◆−Be Alive 1−水晶さな(11/16-01:03)No.4903 ┣Be Alive 2−水晶さな(11/16-01:05)No.4904 ┃┣ツボ・・・!!−雫石彼方(11/16-03:03)No.4906 ┃┃┗はっ突いてしまった!?−水晶さな(11/16-22:41)No.4921 ┃┣お久し振りですー♪−ゆっちぃ(11/16-05:12)No.4910 ┃┃┗ホント御久しぶりです(^_^)−水晶さな(11/16-22:57)No.4922 ┃┗スタートですね!!−緑原実華(11/16-16:42)No.4916 ┃ ┗スタートしちゃいました!(笑)−水晶さな(11/16-23:02)No.4923 ┣Be Alive 3−水晶さな(11/16-23:25)No.4925 ┣Be Alive 4−水晶さな(11/16-23:35)No.4926 ┃┗UPはやいです〜〜〜♪−ゆっちぃ(11/17-05:23)No.4930 ┃ ┗コメントも早いですね〜(笑)。−水晶さな(11/18-00:18)No.4931 ┣Be Alive 5−水晶さな(11/18-00:28)No.4932 ┣Be Alive 6−水晶さな(11/18-00:31)No.4933 ┃┣ゼルがかっこいいです!!(><)−雫石彼方(11/18-05:28)No.4937 ┃┃┗ゼル頑張ってます(笑)。−水晶さな(11/18-23:02)No.4947 ┃┗をを!−ゆっちぃ(11/18-05:38)No.4938 ┃ ┗おお!−水晶さな(11/18-23:18)No.4948 ┣Be Alive 7−水晶さな(11/19-21:13)No.4952 ┣Be Alive 8−水晶さな(11/19-21:16)No.4953 ┃┗アップ早いですね〜−桐生あきや(11/19-23:02)No.4954 ┃ ┗あきやさんも早いですよ〜−水晶さな(11/20-23:54)No.4957 ┣Be Alive 9−水晶さな(11/20-23:59)No.4958 ┣Be Alive 10−水晶さな(11/21-00:01)No.4959 ┗Be Alive 11−水晶さな(11/22-00:37)No.4969
4903 | Be Alive 1 | 水晶さな E-mail | 11/16-01:03 |
どうも・・・又来てしまいました。今回もオリジ設定&オリキャラ出まくりです(笑)。 私の書くパターンはゼル&アメが中心でオリキャラが混じるのと、オリキャラが中心でゼル&アメが関係するのと二通りがあるんですが、今回は後者になりそうです・・・小刻みで時間がかかると思われますが、気長に読んでやって下さい(^^ゞ あ、ちなみにしっとり系です。また(笑)。 ==================================== Act.1 王国神話 昔、広大なる大地は巨人族の支配下であり、彼らは後にティターンと呼ばれる伝説上の存在となる。 神話によれば永遠近く生きる彼らは、増加する子孫と減少する土地に頭を悩ませ、 その誇りであった巨体を時と共に縮めていく事によって滅亡を免(まぬが)れた。 体躯(たいく)の著(いちじる)しい縮小に伴い、永遠に近い彼らの寿命はおよそ百年までにとどまった。 飢饉(ききん)、同種族内の別離、闘争、殺戮(さつりく)、破壊・・・長き争いの時代の果てに、 彼らは荒廃した土地を去った。 荒野と化したその故郷には、たった一人のティターンが残った。 彼はこの地を愛しており、離れる事ができなかった。 自らが土に還るその日まで、ここに居続けるつもりであった。 ある日そんな彼の元に、一人の女が現れた。 放浪の旅を続ける民族の彼女は、足を病み皆についていけなくなった為に置いていかれたのだという。 森林の神の加護を受ける巫女姫、ノルンディーエ。 伝説によるとこの二人が、後に建設された王国、シェワディール=ティタニエル王国の始祖となった。 |
4904 | Be Alive 2 | 水晶さな E-mail | 11/16-01:05 |
記事番号4903へのコメント Act.2 朝の風景 「・・・ですからねー、この地の人々はティターンの血を受け継いでいて、みーんな背が高いんですよう。平均身長が女性でも170cm、男性で2mを越す人も少なくないんだそーです!」 更衣室の分厚いカーテンを隔(へだ)てている為、少女が大きな声で叫んでくる。 「・・・だからって10cmヒール履く事はないだろ」 その脇の壁に背をもたせかけ、更衣室の前に置かれたハイヒールにちらりと目をやってから男が嘆息して呟いた。 いつものベージュ色の衣装ではなく、黒を貴重とした貴族の衣装を窮屈そうにまとっている。 銀の針金の髪に青黒い岩肌。名も結構(嫌な意味で)知れ渡っている合成獣(キメラ)魔剣士ゼルガディス=グレイワーズ。 「ゼルガディスさんには人に埋(うず)もれる気持ちがわかんないんですっ!」 ばっとカーテンを開け広げ、着替えを終えた娘が出てくる。 肩までのつややかな黒髪に、海色の大きな瞳。幼い風貌だが将来が期待できそうな面(おも)立ちである。 一応故郷の王国では第二王女。アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。 まとっているのは故郷でもよく着ているピンクのと似たようなピンクのドレス。ただしここで調達した為何度も裾上げをやり直した。 ゼルガディスはSサイズで何とかなったが、アメリアはそれでもドレスの裾を引きずった。 胸からのドレスで、肩は剥(む)き出し。長いレースの手袋は肘まである。 こうしていると姫に見えなくもない。 つま先を伸ばして10cmハイヒールに足を突っ込むアメリア。 「・・・」 「・・・」 「あの・・・足が重いです・・・」 「・・・そりゃそうだろ・・・」 ゼルガディスが嘆息し、もう一つ用意しておいた低めのハイヒールを横に置いた。 「・・・むー、挨拶する時に首を思いっきり上にかたむけなきゃいけないんですよねー。ガルンシャ国王様背丈が197cmもあるんですよぅ」 ぶつぶつ言いながらもハイヒールを履き変えるアメリア。 ゼルガディスが無言でワインレッドのストールを広げる。 「え? そんなに寒くないですよ?」 戸惑うアメリアに構わず、ゼルガディスがストールをアメリアの肩にかけた。 「前で結べ」 「・・・なくても大丈・・・」 「ここの奴らは背が高いっつったな?」 「はい」 「んな格好で出て行ったら胸が丸見えに決まってんだろが!!」 「あうあうあうあううあううううう」 むぎぃと両頬を引っ張られ、アメリアが悲鳴を上げた。 |
4906 | ツボ・・・!! | 雫石彼方 E-mail | 11/16-03:03 |
記事番号4904へのコメント こんにちは、雫石彼方です。 新連載ですね!嬉しいです。 そしてそして!!巨人族、王国の始祖、もうさなさんの設定にはいつもツボ突かれまくりですv好きなんですよう、そういうの! >「ゼルガディスさんには人に埋(うず)もれる気持ちがわかんないんですっ!」 このアメリアのセリフ、みょーーに可愛くって愛おしいですv 背の高い人々の中に埋もれるアメリア・・・・かわい〜んvvv(←汗) ストールをアメリアにかけるゼル、何気にやきもち?きっとアメリアの素肌を他人の目にさらしたくないんだわv、と勝手に解釈してみたり・・・・。 でも、ゼルとアメリアくらいの身長差だったら、ゼルにも充分丸見えなのでは・・・?と思ったのですが・・・・。自分はいいのかな?(笑) では、続き楽しみにしてます! |
4921 | はっ突いてしまった!? | 水晶さな E-mail | 11/16-22:41 |
記事番号4906へのコメント >こんにちは、雫石彼方です。 こんばんわ〜(今現在夜なので)水晶さなです。又来て下さって嬉しいですv >新連載ですね!嬉しいです。 >そしてそして!!巨人族、王国の始祖、もうさなさんの設定にはいつもツボ突かれまくりですv好きなんですよう、そういうの! はっ彼方サンのツボをヒットさせてしまったんですね(笑)。 今回どうしてもそこから書きたかったので長くなるのを覚悟で書いてしまいました(汗)。 >>「ゼルガディスさんには人に埋(うず)もれる気持ちがわかんないんですっ!」 > >このアメリアのセリフ、みょーーに可愛くって愛おしいですv >背の高い人々の中に埋もれるアメリア・・・・かわい〜んvvv(←汗) >ストールをアメリアにかけるゼル、何気にやきもち?きっとアメリアの素肌を他人の目にさらしたくないんだわv、と勝手に解釈してみたり・・・・。 >でも、ゼルとアメリアくらいの身長差だったら、ゼルにも充分丸見えなのでは・・・?と思ったのですが・・・・。自分はいいのかな?(笑) パーティの中でも感じているのに、巨人の国に来てしまいましたからひしひしと感じるんでしょうね(笑)。ストールは魔剣士さんの嫉妬のたまものでしょう(笑)。 ゼルガディスとの身長差でも・・・微妙な位置ですね。自制のつもりもあったのかしら?(爆) >では、続き楽しみにしてます! ありがとうございますっ。頑張りますね〜。では! |
4910 | お久し振りですー♪ | ゆっちぃ E-mail | 11/16-05:12 |
記事番号4904へのコメント お久し振りです〜〜、諸悪の根源、ゆっちぃです(汗) いやもぅ、待ってましたの新連載!うきゃーーーー激嬉しいですっ☆ オリ設定、入りまくりでもいーじゃないですかっ!だって貴女のは毎回×2ツボ突きまくりで、めちゃ好きなんですもん♪ >「ゼルガディスさんには人に埋(うず)もれる気持ちがわかんないんですっ!」 あああ、姫の気持ちがよくわかるぅぅっっ だって私もちびですから(泣) そうなんですよねー、人と話す時に上を見上げなきゃならんってーのは、ちと辛いものがありますです(ふぅ) 焼きもちゼルやんがツボでした。好きなんですよねぇ、ああいうの………(嬉) ぅではではっ、続き楽しみにしてますね〜♪ 多分懲りずに毎回毎回レスつけちゃうと思いますが、大目にみてやってください(汗) ではでは〜〜 |
4922 | ホント御久しぶりです(^_^) | 水晶さな E-mail | 11/16-22:57 |
記事番号4910へのコメント >お久し振りです〜〜、諸悪の根源、ゆっちぃです(汗) >いやもぅ、待ってましたの新連載!うきゃーーーー激嬉しいですっ☆ >オリ設定、入りまくりでもいーじゃないですかっ!だって貴女のは毎回×2ツボ突きまくりで、めちゃ好きなんですもん♪ はう、待たせてしまいましたか(汗)。 ああそこまで喜んで頂けると期待外れなもの書けませんね。気合入れないとっ。 >>「ゼルガディスさんには人に埋(うず)もれる気持ちがわかんないんですっ!」 > >あああ、姫の気持ちがよくわかるぅぅっっ >だって私もちびですから(泣) >そうなんですよねー、人と話す時に上を見上げなきゃならんってーのは、ちと辛いものがありますです(ふぅ) 何故かここに同感者がちらほら・・・私もよく埋まります(笑)。 でも姫は小さいから可愛さが増すんですよねv(阿呆) >焼きもちゼルやんがツボでした。好きなんですよねぇ、ああいうの………(嬉) 真面目な顔して嫉妬心メラメラですから私の書く魔剣士さんは・・・(苦笑)。 >ぅではではっ、続き楽しみにしてますね〜♪ >多分懲りずに毎回毎回レスつけちゃうと思いますが、大目にみてやってください(汗) >ではでは〜〜 ああ嬉しい限りです。でも今回レスつけにくいお話が多々混じるような気がするので、無理しないで下さいネ。ではっ(^_^) |
4916 | スタートですね!! | 緑原実華 E-mail | 11/16-16:42 |
記事番号4904へのコメント こんにちは!!お久しぶりです〜緑原です。 さなさんの小説スタートでうれしいです!! それにしても、やっぱりゼルは気にしちゃうんですよね〜。 そこがゼルらしいんですけど・・・。 アメリアの人に埋もれちゃう気持ちていうのもなんかわかるような気がします・・。 私も背は低い方なので・・・。 短い感想ですが、この辺で!!続き楽しみにしてますね〜。 実はこれ学校で打ってたりします・・・。 |
4923 | スタートしちゃいました!(笑) | 水晶さな E-mail | 11/16-23:02 |
記事番号4916へのコメント >こんにちは!!お久しぶりです〜緑原です。 お久しぶりです〜v やっとこさプロットがあがったので書き始めました。 >さなさんの小説スタートでうれしいです!! >それにしても、やっぱりゼルは気にしちゃうんですよね〜。 >そこがゼルらしいんですけど・・・。 >アメリアの人に埋もれちゃう気持ちていうのもなんかわかるような気がします・・。 >私も背は低い方なので・・・。 同感者多発(笑)。周囲と目線が合わないのってちょっと辛いですよね(苦笑)。 >短い感想ですが、この辺で!!続き楽しみにしてますね〜。 >実はこれ学校で打ってたりします・・・。 いえいえ、御感想有り難う御座いますv 私もたまに学校からのぞいてたり(笑)。頑張りますので見てやって下さい〜(^_^) |
4925 | Be Alive 3 | 水晶さな E-mail | 11/16-23:25 |
記事番号4903へのコメント Act.3 再会 旅を始め、もうどれくらい経っただろうか。 情報を頼りに、ゼルガディスとアメリアはシェワディール国管理化の国境を越えようとしていた。 しかし現在魔物が出るとかで警護を強化しているらしく、アメリアの顔パスで行けるとかと思っていた計画が潰れた。 兵士の提案通り、一度国王に謁見(えっけん)して通行許可をもらう事になったのである。 幸いセイルーンはシェワディールと交流があり、アメリアが生まれた時は代理として騎士団長が祝いに駆けつけた事もある。 久々の挨拶という事もあり、旅装束のまま姿を見せる訳にもいかず正装して謁見する事にした。 旅目的は人助けと魔物退治。ゼルガディスは一応護衛・・・という事になっている。 ドレスに身を包み、背筋を伸ばして颯爽(さっそう)と歩くアメリアは王族ならではの威厳と気品に満ち溢れていた。 その半歩後ろを歩くのは、貴族衣装のゼルガディス。顔を隠していると返って怪しまれる為堂々としていろと言われた。 ガルンシャ国王は人間的にも優れている事で有名である。人の外観に惑わされずに人の本質を見抜く事ができるとか。 何にしろ少し下がっていろとか隠れていろとか言われないので、アメリアと堂々と歩けるのは気分が良い。 ・・・という本音は本人には勿論伝えていない。 長い長い廊下を歩んで、突き当たった大きな扉。 その前に直立不動で立つ騎士の姿を見て、アメリアが思わず声を上げた。 「エディハルトさん!」 年は恐らく30代前半位。外観は若いが長年に渡り身につけた貫禄(かんろく)はそうそう真似できるものではない。 加えて腰に下がる巨大な騎士剣。好んで用いる者は少ない上級者向けの大剣である。 金の髪に深い蒼の瞳、端麗に整った顔立ち、身長は2mを越すのではないだろうかと思える程の上背(うわぜい)だ。 エディハルトと呼ばれた騎士は、駆け寄って来たアメリアに顔をほころばせた。 「アメリア様、久しゅう御座います。大きくなられましたな」 エディハルトに向かってにっこりと微笑むと、歩くスピードを変えないゼルガディスの元へUターンし、腕を引っ張る。 「あちら王国親衛隊隊長のエディハルトさんです。私が産まれた当時お父様が騎士団長で、一緒にお祝いに来て頂いたんです」 ゼルガディスを見ても少しも動じる事なく、護衛だと紹介されエディハルトが深々と一礼する。 「ガルンシャ国王親衛隊隊長エディハルト=バウエルムと申します。以後御見知りおきを」 その姿に感動を覚えたのか、ゼルガディスが珍しく同じように礼を返した。 「ゼルガディス=グレイワーズ。アメリア姫の専属護衛を仰せ使っている。お心遣い痛み入る」 顔を上げると、傍(かたわ)らのアメリアが何故かこちらを見て惚(ほう)けている。 「・・・何か?」 急に語調を戻す訳にもいかず、ゼルガディスが畏(かしこ)まったままアメリアを見下ろす。 「はい、見惚れ・・・っとと!! ななな何でもありません」 咳払いを挟み、表情を引き締めてから再びエディハルトの方を向く。 「ではエディハルト様、国王様の元へお連れ下さい」 微笑を浮かべていたエディハルトが、再び優雅に一礼した。 |
4926 | Be Alive 4 | 水晶さな E-mail | 11/16-23:35 |
記事番号4903へのコメント Act.4 我らが王は誇り高き 「ガルンシャ様、御久しゅう御座います!」 玉座の王の前に敷かれた赤い絨毯の上、アメリアがドレスの裾をつまみ頭を下げる。 「アメリア姫、遠い所御苦労であった。お父上と祖父君はご健在か?」 「はい、毎日正義行使の為奮闘しております」 アメリアの半歩斜め後ろに立つゼルガディスが、顔を動かさずに視線だけで王室内を見回した。 190cmを越すという国王は、確かに座っていてもその巨体がはっきりとわかるほど。 白髪の混じる髪、顔に深く刻まれたしわは嫌が応でも老齢を主張するが、それでも王たる貫禄と威厳は衰えない。 玉座を挟む両側には一般兵士の白い鎧とは違う、銀色の鎧をまとっている騎士が二人。 エディハルトと同じく親衛隊なのだろう。 そして王から少し離れた所に立つエディハルトの側に、もう一人。 銀の髪と淡いグリーンの瞳が美しい長身の女性。 風貌(ふうぼう)と物腰から軍人のように見えるが、鎧は身に着けていない。更に左目を無骨な眼帯で覆っている。 (・・・片目を失って、退役して事務処理に就いたという所か・・・) 「・・・で、国境の事なのですが・・・」 アメリアが本題に入った為、ゼルガディスもそれ以上の観察はやめておいた。 既に王の傍(かたわ)らの騎士に、眺め回しているのを悟られて睨(にら)まれている。 (・・・目線に気付くとは、親衛隊の名も伊達じゃないか・・・) 「うむ・・・最近近隣諸国に怪しげな魔物が出まわっていてな。それがどうも南下しているようなので国境をふさいでおった」 「私達は旅の進路を北へと決めています。この国の国境を通らせて頂ければ助かるのですが・・・」 この国境が唯一の渓谷(けいこく)の谷間、だからこそ通れなければそれで進む手段がなくなってしまう。 ガルンシャ国王がしばし額に手をあてた。 「・・・申し訳ないが、客人だからとて特別な者を作ってしまうと国民達に示しがつかなくなってしまう・・・」 「・・・そう、ですか・・・」 王族として国情勢を知っているアメリアには、無理強いがガルンシャを困らせている事を痛感する。 「それでは・・・仕方・・・」 「しかし明日の正午まで待ち、何事もなければ警戒体制は解除される」 「・・・え?」 これにはゼルガディスが声をあげた。 「我が国のしきたり・・・というか決まり事のようなものなのだが、警戒体制も必要以上に続けると兵士達も徒労(とろう)に終わってしまう。魔物もこの付近には姿を見せぬようだし、三日待ち何事も起こらなければ警戒体制を解くという事にしておる」 「その三日目が・・・明日という訳ですか」 「うむ」 アメリアがちらりと後ろを振り返った。ゼルガディスが軽く頷(うなず)く。 周囲から見れば護衛が姫に同意したと思うだろうが、実際は逆。 ゼルガディスにそれでいいかどうか、アメリアがうかがったのである。 「はい、では明日の正午に又うかがいたいと思います」 つま先の向きを変えようとしたアメリアを、慌ててガルンシャが呼びとめる。 「まぁ待ちなさい、アメリア姫。城下町の町宿場に泊まるつもりであろう?」 「・・・え?」 そのつもりだったアメリアが首をかしげる。 「既に客室の用意はしてある。折角なのだから城に泊まっていきなさい。姫を町宿場に泊まらせたとなったら父上に面目が立たぬ」 「は・・・あ、そ、そうですねすみません。旅も長かったものでつい・・・」 アメリアが慌てて頭を下げた。 「では、エディハルト、それからレイシェル。アメリア姫と護衛の方を客室まで案内頼むぞ」 ガルンシャ国王が言うと、エディハルトとその傍(かたわ)らの女性が王に敬礼を返した。 |
4930 | UPはやいです〜〜〜♪ | ゆっちぃ E-mail | 11/17-05:23 |
記事番号4926へのコメント 懲りずにまたもやレスでございますι おはようございます、ゆっちぃです(ぺこり) いやぁ何て言うか………悦!ですねぇ(おいおいι) 姫の横で堂々と護衛してる魔剣士さん!!あああ、めっちゃツボですぅっ(嬉) 正装姿の魔剣士さん、ぜひとも見てみたいですわっっ!!! 見惚れる姫の気持ち、よぉ〜〜っくわかります(^^;) 初っ端からツボ突かれまくりでかなり胸わくわくです。 今後の展開に要注目!ですね〜♪ ではでは、短くてすみません(←テスト近いのです。なのにPCやってるしι) ゆっちぃでした〜〜 |
4931 | コメントも早いですね〜(笑)。 | 水晶さな E-mail | 11/18-00:18 |
記事番号4930へのコメント >懲りずにまたもやレスでございますι >おはようございます、ゆっちぃです(ぺこり) 宣言通り来ていただけるとは(驚)。こんばんわ水晶さなです(笑)。 >いやぁ何て言うか………悦!ですねぇ(おいおいι) >姫の横で堂々と護衛してる魔剣士さん!!あああ、めっちゃツボですぅっ(嬉) >正装姿の魔剣士さん、ぜひとも見てみたいですわっっ!!! >見惚れる姫の気持ち、よぉ〜〜っくわかります(^^;) かなりオイシイ役ドコロというかなんというか(笑)。 隣に立ってもいても不審がられない役といえばやはり専属ボディガードしかないですからねぇ。ただ貴族衣装は多分窮屈ではないかと(苦笑)。 >初っ端からツボ突かれまくりでかなり胸わくわくです。 >今後の展開に要注目!ですね〜♪ 初っ端はツボ突けても後半は外しまくりです!(←宣言すんな) ありがとうございましたっ♪ |
4932 | Be Alive 5 | 水晶さな E-mail | 11/18-00:28 |
記事番号4903へのコメント Act.5 我らの力は誉(ほま)れ高き シェワディール=ティタニエル王国には、大きく分けて兵士が三つに分かれる。 兵役・見回り・雑務をこなす一般兵。 城内の宮廷神殿と王室以外の警備にあたる近衛兵。 宮廷神殿と王室・国王一家の身辺護衛にあたる親衛兵。 軍部で頂点に立つ親衛兵は数に制限があり、十人と定められている。彼らが交代で国王の身を24時間体制で警護している。 エディハルト=バウエルムは、そんな彼らの中のトップに立つ最高の地位に居る。 今は亡き彼の父親も隊長を務めていた。親子二代、十年以上仕えている故に王からの信頼も厚い。 閑話(かんわ)休題。 アメリアが案内されたのは、廊下の端の日当たりのよい部屋だった。 ゼルガディスはその隣、広さ的には大差ない。 「警護の方はこちらへ、部屋について少し説明があります」 レイシェルが扉を開け、ゼルガディスに先に入るように促す。 気になったが、アメリアはエディハルトが部屋の扉を開けたので入らざるを得なかった。 「・・・いいんですか、ここ、4人ぐらい泊まれそうなんですけど」 旅費節約にと安宿ばかりを選んでいた為に、入るなりアメリアが呟(つぶや)いた。 「・・・は?」 エディハルトが振り返る。 「あ、いえいえ、何でもありません」 このままだと王族の感覚を忘れてしまいそうである。 ぱしぱしと自分で頬を叩く。 「ところで、あの・・・銀髪の女の人は親衛隊なんですか?」 エディハルトの傍(かたわ)らに居た見知らぬ女性が、何とはなしに気になっていた。 「・・・レイシェルは私の秘書です。もう一年近く仕えてくれています」 優しく答えたエディハルトの笑みには、どこか悲哀が混じっていた。 |
4933 | Be Alive 6 | 水晶さな E-mail | 11/18-00:31 |
記事番号4903へのコメント Act.6 闇夜の道化師 虫の声すらしない静寂の夜更け。 雲のない空の満月は、闇に映え過ぎて不気味ささえ漂(ただよ)わせる。 久しぶりのシルクシーツの感触が、何故こんなに不快感を感じるものか。 寝苦しさに寝返りを打ったアメリアは、窓越しに闇夜を見上げて思わず跳ね起きた。 月を隠すように一瞬見えたあの影は。 「異形!?」 思わず窓ガラスに貼り付いて外を凝視する。 闇夜は見えなかった。 窓ガラスを全面にふさぐ異形の怪物がアメリアをのぞきこんでいた為に。 道化師の仮面のような、背筋が冷たくなるような凍り付いた薄笑い。 その白塗りの仮面以外の体は闇色。その体格が異常に巨大に見えるのは、手足が昆虫の如く長過ぎるから。 「・・・ひっ!」 思わずベッドから転げ落ちた。 それと同時に、けたたましい音をたててガラスが叩き割られた。 飛んでくるガラスの破片が、肌に擦れてわずかな痛みをもたらす。 窓枠に手をかけて身を乗り出してきた道化師が、その長い手をアメリアに伸ばした。 「・・・っ!!」 あまりの唐突さに、アメリアは腕で自分の身をかばうことしかできない。 がぎっと、鈍い音がした。痛みはない。 道化師の振り下ろした刃のような指先は、突然現れた赤い刀身の剣によってはじかれた。 「ラ・ティルト!」 間髪入れずに発動した蒼い炎が空中で燃え上がる。が、道化師は炎に触れる直前に忽然(こつぜん)と姿を消した。 気配を探るように辺りを見回すが、道化師は出てこない。 「・・・逃げたか」 いまだ呆然と尻餅をついたままのアメリアの前で、ゼルガディスが剣を鞘に収めた。 「無事かアメリア。ん、慌てて立つな、ガラスの破片が散らばってて危険だ」 「・・・あの・・・どうやって入ってきたんですか・・・」 扉の鍵は閉めた筈である。 合点がいかないといったアメリアの表情に笑いを堪(こら)えつつ、ゼルガディスが壁に手をあてた。 ずぶりとその手が肘まで壁に潜り込む。 「へっ!?」 アメリアがすっ頓狂な声を上げた。体にかかったガラスの破片を慎重に払い落とした後立ち上がり、ゼルガディスの横の壁に手を付けた。 壁は感触がなくまるで空気のようで、触れた指先が壁の中に消える。 ただし見えない穴は普通の扉の大きさ程度。それより離れた所はしっかりと固い壁の感触を感じる。 「な・・・何なんですかこれわ」 「この部屋の絨毯の下に魔法陣があってな、幻影の壁を作り出してる。襲撃があった時の為の逃げ道だそうだ。レイシェルが何かあった時使えと教えてくれた」 幻の壁から手を離し、ゼルガディスがガラスのなくなった窓から外を見上げた。 漆黒(しっこく)の闇夜。 薄気味悪いくらいの静寂。虫の声すら聞こえない。 「・・・化け物の姿、覚えてるか」 外を見つめたまま、ゼルガディスが尋ねる。 アメリアがこくんと頷(うなず)いた。 「・・・ピエロの、仮面みたいな顔でしたね」 思い出したのか、自分を抱き締めてぶるっと震える。 廊下からはばたばたと足音が近付いてきている。 ガラスの割れる音を聞き付けた兵士が、ようやくアメリアの部屋の扉を叩いた。 |
4937 | ゼルがかっこいいです!!(><) | 雫石彼方 E-mail | 11/18-05:28 |
記事番号4933へのコメント こんにちは、雫石です〜。 アメリアのピンチにきっちり駆けつけるゼルが、文句なしにかっこいいですね!!んもう何て心憎いのかしらv『できる護衛』、かっこいいですよね・・・(うっとり) オリキャラの方々もとっても気になりますし。これからどういう風になっていくのか楽しみです。 では、短かくてすみませんがこの辺で・・・。 |
4947 | ゼル頑張ってます(笑)。 | 水晶さな E-mail | 11/18-23:02 |
記事番号4937へのコメント こんばんわさなです〜。出し惜しみの如くちびちび出している(←爆)ってのに嬉しいコメントありがとうございます!(嬉泣) >アメリアのピンチにきっちり駆けつけるゼルが、文句なしにかっこいいですね!!んもう何て心憎いのかしらv『できる護衛』、かっこいいですよね・・・(うっとり) あそこで駆けつけなきゃ護衛の名が廃ります(笑)。壁抜けしてる瞬間を真正面から見たらかなり恐い(笑える?)ものがありますが(苦笑)。 >オリキャラの方々もとっても気になりますし。これからどういう風になっていくのか楽しみです。 >では、短かくてすみませんがこの辺で・・・。 今回は一応オリキャラ主流なので、個性が出るように必死に書いております(笑)。 コメントいつもありがとうございます♪ ちんたらいきますが見守ってやって下さいネ。 |
4938 | をを! | ゆっちぃ E-mail | 11/18-05:38 |
記事番号4933へのコメント さなさんオハヨウです、ゆっちぃでございま〜す♪ 「ひょっとしたらUPされてるかな〜」と思って来て見たんですが。 ホントにあってちょっとびっくりです(笑)いや、マジで早いですねさなさん♪ いやいやそれにしても………いいいですねぇ〜あの部屋!構造が何とも言えず素敵です♪ ゼルとアメリアの部屋が別々でちょーっと寂しい思いをしていたのですが(おいι)、ああいう事ならオッケーです!! …シリアスな戦闘シーンでこんな事考えてる私って一体………(汗) にしても、敵さんピエロに似てるんですね〜。なんだかアルテメ塔のあの魔族、思い出しちゃいました(^^;) う〜んなつかしい……… ではでは、今回はこの辺で〜 |
4948 | おお! | 水晶さな E-mail | 11/18-23:18 |
記事番号4938へのコメント >さなさんオハヨウです、ゆっちぃでございま〜す♪ >「ひょっとしたらUPされてるかな〜」と思って来て見たんですが。 >ホントにあってちょっとびっくりです(笑)いや、マジで早いですねさなさん♪ こんばんは夜に頻出する水晶さなです(笑)。 行動パターンが読みやすい事この上ない(爆)。 とは言いつつ今回はレス返しだけです(泣)。今回話の流れが結構かちっと固まってまして、間違えると修正がきかない難点抱えてます。あうう(泣)。 >いやいやそれにしても………いいいですねぇ〜あの部屋!構造が何とも言えず素敵です♪ >ゼルとアメリアの部屋が別々でちょーっと寂しい思いをしていたのですが(おいι)、ああいう事ならオッケーです!! >…シリアスな戦闘シーンでこんな事考えてる私って一体………(汗) いくら護衛でも一緒の部屋に入れたら大問題ですがな(笑)。 アメリアの悲鳴一つで飛んでくる護衛さん・・・何か楽しい(爆)。 あ、勿論レイシェルから「緊急時以外に使わないで下さい」の注意は受けてますよ(笑)。 >にしても、敵さんピエロに似てるんですね〜。なんだかアルテメ塔のあの魔族、思い出しちゃいました(^^;) >う〜んなつかしい……… ・・・・・・・・・。 うわ、懐かしい(今頃思い出した)。 ネタバラしするとイメージは「ハーメルンのバイオリン弾き」のオル・ゴールです(笑)。それよりも純粋に「気持ち悪い」系なんですけどね。 なので書く時は「気持ち悪いよーに気持ち悪いよーに」と念じながら書いているので気分が悪くなります(爆)。 いつもコメントありがとうございますv 次のUPは少しお待ち下さいね。 |
4952 | Be Alive 7 | 水晶さな E-mail | 11/19-21:13 |
記事番号4903へのコメント Act.7 滞在延期 「厳重体制を敷いていたのにも関わらず、姫を危険な目に遭わせるとは・・・」 眉間に手を当て、ガルンシャが参ったというように首を振った。 「いえ、警備の方達は持ち場の安全は守り抜いています。私の方は私の護衛が守ってくれました」 言ってアメリアが笑顔でゼルガディスを差した。 周囲の兵達の目が一斉に向けられ、頬が赤くなるのを自覚する。 照れ隠しに咳払いを挟み、ゼルガディスが口を開いた。 「護衛の身で口を挟む事をお許し頂きたい。国王陛下、昨夜現れた異形の者は明らかに魔族と思われます」 『魔族』という言葉に、周囲に緊張の糸が張り詰める。 「その言葉、偽(いつわ)りはないな?」 ガルンシャの問いに、ゼルガディスが頷(うなず)いて肯定を示す。 「経験から言えば、間違いなく。そして獲物を逃(のが)した為に、他の獲物を探す可能性も・・・」 周囲がざわめいた。親衛兵が一気に表情を険(けわ)しくする。 「ガルンシャ様、城下町、及び近隣諸国へ被害を拡大する前に、魔族をここで食い止める事かないませんでしょうか?」 黙って話を聞いていたアメリアが、硬い表情で王に告げた。 「・・・うむ。私もそれを考えていたところだ」 傍(かたわ)らに立つエディハルトが、王がこちらを向いたので敬礼を返す。 「全兵、死力を尽くして魔族を排除致しましょう」 「私も協力させて下さい」 静かに告げたアメリアに、周囲の視線が集中する。 「アメリア姫!?」 声を上げたのはエディハルトだった。 だがアメリアの決意は固い。 「魔族が現れたという事は、更に厳重体制を敷かなければならないという事。微力ながら戦力となる私が、のうのうと守られて黙っている訳にはいきません!」 拳(こぶし)を固め、天に向かって勢い良く突き上げる。 「悪を討ち、正しき教えを世に広めるのが私の役目! 魔族と聞いてこの私の正義の心が黙っていませんっ!!」 一瞬冷たい風が吹いたような気がしたが、エディハルトが手を打ったのを始めに兵士達がおーと歓声を上げながら拍手をする。 ゼルガディスは恥ずかしさに堪(た)えきれず、王室内の端っこで小さくなっていた。 |
4953 | Be Alive 8 | 水晶さな E-mail | 11/19-21:16 |
記事番号4903へのコメント Act.8 情報収集 「魔物魔物って言ってた割には、どういう奴なのか誰も知らなかったとはな」 王宮図書館の中にある閲覧室にて、絵の得意な文官に描かせたスケッチを見てゼルガディスが顔をしかめた。 黒い全身、昆虫の如く長い手足。 顔には人を嘲(あざけ)ったような薄笑いの道化師の仮面。 何度も見ても不快感を覚える姿。 「見た事のないタイプですね・・・」 「ああ、少なくとも今まで関わった相手の再来という事ではなさそうだ」 ゼルガディスが古代伝承の薄汚れた本をアメリアの方へ差し出した。 この図書館の奥で見付けたものである。 その開かれたページを、アメリアがざっと目を通す。 「≪無音の鐘≫・・・?」 昔の絵柄で描かれたその魔物は、黒い体に不釣合いなほどの長さの手足を持つ化物。 ただしその足は多数。一見して蜘蛛(くも)のようである。 「似てます・・・けど、手足は二本ずつでしたし、顔は仮面付けてましたよ?」 化物の顔は黒一色で塗りつぶされており、目鼻立ちの判別がつかない。 「シェワディール=ティタニエル王国建設当時から伝わる伝承だ。もしこの魔物が実在するなら、長き時の末に変化したとておかしくはない」 まあ仮説の一つに過ぎないが、とゼルガディスが付け足した。 「でも、何が≪無音の鐘≫なんですか? 随分矛盾した名前ですね」 「ああ・・・ここに」 と、古代文字の説明文を指し、アメリアが古代文字の解読が苦手だった事をはたと思い出した。 仕方ないので本を持ち上げ、音読する。 「人間の精神に直接語りかける能力を持つ。主に弱い心を突き、人を絶望・混乱状態に陥(おとし)れるのを好む。標的にされた人間には魔の言葉が鐘の音のように聞こえるが、周囲の者達には全く聞こえない、故に≪無音の鐘≫の名称がつく・・・」 「昨日・・・のも、≪無音の鐘≫だったんでしょうか・・・」 「断定はできんが・・・まぁ、仮の名前が付いたな。あとはこれに弱点とかが載ってると苦労せずに済むんだが・・・」 「載ってないんですか?」 「載ってたら現在してないんじゃないのか? 倒されてるだろ普通」 なるほど、と納得したようにアメリアが手を叩いた。 |
4954 | アップ早いですね〜 | 桐生あきや | 11/19-23:02 |
記事番号4953へのコメント こんばんわ(夜なので)、桐生です。 もう8まで来ちゃいましたね。アップ早いですね。私のほうも何とかしないとなぁ(汗)。 さなさんのゼルとアメリアは、ほんと何気ない会話でもほのぼのと言うか、ラブラブでいいですねえ。私が勝手にそう思っているだけなんですけど。 でも、さなさんのゼルがカッコイイのは間違いないです。 何か支離滅裂だ(汗)。これ以上変なこと書かないうちに退散します。 それではまたです。 桐生あきや 拝 |
4957 | あきやさんも早いですよ〜 | 水晶さな E-mail | 11/20-23:54 |
記事番号4954へのコメント こんばんは水晶さなです。もうすぐ日が変わりそうです(爆)。 > もう8まで来ちゃいましたね。アップ早いですね。私のほうも何とかしないとなぁ(汗)。 今回は本当ぶつ切りのごとく一話一話が短いのでそう思えるだけです(笑)。 あきやさんも充分早いのでは・・・ああヴァルキリーアメリア素敵(爆)。 ゼルさん(なのか?)にも会えたようですしこれからの展開に目が離せません(^_^) こんな所で感想書くな自分。 > さなさんのゼルとアメリアは、ほんと何気ない会話でもほのぼのと言うか、ラブ>ラブでいいですねえ。私が勝手にそう思っているだけなんですけど。 > でも、さなさんのゼルがカッコイイのは間違いないです。 ええと・・・あまり目立ったらぶらぶが書けないとゆーのもあるんですが(汗)、とりあえずツーカーな仲が素敵だなーと思いまして(^_^) 本当はお茶目な魔剣士さんも書いてみたいんですけど(笑)。 > 何か支離滅裂だ(汗)。これ以上変なこと書かないうちに退散します。 > それではまたです。 はっ退散しちゃうんですか(汗)。支離滅裂なんかじゃないですよぅ。 まだまだ話は続きますがお付き合い下さると嬉しいです。では(^_^) |
4958 | Be Alive 9 | 水晶さな E-mail | 11/20-23:59 |
記事番号4903へのコメント Act.9 わだかまり 「・・・目撃報告は以上だ。ターゲットを一度逃した故に、又すぐに姿を現わす可能性もありうる。気を抜かず、警備を怠(おこた)らぬよう」 書類を手の甲でぱしっと叩くと、エディハルトがちらりと傍(かたわ)らのレイシェルを見た。 視線に気付いたレイシェルが、一列に並んだ親衛兵を前にして口を開く。 「古書からの情報によると、魔族は≪無音の鐘≫という古代の魔物と類似しているそうです。対策・対処法までは記されていませんが、どのような性質を持つかは調べられました。主に精神に入り込み心を惑わすそうです。注意して下さい」 「見回り警備と交代の順番は指定した通り。以上、何か質問はあるか?」 親衛兵の顔を眺め、エディハルトがある一人で目を止めた。 「シーデルデ、何か?」 肩に軽く擦れる程度の薄いブラウンの髪、瞳の色は淡いターコイズ・ブルー。 性格は控えめで大人しく、親衛兵の中で最も入隊が遅い彼女が、レイシェルをじっと見つめているのが気になった。 「・・・え、何でもありません!」 はたと我に返ったのか、ばっと敬礼をして返す。 「そうか。では解散!」 エディハルトの声と共に、ある者は組になり見回りに向かい、ある者は定刻まで体を休めようと部屋へ向かう。 必ず三人は王の身辺警護についている。 兵達がいなくなり、廊下を歩き始めてから、エディハルトが少々気まずそうに小声でささやいた。 「・・・レイシェル、私が言うのも何だが・・・シーデルデは集合の度にお前を凝視していないか?」 「それは、悪意を込めて・・・ですか?」 書類を抱え、前を向いたままレイシェルが答える。 「・・・・・・」 エディハルトが返答に窮(きゅう)して押し黙った。 「人間誰しも、自分とは折り合わない人間が居るものです。そこで諍(いさか)いを起こすのならば問題は別ですが」 あくまで冷静な声。感情の乱れ一つ含まれない。 「・・・私の心配する必要はなさそうだな」 肩をすくめて、エディハルトが苦笑した。 |
4959 | Be Alive 10 | 水晶さな E-mail | 11/21-00:01 |
記事番号4903へのコメント Act.10 不可視の道化師 何の事件も起こらぬまま、二日が過ぎた。 風の噂ではもうこの国すらも通過して、南下したとも。 アメリアが見たのは夢なのではないかと悪評をたてる者もいたが、窓ガラスが外側から割られたのが何よりの証拠。 足跡(そくせき)もつかめぬまま、もどかしい時間だけが過ぎていった。 ただ、 「気になる話が少しありまして」 レイシェルが切り出したのは、昼食が終わった後の頃だった。 王宮内の見回りに行こうと、アメリアはゼルガディスと一緒に廊下を歩き始めた所、レイシェルが追ってきたのである。 「些細な事なのですが、情報には変わりありませんので・・・昨夜厨房仕えの料理人が、もめごとを起こしたそうです」 「もめごと?」 アメリア達が思わず足を止める。 「ええ」 言って、続ける。 「元々仲の悪い二人だったそうなのですが、昨夜口論から争いになり、慌てて周囲の者達が止めに入ったからいいようなものの、放っておいたら殺しかねない形相だったそうです」 「それは、片方が喧嘩をふっかけたとか?」 「・・・・・・」 返答に困ったように、レイシェルがうつむいた。 「レイシェルさん?」 「様子がおかしかったそうです。目が尋常でなかったとも・・・」 「あの、彼らに会う事できますか?」 「彼ら?」 レイシェルがきょとんとした顔をする。 「『彼女ら』です」 レイシェルの話によると、争いの発端を作った料理人リシィ=アルカトラは自宅謹慎1週間を命ぜられているらしい。 幸い城下町に実家があるというので、訪ねるのに苦労はしなかった。 「あの、リシィさんいらっしゃいますか?」 この時既に二人の服装は、普段の旅装束に戻っている。 玄関口に出た恐らく母親が、二人の顔をいぶかしげに見つめる。 「王宮から来た私服近衛兵のメリアとゼルです。リシィさんにお話をうかがいたくて参りました」 あらかじめレイシェルと打ち合わせしておいた通りに話を進める。 王章の入った証明書を見せると、母親も素直に部屋へ招き入れてくれた。 リシィの部屋へ一歩足を踏み入れた瞬間、中の人物と目が合ってアメリアが身をすくませた。 丁度扉と向かい合う形にベッドが置かれていたのだ。 「・・・リシィ、さん?」 一見すると、普通の町娘。 ベッドに入ったその娘は上半身を起こし、シーツを握り締め、どこともない空間を呆然と見つめていた。 アメリアはその姿に見覚えがあり、眉をひそめる。 「・・・強過ぎる催眠や、呪縛から解かれた時、こういう状態になる事がよくあるんです・・・」 小声でゼルガディスにささやく。 アメリアがたたっと走り寄り、目の前で手を振ったり、リシィの手を握り締めたりしたが、反応は得られなかった。 「・・・これでは話を聞く事もできないな」 何か情報を得られると思っていた望みが打ち砕かれ、ゼルガディスが溜息をついた。 |
4969 | Be Alive 11 | 水晶さな E-mail | 11/22-00:37 |
記事番号4903へのコメント Act.11 大地に根付くは我らが神 「・・・そうですか。回復の兆(きざ)しは見えないのですね?」 城下町から戻り、レイシェルに事を報告すると、彼女も残念そうに目を伏せた。 「個人差はあります。けれど何と言うか・・・一般人の方はやはり正常な状態に戻るまで、2・3週間はかかるかと・・・」 アメリアが唇を噛んだ。被害者を出したばかりではなく、その手助けすらできない自分に腹を立てて。 「警備を強化しても、魔族の気配を感じられない者では意味がない。王宮仕えの神官や巫女は使えないのか?」 レイシェルが首を横に振る。 「我が国の神官は儀式的なものとしてしかおりません。特殊な能力を持ち得ていないのです」 「先祖であるティターンの血を受け継ぐ人々は、魔法よりも肉弾戦である力法を重んじるんです。実際剣術に関しては他国に引け目を取りません」 アメリアが付け足すように説明した。 「・・・仕方ないな、エディハルト殿ともう1度作戦を立て直すか」 魔族との戦闘経験の多いゼルガディスは、エディハルトから何かと相談を持ちかけられていた。 人対人の戦力が強くても、相手が魔族では戦い方が全く違う。正攻法が通用しないのだ。 「・・・あれ、お城の真ん中に木があるんですか?」 近道の為中庭の道を歩いていたのだが、アメリアが中心に立つ巨木を指差した。 「あれは、ノルンディーエの木です」 「ノルンディーエ? あの王国神話で始祖となった巫女の?」 聞き覚えがあるのか、ゼルガディスが繰り返した。 「ええ、樹木から生まれた精霊である彼女は、肉体的に滅んだ後再び樹木として生まれ変わったそうです。荒野と化した地に、初めて緑をもたらした樹木。我々はそんな木に感謝を込めて、ノルンディーエの木として奉(たてまつ)っているんです」 「すっごい大きいですねー、サイラーグの神聖樹≪フラグーン≫といい勝負じゃないですか?」 アメリアが上を見上げ、首が痛くなったようで右手で首の後ろをさする。 「王国が建設された時から既にこの木を入れて設計を始めたそうで・・・樹齢1500年ぐらいはする筈です」 「1500年!?」 これにはゼルガディスも目を丸くする。 「・・・すごいですねぇ。死して尚その身を地に捧げ、繁栄をもたらした巫女・・・」 伝説や伝承歌≪サーガ≫に弱いアメリアが、うっとりと両手を重ね合わせた。 「その樹木の巫女姫ノルンディーエの血を受け継ぐ者の中には、時折緑の瞳を持った者が生まれるそうです」 「緑って・・・レイシェルさんも緑の目ですね!! 素敵〜!」 うらやましそうに見つめるアメリアに、レイシェルが気恥ずかしいのか顔をそむける。 「でも・・・差し支えなければお聞きしてよろしいですか? 一体何で左目を、失ってしまったんです?」 「・・・・・・」 レイシェルの表情が、一瞬だけこわばった。 「・・・隠し立てする必要もありませんね。この目は昔、敵国の間者が潜入し戦いになった際失ったのです」 「やはり、あんたも昔は親衛兵だったのか」 片目を失うという事は、距離感を喪失したのと同じ事。先立って戦いに身を投じなければならない親衛兵には致命的な傷である。 「エディハルト様はそんな私を哀れんで秘書として雇って下さいました。感謝しても足りない御方です」 そう告げるレイシェルの表情には、ただの信頼関係だけでは生まれない微笑が満ちていた。 |