ。それは、フィリオネルの胸だけにしまっておいて欲しいということ。 そして、秘宝のことを知ったバロック大臣がアメリアを狙って、死んだこと。 アドニスのことは一切書かれていなかった。 文章の最後には、ゼルガディス=グレイワーズ、クラヴィス=ヴァレンタイン両名の書名がついていた。 「こーいうのもなんだけどさぁ」 朝、というべきだろう。やはり昨日も自分のベッドを占領されたクラヴィスが寝ぼけ眼で言った。 「いーのか? アメリアちゃん、セイルーンに返さなくて」 ベッドの中でやはり寝ぼけ眼――というより半分寝ているゼルガディスが、布団から頭と手だけ出した。手をぱたぱたと振る。 「確かにフィルさんにゃ『セイルーンに連れ帰せ』とは言われたけど、『いつ』とは言われてないだろ? セイルーンに戻るつもり当分ないし。 まあ、気をつけて帰れよ。言うだけ野暮だが」 「あれ? 言ってなかったっけ?」 クラヴィスがベッドから身を起こし、ゼルガディスを見た。 「誰とは言わないけど誰かさんが窓ガラス割ってくれたおかげで、兄貴に家を追い出された。 『当分帰ってくるな』だと。 つーわけで、当分の間ついていくぞ。なぁ、誰かさん」 脱力しきってゼルガディスは亀のように布団の中に頭と手を引っ込めた。 クラヴィスがベッド脇まで歩いてくる。 「起きろよ。もう朝だぞ」 「嫌だ。まだ寝る」 「いい天気だぞ」 「嘘つけ。まだ日の出前だ」 「……………………」 クラヴィスが窓の外を見る。外はまだ暗い。月も出ている。 夜明け前。 「…………朝飯、食わないのか?」 「食べるけど、作らない。手伝いもしない。寝る」 クラヴィスの顔が引きつった。しっかり親友は自分の考えを知っているようだ。 クラヴィスが掛け布団をむんず、と掴んだ。 一気に剥ぎ取ろうとする。 「もう朝だっ! 朝だそ、朝。もうちょー朝って感じぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」 「嫌だぁぁぁぁぁぁぁっ! 寝るぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」 掛け布団に必死にしがみつき、ゼルガディスは絶叫した。 不意にむくりと少女は起き上がる。 まだ暗い空を見て、ベッドサイドにおいた懐中時計を見てからアメリアは憮然と呟いた。 「………うるさい」 「さて、と」 朝食も食べ終わり、旅の仕度も済んでアメリアとクラヴィスは屋敷の外に出た。 ……ちなみに余談だが、今朝(と言うべきだろう。夜明け前だが)の勝負とも言えないクラヴィスとゼルガディスの意地の張り合いは、ゼルガディスが朝食を作るのを手伝う、という形で終了した。とはいえ、クラヴィスが勝ったわけではない。必死にしがみつくゼルガディスごと掛け布団を部屋から出したクラヴィスが、廊下であろうことかアメリアと鉢合わせし、掛け布団……もといゼルガディスもろとも一階広間に蹴り落とされたのだ。 二人が出てからしばらく経って、やっとゼルガディスは屋敷から出てきた。 「何してたんですか?」 アメリアの問いにゼルガディスは屋敷の入り口に鍵をかけながら言った。 「戸締りと火の元の確認。それから――忘れ物をとりに」 「忘れ物?」 「うむ」 頷き、荷物に突っ込んでいたものを取り出した。そのままその手を上にあげて、すばやく尋ねたクラヴィスに腕を振り下ろす。 すぱこんっ! 「あだっ!?」 小気味いい音と共にクラヴィスが声をあげた。彼の非難の目を無視し、手にしたハリセンを指差してゼルガディスは言った。 「『馬鹿矯正装置』。またの名を『クラヴィスたこ殴り機』。ちなみにこれを作った爺さんがつけた名前は『あんまり馬鹿やってるとたこ殴りにしちゃうよハリセン』だったか。あまりにネーミングセンスの欠片もない名前なので、名前を募集しようと思ってな。なんかいい名前ないか?」 「な・に・が『馬鹿矯正装置』に『クラヴィスたこ殴り機』だっ! 大体オレがちょーっとばかりからかってやったらあっさりレゾに泣きつきやがってっ!」 「はっ! ちょっとばかし!? 毎晩毎晩、寝てる人の耳元で、怖い話のオンパレードしやがって!」 「たった一ヶ月話しただけで夜鳴きして一人で寝られなくなったくせにっ! こぉの根性なしがっ!!」 「自分だって三日にいっぺん『これも修行だ』とか言われて骨折られてピーピー泣いてたくせにっ! お前、腕細っこいんだよっ!」 「はっはっはっ、もやしっ子に言われたかないなぁ」 永遠に続きそうな勢いの言葉のじゃれあいにアメリアは思わず嘆息した。 ゼルガディスが自己を隠しているとは薄々(と言うかだいぶ)気付いてはいたが、まさかここまでお茶目でおしゃべりだったとは。まぁ、こちらの方が人間らしいが。 彼女は静かにゼルガディスの手からハリセンを取り上げた。すうっ、と息を吸ったアメリアに気付いて二人がほぼ同時に彼女を見る。 まもなく彼女が渾身の力を込めて、ハリセンを振り下ろす。 二人の男が彼女を怒らせると怖いと改めて認識したのは、二回の小気味いい音が『迷いの森』に響いてからのことである。 ≪終わり≫ おわりました。ぜえぜえ。長かったですね。本気で話を詰め込みすぎて、話が異様に長くなるというねんねこの悪癖がもろに出ました。わけがわからなかった方はもう一度最初から読んでいただければ、もう少しは理解できるかな、と……(汗) さて、今回のテーマは『幸せとは何ぞや』です。 母親を犠牲にして生き延びて、心に傷を負ったアメリア。 そばにあった幸せに気付けなかったアドニス。 そして、自分の幸せのためなら、他人を利用し、犠牲にするノヴァ。 それぞれを取り混ぜて書いてみました。 一番ましだったのは、『誰かを犠牲にした幸せは偽りの幸せだ』と気付いていたアメリアではないでしょうか。彼女の心の傷は、完全には消えていないもののゼルの言葉で多少なりとも癒されているのではないかと思います。 そして、クラヴィス。相変わらず性格のつかめない男です。こんな奴を好きだ、と言って下さった方々、本当にありがとうございます(ぺこり)彼は多分、ねんねこの今後の作品にもちゃっかりでてくると思われますので、その時はまた応援してやってください。 最後にここまで読んでくださってありがとうございました。ねんねこでした。 |
4119 | 最期の瞬間 | ねんねこ | 8/25-14:18 |
記事番号4118へのコメント ねんねこです。いくらなんでもたった1話に新しいツリーというのもなんなので、話を書いてみました。今回の主役は……クラヴィス君ですっ!この話は、彼が好きだっ!といってくださった方々に贈ります。ちょっと違う雰囲気のクー(←ちょっと気に入ってる呼び方)です。ではどーぞっ! 『最期の瞬間』 「ったく、ついてないよなー。雨なんてさ」 宿泊するため立ち寄った小さな街。中央広場に植えられた大きな木の下で、クラヴィス=ヴァレンタインは呟いた。 長い腰まである黒髪。綺麗な宝石のような翠色の瞳。長身痩躯で神官服を身に纏い、首から銀色の指輪を通した鎖をさげていた。 空を見上げれば、どす黒く重たそうな雲。先程までの晴れ渡った青空が嘘のようだった。 旅の供である二人がいる宿屋までは後少し。とはいえ、バケツをひっくり返したようなこの土砂降りの中、走って帰るのにもいささか抵抗があった。 結局濡れるのが嫌なので、雨宿りをしているわけだが―― クラヴィスの視線が通りの先で止まった。 誰も通らない道に子猫が歩いてくるのを見つけて、クラヴィスは辺りを見回した。 飼い主らしき人物どころか、この雨のせいで人影すらない。 視線を子猫に戻す。 小さな身体。生まれてからまだあまり経っていないだろう。ふらふらと頼りなげに歩いている。 クラヴィスはもう一度空を見上げた。 雨はやみそうにない。 彼は懐からタオルを取り出すと、土砂降りの雨の中を駆け出した。 「わぁっ、かわいいっ!」 びしょ濡れで部屋に戻ってきたクラヴィスの腕の中でタオルに包まれたものを見て、アメリアが駆け寄った。クラヴィスは彼女にタオルごとそれを渡し、読書していたゼルガディスから別のタオルを受け取ると、まず濡れた髪を拭き始めた。 「とりあえず飼い主が見えないんで連れてきてみた」 クラヴィスの言葉に離れていたゼルガディスもアメリアに近づいて、タオルの中を覗きこむ。 にゃあ、と小さく鳴きながら先程まで雨に濡れてた子猫が顔を出す。 基本的に猫は嫌いじゃない。可愛いし、むしろ好きなほうだ。だが―― 「あんまりそいつを俺に近づけるなよ」 ゼルガディスの忠告にアメリアは首をかしげた。 「何でですか? もしかして猫嫌いとか?」 「嫌いじゃないが、苦手なんだよ。人を見るとうれしそーにやってきて、爪とぎするんだ」 『…………』 子猫を警戒のまなざしで見るゼルガディスに、とりあえずかける言葉が見つからず、アメリアとクラヴィスは苦笑いした。 「でも、飼い主がいないんだったら名前つけてあげないと」 アメリアが指をちょろちょろと子猫の前で動かしながら言った。子猫は彼女の指を捕まえようと一生懸命手を伸ばしている。 そんな光景を見ながらクラヴィスは言った。 「なんかそいつオスみたいだよ」 ぴしいっ! ゼルガディスの顔が思いっきり引きつったのを見たのは、クラヴィスだけだった。ゼルガディスは引きつる顔をできるだけ隠し、静かに言った。 「……アメリア、お前もあんまり近づくな」 「何でですかぁ!?」 素っ頓狂な声を上げ、頬を膨らまして詰め寄るアメリアにゼルガディスは思わずのけぞった。子猫が嬉しそうにゼルガディスの身体にしがみつこうと手を伸ばす。それを見て慌てたゼルガディスが更に身を引いた。 「のわっ!? アメリア、近づけんなっ!」 「何でわたしまで近づいちゃいけないんですかぁっ!? そんなの横暴ですっ!!」 「にゃあ(はぁと)」 「のひぃぃぃぃぃっ!」 不用意な発言で自らを危険にさらした親友を見てふと思う。 (異様なまでの独占欲は人間外生物にまで有効か) 更に続くゼルガディスの悲鳴のような助けを求める声に自業自得だと呟きながら、クラヴィスは自分の部屋に着替えを取りに戻った。 ちなみに子猫はクラヴィスによってノエルと名づけられた。 ノエルが元気に三人の周りをひょこひょこと走り回っていたのはほんの数日間だけだった。 日が経つにつれて、ノエルは衰弱していった。 体はやせ細り、小さいからだが更に小さくなった。ミルクをやってもすぐに吐いてしまった。 「やっぱり雨に当たっていたのがいけなかったのかしら……」 クラヴィスの腕の中で眠るノエルを見ながらアメリアは心配そうに呟いた。ゼルガディスは嘆息して読んでいた本をぱたん、と閉じた。可愛い猫の絵が書いてある表紙には、『猫の飼い方』という題名がかかれてある。 ゼルガディスもノエルを見ながら言う。 「……もしかして先天性の病気なんじゃないか?」 「先天性の病気?」 尋ねるアメリア。答えたのはクラヴィスだった。 「生まれつき持っている病気のことだよ。遺伝子異常でね」 寝言だろうか。にゃあ、と鳴いたノエルをクラヴィスは弱々しく微笑んで優しくなでてやった。 ゼルガディスとクラヴィスの予想通り、ノエルは先天性の病気を持っていた。 見せた獣医によれば、もうすでに末期状態にあるらしく、もってあと数日。 その日の夜、死を宣告された子猫を抱いて、クラヴィスは窓から外を見上げた。夜空には数多の星が瞬いていた。 「なあ、ノエル。お前はあそこに天国があると思うかい?」 返事はない。 呼吸の回数もだんだんと減ってきたノエルをなでながら、クラヴィスは直感した。 「お願いがあるんだ、ノエル」 視線をノエルに向け、撫でていた手で自分の胸元に輝く指輪を静かに握り締めた。 「天国に寂しがり屋の女がいるんだ。オレはまだ行けそうにもないから、お前行ってついててやってくれないか?」 子猫の体がほんの少しだけ動いた。クラヴィスに擦り寄って、 「にゃあ」 弱々しく鳴き。 そして―― クラヴィスは徐々に体温を失っていくノエルを優しく撫でた。 「おやすみ、ノエル。よい夢を」 翌朝。 街から少し離れた湖のそば木の下にノエルを埋葬した。 ぼろぼろに泣くアメリアの頭を静かに何も言わず撫でているゼルガディスから視線をはずし、クラヴィスは空を見上げた。 雲ひとつない真っ青な空。 (あの時、鳴いてくれたのは『いいよ』って意味だったんだろ? ノエル) もしも天国があったなら。 ただ一人の最愛の妻の周りにノエルがじゃれついているのも思い描いて―― クラヴィスは静かに微笑んだ。 ≪終わり≫ |
4167 | 月夜の誓い | ねんねこ | 8/29-15:16 |
記事番号4119へのコメント ねんねこです。『蒼き石、赤き竜』のちょっとした続きを書いてみました。書いているうちに考えていたものとだいぶ違うものになりましたがなんとなくゼロス→アメリア、です。ゼルが一人でいじけてますが(汗)そんなにラブラブではないです。というわけで、あまあまという部分はありませんので、そっちは期待しないで下さい。では、どーぞ。 『月夜の誓い』 空に浮かぶ白い満月。 月の鏡に照らされて、『女神の涙』と蒼から紅へと変化する。 その石の持ち主――アメリアは明かりもつけずベッドの上で膝を抱えて座っていた。 「あのぉぉぉ」 戸惑いを含んだ声。彼女は上目遣いで先程からベッドのもう半分に腰をかけている黒い神官を見た。 「ゼロスさん」 「なんですか?」 「わたし、そろそろ眠いんですけど……」 言われてゼロスは思いついたようにぽん、と手を打った。 「ああ、じゃあ、添い寝してあげましょうか? それともそれ以上の――」 言い終わらないうちに。 ばだんっ! 「ゼロスっ!」 かなり険悪な顔をした男が扉を蹴破って入ってきた。ゼロスは一瞥すらせず言った。相手が誰だかわかっている。 「おや、どうかしたんですか? ゼルガディスさん」 ゼルガディスと呼ばれた男はどすどすと部屋に入り込んで、ゼロスを指差した。 「どーせ、お前のことだからそろそろ出現するころだと思ったら案の定……! いいか、今すぐアメリアから五メートル以上離れろ。さもないと……」 「さもないと……なんです?」 面白そうにゼロスはゼルガディスを見た。ゼルガディスはきっぱりと告げる。 「お前が俺たちと一緒に旅していた間、毎日アメリアの隙をついて日記を盗み読みしてたことをばらすっ!」 「なぁぁんですってぇぇぇっ!?」 「って、もうばらしてじゃないですかぁぁぁぁぁぁっ!!」 アメリアの怒りの声とゼロスの泣き声のような悲鳴が宿に響いた。 「まったく……一体何しに来たんだ!? お前は!?」 翌朝。 ゼルガディスはなぜか一緒についてくるゼロスを鬱陶しそうに(いや、実際彼にとっては鬱陶しいのだが)見ながら言った。昨夜、アメリアにしこたま『大嫌い』と言われて、精神的にぼろぼろになったゼロスは素直に答える。 「見張りですよ」 「見張り?」 おうむ返しに尋ねたのはクラヴィスだった。ゼロスは一つこくんと頷いた。 「先月の一件で確かにあの『女神の涙』を利用しようと目論む方々はお亡くなりになりました。魔道書の方もあなた方の報告のおかげで、フィリオネル殿下は厳重に封印なさりました。 しかし――」 ゼロスは少し先で蝶を追いかけているアメリアに目を向けた。 「あの石がある限り、『竜神が復活するかもしれない』という魔族の警戒は変わりません。 僕は獣王様からアメリアさんと共にあの石を監視しろと言われました。特に召喚可能になる満月の夜は――」 「だ・か・ら・って!! 夜中に部屋に忍び込んで、お見合いよろしく二人でベッドの上に座るこたぁねぇだろっ! 普通に見張れっ! 普通にっ!!」 何故か愛用のハリセン(ちなみにアメリアは何故か『非常識人間構成器具・正義<ジャスティス>君』と呼んでいる)を取り出して、ゼロスに詰め寄った。 少々勢いに押されたゼロスが体の重心を少し後ろにずらして言う。 「だってしょうがないじゃないですか。本当は破壊して来い、って言われたのを涙ながらに説得して監視ということにしてもらうまで一ヶ月もかかっちゃったんですよ」 「……一ヶ月もそんな説得してたのか……」 クラヴィスがうめいた。ゼルガディスは憮然とした顔で言う。 「……つまり、他の仕事が入らない限り、この先ずっとついてくるって言うのか?」 「ええ。アメリアさんが召喚できない、という確証を得るま…で……」 言いかけて、ゼロスは通りの真ん中で立ち止まる。思わずゼルガディスとクラヴィスも立ち止まった。 ゼロスが何かを思いついたようにぽん、と手を叩いた。いつもの笑みを浮かべて言う。 「そうですね。アメリアさんは石を失いたくない。 僕は彼女が召喚する恐れがなくなるまで見張らなければならない。 二つの要求を見事に解決する方法は、いっそのこと、僕がアメリアさんを汚してしまえば――」 「アストラル・ヴァインっ!」 声と共に赤い光がゼロスを襲う。かろうじてそれを避け、赤い光が来た方を見やれば、赤く輝くハリセンを手にゼルガディスがこちらを睨んでいる。 「……今、なんて言った? ゼロス」 静かに、ただしこれ以上ないというほどの殺気を込めて、ゼルガディスが尋ねる。 あまりの迫力に慄いて、ゼロスはぶんぶんと首を横に振る。 「じょ……冗談ですよ……」 「ゼロス……一つだけ忠告しといてやる」 クラヴィスがゼロスの肩を叩いて言う。 「ゼルには冗談でもそういうこと言わん方がいいぞ。こいつ、死ぬ気で攻撃しかけてくるからな」 「あのぉぉぉぉぉ」 突然した声に3人が振り向く。 少し先でアメリアは不思議そうに首をかしげながら自分の前にある建物を指差す。 「図書館、こっちなんですけど」 とりあえず、図書館に入って四人はそれぞればらばらに散っていった。 とはいえ、別段、図書館に用のないゼロスは何か面白いことはないかと何列もある本棚を見て回った。 と。 ある列でアメリアが自分の背より高いところにある本を一生懸命手を伸ばして取ろうとしているのを発見し、彼はくすりと笑った。 近づいて、目的物らしき本を代わりに取ってやる。 「これですか?」 尋ねるゼロスにアメリアは満足そうに笑った。 「そーです。ありがとうございます」 「一体何の本ですか?」 見たところ彼女の好きなヒロイック・サーガの類ではないようだ。とはいえ、彼女の歳相応の本でもないような表紙だったが。感じとしては、おとぎ話のようだった。 アメリアは『ああ』というふうに本の題名をゼロスに見せながら言った。 「『月の誓い』の物語ですよ」 コツコツコツコツコツコツコツコツ。 机を指ではじく音が、静かな館内の読書室に響き渡る。読書室は二階にあり、ほとんどの街の図書館と同じように一階の本棚が見渡せるようになっている。読書室にも本棚のところにも人はほとんどいないので、その音に文句を言いにくる人間は別段いないが、やはりその音が迷惑になっている人間もいる。 「落ち着きねぇな。もう少し静かに読書くらい出来ないのか?」 机をはさんで向かい側に座っているクラヴィスに言われて、ゼルガディスはそちらを一瞥すると、机をはじくのを止め、すぐさま視線を元の位置に戻した。 本ではない。 視線の先には、楽しく談話しているアメリアとゼロスの姿。 それを見て、クラヴィスが嘆息した。 「まったく……話をするくらい良いじゃないか。アメリアちゃんはお前一人のもんじゃないだろ?」 「やかましい。気にしちゃいないよ」 言って二人に背を向けるが、やはり気になるのかちらちらと盗み見る。 「……しっかりきっぱり気にしてんじゃないか……」 クラヴィスが嘆息する。ゼルガディスは彼を睨んだ。 「大体、お前なんでこんなところにいるんだよ。お前のためにこの街に来たんだ、さっさと目的のところにいけよ」 「ひどい言い草だね。良いじゃないか、オレがいつ行こうと」 「いちいち人の行動に逐一ツッコミ入れられるの嫌なんだよ」 ゼルガディスはいい、ふとあることに気付く。 「……クー、お前、目、悪くなったのか?」 言われて、クラヴィスは怪訝な顔をした。すぐに言われたことに気付くと、かけていた眼鏡を指差す。 「これ? ちょっと前にさ、近所の可愛い女の子から『クラヴィスさんって眼鏡かけるといっそう知的に見えますね(はぁと)』といわれたからとりあえずかけてんの。知的に見える?」 言われてゼルガディスは盗み見ていたアメリアたちから視線をはずし、クラヴィスの顔をみる。 ぼそりと呟く。 「………老眼みたいだな」 ぺしいっ! クラヴィスは一瞬硬直し、すぐさま眼鏡をはずす。やっぱりアメリアたちをみているゼルガディスを見て、ため息をついて天井に目をやる。 (もう失いたくない……無意識のうちに不安になるんだな……しっかりトラウマになってやがる) クラヴィスは静かに席を立った。 「月夜の誓いの物語はね、本当にあったお話だといわれているんですよ」 本を抱きしめて、アメリアが言った。ゼロスが尋ねる。 「どんな話なんですか?」 聞かれることを予測していたのだろう。アメリアは笑った。 「ふふ。それはですね――」 昔、アーリアとフィーネルという二つの国が敵対していました。 ある時、友好条約を結ぼうじゃないか、という話になり、アーリアの王子がフィーネルにやってきました。王子は調印式に同席したフィーネルの王女に一目惚れしました。 が、二つの国が友好条約を結ぶことを疎ましく思った人間たちによって、調印式は失敗。二つの国の関係は更に悪化してしまいました。 アーリアの王子は王女と会うことが出来なくなってしまいました。 ある日、フィーネルの王女が結婚するという話を耳にしたアーリアの王子は、城を抜け出して王女の元に向かいました。 月の晩、自分の寝室に現れた王子に王女は警戒しました。 当然です。相手は敵対している国の王子。自分を殺しに来たのかもしれません。 が、王女の予想に反して、王子は王女の前に傅いてこう言いました。 「貴女にこの想いが届かなくても、貴女を守り、一生涯愛しつづけましょう」 と―― 「で、二人は結ばれ、幸せに暮らしました、ですか?」 ありきたりな話ですね、と呆れるゼロスにアメリアは首を横に振った。 「王女様は結婚しました。王子ではなく、元からいた婚約者と」 「……つまり、王子が取った行動は無駄じゃないですか。結局王子は結ばれなかったんでしょう?」 ゼロスの言葉にアメリアはうっと言葉に詰まった。 「結局王子さんは結ばれなかったけど、別に彼の取った行為は無駄だったというわけじゃないよ、ゼロスくん」 乱入した声の方を見やれば、そこに立っていたのはクラヴィスだった。 「どういうことですか?」 怪訝な顔で尋ねるゼロスにクラヴィスは肩をすくめた。 「話には続きがあってさ。王女さんは子供を産まなかったんだ。夜も旦那に指一本触れさせなかった、とも言われてる」 淡々と言うクラヴィスに今度はアメリアが尋ねた。 「……このお話、知らない人の方が多いんですけど、なんで知ってるんですか?」 クラヴィスが笑った。 「昔、どーしても眠れないってわめき散らしたゼルに読んでやったことがあってなぁ……」 感慨深げにクラヴィスはあごに手をかけてうんうんと頷く。 ……まぁ、読み始めて数分も経たないうちにうとうとしだしたゼルガディスに『折角オレ様が読んでやってるんだから最後まで聞きやがれっ!』と、何度も叩き起こして無理矢理聞かせたのは……いい思い出になるのだろう、多分。 「ところで、アメリアちゃん」 「はい?」 クラヴィスは二階を指差す。指の先にあるのは、こちらをずっと眺めていたゼルガディスの姿。 指を差されているのが自分だと気付いて、彼は慌てて背を向けた。 「あれがいじけてるんだ。悪ィけど行ってやってくれないか?」 「はい」 苦笑してアメリアはとことこと足早に去っていく。 クラヴィスはゼロスをみた。 「話の続きだが、結婚しても王女さんは王子さんを想って暮らした。一応ハッピーエンドな終わり方だろ」 「どこがですか。人間のハッピーエンドはいつまでも幸せに一緒に暮らしました、でしょう」 クラヴィスは苦笑いした。 「まぁ、魔族のお前にゃ理解はちっと難しいかもな。人は見返りが欲しくて好きになるわけじゃない。だから、一緒に暮らせなくても想いが通じりゃハッピーエンドにゃなるんだよ」 ゼロスは納得のいかない顔でゼルガディスを見た。アメリアが向かいに座ったことで、彼はこちらを見なくなっていた。顔は見えないが、背中がなんだか嬉しそうに見える。 いつもの態度から見て、確かにゼルガディスはアメリアに見返りを求めるために好きになったわけではなさそうだった。なさそうだったが―― 「見返りを求めなかったら独占してもいいんですか?」 クラヴィスは誰のことを言っているのかすばやく察知して肩をすくめた。 「あれは……独占欲も少しはあるが、大方は不安だな」 「不安?」 「あいつ……大切に想っていた両親もレゾも失ったろ。自分が大切だと感じてきたものすべてを失ったんだ。自分の身体さえも。 それをトラウマにしてる。 だから無意識のうちに大切なものを側において離さないようにしてるんだな。失くさないように」 ゼロスはふと、冥王と戦っていた彼を思い出した。 アメリアの心臓が止まった時の彼の絶望の感情は今でも忘れない。 「ま、誰が誰をどうしようが想うのは勝手だ。頑張れよ、ゼルはけっこー手強いぞ」 「へ?」 間の抜けた声をあげるゼロスにクラヴィスは意地悪そうに笑った。 「魔族が人間ごときの約束のために上司に逆らったり、一ヶ月も説得したりは普通ないだろ」 鋭く突かれ、ゼロスは明後日を向いた。 「図星だな」 笑うクラヴィスにゼロスはぼそり、と言った。 「……意外ですね」 「何が?」 クラヴィスが尋ねた。ゼロスはゼルガディスを指差した。 「クラヴィスさん、ゼルガディスさんの味方だと思ってました。いいんですか? 僕のこと応援するようなこと言って」 ゼロスの言葉にクラヴィスは思わず吹きだして笑った。その場にしゃがみこんで、肩を震わせながら声を殺して笑う。 なぜだか分からないが、相当ウケたようである。 「……はは、ゼルの味方ねー……」 ひとしきり笑って涙のにじんだ瞳をこする。クラヴィスはゼルガディスの向かいで本を読むアメリアを見た。 「オレは誰の味方でもない、中立だ。もし唯一味方になるんだとしたらアメリアちゃんかな」 ゼロスはクラヴィスを見た。 「……クラヴィスさんもアメリアさんのこと好きなんですか?」 「それは人間として? 女として?」 「女としてです」 「答えはノーだ。可愛いとは思うけど、妹止まりだ。大体オレは――」 言って、胸元に光る指輪を掲げる。 「既婚者なんだよ」 「じゃあ、どうしてアメリアさんの味方に?」 「分かってないね」 クラヴィスは首を横に振って呆れた顔をした。 「周りの男どもがどんなに頑張っても結局どの想いを選ぶかは彼女自身だろ。 ゼルを選ぶかもしれないし、お前を選ぶかもしれない。もしかしたら、他の知らない奴を選ぶかもしれない。 自分の相手を決めるのは自分自身さ。下手に相手を押し付けても仕方ないだろ? なら、もう自分の想う相手を決めた奴ができることはただ一つ。その相手をどこまでも純粋に想い続ける事のみだ」 ゼロスが薄っすらと目を開けた。表情に浮かぶのは微かな驚き。 「クラヴィスさんって……女狂いだと思ってましたけど、結構しっかりした恋愛論持ってるんですね」 「……前に誰かにも同じこと言われた。それに、お前がどーいう目で俺を見てたか今ので垣間見た気がするぞ」 こめかみを引きつらせながらクラヴィスがいった。 窓を見る。外はまだ明るい。が、涼しい風も吹いてきてちょうどいい時間だろう。 「さて、と。そろそろ行くかな」 「どこか行くんですか?」 「んー、まぁちょっくら想いを伝えにデートにね」 クラヴィスは微笑んだ。 クラヴィスが去ってからゼロスはアメリアを見た。 向かいにいるゼルガディスと会話らしい会話はしていない。が、アメリアは幸せそうに微笑んでいた。自分が好きなあの微笑の彼女。 『自分の想う相手を決めた奴ができることはただ一つ。その相手をどこまでも純粋に想い続ける事のみだ』 クラヴィスの言葉を思い出して―― ゼロスも静かに微笑んだ。 「なぁ、どーだと思う? アメリアちゃんのお相手」 近くの柵に寄りかかって、クラヴィスは言った。 「俺はアメリアちゃんの鈍感が治るまでどっこいどっこいだと思うんだが」 あごに手を当て模索するように言う。 風に吹かれて黒髪がなびく。 プレゼントした花が彼女の墓の前で揺れた。 「あ、そうだ」 思い出したように言う。 「ノエル。お前と同じ名前の猫、ちゃんとお前のところに行ったか?」 「いーのか?」 「何が?」 夜。 宿屋のツイン・ルームで、それぞれベッドに横になりながらゼルガディスとクラヴィスは尋ねあった。 「会ったの1年半ぶりだろ? なのに、明日出発するだなんてさ。大体、自宅にも戻らずに」 「ああ、その事か。良いんだよ」 クラヴィスは笑った。 「自宅ともいえないあの家は、早々に引き払ったし、ちゃんとあいつに愛してるって言ってきた♪」 「………」 なんとなく聞いてるこっちが恥ずかしくなってゼルガディスは頭から布団をかぶった。 この親友に――何の見返りも求めずただ一人の女性を愛しつづけられるこの男に何度あこがれたことか。 ゼルガディスは静かに目を閉じた。 いつか自分もこんな風に彼女を愛していけるようにと願いつつ。 月の光が差し込んだアメリアの部屋にゼロスは来ていた。月は満月ではなかったが、一日でごっそりと満ちかけるわけでもないので、ほとんど満月に近い明るさだった。 「どうしたんですか? あ、日記帳は見せませんよ」 寝ようとしていたのだろう。アメリアはパジャマを着て、ベッドの上に座っていた。日記帳を見に来たのだろうと警戒する彼女にゼロスは微笑んだ後、不意に真面目な顔になった。 「アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン」 急に名前をフルネームで呼ばれて、アメリアは少し驚いたように彼を見た。 ゼロスは彼女の前の床に跪くと、アメリアの手を取り、その白い手の甲に軽く口付けした。 「獣神官ゼロスはこれからずっと貴女を守ると誓いましょう」 たとえ貴女を守るのにふさわしい人間がいたとしても。 そして、ずっと貴女を想い続けましょう。 たとえ、貴女にその想いが届かなくても。 ――それは彼女に向けた彼の月夜の誓い。 ≪終わり≫ あうあ。辛いです。かなりの駄文になりました。漠然としたイメージがあってもいざ書こうとなると書けませんね(汗)単に書きたかったのは、ゼロスの心情の変化と最後のゼロスのみです。両思いにならなければ人を好きになる意味がないと思い込んでいるゼロスが、助言を受けてそうでないと理解した。そして最後の台詞は『ゼルがいても僕は貴女を想い続けますよ』という意味にしたかったんですが……伝わらなかったことでしょう(涙)ううっ、修行し直しまふ。 一応、中心ゼロスで、男どもの恋愛について書いてみましたが……ゼル(涙)ねんねこ自身としては、『トラウマ』のところは良いかなとは思ったんですけど……女々しい(笑)まぁ、許してください。 というわけでねんねこでした。ではまた☆ |
4168 | 感想書きに来ました。 | 桜井 ゆかり | 8/29-16:32 |
記事番号4167へのコメント >ねんねこです。『蒼き石、赤き竜』のちょっとした続きを書いてみました。書いているうちに考えていたものとだいぶ違うものになりましたがなんとなくゼロス→アメリア、です。ゼルが一人でいじけてますが(汗)そんなにラブラブではないです。というわけで、あまあまという部分はありませんので、そっちは期待しないで下さい。では、どーぞ。 こんにちわ。なんだか今無性にいじけるゼルガディスさんが見たかったので、きました。なぜかは聞かないで下さい。 > 言われてゼロスは思いついたようにぽん、と手を打った。 >「ああ、じゃあ、添い寝してあげましょうか? それともそれ以上の――」 > 言い終わらないうちに。 > ばだんっ! >「ゼロスっ!」 > かなり険悪な顔をした男が扉を蹴破って入ってきた。ゼロスは一瞥すらせず言った。相手が誰だかわかっている。 いないと思ったら・・・・・・ちゃんと側にいたんですね・・・・ >「どーせ、お前のことだからそろそろ出現するころだと思ったら案の定……! > いいか、今すぐアメリアから五メートル以上離れろ。さもないと……」 5メートル・・・・・・ずいぶんきっちりと決まってますね・・・・ >「お前が俺たちと一緒に旅していた間、毎日アメリアの隙をついて日記を盗み読みしてたことをばらすっ!」 >「なぁぁんですってぇぇぇっ!?」 >「って、もうばらしてじゃないですかぁぁぁぁぁぁっ!!」 > アメリアの怒りの声とゼロスの泣き声のような悲鳴が宿に響いた。 もお、ばらしてるじゃないですか・・・・・・。あーあ。可哀相にゼロスさん・・・・・・選択の余地なしで・・・・ > ゼロスは少し先で蝶を追いかけているアメリアに目を向けた。 >「あの石がある限り、『竜神が復活するかもしれない』という魔族の警戒は変わりません。 > 僕は獣王様からアメリアさんと共にあの石を監視しろと言われました。特に召喚可能になる満月の夜は――」 >「だ・か・ら・って!! 夜中に部屋に忍び込んで、お見合いよろしく二人でベッドの上に座るこたぁねぇだろっ! 普通に見張れっ! 普通にっ!!」 > 何故か愛用のハリセン(ちなみにアメリアは何故か『非常識人間構成器具・正義<ジャスティス>君』と呼んでいる)を取り出して、ゼロスに詰め寄った。 ハリセン!?ゼル愛用なんですね・・・・・ >「だってしょうがないじゃないですか。本当は破壊して来い、って言われたのを涙ながらに説得して監視ということにしてもらうまで一ヶ月もかかっちゃったんですよ」 >「……一ヶ月もそんな説得してたのか……」 涙ながら・・・・? 泣けたの?ゼロスさんって・・・・・ >「そうですね。アメリアさんは石を失いたくない。 > 僕は彼女が召喚する恐れがなくなるまで見張らなければならない。 > 二つの要求を見事に解決する方法は、いっそのこと、僕がアメリアさんを汚してしまえば――」 >「アストラル・ヴァインっ!」 > 声と共に赤い光がゼロスを襲う。かろうじてそれを避け、赤い光が来た方を見やれば、赤く輝くハリセンを手にゼルガディスがこちらを睨んでいる。 ハリセンに魔皇霊斬・・・・? かけられるんですね。 >「……今、なんて言った? ゼロス」 > 静かに、ただしこれ以上ないというほどの殺気を込めて、ゼルガディスが尋ねる。 > あまりの迫力に慄いて、ゼロスはぶんぶんと首を横に振る。 ゼロスさんもひくなんてとっても恐い顔だったんですね。 メアリーさんなら、ニコニコ顔で槍をもって言うんでしょうけどね・・・・・ > 机をはさんで向かい側に座っているクラヴィスに言われて、ゼルガディスはそちらを一瞥すると、机をはじくのを止め、すぐさま視線を元の位置に戻した。 > 本ではない。 > 視線の先には、楽しく談話しているアメリアとゼロスの姿。 きっちり見てるんですね・・・・ > 月の光が差し込んだアメリアの部屋にゼロスは来ていた。月は満月ではなかったが、一日でごっそりと満ちかけるわけでもないので、ほとんど満月に近い明るさだった。 >「どうしたんですか? あ、日記帳は見せませんよ」 日記帳・・・・・ でも、ゼロスさんならアメちゃんが眠ったあとに読みにくると思います。 > > > あうあ。辛いです。かなりの駄文になりました。漠然としたイメージがあってもいざ書こうとなると書けませんね(汗)単に書きたかったのは、ゼロスの心情の変化と最後のゼロスのみです。両思いにならなければ人を好きになる意味がないと思い込んでいるゼロスが、助言を受けてそうでないと理解した。そして最後の台詞は『ゼルがいても僕は貴女を想い続けますよ』という意味にしたかったんですが……伝わらなかったことでしょう(涙)ううっ、修行し直しまふ。 修行するんですか? > 一応、中心ゼロスで、男どもの恋愛について書いてみましたが……ゼル(涙)ねんねこ自身としては、『トラウマ』のところは良いかなとは思ったんですけど……女々しい(笑)まぁ、許してください。 今回は、ゼロスさん中心ですか。今の私それが一番見たかったんですよ。 > というわけでねんねこでした。ではまた☆ ゆかりでした。 |
4177 | ありがとうございます! | ねんねこ | 8/30-14:36 |
記事番号4168へのコメント 桜井 ゆかりさんは No.4168「感想書きに来ました。」で書きました。 >> 言われてゼロスは思いついたようにぽん、と手を打った。 >>「ああ、じゃあ、添い寝してあげましょうか? それともそれ以上の――」 >> 言い終わらないうちに。 >> ばだんっ! >>「ゼロスっ!」 >> かなり険悪な顔をした男が扉を蹴破って入ってきた。ゼロスは一瞥すらせず言った。相手が誰だかわかっている。 >いないと思ったら・・・・・・ちゃんと側にいたんですね・・・・ いくらなんでもアメリアと宿の部屋が同室というのはまづいでしょう……一応クラヴィスいるんだし…… ゼルは隣の部屋で寝てて、すばやく察知した、ということになってます。 >>「どーせ、お前のことだからそろそろ出現するころだと思ったら案の定……! >> いいか、今すぐアメリアから五メートル以上離れろ。さもないと……」 >5メートル・・・・・・ずいぶんきっちりと決まってますね・・・・ ただ離れろって言ったらなんか30センチ離れただけで『離れましたよ』とかめちゃめちゃ言いそうじゃないですかゼロス(笑) >>「お前が俺たちと一緒に旅していた間、毎日アメリアの隙をついて日記を盗み読みしてたことをばらすっ!」 >>「なぁぁんですってぇぇぇっ!?」 >>「って、もうばらしてじゃないですかぁぁぁぁぁぁっ!!」 >> アメリアの怒りの声とゼロスの泣き声のような悲鳴が宿に響いた。 >もお、ばらしてるじゃないですか・・・・・・。あーあ。可哀相にゼロスさん・・・・・・選択の余地なしで・・・・ アメリアの部屋に入り込んでいた時点で、ゼロスの拒否権はないでしょう。 >> ゼロスは少し先で蝶を追いかけているアメリアに目を向けた。 >>「あの石がある限り、『竜神が復活するかもしれない』という魔族の警戒は変わりません。 >> 僕は獣王様からアメリアさんと共にあの石を監視しろと言われました。特に召喚可能になる満月の夜は――」 >>「だ・か・ら・って!! 夜中に部屋に忍び込んで、お見合いよろしく二人でベッドの上に座るこたぁねぇだろっ! 普通に見張れっ! 普通にっ!!」 >> 何故か愛用のハリセン(ちなみにアメリアは何故か『非常識人間構成器具・正義<ジャスティス>君』と呼んでいる)を取り出して、ゼロスに詰め寄った。 >ハリセン!?ゼル愛用なんですね・・・・・ 愛用です。レゾから貰いました。一応形見です……って嫌だなぁ、世間で賢者とか言われているじーさんの形見がハリセンだなんて(汗) >>「だってしょうがないじゃないですか。本当は破壊して来い、って言われたのを涙ながらに説得して監視ということにしてもらうまで一ヶ月もかかっちゃったんですよ」 >>「……一ヶ月もそんな説得してたのか……」 >涙ながら・・・・? >泣けたの?ゼロスさんって・・・・・ もちろんその場の雰囲気の演出という奴です。 >>「そうですね。アメリアさんは石を失いたくない。 >> 僕は彼女が召喚する恐れがなくなるまで見張らなければならない。 >> 二つの要求を見事に解決する方法は、いっそのこと、僕がアメリアさんを汚してしまえば――」 >>「アストラル・ヴァインっ!」 >> 声と共に赤い光がゼロスを襲う。かろうじてそれを避け、赤い光が来た方を見やれば、赤く輝くハリセンを手にゼルガディスがこちらを睨んでいる。 >ハリセンに魔皇霊斬・・・・? >かけられるんですね。 どこかの雑誌の神坂先生のインタビューの中で、『アストラル・ヴァイン』はあくまで魔力を込める魔法なので包丁とか別のものにもかけられます、とあったのでかけられると思います。 >>「……今、なんて言った? ゼロス」 >> 静かに、ただしこれ以上ないというほどの殺気を込めて、ゼルガディスが尋ねる。 >> あまりの迫力に慄いて、ゼロスはぶんぶんと首を横に振る。 >ゼロスさんもひくなんてとっても恐い顔だったんですね。 >メアリーさんなら、ニコニコ顔で槍をもって言うんでしょうけどね・・・・・ ニコニコ顔で、というのはメアリーさん限定でしょう。って言うか、ゼルがニコニコしながら言うのは嫌だなー。 >> 机をはさんで向かい側に座っているクラヴィスに言われて、ゼルガディスはそちらを一瞥すると、机をはじくのを止め、すぐさま視線を元の位置に戻した。 >> 本ではない。 >> 視線の先には、楽しく談話しているアメリアとゼロスの姿。 >きっちり見てるんですね・・・・ 見てます見てます。なんかアメリアが席を立った瞬間から何気に見てそーって、まるでストーカーだぞ、ゼル。 >> 月の光が差し込んだアメリアの部屋にゼロスは来ていた。月は満月ではなかったが、一日でごっそりと満ちかけるわけでもないので、ほとんど満月に近い明るさだった。 >>「どうしたんですか? あ、日記帳は見せませんよ」 >日記帳・・・・・ >でも、ゼロスさんならアメちゃんが眠ったあとに読みにくると思います。 じゃ…じゃあ裏を書いて日記帳抱きしめて寝る、とか(笑) >> あうあ。辛いです。かなりの駄文になりました。漠然としたイメージがあってもいざ書こうとなると書けませんね(汗)単に書きたかったのは、ゼロスの心情の変化と最後のゼロスのみです。両思いにならなければ人を好きになる意味がないと思い込んでいるゼロスが、助言を受けてそうでないと理解した。そして最後の台詞は『ゼルがいても僕は貴女を想い続けますよ』という意味にしたかったんですが……伝わらなかったことでしょう(涙)ううっ、修行し直しまふ。 >修行するんですか? 言葉のあやですって。だいたい修行って何するんでしょう、自分。 >> 一応、中心ゼロスで、男どもの恋愛について書いてみましたが……ゼル(涙)ねんねこ自身としては、『トラウマ』のところは良いかなとは思ったんですけど……女々しい(笑)まぁ、許してください。 >今回は、ゼロスさん中心ですか。今の私それが一番見たかったんですよ。 一応、『蒼き石、赤き竜』でゼロスが最後消えた後どうしたのか、ということがまったく書かれてなかったので、ということで書いてみました。 >> というわけでねんねこでした。ではまた☆ >ゆかりでした。 感想ありがとう♪ 時間がなくて、あまり感想書いてないけど、ちゃんとゆかりさんの話読んでます。頑張ってくださいね。 では、ねんねこでした。 |
4169 | Re:月夜の誓い | 笹森 明日香 E-mail | 8/29-20:22 |
記事番号4167へのコメント またまた来ました。笹森明日香です。 >「ああ、じゃあ、添い寝してあげましょうか? それともそれ以上の――」 > 言い終わらないうちに。 > ばだんっ! >「ゼロスっ!」 邪妖精(ブロウデーモン)の聴力を甘く見ちゃいけませんよ。 >「お前が俺たちと一緒に旅していた間、毎日アメリアの隙をついて日記を盗み読みしてたことをばらすっ!」 何で知っているんですか? > アメリアの怒りの声とゼロスの泣き声のような悲鳴が宿に響いた。 「そのうるささに目を覚ましたクラヴィスと廊下で鉢合わせになって、ゼロスとゼルガディスが階段の下に蹴り落とされる」というのは有りですよね。(By『青き石、赤き竜9』) > 昨夜、アメリアにしこたま『大嫌い』と言われて、精神的にぼろぼろになったゼロスは素直に答える。 負の感情は好物なんじゃないんですか?(笑) > 何故か愛用のハリセン(ちなみにアメリアは何故か・正義<ジャスティス>君』と呼んでいる)を取り出して、ゼロスに詰め寄った。 ・・・ジャスティス君・・・ですか。『非常識人間構成器具』・・・これでリナを殴れる自信がある人、いらっしゃいますか? >「だってしょうがないじゃないですか。本当は破壊して来い、って言われたのを涙ながらに説得して監視ということにしてもらうまで一ヶ月もかかっちゃったんですよ」 >「……一ヶ月もそんな説得してたのか……」 > クラヴィスがうめいた。 一ヶ月間。ゼルガディスにとって幸せな時だったでしょうね。 >「アストラル・ヴァインっ!」 > 声と共に赤い光がゼロスを襲う。かろうじてそれを避け、赤い光が来た方を見やれば、赤く輝くハリセンを手にゼルガディスがこちらを睨んでいる。 剣かと思ったらハリセン・・・ゼルガディスにとってはこっちの方が使いやすいとか。 >「まったく……話をするくらい良いじゃないか。アメリアちゃんはお前一人のもんじゃないだろ?」 >「やかましい。気にしちゃいないよ」 > 言って二人に背を向けるが、やはり気になるのかちらちらと盗み見る。 >「……しっかりきっぱり気にしてんじゃないか……」 > クラヴィスが嘆息する。 何言ってるんですか。猫にさえ嫉妬した人に。 ゼルガディスは彼を睨んだ。 >「大体、お前なんでこんなところにいるんだよ。お前のためにこの街に来たんだ、さっさと目的のところにいけよ」 >「ひどい言い草だね。良いじゃないか、オレがいつ行こうと」 >「いちいち人の行動に逐一ツッコミ入れられるの嫌なんだよ」 > ゼルガディスはいい、ふとあることに気付く。 >「……クー、お前、目、悪くなったのか?」 > 言われて、クラヴィスは怪訝な顔をした。すぐに言われたことに気付くと、かけていた眼鏡を指差す。 >「これ? ちょっと前にさ、近所の可愛い女の子から『クラヴィスさんって眼鏡かけるといっそう知的に見えますね(はぁと)』といわれたからとりあえずかけてんの。知的に見える?」 ”いっそう”ですか・・・。 > 言われてゼルガディスは盗み見ていたアメリアたちから視線をはずし、クラヴィスの顔をみる。 > ぼそりと呟く。 >「………老眼みたいだな」 > ぺしいっ! > クラヴィスは一瞬硬直し、すぐさま眼鏡をはずす。 よかったですねぇ。ゼルガディス、蹴られなくて。 >「昔、どーしても眠れないってわめき散らしたゼルに読んでやったことがあってなぁ……」 いつからゼルガディスの面倒を見ていたんですか? > 感慨深げにクラヴィスはあごに手をかけてうんうんと頷く。 > ……まぁ、読み始めて数分も経たないうちにうとうとしだしたゼルガディスに『折角オレ様が読んでやってるんだから最後まで聞きやがれっ!』と、何度も叩き起こして無理矢理聞かせたのは……いい思い出になるのだろう、多分。 「読み終わったときには空が白みはじめていました」・・・とか。 >「あれがいじけてるんだ。悪ィけど行ってやってくれないか?」 >「はい」 > 苦笑してアメリアはとことこと足早に去っていく。 なんだかんだ言っても優しいですね。(というかどちらが年上か解らない) >「あいつ……大切に想っていた両親もレゾも失ったろ。自分が大切だと感じてきたものすべてを失ったんだ。自分の身体さえも。 > それをトラウマにしてる。 > だから無意識のうちに大切なものを側において離さないようにしてるんだな。失くさないように」 そうは見えませんでしたが(おいっ)、彼にとってレゾも”大切な人”だったんですね。 >「クラヴィスさん、ゼルガディスさんの味方だと思ってました。いいんですか? 僕のこと応援するようなこと言って」 > ゼロスの言葉にクラヴィスは思わず吹きだして笑った。その場にしゃがみこんで、肩を震わせながら声を殺して笑う。 > なぜだか分からないが、相当ウケたようである。 >「……はは、ゼルの味方ねー……」 確かに”応援”はしてませんでしたね。それをネタに遊んではいましたけど。 >「クラヴィスさんって……女狂いだと思ってましたけど、結構しっかりした恋愛論持ってるんですね」 >「……前に誰かにも同じこと言われた。それに、お前がどーいう目で俺を見てたか今ので垣間見た気がするぞ」 > こめかみを引きつらせながらクラヴィスがいった。 キザなセリフを真顔ではいて、帰り道に女を引っかけているようでは・・・ね。 >「自宅ともいえないあの家は、早々に引き払ったし、ちゃんとあいつに愛してるって言ってきた♪」 >「………」 > なんとなく聞いてるこっちが恥ずかしくなってゼルガディスは頭から布団をかぶった。 絶対に言えないセリフですね。 > この親友に――何の見返りも求めずただ一人の女性を愛しつづけられるこの男に何度あこがれたことか。 わたしは、彼にそこまでいわせる”ノエル”に興味がありますね。 最後のゼロスには驚きましたね。それにしてもアメリアは凄いですね。立派な親衛隊(?)が出来ましたよ。これでフィリオネル殿下も安心ですよ。絶対に無傷で帰ってきますから。 それでは。また。 |
4178 | またまたどーもです。 | ねんねこ | 8/30-14:38 |
記事番号4169へのコメント 笹森 明日香さんは No.4169「Re:月夜の誓い」で書きました。 > >またまた来ました。笹森明日香です。 > >>「ああ、じゃあ、添い寝してあげましょうか? それともそれ以上の――」 >> 言い終わらないうちに。 >> ばだんっ! >>「ゼロスっ!」 >邪妖精(ブロウデーモン)の聴力を甘く見ちゃいけませんよ。 特にアメリアの話題になるといつもより1.5倍は聞こえそーですねー(笑) >>「お前が俺たちと一緒に旅していた間、毎日アメリアの隙をついて日記を盗み読みしてたことをばらすっ!」 >何で知っているんですか? 彼も読んでいるからです(きっぱり)。 ある時、アメリアが部屋にいない時に日記帳を読もうとして部屋に入ろうとしたらすでに先客ゼロスがいた。ゼルは、自分のことを棚に上げてアメリアにばらそうと機会をうかがってたんですねー。 >> アメリアの怒りの声とゼロスの泣き声のような悲鳴が宿に響いた。 >「そのうるささに目を覚ましたクラヴィスと廊下で鉢合わせになって、ゼロスとゼルガディスが階段の下に蹴り落とされる」というのは有りですよね。(By『青き石、赤き竜9』) ありでしょ(笑)。それか、ゼルと同室なので、ゼルが再び寝た後に耳元で怖い話のオンパレードで嫌がらせ。クーはそれぐらいしないとダメです(笑) >> 昨夜、アメリアにしこたま『大嫌い』と言われて、精神的にぼろぼろになったゼロスは素直に答える。 >負の感情は好物なんじゃないんですか?(笑) 好物なんだけど、アメリアに『大嫌い』と言われたことに精神的ショックを受けた、と(笑) >> 何故か愛用のハリセン(ちなみにアメリアは何故か・正義<ジャスティス>君』と呼んでいる)を取り出して、ゼロスに詰め寄った。 >・・・ジャスティス君・・・ですか。『非常識人間構成器具』・・・これでリナを殴れる自信がある人、いらっしゃいますか? リナの姉ちゃんあたり、行けそうです。後は、死ぬ気でガウリイ、とか。 >>「だってしょうがないじゃないですか。本当は破壊して来い、って言われたのを涙ながらに説得して監視ということにしてもらうまで一ヶ月もかかっちゃったんですよ」 >>「……一ヶ月もそんな説得してたのか……」 >> クラヴィスがうめいた。 >一ヶ月間。ゼルガディスにとって幸せな時だったでしょうね。 一ヶ月のみですね。とはいえ、クラヴィスがいるので二人っきりのラブラブ(はぁと)というわけには行かないですけど。別にできるんだけど、後でクーに何を言われるか…… >>「アストラル・ヴァインっ!」 >> 声と共に赤い光がゼロスを襲う。かろうじてそれを避け、赤い光が来た方を見やれば、赤く輝くハリセンを手にゼルガディスがこちらを睨んでいる。 >剣かと思ったらハリセン・・・ゼルガディスにとってはこっちの方が使いやすいとか。 とりあえず、剣を抜くより手に持っていたこちらの方が早いと思ったんですね。魔族相手だったら、剣だろーとハリセンだろーと魔力さえかかってればダメージにはなりますから。 >>「まったく……話をするくらい良いじゃないか。アメリアちゃんはお前一人のもんじゃないだろ?」 >>「やかましい。気にしちゃいないよ」 >> 言って二人に背を向けるが、やはり気になるのかちらちらと盗み見る。 >>「……しっかりきっぱり気にしてんじゃないか……」 >> クラヴィスが嘆息する。 >何言ってるんですか。猫にさえ嫉妬した人に。 猫に嫉妬したのは、どちらかといえば、アメリアに抱かれていたからですね(笑) 俺でさえやってもらったことないのにっ! とか地団駄ふみそーです。 >ゼルガディスは彼を睨んだ。 >>「大体、お前なんでこんなところにいるんだよ。お前のためにこの街に来たんだ、さっさと目的のところにいけよ」 >>「ひどい言い草だね。良いじゃないか、オレがいつ行こうと」 >>「いちいち人の行動に逐一ツッコミ入れられるの嫌なんだよ」 >> ゼルガディスはいい、ふとあることに気付く。 > >>「……クー、お前、目、悪くなったのか?」 >> 言われて、クラヴィスは怪訝な顔をした。すぐに言われたことに気付くと、かけていた眼鏡を指差す。 >>「これ? ちょっと前にさ、近所の可愛い女の子から『クラヴィスさんって眼鏡かけるといっそう知的に見えますね(はぁと)』といわれたからとりあえずかけてんの。知的に見える?」 >”いっそう”ですか・・・。 近所の可愛い女の子。セイルーン・シティのクラヴィスの自宅の近所には、実はシルフィールのおじさんの家があったりして(笑) >> 言われてゼルガディスは盗み見ていたアメリアたちから視線をはずし、クラヴィスの顔をみる。 >> ぼそりと呟く。 >>「………老眼みたいだな」 >> ぺしいっ! >> クラヴィスは一瞬硬直し、すぐさま眼鏡をはずす。 >よかったですねぇ。ゼルガディス、蹴られなくて。 よかったです。蹴るだけならまだしも半殺しにされそーですから。 >>「昔、どーしても眠れないってわめき散らしたゼルに読んでやったことがあってなぁ……」 >いつからゼルガディスの面倒を見ていたんですか? > >> 感慨深げにクラヴィスはあごに手をかけてうんうんと頷く。 >> ……まぁ、読み始めて数分も経たないうちにうとうとしだしたゼルガディスに『折角オレ様が読んでやってるんだから最後まで聞きやがれっ!』と、何度も叩き起こして無理矢理聞かせたのは……いい思い出になるのだろう、多分。 >「読み終わったときには空が白みはじめていました」・・・とか。 その可能性は大有りでしょう。なんか一文一文にいちいちツッコミを入れてそーです。 >>「あれがいじけてるんだ。悪ィけど行ってやってくれないか?」 >>「はい」 >> 苦笑してアメリアはとことこと足早に去っていく。 >なんだかんだ言っても優しいですね。(というかどちらが年上か解らない) 一応クラヴィスはあの3人の中では最年長ですからね。なんだかんだ言ってもまとめ役です。一番精神的にお子様なのは実はゼルなんじゃないかと…… >>「あいつ……大切に想っていた両親もレゾも失ったろ。自分が大切だと感じてきたものすべてを失ったんだ。自分の身体さえも。 >> それをトラウマにしてる。 >> だから無意識のうちに大切なものを側において離さないようにしてるんだな。失くさないように」 >そうは見えませんでしたが(おいっ)、彼にとってレゾも”大切な人”だったんですね。 一応大切な人の部類に入っていたでしょう。だから、彼に身体を改造されて、グレた(笑) >>「クラヴィスさん、ゼルガディスさんの味方だと思ってました。いいんですか? 僕のこと応援するようなこと言って」 >> ゼロスの言葉にクラヴィスは思わず吹きだして笑った。その場にしゃがみこんで、肩を震わせながら声を殺して笑う。 >> なぜだか分からないが、相当ウケたようである。 >>「……はは、ゼルの味方ねー……」 >確かに”応援”はしてませんでしたね。それをネタに遊んではいましたけど。 一応応援はさせてなかったつもりです。ゼルをけしかけてはいましたが。そーでもないと、ゼルは行動に移そうとしないですからねー。 >>「クラヴィスさんって……女狂いだと思ってましたけど、結構しっかりした恋愛論持ってるんですね」 >>「……前に誰かにも同じこと言われた。それに、お前がどーいう目で俺を見てたか今ので垣間見た気がするぞ」 >> こめかみを引きつらせながらクラヴィスがいった。 >キザなセリフを真顔ではいて、帰り道に女を引っかけているようでは・・・ね。 クラヴィスの中では、女の子とお茶程度ならいいと思っているんでしょーね。 >>「自宅ともいえないあの家は、早々に引き払ったし、ちゃんとあいつに愛してるって言ってきた♪」 >>「………」 >> なんとなく聞いてるこっちが恥ずかしくなってゼルガディスは頭から布団をかぶった。 >絶対に言えないセリフですね。 言えたらアメリアとの仲進展してますって。 >> この親友に――何の見返りも求めずただ一人の女性を愛しつづけられるこの男に何度あこがれたことか。 >わたしは、彼にそこまでいわせる”ノエル”に興味がありますね。 ノエルは原則的に出さないよーにしてます。出したらクーとラブラブモードやねん。ゼルとアメリア置いてけぼり?という風になりますから。 >最後のゼロスには驚きましたね。それにしてもアメリアは凄いですね。立派な親衛隊(?)が出来ましたよ。これでフィリオネル殿下も安心ですよ。絶対に無傷で帰ってきますから。 無傷で帰ってくるけど父親としてはハラハラ(笑) >それでは。また。 感想ありがとうございました♪ |
4126 | Re:青き石、赤き竜9 | 笹森 明日香 E-mail | 8/25-18:17 |
記事番号4118へのコメント こんにちは。笹森明日香です。 >のひぃぃぃぃぃぃぃっ! ツリー落ちてるぅぅぅぅっ!? 落ちましたね。わたしもコメントを送る前に落ちちゃって・・・。 4回分をまとめて送ります。でも、シリアスなシーンが多いのでそんなに長くはならないかと・・・。 >「……ゼルガディスさん、何してるんでしょう……月とにらめっこなんかして」 >「あ? ああ、あれ? ほっとけほっとけ。いつも何か悩むとそこでそーやって寝っ転がって、月眺めんだ。で、次の日風邪をひく」 しっかりオチがありますね。ちゃんと看病してあげなさいよ。クラヴィス? >「やっぱりあの黒ずくめたちに聞いてくればよかったな。指一本ずつ切り落としてったら、なんか教えてくれたかもしんないし」 もう、拷問の常套手段ですね。 >「聞こえなかったか? どけって言ったんだ。ここで寝る」 >「ち……ちょっと待てよ。悪いけどオレ、そーいう趣味は……」 > うろたえまくりながらクラヴィスがしどろもどろに答える。 そりゃそうでしょうね。・・・キスでさえイヤなんだから。 >「アメリアが俺の部屋で思いっきり爆睡してやがんだ! 俺に自分で殺した仲間が使ってたベッドで寝ろってのか!? そんなことして夜中に悪霊に殺されたら、真っ先にお前のこと呪い殺すぞ!?」 >「うわ、お前すっげーわがまま」 >「わがままで結構。今更何を言われても開き直るぞ、俺」 リナたちと付き合った年月は実際の数倍の密度がありますからね。 >「どーせ、根はお茶目だとか言いたいんだろ。そんなの何度リナたちに言われたことか……いーんだ、どーせ……」 皆さん認めてますよ。 >(あ、拗ねてるし……) 気になるんですか?ゼルガディスはクラヴィスが拗ねてても「別にいい」そうですが。 > ぐちぐちと拗ね続けるゼルガディスをしばらく眺めてみた。相当リナたちと旅した間に色々と言われたらしい。 そうか!知らないんだ!”ルルさん”の一件を。(爆笑) >一通り黙って聞いてやって、クラヴィスは話を切り出した。 律儀ですね。 >「聖職者としてのお前はともかく、情報処理の腕と暗殺術を使いこなすお前の戦闘力はとりあえず信頼してるよ。とりあえずな」 そーか。クラヴィスも強いんですね。 >「おはようございます。ゼルガディスさん、クラヴィスさん」 >「ラ・ティルト」 それじゃぁだれかさんといっしょですよ。挨拶代わりに呪文を打つなんて。 >近くのテーブルの席について、クラヴィスがツッコミを入れる。決して口には出さない。寝起きで不機嫌な彼にその場にそぐわないツッコミを入れることは自分の寿命を縮めるだけだと分かっているからだ。 ・・・経験者は知っている・・・。 >『ダメ』 >ゼルガディスとクラヴィス、同時に言われてゼロスは沈黙した。嘆息して、ぴっ、と人差し指を立てた。 ゼロス。クラヴィスにまでそんな態度をとられるんですね。 >「ほお、アメリアさんなかなかやりますねぇ」 >「何が?」 >クラヴィスの問いにゼロスは寝息を立てているアメリアを指差した。 >「ぬいぐるみとはいえ、クマの首を絞めるなんてなかなか残酷でしょう。彼女、結構魔族にむいてますよ」 >ゼルとクラヴィスはため息をつき、首を横に振ると片方ずつゼロスの方に手を置いて、同時に、 >『抱きしめている』 >と、訂正した。 アメリア・・・どんな抱き方をしてるんですか?or ゼロス・・・あんたの目は節穴か? >「だから被害の少ない……もちろん自分たちにとってですが……人間に預けた。 >いつか……そうアメリアさんのように魔力が普通の人間よりも大きい……」 マジで勝手ですね。魔族と変わらないんじゃないですか? >ゼロスが泣きまねをして見せた。 >「ひどいっ! ゼルガディスさんっ!」 女の子がやっても彼には効かないみたいなのに・・・男の貴方じゃ絶望的です。 >(まるで妹が出来たみたいだな……少々手のかかる妹になりそーだけど) >まぁ、弟のような親友ほど手はかからないだろうが。 元は取っていると思いますよ。(彼をからかうことで。) >「ああ、一応腐っても自覚がなくても神官だからね。剣は持ち歩けないだろ?」 自分で、そこまでいいますか。 >ゼルガディスがクラヴィスの暗殺術を用いた戦闘力に信頼を寄せているのと同様に、クラヴィスもまた>ゼルガディスの戦闘力を信頼していた。口には決して出さないが。 照れてるんですか?かっわいい! >「はっ! 他人の女に手を出す趣味なんざ俺は持ってねぇ。 認めてるんですね。アメリアが”あの人”のものだと。 >思わず涙が込み上げる。 ここまで心配してくれてるのに・・・。 >そう言おうとして、ゼルガディスは止まる。目の前のクラヴィスの顔が変化していたからだ。血の気のひいたような青白い顔は変わらないが、顔に浮かぶのはしてやったり、というような笑み。 この瞬間決定しましたね。クラヴィス。貴方はゼロスより達が悪いです。 >「……クー?」 >思わず一時期使っていた呼び名で呼ぶ。 他にどんなあだ名があるんですか? >ふみ。 なんか かぁわいぃ(はぁと) >「てうんにょわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 >冗談ではなく本気で涙をぼろぼろと流しつつ、クラヴィスはあらん限りの声で意味不明な声を発した。 >それを無視し、何度かゼルガディスは腕を踏みつける。 >思いっきり。 自業自得です。 >「お・の・れ・はぁぁぁぁぁっ! しょーこりもなく人をからかいやがって! いっぺん死んでみるかっ!? 殺したじーさんが三途の川で手招きしてっぞっ!」 手招きしてるのはクラヴィスの祖父ですね。(最初に読んだときはレゾかと思った。) >呆然として二人の茶番を見ていたゼロスが我に返った。 凄い!ゼロスがこんな反応をするなんて。 >クラヴィスの悪癖だ。 >怒りが頂点に達すると場にそぐわないおちゃらけをする。 な・・・なぜ? >ゼルガディスはクラヴィスの近くにしゃがみこむと静かにリカバリイを唱え始めた。そして釘をさす。 >「キレるなよ。おまえがキレるとシャレにならないからな」 貴方も同じでしょう?(特に誰かさんが絡むと・・・。) >「絶対あいつを殺してやる」 剣を持っていようがもってなかろうが貴方は絶対に聖職者じゃありませんよ。 >「ったく。今日はまたこてんぱんにやられたな、クラヴィス」 >「やかましいぞっ、アドニスっ! 大体いたいけな子供相手に問答無用に本気でかかってくるか、普通!?」 口・・・達者ですねぇ・・・昔から。 >「いい気なもんだなぁ、クラヴィス」 > 腕を折られ、のた打ち回るクラヴィスにアドニスは嘲り交じりで言った。 >「裏の世界で働いていたことも忘れ、良いとこの坊ちゃんやってて幸せだろ?」 全っ然やってないのにね。 >「……何が言いたい」 >「てめぇを見ていると虫唾が走る。たいした苦労もせず人並み以上の幸せって奴を味わってるてめぇを見てるとな。あのお姫さんもだ」 この辺ですでになんか違うような・・・。『お金持ち』=『幸せ』じゃありませんよ。現に両家とも継承者争いで忙しいし。 >「違うっ! おれは幸せを手に入れるんだっ!! 楽園を手に入れるんだっ!!」 あの魔導書を読んでそう思ったんですか? >「今のダメージでお前も立てないだろ? お前は元から堪え性がないんだ。あまり無理して体に負担をかけるな」 そこまで解っているならその後、彼がどう感じるか解ったはずなのに。 > 確かに動きそうもなかった。意識もかろうじてという感じだった。 それでもゼルガディスをからかったんですよね・・・。 >「お前は石が本物だと知っていて、それでも父親に話さなかった。予告状が送られたくらいでお前がフィルさんに話すとは思えない。どっちかといえば、『犯人自分で捕まえてやるっ!』とか息巻いて外に出て行く可能性がお前の場合、ほぼ百パーセントだ」 >「あう」 > アメリアがうめいた。実はゼロスに身代わりを頼んだ時の台詞そのままだったのだ。 わかりやすい行動パターンですね。 >「失礼ですねっ! ゼルガディスさんは出来そこないなんかじゃありませんっ!」 > いつものように指差して、いつものように啖呵を切ったのは、やはりいつものようにアメリアだった。 >「たしかにっ! ちょっと不器用で無愛想でちょっとじゃ済まされないくらい女運悪くて、性格もひねくれてるし、何よりっ! 思いっきり不幸を絵に書いてみましたってひどい人生送ってるけどっ!」 >「うわっ、ひど」 >「出来そこないとどっちがマシでしょう……」 > クラヴィスとゼロスが同時に呟く。言われた当の本人はめいっぱい顔を引きつらせていた。 クラヴィスが言っていたらどうなっていたことか・・・。 >壁にはってある絵を指差して『下手くそ』と呟く聖職者もどきの姿。 何の絵何ですか? > はっきり言って究極の選択。 > 彼女の笑顔を取るか、上司の誉め言葉を取るか。 惚れた弱みですか。「上司のほめ言葉」と等価値だなんて。 > 究極の選択をするゼロスを見て、ゼルガディスは意地悪そうな笑みを浮かべた。 >「アメリアの想いを犠牲にしてまで任務を遂行するなんざ、いい度胸だな。ゼロス。まるで竜族みたいだ」 >「うううううううううううううううううううううう」 > ゼルガディスの言葉が効いたらしい。 彼も馬鹿じゃないですもんね。ゼロスの扱い方はしっかりつかんでいるようですし。 >「誰とは言わないけど誰かさんが窓ガラス割ってくれたおかげで、兄貴に家を追い出された。 >『当分帰ってくるな』だと。 > つーわけで、当分の間ついていくぞ。なぁ、誰かさん」 ほ・・ほんとに?単に「せっかく戻ってきた玩具なんだからもっと遊ばなきゃ」とか思ってるだけなんじゃないですか? >「もう朝だっ! 朝だそ、朝。もうちょー朝って感じぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」 >「嫌だぁぁぁぁぁぁぁっ! 寝るぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」 > 掛け布団に必死にしがみつき、ゼルガディスは絶叫した。 低血圧ですもんね。 >「戸締りと火の元の確認。それから――忘れ物をとりに」 >「忘れ物?」 >「うむ」 > 頷き、荷物に突っ込んでいたものを取り出した。そのままその手を上にあげて、すばやく尋ねたクラヴィスに腕を振り下ろす。 > すぱこんっ! >「あだっ!?」 > 小気味いい音と共にクラヴィスが声をあげた。彼の非難の目を無視し、手にしたハリセンを指差してゼルガディスは言った。 やっとでてきた!(はぁと) >「な・に・が『馬鹿矯正装置』に『クラヴィスたこ殴り機』だっ! でも、貴方自身は「ゼルツッコミ装置」なんでしょう? > 大体オレがちょーっとばかりからかってやったらあっさりレゾに泣きつきやがってっ!」 >「はっ! ちょっとばかし!? 毎晩毎晩、寝てる人の耳元で、怖い話のオンパレードしやがって!」 >「たった一ヶ月話しただけで夜鳴きして一人で寝られなくなったくせにっ! こぉの根性なしがっ!!」 クラヴィス。その手は今でも有効だぞ! >「自分だって三日にいっぺん『これも修行だ』とか言われて骨折られてピーピー泣いてたくせにっ! お前、腕細っこいんだよっ!」 >「はっはっはっ、もやしっ子に言われたかないなぁ」 今回も折られてましたね。「骨は1度折れてくっつくと強くなる」というのは迷信ですか? 人間関係について一つ質問です。 ゼルガディスとクラヴィスはノヴァとも、アドニスとも仲が良かったのですか? >そして、クラヴィス。相変わらず性格のつかめない男です。こんな奴を好きだ、と言って下さった方々、本当にありがとうございます(ぺこり) 次回は本格的な戦闘シーンを見てみたいかなぁって。(すみません。大それた事を言いました。) でも、彼の実力っていまいちつかめないんです。 >彼は多分、ねんねこの今後の作品にもちゃっかりでてくると思われますので、その時はまた応援してやってください。 楽しみにしています。 ?の以上に多いわたしのコメントに毎回感想を書いてくださってありがとうございました。 それでは次回作に期待します。 |
4145 | いつもいつもありがとうございます | ねんねこ | 8/27-16:51 |
記事番号4126へのコメント 笹森 明日香さんは No.4126「Re:青き石、赤き竜9」で書きました。 > >こんにちは。笹森明日香です。 こんにちは♪こんなところでなんなんですけど、メールありがとうございました。返事書かせてもらいますね(はぁと) >>のひぃぃぃぃぃぃぃっ! ツリー落ちてるぅぅぅぅっ!? >落ちましたね。わたしもコメントを送る前に落ちちゃって・・・。 >4回分をまとめて送ります。でも、シリアスなシーンが多いのでそんなに長くはならないかと・・・。 ええ、落ちましたとも。なんか自分で落としたことに気付いて泣きましたとも(涙) >>「……ゼルガディスさん、何してるんでしょう……月とにらめっこなんかして」 >>「あ? ああ、あれ? ほっとけほっとけ。いつも何か悩むとそこでそーやって寝っ転がって、月眺めんだ。で、次の日風邪をひく」 >しっかりオチがありますね。ちゃんと看病してあげなさいよ。クラヴィス? きっと『馬鹿だなー、お前』とか言いつつちゃんと看病してるんでしょーね。クラヴィス。 >>「聞こえなかったか? どけって言ったんだ。ここで寝る」 >>「ち……ちょっと待てよ。悪いけどオレ、そーいう趣味は……」 >> うろたえまくりながらクラヴィスがしどろもどろに答える。 >そりゃそうでしょうね。・・・キスでさえイヤなんだから。 って、ゼルもそれは嫌だと思いますよ。クラヴィス、一体何想像したんだ(笑) >>「アメリアが俺の部屋で思いっきり爆睡してやがんだ! 俺に自分で殺した仲間が使ってたベッドで寝ろってのか!? そんなことして夜中に悪霊に殺されたら、真っ先にお前のこと呪い殺すぞ!?」 >>「うわ、お前すっげーわがまま」 >>「わがままで結構。今更何を言われても開き直るぞ、俺」 >リナたちと付き合った年月は実際の数倍の密度がありますからね。 一年で三年感じる、という奴ですね。 >>「どーせ、根はお茶目だとか言いたいんだろ。そんなの何度リナたちに言われたことか……いーんだ、どーせ……」 >皆さん認めてますよ。 >>(あ、拗ねてるし……) >気になるんですか?ゼルガディスはクラヴィスが拗ねてても「別にいい」そうですが。 いきなり勝手に拗ねだしたゼルに少し呆れて、という部分がありますね。ベッドに入ってなかったら、ゼル床にのの字書いてそうです(笑) >> ぐちぐちと拗ね続けるゼルガディスをしばらく眺めてみた。相当リナたちと旅した間に色々と言われたらしい。 >そうか!知らないんだ!”ルルさん”の一件を。(爆笑) 知ったら知ったで爆笑ものでしょ。『もう一回やってみろ』とか言い出しそうです。と、言うか無理矢理やらせそうです。クラヴィスなら。 >>一通り黙って聞いてやって、クラヴィスは話を切り出した。 >律儀ですね。 リナとの旅の話をゼルしてないんじゃないんでしょーか……思い出したくもない笑い話ばっかりなので。 >>「聖職者としてのお前はともかく、情報処理の腕と暗殺術を使いこなすお前の戦闘力はとりあえず信頼してるよ。とりあえずな」 >そーか。クラヴィスも強いんですね。 とりあえず、強いです。 >>「おはようございます。ゼルガディスさん、クラヴィスさん」 >>「ラ・ティルト」 >それじゃぁだれかさんといっしょですよ。挨拶代わりに呪文を打つなんて。 ゼロスにラ・ティルトを唱えたのはゼルが前日に決心したからですね。アメリアに毎日ゼロスが遊びに来てくれたと聞いた時点で。 >>近くのテーブルの席について、クラヴィスがツッコミを入れる。決して口には出さない。寝起きで不機嫌な彼にその場にそぐわないツッコミを入れることは自分の寿命を縮めるだけだと分かっているからだ。 >・・・経験者は知っている・・・。 経験者……どういう経験したんでしょーね(笑) >>『ダメ』 >>ゼルガディスとクラヴィス、同時に言われてゼロスは沈黙した。嘆息して、ぴっ、と人差し指を立てた。 >ゼロス。クラヴィスにまでそんな態度をとられるんですね。 日ごろの行いのせーです。 >>「ほお、アメリアさんなかなかやりますねぇ」 >>「何が?」 >>クラヴィスの問いにゼロスは寝息を立てているアメリアを指差した。 >>「ぬいぐるみとはいえ、クマの首を絞めるなんてなかなか残酷でしょう。彼女、結構魔族にむいてますよ」 >>ゼルとクラヴィスはため息をつき、首を横に振ると片方ずつゼロスの方に手を置いて、同時に、 >>『抱きしめている』 >>と、訂正した。 >アメリア・・・どんな抱き方をしてるんですか?or ゼロス・・・あんたの目は節穴か? 抱きしめてた、というより抱きついてた、の方がいい表現かもしれないですね。クマごろうの首に腕を回して、がっ!、という風に…… >>ゼロスが泣きまねをして見せた。 >>「ひどいっ! ゼルガディスさんっ!」 >女の子がやっても彼には効かないみたいなのに・・・男の貴方じゃ絶望的です。 絶望的です。特にゼルに対しては。 >>「はっ! 他人の女に手を出す趣味なんざ俺は持ってねぇ。 >認めてるんですね。アメリアが”あの人”のものだと。 認めてるでしょう。とりあえずは。まぁ、彼女の意思は別として、ですが。下手にアメリアに手を出そうもんなら問答無用でかかってきそーだし。ゼル。 >>思わず涙が込み上げる。 >ここまで心配してくれてるのに・・・。 >>「……クー?」 >>思わず一時期使っていた呼び名で呼ぶ。 >他にどんなあだ名があるんですか? あだな、というものではないんですよ。ただ、クラヴィスがゼルガディスをゼル、と略しているのに対してゼルは『クラヴィス』そのまんま。とある日、ゼルが『俺も名前を略したいっ!』とか駄々こねて問答無用に略してみた結果が『クー』です。結構ねんねこは気に入ってるんですけどね。クー。 >>ふみ。 >なんか かぁわいぃ(はぁと) >>「てうんにょわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 >>冗談ではなく本気で涙をぼろぼろと流しつつ、クラヴィスはあらん限りの声で意味不明な声を発した。 >>それを無視し、何度かゼルガディスは腕を踏みつける。 >>思いっきり。 >自業自得です。 自業自得……にしてはひどい気が。まぁ、半分泣かしましたからね、ゼルを。 >>「お・の・れ・はぁぁぁぁぁっ! しょーこりもなく人をからかいやがって! いっぺん死んでみるかっ!? 殺したじーさんが三途の川で手招きしてっぞっ!」 >手招きしてるのはクラヴィスの祖父ですね。(最初に読んだときはレゾかと思った。) ええ、自分で殺したクーの祖父です。 >>呆然として二人の茶番を見ていたゼロスが我に返った。 >凄い!ゼロスがこんな反応をするなんて。 ゼロスはクーが死なないということを分かってたからですね。『一体何をしているんだろふ。この人達は?』という呆然だったんではないでしょうか。 >>クラヴィスの悪癖だ。 >>怒りが頂点に達すると場にそぐわないおちゃらけをする。 >な・・・なぜ? 自らも気がつかない悪癖。 きっと無意識なんです。 >>「絶対あいつを殺してやる」 >剣を持っていようがもってなかろうが貴方は絶対に聖職者じゃありませんよ。 この言葉の意味は後に明らかになりますね。アドニスと約束したからです。 >>「いい気なもんだなぁ、クラヴィス」 >> 腕を折られ、のた打ち回るクラヴィスにアドニスは嘲り交じりで言った。 >>「裏の世界で働いていたことも忘れ、良いとこの坊ちゃんやってて幸せだろ?」 >全っ然やってないのにね。 >>「……何が言いたい」 >>「てめぇを見ていると虫唾が走る。たいした苦労もせず人並み以上の幸せって奴を味わってるてめぇを見てるとな。あのお姫さんもだ」 >この辺ですでになんか違うような・・・。『お金持ち』=『幸せ』じゃありませんよ。現に両家とも継承者争いで忙しいし。 アドニスは幸せがなんだか分からなかった。だから金持ち=幸せものだと思ってた、そういう意味も込めました。 >>「お前は石が本物だと知っていて、それでも父親に話さなかった。予告状が送られたくらいでお前がフィルさんに話すとは思えない。どっちかといえば、『犯人自分で捕まえてやるっ!』とか息巻いて外に出て行く可能性がお前の場合、ほぼ百パーセントだ」 >>「あう」 >> アメリアがうめいた。実はゼロスに身代わりを頼んだ時の台詞そのままだったのだ。 >わかりやすい行動パターンですね。 分かりやすいです。ゼルでさえ予想がつきます。 >>壁にはってある絵を指差して『下手くそ』と呟く聖職者もどきの姿。 >何の絵何ですか? アメリアがゼルの部屋で見た『僕とクラヴィス』の絵です。 >>「誰とは言わないけど誰かさんが窓ガラス割ってくれたおかげで、兄貴に家を追い出された。 >>『当分帰ってくるな』だと。 >> つーわけで、当分の間ついていくぞ。なぁ、誰かさん」 >ほ・・ほんとに?単に「せっかく戻ってきた玩具なんだからもっと遊ばなきゃ」とか思ってるだけなんじゃないですか? ほんとに言われました。とはいえ、兄貴には兄貴の別の思惑があって……というのはまた別のお話(はぁと) >>「戸締りと火の元の確認。それから――忘れ物をとりに」 >>「忘れ物?」 >>「うむ」 >> 頷き、荷物に突っ込んでいたものを取り出した。そのままその手を上にあげて、すばやく尋ねたクラヴィスに腕を振り下ろす。 >> すぱこんっ! >>「あだっ!?」 >> 小気味いい音と共にクラヴィスが声をあげた。彼の非難の目を無視し、手にしたハリセンを指差してゼルガディスは言った。 >やっとでてきた!(はぁと) でました(笑) はじめから最後に出そうと思ってたんですけど、ツッコミを頂いて『あうっ!?』とか焦ってしまいましたよ(笑) >> 大体オレがちょーっとばかりからかってやったらあっさりレゾに泣きつきやがってっ!」 >>「はっ! ちょっとばかし!? 毎晩毎晩、寝てる人の耳元で、怖い話のオンパレードしやがって!」 >>「たった一ヶ月話しただけで夜鳴きして一人で寝られなくなったくせにっ! こぉの根性なしがっ!!」 >クラヴィス。その手は今でも有効だぞ! 今でも耳元で怖い話のオンパレード(笑)ゼル、涙浮かべて布団に潜り込みそうですね。 >>「自分だって三日にいっぺん『これも修行だ』とか言われて骨折られてピーピー泣いてたくせにっ! お前、腕細っこいんだよっ!」 >>「はっはっはっ、もやしっ子に言われたかないなぁ」 >今回も折られてましたね。「骨は1度折れてくっつくと強くなる」というのは迷信ですか? ねんねこ、骨折ったことないんで分かりませんが…… >人間関係について一つ質問です。 >ゼルガディスとクラヴィスはノヴァとも、アドニスとも仲が良かったのですか? ゼルはともかく、クーとアドニス、ノヴァは仕事仲間でしたからまあ仲はよかったです。とはいえ、アドニスとノヴァは仲悪かったですけど。クーの仕事場にいつもゼルが遊びにきてたんですね。 ちなみに『翼の設計図』でクーが泣きついていた仲間、というのが実はアドニスだったりします。というのを今思いつきました。(殴) >>そして、クラヴィス。相変わらず性格のつかめない男です。こんな奴を好きだ、と言って下さった方々、本当にありがとうございます(ぺこり) >次回は本格的な戦闘シーンを見てみたいかなぁって。(すみません。大それた事を言いました。) >でも、彼の実力っていまいちつかめないんです。 本格的な戦闘シーン……ねんねこにあまり多くは望まないで下さい。描写できません(涙)ねんねこが書くと、どうしてもゆっくりとした戦いになってしまうので……テンポ悪すぎ。 >?の以上に多いわたしのコメントに毎回感想を書いてくださってありがとうございました。 いいえ、こちらこそ感想書いていただき、嬉しい限りです。 >それでは次回作に期待します。 ありがとうございました。 |
4130 | 良かったですv | 雫石彼方 E-mail | 8/25-21:09 |
記事番号4118へのコメント こんにちは、雫石です。 「蒼き石、赤き竜」の前のツリーに感想つけたんですが、またまたあっという間に沈んでしまいました(‐‐;)私が感想書くのが遅すぎるんですよね、すみません・・・。――ということで、今回は早めに書きました。 で、ついに連載終了ですね!お疲れ様でしたー。 ほんとに面白かったです! 私は仲良し4人組が大好きなんですけど、アメリア、ゼル、クラヴィスの3人組もかなりいい感じですねv > クラヴィスが掛け布団をむんず、と掴んだ。 > 一気に剥ぎ取ろうとする。 >「もう朝だっ! 朝だぞ、朝。もうちょー朝って感じぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」 >「嫌だぁぁぁぁぁぁぁっ! 寝るぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」 > 掛け布団に必死にしがみつき、ゼルガディスは絶叫した。 > > 不意にむくりと少女は起き上がる。 > まだ暗い空を見て、ベッドサイドにおいた懐中時計を見てからアメリアは憮然と呟いた。 >「………うるさい」 > >「さて、と」 > 朝食も食べ終わり、旅の仕度も済んでアメリアとクラヴィスは屋敷の外に出た。 > ……ちなみに余談だが、今朝(と言うべきだろう。夜明け前だが)の勝負とも言> >えないクラヴィスとゼルガディスの意地の張り合いは、ゼルガディスが朝食を作る>のを手伝う、という形で終了した。とはいえ、クラヴィスが勝ったわけではない。>必死にしがみつくゼルガディスごと掛け布団を部屋から出したクラヴィスが、廊下>であろうことかアメリアと鉢合わせし、掛け布団……もといゼルガディスもろとも>一階広間に蹴り落とされたのだ。 この部分、かなり好きです。特にコギャル語(笑)をしゃべるクラヴィスがらぶりーvああもう、クラヴィス君やっぱり大好きです!そしてじゃれる二人を蹴り落とすアメリアがとっても素敵(笑)ところで、アメリアのベッドサイドに置いてあった懐中時計はアメリアがゼロスからバースデープレゼントにもらったものですか?まだ(ゼルによって)壊されてなかったんですね(笑) これからもクラヴィスの出てくるお話を書かれるとのことですので、楽しみに待ってます!また3人の楽しい掛け合いが見たいな♪ あと、「最期の瞬間」も読みました。 このお話のクラヴィス君は切ない感じでしたね。ふざけたり、マジでキレたり、彼はいろんな面をもった人だなー、と思いました。それがまた魅力なんですねv 人間外生物にも嫉妬するゼルさんはとても微笑ましかったです(笑)愛されてますね、アメリアv では、今回はこの辺で。 |
4146 | そう言って頂けると……(感涙) | ねんねこ | 8/27-16:54 |
記事番号4130へのコメント 雫石彼方さんは No.4130「良かったですv」で書きました。 > >こんにちは、雫石です。 >「蒼き石、赤き竜」の前のツリーに感想つけたんですが、またまたあっという間に沈んでしまいました(‐‐;)私が感想書くのが遅すぎるんですよね、すみません・・・。――ということで、今回は早めに書きました。 こんにちは、ねんねこです。 えと、まずはじめに前回の感想ありがとうございました(ぺこり)感想のお礼と次の話を載せようとしたら、ツリー落ちてるし。 >で、ついに連載終了ですね!お疲れ様でしたー。 >ほんとに面白かったです! >私は仲良し4人組が大好きなんですけど、アメリア、ゼル、クラヴィスの3人組もかなりいい感じですねv ええ。ねんねこも4人組好きなんですけど、そうするとガウリナまで入れなくちゃいけないような感じがして……(汗)しかも、リナのキャラが立ってしまうんで、ゼルとアメリア目立てない……で、二人だけにするとリナたちいる意味あるのか……?ということになってしまい、クラヴィスを入れることとなりました。逆にゼルが素直になって(別人になりつつありますが)これはこれで良いんではないかと。 >> クラヴィスが掛け布団をむんず、と掴んだ。 >> 一気に剥ぎ取ろうとする。 >>「もう朝だっ! 朝だぞ、朝。もうちょー朝って感じぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」 >>「嫌だぁぁぁぁぁぁぁっ! 寝るぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」 >> 掛け布団に必死にしがみつき、ゼルガディスは絶叫した。 >> >> 不意にむくりと少女は起き上がる。 >> まだ暗い空を見て、ベッドサイドにおいた懐中時計を見てからアメリアは憮然と呟いた。 >>「………うるさい」 >> >>「さて、と」 >> 朝食も食べ終わり、旅の仕度も済んでアメリアとクラヴィスは屋敷の外に出た。 >> ……ちなみに余談だが、今朝(と言うべきだろう。夜明け前だが)の勝負とも言> >>えないクラヴィスとゼルガディスの意地の張り合いは、ゼルガディスが朝食を作る>のを手伝う、という形で終了した。とはいえ、クラヴィスが勝ったわけではない。>必死にしがみつくゼルガディスごと掛け布団を部屋から出したクラヴィスが、廊下>であろうことかアメリアと鉢合わせし、掛け布団……もといゼルガディスもろとも>一階広間に蹴り落とされたのだ。 > >この部分、かなり好きです。特にコギャル語(笑)をしゃべるクラヴィスがらぶりーvああもう、クラヴィス君やっぱり大好きです!そしてじゃれる二人を蹴り落とすアメリアがとっても素敵(笑)ところで、アメリアのベッドサイドに置いてあった懐中時計はアメリアがゼロスからバースデープレゼントにもらったものですか?まだ(ゼルによって)壊されてなかったんですね(笑) >これからもクラヴィスの出てくるお話を書かれるとのことですので、楽しみに待ってます!また3人の楽しい掛け合いが見たいな♪ コギャル語。まだコギャルってガン黒なんですかね(関係ないし) クラヴィス君人気が出てねんねこは嬉しい限りです。 なんかアメリアはゼルとクラヴィスのじゃれあいを止める係になりそうですね……力づくで。いや、まあ、それはそれで楽しそうですけど……アメリア、足癖悪すぎ(笑) アメリアの懐中時計はゼロスに貰ったものです(笑)読んで下さってたんですね(嬉)ありがとうございます(ぺこり) ねんねこの話はこれから基本的にこの3人として書いていくつもりです。今書き進めて(止まってる)学園ものにはさすがにクラヴィスは出てきていませんが……(汗)学園もの……ネタがなくて止まっている状態なのできっと次回もこの3人ですね。 >あと、「最期の瞬間」も読みました。 >このお話のクラヴィス君は切ない感じでしたね。ふざけたり、マジでキレたり、彼はいろんな面をもった人だなー、と思いました。それがまた魅力なんですねv >人間外生物にも嫉妬するゼルさんはとても微笑ましかったです(笑)愛されてますね、アメリアv クラヴィスは基本的に真面目で素直なんです。で、書き進めていったらあんな性格に(笑)ねんねこのゼルがあんなに壊れかけているのは多分クラヴィスのせいでもあると確信してます(笑) ゼル、何にでも嫉妬するな。いくらなんでも猫にまで……でも取られるのが嫌なんですね。 >では、今回はこの辺で。 ありがとうございました(ぺこり) |