◆−新装開店のお知らせ。(宣伝っ!?)−ねんねこ(12/15-00:04)No.5192
 ┣白の奇跡 1−ねんねこ(12/15-00:05)No.5193
 ┣白の奇跡 2−ねんねこ(12/15-00:06)No.5194
 ┃┣おひさしでーす☆−ゆっちぃ(12/15-01:34)No.5195
 ┃┃┗そーいえば……うん。お久ぶりかも(笑)−ねんねこ(12/15-14:04)No.5198
 ┃┣そ〜れで〜い〜のか〜♪−雫石彼方(12/15-02:30)No.5196
 ┃┃┗そ〜れで〜い〜のだ〜♪−ねんねこ(12/15-14:40)No.5201
 ┃┣こんばんは−一坪(12/15-04:06)No.5197
 ┃┃┗ああ、神様……!−ねんねこ(12/15-14:09)No.5199
 ┃┗じんぐるべ〜る♪−桜華 葉月(12/17-02:26)No.5207
 ┃ ┗じんぐるべ〜る、鈴がなる〜♪−ねんねこ(12/17-15:05)No.5210
 ┣白の奇跡3−ねんねこ(12/20-11:29)No.5229
 ┗白の奇跡4−ねんねこ(12/20-11:30)No.5230
  ┣をを、帰ってみれば続きが!−雫石彼方(12/21-21:14)No.5234
  ┃┗実はなんも進展していない続きがっ!(笑)−ねんねこ(12/22-13:34)No.5241
  ┗お針子クー君(笑)−桐生あきや(12/22-06:48)No.5240
   ┗なんでだぁぁぁぁっ!(笑)−ねんねこ(12/22-14:12)No.5242


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5192新装開店のお知らせ。(宣伝っ!?)ねんねこ E-mail URL12/15-00:04



 新装開店。りにゅーある。言葉っていろいろ表現方法があって楽しいですね。
とそれはともかく。お久しぶりのねんねこです。めっきり外も寒くなり、街を歩けばクリスマス一色。今年もねんねこはクリスマスなしです(泣)
 前置きはともかく、いきなり宣伝です。HP再開しました。
本当は受験終わってから再開するつもりでしたが、「いつ再開するんじゃワレ」と言う内容のメールをいただきまして、のろのろ更新でも良いやと結局再開。
 今年最後の連載投稿を引っ下げて本日はその宣伝に参りました。
HPでリンクして下さっている方には個メールでお知らせするべきなのですが……すみません、いくらねんねこでも理由があったとは言え3ヶ月で2回目の引越しのお知らせをする度胸はありませぬ。気が向いたらひょろっと変えていただけると嬉しいです(^^;)相変わらずのわがままです。ごめんなさい(土下座)
……にしても12月15日ジャストに変更のお知らせがしたかったためにさっさと親を寝かしつけたねんねこって一体……?
 はっきり言って現在スランプ中です。頭に情景が思い浮かんでも言葉に出来ない状態がここ数週間続いておりますが、それでもクリスマスネタなのでどうしても外せない……どうでも良いが、いったいいくつの連載を抱え込むのだ自分。
 今回は、ねんねこ的に言うと「えきせんとりっくスレイヤーズ」の方です。久しぶりに書いたらなんだかゼルガディスとクラヴィスの会話がいやに新鮮(笑)
 かなり遅いペースで行くと思いますが、とりあえずクリスマスまでには終了するつもりです。かなり拙い文章ですが、読んでいただければ幸いです。
 ではでは、どうぞ。

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5193白の奇跡 1ねんねこ E-mail URL12/15-00:05
記事番号5192へのコメント



 新しい年の始まりがようやく見えてくる年の瀬。来年を迎える前にいろいろなイベントが人々を待ち構えているのだが、ゼルガディス=グレイワーズ少年が最も楽しみにしていたイベントといえば――やはりクリスマスだった。
 街から離れた『迷いの森』の奥の屋敷にこもっていたゼルガディス少年にとって、イブの夜にいつのまにかやってくるサンタクロースはまさに神様。数週間前にサンタに宛てて書いた欲しいものが、必ずクリスマス当日の朝にちゃんと置いてあった。喜びはしゃぐ少年に彼の祖父、赤法師レゾはにっこりと微笑んでいつも言う。
『よい子には必ずサンタさんが来てくれますからね。ちゃんと来年もいい子にしているんですよ』と。
 その後15歳――ゼルガディス少年が初めて人を殺すまで、サンタクロースは毎年彼の欲しいものを持ってやって来てくれた――



 アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン王女のクリスマスはとてつもなく忙しい。
 いくら子供とはいえ、一国の王族なのでパーティーなどに出席しなければならないのだ。いろいろな思惑を抱えてやってくる他の国の外交官や王族たちに混じってのパーティー。父親も親類もみな接待などで忙しいため、アメリア王女は寂しいクリスマスを送っていた。
 そんな彼女の最大の楽しみといえば、やはりいつのまにかやってくるサンタクロースのプレゼントだった。まるで自分の欲しいものがわかっているかのようにサンタクロースはいつも彼女の欲しいものを枕元において行った。
 彼女の姉や従兄は『それは父親が……』などと彼女に言っていたが、2人ともアメリア王女に弱いため、泣かれてすぐに『やっぱり本物のサンタクロースが……』などと訂正した。
 彼女が衝撃の真実を目の当たりにしたのは12歳の時のクリスマス。今年こそはサンタさんにお礼を言おうと、とベッドの中で寝たふりをしていた彼女が見たサンタの姿は――赤い服を着込み、白い大きな袋を背中に担ぐ姿がどう見ても空き巣に来た盗賊にしか見えない父親の姿だった。
 結局彼女はその晩ひとり大泣きしながら『今年のサンタは忙しいから父さんに代理を頼んだんだわ』などと自分を納得させた。



 ――余談だが。
 クラヴィス=ヴァレンタイン少年のクリスマスは実にそっけないものだった。
 いろいろな理由から家族から孤立していた彼はクリスマスパーティーなどにも参加せず、何事もないようにクリスマスを過ごした。
 ただ、数週間前に必ず父親が窓際にクリスマスツリーを飾ってくれたことだけは鮮明に覚えている。にっこり笑って『クラヴィスくんがサンタさんに貰いたいものってなぁに?』などと尋ねてくる父親に『金』などと言って困らせたり、イブの夜、部屋の窓と入口の扉に罠を仕掛けておいてサンタ姿でやってきた父親を泣かして遊んでいたりもした。
 まあ、彼の父親いぢめの話はともかく、クラヴィス少年は7歳の時点でもう既にサンタクロースが実在しない人物だと知っていた実に悲しい少年だった。



  +−+− 白の奇跡 1 −+−+



 今までただの腐れ縁――もとい。親友だと思っていた相手がぢつは自分の身内だった。
 そんな事実を知って、ゼルガディスとクラヴィス両名に何らかの態度の変化があったかと言えば――そうでもなかった。
 まあ、10年以上も付き合ってきて、兄弟と親友の区別もあまりつかないのだろう、と言うのが彼らをよく知るアメリアの推測だった。あんな女ったらし――無論、クラヴィスのことだが――と同じ血が流れているということを自覚したくない、というゼルガディスの意識も微妙にあったが、彼女の推測は大方あっていた。
 いつもの関係、いつもの生活。
 そしていつもの微笑ましい出来事は年末も近い寒い夜の日に起こった。



「ぬふ」
「『ぬふ』?」
 奇妙な声を耳にしてゼルガディスは怪訝な顔をした。あまりに寒いため、ベッドの上で毛布に包まったまま奇妙な声の主――クラヴィスに視線を向ける。自分が寝っ転がっているベッドのすぐ近くに立っているクラヴィスは長い黒髪を三つ編みに結って、翠色の瞳を輝かせながら口元を吊り上げていた。
「ぬふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
 どうやら先程の奇妙な声は笑い声だったらしい。どこから出しているのか、いつもより低い声で異様な笑い方をするクラヴィスにゼルガディスは心の奥底から恐怖を感じ、岩肌のはずの全身に鳥肌が立った。
 こんな笑いを聞くのは初めてだが、似たような笑いは何度か聞いたことはある。その笑いを耳にした後、ほぼ100パーセントに近い確率でエライ目に合わされた。
 顔を引きつらせてゼルガディスが震える声で尋ねる。クラヴィスの思いつきほど恐いものはない。
「な、なんだよ。その無気味な笑いは……」
「いやあ、そんな大した用事じゃないんだけどね、ゼルちゃん」
 にっこりと笑いながらクラヴィスは答えてくる。普段、女以外には見せないその人当たりの良さそうな笑顔を向けられてゼルガディスはさらに顔を引きつらせた。
 しばし2人の間に沈黙が流れる。精神戦に持ち込んでいるのだ――とはいっても単に相手の次の行動を互いの表情から探り合っているだけなのだが。
 まず動いたのはクラヴィスだった。
 ゼルガディスがくるまっていた毛布をむんず、と掴むとそのまま一気に剥ぎ取る。いくら岩肌とはいえ、感覚は普通の人間と一緒。炎を熱いと感じるし、立派に寒さも感じる。毛布を取られ、ゼルガディスは慌てて取り返そうと手を伸ばした。
 その手をがし、と捕まれる。振りほどこうとしても自分の手首を掴む彼の手はびくともしなかった。筋肉がついてなさそうな華奢な体で、どこからそんな力が出てくるのかクラヴィスはにっこり笑ったまま、告げた。
「服脱げ」
 どげしっ!
 きっぱりと言ってきたクラヴィスにゼルガディスは目に涙を溜めながら彼の顔面に思い切り蹴りを入れた。



「っつー……何しやがるっ!?」
「馬鹿たれっ! それはこっちの台詞だっ! いきなりなんつーこと言い出すんだっ! おのれはっ!」
 顔にくっきりと足形をつけているクラヴィスと彼と一定距離おいて立っているゼルガディスが怒鳴りあった。
「『服脱げ』言っただけじゃないかっ! お前この頃足癖悪いぞ!? このオレのぷりちーな顔に蹴りなんぞ入れやがって!」
「ぷりちーな顔って、単に童顔なだけだろっ! ……てなにさりげなく近寄ってきてるんだ!? やめろ来るな変態っ!」
「誰が変態じゃこのぼけなすっ!」
 青筋を立てながら、慌てて後退るゼルガディスに向かって先程取り上げた毛布を投げつける。頭からそれをかぶり、視界がゼロになったゼルガディスはそのままバランスを崩して尻餅をついた。
 思い切り叫んでいたため、ぜえはあと荒い息をしながらクラヴィスが更にゼルガディスに近づいた。視界を隠した毛布を一生懸命もがきながら取ると、目の前にはもう既にクラヴィスの姿。
 恐怖に身体を震わせている弟にクラヴィスは呆れた顔で懐に手を入れ、目的のものを取り出すと素早くゼルガディスの鼻に手を伸ばした。
「――っ!? いだだだだだだだだっ!」
 クラヴィスが手を引っ込めると同時に鼻に痛みを感じる。喚きながら手をやり、くっつけられたものを外す。
 それは金属製の洗濯挟み。あまり痛くない木製ではなく容赦ない痛みを与える金属製、というところがなんとも嫌がらせのようで腹立たしかったが。それはともかく、その洗濯挟みには布と綿で出来た赤い球のようなものが丁寧に接着されており、真正面から見れば洗濯挟みがまったく見えないという器用な作りをしていた。
「……なんだ? これ?」
「見りゃわかんだろ。トナカイの鼻だよ、トナカイの鼻」
「いや見ても全然わかんないし。しかしなんでまたトナカイの鼻なんぞ作ってるんだ?」
 ゼルガディスの問いにクラヴィスは鼻で笑った。
「愚問だな。
 今年も残すところ、あと数週間。新しい年を迎える前の今年最後のメイン・イベントといえば――そう、クリスマスっ!
 ほらアメリアちゃん今でもサンタさんを信じてそうだろ? そんな乙女の夢を壊さないためにオレたちがサンタとトナカイを演じようってわけなのさ。くくぅ、なんて良い企画だろうね。
 で、差し当たってお前のトナカイ用の衣装を作るために採寸したいんだが――」
「ち、ちょっと待てよ。サンタうんぬんの話はともかく何で俺がトナカイなんだ?」
 その問いにクラヴィスはきょとんとした顔をする。当然、という表情で自分を指差す。
「オレがサンタさんだからだけど?」
「なんで自分ばっかりそーいうおいしい役を持ってこーとするんだっ!? こういう役の割り振りってたいていくじ引きとかじゃんけんとかが普通だろっ!」
「はっはっはっ。普通の人生送ってないオレたちが普通の決め方してどーするってんだ。
 こういうのってやっぱり年上から決めてくもんだろ。というわけでオレの独断でオレがサンタ、お前トナカイに決定! というわけでさっさと脱ぐ」
 上着に手を掛けようとするクラヴィスにゼルガディスが慌ててその手を振り払った。
 その様子にクラヴィスが頬を膨らませる。
「協力的じゃねぇな。いいじゃないか、ちょっとくらい。別にとって食おうってんじゃねぇんだから。それとも何か? 野郎(オレ)に上半身でも裸は見られとーないとかほざくのか? つれないねぇ。ガキの頃はよく一緒にお風呂入った仲なのに」
「ちっがぁぁぁぁぁっ! だいたい協力するしない以前の問題としてその卑らしい目つきやめろっ!」
「失敬なっ! 誰がいつ卑らしい目をしたってぇんだ!?」
「今だ今! スケコマシみたいな目ぇしやがって!」
「お前いくらオレでもその発言はちょっぴり傷つくぞ!? もう絶対に決定! お前に似合う立派なトナカイの着ぐるみ作って笑い者にしちゃる! おぉぉら脱げぇぇぇぇぇぇっ! 脱がんかぁぁぁぁっ!!」
「やめいっ! トナカイだけはいやだっ! というか着ぐるみだけは絶対に嫌だっ!
 ……って、それ以前になんで俺たちがサンタとトナカイなんぞやらにゃならんのだ。そういうのはやっぱり専門家に任せるべきだろ?」
 今度はクラヴィスが怪訝な顔をする。
「……専門家? 誰?」
「へ? いや、サンタクロースだろ」
「………………」
「……なんだ、その胡散くさそーな目は」
「……お前、本気で言ってるのか?」
「なにが?」
「いやだからサンタが本当にいるって信じてるのか?」
 クラヴィスの言葉にゼルガディスが数回瞬きする。床を見て、天井を見上げて、クラヴィスの顔に視線を戻す。
「いるだろ? サンタクロース」
 至極真面目に答えてきたゼルガディスにクラヴィスは目眩を覚えた。が、とりあえずすぐに立ち直って叫ぶ。
「お前なぁっ! 大の男が今でもサンタ信じてるって言うのはちょっと世間的に恥かしいぞ!? 夢があるとは思うけどっ!」
「何言ってやがるっ! サンタさんってぇのは存在するんだぞっ!
 普段は誰も来ないような深い森の中でトナカイの世話して暮らしてて、クリスマスになると一年間良い子にしていた子供のところにプレゼントを贈りに来るんだ!」
「常識的に考えろっ! こぉんの広い世界、一夜で全ての子供のところにまわれるか!?」
「サンタは実は十二つ子だってレゾが話してたぞっ!」
「信じるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! そんなあからさまに怪しい話っ!」
 クラヴィスの絶叫に何も言えずむう、とうめく。あごに手を当て、呟く。
「確かに少しおかしいとは思ってたんだよな。何で赤の他人の子供全員にプレゼントあげれるほどの金があったのか、とか……」
 けれどやはり腑に落ちない表情のゼルガディスにクラヴィスは深くため息を吐いた。心の中でこっそりと思う。
(良かった。レゾに教育されないで……)
 どうやら赤法師レゾは自分の孫にすごい教育をしたようである。まあ、剣技や魔術の方はまじめに教えたようだが、一般教養の方はといえば……少し考えただけでも恐ろしくなる。他にもいろいろと笑えない知識の刷り込みがあるかもしれないが、それを聞くほど自分はチャレンジャーではない。
「……なんか知らんがとてつもなく疲れた気がする……もういいや。お前の採寸は明日だ。今日はサンタの衣装を仕上げよう」
 クラヴィスのぼやきにゼルガディスが悲鳴のような声をあげる。
「本気でやるのかっ!?」
「無論だ。あ、お前、アメリアちゃんからさりげなく欲しいものとか聞いとけよ」
 言うだけ言うと、ゼルガディスの手からトナカイの鼻なる洗濯挟みを取り上げると、そのまま鼻歌を歌いながら部屋を出ていった。
 1人取り残されて、ゼルガディスは視線を天井に移した。ぽつりと呟く。
「じゃあ俺が今までサンタと思っていたやつは誰だったんだ……?」
 瞬間レゾの顔が頭に思い浮かんで、彼は身震いすると慌てて首を横に振った。

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5194白の奇跡 2ねんねこ E-mail URL12/15-00:06
記事番号5192へのコメント


 ゼルガディスがアメリアの奇怪な行動に気づいたのは、今から4年ほど前――ちょうど彼女と出会って、他2名と共に旅するようになってから数日後のことであった。
 その奇怪な行動は、ゼルガディス以外には誰にも気づかれることはなく――というか、その他2名は街に着くたび連れのことほったらかしにしてその街の名物料理を制覇していたのだから彼女の行動に気づかないのは当然と言えば当然なのだが――その後、別れて再会して再び旅していても彼女はその行動を止めることはなかった。
 そして今。旅の連れが少しばかり変化しても彼女は例の奇怪な行動を繰り返している。
 トナカイ着ぐるみ騒ぎの翌日、ゼルガディスは彼女にバレないように建物の陰に隠れながらアメリアの行動を観察していた――と言うか、単にクラヴィスに言われた『彼女がクリスマスに欲しいもの』を訊くタイミングを計っているだけなのだが。
「……あいついったい何してんだ……?」
「お前こそいったい何してんだよ……あ、もしかしてストーカーとか……じゃないですね、すみませんオレが悪かったからそんなに睨まないで下さい」
 後ろから現れて軽口を叩くクラヴィスを無言で睨みつけて黙らせる。そのまま再びアメリアの方に視線を向けた。
 クラヴィスも彼女の方に目を向けて、ぽつりと尋ねる。
「……何してんだ? 彼女」
「そりゃこっちが訊きたいくらいだ」
 ぶすっとした口調でゼルガディスは答えた。
 街のメイン・ストリートではないが、それでも広い大通り。彼女はそこで無差別に人に声をかけては手にした紙を見せて何かを言っていた。彼女の言葉に声をかけられた人は首を横に振って立ち去っていく。しばらくそれを繰り返して、彼女は少し落ち込んだ表情をしたが、また再び別の通行人に声をかける。
 4年前とあまり変わっていない奇怪な行動。
 彼女は街に着くと『買い物してくる』と言ってはこの行動を繰り返してついでに買い物して帰ってくる。彼女が何も言わないのでゼルガディスも敢えてその行動のことを聞こうとはしなかった。自分なりの優しさのつもりだったが、それが逆に興味を掻き立てる。
「……直接聞いた方が早いんじゃないか……? 彼女のことだし、もしかしたら『いや実は……』ってあっさりと話してくれるかもよ?」
 クラヴィスの提案にゼルガディスは嘆息した。こめかみを人差し指で擦りつつ、横目できょとんとした顔を向けるクラヴィスを見る。
「それが出来たら苦労しないさ。いいか――――アメリア!」
 ゼルガディスが少し大きな声で彼女の名を呼ぶと、こちらに背を向けていたアメリアの肩がびくんっと大きく振るえ、驚いた顔でこちらを振り返ってくる。慌てた様子で手にした紙を懐にしまって彼女は小走りでこちらに向かってくる。
 彼女がこちらに近づいてくる途中にゼルガディスが小さな声でクラヴィスに言う。
「な? どーやら俺たちにゃ知られたくないらしくて隠すんだ」
「……なるほど」
 いつのまにかゼルガディスの肩に右腕を乗せたクラヴィスがやはりぽつりと呟くように言う。
「こんなところでどうしたんですか? ゼルガディスさんにクラヴィスさんも」
 彼らの近くまで来て足を止めたアメリアが首を傾げて尋ねてくる。
 彼女の疑問はもっともだった。彼女に気づかれないようにするため、ゼルガディスが隠れていたのは建物の陰――言い換えればあまり人気のないところだ。何か理由がなければこんなところにいることはない。
 怪訝な顔のアメリアにクラヴィスがにこやかに言う。
「いやぁ、ゼルと2人でアメリアちゃ―――」
 どすっ。
 余計なことを口走りそうなクラヴィスの鳩尾にゼルガディスが手加減なしに肘鉄を叩き込んだ。さすがに倒れはしなかったものの途中で黙り込んだ彼の代わりにゼルガディスが続ける。
「アメリアがクリスマスに何が欲しいのかクラヴィスと話してたんだ。ほら、お前この間クリスマスパーティーでもやってプレゼント交換したいとかぼやいてたろ?」
(よくもまあこんな言い訳がすらすらと出てくるもんだ)
 自分の台詞に内心驚きながらゼルガディスは平静を装った。妙なところで鋭い彼女をこんなことで上手く誤魔化せるか少し心配になりながら彼女の反応を見守る。
 アメリアは一瞬目を瞬かせて上目遣いで空を見上げながらあごに人差し指を当てた。
「うーん……欲しいものですか……」
 彼女の独り言のような呟きにゼルガディスは胸を撫で下ろす。どうやら上手く誤魔化せたようである。
「ほらいろいろあるだろ? 温かい手袋とかマフラーが欲しいとか貴金属の類が欲しいとか――」
 ゼルガディスの言葉にアメリアがにっこりと微笑んだ。
「ゼルガディスさんがくれるものならなんでも嬉しいですよ、わたし」
「そ、そうか」
 いつになってもこういう台詞には慣れることが出来ない。顔を真っ赤にしながらゼルガディスはか細い声で言った。その隣で何とか復活したクラヴィスがぼそりと言ってくる。
「……ガキ……」
「もう一度殴られたいのかなクラヴィスくん」
 クラヴィスの言葉が聞こえたのか、彼の顔面で拳を握り締めながらゼルガディスが言う。肩をすくめてクラヴィスはそれ以上何も言わなかった。
 2人の何とも微笑ましいやり取りに苦笑して、アメリアはふと何かを思いついたようにズボンのポケットからメモを取り出す。その紙をクラヴィスに渡した。
「……? なんだこれ?」
 怪訝な顔をしながらクラヴィスは4つに折られたそのメモを開く。同時にアメリアが笑いながら言ってくる。
「さすがに全部は知りませんけど、この間セーター作った時に肩幅とか覚えている範囲で。だいたい合ってると思いますよ――まあ、やっぱり実際に測り直した方が良いんでしょうけれど」
「……肩幅?」
 眉をひそめてゼルガディスが尋ねた。アメリアは目を細めていたずらっぽい笑いをした。
「昨夜はずいぶん兄弟で話が弾んだみたいですね。全部丸聞こえでしたよ」
(聞かれてたぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?)
 そう言えば今から考えてみれば、他の部屋のことまったく考えずに絶叫し続けた気がする。しかしまさかそれをあろうことかアメリアに聞かれるなんて――
 もともと青い顔を更に真っ青にして、ゼルガディスは絶句する。ちらりと視線を移動させれば、少し離れたところでしゃがみこんで肩を震わせるクラヴィスの姿。どうせ他人事だと思っているのだろう。後で抹殺することを心の中に誓いながらゼルガディスはとりあえず引きつり笑いを浮かべた。
 彼らのリアクションに満足したのか、アメリアは満足そうに笑いながら言ってくる。
「じゃあこれからわたし買い物の続きしてきますね」
「そ、そうか。気をつけてな。夕食までにはちゃんと帰ってこいよ」
 自分の言葉にアメリアは『わかってますよ』と敬礼の仕種をした。立ち去ろうとして、振り返る。
「プレゼント、期待してますね、トナカイさん♪」
 びし。
 硬直したゼルガディスを笑いながらアメリアはスキップしつつ立ち去っていった。彼女の姿が通りの人込みにかき消されても未だ硬直したままのゼルガディスの肩にクラヴィスが手を回す。
「で、トナカイくん。ここは1つ賭けをしようではないか」
 たったそれだけの言葉だったが、クラヴィスの意図をなんとなく理解する。そっけなく答えてみせた。
「アメリアがまたあの変な行動繰り返すか、だろ? 繰り返すに金貨10枚」
 その言葉にクラヴィスはつまらなそうに嘆息した。
「ちぇっ。賭けにも何もなりゃしねぇ」
 ゼルガディスも珍しく相づちを打つ。
「そうだな――で、時にクラヴィス」
「なんだ?」
 怪訝な顔をしてくるクラヴィスにゼルガディスは青筋を立てながらいつのまにか荷物の中から取り出した愛用のハリセン(結局未だ名称未定)で彼にアッパーカットを仕掛ける。
「だぁれが『トナカイ』だっ! このボケなすびっ!」
「のぐぅえっ!?」
 アッパーカットは見事に決まり、クラヴィスはほんの数秒宙を舞った。



     +++ 白の奇跡 2 +++



 彼女の行動パターンが単純なのか、ゼルガディスたちが鋭かったのか、アメリアは彼らと別れた後、街の中心から少し離れた裏通りで先程の行動を繰り返した――のだが、いつものごとくまったく成果はなく、1日歩き通しで疲れたアメリアは近くの公園のベンチに座りこんでいた。
「……やっぱり無理、なのかな……」
 ぽつりと呟き、重くため息を吐いた。
 時は夕刻――なのだが、今の季節は冬。日が落ちるのも早く、もうすでに空には星が瞬きはじめて、辺りは薄暗くなっていた。ぼんやりと空を眺めながら再びぽつりと呟く。
「そろそろ帰らないとね」
 あんまり遅いと、宿にいるはずの男2人が心配する――特にゼルガディスの方は。まるで若い娘を持つ父親のごとく、時計と睨めっこしながら待っているのだ。なんだか子供扱いされている気がするし、なにもそこまで……という呆れの気持ちもなかったと言えば嘘になるが、それだけ自分のことを心配してくれているのがわかってやはり嬉しい。
 うし、と気合いを入れてすっくと立ち上がり、宿の方へと足を踏み出し――
 ぐいっ!
「――っ!?」
 不意にマントを引っ張られて、彼女は驚いて立ち止まった。慌てて振り返ると、今も自分のマントを握りしめている人間と目が合う。
 5,6歳というところだろうか。まだ幼い子供だった。薄暗い中、ほんの少しの明るさを頼りにしてじっと見つめる。
 少し長めに切り揃えられた銀髪。ウサギのように真っ赤な瞳にはほんの少しだけ涙が溢れていた。
 アメリアはちょこんとしゃがんで自分の視線を少年の視線と同じ高さにする。少年の顔を覗きこみながら頭を撫でてやった。
「どうしたのかな? お家、わからなくなっちゃった?」
 彼女の問いに少年はふるふると首を横に振った。
「じゃあどうしたのかな? もう夜遅いし、お家の人心配してるよ?」
「……探してる人がいるの……」
 ともすれば聞き逃してしまいそうな小さな声で少年がぽつりと呟いた。その言葉をなんとか聞き取り、アメリアは首を傾げた。
「探してる人? 誰かな?」
「…………サンタさん」
「え?」
 さすがに今度はよく聞き取れなかった。微笑みながらも不思議そうな顔をするアメリアに少年はいきなり大声で言った――叫んだ、の方が正しいか。
「みんなは『サンタさんなんかいない』って言うんだ。いるよね!? サンタさんっ!」
 うぐ。
 『サンタ』といって思い出すのは数年前の悪夢――頭の奥で封印したあの忌まわしい記憶。思わずあのどう見ても空き巣にしか見えなかった父親を思い出して、思わずうめきそうになるのをなんとか堪える。
 アメリアは極力にこやかな笑みを浮かべた。こういう時ばかりは『どんなことが会っても王族たるもの笑みは忘れず』と口うるさく自分をしつけた女官長に感謝する。
「サンタさんかぁ。まだもうちょっと早いんじゃないかな? サンタさん来てくれるのはクリスマスイブの夜だからね」
「いるんだよね? サンタさん」
 少年の問いにアメリアはにっこりと微笑んだ。
 純粋で汚れなき心を持つ子供だけが信じることの出来るサンタクロースの存在。今ここで否定して、少年の夢を壊すなどアメリアには毛頭なかった。
「サンタさんはちゃんといるよ。でも、ちゃんと良い子にしていないと来てくれないんだから。
 さあ、もうお家に帰ろう、ね? お姉ちゃんが一緒についていってあげる。こんな暗くなるまでお外にいたら『悪い子さんだ』って思われて、サンタさん、来てくれないよ」
 彼女の言葉に少年は目を見開いて勢いよく首を横に振った。
「帰るっ! ボク、良い子だもん!」
「ふふ、素直でかわいいなぁ。どこかの誰かさんとは大違い。昔はそれでも素直だったってクラヴィスさんは言ってたけどこんな感じだったのかしら……
 あ、そう言えばお名前まだ聞いてなかったよね。お姉ちゃんはね、アメリアっていうの。君は?」
「セシル」
「そっか、セシルね。じゃあセシル、お家に帰ろうね。お家、どこかな?」
 アメリアの問いにセシルは真っ直ぐ指を差した。その指の先に視線を向けたアメリアの目に入ったのは、赤い屋根の建物――街の唯一の教会だった。



 どこの街にも孤児は存在する。
 不幸にも両親が事故で亡くなった。
 貧しく満足に育てられないために捨てた。
 理由は様々だったが、どこの街にも孤児が存在することは事実だった。
 そして、またどこの街にも彼らを預かり、立派な大人になるまで育てる施設は存在した。その施設の多くは慈悲深き聖職者たちによって運営されており、故に彼らを預かる施設――孤児院は教会の近くに建てられていた。
 この街も例外ではなかった。
 教会の隣に建てられた小さい家。ここがセシルの家だった。
「……孤児院……」
 小さくアメリアが呟くと、その声が聞こえたのか、セシルは少し寂しそうに言ってきた。
「ボクのパパとママね、ボクが生まれてすぐ死んじゃったんだって。だからボク、お兄ちゃんと一緒にここに暮らしてたんだ」
(暮ら“してた”……?)
 セシルの微妙な言葉遣いにアメリアは怪訝な顔をした。この少年は今でもこの孤児院に住んでいるはずである――だからこの家に戻ってきた。なのになんで過去形で言わなければならないのか。
 一瞬、セシルにそのことを尋ねようかとも思ったが、アメリアは問わなかった。覚えていないとはいえ、亡くなった自分の身内のことにはあまり触れてもらいたくないものだ。それが親のことならなおさら。母親を失っている彼女には亡くなった親について詮索されるのがどれほど気分の悪いものかよくわかっていたから。
 と、突然孤児院の扉が勢いよく開かれた。中から出てきたのは修道女だった。真っ青な顔をしながら慌ててこちらに走ってくる。
「セシル!」
「シスター・サティア! ただいま!!」
「『ただいま』じゃないでしょう! 今までいったいどこにいたの!? 心配したのよ?」
 サティアと呼ばれた修道女はほうと安堵の息を漏らしながらセシルを叱った。セシルが舌を出して謝罪する。
「ごめんなさい」
「まあいいわ。無事であるのがなによりよ。さあ、レイノルズ司祭にもごあいさつしていらっしゃい。心配していらっしゃったわよ」
「はぁい!」
 セシルは返事をするとてこてこと家に向かって走っていく。途中でこちらを振り返った。満面の笑みで尋ねてくる。
「アメリアおねいちゃん。また会えるよね!?」
「もちろんよ、セシル」
 アメリアの言葉にセシルは満足そうに頷いて家の中に消えていった。
 それを見届けてサティアが深々とおじぎする。
「あの……セシルをここまで連れてきて下さってありがとうございます」
「いえ、そんなに大したことしてませんから!
 ……それより……セシル、みんなに『サンタさんはいない』ってからかわれて飛び出してきたらしいんですけれど……」
 アメリアの言葉にサティアは困ったような顔をした。
「ええ、昔はあの子のお兄さんがあの子の側にいてくれたからそんなことはなかったんですけれど、お兄さんが出てってからなにかあるとすぐに飛び出してしまって……
 人見知りが激しくて、あまり人にも懐かないんですけれど……きっとあなたはセシルに好かれてしまったのね。良かったら明日また改めて遊びに来ていただけませんか?」
 サティアの頼みにアメリアは快諾した。
「ええ、もちろんいいですよ」


 空には満天の星と月が輝いていた。



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5195おひさしでーす☆ゆっちぃ E-mail URL12/15-01:34
記事番号5194へのコメント


こちらではお久し振りですね!ゆっちぃです〜♪
早速ですが『白の奇跡』、読ませて頂きました!
いやはやい〜ですねぇvクリスマスらぶな私にとってはめっちゃ嬉しいです、こういうお話はvvv
未だにサンタさんを信じてたゼルがすっっっごい、良かったです(!)
さも当たり前かのよーに「専門家」だなんて☆夢のある純粋なゼルもいいですね!
(ちなみに私、いい歳してサンタクロースを信じてますv絶対いるっ!と思うんですよ、まだまだ子供だからι)


で、一つツッコミたい事が……

>本当は受験終わってから再開するつもりでしたが、「いつ再開するんじゃワレ」と>言う内容のメールをいただきまして、のろのろ更新でも良いやと結局再開。
 
………誰ですか、そんな失礼なコト言ったのは。怒りますよ、私?(いやあんたが怒らんでも……)ねんねこさんにはねんねこさんの事情があるんですからね。


ごめんなさいιどーーーーーっしても!引っかかったので、つい余計な突っ込みを入れてしまいました(汗)
第三者が余計な口出しですね、すみませんです(ぺこり)

ではでは、またメールしますね♪

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5198そーいえば……うん。お久ぶりかも(笑)ねんねこ E-mail URL12/15-14:04
記事番号5195へのコメント


>こちらではお久し振りですね!ゆっちぃです〜♪

そーいえばこちらではお久しぶりですねぇ(^^)
いろいろとあったのでお久しぶりという感じがしないんですが(笑)

>早速ですが『白の奇跡』、読ませて頂きました!
>いやはやい〜ですねぇvクリスマスらぶな私にとってはめっちゃ嬉しいです、こういうお話はvvv

早いのはね、ねんねこの投稿が遅くてどうせクリスマスになっちゃうよ♪
という意味とねんねこはクリスマスないし☆(泣)時期がずれてもお構いなしさ、という意味が込められてます(笑)
でも今回は最後にらぶらぶさせよーかと……それ以前にらぶらぶあるかは……
が、がんばろふ。

>未だにサンタさんを信じてたゼルがすっっっごい、良かったです(!)
>さも当たり前かのよーに「専門家」だなんて☆夢のある純粋なゼルもいいですね!
>(ちなみに私、いい歳してサンタクロースを信じてますv絶対いるっ!と思うんですよ、まだまだ子供だからι)

サンタさんうんぬんの話は追い追い書こうと思ってます。
にしても……日に日に退化していくねんねこ版ゼルガディス。
いいのか!? それで!? て感じですね(^^;)

>で、一つツッコミたい事が……

>>本当は受験終わってから再開するつもりでしたが、「いつ再開するんじゃワレ」と>言う内容のメールをいただきまして、のろのろ更新でも良いやと結局再開。
> 
>………誰ですか、そんな失礼なコト言ったのは。怒りますよ、私?(いやあんたが怒らんでも……)ねんねこさんにはねんねこさんの事情があるんですからね。

あはは(汗)
でもそのメールがなかったらいつまで経ってもHP再開しようと思わなかっただろうからいい起爆剤にはなったんですよ。
ただ……メールに匿名希望とか書いてもメルアドでバレるからって言う(笑)

>ごめんなさいιどーーーーーっしても!引っかかったので、つい余計な突っ込みを入れてしまいました(汗)
>第三者が余計な口出しですね、すみませんです(ぺこり)

いえいえ、ねんねこのために怒ってくださってありがとうございます(ぺこり)
それにこちらの説明も足りなかったし……ごめんなさい、言葉が足りませんでした。別にそのメールをもらって嫌な気分にはならなかったので、大丈夫です。

>ではでは、またメールしますね♪

こちらもさっさと短編送らないと……(汗)
あともう少しで完成するので、もーちょっとばかり待っててね♪ではでは!

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5196そ〜れで〜い〜のか〜♪雫石彼方 E-mail 12/15-02:30
記事番号5194へのコメント


このタイトル、レス返しのタイトルにあるフレーズを期待してます(笑)・・・・わかってくれるかな?(どきどき)

クリスマス話。いーねぇ、大好きっすよv
私もクリスマスネタ書きたい・・・・でも思いつかない・・・・(泣)

・・・・ところで。かつては残酷な魔剣士と言われたゼルよ。そんな男が未だにサンタさんを信じていていいのか(笑)アメリアより純粋なゼルって、なんかすごいな・・・・(笑)
個人的に、「ぬふ」と笑うクラヴィスに大ウケしただす(笑)「脱げ」だなんて、嫌らしいわっ!クーちゃん!!(笑)あと、アメリアに弱い姉と従兄。密かにこれはおいらのツボをついてくれました(^^)それに、盗賊もどきなサンタフィルさんを見て、大泣きしながら「サンタさんの代理なんだわっ!」と必死に思い込もうとするアメリアも。か〜わいいv

何かみょ〜な感想ですまん(汗)
何はともあれ、セシルくんが幸せなクリスマスを送れるといいなvそれに乗じて、ゼルアメも幸せ〜vってな展開を期待しつつ・・・・(笑)
じゃ。

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5201そ〜れで〜い〜のだ〜♪ねんねこ E-mail URL12/15-14:40
記事番号5196へのコメント


>このタイトル、レス返しのタイトルにあるフレーズを期待してます(笑)・・・・わかってくれるかな?(どきどき)

一応やったけどマジ自信ないっ!
バカボンしか思いつかんかったんだけど・……あってるかなぁ(どきどき)
ていうか、ずっと考えてた……レスが異様に遅いのはそのせい(汗)
で間違ってたらショックだよなー……

>クリスマス話。いーねぇ、大好きっすよv
>私もクリスマスネタ書きたい・・・・でも思いつかない・・・・(泣)

思いついたがゼルアメじゃない(はぁと)←死
でも無理矢理ねじ込んだがな。辛いぞ、見え見えの展開(笑)

>・・・・ところで。かつては残酷な魔剣士と言われたゼルよ。そんな男が未だにサンタさんを信じていていいのか(笑)アメリアより純粋なゼルって、なんかすごいな・・・・(笑)

だから言ったじゃない(はぁと)
日に日に退化していって素直になってるって(笑)
ていうか、残酷な魔剣士呼ばれて喜んでる時点で子供な気がするのはねんジーだけか……?ああっ、『魔剣士』がでてこないっ!『馬犬歯』ってなに!?(笑)

>個人的に、「ぬふ」と笑うクラヴィスに大ウケしただす(笑)「脱げ」だなんて、嫌らしいわっ!クーちゃん!!(笑)あと、アメリアに弱い姉と従兄。密かにこれはおいらのツボをついてくれました(^^)それに、盗賊もどきなサンタフィルさんを見て、大泣きしながら「サンタさんの代理なんだわっ!」と必死に思い込もうとするアメリアも。か〜わいいv

すみません未だに自分のキャラの性格がつかめません。
クラヴィスお前の性格はどーしてそうころころと変わるんだい?(笑)
グレねーちゃん(こー略すとなんだか凄くやな感じ)とアルにーちゃんが、アメリアに弱いのはもう世界の理の1つだろ(きっぱり)
盗賊もどきサンタはちょっと想像して鳥肌たった。ので想像しない方が吉。というか、それを見たアメリア気の毒だなぁ……一種のトラウマになってたりするんだよね。あんまり怖いのみると。

>何かみょ〜な感想ですまん(汗)

ねんジーもみょーな感想しか書いてないし、第一どこがみょーなのだ……(^^;)

>何はともあれ、セシルくんが幸せなクリスマスを送れるといいなvそれに乗じて、ゼルアメも幸せ〜vってな展開を期待しつつ・・・・(笑)

セシルにはいろいろあるので、これからの展開を期待せずに待っててねん♪
ではでは♪


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5197こんばんは一坪 E-mail 12/15-04:06
記事番号5194へのコメント

新装開店お疲れさまでした。


>HPでリンクして下さっている方には個メールでお知らせするべきなのですが……すみません、いくらねんねこでも理由
>があったとは言え3ヶ月で2回目の引越しのお知らせをする度胸はありませぬ。気が向いたらひょろっと変えていただけ
>ると嬉しいです(^^;)相変わらずのわがままです。ごめんなさい(土下座)
気が向いたので、ひょろひょろっと変えてみました。


では受験に向けてガンバって下さいね。

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5199ああ、神様……!ねんねこ E-mail URL12/15-14:09
記事番号5197へのコメント


どうもいつもお世話になりっぱなしのねんねこです。

>>HPでリンクして下さっている方には個メールでお知らせするべきなのですが……すみません、いくらねんねこでも理由
>>があったとは言え3ヶ月で2回目の引越しのお知らせをする度胸はありませぬ。気が向いたらひょろっと変えていただけ
>>ると嬉しいです(^^;)相変わらずのわがままです。ごめんなさい(土下座)
>気が向いたので、ひょろひょろっと変えてみました。

あああ、ありがとうございますっ!!
一坪さまが神様に見えますっ!
もう本当に感謝感激雨あられです。本当にお手数かけて申し訳ないです。

>では受験に向けてガンバって下さいね。

ありがとうございます!
受験が終わったらまたお世話になります!
ではでは。

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5207じんぐるべ〜る♪桜華 葉月 12/17-02:26
記事番号5194へのコメント

す、すてきだ、十二つ子のサンタさん・・・。
ついでにゼル、つっこみの箇所が違うって。お金の心配って、あんた。
ここはかなり印象的だったにゃあ。つい夜中なのに声に出して笑いそうになったよ。危ない、危ない。見つかったら・・・(恐)
じゃあ、クリスマスまでに間に合うことを祈ってるよ〜ん。
ついでにまた、遊びに行くね。では、短いけど、さらばなり。

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5210じんぐるべ〜る、鈴がなる〜♪ねんねこ E-mail URL12/17-15:05
記事番号5207へのコメント


ねんねこだす。
いやぁ、またあっただすな♪(←ほんの数分前に自分のHPでレスつけてきた)

>す、すてきだ、十二つ子のサンタさん・・・。

TVでとある番組を見てたらもっと凄いことを子供がいってた。
『サンタさんは1つの国に1人いるんだから!』
……無理だと思うぞ。それだけじゃあ(笑)

>ついでにゼル、つっこみの箇所が違うって。お金の心配って、あんた。

現実的なゼルの疑問(笑)
ツッコミの個所が違うのは・……まあお約束(^−^)

>ここはかなり印象的だったにゃあ。つい夜中なのに声に出して笑いそうになったよ。危ない、危ない。見つかったら・・・(恐)

基本的に二人の会話は笑えるように。
内輪ネタ過ぎで寒い笑いになるのも可……いや、それはなんとなくヤだけどな。
だか、ゼルアメ雰囲気じゃなくなってる今、笑いくらいはとるべしっ!
なんぞとおもっとるんだがな。うちは。

>じゃあ、クリスマスまでに間に合うことを祈ってるよ〜ん。
おうっ!明日あたりに投稿しますよっ!……多分。
ではでは!

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5229白の奇跡3ねんねこ E-mail URL12/20-11:29
記事番号5192へのコメント

スランプ継続中のねんねこです……いつでもどこでもスランプ中ですが。
もう開き直って直に行きます。自己満足領域内なので、『つまんないってば』という意見は全て却下。
というわけで行きます。
*************************************


 サンタさんはね、すごいんだ。
 ボクの欲しいものはなんでもくれるんだよ。
 だからボク良い子にしているんだ。
 ねえ、だからお願いサンタさん。
 今年はボクが一番欲しいものをプレゼントして―――



「―――と、いうわけで」
 急いで宿屋に帰った後、夕食を取りながら遅くなった訳を話していたアメリアがゼルガディスとクラヴィスの顔を交互に見つめて言った。
「しばらくの間、この街での滞在をアメリアは提案します」
 彼女の提案にゼルガディスはフォークを片手に持ったまま、苦い顔をした。
「むぅぅぅぅぅぅ」
 小さくうめく。その様子にアメリアが悲しそうに上目遣いでゼルガディスを見る。
「……駄目ですか?」
「あのなぁ、アメリア。お前、何のために旅してるかわかってるか?」
「…………暇つぶしのためですか?」
「俺の身体を元に戻す為だっ! ……て、お前ただの暇つぶしに旅してたのかっ!?」
 半眼のゼルガディスにずいっ、と詰め寄られ、アメリアは慌てて首をぶんぶん横に振った。苦笑いをして言う。
「や、やだなー。冗談じゃないですか……早くゼルガディスさんの身体を元に戻す方法が見つかると良いなーといつも言ってるじゃないですかぁ、わたし」
「……まあ、それはいいとしても、だ」
 未だなんだか納得の行かないような顔をしながらゼルガディスは元の位置に戻る。こほん、と一つ咳払いをして、続けた。
「いいか? 俺とお前の平穏な生活のため、俺たちは一刻も早くこのキメラの身体を元に戻さなくちゃならない。寄り道なんぞしてる暇がないんだ。
 ここはめぼしいものも何もないし、さっさと出て次の場所に行きたいんだが……」
「とかなんとかもっともらしい理由つけてるけどさぁ。実際の理由は、あれだろ?」
 ゼルガディスの言葉を遮ったのは、沈黙を保っていたクラヴィスだった。隣に座っているゼルガディスの皿から鴨のローストの一番おいしい所をフォークで奪いながら言ってくる。
「その……セシルって子、人見知り激しいくせにアメリアちゃんになついたってあたり、お前にそっくりだもんなー。ゼルガディスくんとしては、まだ子供とはいえ、自分以外の男にアメリアちゃんを渡したくないわけだろ? ん?」
 フォークを突きつけられて、ゼルガディスはあさっての方に視線を向けた。その時点で図星だと認めたわけだが、彼は反論してきた。
「……俺がガキ相手にそんなこと思うほど余裕ないわけないだろう?」
「どーだか。人間外生物にだってヤキモチ焼くゼルガディスくんに余裕もくそもないだろ」
 昔から口でこの男に勝ったことはない。ゼルガディスはむすっとした顔をして沈黙した。ぶーたれたゼルガディスに、クラヴィスが嘆息する。
「まあ、お前の心理描写なんぞ抜きにしても、だ。しばらくこの街に滞在すべきだと思うぞ、オレは」
「……なんでだ?」
 尋ねてくるゼルガディスにクラヴィスは呆れた顔をした。
「そんな身体になって旅してからまともな年越ししてないお前にゃわかんないだろうがな、古き一年が終わって新しい一年が始まるってぇのは、おめでたいことなんだよ。
 いいか? このまま順調に旅続けてみろ。今はだいたいセイルーンの国境近く。ここからカルマートかゼフィーリアに行けるわけだが、どっちにしたって新年迎える頃にいる場所は森の中。オレはやだぞ。新年そーそー野宿だなんて」
「……わがまま……」
「人間としてとーぜんの権利だっ! どーしても先に進みたい言うなら1人で行けよっ! オレとアメリアちゃんはここで少し休んでのんびりゆっくり追いかけるから」
「むぅぅぅぅぅぅぅ」
 うめくゼルガディスに止めを刺したのはアメリアだった。彼が弱いと知っている表情――単に瞳をうるうると輝かせるだけなんだが――で、言う。
「わたし、大好きなゼルガディスさんと一緒に温かい所で新しい年を迎えたいです(はぁと)」
 あう、とゼルガディスはうめいてうな垂れた。脱力しながらぽつりと呟く。
「……3日―――クリスマスまでだ。そうすりゃ、大晦日には別の街に入れるだろう」
「きゃぁぁぁぁっ! ゼルガディスさんありがとうっ!」
「―――っ!!」
 だきぃっ!
 勢いよく抱きついてきたアメリアにゼルガディスは真っ赤になりながらもしっかりと受け止めた。



    +++ 白の奇跡 3 +++



 そうなる運命なのか、ただの偶然なのか、それとも単にそういうことを取り込みやすい体質なのか。
 自分たちはよくトラブルに巻き込まれる。
 そうゼルガディスたちが思ったのは、翌日の朝食の席でのこと。突然自分たちが座っていた席の前にひとりの男が立った時だった。
 それは見知らぬ人間だった。年はゼルガディスと同じか、少し下か。身長はクラヴィスとゼルガディスのちょうど中間、というくらいで、ずば抜けて高いとかずば抜けて低いとかではない。銀髪のごくごく普通の男。
 ただ、ゼルガディスたち3人に『トラブルに巻き込まれる』と直感させたのは、その男の服装だった。
 何を血迷ったのか、一昔前の英雄伝に出てくるような主人公のような格好をしていたのだ。鎧なんぞは身につけず、金の縁取りがしてある蒼いコートに同色のブーツ。下には白いタイツをはいて、極めつけは、真っ赤なマント。一言で表すならば、一昔前の王子さまルック。
 いきなり『かっこいい』なんて英雄伝好きのアメリアあたりが言い出すのではないか、とゼルガディスは心配になったりもしたが、呆然として口を半開きにしている彼女の顔を見て、少しばかり安心する―――あまりのマヌケ顔で見なければ良かった、などと言う気持ちも少しばかりあったが。
 しばしの沈黙の後、その男は口を開いた。優雅に一礼して、ゼルガディスを見る。
「私の名前はアレン=グロスターシャ。あなたはゼルガディス=グレイワーズさん、ですね」
「え、あ、いや、まあ……」
 ここできっぱりと返事をしてしまったら、めんどくさいトラブルに巻き込まれること必至である。なんとも曖昧な返事をして、ゼルガディスはアメリアとクラヴィスの顔を見る。
 困惑したような顔のゼルガディスに、アメリアとクラヴィスはお互い顔を見合わせた。互いに何も言わず無言だったが、それでも相手の意思はわかったらしい。こくんと頷きあって、同時にゼルガディスの顔を見る。
「オレたちには関係ないみたいだから、ちゃんと丁寧に対応すべきだと思うぞ」
「まあ、被害被るのはゼルガディスさんだけですし、名前を呼ばれたらきちんと返事するのが人間として当然のことですし」
 自分にその火の粉が飛んでこない限りは、どうでもいいらしい。実に人でなしの意見だが、そう割り切っていかないと生きていけない部分など長い人生多々ある。実際、他人がこういう場面に遭遇した時、ゼルガディスもまたこの2人のようなそっけない態度をしてみせていた。
 してみせていたのだが――実際自分がやられるとやはり腹立つものである。
(こ、こひつら……他人事だと思って……)
 心の中で2人を恨みながらゼルガディスは諦めきった表情をして言った。
 もし変なことに巻き込まれたのなら、この男をはっ倒してなかったことにすれば良い。というか、そうするのが一番良い解決方法だ。
「ああ、そうだ。ゼルガディスは俺だよ」
「ををっ!」
 その返事にアレンは嬉しそうな声をあげた。
 ゼルガディスの左手をがしいっと掴んで、目を輝かせながら言ってくる。
「やはりあなたが噂に名高いゼルガディスさんでしたかっ! いやぁ、会えて良かった! 本当に光栄ですっ!」
「あの、いやどーでも良いが手を離せ……」
 全身に寒気を感じ、顔をあからさまに引きつらせてゼルガディスがうめく。なにが悲しゅうて、男なんぞに手を握り締められにゃならんのか。
 だが、ゼルガディスの言葉を無視して、アレンは気分に酔っているかのように目を閉じて、独白を続ける。
「ああ、なんと言う幸運! セイルーン・シティであなたのお噂を聞いてはや4ヶ月。あちこちと動き回るあなたの後を追い続け、やっとあなたの元に辿り着きました……」
「やめろっ! 頼むからやめてくれっ! というかその前に手ぇ離せよ。は・な・せっつてんのが聞こえないのかおいっ! 俺にゃンなシュミないっ!」
 ほとんど涙目で喚きながらなんとか手を振り解こうと試みるが、相手も相当の力を入れ込んでいるらしく、なかなか離そうとしない。
「……いいんですか? 助けてあげなくて……?」
 テーブルの向かい側からアメリアの言葉が聞こえてくる。続いて、クラヴィスの声。
「いいんでない? なんだか楽しそーだし。だいたい、アメリアちゃんだって本格的に危うくなるまで面白いから見てようとか思ってるんだろ?」
「あは♪ バレました? だってゼルガディスさんがあんな顔するのって滅多にないじゃないですか♪」
「人でなしかぁぁぁぁぁぁっ! お前らはっ!!」
 すっかり他人事だと和やかな雰囲気を振りまいている仲間のはずの2人に絶叫する。
 その間にもやはりアレンの独白は続く。耳が良いせいで、聞きたくなくても、聞こえてしまう自分がいと悲しいが。
「あああ、ゼルガディスさん。あなたに会えた今、今こそ私の願いを成就する時っ!
 さあ、ゼルガディスさんっ―――いや、ゼルガディス!」
 そこまで言ってやっとアレンはゼルガディスの手を離した。そのままその手を腰に差していた剣の柄にやり、剣を鞘から引き抜く。
「ああ助かった……て、へ?」
 心底嬉しそうに呟いて、ゼルガディスがアレンのその行動に気づいた時には、もうアレンはゼルガディスに向かって、その剣を振り下ろしていた。
「ゼルガディスさんっ!」
「ゼルガディス=グレイワーズ、覚悟ぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
 アメリアの悲鳴とアレンの叫びを聞きながらゼルガディスは呆然と目の前に近づく銀色の光を見つめた。


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5230白の奇跡4ねんねこ E-mail URL12/20-11:30
記事番号5192へのコメント




「まあ、ちょっと考えてみりゃわかるよな」
 針に白い糸を通しながら、クラヴィスは少し離れた所で縄でぐるぐる巻きにされているアレンに言った。
 場所は変わって、ゼルガディスとクラヴィスの使っている部屋。あれ以上あの場所にいたら、営業妨害で出て行けと言われても文句は言えない。
 クラヴィスの言葉に何故か顔に足跡を残したアレンは、ぶすっとした顔をしてそっぽを向いた。



「ゼルガディス、覚悟ぉぉぉぉぉぉっ!」
 アレンの剣がまっすぐゼルガディスの右肩に向かって振り下ろされた。相手はあの魔剣士とまで言われたゼルガディス。一撃で倒せないなら、利き腕を傷つけて剣を握らせないようにしようとしたのだろう。考えは良かったのだが――
 ぎんっ!
「なっ!?」
 予想外の結果にアレンは思わず驚愕の声を発した。
 ゼルガディスの右肩を狙った自分の一撃は、確かに自分の狙い通りゼルガディスの肩を捉えた。彼の不意をついた突然の攻撃だったので、彼も防御できるような状態ではなかったのだ。
 だが―――
「は、はじいたっ!?」
 驚くアレンにゼルガディスは醒めた顔で答える。
「まあ、忌み嫌うこんな身体でもこれくらいの役には立つ。岩肌だから普通のぼんくら剣じゃあ俺はきれないぜ?」
 嘲るような笑みを浮かべてみせる。
「まあ、どういう理由かは知らんが、俺にケンカ売ったこと、後悔させてやる―――」
 言って、場所もかまわず剣を抜こうとした時だった。
「……ゼルガディスさんに……」
 後ろから聞こえたアメリアの声に、怪訝な顔でゼルガディスが振り向いた――その瞬間。ゼルガディスにはアメリアが目の前を飛んでいったように見えた。自分の見たものに思わず呆然とする。
 確かに彼女は飛んでいた――アレンに向かって。
「なんてことするんですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 どめぎゃっ!
「むげっ!?」
 アメリアの飛び蹴りは見事なまでにアレンの顔にヒットした。そのまま変な悲鳴をあげて床に倒れる。
「…………いやまあいいんだけどな。それでも」
 はっと我に返り、なんとなく悲しくなりながらゼルガディスがうめく。その直後、後頭部を思い切り殴られた。
 思いもよらぬ不意打ちを受けて、ゼルガディスもそのまま床に転がる。うつ伏せに倒れた彼の背中に足をのせて、後頭部を殴った張本人――クラヴィスは、険悪な表情で言った。
「今のはしっかり避けられたろ」
「避けなくても大丈夫なら……」
「良くないっ! お前はどーでもいいんだっ! その切られた服を誰が直すと思ってんだっ!? ああっ!? どーせめんどくさいとか言って自分じゃやらないんだろ!?」
 小さく反論したゼルガディスにぴしゃりと言い放って、クラヴィスは彼の背中に全体重をかけた。



「で? どうしてまた俺を狙ったんだ?」
 呆れた表情でゼルガディスはアレンに尋ねた。
 部屋にいるのは、ゼルガディスとクラヴィス、そしてアレンの3人のみ。アレンの顔面に足跡をつけたアメリアと言えば、セシルに会うために孤児院へと出かけていった。
 しばらく黙っていたアレンだったが、やがてぽつりと口を開く。
「……セイルーンに仕官したかったんだよ」
「“あの”セイルーンにか? 正気か? あんた」
「物好き以外の何者でもないな。わかってるのか? “あそこ”がどーいう国なのか」
 ひきつり顔で返してくる2人にアレンはさすがに困惑した。
「……セイルーンって、そんなにまずい国なのか……?」
 問われて、ゼルガディスとクラヴィスは顔を見合わせる。
 セイルーン……あの強力なキャラクターたちが治める国である。あの爆裂暴走娘――アメリアのことだが――なんぞまだまだかわいい方である。あそこの国には、彼女の原型がいるのだ。その他にも彼女の姉がいるらしいし、とにかくロクな国ではない。
 あの国で戦争が起こらないのは、平和主義を掲げているだけではなく、あの王族を敵に回すと恐ろしいと言う理由も少なからず存在すると2人は確信していた。
 そんなセイルーンに仕官するのだ。国に仕官すると言うことは、直結として国の主たる王族に仕官すると言うことと同値。つまり、あの爆裂暴走娘の一家に仕えると言うことなのだ。
 クラヴィスが嘆息して遠い目をした。
「……やめておいた方が良いと思うな……オレは」
「右に同じく」
 ゼルガディスも頷く。
「そ、そうか……」
 2人のしみじみとした態度にわけもわからなかったが、アレンも思わず納得した。こくこく頷き続けるアレンにゼルガディスが話を促す。
「で? たかが国一つに仕官するのにどーして俺を狙う必要があるんだ? あーいうのって普通、公募制だろ」
「ああ、確かに公募制だが、やはりそれなりに推薦状というものが必要でな。コネがなかったので、直接国王に推薦をいただこうと謁見したのだ」
「馬鹿かお前は」
「どうしても仕官したかったんだっ! だが、国王は現在、病気で療養中ということで、代わりに次期国王でいらっしゃるフィリオネル殿下に謁見したのだ」
「すみません、オレっち先が読めたんですけど……」
 額に手を当てクラヴィスがうめく。
 ゼルガディスはといえば、こちらもだいたいの察しはついたのだろう。その場に頭を抱えてしゃがみこんでいた。
 怪訝な顔をしながらもアレンは続ける。
「殿下はやはり推薦するにはそれなりの功績が必要だとおっしゃった。
 ではどうすればいいかと尋ねたところ、ひとりの男を連れてこいという命を受けてな。死なない限りに怪我さしても構わんとのことだったので、一気に戦意を喪失させようと立派でナイスな作戦を立てたわけだが……結果はまあ見ての通りだ。
 ところで、こちらも一つ訊きたいのだがな、ゼルガディス」
「……なんだ?」
 疲れた表情でゼルガディスが尋ね返す。至極真面目な顔をしてアレンが訊いてきた。
「お姫さまをたぶらかしているというのは本当か?」
「…………は?」
 言葉が理解できなくてゼルガディスは間の抜けた声をあげた。その様子にアレンは更に続ける。
「この間も城に戻ってきた姫を城からさらっていったらしいではないか。城の者からもいろいろ聞いた。世間知らずの姫にあることないこと言って信じ込ませたり、身の回りのことをすべてやらせているとか、愛玩動物のように可愛がっているとか!
 だいたい殿下がおっしゃっていたぞ。
『ゼルガディスという男はわしの娘を連れまわしてあぁぁぁんなことやこぉぉぉぉんなことをしている』と!」
「す・る・かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 絶叫しながら立ち上がる。ゼルガディスの態度にアレンがつまらなそうな顔をする。
「……違うのか……」
「というか、実際問題としてそーいうことしたくてもいまいち踏ん切りがつかない状態なわけよ。お子様なゼルガディスくんとしては」
「をを、父ちゃん坊やという奴だな」
「……なんか違う気もするけど……まあそんなもんだ」
 アレンに近づき、こそこそと会話するクラヴィスの頭をゼルガディスは蹴りつけ、バランスを失い床に転がる彼の頭をそのまま踏みつける。
「ク・ラ・ヴ・ィ・ス! なにてめぇまで要らぬことを暴露しているのかな!?」
「あああゼルガディス。年上を足蹴にするとはなにごとだっ!?」
「はっはっはっ。なんも聞こえんなぁ。
 にしても、あんのくそじじぃはなんつうこと言ってやがる」
 険悪な表情をしながらゼルガディスがうめく。
「……と、いうことは姫が君らと共にいることは確かなんだな。して、その姫はどこにいるのだ? 出会った時から姿が見えんが。もしかして極度の低血圧でまだ眠っている、とか?」
 その言葉にゼルガディスは怪訝な顔をする。おそらくクラヴィスも頭さえ踏まれてなかったら似たような顔をしていただろう。ともかく、ゼルガディスは首を傾げながら答える。
「……アメリアだったら、さっき出かけたが」
「アメリア? いやあの女ではなくて、姫の方だ」
「いやだから……アメリア。アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。あんなちんちくりんでも一応お姫さまだ」
「あの凶暴女が姫だとっ!? ううみゅ、おそるべしセイルーン……」
「だろ?」
「……アメリアちゃんが聞いてたら絶対死ぬほど怒りそうな台詞だなそれ……」
 足の下から聞こえてくる声にゼルガディスは不気味なほどにっこりと笑いながらさらに力を入れた。
「クラヴィス。死にたかったらアメリアに言ってもいいんだぞ? ちゃんと骨は犬の餌にしてやるぞ?」
「あああもう何も言わないからお願い足退けてぇぇぇぇぇぇ」
 クラヴィスのうめき声が部屋に響いた。



    +++ 白の奇跡 4 +++



「っくしゅん!」
 小さくくしゃみをして、鼻の下をこするアメリアにセシルは心配そうな顔をした。
「大丈夫? おねいちゃん、風邪?」
「んー……多分違うと思うけれど……それで、セシルのお兄ちゃんの話よね」
 にっこり微笑んでアメリアは言う。心配そうな顔をしていたセシルだったが、彼女のその顔を見て安心したのか、それとも大好きな兄の話に触れるからか満面の笑みを浮かべながら話しだす。
「お兄ちゃんはね、すごく優しくて強いんだ! ボクがいじめられた時もいつもずっと一緒にいてくれたの!」
 一生懸命に彼女に兄の素晴らしさを語るセシルの顔をアメリアは始終微笑んで見つめていた。
 純粋な兄への想いが彼の表情からは溢れていた。
(……昔のわたしそっくり)
 いつも6歳年上の姉にまとわりついてた幼い日々。
 母親を失って、誰かに甘えたかったのだろう。年がら年中、くっついて姉と同じことをすれば姉は苦笑いしながらも自分に優しくしてくれた。
 でもそんな時間は永遠には続かなかった。
 セシルの顔がどんどん曇っていく。最後には俯いてしまう。
「でもね、お兄ちゃん出ていっちゃったんだ。ボクを置いて。
 この国の偉い兵士さんになって、たくさんお金を稼いで、ボクが幸せに暮らせるようにするために出てっちゃったんだ。
 ボクはお兄ちゃんさえいてくれれば幸せなのに……」
「兄姉(きょうだい)なんて本当に身勝手よね」
 アメリアがぽん、とセシルの頭に手を乗せながら言う。怪訝な顔をしているセシルに苦笑する。
「わたしもね、お姉ちゃんがいるの。セシルみたいにいつもいつも一緒にくっついていって、いつも困らせていた。
 そんなある日、『わたし、旅に出るから』て言ったっきり帰ってこなくなっちゃった」
「ひどいよっ!! アメリアお姉ちゃんがかわいそうだっ!」
 まるで自分のことのようにセシルが怒り出す。おそらく自分と重ねあわせているのだろう。アメリアはに笑って、少年の頭を撫で回す。
「さあ、こんな悲しい話はもう終わり。
 そう言えば、セシルはサンタさんになに頼んだの? 明日だよね、クリスマス・イブ」
 セシルが真っ直ぐにアメリアを見つめながら口を開いた。
「あのね……ボクが欲しいのは……」



「ひっじょぉぉぉぉぉにマズイ。時間無さ過ぎだ」
「お前がアメリアちゃん関係で時間に余裕があった時なんてただの1回もなかったろ。
 だいたい悩みすぎなんだよ。彼女の身分のことまで考えて物を選ぶなんざナンセンスだぞ。いいじゃねぇか、どんな些細なものでもアメリアちゃん喜んでくれるんだから」
「まあ、あいつならどんな物でも……なんだ、その……『俺から貰った』てことがまずはじめに嬉しくて喜ぶんだろうが……」
「……なに顔を真っ赤にしてんだか……」
 呆れたようにぼやくクラヴィスをゼルガディスは無言で睨みつける。そっぽを向いてその刺々しい視線をかわしながら、クラヴィスは視界に入った貴金属屋を指差した。
「あーほらあそこになんか良いのがあるかもしれないし、いくぞ。ゼル」
「むぅ」
 うめくように返事をしながらゼルガディスもクラヴィスの後ろを追って店内に入っていった。



 やはり年越しくらいは自分の故郷で、などと思う旅人が多いのか、この時期の宿はあまり人が入ることはない。
 かなり空いている部屋を一つ借りるためにアレンが手続きをしている時に帰ってきたのはアメリアだった。
 彼女の姿を見て、アレンは何かを言いたそうだったが、口を開きかけたところで受付係に部屋の鍵を渡されてタイミングを失い、そのまま立ち去ろうと身を翻した。
「……この宿に泊まるおつもりなんですね」
 後ろからかかった声にアレンは仕方なく振り返る。
「私に野宿をしろ、とでも言いたいんですか?」
 嫌味を込めて、答える。
 だが、アメリアは怒りもせずにまっすぐに彼を見つめた。
「孤児院に行ってきました」
「…………」
 その言葉に微かに反応して、アレンが視線をそらした。
 彼女は続ける。静かに。
「そこで1人の少年と話していました。セシル=グロスターシャ。ご存知でしょう?
 あなたのたった1人の家族の名前くらい」


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5234をを、帰ってみれば続きが!雫石彼方 E-mail 12/21-21:14
記事番号5230へのコメント

雫石だす。
昨日は鍋やって、カラオケでオールだったっすよ!帰ってきてから10時間ほど寝て、ここに来てみればねんジーの続きがアップされててちょっと嬉しかったよ☆

ゼル、子供にすら嫉妬するんだね・・・・心の狭いやつめ(笑)まあ、人間外生物にさえ嫉妬する男だからね、彼は(^^)でもそんな君がたまらなく好きさ♪
にしてもアレン、セシルのお兄さんだったのねー。セイルーンにどうしても仕官したかったのも、大国に仕官してお金稼いでセシルを幸せに暮らせるようにする為かな?

ねんジーはすごく忙しい時期だろうし、これからは更に大変になっていくだろうから、続きは気長に待ってますわ〜☆
頑張れねんジー!(><)


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5241実はなんも進展していない続きがっ!(笑)ねんねこ E-mail URL12/22-13:34
記事番号5234へのコメント


>雫石だす。
>昨日は鍋やって、カラオケでオールだったっすよ!帰ってきてから10時間ほど寝て、ここに来てみればねんジーの続きがアップされててちょっと嬉しかったよ☆

そ、それはまたえらく素敵な一日の過ごし方したなおい(笑)
いやあ、そろそろ本気で投稿せにゃ絶対にクリスマスにまで間に合わないし……
そうすると色々な障害が・……(汗)

>ゼル、子供にすら嫉妬するんだね・・・・心の狭いやつめ(笑)まあ、人間外生物にさえ嫉妬する男だからね、彼は(^^)でもそんな君がたまらなく好きさ♪

さあ斬れ斬れその剣で〜アメリアに近づくやつぁ斬っちまえ〜♪
すみません。いろいろあってこの頃ねんジー壊れまくりです。

>にしてもアレン、セシルのお兄さんだったのねー。セイルーンにどうしても仕官したかったのも、大国に仕官してお金稼いでセシルを幸せに暮らせるようにする為かな?

うみゅう。ねんジー兄弟いないからよくわからないんだけど、やっぱりすごく嫌ってても家族って一番大切なものだから、そのためだったら何でもできると思うわけよ。
……まあ、今事件を起こしまくってるくそじゃりども(失礼)がどう思ってるかは知らんがな。

>ねんジーはすごく忙しい時期だろうし、これからは更に大変になっていくだろうから、続きは気長に待ってますわ〜☆
>頑張れねんジー!(><)

ありがとうっ!
でも続きはさっさとだす予定でいます……行き当たりばったりで全然書いていないがな(死)
メールも今日中に送ります。なんとなく思いついたくだらない小話つき。
期待せずに待っててねん♪
ではっ!


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5240お針子クー君(笑)桐生あきや 12/22-06:48
記事番号5230へのコメント


 どもっ。桐生です。
 何やら、ここにきてクラヴィス君にハマリそうな気配がビシバシ(笑)。
 ゼルの服はクー君が、かがってるのね。
 アメリアはどうなんだろ?
 お裁縫やったことがなくて、実はクー君二人分縫わされているとか(笑)。
 料理も裁縫も家庭的なことすべてダメな桐生としては、かなりメロメロっす。
 くうっ、いい男だ(ワケがわからん)。
 ファンクラブに入ろうかな……。

 まともな年越しを願うクラヴィス君の気持ちがよーくわかります(笑)。
 去年、実家に帰った翌日から40℃の高熱だしてぶっ倒れ、哀しい大晦日と正月
を迎えて、結局東京に帰る日の2日前まで寝込んでいた私としては(^^;
 あとはもう、子どもだろうと人間外だろうと、対象を選ばず嫉妬するゼルがステキ。
 やっぱりねこちゃん(勝手にそう呼んでみた)の書くゼル大好きだよう。
 なんたって、サンタさんは十二つ子だからね!(意味不明)
 ごめん、なんだかとってもテンションが高くてワケわかんなくなってる(−−;
 壊れる前に、切り上げよう………。

 ではでは。また。

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5242なんでだぁぁぁぁっ!(笑)ねんねこ E-mail URL12/22-14:12
記事番号5240へのコメント

> どもっ。桐生です。
> 何やら、ここにきてクラヴィス君にハマリそうな気配がビシバシ(笑)。

なんでだぁぁぁぁっ!(笑)
なにゆえクーにハマって行く人が続出するのだっ!?
現実社会にいたら、どー考えてもろくでなしのよーなこんな男がっ!
いやまあ嬉しいことです。ありがとう、あっきー。

> ゼルの服はクー君が、かがってるのね。
> アメリアはどうなんだろ?
> お裁縫やったことがなくて、実はクー君二人分縫わされているとか(笑)。

ある日の出来事。
 今日はゼルガディスが図書館にこもりっきりなので、各自自由行動ということになった。最初はゼルガディスについていったアメリアだったが、あまりにも相手にしてもらえないのと暖房がない部屋で寒かったのを理由に彼を置いてさっさと宿屋に戻ってきていた。
 自分の部屋に戻ろうとして、ふとゼルガディスの部屋の方を見てみれば、扉が微かに開いていた。
「……クラヴィスさんがいるのかしら?」
 ひょい、と部屋をのぞいてみると、その視線を感じたのか鼻歌を歌いながらなにやら作業していたクラヴィスが彼女の方を見る。
「アメリアちゃん、どーしたんだい?」
「いえ、なにしてるのかと思って……」
「ああ、パッチワーク。模様の違う布を縫い合わせて模様を作ってくんだ」
「……面白そうですね」
「んー、まあ、はじめはボケ防止のためにはじめたんだが……ほら、色々細かい手作業してるとボケにくくなるって言うだろ?」
「ねえねえクラヴィスさん、わたしもやってもいいですか?」
「いいよん」
 彼の快諾にアメリアは満面の笑みを浮かべると、その場にちょこんと座り込み、針に糸を通し始めた。

 その日の晩のことである。
 アメリアの異様な態度にゼルガディスが気づいたのは、帰ってきて彼女と顔を合わせた直後だった。自分の顔をみるなり、さっと両手を隠す。
「……アメリア?」
「な、なんでもないですっ! 全然っ!」
「そーは言ってもなぁ・……」
 ゼルガディスは彼女に近づくと無造作に背中に隠された右手を掴む。
「うにゃあ!? だ、ダメですよっ! ゼルガディスさんっ!」
「……どーしたんだ? これ……」
 彼女が彼に手を見せなかった理由はその両手の状態のせいだった。親指から小指まですべての指に1枚ずつバンドエイドが貼られているのだ。一瞬新手の指を細くする方法かなどと真剣に考えたが、タダでさえ細っこい指をさらに細くする必要はない。
 無言で見つめてくるゼルガディスの視線に負けて、アメリアはしぶしぶ昼間の出来事を話した。

 どたどたどたどたどたどたっ!
 ばだんっ!
 すごい勢いで階段を駆け上がり、自分の部屋――つまり、クラヴィスの部屋を勢いよくあけると、ちょうど、クラヴィスが窓から身を乗り出しているところだった。
「あ、あは。ゼルちゃん。ずいぶんお帰りが早いことで……」
「ん・な・こ・た・ぁ・ど・う・で・も・い・い・ん・だ!」
 すごい剣幕でクラヴィスを睨みつける。
「お前、俺のアメリアになんつうことさせるんだっ!? あんなに傷作るまでお前の変な趣味につき合わせるなっ!」
「あ、あれは不可抗力だっ! なんて言うか刺し方が尋常じゃないんだよっ! なんで一度に3ヵ所も指に刺せるんだっ!? 別の意味ですごい器用だぞ、あの娘っ!」
「言い訳をするなぁぁぁぁぁっ!」
 どげしっ!
 かなりご機嫌斜めなようで、ゼルガディスはそのままクラヴィスを蹴り落とし、窓をぱたん、と閉めた。
 ――その日、ゼルガディスに許してもらえなかったクラヴィスが、宿屋の横で1人寂しく野宿しているのを付近の住民が目撃していたと言う。

お粗末さまでした。

> 料理も裁縫も家庭的なことすべてダメな桐生としては、かなりメロメロっす。
> くうっ、いい男だ(ワケがわからん)。
> ファンクラブに入ろうかな……。

なんの活動もしていないファンクラブにですか?(笑)
と言うか活動できないだろ……たかがオリキャラ程度に。

> まともな年越しを願うクラヴィス君の気持ちがよーくわかります(笑)。
> 去年、実家に帰った翌日から40℃の高熱だしてぶっ倒れ、哀しい大晦日と正月
>を迎えて、結局東京に帰る日の2日前まで寝込んでいた私としては(^^;

うわっ、つらっ!
ああでもお正月、田舎に帰っているときに
『なんだかほっぺがはれてるんだよねー』
『きっともちの食いすぎでしょ』
などと言う微笑ましい会話をした数時間後、実はおたふくだったと言うことが判明して、そのまま布団に直行と言うことはあった。
どっちもどっちだなぁ。

> あとはもう、子どもだろうと人間外だろうと、対象を選ばず嫉妬するゼルがステキ。
> やっぱりねこちゃん(勝手にそう呼んでみた)の書くゼル大好きだよう。
> なんたって、サンタさんは十二つ子だからね!(意味不明)

ねこちゃんねこちゃん♪さらに広がるねんねこの呼び方(笑)
ていうかあんなゼルでいいのかという代物なんですけれど……と言うか『ゼルガディス』と言う名前を名乗っているオリキャラになりつつある今日この頃。
『私のゼルさまこんなへんちくりんじゃないわっ!』と暴動が起こるんではないかとびくびくしている日々を送っているのだが・……そうか。人によってはウケてるんだ……ううみゅ。

> ごめん、なんだかとってもテンションが高くてワケわかんなくなってる(−−;
> 壊れる前に、切り上げよう………。

大丈夫かぁぁぁい?(笑)
常にテンション高すぎのねんねこはいつもわけわからないことしてます(笑)
突然家で『はにょぉぉぉんっ!』とか叫ぶ。
でも、答えが返ってくる(笑)へ、変な家だ……

ていうわけでしーゆーあげいんっ!