◆−日常生活5(ゼロフィリ?学園物語)−葵 芹香(10/15-01:55)No.4596
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4596日常生活5(ゼロフィリ?学園物語)葵 芹香 E-mail URL10/15-01:55



どうもこんばんわ、葵芹香です。
今回は、やたら短いうえにオリキャラ登場!何でやねんっ!!
ま、まぁ学校だからいろんな人がいるのよ…多分。
んじゃ、ま・行ってみようか☆

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『日常生活5』


「フィリア先輩、ゼロス先生と付き合ってるんですかっ?」
「…はい?」
 フィリアがそんな突拍子もないことを聞かれたのは昼休み、リナ達とランチを取っているときだった。
「え…えっと、貴女は…?」
 最初の気迫に圧倒されながらも名前を尋ねると、
「わたし、1年E組のラピス=ラズリって言います。で、どうなんですか本当のところは。」
 逆に問い返されてしまった。
「ラピス=ラズリさんって…結構有名ですよね。」
「へぇ、何で?」
「うちの学校、校則でファンクラブは作っちゃいけない決まりじゃないですか。だからある生徒や先生のファンをまとめる人…ファンクラブ部長って人はいないんですけど、彼女…ラピスさんて、ゼロス先生のファンなら誰もが認めるゼロス先生マニアですよ。」
「ふ〜ん…これはひょっとしたら何か……」
「ありそうですよね…。」
 コソコソと話しているリナとアメリアをバックに、フィリアは困りまくっていた。
「あの、付き合ってるって…だってゼロス…先生ですよ?」
「別に関係ないと思います。っていうか、じゃあ付き合ってないんですね?」
「う…は、はい……。」
 半分彼女の気迫に押されて、そう答えるフィリア。その言葉を聞いたとたんに表情が和らいで、笑顔になるラピス。
「よかった〜、じゃあわたし、思いっきりゼロス先生にアプローチしていいんですね♪」
 お食事中お邪魔しましたぁ、と軽くステップしながら帰っていくラピスの背を見送りながら、
「フィリア〜、よかったの?あんなこと言っちゃって…。」
「だって…付き合ってないのは事実ですし……。」
 彼女の性格上、嘘などつけるはずもない。それどころか何故ラピスが、自分と数学教師が付き合っているのか、などと聞きに来た理由すらわからない。彼女と担任教師のやりとり…まあ、そこに緑の髪の男子生徒が割って入ることもしばしばあるが―彼らのやりとりは、傍から見ていると恋人同士の仲睦まじい光景に他ならない。
「フィリアさんは、ゼロス先生のこと好きじゃないんですか?」
 アメリアの一言に、ボッ…という音をたてて染まっていくフィリアの頬。
「わ…かりません。ただ、ゼロス先生といるとドキドキするんです…。」
(それを“好き”って言うんじゃないの?)
 リナとアメリア、顔を見合わせて同じことを思ったが、口には出さなかった。…それはフィリア自身で気付くべきことだから。
 
「それでは、HRを終わりにします。日も短くなってきましたし、みなさん…特に女子は気をつけて帰ってくださいね。」
 起立・礼と号令がかかり、クラスが賑やかになると、他のクラスの女子生徒が入ってきた。
「ゼロス先生v数学教えてください♪」
「貴女は確か…隣りのクラスのラピス=ラズリさんでしたっけ?」
「きゃあっ、覚えてくれてたんですね!嬉しいっ!!」
 そう言って教師の腕に飛び付く。
チクン――ッ
 その光景を目にしていたフィリアの胸に痛みが走る。
(…何、この痛み……?)
「おいフィリア、どうかしたのか?どこか具合でも…」
 彼女に異変を感じたのか、ヴァルが声をかける。
「何…でもないです。」
 すぐに笑顔で答える。その笑みに安心してヴァルからも笑顔が零れるが…気に入らないのはそれを遠巻きに眺めていたゼロスだ。
(僕のフィリアさんに何言い寄ってるんですか、ヴァル君っ?!)
 いつものように即座に間に割って入ろうとするが…ラピスに腕を掴まれているのでそれも出来ない。
「あの…ラピスさん?腕を放して欲しいのですが…。」
「ええぇっ、数学教えてくれないんですかぁっ?!」
「教えますっ、教えますから腕を…」
「じゃあ隣りの教室にテキストとか置いてあるんで、そっちに行きましょっ♪」
 腕を放してください〜っ!と言う暇もなく連れて行かれる。
 フィリアは一連の出来事を不可解な感情とともに眺めていたが、リナ達に
「帰るわよ〜、フィリア〜。」
 と促され、慌てて彼女らの後を追う。
 
 帰宅途中――リナ達とも別れ、自宅までの道のりを1人歩いていたフィリア。
(まだ…ゼロス先生、ラピスさんと一緒にいるのかな…。)
 浮かんでくるのは彼らが楽しそうに会話している光景。それを考えていると、何故か胸が痛むし、モヤモヤするので想像しないよう努力するのだが、努力すれば努力した分だけ余計に鮮明に浮かんできて、彼女を悩ませる。
(何なんでしょう、この気持ち…。)
 家に帰りついても、そのことばかりが気になって他のことが手につかない。食事をしていても、入浴していても、ベッドに入っても―…。
(眠れない……。)
 やはり彼のことばかり。
 教師なのだから、他の女子生徒と親しくすることもあるだろう、担当科目を教えてやることもあるだろう。
 …それでも。
(嫌だった―…。)
 彼が他の女性に触れているのが嫌だった。ひどく悲しかった。
(これ、何なの……?)
 フィリアの頭は正体不明の感情の元を探そうとフル活動だった…だから、知らないうちに自ら眠りを妨げていたのかもしれない。
 
 そして、その原因不明の寝不足はしばらく続くこととなる。

 


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ふぅ…続く、ですな。
ラピス=ラズリさんは言う間でもなくラピスラズリからとってます。その意味はまぁ…後ほど。この後に体育祭へと続いていきます…って、もう季節外れなネタになりかけてるけど…(泣)。
それでは、寒暖の差がある日が多いこの頃ですが、みなさん風邪などお引きになりませんように(←引いた人…)。


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4704日常生活6(ゼロフィリ学園物語)葵 芹香 E-mail URL10/22-02:03
記事番号4596へのコメント

どうも葵芹香です。
体育祭ってもう季節外れなネタになってきた今日この頃…。
…ま、なるようになるさねっ!

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『日常生活6』


「ゼロス先生v今日は関数教えてください♪」

 あれからラピスは毎日のようにリナ達のクラスにやってくるようになった。それに比例するかのようにフィリアのあくびの回数も増えていることに気付いているのは、もちろん同性のリナやアメリアだけ。
「フィリアさん…ちゃんと寝てますか?」
「あ、ええ…最低3時間は寝てますけど…。」
「それって睡眠に入らないじゃないですかっ!」
「それでも授業中に寝ないのは大したもんよね…。何で眠れないのか、考えたことある?」
「それは……」
 それはわからなかった。ゼロスとラピスのことを考えていると自然に眠れないのであって、何が原因か、と聞かれると自分でも答えようがなかった。
 困惑しているフィリアを、リナとアメリアは横で見守っていた。かつて自分達も経験したこと…いや今でもそうだ、恋人が他の女性と親しくしているところを見ると現われる症状。
「ともかく、体育祭の練習とかもあるんだから寝れる時はちゃんと寝ときなさいよ?」
「はい…。」
 そう言いながらも、彼女の視線はあの2人を追っていた。
「フィリアさんっ!」
 その視線に気付いたかのように、担任教師が彼女を呼んだ。
「このプリント類、職員室に運ぶの手伝ってくれませんか?」
 最近めっきりフィリアに触れる回数が減ってしまったため、少しでも時間を、と彼がとった苦肉の策だった…が。
「あっ、じゃあわたしも手伝います♪」
 またしてもラピスが割って入り、2人きりになることは困難だった。

 
「…でね〜、うちの担任のギャグってば壊滅的で〜、この間なんか、教室凍っちゃうところだったんですよ〜?」
 楽しげに話しをしながら肩を並べて歩く2人(実際にはラピスが一方的にしゃべっていただけだが、フィリアの目にはそう映った)の後ろを、彼女は歩いていた。
「あ〜っ!そういえば、ゼロス先生の誕生日って来月でしたよね〜」
「…何で知ってるんですか、そんなこと……。」
「えへへ〜、何ででしょう〜?プレゼント持ってきますね…でも確か第4土曜日でお休みでしたっけ、先生の誕生日…。」
「…別に気を使っていただかなくてもいいですよ。」
「わたしの気持ちですからv」
 そんな会話を耳にしながら、フィリアは考えていた。
(そっか…来月、先生の誕生日なんだ……。)
 自分の知らない彼のことを知っているラピスが羨ましく思えた。
(私、ゼロス先生のこと何も知らない――。)
 キュッと唇を噛み締め、タタタッ…と彼らの前に駆け出し、
「私、このプリント先に職員室に置いてきますね。」
 そう言って小走りに立ち去る…これ以上彼らを見ているのは辛すぎたから。
「あ、フィリアさんっ…」
 待ってください――言葉にしたくてもならない言葉、引きとめたくても引きとめられないもどかしい想い。所詮自分は学校(ここ)にいる以上『教師』でしかないのだから。
 走り去るフィリアの背中を切なげに見つめているゼロスを、同じように切なげに見つめているラピスに彼は気付いていなかった――。

 
「…学級委員長は今述べたことを、後日クラスのみなさんに伝えてください。それでは、これで会議は終わりです。」
 学級委員長も生徒会会議に加わったときは、いつもリナが一緒に帰ろうと壇上で後始末をしているフィリアを誘いに来るのだが、今日は違った。
「フィリアごめ〜んっ、今日ガウリィと買い物行く約束してて…。」
「いいですよ。ガウリィさん待ってるんでしょ?早く行ってあげてください。」
「ありがとう♪んじゃ、明日ね。」
 バイバーイ、とフィリアに手を振りながら、チラッとゼロスを盗み見る…まるで機会は作ってあげたわよ、とでも言いたげな視線で。ゼロスは素直に感謝の微笑みを浮かべて、リナが退室することによって2人きりになった室内で、ゆっくりフィリアに近づく。
「フィリアさん……。」
 彼女はビクッと反応して、震え出してしまいそうな声を必死に押さえながら答えた。
「たっ、体育祭は体育委員の方々が準備万端だと言ってましたし、来年の修学旅行については、私達2年生だけのことですからいいですよね。それから…」
「フィリアさん。」
「そ…それじゃ私、帰ります。先生、さようなら……。」
「フィリアさんっ!」
 一向に自分と目を合わせようとしないまま扉へ向かうフィリアの手を引いて、引きとめようとする。
「や…っ!」
 パシンッ…と振り払われる自分の手。見せ付けられた拒絶に、ゼロスは軽く目を見開いた。
 フィリアはハッとしたように顔を上げて、
「あっ、ご・ごめんなさい…さよなら……っ」
 逃げるように教室を出て行く彼女の後ろ姿を見送りながら、ゼロスは今までに感じたことなどない絶望を味わった。これまでの彼なら、来るものは拒まなかったし、去るものは追わなかった。
 けれども…たった今、彼女が自分を拒んだとき、途方もない暗闇に陥ってしまった。彼女が自分から離れていったとき、無性に追いかけて抱きしめたい衝動に駆られた。
 今まで生きてきて、これほど1人の女に執着したことなどなかった。初めての本気だから、どうやって踏み出していいのかわからない。

「気付いてください…僕は貴女を『生徒』だけとしては見てませんよ……。」

 

パタパタパタ…
 走って校舎を去ったフィリアは、門を出るとその速度を緩める…その青い瞳には涙が溜まっている。
 いつもなら、彼に触れられることなど平気なはずだった。否、むしろ嬉しかった。だけど今は…触れてほしくなかった。他の女性に触れた手で、触られたくなかった。
 今まで生きてきて、これほどの想いを抱いたことなどなかった…切なくて、苦しくて…。初めての感情だから、どうやって治めたらいいのかわからない。

「ゼロス先生……私にこの感情の『答え』をくれますか…?」

 

 不安な余波を残したまま、明後日は体育祭―――。






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ふはぁっ!まだ体育祭じゃないんだね〜(TT)。
体育祭編が書きあがってないのに、すでにゼロス先生バースデーネタとか修学旅行ネタとか出てきてるし。やることいっぱいです。
最近の私、とっても充実生活で青春してるって感じっ?!