◆−遠い昔に・・・5−緑原実華(9/19-20:45)No.4350
 ┣私も似たような感じです。−桜井  ゆかり(9/19-22:27)No.4356
 ┃┗いつもいつもありがとうございます〜!!−緑原実華(9/20-16:57)No.4361
 ┗遠い昔に・・・6−緑原実華(9/22-21:49)NEWNo.4403
  ┣初めましてです♪−ゆっちぃ(9/23-02:01)NEWNo.4407
  ┃┗初めましてです〜!!−緑原実華(9/23-11:01)NEWNo.4410
  ┗遠い昔に・・・7−緑原実華(9/23-14:37)NEWNo.4412
   ┗Re:遠い昔に・・・7−桜井  ゆかり(9/23-15:32)NEWNo.4413


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4350遠い昔に・・・5緑原実華 E-mail 9/19-20:45


はい!”5”です!!
このごろ学校の宿題が山のようにあって死にそうです・・・。
そんな中で小説投稿してる私って・・・
まぁ・・気を取り直して!本編どうぞ!


「それじゃ話もまとまった所で・・・私たちは帰りましょうか?」
リナたちは、1週間、マリアが時空転移の書物を探す間13年前のゼルガディス家にお世話になることになったのだ。
「待ってて〜いとしのフィルオネルさ〜ん!!あなたのマリアが今帰りますわ〜!!」
一人の世界にどっぷり入ってしっまているマリア・・・マリアの趣味がわからん・・・さっきまでは笑顔で話していた幼きゼルガディスもアメリアも「帰る」という言葉を聞いて一気に表情が暗くなる。
「ほ〜ら!!アメリアちゃん帰るって!ゼルガディス、ちゃんとバイバイしないと・・・。」
と、母親のクリスが言うのだが・・・
「バイバイなんてしない!!」
怒り口調で言う少年ゼルガディス。くるりと少女アメリアの方に方向転換する。
「一生会えなくなるわけじゃないもんな!俺、バイバイなんて言わない。なっ!アメリア!」
「・・・・うん・・・。」
笑顔で振舞っている少年ゼルガディスに対して少女アメリアの表情は暗い・・。
「ほらほらアメリア!そんな暗い顔してちゃゼルガディス君に嫌われちゃうわよ〜〜!」
「や、やだ!!」「俺、嫌いになんかならないよ!!」
マリアの言葉に二人とも同時に声をあげた。二人は顔を見合わせる・・・。
「き、嫌いになんか・・・絶対ならないからな!!」
「ほんと・・・?」
「絶対ほんと!!約束する!だから・・・・だから・・・・」
少年ゼルガディスは何やらなかなか言葉が出ない・・・少女アメリアはきょとんとした表情で少年ゼルガディスを見つめている。そんなアメリアを見て、少年ゼルガディスは少し照れながら・・・
「だから、アメリアも俺のこと嫌いになるなよ!!絶対だからな!!約束だからな!!」
「うん、うん!!」
「それと、ここからが大切なんだ!!よ〜く聞けよ!!」
何とか少女アメリアにも笑顔が戻った・・・少年ゼルガディスの話をうなずきながら聞いている。
「ふ〜〜〜〜〜〜ん・・・ゼルちゃんたら〜〜〜やるわねー!!よっ!!男の中の男!!今もこれぐらい積極的だったらアメリアも喜ぶのに・・・どうしてこんなひねくれた性格になっちゃったのかしら・・・。」
「リナ・・・お前いいかげん黙ってろ!」
一つ一つの行動にちゃちゃいれられては、さすがにゼルガディスともいえども、疲れる・・・というより恥ずかしい・・・しかも今の状況ならさらに・・である。
「な〜に・・?”大切”なこと?」
少女アメリアが不思議そうに少年ゼルガディスに尋ねるが、少年ゼルガディスにはさっきまでの笑顔はなく・・・どちらかというと苦痛の表情・・・やはり子供、心の中の感情を隠せないのだろう。
「絶対・・・絶対、俺以外のやつのこと好きになったらだめだからな!!俺よりかっこいいやつがいてもだめだぞ!!強いやつもだめだぞ!!絶対絶対だめだからな!!」
どうやら「浮気するなよ!」と言いたいらしい・・・呆然と聞いていた少女アメリアだったが、
「うん!!わたしの王子様は一人だけだもん!」
いつもの笑顔で答えるアメリア。今と変わらない笑顔・・・。少女アメリアのこの言葉を聞いて、おもわず少年ゼルガディスが少女アメリアの手を取り、キスをする。
『!!!!!!』
その場にいたもの全員が言葉を失う。少女アメリアもただ呆然と立ち尽くしている。
「本で見たことがあったんだ。王子様はお姫様にこうするものなんだって!これで俺は本当にアメリアの王子様になったんだぜ!」
嬉しそうに微笑む少年ゼルガディス。少女アメリアも嬉しそうに笑った。
「クリス・・・ゼルガディス君て大胆ね・・・。」
「我が子ながらなんて手の速さ・・・・誰に似たのかしら・・・?」
などと、こちらは冷静に話しているのだが・・・13年後のゼルガディスとアメリアは恥ずかしさのあなり声がでない・・・リナとガウリイはというと・・・
「ゼルって・・・独占力すごすぎ・・・ちがう人みたい・・・。」
「リナ、それはたぶん相手がアメリアだからだろ?」
「それゃまぁーそうだけどさー・・・こんな昔からとは思わないわよ・・・。」
「俺たちも昔会ってたかもしれないぜ!こんなふうに・・・・。」
「なっ!!何言い出すのよ!!このクラゲ〜〜〜!!」
バコンッ!!
こっちはこっちで盛り上がっているようだ・・・。
「それじゃ、まぁ、一応約束もかわしたわけだし・・・あー!!それにゼルガディス君!!1週間の間13年後のアメリアといれるわよ!」
と、マリアはアメリアのほうに指さす。
「えーーーーーーーー!!」
少年ゼルガディスがいきなり叫んだ。
「どうしたのよ!?」
「だって、アメリア、俺より大きくなっちゃうのー?!」
本気で困っている表情の少年ゼルガディス。
『カワイイ〜〜〜』
またもやリナとアメリアの声がハモる。本当に純粋なのね・・・
「な〜にいってんのゼルガディス!!このアメリアちゃんは未来から来たのよ!あんたも大きくなってるわよ。この岩のお兄ちゃんみたいに・・ね〜?」
なんだか意味ありげにゼルガディスの肩をたたきながら言うクリス。
「このお姉ちゃん、私?」
少女アメリアも不思議そうにクリスに尋ねる。
「そうよ!13年後のアメリア!母親としては娘の成長を先走って見たって感じで・・・将来の楽しみが減っちゃったかしら・・・なんてね!」
陽気でふるまうマリア・・しかし、マリアがこの姿のアメリアを見る事はないのだ。そう思うと、アメリアノの表情が沈むが、
(だめだめ!!ここで沈んだ顔なんてしたら・・・母さんがこの姿の私を見れないって言ってる事と同じになっちゃう!)
慌てて顔をあげるアメリアだったが・・・
フワッ
いきなりマリアに抱きしめられた。
「へっ?あ・・あの?母さん?」
いきなりのことなので、かなり気が動転している様子・・・そんなアメリアを見てマリアが微笑みアメリアの耳元で優しくささやいた。
「アメリア・・・幸せになりなさい・・・。」
「えっ?」
かすかなささやき・・・だがアメリアにはしっかり聞こえたのだ。すっとアメリアの体を離すと少女アメリアの手を引いた。
「それじゃあ!1週間後にセイルーンで待ってるわ〜!」
さっきの調子とまるで裏腹にハイテーションに振舞う。
「よろしくお願いしますね〜!マリアさん!」
リナが言うと、
「任してちょうだい!!このマリアに不可能なんてなくてよ!!」
「たかが書物探すのに1週間かかるやつがいうセリフじゃないわよ・・・。」
「うっ・・・。」
いつもクリスの冷たいツッコミでテイションが下がってしまうマリア。
「母さん!俺、途中まで送ってくるよ!いいだろ?」
「いいけど・・・ついてっちゃ―だめよ。」
「そんなことしないよ!少しでもアメリアといたいから・・・な?」
「うん!!」
「それに、未来のアメリアもいるし。」
と、アメリアに視線を移す。幼いとはいってもゼルガディスには変わりないわけで・・・一瞬ドキッとしてしまう。と、そんな時マリアがゼルガディスの側に来て微笑みながらゼルガディスの耳元でささやいた。
「アメリアのこと・・・よろしくね・・・。」
「!!」
「さぁ!帰って書物探しよ〜!!」
そのままマリアたちは村を後にした・・・意味深い言葉を残して・・・
「ちょっと〜ゼル、アメリア何ボーとしてるのよ?」
二人ともマリアの残していった言葉が気になっていた。一体あの言葉の意味はなんなんだろうか・・・?そこに、クリスが・・・
「まったく・・・アメリアちゃんのことになると目の色変えちゃうんだから・・・未来でもそうなわけ?13年後の我息子!!」
ポンッとゼルガディスの肩に手を置く。
「な、なにーーーーーーーーーーーー!!!気ずいてたのかーーーー!!!」
ゼルガディスが大声をあげて驚くのだが、クリスはあきれた口調で対抗する。
「さっきから、あんたの仲間が”ゼル”って何回も呼んでるじゃない?!それに、自分の子供の顔ぐらい、どんなに月日が変わってもわかるわよ。なんたって、ゼルガディスは父さんそっくりだからね〜。」
そう言われたゼルガディスだが・・・
「驚かないのか?」
「何が?」
「何がって・・・!俺のこの姿を見て何も思・・・・!!」
言いかけたゼルガディスの口をクリスがふさぐ。クリスにはゼルガディスが何を言おうとしているか察したのであろう。一息ついてクリスが話す。
「ゼルガディスがどんな姿してようと、あんたは私の息子よ。それでいいんでしょ?」
そういうと、静かにゼルガディスの口から手を離す。

この言葉・・・前にもどこかで・・・似たような言葉をどこかで聞いたような・・・

たとえ自分が合成獣でもちゃんと自分の事を見てくれている・・・そんな言葉・・・自分の母親から言われた事がこの上もなく嬉しかったのだ・・・。

「こんな所でもなんだし・・・家にいきましょう!お腹すいたでしょ?」
「そういえば、私お腹ペコペコ〜」
「リナはいつだってそうだろ?」
「うるさいよ、ガウリイ。」

懐かしい・・・自分の家へ・・・・
                   つづく




一体どこまで続くのでしょう(笑)
今回は本当に幼いゼルアメしか書けませんでした・・・。
次回はまた普通のゼルアメに戻るでしょう!

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4356私も似たような感じです。桜井 ゆかり 9/19-22:27
記事番号4350へのコメント

緑原実華さんは No.4350「遠い昔に・・・5」で書きました。
>
>はい!”5”です!!
>このごろ学校の宿題が山のようにあって死にそうです・・・。
>そんな中で小説投稿してる私って・・・
こんばんわ。実華さん。
学校の宿題って簡単ですよ。でも、私の場合それ+読書が追加されます。



>「き、嫌いになんか・・・絶対ならないからな!!」
>「ほんと・・・?」
>「絶対ほんと!!約束する!だから・・・・だから・・・・」
>少年ゼルガディスは何やらなかなか言葉が出ない・・・少女アメリアはきょとんとした表情で少年ゼルガディスを見つめている。そんなアメリアを見て、少年ゼルガディスは少し照れながら・・・
>「だから、アメリアも俺のこと嫌いになるなよ!!絶対だからな!!約束だからな!!」
少年ゼルガディス君は純情さんですよ〜☆可愛いですよ。



>「クリス・・・ゼルガディス君て大胆ね・・・。」
>「我が子ながらなんて手の速さ・・・・誰に似たのかしら・・・?」
手速すぎ!
というか、誰に似たんだろふ・・・・・


>かすかなささやき・・・だがアメリアにはしっかり聞こえたのだ。すっとアメリアの体を離すと少女アメリアの手を引いた。
>「それじゃあ!1週間後にセイルーンで待ってるわ〜!」
>さっきの調子とまるで裏腹にハイテーションに振舞う。確か、アメリアのお母さんって○ーガみたいなセンスの持ち主でナー○と同じような性格らしいですね・・・・



>二人ともマリアの残していった言葉が気になっていた。一体あの言葉の意味はなんなんだろうか・・・?そこに、クリスが・・・
>「まったく・・・アメリアちゃんのことになると目の色変えちゃうんだから・・・未来でもそうなわけ?13年後の我息子!!」
>ポンッとゼルガディスの肩に手を置く。
>「な、なにーーーーーーーーーーーー!!!気ずいてたのかーーーー!!!」
気ずかない親がいたらすごいと思うよゼルガディスさん・・・・




>
>
>
>一体どこまで続くのでしょう(笑)
か、考えてないんですか・・・?

>今回は本当に幼いゼルアメしか書けませんでした・・・。
>次回はまた普通のゼルアメに戻るでしょう!
次も頑張って書いて下さい。また、感想を書きに来ますから。
では、ゆかりでした。

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4361いつもいつもありがとうございます〜!!緑原実華 9/20-16:57
記事番号4356へのコメント

いつもコメントありがとうございます〜!!
ゆかりさんのコメントはいつも私が書いてすぐにくるのでとてもうれしいです!

え〜・・・一応最後まで考えているはいるんですが、そこまでいくまでのいきさつが長〜くかかりそうなのです・・・半分は書いたと思います・・たぶん・・(死)

今度は少年ゼルガディスとアメリアのからみ(?)らしきものを書いてみようかなー・・・と計画中(笑)最後まで見捨てないでやってください・・・!!いつも読んでくださって本当ありがとうございますー!!ゆかりさんも小説がんばってください!!


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4403遠い昔に・・・6緑原実華 E-mail 9/22-21:49
記事番号4350へのコメント

眠いです・・・とても・・・(笑)
このごろ睡眠不足なんだなー・・・
まぁそんなことはどーでもいいことで・・・
やっと”6”です・・。



カコンッ!カコンッ!
どことなく響く音・・・・
「いやー、薪割りなんてひさしぶりだよなー・・。よっと!」
威勢よく斧をふり薪をわるガウリイ。それをクリスが満足そうに見守るが、一人ゼルガディスはご機嫌ななめの様子・・・。
「何すねてるのよ!息子!」
「そうだぞーゼルガディス!久しぶりに自分の家に帰ってきたんだろ?」
そう、たとえ過去でも自分も家に帰ってきたことには間違いないのだが・・・なぜ、いきなり・・・
「薪割りなぞせないかんのだーーーー!!」
せっかく久しぶりに帰ってきたというのに、一番最初に申しだされたのは”薪割り”だったのだ・・・。
「ゼルガディス!あんた何もしないで1週間とどまるつもり?そんな子に育てた覚えはありません!」
「だからって、なんでいきなり薪割りなんだ?!」
「あら?だってー、うちの男どもはみんな旅にでちゃって私一人で薪割りなんて大変なのよ〜。そ・れ・に!薪がなければ火がおこせない!火がおこせないということはご飯が作れない!ご飯が作れないってことは・・・夕飯ぬき!」
クリスの”夕飯ぬき”に反応したのかガウリイは黙々と薪を割りつづけている。ゼルガディスはやれやれといった感じである。
「あれ?そういえば、リナとアメリアはどこいったんだ?さっきから姿が見えんが・・・」
ガウリイが辺りを見回していると、クリスが、
「もう一人のゼルガディスにつかまってるわよ。」
と、微笑みながら言うのだった。


クリスが言ったとおり、マリアたちを村の出口近くまで見送って帰ってきた少年ゼルガディスがリナとアメリアに話しかけていた。
「本当にお姉ちゃんがアメリアなのか?」
アメリアに視線を移し尋ねる少年ゼルガディス。リナはアメリアの首に手を回して少年ゼルガディスの顔の近くまでアメリアを近づける。
「ほ〜ら、ほ〜ら!よく見なさい!あんたの大〜好きなアメリアよ〜!13年後はこんなふうになっちゃうのよ。どお?あんたの好きなタイプの女になってる?」
「リ、リナさん!!なんてこと聞くんですが〜!!」
リナの腕の中で赤面しながらもがくアメリアだったが、
「俺の好きなタイプはアメリアだ。アメリアだけ!」
少年ゼルガディスのこの言葉に声が出なくなる。今のゼルガディスではどうやっても口に出さない言葉をあっさりといってしまうのだから・・・。
「お姉ちゃん、本当に大きくなったアメリアなんだ!」
「えっ!!あ!はい!そうですけど・・・」
「ちょっとアメリア・・・あんた、なに緊張してるのよ!子供相手に・・・」
「子供相手って・・・!!たとえ見た目は子供でも、ゼルガディスさん本人なわけじゃないですか。そう思うと・・・・。」
アメリアは顔を真っ赤にして話す。リナはやれやれと言う感じでため息をつく。すると、少年ゼルガディスが声を弾ませながらアメリアに尋ねる。
「じゃあ、大きくなってもアメリア!俺のこと好きか?」
『えっ?!』
あまりに大胆な質問だったのでリナとアメリアの目が点になる。少年ゼルガディスはアメリアの側まで行き、アメリアに顔を近づける。
「今も俺のこと好きか?そてとも、嫌いになったのか・・?」
「えっ!?いえ・・!!嫌いになんてなってませんけど・・・!!あの!!その・・!!え〜と・・・!!あ〜ん!!リナさん、助けてください〜!!」
リナに涙目で訴えるのだが、リナは意地悪そうな笑みを浮かべ・・・
「ほ〜ら!ゼルもこう言ってることだし、好きか嫌いかいってあげなさいよ〜!邪魔者は消えてあげるから!がんばってねーアメリアー!」
そう言ってリナはアメリアたちの前から姿を消した。
「リナさん・・・絶対楽しんでる・・・・。」
「アメリア!!」
「は、はい!!」
大声で少年ゼルガディスに呼ばれたアメリアは思わず返事をしてしまう。
「今でも・・・大きくなっても・・・俺のこと好きか?」
真剣なまなざしで質問してくる少年ゼルガディスにアメリアは赤面しながらも質問に答えた。
「・・・・・好き・・・ですよ・・すごく・・。」
「本当?!」
「は、はい!本当です!!」
「これからも?」
「えっ?」
「これからも・・・ずっと・・好き?俺のこと・・・。」
少し不安な表情で聞いてくる・・・こんな時の表情は今のゼルガディスにそっくりである。アメリアは優しく微笑み少年ゼルガディスに顔を近づける。
「はい!ずっと・・・いえ!一生好きです!きっと・・・。」
その言葉と同時に少年ゼルガディスは近づいていたアメリアの頬にキスをする。
「約束だからな!アメリア!」
そう言った少年ゼルガディスの表情はとても満足感あふれていた。アメリアもその表情につられて微笑む。
ガランッ
なにやら近くでなにかが落ちる音がした。その音がしたほうに視線を向けると、薪を手に抱えたガウリイと手に薪を持ってたのだろうと推測されるゼルガディスが立っていた。もちろん、さっきの音はゼルガディスが薪を落とした音である。そのゼルガディスの表情は幼い少年ゼルガディスとは対象的なもの・・・。
「お、お二人ともいつからそこに・・・?!」
慌ててアメリアが尋ねる。するとガウリイが・・・
「あー・・・そこの小さいゼルがアメリアにキスするところから・・・。」
と、遠慮気味に言ったのだが、アメリアは自分が告白した(?)事を聞かれていなかったので一安心した様子・・・なのだが・・・ゼルガディスにとっては一番見たくないものを見てしまったようで・・・。
「ゼル、自分に嫉妬するなよ。」
ガウリイがゼルガディスに耳打ちして話すが・・・
「・・・・・努力する。」
と、引きつりながら言うのだった。


それからというもの・・・少年ゼルガディスはアメリアの側にいつもいるようになった。時には、アメリアに抱きつくこともしばしば・・・最初はとまどっていたアメリアも何回も抱きつかれるとさすがに慣れてしまったらしく、アメリアも自分の知らないゼルガディスの昔を知ることができてとても満足なのだが・・・、そんな二人の姿の見て不快に思っている者が1名・・・言うまでもなくそれはゼルガディス・・・そんな調子で日が刻々と過ぎ、セイルーンに旅立つ日が迫ってきた。そして・・・旅立つ前日の夕食時のことである・・・・。

「アメリアたち・・・明日セイルーンに行くのか?」
少年ゼルガディスは寂しそうな表情でアメリアに尋ねた。スープを飲む手を止めてアメリアはニコッと微笑みかけた。
「大丈夫です!絶対また会えます!必ずです!ね?」
と、ゼルガディスに視線を送るが、ゼルガディスは何も言わないまま食事を進めている。
「本当に?絶対?」
「はい!!絶対です!!」
二人とも笑顔で言い合い食事を進めた。
「母さん!おかわり!」
「はいはい。本当にゼルガディスこのスープ好きねー私のオリジナルスープ!」
「俺、このスープ、母さんが作る料理の中で一番好きなんだ!」
「あら?うれしいこと言ってくれるわねー!よしじゃあー大盛り!」
少年ゼルガディスはその大盛りスープをおいしそうに飲んでいる。
(ゼルガディスさんの好きなものなんだ・・・)
心の中で呟くアメリア。それを察したかのようにクリスが、
「どう?アメリアちゃんの口に合うかしら?」
「はい!とてもおいしいです!」
「ありがとう。あ!なんなら作り方教えてあげよっか?」
「えっ?!でも・・・私料理はあんまり上手じゃないんですけど・・・・。」
「大丈夫!簡単よ!すぐできるようになるわ、アメリアちゃんなら!それに・・・」
アメリアの耳元でクリスが呟く。
「ゼルガディスに作ってあげたくな〜い?」
ピクッとアメリアの体が動く。
・・・・作ってあげたいかも・・・・・
「あの・・・それじゃあ・・教えていただけますか?」
「は〜い!!まかせて!アメリアちゃんて素直でかわいい!」
ギュウ〜とアメリアを抱きしめるクリスだったが・・・
「母さん!!アメリアは俺のなんだから捕っちゃだめ!!」
「あ〜ら、ゼルガディスがもたもたしてたら誰かに捕られちゃうかもよ〜。」
ピクッと今後はゼルガディスが反応する。
・・・・誰かに、捕られる・・・か・・・・
「嘘よ!嘘!ゼルガディスすぐ本気にしちゃうんだから・・・。」
とかなんとかしてる間に食事は終わり一息ついていると、少年ゼルガディスがアメリアにいつものように抱きついた。
「な?アメリア!今日でお別れなんだからさ、一緒のお風呂はいろうよ!」
ぶっ!!!
一息ついでに飲んでいたコーヒーを噴くゼルガディス。
「えっえ〜〜〜〜〜!!それはちょっと・・・・。」
「だめなのか?」
「だめだ!!!」
いきなり二人の会話に割り込んできたゼルガディス。少年ゼルガディスはムッとした表情でゼルガディスを睨む。
「お兄ちゃんは関係ないだろ!!」
「関係大有りだ!!」
「関係ないよ!!」
「あるといったらあるんだ!!」
自分と言い合いし続けている状況をみてリナが呟く。
「自分に嫉妬してどうするのよ・・・。」
と・・・・。


ここは書物部屋。ゼルガディスは夜ここに足を運ぶのが日課となっていた。レゾが集めた書物がぎっしりとつまっている。部屋の真ン中にある机で書物を読むのも今日で最後、明日はセイルーンに出発する・・・。
「ってのはどうでもいいんだー!!あのクソガキ!!一体なんなんだ!ベタベタアメリアにくっついて・・・・!!」
あれはあんただ!ゼルガディス!!
「呼びましたか〜ゼルガディスさん!」
「ア、アメリア?!なぜここに・・・?」
「なぜって・・・明日は早いんですから、早く休んだ方がいいですよ。ゼルガディスさんのことだからまた書物あさりに言ったのかと思って・・・。」
「あさるという表現やめろ。」
不機嫌そうにゼルガディスは書物に目線をもどす。アメリアは気になってゼルガディスの横に座りその書物をじーと見つめた。あまりに見つめられると読みにくい・・
「なんだ?」
みかねてアメリアに声をかけるが、
「あ!いえ!真剣に読んでいるので・・・もしかしたら合成獣に関しての書物かな―・・と思って・・・。」
「それはないな。」
「えっ?」
「ここにある書物はみんな白魔法に関するものばかりだ。このときレゾは本当に自分の目を開かせようよすることしか頭になっかみたいだな。合成獣に関しての書物はひとつもない。まだ、合成獣に関しては手を出していなかったんだろう。今レゾがいたとしても合成獣の事に関しては何もわからんだろな。まぁ、ここには興味深い書物が山のようにあるから、俺も気まぐれで読んでるだけさ。」
「そう・・・ですか・・・。」
長い沈黙が気まずい空気を作る・・・。
「あ!あのですね!クリスさんにあのスープの作り方教えてもらったんですよ!けっこう、作り方簡単で私にでもできたんですよ!なかなかの出来だって!」
最初に口を開いたのはアメリアだったが、ゼルガディスは「そうか。」と言うだけで書物から目を離さない。
「あ、あの・・・クリスさんもとの世界でも元気ですか?ゼルガディスさんちゃんと会いに行ってあげてます?」
アメリアのその言葉を聞いて、ゼルガディスが書物から目を離す。
「そういえば・・・・行ってないな・・墓参り。」
「えっ?」
「俺が10歳の時父さんも母さんも流行の感染病にかかって死んだんだ。」
「ご、ごめんなさい・・・!!私・・知らなくて・・!!」
今にも泣きそうな顔で訴えてくるアメリア。
「気にするな。」
「で、でも・・・!!」
ゼルガディスは読んでた書物を閉じてアメリアと向かい合う。
「なぁ、アメリア・・・お前母さんの事どう思う?」
「クリスさんのこと・・・ですか?」
「母さんはこんな姿に、合成獣になった俺のことでも俺のことを自分の息子といった・・けど、それは単なる同情にすぎないんじゃないかって・・・。」
「ゼルガディスさん!」
「本当はこんな姿の人間、誰も自分の息子と認めたくないないだろ?」
「そんなこと・・・!!」
「あの時・・母さんに言われた時は嬉しかったさ・・・だがよく考えるとおかしいだろ?こんな・・・」
「もう、もうそれ以上言わないで下さい!!」
アメリアは我慢できなくなり座っていた椅子を倒し立ち上がった。
「何がおかしいんですか?姿形なんて関係ないじゃないですか!!クリスさんは同情とかそんな風に接してたとは思えません!!そんな人じゃないです!!どんな姿でもゼルガディスさんはゼルガディスさんですよ!!」
―――この言葉・・・・!!
   そうか・・・あの母さんがいってた言葉・・・・
   こいつの言葉と似てるんだ・・・どんな姿でも・・・
   自分を見てくれる・・・そんな言葉・・・――――
「そうか・・・そう・・だよな・・こんな事も気ずかないなんて・・・。」
「親にとって子供は、かけがえのない宝なんですよ・・・ゼルガディスさん・・あっこれは父さん受け入りですけどね。」
――――かけがいのない・・・宝・・・か・・・――――
「アメリア。」
「はい?わきゃ!!」
いきなりゼルガディスに抱きしめられるアメリア。あまりにいきなりだったものでつい・・・
ドンッ!!
セルガディスをつき飛ばしてしまった。いすごと飛ばされたゼルガディスは前髪を掻きたててムスッとした表情を浮かべている。慌ててアメリアがゼルガディスの側にかけよる。
「ご、ごめんなさい!ゼルガディスさん!大丈夫ですか?!」
アメリアは誤るもののゼルガディスは機嫌をそこねたままだったのだが、
「昔の俺はいいのに、今の俺はだめなのかよ。」
「はい?」
アメリアには最初意味がわからなかったのだが、ハッと思いついたかのようにゼルガディスに尋ねる。
「あ、あの・・・もしかして、ゼルガディスさん・・・昔のゼルガディスさんにヤキモチ・・・やいてたとか・・・?」
アメリアの考えがあったたらしく、顔が真っ赤になるゼルガディス。真っ赤になったこたが「はい、そうです。」と言っているようなもの・・・。
「だってあのゼルガディスさんは、まだ小さいですし・・・。昔のゼルガディスさんすごくかわいくて・・・。」
グイッ!!
ゼルガディスがアメリアを自分の方に引き寄せる。そのまま強く抱きしめた。
「昔の俺は見るな!今の俺を見ろ!・・・お前は俺が合成獣でもどんな姿でもちゃんと俺自身をちゃんと見てくれてるんだろ?昔の俺はいい・・・今の俺をみてほしい・・アメリア。」
「ゼルガディスさん・・・やっぱりゼルガディスさんの腕の中って温かいです。」
「さっきはつき飛ばしたくせに・・・・。」
「あ、あれは・・いきなりで・・・驚いたから・・です!」
「だったら、これからは驚かさないよ・・・アメリア。」
二人の視線が合う。お互いが求めるもの・・・それをお互い察したかのように目を閉じる。二人の唇が重なり合おうとしたその時・・・!!
「アメリア!!」
どことなく響く声。声がしたほうに視線を移すとそこには少年ゼルガディスがいた。アメリアの側まで近寄ってくるとゼルガディスを鋭い目で睨む。
「アメリアは俺のだぞ!!お兄ちゃんになんかあげないからな!!」
と、アメリアのほうに方向転換し、アメリアの頬に再びキスをする。まるで自分のものと象徴するかのように・・・・。
ブチッ!!
ゼルガディスの中で何かが切れた!
「もう簡便ならん!!このクソガキがーーー!!」
「ちょっと!ゼルガディスさん!!何を!!」
こちょこちょこちょ
何を思ったかゼルガディスは少年ゼルガディスの脇腹をくすぐり始めた。
「わははは〜〜〜〜!!や、やめっ!!わはは〜〜!!やめろってばーーー!!」
少年ゼルガディスは涙目になって訴えるのだが、
「おまえの弱点はおみとおしだ!おしおきだー!!」
「やっやめ!わははーー!!やだやだ!!アメリア助けて〜!!」
アメリアの背後に逃げ込んだ少年ゼルガディス。
「貴様!!アメリアを盾にするな!!」
「べ〜〜〜〜〜〜〜!!」
「・・・・これが自分と思いたくない・・・・。」
ゼルガディスがふいにアメリアに視線を移すとなにやら考えこんでいる。
「ゼルガディスさんの弱点て、脇腹なんですか?」
「な、それがなんだって・・・・。」
「そうなんですか・・・(ニマニマ)」
「ま、まさか・・・・!!」
「そのまさかで〜〜〜〜す!!どりゃあ!!」
ゼルガディスを押し倒すアメリア。
「おい!こら!やめろアメリア!!」
「アメリア!そのお兄ちゃんやっつけちゃえ!!」
「お前は黙ってろ!!」
こうして、書物部屋の中での騒動は騒がしく続けられるのでありました。
                          つづく







は〜い!!”6”長かったですね・・・。
ただゼルの嫉妬がかきたかっただけなんです(笑)
あと2〜3個で完結できるとおもいます!




   


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4407初めましてです♪ゆっちぃ E-mail 9/23-02:01
記事番号4403へのコメント


初めまして☆ゆっちぃと申す者です〜。
『遠い昔に…』いつも読ませて頂いてます♪時間なくっていつも読み逃げ(おいι)しちゃってたんですけど、
連休はいってやっと時間とれました!念願の感想ですvvv
びば☆休日!

で、感想なのですが…………んもう最高です!!
独占欲のかなり強いゼルが見事私のつぼにヒットしまして…vvv
もにた前で怪しい笑いを毎回浮かべておりました(^^;)
昔のゼルはかあいくって素直でいいかんじですね〜〜♪今とまったく正反対(笑)独占欲強いのは変わってませんがv
ゼル&アメリアのお母さんも素敵なかたですね☆

続き、楽しみにしていますv時間取れ次第、また感想させてやって下さい(^^;)

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4410初めましてです〜!!緑原実華 E-mail 9/23-11:01
記事番号4407へのコメント

初めまして!こんにちは!
コメントありがとうございます!
いつも読んでくださってるようで大変嬉しく思います!
なんだかんだといってゼルは独占力のかたまり(笑)のような気がします・・・
自分にも嫉妬するという・・・
これからも独占力バリバリのゼルを書いていきたいと思いますので、これからも読んでいただけるととても嬉しいです!だいたい後、2〜3個で完結できると思いますので、最後まで見捨てないでやってくださいです。それでは!このへんで!

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4412遠い昔に・・・7緑原実華 E-mail 9/23-14:37
記事番号4403へのコメント

やっと休みだ〜!!
と、いうわけで、調子にのってさっそく”7”いきます!


「たくっ!アメリアのやつ・・・。」
あの後、書物部屋からなんとか抜け出し自分の部屋に帰ってきたのだが・・・
「手加減と言うものを知らんのかあいつは!」
ゼルガディスは合成獣なわけで、べつにこしょばされても岩の肌なわけだから、さほどこしょばくはないのだが・・・アメリアが手加減なしで背中の上に乗ってくるので、さすがのゼルガディスもお手上げ状態だったのだ。
「うっかり弱点をしゃべっちまったことがヤバかったな・・・。」
そうは言うものの、ゼルガディスは自分が苦笑していることがわかった。
アメリアに癒されてる。それが手のとるようにわかったのだ。身も心も・・・
コンッコンッ
ドアをノックする音。こんな夜中に誰だ?と思ったゼルガディスは立ち上がってドアの前まで足を進める。こんな夜中に自分の所にくるやつなんて、あいつしか・・
「アメリア?」
そう言ってドアを開けたのだが・・そこにいたのは、
「残念でした!アメリアちゃんじゃないわよ!バカ息子!」
「母さん?!」
そう、そこにいたのはゼルガディスの母親クリスだった。そのままクリスはゼルガディスの部屋にズンズン了解もなく入り、ベットに腰を降ろした。
「母さん、一体何の用だ?こんな夜中に・・・?」
するとクリスはクスッと微笑んで、
「甘えたくない?」
「ハァ?」
「だから、久しぶりに母さんに甘えてみたくない?」
「な、何言い出すんだ!!俺のこと一体いくつだと・・・!!」
「まぁまぁ〜遠慮しないで!」
そう言って無理やりゼルガディスをひっぱて自分の胸の中のおさめる。さっきのアメリアの言葉が浮かぶ。こんな姿の自分でも・・・母さんは・・・
「こんな姿の俺でも・・・いいのか?自分の子だと思えるのか?」
恐れながらもゼルガディスは自分の母親に真実を知るために、覚悟して尋ねた。すると、クリスは微笑みながら腕に力をこめて強くゼルガディスを抱きしめながら答えた。
「バカね・・・本当に・・・。言ったでしょ?どんな姿でもあんたは、ゼルガディスは私のかけがいのない子供なのよ・・・。」
「かけがえのない・・・?」
「えぇ・・・。」
クリスに、母親に抱かれてゼルガディスは心から癒されてるように思えた。たった一言で自分の中にあったドロドロした不安・恐怖・憎しみ・・・そう言った負の感情が消えていくのだ・・・これはまるで・・・。
そう・・あいつに・・・アメリアに抱かれた時と似ている・・・。
温かくて、気持ちよくて、癒されていく・・・・。
同じ・・・?
同じなんだ・・・母さんとアメリアの腕の中の温かさは・・・・。

「アメリア・・。」

「ちょっとゼルガディス!抱いてるのは母さんのなに、どうしてアメリアちゃんの名前がでるのよ?」
「えっ?!いや・・!その・・・。」
どうやら無意識のうちにアメリアの名を口にしてしまったらしい。慌てているゼルガディスの表情を見て思わず苦笑するクリス。
「ね〜ゼルガディス、アメリアちゃんはセイルーンの王女様なんでしょ?」
「ああ。」
「それでも、一緒に旅をする仲間なのね?」
「ああ。」
「アメリアちゃんは大切な仲間?」
「ああ。」
「アメリアちゃんのこと好きなの?」
「ああ・・・・な!!」
慌てて立ち上がるゼルガディス。クリスは意地悪そうに微笑んで、
「ふ〜ん。やっぱりそうなの。」
と納得する。
「ち、ちがう!今のは弾みで・・・!!」
「じゃあ、好きじゃないの?」
クリスの言葉に言葉がつまる・・・
「・・・好きじゃない・・・わけないだろ・・・。」
赤くなりながらもちゃんと否定している。
「じゃあその好きは仲間として?それとも女として?」
「なっ!!そんなことどうだって・・・!!」
ゼルガディスはそっぽむいてしまうが、クリスはそんなゼルガディスの態度に機嫌を損ねた。
「どうだってよくないのよ!!」
クリスが叫んだ。今までこんな表情のクリスをみたのは初めてだった。さすがは母親、ゼルガディスも引いてしまう。
「ゼルガディス!!あんたそれでいいの?ただの仲間どまりで?!そんなことじゃアメリアちゃん誰かに捕られちゃうわよ!!それでもいいの?」
――――誰かに捕られる・・あいつが・・・
    俺以外の誰かに、あの笑顔も、あの言葉も、
    あのぬくもりも、すべて・・・そんなこと・・そんなこと・・!!―――
「・・・いやだ・・・。」
クリスの言葉に黙っていたゼルガディスが小さな声で答えた。
「いや・・なんでしょ?」
「嫌に決まってるだろ!!あいつがアメリアが他の誰かに捕られたりなんかしたら、だれが俺を癒してくれるんだよ?!俺はあいつの側にいたいんだ・・!!けど、あいつは王女で俺は合成獣だ!側にいたくたって、好きになりたくたってなれないんだよ!!そんなことをしたらアメリアが困るんだ!だから・・・!!」
一気にここまで言うとゼルガディスはそのまま腰を落とした。そんなゼルガディスの側にクリスが近寄る。そしてそっと頭に手をあてる。
「言えたじゃない・・・本当の気持ち。アメリアちゃんは身分とか外見とかそんなの気にしないと思うわ。」
「なぜそう言える?本人から聞いたわけでもないだろ?」
「アメリアちゃんどうして私にオリジナルスープの作り方、習ったと思う?」
ゼルガディスは顔を上げてクリスの言葉に反応する。そんなゼルガディスの顔をみてクリスが微笑んで答える。
「あんたに・・・ゼルガディスに作ってあげたかったんだて、アメリアちゃん。ね?アメリアちゃんもゼルガディスのこと好きでゼルガディスもアメリアちゃんのことが好き・・・それでいいんじゃないの?」
クリスの言葉に今まで張り詰めていた気持ちが爆発する。その爆発した気持ちが瞳から流れ落ちる。そんなゼルガディスを優しく抱きしめるクリス。
「アメリアちゃんのこと・・・大切なんでしょ?好きなんでしょ?」
「・・・ああ。」
やっと自分の気持ちが言葉になって表れた気がした。クリスはヤレヤレと言った感じで、
「もっと早く素直になっとけばとかったのに・・・本当あんたは手のかかる息子よ。」
「母さん・・・。」
「なに?」
「・・・ありがとう・・。」
「素直でよろしい!」
そう言ってゼルガディスを強く抱きしめた。ゼルガディスもクリスの腕の中で、微笑んだ。
ゼルガディスはこの夜に2つことがわかった。
1つはクリスの母親の愛情の温かさ・・・
そしてもう一つは・・・アメリアに対する自分の本当の気持ち・・・・。


翌朝・・・
「あ!ゼルガディスさん!おはようございます!遅かったですね〜。リナさんとガウリイさん先に村の出口のところまで行っちゃいましたよ。」
なにぶん昨日クリスと長い間話していたせいで寝過ごしてしまったのだ。それでもちゃんと自分を待っていてくれたアメリア。思わず口元がゆるでしまう。
「あ〜ん。もうアメリアちゃんとお別れなんて寂しいわ〜。」
と言ってクリスはアメリアを抱きしめる。すると、少年ゼルガディスはクリスを押しのけて、
「母さんだめ!アメリアは俺のなんだから!」
と、アメリアに抱きつくのだが、少年ゼルガディスの表情は今までの明るいものとは対照的なものだった。やはりアメリアと別れることが寂しいのだろう。
「それじゃあ、行きましょうか?」
「そうだな・・・。」
少し名残惜しい様子のゼルガディスだったが、クリスと顔を見合わせて、気持ちの整理ができたらしい。
「クリスさん!長い間お世話になりました!」
「いえいえ!私も楽しかったわ!元気でね!」
「はい!」
元気よく答えたアメリア。ドアの方向かおうとしたのだが・・・
グイッ!!
少年ゼルガディスがアメリアのマントの裾の部分をきつく握って今にも泣きそうな表情でいた。
「やだ・・・やだよ!!アメリアとお別れしたくないよ!」
「ちょっとゼルガディス!アメリアちゃん困っちゃうじゃない!」
「だって・・・!!」
駄々をこねる所はまだ子供・・・。クリスはため息をつきながら少年ゼルガディスと目線を合わす。
「小さいアメリアちゃんとはすぐにお別れできたじゃない。どうして大きなアメリアちゃんとはお別れできないの?」
「だって・・だって!!今お別れしたら・・・このお兄ちゃんにアメリア捕られちゃうもん!!」
そう言ってゼルガディスに指をさした。昨日の書物部屋の出来事のことをいっているのだろう。
「お兄ちゃんもアメリアのこと好きなんだろ?」
涙目になってもどこか怒り口調で聞いてくる少年ゼルガディス。思わずゼルガディスは苦笑してしまう。やっぱりこいつは俺自身なんだと・・・。
別れたくない・・・捕られたくない・・・側にいたい・・・今の自分と同じ・・・
ゼルガディスはそっと幼い自分に顔を近づける。少年ゼルガディスは少し驚いたかのように体を振るわせる。
「心配するな。あと何年かすればアメリアに会えるさ。なんたって俺はお前だからな。」
目が点になる少年ゼルガディスだったが、
「お兄ちゃんが俺?!大きくなった?!」
「そうだ。」
「それじゃあ、大きくなったら、アメリアとまた逢えるんだよね?!」
「ああ。」
その言葉に少年ゼルガディスはいつもの明るい表情に戻りアメリアのマントを離す。
「諦めたの?」
クリスが後ろから尋ねるが、少年ゼルガディスは首を横に振り、
「俺になら捕られてのいいもん!な!お兄ちゃん!」
そう言ってゼルガディスを見上げた。ゼルガディスは何も言わないものの微笑んだ。そんな二人のやり取りを見て、クリスが話す。
「ゼルガディス、あんたが心にひめてた本当の気持ちは全部この子が言ってくれたわ・・。」
そう言って少年ゼルガディスの頭の手を置く。ゼルガディスはなんのことだかさっぱりわからない。
「心にひめてた本当の気持ち・・・?」
コクンッとクリスは首を縦に振る。
「いい?ゼルガディス・・・。大切のものはしっかり守るのよ。」
「いきなりなんだっていうんだ?」
クリスは少し寂しい表情を浮かべた。
「ゼルガディスに教えたかったことよ。よかった、ちゃんと言えて・・・。これもアメリアちゃんのおかげね。」
「私の?」
アメリアにもなにがなんだか分からない様子なのだが、クリスはアメリアに微笑みかけた。
「ゼルガディスのこと・・・これからもよろしくね・・・アメリアちゃん。」
その言葉と同時に目の前に光が輝きだした。この世界に来た時と同じ、目を開けていられないほどの光・・・その光の中のまたもや吸い込まれてしまった。

光がやみ、そっと目を開けた。
「ここは・・・?」
ボーとしていた二人の後ろから声がした。
「ゼル!アメリア!帰るわよ!たくっ!この遺跡な〜にもなんにもなんなだから〜!!なんのために険しい森の中来たと思ってるのよ!」
そこには怒り心頭のリナとそれをフォローするガウリイがいた。
「ここって・・・遺跡・・?」
「!!これは!」
ゼルガディスの目の中に入ってきたものはあの大きな水晶・・・しかし、このごなに砕け散っていた。
「俺たち、戻れたのか?!もとの世界に?」
「はい!!どうやらそうみたいです!!よかったです〜!!」
「ハァ?あんたたち何いってんのよ?」
リナが会話を中断させる。ゼルガディスのアメリアのお互い顔を見合わせてる。まさかとは思うが・・・
「リナ・・・覚えてないのか?」
「何を?」
「何をって・・!!過去にいったことですよ!!」
「過去〜?!あんたたちそろって何寝ぼけてるのよ?そんなボケ、ガウリイでもしないわよ!」
そのまさかだった。リナとガウリイは過去にいった記憶がきれいさっぱりになくなっていたのだ。
                      つづく



はい!!”7”でした〜!
一体どういうことなのでしょうか?!
それは次回あきらかになります!!
次回最終話です!

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4413Re:遠い昔に・・・7桜井 ゆかり E-mail 9/23-15:32
記事番号4412へのコメント



>やっと休みだ〜!!
明日も休みですね。
ゆっくりしましょう。



>「ね〜ゼルガディス、アメリアちゃんはセイルーンの王女様なんでしょ?」
>「ああ。」
>「それでも、一緒に旅をする仲間なのね?」
>「ああ。」
>「アメリアちゃんは大切な仲間?」
>「ああ。」
>「アメリアちゃんのこと好きなの?」
>「ああ・・・・な!!」
さらっと本音が・・・(笑)



>ゼルガディスの目の中に入ってきたものはあの大きな水晶・・・しかし、このごなに砕け散っていた。
>「俺たち、戻れたのか?!もとの世界に?」
>「はい!!どうやらそうみたいです!!よかったです〜!!」
>「ハァ?あんたたち何いってんのよ?」
>リナが会話を中断させる。ゼルガディスのアメリアのお互い顔を見合わせてる。まさかとは思うが・・・
>「リナ・・・覚えてないのか?」
>「何を?」
>「何をって・・!!過去にいったことですよ!!」
>「過去〜?!あんたたちそろって何寝ぼけてるのよ?そんなボケ、ガウリイでもしないわよ!」
>そのまさかだった。リナとガウリイは過去にいった記憶がきれいさっぱりになくなっていたのだ。
え〜!?
ガウリイさんならわかるけど・・・・・
リナさんまでなんて・・・・・


>はい!!”7”でした〜!
>一体どういうことなのでしょうか?!
>それは次回あきらかになります!!
>次回最終話です!
最終話・・・
早いですね・・・って、私が長いだけですね・・・・
つぎを心待ちにしてます。
では、頑張って下さい。