◆−聖なる夜には…(ガウリナ)−早坂未森(12/24-21:15)No.5273
 ┗Merry Christmas(ゼルアメ)−早坂未森(12/24-22:27)No.5274


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5273聖なる夜には…(ガウリナ)早坂未森 E-mail URL12/24-21:15


みなさんのクリスマスネタに対抗(するな)して、未森もクリスマスネタ。
ガウリナです。

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聖なる夜には…





クリスマス。

誰だったか、偉い人の誕生日。

旅に出る前は、姉ちゃんと、父ちゃんと、母ちゃんと。
親子四人で祝った。

旅に出てからは、かなり露出度の高い、馬鹿でかい高笑いをする女魔道士と過ごした。

そして、三年前からは。

ガウリイと、ゼルガディスと、アメリアと。
みんなと過ごした。

そして、今年は。
―ガウリイと二人っきりの、クリスマス。




―今年は、ガウリイさんと二人っきりですね♪リ・ナ・さん(はぁと)


二人っきり…二人っきり…二人っきり…二人っきり…


あたしの頭の中で、前会ったときに言われたアメリアの声が木霊する。
そう、今日はクリスマス・イヴ。
なんと今年は、……その、ガウリイと二人っきり、なのだ。
………いや、もお既に…なんていうか…その、そぉいう……関係……にはなれたワケだけど。
アメリアに言われた言葉が気になって気になって。
ついついガウリイを意識してしまう。
おかげで今朝はまともに会話が出来なかった。

―今年のクリスマスこそ、二人の仲を進展させるチャンスですよっ!リナさん!

また、アメリアに言われた言葉がよみがえる。
……進展…ねぇ。
どうしろっていうのよ。
#もうしちゃったもんねぇ♪
なんか言った?
#いえなんにも。



「あんた達は、今夜はどうするんだい?」
「ほへ?」

思う存分、少しガウリイを意識しながらもお昼ご飯を食べ、ガウリイがトイレに行った後。
宿のおばちゃんに、いきなりそう言われた。

「今夜って?」
「ほら、今夜はクリスマス・イヴだろう?そこのキレイなおにーさんとどっか行くのかい?」
「え゛…」

き、キレイなおにーさん?
てことは、ガウリイのこと、だよね???

「どこか行く予定なら、広場の噴水に行くといいよ。クリスマスツリーがあるからね」
「いえ、あの…」
「それか、教会に行くのもいいよ」
「いや、だから」
「けどあんたも幸せだねぇ、あんなキレイな恋人がいて」

…き、キレイなこいびと…

「いえ、あいつとは別に…」
「まぁまぁそんな謙遜しなくてもいいじゃないか」

…聞いてないよおばちゃん…
でも。
…恋人…か…



「リナ、どうかしたのか?」
「え?」
「さっきからぼうっとして」

…やば。
宿のおばちゃんに言われた”恋人”の言葉が頭から離れなくて…

「べ、別になんでも…」
「そうか?」

―今年は、ガウリイさんと二人っきりですね♪リ・ナ・さん(はぁと)

ぼんっ!

また、アメリアに言われた言葉がよみがえる。
だーっ!!もうっっ!!
アメリアめっ!今度あったときは覚えてなさいよッ!

「別になんでもないからッ!あたし部屋戻る!」
「え、おいリナ!?」

あたしはガウリイにそう言うと、急ぎ足で部屋に戻る。
あんな言葉で真っ赤になっているあたしを見られたくなんかない。
それもこれも、アメリアのせいよっ!!




ー数時間後。
辺りはすっかり暗くなり、いよいよクリスマス・イヴ本番という感じである。
でも、すごく寒そう。
あんなに寒そうなのに外なんか出たくないわよね。

コンコン。

ふと、部屋の扉がたたかれる。
誰、と聞かなくても分かる。この気配はガウリイのもの。

「何?」
「リナ、ちょっといいか?」
「どーぞ」

カチャ…

部屋の扉が開く。

「何のよう?ガウリイ」
「ちょっと、外に出ないか?」

と、ガウリイはにこにこした顔で言う。

「やーよ、寒いもん」
「まぁまぁ、そんな事言わずに」

即座にイヤと言ったあたしにかまわず、ガウリイはにこにこした顔でずかずかと部屋に入ってくる。
そのまま、あたしの腕をつかんでコートを着せる。

「ちょ、何すんのよ!」
「せっかくのクリスマス・イヴなんだから外に出ようぜ♪」
「あたしはヤだって言ってんでしょ!?」
「そんなこと言わずに、ほら行くぞ」
「イヤ〜〜〜!」







「…ウリイ!ガウリイってば!離してよねっ!!」
「ああ、すまんすまん。…ほら、ついたぞ」
「へ?」

つかまれていた腕をやっと離してもらい、辺りを見回すと、町にある丘だった。
丘からは、広場の噴水と、クリスマスツリーがよく見えた。

「…何よ、ここがなんなのよ」

訝しげな顔でガウリイに言ってみる。

「ほら、ここからだとよくクリスマスツリーがよく見えるだろ♪」
「あ、あのねぇぇ…クリスマスツリーを見るためだけに、このあたしを連れ出したわけ!?それに、ツリーなら広場に行けばよく見れるでしょうが!」
「いや、だって広場だと人がいっぱいいるじゃないか」
「だからってねぇ…」

だからってわざわざ丘なんかにつれてこないでよねぇ。

「だってさ、せっかくのクリスマスなんだぜ?どうせなら二人っきりになりたいじゃないか」
「!」

…よ、よくもまぁこっ恥ずかしいセリフをぬけぬけと…(///
今までにこにこ顔だったガウリイの顔が、ふと優しげになる。

「…メリークリスマス、リナ」
「…くらげ。二人っきりになりたいんだったらさっさと言いなさい」
「だって言ったら真っ赤な顔で呪文ぶちかまされそうだったから」
「………馬鹿くらげ………」
「くらげで結構」

そう言ったガウリイの顔がふと近づいてくる。
つられてあたしも目を閉じる。

―触れるだけの、キス。

でも今はそれで十分。



メリークリスマスv



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#のついてるのは未森(笑)です。
どうだったでしょおか…うぅ、恥ずかしひ。
みなさんのに比べてへぼですなぁ…皆さんが羨ましひ。

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5274Merry Christmas(ゼルアメ)早坂未森 E-mail URL12/24-22:27
記事番号5273へのコメント

今度はゼルアメです(爆

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Merry Christmas




クリスマス。

恋人たちが町に出て、それぞれ楽しく過ごす、そんな日。
もちろん、例外の人もいるけれど。
だけど、クリスマスには大切な人と過ごしたい…そう思う人は数多くいた。
聖都市セイルーン第二皇女・アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンも、そのうちの一人だった。
もちろん、相手はあの人。

―ゼルガディス=グレイワーズ。
レゾの狂戦士、白のゼルガディスと呼ばれた男だった。



「…はぁ、クリスマスだなぁ…」


アメリアは、私室のベランダから、町並みを見渡し呟いた。
今夜はクリスマス・イヴ。
セイルーン・シティもクリスマス一色になっていた。
町のある場所にはクリスマス・ツリーが立ち、人々が集まっていた。
恋人同士で訪れる者、一人身で来る者、家族で来る者、友達同士で来る者…
それぞれ違うが、一人身以外は皆楽しそうだった。

本当なら自分もあの中にいたはずだった。
いた、はずだった。
なのに、その相手は今、傍にいない。
新しい古い、それらしき資料が手に入ったということで、ずっと客室に篭っているのだった。


「あーあ、つまんない」


本当なら、自分もあの中にいたはずだったのに。
自分も、幸せそうにあの人のトナリにいたはずだったのに。
せっかく、セイルーンに来てくれたのに。
せっかく、頑張ってマフラーを編んでみたのに。

「つまんないなぁ…」

そりゃあ、元の体に戻るのも大切だけど。
だけど、せっかくのクリスマスなんだから、自分と過ごしてくれたっていいではないか。
せっかく会いに来てくれたのに。
せっかく会えたのに。

…つまらない。

―今年は、ガウリイさんと二人っきりですね♪リ・ナ・さん(はぁと)

そう、言ってしまった。
あの時はそれだけだった。
なのに、なんで自分は二人っきりになれないんだろう。

「…む〜〜」

(きっと、リナさん達は二人っきりで過ごしているんだろうなぁ…)

「いいなぁ…」

ポツリと、呟いてみる。
けど、もっと寂しくなっただけ。

ぶるっ

ずっと外に出ていたため、体が冷えてしまったらしい。

「…部屋に入りましょう…」

カチャ…

部屋に入って、カギを閉める。
ふと顔を上げると、一つの包みが目に入る。
―一生懸命編んだ、マフラー。
いつ会えるか分からないけど。
会えたときに渡そうと思って編んだ、マフラー。

「…せっかくですし、ゼルガディスさんに渡しておきましょう」









コンコン。

「ゼルガディスさぁーん?」

…反応なし。

「ゼルガディスさぁーん、入りますよぉ?」

カチャッ…

「あら?」

部屋の中は暗い。
光は机の明かりだけ。
ゼルガディスは、机に向かったまま眠っていた。

「…寝てる…」

いつもはクールに決めている、ゼルガディスのカオ。
でも今は、どこか可愛い寝顔があった。

「…ゼルガディスさんたら」

さっきまで一緒にいられないと言っていたのに。
彼の寝顔を見て、自然と笑みがこぼれた。

クリスマス・プレゼントとなったマフラーを机に置く。
そして、冷たい岩の彼の頬にキスを贈る。

「メリークリスマス、…ゼルガディスさん」



―聖なる夜の、すべての恋人たちに祝福を
メリークリスマス(はぁと)



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ゼルアメ編終わりです。
つ、疲れました…
感想くださいまし…