◆−お久しぶりです−UMI(10/21-14:40)No.4687 ┣一つの言葉 二つの心1 人であるもの:アメリア−UMI(10/21-14:44)No.4688 ┣一つの言葉 二つの心2 人と魔の間で揺れるもの:ゼルガディス−UMI(10/21-14:46)No.4689 ┣一つの言葉 二つの心3 魔であるもの:ゼロス−UMI(10/21-14:49)No.4690 ┣一つの言葉 二つの心4 花供養:三者三様−UMI(10/21-14:56)No.4691 ┃┣お久しぶりです−雫石彼方(10/22-05:18)No.4706 ┃┃┗お待たせしてすいません−UMI(10/25-14:41)No.4760 ┃┣おげんきですか−小野道風(10/22-06:18)No.4708 ┃┃┗元気ですよー!−UMI(10/25-15:09)No.4761 ┃┗ないすとぅ〜みちゅ〜♪♪♪−桜華 葉月(10/27-01:04)No.4789 ┣はじめまして!−ねんねこ(10/21-16:31)No.4692 ┃┗はじめまして、コメントありがとうございます−UMI(10/25-14:11)No.4757 ┣はじめましてです!!−緑原実華(10/21-17:02)No.4694 ┃┗はじめまして、コメントありがとうございます−UMI(10/25-14:17)No.4758 ┣はじめまして。−桜井 ゆかり(10/22-01:16)No.4703 ┃┗はじめまして、コメントありがとうございます−UMI(10/25-14:26)No.4759 ┗えー、遊んでみました−UMI(10/26-13:18)No.4776 ┗返ってリアルな(笑)− 小野道風(10/26-17:14)No.4777 ┗楽しんでいただけたようで−UMI(10/27-14:41)No.4793
4687 | お久しぶりです | UMI | 10/21-14:40 |
えー、お久しぶりです。UMIです。 もう、私のことなど誰も覚えていないですね…3ヶ月ぶりの投稿となります。 おまけにこの内容…ひたすらダークなゼルアメです。ですから、そういうのが嫌いという方は読まないことをお勧めします。しかし、この話を最後まで読んでくださる方が果たしていらっしゃるのでしょうか…? |
4688 | 一つの言葉 二つの心1 人であるもの:アメリア | UMI | 10/21-14:44 |
記事番号4687へのコメント コン、コン、コン 扉をノックする音が聞こえる。 アメリアは光(ライティング)の明りで読んでいた魔道書から顔を上げた。 だがアメリアはその音に答えようとはしなかった。 知っていたからだ。 来訪者が誰であるかということを。 「・・・アメリアさん・・・開けてくれませんか?」 その言葉をアメリアは無視する。無駄だとはわかっていたが。 コン、コン、コン 再びノックの音がする。 彼女はため息をついた。 「扉が開いていようが閉まっていようがあなたには関係ないでしょう」 彼には人の作った扉など何の障害にもならないはずだ。 「あなたに開けていただきたいのです。アメリアさん」 扉の向こうの来訪者は答えた。 アメリアは立ち上がると扉の方へと向かった。 もし彼女が扉を開けなければ彼はいつまででもノックを続けるのだ。 仕方がない。彼女はあきらめ、覚悟を決めた。 一呼吸おいてから扉に手をかける。 ガチャ・・・ギイイ・・・ 重々しい音をさせ扉が開く。 だがそこには彼の姿はなかった。 「?」 アメリアは首をかしげる。 「こちらですよ。アメリアさん」 その声に後ろを振り向くと部屋の真ん中にノックの主はいた。 薄暗い部屋の中でにこやかな笑みを浮かべている。 招かれざる客・・・・・・ゼロス 黒い神官服に身を包み人のよさそうな笑みを常にたたえてはいるが、彼はれっきとした魔族である。 アメリアはため息をつくと彼の方へと歩み寄った。 「今夜は何の用ですか?」 「あなたと話がしたいだけです」 変わらぬ笑みを浮かべながらゼロスは答えた。 「あのお話ならもうお断りしたはずです」 アメリアは険の混じった声でそれに応じる。 そう・・・「あの話」に応じる気は毛頭ない。 アメリアにすげなく言い返されてゼロスは困ったように頭をかいた。 「気が変わったということはありませんか?」 「ありません!」 口調が思わず荒くなる。 「いいお話だと思うのですが・・・」 (どこが・・・どこが・・・) この目の前の魔族の真意がわからない。 「本当にする気はないのですか・・・?」 (また言う気だ・・・) 「この僕と・・・」 (聞きたくない・・・) その先ゼロスが何を言うのかアメリアは知っていた。 「不死の契約を・・・」 不死の契約。 魔族と人間の間でかわす不死になるための契約である。 といっても本当に不死を手に入れられるわけではない。 いわば、かりそめの不死である。 その契約を魔族とかわしたものは契約相手の魔族が死ぬか契約を解除するまで死ぬことはない。 そう・・・決して・・・ 「私は人以外の者になる気はありません!何度も言ったはずです!」 アメリアは思わずゼロスに怒鳴りつける。 「人以外・・・?」 ゼロスの言葉にある「含み」がこもる。 それに気付いてアメリアに何か嫌な予感が込み上げる。 「では、聞きますがアメリアさん。あの方は『人』ですか?」 反射的にアメリアは言い返していた。 「当たり前です!」 「あの姿を知っていてそういうのですか?」 「姿形など問題ではありません!」 そうなのだ。言いながらアメリアは思う。 この目の前の存在はまごうとなく人の姿をしている。 だが人では決してない。 「しかしですねえ。このままではあなたは彼よりも先に逝くことになりますが」 「!?」 アメリアにもそれはよくわかっていた。しかし認めたくない事実だった。 「ですから僕は提案しているのです。不死の契約を」 「・・・・・・」 アメリアは何も言わない。いや、言えなかった。 「あなたのためなのですよ。アメリアさん」 ゼロスは更に続ける。 「僕と不死の契約を結べばあなたは死ぬまで彼と共にいる事ができます。彼と同じ時を生きたくはないのですか?」 アメリアはようやく口を開いた。 「・・・あなたが何の裏もなく他人のために何かするなど信じられません」 「悲しいですねえ」 と、ゼロスは「悲しそうに」言った。 「どうしたらあなたに信じていただけるのでしょうか?」 ゼロスは困ったような顔をして言った。 (『信頼』の意味も知らないのに・・・そんなことを・・・) この魔族はどこまで人の心というものを理解しているのだろうか。 「僕はただあなたのことが好きなだけなのですが」 「なっ!?」 アメリアは驚いて声を上げた。まさかゼロスからそんな言葉が出るとは思ってもいなかったのだ。 ゼロスはアメリアの驚愕の表情を面白そうに覗き込んだ。 「おかしいですか?この僕がこんなことを言うのは」 「そ、その・・・」 「本当ですよ。おそらく・・・」 何を言うつもりなのだろう。 「・・・ゼルガディスさんがあなたを愛しているように・・・」 アメリアの脳裏に銀色の髪をした青年の姿がよぎる。そして愛しさともう一つのある感情が・・・だがアメリアにその姿をいとおしむ暇もその感情に気付く暇すらなかった。 「僕もあなたを愛しています」 「!?」 驚きの余り言葉も出ない。 ゼロスを見上げるとあのひとなつこい笑顔をたたえている。 ほんの瞬きほどの後。 「『愛』というものをあなたはわかってないくせに!!」 アメリアはゼロスに言葉を叩きつけていた。 「・・・そうは言いますが。ではアメリアさんあなたは『愛』というものをわかっているのですか?」 「そ、それは・・・」 アメリアは言葉につまった。口にするのは容易い言葉。だがどう説明すればいいのだろうか。 「不思議ですねえ。自分の中にある感情でしょう。それなのに説明できないとは」 ゼロスは心底愉快そうに言った。 「それでもあなたはその言葉の意味するものがわかっているというのですか?」 ゼロスの言葉はアメリアを追い詰める。彼女は気丈な瞳でゼロスを見つめ返した。 「わかっています!」 これが人である自分と魔族であるゼロスとの違いだとアメリアは信念をもって答えた。 「ではお教え願いたいものです」 「教えろと言われてそう簡単に教えられるものではありません」 「それでもあなたはわかっていると?」 「そうです!」 ゼロスとアメリアの押し問答が続く。 アメリアはゼロスに何とか一矢報える答えを必死で探していた。 ゼロス、自分、そしてゼルガディス・・・三人の存在が思い浮かぶ。 三人の共通点は?そして相違点は? 先ほどのゼロスの言葉が突然頭によぎる。 『・・・ゼルガディスさんがあなたを・・・』 その瞬間彼女はゼロスに向かってこう言っていた。 「ゼルガディスさんだってわかっているはずです!」 その答えにゼロスは一瞬あっけにとられた表情を見せた。 しかしすぐにいつものあの笑みに戻る。 そして一歩アメリアに近づいた。 思わずアメリアは後ずさる。 「・・・ではゼルガディスさんと同じことをすれば僕にもわかるでしょうか」 なにかとてつもなく凶々しいものを感じて恐怖で身体がこわばる。 ゼロスはゆっくりと右手を上げ、アメリアの頬に触れる。 そのまま指先でなぞる。優しいともいえるしぐさで。 アメリアは動くことができなかった。 ゼロスはそっと手をアメリアの頬から離し触れた部分に唇を寄せた。 その唇の冷たさにアメリアはぞっとする。 (・・・やっぱりこの人には心がない・・・魔族なんだ・・・) アメリアは静かに唇を動かした。 「・・・冷たい・・・」 「同じでしょう。ゼルガディスさんの指も唇も同じように冷たかったのでしょう」 ゼロスの言葉に弾かれたようにアメリアはゼロスの腕をふりほどく。 「いいえ!あの人は心ある人間です。あなたのように冷たくはありません!」 やれやれというようにゼロスは肩をすくめた。 「さあ、もう帰って下さい!」 「仕方ありませんね。今夜はこれで帰るとしましょう」 意外なほどあっさりとゼロスは退いた。 これ以上ここにいても無意味だと思ったのだろうか。 「それでは、失礼します。姫君」 言って一礼するとゼロスは扉の方へと向かった。 アメリアは立ち尽くしたまま動かない。 「そうそう。忘れるところでした」 ゼロスはくるりと振り向いてアメリアの背中に告げる。 「気が変わったらいつでも僕を呼んで下さい」 「・・・・・・」 アメリアは無言のままであったがゼロスはそれを気にする様子もなく再び扉へと向かった。 「では、また」 そう言い残すとゼロスは扉の前で欠き消えた。 アメリアは鉛を持ち上げるかのように腕を上げ自分の身体を抱きしめた。 彼女の瞳から気丈な色は消えていた。 「・・・ゼルガディスさん・・・ゼルガディスさん・・・」 自分がひたすら待ち続けている青年の名を呼ぶ。 自分を一人で待たせている想い人の名を。 (・・・どうしてここに居ないんですか・・・?) ようやく先ほどの感情に気がつく。 言葉はいらない。ただ傍にいて欲しかった。ただ彼に抱きしめて欲しかった。 アメリアは彼の名を呼び続けた。 アメリア、暗い部屋の中、独り |
4689 | 一つの言葉 二つの心2 人と魔の間で揺れるもの:ゼルガディス | UMI | 10/21-14:46 |
記事番号4687へのコメント パチ、パチチ 昏い森の中焚火の炎が静かに揺れる。 炎が周りの木々とゼルガディスの姿をうっすらと赤く映し出していた。 ふいに焚火の向こうの闇が不自然に揺れる。 (何だ・・・?) 凶々しい気配を感じてゼルガディスは反射的に腰の剣に手をかけた。 「こんばんは」 そう言って気配の主は森の闇から現れた。 「!?」 ここにいるべきではない存在の来訪に自分の目を疑った。 (幻か・・・?) 一瞬そう考えるが。 「お久しぶりです。ゼルガディスさん」 (幻じゃない!) 炎の向こうに黒い「影」が立っていた。 獣神官(プリースト)ゼロス。 「何の用だ・・・」 苦虫をつぶしたような顔でゼルガディスは答えた。 目の前の存在は彼が最も会いたくないものの一つ。 「つれないですねえ。久しぶりだというのに」 「貴様の顔など見たくもない」 やれやれといった風にゼロスはため息をついた。 「僕はただあなたとお話をしに来ただけなのですが」 (話だと・・・) この魔族がただ「話」をするためだけに自分の所に訪れるはずがない。 ゼルガディスはそう考えた。ではゼロスがここに来た理由として考えられるものは・・・ 「言っておくが貴様と取り引きをする気はない」 「・・・そうですか・・・」 ゼロスは少し困ったような顔をしたがそのまま話を続けた。 「取り引きと言いますが・・・お願いをしに来たんですよ、あなたに」 ゼルガディスは無視する。聞くつもりは毛頭ない。 「実は・・・アメリアさんのことなのです・・・」 ゼルガディスはその名に思わずゼロスの方に顔をむける。 黒い髪、小さな身体、太陽のような笑みを浮かべた少女の姿が頭によぎる。 だがゼロスの言葉によって彼はその姿を捕まえることができなかった。 「不死の契約を持ち掛けたのですが・・・」 「なっ!?」 ゼルガディスは驚愕の声を上げた。 「僕が何度頼んでも契約を結んでくれないのです」 ゼルガディスはゼロスに詰め寄りその胸倉をつかんだ。 「・・・どういうつもりだ・・・ゼロス」 普通の人間なら聞いただけで逃げ出してしまうようなどすの効いた声である。 だがゼロスは相変わらずにこやかに笑ったままで答えた。 「いや、あのですね。ですから、あなたから頼んで欲しいんです」 「何をだ!」 ゼルガディスはつかんだ手に力を込める。 「もちろん、不死の契約ですよ」 当然とでもいうかの様にゼロスは答えた。 「ふざけるな!」 一声叫ぶと、ゼルガディスはゼロスを突き放した。 「第一、アメリアはそんな申し出など絶対に受けん」 「ええ、あなたの言うとおりです。あっさり断られてしまいました」 ゼロスは困ったような顔で肩をすくめる。 そのあまりに人間くさい仕草にゼルガディスは吐き気すら覚える。 (魔族なら魔族らしくしてろ!) そう叫びそうになった時。 「いい考えだと思ったのですがねえ」 「?」 何を言うつもりなのだろうか。 「あなたにとっても、アメリアさんにとっても・・・そして僕にとっても」 「一体何を考えている!ゼロス!」 この魔族とアメリアが不死の契約を結ぶことで三人にとってどんなメリットがあるというのか。 「アメリアさんとあなたとではあまりにも時間の流れ方が違います」 「!」 言われなくとも自分自身がもっとも痛感している事実。ゼロスは更に続ける。 「あなたは死ぬまでアメリアさんと一緒で、僕はあなたが死んだ後アメリアさんと過ごすという 計画だったのですが。僕にとっては百年も五百年も大して違いがあるわけではないですし」 「なっ!?」 あまりといえばあまりなゼロスの「計画」にゼルガディスは面食らう。 そんな目的のためにアメリアと不死の契約を結ぼうというのか。 そして疑問と共に黒い何かが彼の中に生まれたが、ゼルガディスはそれに気がつかない振りをした。 「いい考えだと思ったのですがねえ。アメリアさんはあなたとともに生きられるし、僕の方としては当分の間退屈せずにすみますし」 ゼロスは繰り返して言った。 「・・・どういうつもりだ、ゼロス!」 ゼルガディスも先ほどの質問を繰り返した。 この黒い神官の本心はどこにあるのか。 「僕はアメリアさんが好きなだけですよ」 にっこりと笑いながらゼロスは指を顔の前で軽く振った。 (『好き』だと!?) 「まさか魔族の貴様からそんな言葉が聞けるとは思わなかったぜ・・・」 ゼルガディスはその言葉を鵜呑みにする気など全くなかった。 ゼロスはうっすらと目を開いた。その瞬間ゼルガディスは背筋にぞっとしたものを感じた。 いつのまにかあれほど夜の獣達でうるさかった森は静まりかえっていた。 「・・・アメリアさんを欲しいと思っているのはあなただけではないということです」 (アメリアを『欲しい』だと!?) 次々とゼロスから告げられる「ゼロスからはありえない言葉」にゼルガディスは混乱した。 目の前の魔族はアメリアを暇つぶしか何かの玩具とでも思っているのだろうか。 「貴様のは面白いおもちゃを欲しいといっているようなものだ!」 ゼロスはゆっくりとゼルガディスに近寄った。 「では、お尋ねしますが。あなたと僕とどう違うのでしょうか?」 「!?」 違うに決まっている。奴は魔族、自分は・・・ 「あなただってアメリアさんを『欲しい』のでしょう」 思わずかっとなってゼロスに怒鳴りつける。 「魔族である貴様とは意味が違う!」 「ではあなたは人間ですか?」 「!?」 ゼルガディスは動揺した。だが認めるわけにはいかない。絶対に。 「・・・当然だ・・・」 少なくとも心は・・・・・・ ゼロスは愉快だといわんばかりに唇の端を上げ、ゼルガディスに更に近づきその顔を覗き込み再度問いた。 「それでは人と魔族の違いは何でしょうか」 「!?」 何を馬鹿なことを聞いているのだろうかこの「魔族」は。 ゼルガディスの戸惑いを知ってか知らずかゼロスは問い続けた。 「・・・それはつまり・・・『愛』があるか否かということでしょうか?」 「はっ!?」 これまでで一番「ゼロスからありえない言葉」に唖然とする。 「確かに・・・僕には人の持つ『愛』という感情を理解できていないのかもしれません・・・」 あっけにとられているゼルガディスを面白そうに眺めながらゼロスは続けた。 「ですから・・・あなたがおやりになったようにアメリアさんに触れ口付けをしてみたのですが・・・」 「なっ!?」 ゼロスのその言葉を聞いた瞬間にゼルガディスから激しい怒りが込み上げる。そしてもう一つの、先ほどやり過ごしたある「感情」が体内を蝕む。 認めたくはない。認めたくはないが・・・これはこの感情は・・・・・・嫉妬 (こんなときに!俺は何を考えているんだ!) 思わず自分を叱咤するがその激情はとどまることを知らない。 「全く別のことに夢中になってしまい、理解するどころではありませんでした」 ゼロスはくすりと笑った。 「恐怖とあなたへの切ないぐらいの想いが混じりあった感情が僕の体内に流れ込んで来ましてね・・・なかなか美味でしたよ」 頭の中で何かが破裂する。 ゼルガディスは嫉妬を振り払い再びゼロスの胸倉をつかみ上げた。 「・・・貴様・・・許さん!」 だがゼロスは恍惚ともいえる表情をただ浮かべている。 おそらく喰っているのだろう。ゼルガディスの怒りと嫉妬を。 「・・・わかりましたよ・・・」 「何がわかったというんだ!」 「あなたが僕の『計画』を拒否される理由がです」 「何を今更言ってやがる!」 ゼルガディスは興奮してなおも胸倉を締め上げるがゼロスはそれを気にした風もなく答えた。 「・・・欲深いものですねえ。自分が死んだ後までも独占していたいとは」 ゼルガディスは思わずゼロスから手を放した。それを待っていたかのようにゼロスはゼルガディスの側からするりと離れた。 「貴様、何を言って・・・」 しかしゼロスはそれに応えず、背を向けた。そのまま森の中に消えていこうとする。 「待て!ゼロス!」 ゼルガディスはゼロスを呼び止めた。今度はゼロスはそれに応じた。 ゆっくりとゼルガディスの方を振り向く。ほとんどその身体は森の闇と溶け合ってはいたが 「最後に一つだけ忠告しておきましょう」 「・・・忠告・・・?」 ゼロスは今にも闇と一つになりそうな状態で言い続けた。 「あなたの感情は人のものとしては激しすぎるのです。その想い故、相手を破滅へと導く」 「!?」 (アメリアのことか・・・?) そこまで言うとゼロスは森の奥へと進んで行く。 「これは忠告です」 ゼロスはもう一度繰り返すと完全に闇と溶け合った。 「ゼロス!貴様アメリアに何をした!」 そしてこれから何をする気でいるのか。 森の影を含んだ風がゼロスの声を運んでくる。 「・・・・・・そんなに気になるのなら・・・アメリアさんに直接お聞きになったらいかがです・・・・・・」 「待て!」 「・・・ではまた・・・」 「ゼロス!」 ゼルガディスは森の闇に向かってゼロスの名を呼んだがもはや返事はなかった。 「・・・・・・」 残されたゼルガディスはただその場に立ち尽くしていた。 森の獣達の声と気配は戻ってきていたが、彼はそれに気がつかなかった。 ゼルガディス、深遠なる森の中、独り |
4690 | 一つの言葉 二つの心3 魔であるもの:ゼロス | UMI | 10/21-14:49 |
記事番号4687へのコメント ある空間にゼロスはいた。 人の身では見ることも感じることもかなわぬ空間。 いわゆる精神世界(アストラル)と呼ばれる場所。 そこに存在を許される者達は滅びを望むもの達。 ゼロスはゆっくりと自分にとって唯一無二の存在の前に進み出る。 そしてうやうやしく膝をつき頭を垂れた。 「・・・お呼びでしょうか・・・ゼラス様」 獣王(グレータービースト)ゼラス。 ゼロスを造りし者。 創造主にして支配者。 ゼラスは重々しく口を開いた。 「・・・うむ、前回の件が片付いたばかりで悪いが、やってもらいたい仕事がある」 ゼロスはすぐに自分が呼ばれた理由を理解した。ゆっくりと頭を上げる。 「・・・ガーブの残党のことですか?」 それを聞くとゼラスは満足げに微笑んだ。 「察しがいいな」 「僕はあなたから造り出されたものですから」 「ふふっ、そうだったな」 ゼラスは愉快そうに笑った。 だがすぐにその笑みは消えた。 「それでその仕事の内容だが・・・」 ゼロスは身じろぎもせず聞いている。 「まず彼らを説得しろ」 つまり・・・服従か滅びか。 「説得が効かぬ奴らではないだろうが、それが駄目なら・・・」 圧倒的な威圧感がゼロスに伝わってくる。空間がわずかに震えている。 「・・・かしこまりました。ゼラス様」 この絶対者に逆らうことは許されない。 「ガーヴが離反をするとはな・・・人とは厄介なものだ」 魔竜王(カオス・ドラゴン)ガーヴ。 もとは魔王の五人の腹心の一人。 降魔戦争の折りに水竜王に人と転生させられ赤目の魔王(ルビーアイ)に逆らった魔族である。 ガーヴが人と同化したことを言っているのであろう。 だが、ゼラスの言い方には何か違和感があった。 「まあ、たいして手間はかかるまい。それとゼロス・・・」 その瞬間周りの空気の流れが突然変わった。ゼロスの背に戦慄が走る。 「あまり、人と関わるのは感心せんな」 「!?」 ゼロスの驚愕の様子を見ながらゼラスは続けた。 「咎めるつもりで言ったのではない」 言葉とは裏腹にゼラスの視線は険しい。 何よりゼラスの気で歪まされた空間が全てを物語っている。 恐怖で脅えている。 「ただ、遊びはほどほどにということだ。解るな?」 「・・・はい・・・ゼラス様」 肯定の言葉以外はここでは意味をなさない。 「しょせんは相容れぬ存在だ」 ゼラスの口調は穏やかではあるがその目は全てを見抜いている。 「もうよい下がれ」 『下がれ』つまり全ての用は済んだということだ。 「はい・・・」 ゼロスは畏まってその場を離れた。 漆黒の闇の中でゼロスは考えていた。 「人」についてを。 アメリアとゼルガディス・・・ なぜああも違うもの同士が惹かれ合っているのか。 いや、それは魔族の自分にも解る。リナを初めとするあの四人に好奇心を感じる自分と同じようなものだろう。 ゼロスが真に不思議だったのは・・・ なぜあれ程違う存在が同じ人間として生を受けたのか。 自分達魔族とて「個性」というものは存在する。 だがその心の向かう方向はただ一つ・・・滅び。 魔族も人も同じ母なる存在が生みしものだというのに。 なぜ? 先ほどのゼラスの言葉を思い出す。 『人とは厄介なものだ』 (そのとうりです。ゼラス様) 魔族と人間相反する存在・・・ 表裏一体のものとして自分達は生み出されたのだろうか? しかし、人には二つの感情が存在する。 相反する二つの心が。 アメリアとゼルガディスから喰った感情がまだ自分の中にかすかに残っている。 ゼロスはそれをゆっくりとなぞった。 愛おしさと自分を置いて行った者へのかすかな恨み。 強く想えば想うほど比例していく相手への狂気。 それに反して・・・ (僕等魔族の望みは混沌へと還ることのみ・・・) 獣の鳴き声が聞こえる。町の小さな明りが遠くに見える。 ゼロスは大木の枝の上に腰掛けそれを眺めていた。 (ただ生きている。それだけでは人は満足できないとは・・・) ゼロスはそこまで考えると小さくため息をついた。 一つの望みしか持たない自分達が不完全な存在なのか。 二つの心を内包する人間が不完全な存在なのか。 再びゼラスの言葉がよみがえる。 『しょせんは相容れぬ存在だ』 (結局はそういうことなのでしょうね) ゼロスはそれ以上考えることをやめた。 「・・・そろそろ潮時というですか・・・」 一言そうつぶやくとゼロスは立ち上がった。 ガーヴの後始末。確かに手間はかかるまい。だがそれゆえにのんびりしていたらゼラスの機嫌を損ねてしまう。ゼロスにとって最も避けたいことだ。 木々の枝や葉が夜風でざわざわと音をたてている。 「さて行きますか」 言うなりゼロスの身体は消えた。 まるで風がかき消したように。 黒い神官が去って行ったのを知ってか知らずか、夜の森は不安げに揺れ声を上げていた。 ゼロス、虚無の中、独り |
4691 | 一つの言葉 二つの心4 花供養:三者三様 | UMI | 10/21-14:56 |
記事番号4687へのコメント 冷たい風が吹いていた。 陽射しは眩しいがこの季節の風は身を切るように冷たい。 アメリアはその風の中でたった独りで立っていた。 部屋の中に独りではとてもいられなかった。 しかし目の前の光景は彼女の心を慰めてはくれない。 寒々しいとしか形容できない光景が目の前に広がっていた。 彼女は王宮の庭園にいた。 春であれば鮮やかなバラが咲き誇っているのだろう。 しかし今は見る影もない。 細い枝が無残な姿をさらしている。 針を連ねた様なその姿は傍に寄ることを拒んでいた。 ・・・がさ・・・ 「?」 人の気配にアメリアが振り向いた。 こんな季節に自分以外の誰がこの場所に来るというのだろうか。 「!?」 アメリアは庭園の来訪者に思わず目を疑った。 「ゼルガディスさん!」 訪れ人は彼女の待ち人、その人だった。 きらめく銀糸の髪、蒼い肌、孤独をたたえた瞳。 「・・・アメリア・・・」 彼が自分の名を呼ぶ。 (本物だ!) 「ゼルガディスさん!」 アメリアは彼の名を呼び駆け寄った。 (無事だったか・・・) 太陽のような少女が駆け寄って来る。 アメリアはそのままゼルガディスに抱きつく。 ゼルガディスはためらいながらも彼女の背に腕をまわした。 誰よりも愛しい少女、アメリア。 愛しい、そう誰よりも愛しく想っている。だが・・・ 「なぜここに?」 アメリアは彼の胸に顔を埋めながらゼルガディスに尋ねた。しかしそう問いつつもアメリアは薄々気付いていた。 (ゼロスさんに会ったんだ・・・) 何か言われたのだろう、ゼロスに。そうでもなければ彼が自分の所に来るわけがない。そこまで考えてアメリアはさびしげに微笑んだ。ゼルガディスに彼女の表情は見えない。 「それは・・・」 ゼルガディスは言いよどんだ。 言えない。ゼロスに会ったとは。 言えばゼロスに言われたことを話さなければならないだろう。 ゼロスの言葉が思い返される。 『あなたの想いは破滅へと・・・』 何と言えばいいのだろうか。 「それは・・・」 ゼルガディスが言葉を探していると、突然突風が吹き荒れた。 「きゃっ!何ですか!?」 アメリアが思わず顔を上げた。ゼルガディスのマントとアメリアのドレスが風であおられ絡み合う。 その風がおさまると庭園に三人目の来訪者が立っていた。 「ゼロス!」 「ゼロスさん!」 二人は同時に声を上げた。 「こんにちは。ゼルガディスさん、アメリアさん」 ゼロスはいつもの笑顔で答えた。 「・・・何しに来たゼロス」 ゼルガディスは目の前の魔族を睨みつけ言った。 「話の続きをしに来ただけです」 ゼロスはそれをさらりと笑顔でかわす。 「続きだと!」 「長居はしません。僕も仕事がありますので」 ゼルガディスはゼロスに詰め寄ろうとしたが隣の存在に気がついた。 アメリアはさっきからゼルガディスの腕をつかんだままである。おびえたような目をゼロスに向けている。 その様子をゼロスはただ見ていたが、ふいにその顔から笑みが消えた。 「・・・アメリアさん」 アメリアの身体がびくんと震えた。ゼルガディスにアメリアの脅えが伝わる。 「僕が解るのはアメリアさんあなたは人であり、そして僕は魔族であるということです」 「・・・・・・」 アメリアは困惑の色を浮かべ首をかしげる。 ゼロスはアメリアから目を離し、そのままゼルガディスに視線を移す。 鋭くゼロスを睨みつけたままのゼルガディスと目が合う。 「そしてゼルガディスさん。ひとまずあなたは『人間』ということにしておきましょう」 ゼルガディスはその言葉に顔をしかめる。 「・・・アメリアさんに免じて・・・」 ゼルガディスは思わず隣の少女に視線を落とす。アメリアは相変わらず困惑の表情を浮かべたままである。 「これだけです」 「!?」 そう言うと、ゼロスは一礼して立ち去ろうとした。 「・・・それだけか?」 ゼルガディスはいぶかしみ問いた。 それはアメリアとて同じであった。あれほどしつこく自分を問い詰め、追い詰めていたのに。 「・・・仕事がまだ残っていますので、では・・・」 ゼロスが別れの言葉を言うなり、再び強風が巻き起こる。 だが今度は風だけではなかった。色とりどりの何かが視界を覆いつくす。 ゼルガディスは反射的にアメリアをマントで包む。 風に乗ってゼロスの声が聞こえた。 「・・・これは、あなた方へ対する非礼の詫びです。ささやかではありますが・・・」 次第に風がおさまり、ゼルガディスは目を開けた。 その光景に息を呑む。 「・・・ゼルガディスさん?」 アメリアはゼルガディスが動かないのを不思議に思いマントの端から顔を出した。 「えっ!?」 一面に広がる色とりどりのバラの花。 目の前に広がるその光景はまさに春そのもの。 「うそ・・・」 アメリアは目を奪われた。 「ふん、意外とキザな奴だ」 「ゼロスさんがやったんですよね」 呆然としているアメリアを見ながらゼルガディスは答えた。 「これが奴の言っていた詫びなんだろう」 「そうみたいですね」 甘い香が鼻孔をくすぐる。 「嫌な奴だが嘘は言わん。詫びだと言った以上、もう来まい」 「そうですね」 (嘘は言わないのに・・・) 偽りの姿と微笑みを持つ嘘言わぬ魔族。 艶やかな姿を惜し気もなく自分達に見せている目の前のバラ達。 魔族によって咲かされたこのバラは偽りのものだろうか本物だろうか? 「・・・ひょっとしたらそう造られていないのかもしれんな」 「えっ」 「嘘をつかないのではなく、つけないのかもしれん」 ゼルガディスはアメリアの考えを読んだかの様に言った。 「・・・・・・」 (このバラは本物なのかな・・・?) せめてこの美しいバラだけは確かなものであって欲しい。 アメリアはそう願って目の前の赤いバラに手を伸ばした。 ゼルガディスはそれを見て顔をしかめる。赤は彼が最も嫌う色。 けれど。 「痛!」 バラはアメリアを冷たく拒んだ。 「アメリア!?」 バラの刺によってアメリアの白い指から血が流れる。 バラよりも赤い、赤い一筋の血が。 アメリアはその指を自分の唇に持っていこうとした。 だが、それはゼルガディスによってはばまれる。 「ゼルガディスさん・・・?」 ゼルガディスはアメリアの手をつかみ、そのまま自分の唇に運んだ。 「ゼ、ゼルガディスさん!」 アメリアの頬は一瞬で赤いバラの様に染まった。 ゼルガディスはどんな些細な傷であっても少女が傷つくのは嫌だった。 だが、少女の血の暖かさに思わず心が震えた。その考えに我が事ながらぞっとする。 そしてその血が、少女の一部が自分の中に今あるのだと考えると歓喜に近いものすら感じていた。 (ゼロスの言う通り、自分のこの想いは彼女を破滅へと導くものなのか・・・?) ゼルガディスはそっとアメリアの指を唇から離した。 「ど、どうも・・・あの・・・」 アメリアは真っ赤なまましどろもどろに答える。 (・・・不器用だけど、やっぱりとても優しい人・・・) そんな彼をわずかでも恨みに思っている自分のことがアメリアには許せなかった。 アメリアは罪悪感に胸を押さえた。 (それでも・・・私はあなたのことが・・・) ある決意を秘め、アメリアはゆっくりと唇を開く。 「ゼルガディスさん、私は・・・」 ゼルガディスはアメリアをただ見ていた。 「私は、アメリアはゼルガディスさんのことが好きです」 健気といえるほど真摯な瞳でゼルガディスを見るアメリア。 (これが私の真実です) ゼルガディスは真直ぐに見つめ返すことができない。 その瞳を・・・あまりの眩しさに目が焼かれそうだ。 ゼルガディスは目を細めアメリアのバラ色の頬を両手で覆う。 アメリアは静かに瞳を閉じた。 そしてそっと唇を重ねる。 静かに唇を離すとアメリアはゆっくりと目を開けた。 「アメリア・・・俺は・・・」 瞬きもせず彼女はじっとこちらを見ている。 彼女は自分の言葉を待っている。 「アメリア、俺はお前を・・・」 少女の幸福を願う自分がいる。 少女をズタズタに引き裂いて、その肉を血を喰らいつくしたい自分がいる。 交錯する二つの心。 決して相容れない二つの心。 わからない。この矛盾が。 だが、告げるべき言葉はただ一つ。 「愛している」 END |
4706 | お久しぶりです | 雫石彼方 E-mail | 10/22-05:18 |
記事番号4691へのコメント こんにちは、お久しぶりです雫石です。 夏コミでは声を掛けてくださってありがとうございました。その時に、9月にお話を出す、とのことだったので今か今かと待ちわびておりました! 普段隠れている、心の奥深い部分をわしづかみにされたような、衝撃的なお話でした。確かに人間って、矛盾する感情を抱えてますよね。それに苦悩するゼルとアメリア、そして反対に彼らと関わったことで一つの望みしか持たない自分に疑問を持ち、少しずつ変わりつつあるゼロス、よかったです。あのまま行くと、ゼロスは魔族から離反しちゃいそうですよね。それだけ人って、ゼラス様の言葉を借りるなら「厄介」なんだなー、と。私としては、ゼロスには魔族でありながら人間を理解できる、橋渡し的な存在になってほしいです。 ・・・なんか真面目なこと書きすぎちゃいましたね(汗)柄にもないこと書いたおかげで頭の中ショートしそうです(笑) ではでは、また素敵なお話書いてくださいね、待ってます! |
4760 | お待たせしてすいません | UMI | 10/25-14:41 |
記事番号4706へのコメント >夏コミでは声を掛けてくださってありがとうございました。その時に、9月にお話を出す、とのことだったので今か今かと待ちわびておりました! 覚えててくださって嬉しいです。遅くなって申し訳ないです。もう大うそつきのUMIです。恩をあだで返してどうする… >あのまま行くと、ゼロスは魔族から離反しちゃいそうですよね。それだけ人って、ゼラス様の言葉を借りるなら「厄介」なんだなー、と。 なるほど。そういう解釈もできるんですねえ。私自身はあんまし考えずに適当に書いちゃったんですけど…読者様に自分の話の解説をしてもらってどうする… >私としては、ゼロスには魔族でありながら人間を理解できる、橋渡し的な存在になってほしいです。 この話ではゼロスを思いっきり魔族として書いたつもりなんです。人でないものが人を見たらどう映るのかなって思いまして…こんな話ができちゃいました。でも人と魔族の違いについて考えてしまうこと自体、魔族の中では異端なんでしょうね。 >ではでは、また素敵なお話書いてくださいね、待ってます! ありがとうございます。頑張ります。よろしかったらまた遊びにきてください。雫石さんも同人活動を含めて頑張ってください。お話楽しみにしています。 > |
4708 | おげんきですか | 小野道風 | 10/22-06:18 |
記事番号4691へのコメント UMIさま こんにちは。 お久しぶりです。お元気ですか?・・・ていうか、もしかしたらお忘れかもしれませんけれど(汗)・・・・自称UMIさまアメリアファン倶楽部会長(なにがじゃ)小野でございます(爆) ダークでしたねー。 ゼロス、非道でしたねー(笑) でも、ゼルガディスの最後の一言(と指・・・ごにょごにょ)で救われた気がします。一つの形として。 実際どうなんでしょう。なにより大切に思っている人がそばにいるのに、その人と違う時間の中に身を置かなければならない、という事実を受け止めていくのは、ほんとに勇気と愛がいることだと思うんです。小野だったら心が弱いので自分に言い訳して逃げるかもしれません。契約の方に。「その方がずっと長く一緒にいられるんだし」とか言って。 それでも向き合うゼルガディスとアメリアの心。 それを光り宿らぬ瞳で映し続けるゼロス。 部屋の中で、森の中で、虚無の中で、それぞれ独り、闇と静寂に囲まれて・・・。 「人」とはどういう存在なのか。ほんと、答えのない問いですよね。 力ある魔族などから見たら恐ろしくちっぽけではかないもののくせに、愛なんていうろくに説明できないようなもののために過酷な運命を受け入れられる、そのくせ相反する二つの心で自分を引き裂いてもいる、そんな奇妙な存在。 プラス、独占欲?(笑) 正しい答えなんてない。決してない。けれど・・・・ > 告げるべき言葉はただ一つ。 > 「愛している」 そう、答えは一緒に探していけばいいじゃありませんか。 求めていたものとは違う答えにたどり着いてしまったとしても、それが生きるっていうことなんじゃないかな、なんて。心の闇を見つめるそのまなざしの向こうに、必ず光があると信じている小野なのでした(笑) すみません。わけわからんことをたらたら書いてしまいました(汗)でもとても嬉しかったので。 またぜひ、素敵なゼルアメのお話、読ませてくださいね! すっかり朝晩冷えるようになりましたけれど、お体には気をつけて。 ではでは。 小野は、今こっそりとHPの準備をしていたりします。小野の書いたゼルアメな小説がメインになる・・・予定になってます・・・全然進んでないんですが・・・(泣)小野がこちらで書いていて、UMIさまたくさんコメントくださっていた「聖都怒涛の・・・」という話があるのですけれど、それの続きなんかも載せる予定にしております。もし良かったら、また遊びになど来てやってくださいませね。 て、形にし終えられるのだろーか、私・・・。 |
4761 | 元気ですよー! | UMI | 10/25-15:09 |
記事番号4708へのコメント > お久しぶりです。お元気ですか?・・・ていうか、もしかしたらお忘れかもしれませんけれど(汗)・・・・自称UMIさまアメリアファン倶楽部会長(なにがじゃ)小野でございます(爆) こちらこそ忘れられているんじゃいかと…自称小野道風様ゼルアメファン倶楽部会長のUMIです(爆爆) > ダークでしたねー。 > ゼロス、非道でしたねー(笑) いやあ、それをねらって書いたんですから、この話は(笑) > 「人」とはどういう存在なのか。ほんと、答えのない問いですよね。 この話は人でないものにとって人ってどんな風に映るんだろうかと、ふと思って書いてみたんです。だって人間て、たくさんの数え切れない思い、しかも相反し矛盾する思いを内包していますよね。自分自身も人ながらすっごく不思議に感じまして。けれどその心を言い表すのには言葉はあまりにも単純で少なすぎるなあと考えたわけです。思った以上にダークになりましたが。何故? > 正しい答えなんてない。決してない。けれど・・・・ うん。小野さんの言うとおり答えって無いと思います。ただラストの言葉を言うことでゼルとアメリアはもしかしたら更につらい道を行かなければならなくなったかもしれません。 > そう、答えは一緒に探していけばいいじゃありませんか。 > 求めていたものとは違う答えにたどり着いてしまったとしても、それが生きるっていうことなんじゃないかな、なんて。心の闇を見つめるそのまなざしの向こうに、必ず光があると信じている小野なのでした(笑) じ〜〜ん(現在UMIは感動して動きことができません)ゼルとアメリアには本当にそうあってほしいです。 > 小野は、今こっそりとHPの準備をしていたりします。 本当ですか!しかもあのお話の続きが!うををを!ビックニュースですね。大変だとは思いますがぜひぜひ頑張ってください。もちろん遊びに行きますよ!HP開設のあかつきにはよろしかったら何か投稿させてくださいね。 では今日はこれで。小野さんもお体には気よつけてください。お話とHPを楽しみにしています。コメントありがとうございました。 |
4789 | ないすとぅ〜みちゅ〜♪♪♪ | 桜華 葉月 | 10/27-01:04 |
記事番号4691へのコメント UMIさんは No.4691「一つの言葉 二つの心4 花供養:三者三様」で書きました。 はじめまして〜。新座者 兼 読んでも下手な感想しか書けない桜華で〜す。 と言うわけで、まずは、『ほんとに下手な感想でごめんなさ〜い。』 『相手が手に入れがたい者だからこそ、手に入れたい。』 この執着心が恋なのかも知れないと、読んでておもいました。 側にいたいとか、一緒にいると安らぐとかは愛のきれいな面でしかないんじゃないか? いくらきれいな言葉を使っても、愛って執着心の優しさと二つが混ざり合っているんじゃないか? どちらの比重が大きいかで相手を傷つけるかどうか分かれるんじゃないか? ゼロスが言いたかった事って、こういう事じゃないでしょうか? 『あなた方の愛はどちらですか?僕と同じで独占したいが為に相手を滅ぼすしますか? それともお互いに相手と共にあるために自分の何かを犠牲にしますか?』 何か疑問詞ばっかり・・・。う〜ん、へたっぴ。(反省) あと、冬にバラを咲かせることが自然に対する嘘だけど、人を慰める嘘なら許されますよ。きっと。 ところで、かなりキザ。(笑) やっぱ、美男子は、月を背負う、バックにバラを散らす、窓の外を悲しげに見つめる。この3原則が全て当てはまる貴重な人種です。(笑) 何か難しく書いてしまってすいません。 でも、アメリアじゃないけど、『真実はただ一つ。愛している。』 それだけが答えで良いじゃないですか。他のことはいつかわかるときが来ます。 自分の気持ちを他人に伝えることほど難しいものはないから、うまく説明できなくてもいいです。 あっ、何か中途半端に終わっちゃった。 とにかく、以上、桜華葉月でした。では、また〜!!! |
4692 | はじめまして! | ねんねこ E-mail URL | 10/21-16:31 |
記事番号4687へのコメント はじめまして、UMIさん。ねんねこと申します。 UMIさんの作品は過去の記事でしっかり読ませて頂きましたっ! あああ、ゼルアメっ!しかもアメリア←ゼロスの雰囲気も漂っていて……はうっ! ゼルアメ←ゼロスのねんねことしてはもう……言葉にならないほど嬉しいですっ! 今回のお話も素敵でした。 最後のバラがなんとも言えず……(笑) ゼロスくん、素敵なぐらいのキザ野郎だわっ!などと思ってしまいました。 一つの出来事(話)に対して、それぞれのキャラクターに目を向けて書くのも素敵ですね。それぞれのキャラクターの気持ちがよくわかってよかったです。 ではでは、なんだか舞い上がりまくって乱文になりましたが、この辺で。 ねんねこでした。 |
4757 | はじめまして、コメントありがとうございます | UMI | 10/25-14:11 |
記事番号4692へのコメント >はじめまして、UMIさん。ねんねこと申します。 はじめまして。 >UMIさんの作品は過去の記事でしっかり読ませて頂きましたっ! うっきゃああ!(謎の奇声)ありがとうございます。 >ゼルアメ←ゼロスのねんねことしてはもう……言葉にならないほど嬉しいですっ! そこまで喜んでいただけるとは、書き手冥利に尽きるというものです。 >最後のバラがなんとも言えず……(笑) 本人もすっげえラストシーンだぜと思っていました。でも「花供養」という題はちょっといいですよね(自分で言うなよ) >ゼロスくん、素敵なぐらいのキザ野郎だわっ!などと思ってしまいました。 わはは。かなりゼロスファンの人からひんしゅくをかってしまうかも、と思っていたので、ほっとしました。 ではまた、よろしかったら遊びにきてください。 |
4694 | はじめましてです!! | 緑原実華 E-mail | 10/21-17:02 |
記事番号4687へのコメント 初めまして、こんにちは!!緑原実華と申します。 とってもよかったです!! 私、ゼルとアメリアとゼロスの三角関係(?)ネタ大好きなんですよ〜 それプラスゼルの嫉妬!!かなり好きです!! なかなかゼルの嫉妬は見れませんからね〜アメリアの嫉妬も可愛くていいんですがね・・・ あのゼルがアメリアの指をパクン(?)のところは思わず想像してしまいました。 本当よかったです〜 |
4758 | はじめまして、コメントありがとうございます | UMI | 10/25-14:17 |
記事番号4694へのコメント >初めまして、こんにちは!!緑原実華と申します。 初めまして、UMIといいます。コメントありがとうございます。 >私、ゼルとアメリアとゼロスの三角関係(?)ネタ大好きなんですよ〜 実は私も大好きだったりします。 >あのゼルがアメリアの指をパクン(?)のところは思わず想像してしまいました。 あの、シーンは身悶えながら書きました…謎の奇声も発しつつ… >本当よかったです〜 楽しんでいただけて私も本当に嬉しいです。おひまでしたらまた遊びにきてください。 |
4703 | はじめまして。 | 桜井 ゆかり E-mail | 10/22-01:16 |
記事番号4687へのコメント UMIさんは No.4687「お久しぶりです」で書きました。 > > えー、お久しぶりです。UMIです。 >もう、私のことなど誰も覚えていないですね…3ヶ月ぶりの投稿となります。 こんばんわ。桜井 ゆかりって言います UMIさんのは何回か目をとうしていました。 ねんねこさんと同じですが、このゼルアメ←ゼロスいい感じです。 この3人のカップリング好きの私には先が楽しみでしかたありません。 ダークですけど、続きが読みたくなるそんな感覚を覚えますね。 短かったですけど、続きの方も頑張って下さい。 |
4759 | はじめまして、コメントありがとうございます | UMI | 10/25-14:26 |
記事番号4703へのコメント >こんばんわ。桜井 ゆかりって言います はじめまして、UMIといいます。コメントありがとうございます。 >UMIさんのは何回か目をとうしていました。 本当ですか?嬉しいです! >ダークですけど、続きが読みたくなるそんな感覚を覚えますね 「一つの言葉〜」の続編ですか?う〜ん全く考えていませんでした。 でもでも、桜井さんのようなコメントは今後どんな話を書こうかという参考になりますので、これからもばしばしお願いしたいです。 では、よろしかったらまた遊びにきてください。 |
4776 | えー、遊んでみました | UMI | 10/26-13:18 |
記事番号4687へのコメント こんにちは、UMIです。えー、何と言いますか、遊んでみました。いわゆるおまけです。すぐにでもツリーが落ちそうですが。それにしてもパロディでパロディすんなってところですかね。 一つの言葉 二つの心:お遊び編 アメリア編 「アメリアさん、僕と不死の契約を結びませんか?」 「それはつまり私と正義の伝道に努めたいということですね!」 「えっ!?」 「今までの悪事の罪ほろぼしをしたいと、そういうことですね!」 「いやっ、そうじゃ」 「人の身では長生きしてもせいぜい百年、あなたと不死の契約を結べば悪がこの世から消え去るその日まで、私は正義の使者として戦うことができます」 「僕の話を・・・」 「そしてあなたも私と共に正義のために戦いたいと!」 「ですから!」 「わかりました。そういう事情ならゼルガディスさんもわかってくださるでしょう」 「あの〜」 「あなたと不死の契約を結びましょう」 「話は最後まで聞くものです・・・アメリアさん(しくしく)」 ゼルガディス編 「アメリアと不死の契約だと!?本気かゼロス!」 「ええ」 「つまり・・・お前は来るとも知れない滅びの時までアメリアから生の賛歌を聞き続けたいと、そういうんだな」 「へっ!?」 「不死になってもアイツの場合ぜっったいに性格は変わらんぞ」 「そ、それは」 「そして毎日のように正義についての講義を聞かされるぞ」 「た、確かに・・・」 「それでもいいというんだな」 「・・・少し、考えさせて下さい・・・」 ゼロス編 「人間にあまり関わるのは感心せんな・・・私の目はごまかせんぞ」 「ゼ、ゼラス様・・・」 「お前はこの前、食い逃げをしかけたそうだな・・・」(ラジオドラマ参照) 「そ、それは・・・!」 「土産物屋のまんじゅう売りもしていたそうだな・・・」(ラジオドラマ参照) 「そ、その・・・」 「他人の趣味に口出しをする気はないが・・・女装もしたそうだな」(NEXT参照) 「あ、あれは・・・」 「で、ソフトクリームとやらは美味かったか?」(NEXT参照) 「・・・お食べになりたかったんですか?」 「ち、違う!」 「そうなら、そうとおっしゃってくださればよろしいのに。ゼラス様のためならこの僕は今からでもセイルーンへ行って、お持ちしますから」 「違うと言っとるだろーが!!」 花供養編 「ゼルガディスさーん(はあと)!」 「アメリア(はあと)」 「会いたかったですう」 「俺もだ」 「たまには連絡ぐらいしてください」 「すまん・・・」 「でも、こうして来てくれたからいいです」 「髪が伸びたな」 「前の方が良かったですか?」 「いや、こっちもよく似合っている」 「そう言ってもらえると嬉しいです(ぽっ)」 「前よりもきれいになった・・・」 「ゼルガディスさん・・・(はあと)」 「アメリア・・・(はあと)」 「・・・・・・で、このらぶらぶ状態の中で僕はいつ登場したらいいんでしょうか・・・・・・(しくしく)」 おしまい ================================== どうでしょうか。めぐる季節といい暗めの話が続いてしまったので、このままだと陰気な奴だとか思われちゃうなあと思いちょっと書いてしまいました。が、しかし。明るいというより頭の変な奴とか思われそうな内容ですな。ははは…(乾いた笑い) |
4777 | 返ってリアルな(笑) | 小野道風 | 10/26-17:14 |
記事番号4776へのコメント UMIさま こんにちは。 ひょこっと覗いていましたら、なんとこっそり(?)おまけがっ!!! うははははは。アメリアが最高に決まってますー。 > 「人の身では長生きしてもせいぜい百年、あなたと不死の契約を結べば悪がこの世から消え去るその日まで、私は正義の使者として戦うことができます」 ゼロスならびに全世界の悪党の皆様・・・・つつしんでごめいふくをおいのりいたします・・・・ そして人の話を聞かない爆烈娘なところもアメリアの魅力(笑) > 「不死になってもアイツの場合ぜっったいに性格は変わらんぞ」 > 「そ、それは」 > 「そして毎日のように正義についての講義を聞かされるぞ」 > 「た、確かに・・・」 (契約の具体的な中身やなんかはともかく)姫はやっぱりあの姫のまま、そんな気が確かにするし、いつまでも、何があっても、あのままでいて欲しい、なんて・・・。でもダークなアメリアというのもいいかもしれないですね。ちょっと大人っぽくなってゼルを悩殺だー(爆)←我ながら壊れてる・・・ > 「・・・・・・で、このらぶらぶ状態の中で僕はいつ登場したらいいんでしょうか・・・・・・(しくしく)」 やはりゼラスとソフトクリームでしょう、ここは。 このたびはとんだ災難でした。ゼロス、飽きるほどソフトクリーム食べて還ってね(笑) てUMIさま、乾いた笑いなんてそんな(笑)その手の妄想で日々オーバーヒート中の私の頭の存在意義が・・・・はっはっはっ。 とても楽しいお話、ありがとうございました。 次のお話も、ご迷惑にならない範囲で、心からお待ちしてます! では、また。 半壊人間(謎)小野でございました。 |
4793 | 楽しんでいただけたようで | UMI | 10/27-14:41 |
記事番号4777へのコメント こんにちは小野さん。早速のコメントをありがとうございます。 > ゼロスならびに全世界の悪党の皆様・・・・つつしんでごめいふくをおいのりいたします・・・・ ゼルガディスではありませんが、不死になったとしてもアメリアの性格はこのまんまではないかなあと思っているわけです。ですからアメリアが不死とかになったりしたら大変だろうなあと。 > でもダークなアメリアというのもいいかもしれないですね。ちょっと大人っぽくなってゼルを悩殺だー(爆)←我ながら壊れてる・・・ ダークなアメリアですか…確かにちょっとどきどきかも。UMIも負けず劣らずぶっ壊れていますから。 > とても楽しいお話、ありがとうございました。 こちらこそ、遊びにきていただいて本当にありがとうございました! |