◆−光に見た夢 ―6―−雫石彼方(8/25-21:50)No.4132
 ┣感想になってるでしょうか・・?(不安)−桜井  ゆかり(8/25-23:25)No.4133
 ┃┗大丈夫です−雫石彼方(8/27-20:23)No.4149
 ┣光に見た夢 ―7―−雫石彼方(8/27-20:13)No.4148
 ┃┣お久し振り……です(滝汗)−ゆっちぃ(8/28-00:43)No.4151
 ┃┃┗そんなことないですよ−雫石彼方(8/31-00:39)No.4186
 ┃┗またまた、現れました。−桜井  ゆかり(8/28-22:58)No.4160
 ┃ ┗いらっしゃいませv−雫石彼方(8/31-00:51)No.4187
 ┗光に見た夢 ―8―−雫石彼方(8/31-01:33)No.4188


トップに戻る
4132光に見た夢 ―6―雫石彼方 E-mail 8/25-21:50



こんにちは、雫石です。
この話も6話まできました!書き溜めしている分があと
少ししかありません・・・。そろそろ最後まで書き終わら
ないとなー・・・。

―――――――――――――――――――――――――――――

 がやがやと騒がしい食堂。
 ちょうど晩飯時のせいか、その宿屋兼食堂は人々で
ごった返していた。その片隅で、静かに食事をしている
二人――抜け道を通って城下に出た、ゼルガディスとアメリアである。

「――で、話し相手を引き受けたはいいが、いつまで続ける
つもりなんだ?いつまでも過去の世界にいるわけには
いかないだろう」
 ゼルガディスの言葉にアメリアは食事をする手を止め、
訴えるように言った。
「わかってます・・・・あと、8日。8日間だけ、ここに
いさせてください・・・」
「8日?やけに具体的な日にちだな。何かあるのか?」
「・・・母さん、言ってましたよね、今日が**年*月*日
だって・・・今日から8日後が、母さんが殺された日なんです」
「!!」
 アメリアは俯き、手をぎゅっと握り締めた。
「母さんは、暗殺者から私をかばって殺されたんです。
私さえいなかったら、あんなことにはならなかったのに・・・!」
 ゼルガディスは無言で聞いていた。俯いたアメリアの
表情は見えなかったけれど、彼女の小さな肩がかすかに
震えているのがわかった。
「これはきっと、あのおばあさんがくれたチャンスだと
思うんです。だって、私を見て、おばあさん言ったんです。
“後悔していることがあるだろう”って!そして、この
懐中時計をくれたんです!――私は、母さんを助けたい
んです・・・・だから・・・!」
「アメリア・・・・」
 ふうっとため息をつくと、ゼルガディスはぽん、とアメリアの
頭に手を置いた。
「わかった。とりあえず、8日間はこっちにいる。元の世界に
戻る方法もまだわかってないしな。そっちのほうは俺が調べて
おくから、お前はおふくろさんとゆっくり話して来い」
ぶっきらぼうだけど優しい言葉に、アメリアは嬉しそうに微笑んだ。
「――はい!!」
 元気に返事をすると、食事に専念し始めた。――が、また
手を止めてゼルガディスを見る。
「ねえ、ゼルガディスさん」
「ん?」
 へへえ、と嬉しそうに笑う。そして・・・

「大好き!!」
「ぶっ!!!」
 いきなり大声で告白するアメリアに、ゼルガディスは思わず
飲みかけのスープを吹き出すのだった。


 

 夕食後、各自部屋に戻り、そろそろ真夜中になろうか、というところ。
 ゼルガディスは窓の外をじっと見つめていた。

「どうすればいい・・・?」

 ゼルガディスは後悔していた。
 アメリアの勢いに押され、思わずこちらの世界に8日間いると
約束してしまったが・・・・
 アメリアは母親の暗殺を阻止するつもりだ。
 それは当然の行動だろう。しかし・・・
 アメリアの母親、セリシアは、大国セイルーンの第一王位
継承者の后である。そんな、歴史的に大きな意味を持つ、過去に
死んだはずの人物が生きていたことになれば、世界の歴史は
大きく変わってしまうかもしれない。
 それに、何より。今までのことから推察すると、アメリアが
あんなにも正義にこだわるようになったのは、母親の死が大きく
関係していると思われる。それが、今でも母親が生きている、
ということになれば、あそこまで正義一筋にはならなかった
のではないか。
 自分とアメリアが出会ったのは、アメリアがリナ達に
くっついて旅をしていたからで。アメリアがリナ達と旅を
始めたのは、“リナを中心に何かが動き始めている”と神託が
あり、それを見極めるため、そして正義を世に知らしめる
ためで。もし、アメリアがそこまで正義にこだわっていなかった
としたら、リナ達について行こうとは思わなかったのでは
ないだろうか。そして、それは必然的に自分との出会いも
なくなるということで・・・・
 そこまで考えて、ゼルガディスは小さくため息をついた。
「駄目だ、これじゃ俺のわがままに過ぎん。あいつにとって、
一番いいのは・・・」
 俺のことを大好きだと、だからずっと一緒にいたいんだと
微笑んだ彼女。
 自分のせいで死んでしまった母親を、絶対に助けたいんだと
言って、俯いた彼女。
 どちらも彼女の偽らざる姿・・・・
 俺と生きていく代わりに、母親のことを後悔しつづける人生と、
暖かな家族に囲まれる代わりに、俺のいない人生。あいつに
とって、どちらの人生が幸せなんだろうか。

「どうすればいい・・・?」

 結局思考は堂堂巡りするばかりで、何の解決口も見出せないでいる。
 そんなゼルガディスを嘲笑うかのように、時間はただ刻々と
過ぎ、夜も更けていった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

私はアニメから入ったのでアニメがベースなんですが、
アメリアがリナ達と旅に出た理由のところだけ、原作の設定を
もってきちゃいました。だってアニメの方のアメリアがリナ達と
旅に出た理由って、セイルーンの建物壊しちゃって、フィルさんが
怖いから逃げるようにリナ達と旅に出た、なんですもん。
これじゃあ正義もへったくれもあったもんじゃないし・・・(^^;)
ってわけですので、アニメと原作ごちゃごちゃじゃん、と
思っても、目をつぶってくださいね;


トップに戻る
4133感想になってるでしょうか・・?(不安)桜井 ゆかり 8/25-23:25
記事番号4132へのコメント


>
>こんにちは、雫石です。
こんばんわ。ゆかりです。


>「8日?やけに具体的な日にちだな。何かあるのか?」
>「・・・母さん、言ってましたよね、今日が**年*月*日
>だって・・・今日から8日後が、母さんが殺された日なんです」
>「!!」
そんな昔なんですね。
それも、殺された日ですか・・・


> アメリアの勢いに押され、思わずこちらの世界に8日間いると
>約束してしまったが・・・・
> アメリアは母親の暗殺を阻止するつもりだ。
> それは当然の行動だろう。しかし・・・
はい。私無理だと思います。過去を変える事は、未来になにか影響をあたえますから。


>これじゃあ正義もへったくれもあったもんじゃないし・・・(^^;)
>ってわけですので、アニメと原作ごちゃごちゃじゃん、と
>思っても、目をつぶってくださいね;
はい。
では、7を待ってますね。

トップに戻る
4149大丈夫です雫石彼方 E-mail 8/27-20:23
記事番号4133へのコメント


>こんばんわ。ゆかりです。

こんばんわ、またまた感想、ありがとうございます!
>
>
>>「8日?やけに具体的な日にちだな。何かあるのか?」
>>「・・・母さん、言ってましたよね、今日が**年*月*日
>>だって・・・今日から8日後が、母さんが殺された日なんです」
>>「!!」
>そんな昔なんですね。
>それも、殺された日ですか・・・

そうです、そうじゃないとこの話は意味がないんです。
>
>
>> アメリアの勢いに押され、思わずこちらの世界に8日間いると
>>約束してしまったが・・・・
>> アメリアは母親の暗殺を阻止するつもりだ。
>> それは当然の行動だろう。しかし・・・
>はい。私無理だと思います。過去を変える事は、未来になにか影響をあたえますから。

そのせいでゼルは悩みまくってるわけですね(^^)
>
>>これじゃあ正義もへったくれもあったもんじゃないし・・・(^^;)
>>ってわけですので、アニメと原作ごちゃごちゃじゃん、と
>>思っても、目をつぶってくださいね;
>はい。
>では、7を待ってますね。

早速「7」をアップしました。読んでみてください;
桜井さんはいつも読んでくださってるようで本当に
ありがたいです。
よろしければこれからも読んでやってくださいね。


トップに戻る
4148光に見た夢 ―7―雫石彼方 E-mail 8/27-20:13
記事番号4132へのコメント


「7」です。今回は早めにアップしてみました。
 

――――――――――――――――――――――――――――――


「それで、ドラゴン料理を食べる為にゼルガディスさんを
錨に、ガウリイさんをえさ代わりにして・・・」

「ブラスラケッツでリナさんとマルチナさんが・・・」

「みんなで着ぐるみを着て・・・」

 身振り手振りを交えてアメリアが話す話に、セリシアは
楽しげに声を上げて笑った。
 アメリアがここにきて話をするようになってから7日目。
 ずいぶんいろんな話をしたというのに、話の種は尽きることは
なく、今日もあっという間に時間は過ぎていった。
 幼くして母親を亡くしたアメリアは、あまり母親との
思い出がない。だから、こうして自分達のことを聞いてもらい、
セリシアがその話に笑ってくれるのが嬉しかったし、滅多に
城から出ること叶わぬセリシアもまた、活き活きと話す
アメリアとの時間はとても楽しかった。

「あなた達、本当にいろんなことをやってきたのね」
 よほど面白かったのか、まだ多少笑いを含んだ声で言う。
「リナさんはトラブルメーカーですから。一緒にいるといろんな
ことに巻き込まれちゃうんです」
 この場にリナがいたら間違いなくただではすまなそうなことを
言うアメリア。その言葉に、セリシアはまた、おかしそうに笑った。
「うらやましいわ、楽しそうで。――私も子供達がもっと
大きくなったら、家族みんなでぱあーっと旅にでも出ちゃおうかしら」
 冗談めかして言う言葉に、“実際にはそんなことできっこ
ないけど”というニュアンスをアメリアは感じ取った。
 もちろんそれは、王族としての義務を考えたらそんなことは
できない、という意味なのだが、このまま時が進めば、
彼女は明日、殺される。文字通り、“そんなことはできなく”なるのだ。
 知らず、膝の上のこぶしを握り締める。

―――絶対に、母さんは私が守ってみせます・・・!!

 アメリアは心の中で固く誓った。
 





「アメリア、話がある。ちょっといいか?」
 ゼルガディスがそう切り出したのは、夕食を済ませ、
それぞれの部屋に戻ろうとした時だった。
「?はい・・・」
 何かいつもと違う雰囲気を感じたが、とりあえずアメリアは
ゼルガディスを部屋に招き入れた。

 狭い部屋の中、アメリアはベッドに、ゼルガディスは椅子に
腰掛け、向かい合う。
 ――が、ゼルガディスは迷っているようで、
なかなか話し出そうとしない。
「あの・・・?」
 長い沈黙の後、痺れを切らしたアメリアに促されて、ようやく
口を開いた。
「―――アメリア・・・。俺と母親、どっちを選ぶ?」
「え・・・・?」
 あまりに突然な質問に、一瞬思考回路が止まる。
 ゼルガディスの意図していることが、分からない。やっとの
ことで、言葉を絞り出した。
「それは・・・どういう意味ですか・・・?」
 ゼルガディスは軽いため息をついた後、この一週間、悩みに
悩み続けたことをすべて吐き出した。
 セリシアの暗殺を阻止すれば、世界の歴史が変わってしまう
かもしれないということ、自分との出会いもなくなるかも
しれないということ・・・・。   
 もちろんそれは、可能性でしかない。セリシアが生きていた
ことになっても、何も変わらないということもあり得る。だが、
その可能性を信じるだけの根拠はどこにもないのだ。
 結局ゼルガディスは、答えを出すことができなかった。
 何が一番幸せなのか、それは所詮、本人にしか分からない
のだから・・・・。
 そして、すべてをアメリアに委ねることにした。
「お前が、決めるんだ。よく考えて、お前自身が導き出した
答えなら、俺はそれに従おう。それが例え、どんな答えだったと
しても・・・」
 そう言って、ゼルガディスは部屋を出て行った。

 一人残されるアメリア。しばらくは何も考えられなかった。
 唐突に付きつけられた問題は、余りにも大きすぎて・・・
 時計に目をやると、午後10時を少し回ったところ
だった。タイムリミットは明日の午後9時、彼女の母親が殺された
時間。
 それまでには答えを出さなければならない。

――その日、過去の世界に来て初めて、アメリアは眠れない夜を過ごした。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

シリアスすぎてギャグが入れられなくて辛いです・・・(^^;)
まあ、最初からそういうつもりで書いてたからしょうがないんですけど。
――にしても、もっと読んでてわくわくするような話が書きたい
です・・・この話、つまんなすぎ(TT)


トップに戻る
4151お久し振り……です(滝汗)ゆっちぃ E-mail 8/28-00:43
記事番号4148へのコメント


雫石さん、お久し振りですね☆ゆっちぃです。
感想遅れに遅れてごめんなさいです〜〜〜〜〜っっっ(><ι)
溜まりにたまった夏の宿題と戯れてたので………
こちらに来るのも久し振り、と言うなんとも情けない状態です(くすん)
しかもまだ宿題終わってないし………(泣)

で、早速読ませていただきましたvゆっちぃがご無沙汰していた間に結構アップされてて
嬉しい限りですー♪毎回毎回、素敵なお話をありがとうです!!

>――にしても、もっと読んでてわくわくするような話が書きたい
>です・・・この話、つまんなすぎ(TT)
 そんなことないですよっ!充分おもしろいですってvvv
 ゆっちぃ、雫石さんの書かれるお話大好きですよ? 自信もってくださいv

にしても、回を増すごとにおもしろく、目が離せなくなってきますね〜♪
姫はこれからどうするのでしょう?続きが楽しみですvvv
今度はいつ来れるかわかりませんが、できるだけ暇みつけてまた感想書かさせて頂きたいです☆
乱筆乱文、失礼致しました(ぺこり)


トップに戻る
4186そんなことないですよ雫石彼方 E-mail 8/31-00:39
記事番号4151へのコメント


>雫石さん、お久し振りですね☆ゆっちぃです。
>感想遅れに遅れてごめんなさいです〜〜〜〜〜っっっ(><ι)
>溜まりにたまった夏の宿題と戯れてたので………
>こちらに来るのも久し振り、と言うなんとも情けない状態です(くすん)
>しかもまだ宿題終わってないし………(泣)

ゆっちぃさん、こんにちは!
全然遅れてなんかないですよ。感想書いてくださっただけでもとても嬉しいです。
夏の宿題・・・・懐かしい響きです・・・。レポートの課題は私もありますけど、大学生はまだ1ヶ月近くお休みがありますから。ゆっちぃさんは宿題は終わったでしょうか?

>で、早速読ませていただきましたvゆっちぃがご無沙汰していた間に結構アップされてて
>嬉しい限りですー♪毎回毎回、素敵なお話をありがとうです!!
>
>>――にしても、もっと読んでてわくわくするような話が書きたい
>>です・・・この話、つまんなすぎ(TT)
> そんなことないですよっ!充分おもしろいですってvvv
> ゆっちぃ、雫石さんの書かれるお話大好きですよ? 自信もってくださいv
>
>にしても、回を増すごとにおもしろく、目が離せなくなってきますね〜♪
>姫はこれからどうするのでしょう?続きが楽しみですvvv
>今度はいつ来れるかわかりませんが、できるだけ暇みつけてまた感想書かさせて頂きたいです☆
>乱筆乱文、失礼致しました(ぺこり)

ああ、そう言っていただけると涙出そうです(きらーん)
次回はアメリアとおかーさまの語りです。お時間ありましたら、またぜひ読んでやってくださいねv
では、ありがとうございました〜!

トップに戻る
4160またまた、現れました。桜井 ゆかり 8/28-22:58
記事番号4148へのコメント

こんばんわ。ゆかりです。
Z&Aガーデンズで雫石さんのを読んできました。
もうすぐ閉鎖されちゃうのが悲しいですよ。雫石さんの小説が読めなくなるから悲しいです・・・・



>「―――アメリア・・・。俺と母親、どっちを選ぶ?」
>「え・・・・?」
> あまりに突然な質問に、一瞬思考回路が止まる。
アメリア的に究極の選択?(笑)
アメリア究極の決断(爆)なんて副題つけられそう・・・・・(笑)



> セリシアの暗殺を阻止すれば、世界の歴史が変わってしまう
>かもしれないということ、自分との出会いもなくなるかも
>しれないということ・・・・。   
> もちろんそれは、可能性でしかない。セリシアが生きていた
>ことになっても、何も変わらないということもあり得る。だが、
>その可能性を信じるだけの根拠はどこにもないのだ。
> 結局ゼルガディスは、答えを出すことができなかった。
> 何が一番幸せなのか、それは所詮、本人にしか分からない
>のだから・・・・。
ゼルガディスさん。かんがえたんですねぇー。アメちゃんはどーするんでしょうかね。




>まあ、最初からそういうつもりで書いてたからしょうがないんですけど。
>――にしても、もっと読んでてわくわくするような話が書きたい
>です・・・この話、つまんなすぎ(TT)
自分で言うのはどうかと思いますよ・・・・・
と、つっこみをいれつつゆかりでした。

トップに戻る
4187いらっしゃいませv雫石彼方 E-mail 8/31-00:51
記事番号4160へのコメント


>こんばんわ。ゆかりです。
>Z&Aガーデンズで雫石さんのを読んできました。
>もうすぐ閉鎖されちゃうのが悲しいですよ。雫石さんの小説が読めなくなるから悲しいです・・・・

こんばんは〜。
あちらの方の話も読んで下さったんですね。ありがとうございます!
>
>
>>「―――アメリア・・・。俺と母親、どっちを選ぶ?」
>>「え・・・・?」
>> あまりに突然な質問に、一瞬思考回路が止まる。
>アメリア的に究極の選択?(笑)
>アメリア究極の決断(爆)なんて副題つけられそう・・・・・(笑)

まさに究極の選択ですね!
「アメリア、究極の決断」・・・(笑)あれ、前に「リナ、究極の決断」っていうのありませんでしたっけ?(よく覚えてない/汗)
>
>> セリシアの暗殺を阻止すれば、世界の歴史が変わってしまう
>>かもしれないということ、自分との出会いもなくなるかも
>>しれないということ・・・・。   
>> もちろんそれは、可能性でしかない。セリシアが生きていた
>>ことになっても、何も変わらないということもあり得る。だが、
>>その可能性を信じるだけの根拠はどこにもないのだ。
>> 結局ゼルガディスは、答えを出すことができなかった。
>> 何が一番幸せなのか、それは所詮、本人にしか分からない
>>のだから・・・・。
>ゼルガディスさん。かんがえたんですねぇー。アメちゃんはどーするんでしょうかね。

そりゃー愛するアメリアのことですもの、考えまくったでしょう(笑)

>>まあ、最初からそういうつもりで書いてたからしょうがないんですけど。
>>――にしても、もっと読んでてわくわくするような話が書きたい
>>です・・・この話、つまんなすぎ(TT)
>自分で言うのはどうかと思いますよ・・・・・
>と、つっこみをいれつつゆかりでした。

そうですねー、なんか最近自信喪失気味で・・・いや、でも頑張りますよ!
もうちょっとで全部書き終われそうなので、気合入れて書かなければ!!
では、どうもありがとうございました!

トップに戻る
4188光に見た夢 ―8―雫石彼方 E-mail 8/31-01:33
記事番号4132へのコメント


最近ツリーが落ちるペースが速いんで、このツリーに付け足すかどうか
迷ったんですけど、まだツリーが残ってるのに新しく作るのも
気が引けたので、付け足すことにしました。「8」です。
では、さくさくっといきましょう♪

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 もう既に高く上っている太陽が、暖かな日差しを注いで
いる。そんな穏やかな天気の下、アメリアは城への道を
のろのろと歩いていた。

 あれから、結局まんじりともしないまま無情にも夜は明け、
その日はやって来た。
 朝、一体何を食べたのかも覚えていない。覚えていたと
しても、味なんかわからなかった。
 一言もしゃべらぬまま朝食を済ませ、
「時間までにはちゃんと答えを出しますから・・・もう少し待ってください」
とゼルガディスに告げ、宿屋を出てきた。

 ――私は、どうしようとしてるんだろう・・・
城に行ったところで、母さんを助けたいという思いを
強めるだけ・・・でも!!ゼルガディスさんと逢わなかったことに
なるなんて絶対嫌!!――でも・・・・

 二人とも、かけがいのない大切な人。
 天秤にかけることなんてできない。
 考え込みながら歩を進め、気付けば城の抜け道の出口まで来ていた。
 ぎゅっと目をつぶってみる。

 ――母さんと話すことで、何か糸口が掴めるかもしれない・・・・

 答えの欠片を求めて、アメリアは抜け道に入り込んだ。



「どうしたの?何だか今日は元気ないけど」
「そ、そうですか?そんなことないですけど・・・」
「さては、ゼルガディスと喧嘩でもした?」
「え?ええ、まあ・・・そんなとこです・・・」
 そう答えて俯いたアメリアの前に、紅茶が差し出される。
「とりあえず、これでも飲んで。紅茶は心を落ち着かせる
効果があるのよ」
「――はい・・・」
 猫舌な為、ふうふうと覚ましてから一口飲む。温かな紅茶が
体に染み渡っていく感覚が心地良かった。
「そういえば、リスティ達が初めてここに来た日も、こうやって
紅茶を飲んだのよね。その時も、あなたが混乱してて・・・」
 その時のことを思い出して、セリシアがくすくすと笑う。
「あなた達ってば、いきなり“今日は何年何月何日だ!”とか
言うんだもの。びっくりしたわ」
「そうでしたね・・・・」
 セリシアにつられて、アメリアも笑う。――が、やがて真顔に
戻ると、意を決し、セリシアに問い掛けた。
「セリスさん・・・。あの・・・セリスさんは、本当に心から
後悔していることって、ありますか?」
「え・・・?」
 なぜ急にそんな質問をするのか不思議に思い、怪訝そうな顔を
するセリシア。だが、アメリアの真剣な表情を見て、答えを探した。
「そうね・・・――あるわ、一つだけ」
「じゃあ、もし・・・その時に戻れるとしたら・・・セリスさんは、
どうしますか?」
 どこか張り詰めたようなアメリアの視線。それを真っ直ぐ受け止める。
「過去に戻れたら、か・・・。そうね、多分・・・」
「多分?」
「どうもしないわ」
「・・・・・・へ?」
 余りに予想外な答えに、思わず気の抜けた声で聞き返す。
「あの、どうもしないって・・・」
「まあ、しいて言うなら、せっかく過去の世界に行ったんだから、
知り合いの幼い時の姿を見て回るのも面白いかもね」
「そういうことじゃなくて・・・!どうしてですか!?
後悔してるんでしょう!?」
「確かに、後悔はしてるわ。でもね、否定はしたくないの」
「否定・・・?」
「そう。後悔していることがあって、でもそれ以上後悔しないように
努力して、必死に生きてきて・・・。そして、今の私があるの。
なのに過去を修正したりしたら、今まで頑張ってきたことすべてが、
何の意味もなくなってしまうでしょう?それは、今の自分を否定する
ことになる・・・それじゃあ、今の私がかわいそうだわ」
 セリシアの言葉を、アメリアはただ呆然と聞いていた。
「それに、私は今、幸せだもの。今までの良かったことも
悪かったことも全部ひっくるめて、幸せって言えるから。
だから、どうもしない」
「幸せ・・・?」
「ええ。自由に旅することはできなくても、愛する夫と可愛い
子供達に囲まれて。いつだって、心が温かいって感じられる。
――あなたは?」
「私・・・?」
「あなたの心は、温かい?」
「私の・・・心は・・・・」
 アメリアが呟いた、その時。
「うわあああああああああんっ!!」
 盛大な子供の泣き声が聞こえてきた。それと同時に、こちらに
ばたばたと駆けて来る足音。そして、ドアごしに声が掛けられる。
「セリシア様!あの、アメリア様がっ!」
 その言葉に、思わずドキッとして腰を浮かすアメリア。だが、小さい
頃の自分のことだと気付き、座り直す。
「アメリアがどうかしたの?」
「それが、お昼寝をされていたのですが、悪い夢をご覧になった
らしくて・・・」
 セリシアは“困った子ね”と苦笑すると、
「わかったわ。すぐ行くから、待っててちょうだい」
と侍女に告げた。
「かしこまりました」
 侍女の気配が遠ざかっていくのを確認すると、セリシアは
アメリアに向き直った。
「ごめんなさいね、ちょっと行ってくるわ」
「お子さん・・・ですか?」
「ええ。二人姉妹の下の子なんだけど、ちょっと甘えん坊さんなの」
 そう言って笑うセリシアの顔は愛情に溢れていて、アメリアは
胸が苦しくなった。
「お子さんを・・・家族を、愛してらっしゃるんですね」
 アメリアの問いに、セリシアはふんわりと微笑んだ。
「私の宝物だもの」
 “ちょっと待っててね”と言うと、セリシアは部屋を出て行った。
 テーブルに置かれた紅茶を見つめる。
 様々な言葉が浮かんでは消えていった。

『確かに、後悔はしてるわ。でもね、否定はしたくないの』

『それじゃあ、今の私がかわいそうだわ』

『今までの良かったことも悪かったことも全部ひっくるめて、幸せって言えるから』

『私の宝物だもの』




『あなたの心は、温かい?』




 そっと胸に手を当ててみる。
 涙が、零れた。



 セリシアが戻るのを待たずに、アメリアは城を後にした。
 宿屋へと向かうその足取りは、行きとは違い、しっかりしたものだった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

今回は頑張って、いつもよりちょぴっと長めですv
クライマックスは間近です!あと2回・・・かな?
もうしばらくお付き合いくださいね〜。では!