◆−呪術士の秘薬・・・(ミシェール単行本化記念^^;)−マグロマナティ(1/3-21:45)No.5345
 ┣呪術士の秘薬・・・その2−マグロマナティ(1/3-21:49)No.5346
 ┃┗呪術士の秘薬・・・その3−マグロマナティ(1/3-21:54)No.5347
 ┃ ┗呪術士の秘薬・・・その4−マグロマナティ(1/3-22:00)No.5348
 ┃  ┗呪術士の秘薬・・・その5−マグロマナティ(1/3-22:02)No.5349
 ┃   ┗呪術士の秘薬・・・その6 (終)−マグロマナティ(1/3-22:09)No.5350
 ┃    ┣初めまして!−あごん(1/5-05:51)No.5364
 ┃    ┃┗Re:初めまして!−マグロマナティ(1/8-10:30)No.5370
 ┃    ┗『呪術士の秘薬〜その5』のもう一つの差し替え版(爆)−マグロマナティ(1/8-10:35)No.5371
 ┃     ┗も、もう駄目です…(ぶははは)−ひずみ(1/9-00:11)No.5380
 ┃      ┗Re:も、もう駄目です…(ぶははは)−マグロマナティ(1/10-00:58)No.5386
 ┗かってにスレイヤーズ(爆)(他作品パロディ・完全ギャグ)−マグロマナティ(1/12-01:06)No.5395
  ┗かってにスレイヤーズ(爆)その2・・(終)−マグロマナティ(1/12-01:12)No.5396
   ┣バラは美しく咲く・・・(笑)−あごん(1/13-02:37)No.5412
   ┣知ってますっ!−いちごみかん(1/13-17:26)No.5415
   ┣Re:あははははははっ!?−みてい(1/13-20:32)No.5418
   ┣はじめまして、です!!−砂緒(1/14-02:06)No.5422
   ┗ありがとうございます!−マグロマナティ(1/15-01:09)No.5429


トップに戻る
5345呪術士の秘薬・・・(ミシェール単行本化記念^^;)マグロマナティ 1/3-21:45


新年明けましておめでとうございますーー!

さて。では、ここに。
『祝!スレイ16巻表紙にガウリイ君の背中が写ってるっ!&『呪術士の森』単行本収録記念っ!!』と題しまして!
ガウリイ君のちょっと昔のお話を書いてみましたっ!(何故っ!?)

ガウリイ君の昔の話なので、リナちゃんが出てこなくて、ガウリナファンとしては物足りないですが・・・かわりにすぺしゃるキャラのミシェール(スレすぺしゃる16巻『呪術士の森』登場)が登場しております。(でも断じてガウ×ミシェールでは無し)
一応、外伝のガウリイを目指して書いてみたツモリです。・・一応。(ちょっと・・いや、かなり失敗してるけど^^;)(・・・うっ、なんか、誰も読まないよーな気がしてきた。^^;)

ちなみに、この話は、
『呪術士の森』でのミシェールのセリフ、「以前にある人から、『まずは挨拶から』とアドバイスをもらった・・」を見た時に、直感的に、『こんな発言するのはガウリイ以外にいないっ!!』と思った事から来てます(汗)。
では、始めます!

◆・◆・◆・◆・◆

気がつくと、そこは知らない場所だった。

「・・・どこなんだ・・・ここは。」
ガウリイは、一人ごち、あたりを見回す。
うっそうと茂る木々の風にざわめく音が、静かに森に響く。木々の間にかろうじて伸びる獣道。
まだ昼間だというのにあたりはうす暗い――そんな森の中。

「たしか、このあたりだ・・・って聞いてたんだがなぁ・・」
ガウリイは、頭ぽりょぽりょかきつつ、手にした紙切れ――簡単な地図が描かれているメモに目を通す。
そこには、森を示すでっかいだ円と、その中央にぽつんと描かれた『カルミドーン・シティ』と記された簡単なマークと、赤で『ここ!』と記された星印が描かれている。
どうやら、それはガウリイが行く先を示した地図であるようなのだが――この森の広大さを考えれば、あまりにも簡単な地図すぎた。
ガウリイは、ため息一つついて、その地図を懐へと戻す。

・・・事の起こりは数週間前。ガウリイがとある街で受けた依頼だった。
その依頼とは、
『カルミドーンシティの近くに住む女呪術士から、ある薬をもらってきて欲しい。』
・・・というものだった。
依頼者に渡された薬の代金と引き換えに薬を持ち帰るだけ・・という子供のお使い並に簡単な仕事。さらに成功報酬はかなりの高額。
ためらう事なくガウリイはその仕事を引き受け、この、カルミドーンシティの呪術士の森に来て・・・
・・・そして、キッチリ迷子になったのだった。(笑)

「・・・こんな依頼、受けなきゃ良かったかな・・・」
ガウリイはさらに一人ごちる。
――と、そんな時だった。

「――あれは・・・・?」
少し小高い丘に登った時。ガウリイの視界に、奇妙な光景が映った。
それは、森の獣道を歩く、一人の少年の姿。すっきりと短い銀髪に身軽な旅人の軽装。
一瞬、家出少年かとも思ったが、その立ち振る舞いは旅馴れた人間のそれだった。

ガウリイが妙に思ったのは、少年の少し後ろ――木立に隠れるように動き、ちょろちょろと少年の後ろを後を付ける二人組だった。
それは、おせじにもスマートな動きには見えない、ほとんどシロウトのそれであった。
頭にほっかむりをして、いかにも古着を寄せ集めたような黒い服。体型から、中年男だという事があからさまに見て取れる。
旅なれた様子の少年の後ろを追いかけるシロウト同然な中年男の二人組――
もしかして、生活に困って『追いはぎ』を始めたヤツラなのかと思い、ガウリイは二人組に近づいて――

 ◆・◆・◆

「よぉ、こんなところで何やってんだ?」
ガウリイは、気軽に声をかけた。
「――!?」
突然の問いかけに、声をかけられた者――
旅装束の『銀髪の少年』――が、驚いた様子で振り返る。

少年の年の頃は10才位。明るい緑の瞳。旅馴れた様子の服装に、さらっとした銀髪にはバンダナなんぞ巻いている。
・・・近くで見ると、かなりの美少年である。
驚いた少年の様子にも構わず、ガウリイは親指を後ろに指して、軽い笑顔でさらに言う。

「あ、お前さんの後ろをな。ミョーな二人組がつけてたから、倒しておいたぞ。
――お前さん、家出少年か何かか?」
冗談めかして言うガウリイのセリフに、少年の視線が、ガウリイの後ろ――簡単な当て身を食らわされ、あっさりノビてる中年男二人組に伸びる。
「・・・お、お兄さんは・・・?」
視線をきょろきょろ動かし、ガウリイの顔へと視線を移す銀髪の少年。

「ああ。オレはガウリイ。通りすがりの傭兵だ。」
「ぼ、ぼくは・・・リビウス、っていいます。
この森に住む、ミシェールって呪術士に『秘薬』をもらいに行く途中なんですが・・」
ややオドオドした様子で言うリビウス。
「ほう!それはちょうど良かった。
いやさー。実はオレも、その呪術士にその、『薬』をもらいに行く途中だったんだがな・・・道に迷っちまって困ってたんだ。
どーだ?そこまで案内してくれねーか?」
リビウスの肩をぽんぽんっとたたき、屈託ない笑顔で笑うガウリイ。
「・・・へ?
お、お兄さん・・・お兄さんも、あの『秘薬』をもらいに行く途中だったの!?」
ガウリイの言葉に、心底驚いたような顔を見せる少年。
「まあ、な。」
「・・・ふーん・・・?まあ、案内くらい、イイけど・・。」
「おっし!そーと決れば話は早いっ!それじゃ行こうぜっ!」
言うとガウリイは、案内役のハズである少年を置いて、先へと進む。
その動きに沿うように、ガウリイの長い金髪がさらっと風になびく。

「・・・兄ちゃんにあの『薬』は・・・必要・・・なさそうなのにな・・・。」
少年はちらり、と風になびく金髪を眺め、小さく呟いたのだった。

 ◆・◆・◆

「・・・薬を分けて欲しい・・・ですって?・・・くくくくく・・・」
カルミドーンシティ近くの森にある、ミシェールの小屋。
ようやくそこにたどりついたガウリイ達は、さっそくミシェールに『薬』をわけてもらう交渉を始めていた。

「え、ええ・・・まぁ・・・。」
イキナリアヤシイ含み笑いしまくるミシェールにやや圧されつつも、なんとか言葉を返すガウリイ。
「・・・そぉ・・・あの薬を、ねぇ・・・くくく・・・・」
ミシェールは意味ありげな含み笑いを続ける。
うす暗い色のマントを全身に覆い、目深にかぶったフードの下にかろうじて見えるのは、口元のみ。
しゃべっていなければ、性別すらも判別できないような格好である。
その上、時々思い出したかのように、アヤしい含み笑いをもらす。
彼女の格好と言動は、かなり・・・いや、掛け値無しに呪術士らしかった。

・・・ここまで呪術士らしい呪術士もめずらしいよな・・・
あちらこちらを見回しつつ、ガウリイはこっそり思う。
ミシェールの小屋は、うっそうとした森に囲まれ、あたりからは見えにくく、日もロクに差さない薄暗い位置にあった。
その為か、小屋の中は夜みたいにうす暗・・・くじめじめとして、かなり陰気な様相を呈していた。
やたらと鼻につく、どこからともなく漂う薬の匂い。
ずらっと並んだ薄汚れた棚には、何やら毒々しい色の薬瓶がずらっと並び、床の上には所狭しと様々な書物が山積みされている。
かまどに置かれた人一人入りそうな程大きい鍋には、何やら得体の知れない液が満たされ、ぐつぐつと紫色の湯気を立てていた。

と。ガウリイが辺りをきょろきょろ見回しているその間。
フイにミシェールが、ガウリイ達にゆっくり近づいてくる。途端につんと強くなる薬の匂い。

「・・・・くくく・・・あなた達・・・」
「な、何でしょうか?」
冷や汗かいてリビウスが答える。
「・・・運が良いわね・・・・その『秘薬』の瓶は、ちょうど、あと二つだけ残っているのよ・・・くくくくく・・・。」
「で、では!!ミシェールさん!その残り二つを、分けてもらえるんですかっ!?」
途端に勢いこんで言うリビウス。
「・・・くくく・・・
残念だけど・・・この『秘薬』は、年に一度、わずかに作れるかどうかの貴重な薬・・・・
そうそう簡単に、分けてあげる訳にはいかないわね・・・くくくく・・・」
「そ、そんな・・・」
ミシェールの言葉に、リビウスが絶望の表情を見せる。
「――『秘薬』って・・・そんなスゴい薬なのか?」
そんなリビウスに、こっそり耳打ちするガウリイ。
「・・・って!!おいおい!ガウリイ兄ちゃん!
スゴイってモンじゃないってっ!!」
ガウリイの言葉に、再び勢い込んで言うリビウス。
「この『秘薬』はなー!この時期、この季節に、ほんの少ししか取れない貴重な薬草を、呪術士が特殊な呪術をかけて作る――数がかなり限定された、超貴重な『秘薬』なんだよ?
その為に、毎年!この薬を巡って各地で男達の熱い戦いが繰り広げられる――という、伝説の『秘薬』でもあるんだ!
だから――手に入れるのが相当大変なんだよ!」
「・・・な、なんかわからんが・・・そんなスゴい薬だったのか。」
なるほど。ソレならあの高額な依頼料も納得が行く。
恐らく、さっきリビウスを付けていた男達もその『薬』がらみなのだろう。
思いをめぐらせ、しみじみと頷くガウリイ。

「・・・って、ガウリイ兄ちゃん・・・そんな事も知らずに『秘薬』を手に入れようとしてたの?」
かなり興奮した様子のリビウス。
「い、いや・・・オレはただ単におつかいのツモリで受けた依頼だったし・・・」
なにやら、相当この『秘薬』に対して思い入れがある様子のリビウスに圧されるガウリイ。
「・・・『依頼』・・・って・・・。
なるほど、そうだったんだ。」
ガウリイの言葉に、何やら納得するリビウス。
「まあ、確かに・・・見た所、ガウリイ兄ちゃんには、この『秘薬』は無関係そうだしね・・・。」
言うとリビウスは、自らのバンダナに片手をあて、ガウリイの長く伸びた金髪へと視線を送る。
「・・・にしても、ここまで来て『薬』を分けてもらえないとなると・・」
リビウスは、バンダナに手をあてたまま、真剣な顔で押し黙る。
その様子を見たミシェール、
「・・・くくく・・・
でも、分けてあげなくもないのよ・・・・」
「ほ、本当ですかっ!!」
ミシェールの言葉に色めくリビウス。
「・・・ただし・・・一つ、条件があるんだけどね・・・くくくく・・・」
言うとミシェールは、ガウリイとリビウスに、さらにぐぐぃっ!と近づき、にやり、と笑みを浮かべる。
『どひぃぃぃぃっ!!』
思わず後ろに下がるガウリイとリビウス。
「・・・その条件とはね・・・くくくく・・・
この私と一緒に・・・」
・・・ごくっ・・・
ガウリイとリビウスは生唾を飲んで、ミシェールの次の言葉を待つ。

「・・・街に買い物に行って、アドバイスをして欲しいのよ・・・くくくくくくく・・・」
『・・・・・は?』
ミシェールの意外な言葉に、ガウリイとリビウスは、マヌケな声をハモらせたのだった。


(続く)

トップに戻る
5346呪術士の秘薬・・・その2マグロマナティ 1/3-21:49
記事番号5345へのコメント

その日。
カルミドーンシティは一種のパニックに陥った。

平和な街中を照らす、陽気な午後の陽射し。
数多くの人々が行き交い、買い物客が軒先に並んだ商品を品定めする。
がらごろと音を立て、通り過ぎてゆく馬車。

そんな中、ミシェールは、ガウリイとリビウスを引き連れ、ゆっくりと進んでいく。
最初に彼女が目をつけたのは、一軒の魚屋だった。
「・・・くくくく・・・・ここの店の魚は、なかなか新鮮でおいしいのよね・・・」
言うとミシェールは、ずんずんと店の奥へと入っていく。
「・・・ところで、今日はこの魚をいただけるかしら・・・?・・・くくくく・・・・」
魚を一匹掴んで、店番のおっちゃんにぐぐっ!と差し出すミシェール。
「お・・・おお、おう・・・!
わ、わかりやした・・・・ど、銅貨3枚になりやす・・・」
近づくミシェールに圧されて数歩後ずさりながらも、かろうじて商売をする店のおっちゃん。(あっぱれ、商売人根性(違)!)
だが、ミシェールはフイに、手にした魚に目をやると、
「・・・あら・・・?これ・・・」
小さく呟く。
その途端。
「ひぃぃぃっ!!お許しをっっ!!」
イキナリ数歩下がって土下座を始める店のおっちゃん。
「・・・新鮮さのわりにはかなりお安いわね・・・
くくくく・・・あなた、なかなかサービスが良いわね・・・くくく・・・」
土下座する店のおっちゃんを背に、銅貨3枚を机の上に置いて店を出るミシェール。

その後に、ガウリイとリビウスは黙って続いた。
と、次にミシェールは、たくさんの屋台が並ぶ通りへと足を運ぶ。
屋台街のはしっこには、まだ若い野菜売りの男が、いそいそと売りの準備を始めていた。
ミシェールは、フイに、そっちへと歩みの足を向けると、

「・・・くくく・・・ちょぉっと、良いかしら?あなた・・・?
この大根の値段は・・・・」
ミシェールが行商の兄ちゃんに近づき、話し掛ける。
「おうっ!いらっしゃ・・・・」
作業をしていた兄ちゃんが、顔を上げ――すぐに硬直する。
そして。
「どわああああぁぁっっ!!!!!」

どんがらがっしゃあぁぁんっ!!

行商の兄ちゃんが、ハデに叫んで、商品乗せた屋台をひっくり返して後ろに下がる。
どうやら、この町には初めて行商に来た人らしい。
ミシェール相手に商売するのは初めてなのだろう。
だが、ミシェールはくじけない(笑)
「・・・くくく・・・あなた、見かけない顔ね。・・・この町は始めてかしら・・・?
ところで、そのニンジン・・・・かなり収穫から日がたってるようだけど・・・・くくくく・・・もう少し安くなるわよね・・・?」
怯える兄ちゃん相手に、ぐぐいっと顔を近づけ、淡々と値引き交渉を始めるミシェール。

・・・ニンジンも大根も、相場よりかなりお安く売ってもらえた事は言うまでもない。
ニンジンや大根を抱えて屋台を去るミシェールの後ろを、またも無言でついてゆくガウリイとリビウス。
さっきから突き刺さる、奇異なモノを見るような町のヒトたちの視線がやたらと痛かった。

◆・◆・◆
半日後。

「・・・なあ、ミシェール・・・」
ガウリイが疲れた声で、テーブルの向かいに腰掛けたミシェールに問い掛ける。
時は、すでに夕暮れ近くの食堂。
「そろそろ話してもらえないか?
一体、お前さんは、オレ達に何の買い物のアドバイスをしてもらいたいんだ?
・・・正直・・・オレには、あまり女の買い物に好き好んでつきあう趣味はないんだが・・・」
不機嫌そうに言うガウリイ。
と。
「・・・問題とすることは、ソレかああぁぁぁっっ!!!!」
突然、ガウリイの隣に座っていたリビウスが叫んで立ち上がる。
「何だ?リビウス。イキナリ立ち上がると、テーブルの上の食事がこぼれてもったいないだろーが。」
「もったいない、とかいう話じゃないっ!!!」
テーブルをだんだんたたいて叫ぶリビウス。
「大体!!ガウリイ兄ちゃんはっ!!!この状況を、なんとも思わないのかよっ!!!」
言うとリビウスは――自らの身を包んでいた、うす暗い色のマントを、ばさっと翻した。
「・・・しょーがねーだろーが。
コレがミシェールの頼みなんだからよ。」
ガウリイは、妙に冷静に言うと――自らの顔を覆い隠しているフードのすそを、少し持ち上げる。
その拍子に、フードの影から数本の金髪がこぼれ出た。

――そう。
今、ガウリイ達は、ミシェールと同じ、うす暗いマントとフードを着用していたのだ。
もちろん、ミシェールも、あのマントとフードをかぶったままである。

この街・・・カルミドーン・シティに入る前から、ガウリイ達はこの格好をしていた。
・・・全身を暗い色のマントとフードでおおい隠し、常に意味ありげな含み笑いをするミシェールと、似たような格好をしたガウリイとリビウス。

買い物するたびに、店の人に顔をずずぃっと近づけては店の人をビビらせ、それでも強引に買い物をするミシェール。
全身を隠し切れず、マントのすそからはみ出した鎧やら剣がかたかた物騒な音を立てているガウリイ。
どっからどう見ても普通の子供の手足がマントから見え隠れしているリビウス。

・・・ハッキリ言おう。アヤしすぎる。
はたから見てたら、立派な『ミシェールの手下&誘拐されてるけど逃げ出せずにいる子供』である。

ちなみに今現在も、ノンキに食堂で会話しているようではあるが――
うす暗いマントとフードをかぶったアヤしい三人組が、イキナリ店内に入ってきて、店の隅へと居座って何やらぼそぼそと会話を始めたのだ。
――当然、ものの数分とたたず、食堂にはほとんど人気が無くなった。
人気といえば、逃げ出せない店の人か、時々食堂の窓から物好きなヤジ馬がちらほらその顔を覗かせている程度である。
・・・店のおやじさんの涙する姿が目に浮かぶようである。

「大体っ!なんでぼく達が、こんな格好をしなきゃならないんだっ!!!ミシェール!!」
勢い込んで言うリビウスに、だがミシェールは動じる様子もなく、
「・・・くくく・・・決まってるじゃない・・・・」
相変わらずの含み笑いをもらし、淡々と答える。
ガウリイとリビウスの視線が、ミシェールに集まる。
「・・・なんとなくよ。・・・くくくく・・・・」
 ――がたっ!
ミシェールの言葉に、思いっきり脱力し、テーブルに突っ伏すリビウス。
そのまま動かなくなる。(合掌)
「そ、そうか・・・。それじゃあ・・・。お前さんの言う、アドバイスってのは、何なんだ?」
ミシェールの言葉に、額に一筋の汗を流しつつも、最初の質問を繰り返すガウリイ。
「くくく・・・それなんだけどね・・・
・・・今日、一緒に買い物に付き合ってもらってわかったと思うけど・・・くくく・・・
どうも、私は・・・町の人達と上手くなじめてないようなのよね・・・・」
「・・・・・・・。
それは・・・そ、そうかもな・・・た、多分・・・。」
肩を落とし、疲れたように呟くガウリイ。
「・・・くくく・・・・そこで、相談なんだけど・・・・
私・・・もう少し町の人たちとうちとけたいと思うんだけど・・・。どうしたら良いのか・・・アドバイスして欲しいの・・・」
「・・・・・・・・・うっ・・・。」
ミシェールの言葉に、思わずジト汗かいて呻くガウリイ。

・・・打ち解ける方法・・・って・・・・
ハッキリ言って、かなり根本的な所で、色々と問題があるのを・・・・まずはどーにかしなきゃならないような気もするが・・・何から何を、どう言えばいいのか・・・
ジト汗かきつつ、色々と頭の中でぐるぐると考え込むガウリイ。

「・・・くくくく・・・・どうしたら良いかしら・・・?」
黙り込んだガウリイに、さらに言うミシェール。
その声は真剣そのもの。――誤魔化しは言えない。
困窮したガウリイは、ジト汗かいた頬をぽりぽりかきつつ、

「・・・う〜〜ん・・・そ、そうだなぁ・・・と・・・とりあえず、人と打ち解けるには・・・
――まずは挨拶から、なんじゃないか?・・・多分。」

かなり自信なさげに言うガウリイ。
・・・まあ、間違ってはいない。確かに。
「・・・くくく・・・なるほど・・・まずは挨拶・・・ね・・・。・・・くくくくく・・・それは確かに言えてるわね・・・」
何やら、妙に納得した様子でこくこく頷き、含み笑いをもらすミシェール。
・・・どうでもイイが・・・どっからどう見ても、悪の悪巧みをしているよーにしか見えない。

「人付き合いの基本は、挨拶だしな・・・。ま、とりあえずそこから始めてみればいいんじゃないか?」
ジト汗流しつつ、ガウリイはさらに言う。


・・・ちなみに。ガウリイのこの発言の為に。
数十日後、何の罪もないカルミドーンシティの住人達が、未だかつてなかった恐怖に襲われる事となる。
そしてまた、それが・・・後に、リナ=インバースがここカルミドーンシティで巻き込まれる、ミシェールがらみの事件の発端となったりもしているのだが・・・。
――それはまた別の話である。(参:スレでりしゃす2orスレSP16巻「呪術士の森」(笑))

トップに戻る
5347呪術士の秘薬・・・その3マグロマナティ 1/3-21:54
記事番号5346へのコメント

「ををををっ!!!やったぞっ!!ついにっ!!!ついに手に入れたぁぁぁっ!!!」
夜が深くなった森の、小さな小屋に、リビウスの歓喜の声が響き渡る。

「これが・・・これこそが、ぼくが求めていた『秘薬』っっ!!!」
青い液体が満たされた装飾的な造りの小瓶を手に、感極まり無い様子で涙を流すリビウス。
「・・・くくく・・・約束だったからね・・・
それが、あなた達の求める『秘薬』よ・・・それが最後の二瓶・・・・。大事にすることね・・・・くくく・・・」
相変わらず、フードを目深にかぶったままで言うミシェール。

「ありがとうございます、ミシェールさん!!」
目をうるうるさせて言うリビウス。
「そ・・・そこまで喜ばなくっても・・・でも、ま。ありがとな、ミシェール。」」
同じく、青い液体の入った小瓶を手に、言うガウリイ。

「くくく・・・では、ガウリイさんにリビウスさんも・・・
今日はもう遅いですし・・・どうですか?一晩くらいなら泊めてあげても良いけど・・・くくくく・・・」
「い、いえっ!!謹んで遠慮いたしますっ!!」
ミシェールの言葉に、急に冷や汗かいて、ぱたぱた手をふって断るリビウス。
そのまま、出口であるドアの方へじりじり近寄っていく。
そりゃそうだろう。
薬も手に入れれば、こんなにブキミな小屋からは一歩も早く出たいのが人情というものだ。
だが。

「どうしてだ?リビウス。
ここの森の夜は危険だし・・・今から街へ行くのも、けっこう時間かかるぜ?」
意外な事を言ったのは、ガウリイ。
「・・っな・・ん・・・と?」
唖然とするリビウスを尻目に、ガウリイは続ける。

「いやさ。オレも、この森で何泊か夜を明かしたけどよ・・・
夜寝ている間に、草やらツタやらが絡みついてきたり、しょっちゅう鳥のさえずりが断末魔のような声を残して途切れたり、よくわからん動物の雄叫びが一晩中聞こえたり、歩いていると変な植物があちこちで不自然な動きをしていたするんだぜ?
せっかくの好意なんだ。泊めてもらった方がいいんじゃないか?」
モノスゴイ内容のわりに、気楽にさらっと言うガウリイ。
・・・そんな森で夜を明かして無事でいられるのは、ガウリイと某高笑い女魔道士くらいなモノだろう。

「くくく・・・まあ、ムリに、とは言わないけど・・・・
・・・ここ一ヶ月は、ちょうど吸血植物の動きが・・・か〜な〜り〜活発になる時期でね・・・くくくく・・・
・・・しかも、これからの夜の活動が一番激しくてね・・・くくくく・・・夜、この森を知らない人が歩くには、ちょっと危険なのよね・・・くくく・・・」
ミシェールとガウリイ、二人の言葉に、ドアノブに手をかけていたリビウスの動きがピタリ、と止まり――
やがて、ぎぎぃっと振り向くと、
「・・・・・・・・・・
・・・すいません。泊めてください。ミシェールさん・・・」
素直に頭を下げたのだった。

 ◆・◆・◆

――何かが――来る!

月の明るい静かな夜。
ガウリイは、フト、何かの気配に気付いて目を覚ました。
満月の明るい月光が、しんしんと窓から差し込んでくる。
だが、何か違和感を感じた。・・・それは、ちょうど、誰かが夜襲に来るような雰囲気。
ガウリイはさっと身を起こすと、すぐに、寝ていたソファーの下へと隠れる――と、同時だった。

 がちゃんっ!
窓から何かが投げ込まれ――その一瞬後、何者かが部屋に侵入する気配がする!

――奇襲か!?
ガウリイが思い、剣を構えたその途端。

すぱぱぱぱぱんっ!!

やたらけたたましい音と、激しい閃光が、一瞬より長く、部屋に満ちる。
――閃光弾っ!
とっさに目を閉じたガウリイは、そのままソファーの陰からすべり出るが・・・
「・・・あ、こらっ!ちくしょうっ!!離せ!!」
もみ合う気配と声は、同室で寝ていたリビウスの方からした。
ガウリイは即座に、何者かの気配を追ったが・・・すんでの所で、間に合わなかった。
すぐにその気配はリビウスから離れ、割れた窓から外へと飛び出した。

「リビウス!大丈夫かっ!!」
閃光弾の光はすぐに収まり、部屋に漆黒の闇が戻ってくる。
何者かが部屋から去った事を確認し、ガウリイはリビウスに駆け寄る。
リビウスは、ベットの上でうずくまっていたが、やおら顔をがばぁっとあげると、
「――大丈夫じゃないっ!!!ぼくの『秘薬』が、『あいつ』に盗られたっ!!!・・・ちくしょう!油断した!!」
どうやら、さっきの閃光弾でモロに目をやられたらしく、目から涙が流れ出ている。
「・・・大丈夫なようだな。」
だが、リビウスの啖呵を聞いて、安心するガウリイ。
「・・・くくく・・・何の騒ぎかしら・・・?」
隣室で寝ていたミシェールが、相変わらずのマントとフード姿で、闇からすうっと現れた。
「ちょうど良かった!ミシェール、リビウスを頼む!
オレは――ちょいと、行って来る!ミシェールもリビウスも、ここにいろよっ!」
言うとガウリイは、侵入者が脱出した窓から、外へと飛び出した!

◆・◆・◆

西に傾いた満月が、夜の森をうす明るく照らす。
そんな中、ガウリイはまだ捕らえる事が出来る気配を追って、夜の森をひたすら走っていた。
道を行く途中、時々、何やらアヤしげな草のツタが絡み付いてきたりするが、ガウリイはソレを全て剣でなぎ払い、進む。
・・・あの瘴気の森ほどじゃないが・・・気味悪い森だな・・・
遥か遠くに響く、何かの生物の雄叫びを聞きながら、ガウリイはさらに走った。

やがて――森の中の、少し開けた場所にたどり着くと、ガウリイはそこにひたり、と立ち止まる。
夜の空気は妙に冷たい。
走っているその内に夜が明けてきたか、東の空がわずかに明るくなっているのが、視界に映る。
一見、静かな森だが――そこには、複数の人の気配がしていた。

「・・・おーい、いるんだろ?出てこいや。」
ガウリイは、その人気に向かい、のんびりと声をかける。

瞬間。
その声に答えるように、ざわりっと木立がゆれた。
風が吹いたわけではない。・・・この森の事だから、森の木々自体が動き出しそうな気もするが――そうでもない。
ガウリイを囲む森にあからさまな殺気が膨れあがり、みなぎる。
と同時に。
闇から、しゅっと音を立て、ナイフが飛び来る!

――プロの暗殺者が4人。残り2人は・・・雑魚。光の剣は・・・いらねーな、こりゃ。
殺気から、瞬時に判断を下し、ガウリイはすらっと剣を抜き、飛び来た闇色のナイフをいともあっさりと払い落とす。
すかさずガウリイは、ナイフが飛んできた方向へと走る!続けて飛び来た闇色のナイフを全て払い落とし――そのまま、闇に潜んでいる一人の黒ずくめをめがけて突っ走る。
黒ずくめは、ナイフを数本投げつけるが――ガウリイはそのことごとくを払い落とす。
それを見た黒ずくめは、すぐにガウリイを迎え撃とうと、手持ちの剣を構える。
ガウリイは、黒ずくめに向って剣を振るい、斬りつけようとするが――不意に、ガウリイは予備動作も無しに横に大きくジャンプするっ!
思わぬ動きに、黒ずくめがガウリイに気をとられた、その一瞬。
――どすっ
「・・・うぐっ」
さっきまでガウリイが立ち向かっていた暗殺者に、いきなり前から飛び来たナイフが突き刺さる。
正面からナイフを受け、倒れる暗殺者。
その胸に刺さるは――ガウリイが避ける直前にガウリイの背中を狙って、別の黒ずくめが投げた闇色のナイフ。
「しまっ・・!」
背後でナイフを投げた張本人――少し太った黒ずくめが、声を上げる。
「甘いっ!」
ガウリイは、声を上げた黒ずくめに向かって、逆にナイフを投げつける!
それは、いつのまに拾ったのか、最初に暗殺者の投げ放ったナイフ。
「うどわわわっ!!」
慌ててナイフを交わす黒ずくめ。
その動きは、少しは戦いの経験はあるようだが――どう見ても洗練された暗殺者とは思えない動きだった。
と、ガウリイは、フイに近くに気配を感じ取る。そして。
「――おっとっ!」
ナイフを投げたそのままの姿勢から――ガウリイはくるっと回って、近くにあった木の幹に斬りつける。
「ぐ・・!」
と、そこから、木の幹に化け、今にもガウリイに斬りつけんと構えていた暗殺者が、低く呻いて倒れこむ。
これで、残るは、ザコも含めてあと4人。

「・・・つ、強い!」
黒ずくめの一人がうめいて、後ろへ数歩下がる。
ガウリイはゆっくりと――だが、スキのない動きで立ち上がり・・・その男に視線を送る。
そして、フト、とある事に気付いた。
・・・その黒ずくめは他の黒ずくめ達とは違い、頭にほっかむりをして、いかにも古着を寄せ集めたような黒い服に身を包んでいたのだ。
さっき、誤って味方にナイフを投げた太った黒ずくめも似たような格好をしている。
それは・・・まるでつい最近まで、普通のオヤジをしていたかのような、中年男の2人組だった。
・・・ここまで来て、ガウリイはその中年男達に見覚えがある事を思い出した。

「・・・・・・。」
距離をとり、マトモな格好の黒ずくめ・・・プロの暗殺者が、無言で剣を構える。
残ったのは――マトモな黒ずくめが1人と、シロウト同然の中年男が2人。
・・・気配から考えれば、もう1人は居るが――
ガウリイが思うのとほぼ同じ時。

「・・・やるな・・・貴様・・・」
黒ずくめ達の後ろの闇から・・・・最後の一人の黒ずくめが、すいっと現れ出た。

トップに戻る
5348呪術士の秘薬・・・その4マグロマナティ 1/3-22:00
記事番号5347へのコメント

「お前さんがリーダー格か・・・」
闇から現れた男を眺め、ガウリイは小さく呟いた。

その男は――ここでガウリイが倒したプロの暗殺者達と、ほぼ同じ格好をした男だった。
ただ一つ違うのは、頭から顔を全部隠している他の黒ずくめとは違い、その黒ずくめだけは、顔の鼻から下を黒い布で覆い隠しただけで、頭は隠していない事のみ。・・・その豊かな黒髪が風になびいているのが夜目にもわかる。

「・・・兄貴っ!?」
その男の姿を見とめ、黒ずくめの中年男の一人が言う。
「あ・・兄貴っ!!こいつですぜっ!こいつ!!最初に、リビウスをつけていた俺らにちょっかい出してきたのはっ!!」
中年の黒ずくめ達が、黒髪の両脇に立ち、ガウリイを指差して叫んだ。
「ほら!ウソじゃなかったでしょう!こいつがめちゃくちゃ強かった、って!!俺達が尾行に失敗するのも、ムリありませんでしたよね!」
中年男達が、黒髪の男にしゃべりかけるが――
「やかましいっ!」
ごげっ!げしっ!
イキナリ、黒髪の男が、一声の元に黒ずくめ二人の頭をげんこつで殴り倒した。
頭押さえてしゃがみこむ黒ずくめ二人。

・・・そうか・・・やっぱりこいつらが、オレが最初にリビウスと会った時に、リビウスを尾行していた男達か・・・。
男達のやりとりを傍観しながら、ガウリイはしみじみと思う。

「だいたいっ!!どーしても、というから、お情けで仲間にしてやったというのにお前らは・・・
・・・ロクに尾行もできない言い訳をする気かっ!!」
「だって・・・ホントに強いじゃないですかぁ・・」
思うその間にも、ガウリイの目の前では、延々と三人の男達の漫才が続いている。
・・・だが、ガウリイは油断無く、冷静に三人を見る。
――本気でジャレあってる様にも見えるが――逆に、そう見せかけておいて油断を誘っている、という事もありえるからだ。
現に、残るプロの暗殺者がいつの間にかガウリイの死角へと移動している。・・・もちろん、ガウリイはそれをしっかり把握していたが。

「さて。では、お前の用件を聞こうか。――お前は、何が故に我らの邪魔をする・・・?」
漫才から一転、落ち着いた様子で話し掛ける黒髪に、
「・・・さっき、リビウスから奪った薬を返してもらいたいんだが。」
ガウリイは淡々と答える。
「ほぉう・・・」
黒髪の男が、方眉を上げて、ガウリイを見る。
「残念だが・・・せっかくリビウスから盗った『秘薬』だ。返すわけにはいかないな。」
冷徹な声で黒髪の男は言う。
「そうか。・・・なら、仕方がないな。」
ガウリイは、静かに剣を構えると――戦う意志を示した強圧な気を放つ!
その瞬間!
ざっ!
黒髪の男が、草を踏みしめ駆け出し、他の黒ずくめよりもずっと早い動きで、ガウリイとの間合いを詰める!
――と同時に、死角に入っていたプロの暗殺者から、数本のナイフが放たれるっ!
だがガウリイは、飛び来たナイフを死角の位置にもかかわらず、全て交わし――
――ぎんっ!
剣を引いて、男の剣撃を受け止めるっ!
剣の切り結ぶ音が、夜明け前の静粛な空気の流れる森へと響く。
ニ、三度切り結ぶと、ガウリイはすぐに剣を引き、黒髪の男から距離を取って間合いをはかる。
と、そこへ、
「はっ!!」
背後の死角にいた暗殺者が、ガウリイの開いた背に遅いかかるが――
ガウリイは、背後の黒ずくめの剣の軌道を読んだかのような動きで、斜め前にさっと飛んで、その剣を交わす。
――ガウリイの思わぬ動きに、空振りをする黒ずくめ。
瞬時に構えなおし、黒ずくめに斬りかかろうとするガウリイ。
・・・だが!

――ひゅどっ!

イキナリ別方向から飛んできた矢が、スキの生まれた暗殺者の心臓へと突き刺さり・・・ガウリイの目の前で、暗殺者がゆっくりとその場に倒れ伏す。
「――何っ!?」
黒髪の男が驚愕の声を上げる。
倒れた暗殺者は、もはや動く様子もない。
「・・・・・・・・。」
矢が飛び来た方の闇を無言で見やり、ゆっくりと身を起こすガウリイ。
その動きに従い、ガウリイの金髪が夜明け前のかすかな月の光を受け、銀に輝き流れる。
そして。
「・・・一応、『ここにいろよ!』とは言っておいたんだがな。
――リビウス。」
ガウリイは、静かに闇の向こうへと話し掛ける。
「・・・・・・。
言いつけを破っちゃって、悪いとは思ってるよ。ガウリイ兄ちゃん。
でも、一応・・・そこにいるそいつらのリーダーは・・・ぼくの長年のライバルだから、さ。」
言って、ガウリイの視線の先の闇から現れたのは――小さな弓を手にした、リビウスの姿だった。

◆・◆・◆

「――リビウスだとっ!?」
黒髪の男が驚いて、後ろを振り向く。
そこには、西に傾いた月に照らされた銀髪の少年――リビウスの姿。
「やあ。
久しぶり・・・と言いたい所だけど。さっきはよくもやってくれたね。・・――マッド。」
言ってリビウスは、手にした弓に新しい矢をつがえる。
その弓は普通の弓と違い、片手で撃てる仕掛けになっているらしく――リビウスは、それを片手で構える。(一言で言えば、ボウガン)

「・・・知り合いか?リビウス。」
ガウリイが問い掛ける。
「マッドは、ぼくの長年のライバルだよ。ガウリイ兄ちゃん。
前に言っただろ?毎年、呪術士の『秘薬』を巡って熱い戦いが繰り広げられるって。
・・・結構多いんだよ。呪術氏の所へ行かないで、薬を持っている人間から奪おうとするヒト。」
「それが、そこの男・・・って訳か。」
ガウリイは、静かに剣を構える。

「ずいぶんと人聞きが悪いな・・・リビウス。
我らはただ単に、呪術士から『秘薬』を買うだけのお金が無いから、持つ者から奪い取っているまでの事。
――呪術士の所に行くのを面倒くさがってるように言ってもらっては困るなっ!!」
顔にかかった黒髪をはらいのけ、黒髪の男――マッドが言う。

「・・・いや、どっちかというと、盗む方が問題があるような・・・」
マッドの言葉に、ツッコむガウリイ。
「まあ、ソレはソレとして・・・・」
リビウスが静かに弓の標準をマッドへと向ける。
「ぼくから奪い取った『秘薬』。返してもらおうか。・・・マッド!」
「・・・ふっ。それは、この『薬』の事かな?」
黒髪の男は余裕の表情になると、懐から、青い液体の入った小瓶――ミシェールからもらった『秘薬』を取り出し、ちらつかせる。
「せっかくお前から盗った『秘薬』を、おめおめ返すわけないだろーが。」
バカにした声でマッドは言う。
「・・・というか、戦いの最中に、取り合ってるエモノをちらつかせるのはどーかと思うんだが・・・」
またもツッコむガウリイ。
だが、聞いているのか聞いていないのか、マッドは余裕の表情で、『秘薬』を懐へと戻す。
リビウスは、マッドをぎっとにらむと、
「・・・そっちこそ甘いな。
ぼくが言っているのは――力ずくでも返してもらう、って事だっ!!」
「ほぉう・・・面白い。そんなヘンな弓を武器に・・・・力ずくでやろう、と言うか。
・・・ならば、相手をしようっ!」
片手を上げ、戦いの合図を仲間に送るマッド。
「・・・かかれっ!!お前達!!」
言うと同時に、マッドが大きくジャンプ!同時に、後ろに控えていた中年の黒ずくめ2人がざっと駆け出す!
「――おっとっ!!」
ジャンプしたマッドに追尾するように、リビウスが弓を撃つ!!連射式になっているらしく立て続けに発射される数本の矢!
だが、空中でマッドは、その矢をことごとく避け、そのまま大地へとすと、と降りる。
その着地を見計らい、ショートソードを手に走り寄ったリビウスが、マッドへと接近!一瞬切り結ぶが、すぐに力で押し返され、下がるリビウス。
ちなみに、マッドの部下二人も、二人の戦いになんとか参戦しようと、あちこち移動しては、時々ナイフを投げたり、襲いかかったりしているが――そのことごとくを、リビウスは見事に避けていた。
力はともかく、スピードだけなら、大人のマッドを軽くしのぐ動きである。

「・・・なかなかやるな〜・・リビウス。」
一方、ツッコミをさんざムシされたのが少し悲しかったのか、2人(4人?)の戦いの様子を、完全に傍観者の立場で見守るガウリイ。
「・・・くくく・・・そうね・・・。
リビウスってケッコウ強かったのね・・・くくくく・・・」
「そうだな。見た目から考えたら意外な働きかもな。・・・って、ン?」
突然の背後からの女の声に、ガウリイはフト違和感を感じ、そちらを振り返る。
そこには。
「・・・全く、意外だったわ・・・くくくく・・・」
夜明け前の薄い月をバックに、フードを目深にかぶり含み笑いをするミシェールの姿があった。
そのあまりのシルエットのコワさに、ガウリイは一瞬固まる。
――が、
「ミ、ミシェールっ!?な、な、なんでお前さんまでここにっ!」
突然の来訪者に、遅れて驚くガウリイ。
「・・・・くくく・・・意外も何も・・・私は、リビウスを案内してここまで来ていたまでの事・・・
さっきからずっといたわよ?・・・くくく・・・」
「そ、そうだったのか・・・?」
・・・全然気付かなかった・・・
内心、ガウリイは思う。
そんなガウリイの内心も知らず、ミシェールは戦い続けるリビウスとマッドの二人に目をやると、
「・・・くくく・・・それにしても・・・あの二人、『秘薬』の事で争っているのよね・・・?」
「あ、ああ。そうだけど?」
「くくく・・・妙な話ね・・・・そんな事で争う必要など、全く無いのに・・・くくくく・・・」
「・・・?
そりゃどういう意味だ?ミシェール。・・・確かあの『秘薬』は、オレとリビウスの分で最後だったんだろ?
だったら・・・」
意味ありげな含み笑いをするミシェールに、問い返すガウリイ。
「・・・くくく・・・それはね・・・・」
――ミシェールの話は、ガウリイにとって意外な話だった。

「――おいおい。それじゃ・・・あの二人が戦う意味って無いんじゃないか?」
呆れたような声でガウリイは言う。

トップに戻る
5349呪術士の秘薬・・・その5マグロマナティ 1/3-22:02
記事番号5348へのコメント

「・・・ウデを上げたな、リビウス・・・。」
言って、リビウスとマッドが距離をとったのは、しばらく戦った後の事だった。
いまや・・・東の空は夜明け前ですっかり白々と明るくなってきていた。
月の光は弱まり、あたりはうす明るくなってきている。
「・・・まあ、アレから一年経ってるからね・・・。」
余裕の表情で言うリビウス。
「ならば――ここからは、本気でやらせてもらおう!」
言うとマッドは、懐に手を入れる。
「――っ!?」
思わず構えるリビウス。
マッドが懐から取り出したのは――リビウスが奪い合っている『秘薬』だった。
「・・・な、何をするツモリだっ!」
『秘薬』を見て、焦るリビウス。
マッドは薄い笑いを浮かべると、その『秘薬』をさっと横に控えていた中年の黒ずくめへと放り投げる。
蝋で封された『秘薬』は、こぼれる事もなく、朝焼けの空を舞い、中年の黒ずくめの手元へ落ちる。

「――『秘薬』の番は頼むぞ。それくらいなら・・・出来るだろう?」
にやり、と笑うマッド。
「しまったっ!!」
思わず焦るリビウス。
・・・このまま、マッドに足止めされた状態で、あの中年の黒ずくめに『秘薬』を持って逃げられたのでは――どうしようもない。
『秘薬』を手にして、一瞬固まる中年の黒ずくめ達。
やがて、彼らの表情が――目だけを覗かせたほっかむりの上からでもハッキリとわかる程に――みるみると、歓喜の表情に変わっていく。
ゆっくりと――中年の黒ずくめ達は、顔を見合わせ、頷きあう。
そして一瞬後。

『もらったぁぁぁぁっっっ!!!』

突然叫んで、その場から駆け出す、中年の黒ずくめ2人!
『――な゛っ!!?』
その予想外の出来事に、ガウリイ以外の全員の動きが固まる。
「お、おいっ!!ちょっと待て!お前ら!待ち合わせ場所は――」
マッドが焦って言うのも聞かず。
中年の黒ずくめ2人は、今までの鈍い動きからは想像もつかないようなすばやい動きで、森の奥へと走り去る!
・・・し〜〜ん・・・

「・・・をい・・・・
ひょっとして、あいつら・・・『秘薬』を自分達だけで持ち逃げしようとしてんじゃねーか・・・?」
やたらと静粛な空気の中に、ガウリイのぽつり、と言った言わずもがなのツッコミが響く。

「あ、あ、あいつらぁぁあっっ!!!!」
顔を真っ赤にして怒るマッド。
そりゃそうだろう。情けで雇っていた部下達が、イキナリ目の前で裏切ったのだ。怒らない方が不思議である。

「・・・あ・・・でも、あっちは・・・・くくく・・・・ちょっとマズいわよ・・・・」
黒ずくめの逃亡先を読んだか、ミシェールが呟く。
「ま、マズい・・・って・・・?」
ガウリイが青ざめて問い返した、その時。

――ひぃぃあぁぁぁぁぁ〜〜〜・・・・
――うにょぇえええぇぇぇぇ〜〜・・・・
遠く・・・森の向こうの方で、男達の悲鳴が聞こえた。
その悲鳴に反応し、鳥達が数羽、ばたばたと飛び去るのが遠目に見える。
続いて。
――カッシャーーン・・・・
小さなガラスの割れる音が、遠く、朝もやの森にかすかに響く。

『・・・・・・・・・・・。』
沈黙する一同。
・・・その音が恐らくは・・・『秘薬』の入った小瓶の割れた音であろう事は・・・容易に想像がついた。

「・・・くくくく・・・あっちには・・・吸血植物よりもっと危険な・・・食人植物の群生があるのよね・・・くくくくくく・・・かわいそうに・・・。」
ミシェールの小さな呟きが、何故かその場にいた全員の耳に強く残る。

「・・・な、なんて事だ・・・」
絶望の表情で、森の奥を見つめるマッド。
「・・・コレで・・・今ここに残ったのは、ガウリイ兄ちゃんの持つ『秘薬』のみになっちゃった・・・」
ガウリイの方をちらり、と見て言うリビウス。
「――何っ!?お前も『秘薬』を持ってるのかっ!?」
リビウスのもらした呟きに敏感に反応するマッド。
「うぇ?え、えーと・・・」
イキナリ二人にぎっと睨まれ、慌てるガウリイ。二人の異様な気に圧され、思わず数歩下がる。
「・・・ガウリイ兄ちゃんには悪いけど・・・その『秘薬』は貰うよっ!」
じりじりと、ガウリイとの距離をつめるマッドとリビウス。

「ち、ちょっと待てお前らっ!・・・『秘薬』なら・・」
ぱたぱた手を振りつつ言いかけるガウリイ。
――そこへ。
「・・・くくく・・・ムダな事をするのね・・・あなた達・・・」
何時の間に移動したのか――マッドとリビウスの背後から、ミシェールの静かな声が響き渡る。
「――な、なんだとっっ!!」
その言葉に、そちらへ振り返るマッド。
「・・・その『秘薬』を取り合うことなど・・・無意味なのよ・・・くくくく・・・・」
「・・・なっ!?ど、どういう意味だよっ!!!」
叫ぶリビウス。
「・・・くくく・・・さぁてね・・・。
あえて言うならば・・・『秘薬』を求めるあまり、気合がカラ回りしている・・・と言った所かしら・・・?
・・・くくくくくくく・・・」
相変わらずの含み笑いをもらすミシェール。
「・・・っ!?き、貴様・・・・よくも我らの気も知らずに、そんな事をっ!!!」
馬鹿にされたと思ったか、抜き身の剣を下げたまま、ミシェールの方へと駆け出すマッド。
「・・・!
やめろっ!!マッド!!――『秘薬』なら!」
マッドの動きを察し、ガウリイが叫んで駆け出すが――間に合わないっ!
マッドは、手にした剣を、ミシェールに向かって大きく振りかぶり――
――だが、その時――奇跡は起こった。

ざざざぁっ!!!

その瞬間。
思いがけず強い風が、ガウリイ達のいる広場に吹き荒れ――その風に乗り、森の木立からちぎれ飛んだ木の葉と一緒に、うす暗い布切れが、朝焼けの――いや、すでに朝日が昇りかけている眩しい空へと舞い上がる。
「・・・ひぁっ・・!?」
ミシェールが、空へと舞い上がった布切れを見上げる。
夜が明け、明るくなった空に、木の葉と布切れが、共に風に舞う。
それは――ミシェールのフードだった。

「・・・・な゛っ!!!」
その瞬間。マッドの動きが止まった。彼は、ミシェールにクギ付けになったまま、硬直する。

そして――薄闇の森に朝日が昇る。
それは――まるで、吟遊詩人が語る物語のラストシーンのようだった。

赤味がかった太陽がゆっくりと昇り、白く眩く輝き始める。
太陽の上昇と共に、ついさっきまで、闇に包まれていた森に光がゆっくりと広がっていく。
森の木々の間をぬって差し込んでくる光が、森と大地に生き生きとした緑の輝きをもたらしていく。
空に残る満月は光を失い、白い雲のひとかけと同化していく。
朝日の眩い輝きを受け、森の緑と、空の青が戻っていくのがはっきりとわかった。
そして――ミシェールのいる場所にも、朝日が注ぐ。
ミシェールは、空に舞った自分のローブを視線で追っていたが――やがてそれが手に届かない所へ飛んでいったのを見送ると、視線をゆっくりと元に戻す。
その動きに従い、朝日を受けて輝く、絹糸のような金の髪が、さらっと流れる。
すらっと伸びたしなやかな四肢に、抜けるような真っ白な肌が、朝日の柔らかい光を受け、ひときわ輝いて見える。
ぱっちりとした愛らしい瞳に、桜色の唇。その整った顔立ち。
それは――たった今まで、マントとフードをかぶり、始終アヤシゲな含み笑いをもらしていた呪術士とは・・・とても思えないような、掛け値なしの美少女だったからだ。

いまだ残る風が、ミシェールの金髪とローブをゆっくりとはためかせていたが――
やがて風は収まり――空に舞っていた木の葉が、ふわり、と地面に舞い降りる。

その舞い落ちる木の葉でさえも、まるで春先の風に舞う花びらか雪のごとくに見える。
――朝の輝きも、森の緑も、空の青も――全てが彼女のために用意された舞台に見えた。
それはまるで女神のごとく――神々しいまでの美しさ。

「な・・・・なんと美しい・・・・・」
思わず、感嘆の声を漏らすマッド。
朝日の光を受け――まるで、ミシェール自身が輝くように見えた。
それは、まるで森の中に、もう一つの朝日が昇ったかのような光景だった。

「・・・う、うそ、だろ・・・?」
リビウスが、呆然として呟く。
マッドの部下も、ミシェールを見たままで遠くで固まっている。
「・・・ミ、ミシェール・・・お前さん・・・!?」
ガウリイもまた、呆然として・・・そして、抜き身の剣を鞘へすぅっと収める。

――それは――もはや、マッドに、ミシェールを襲う意志が無い事を判断しての事であった。

トップに戻る
5350呪術士の秘薬・・・その6 (終)マグロマナティ 1/3-22:09
記事番号5349へのコメント

「・・・すいません。俺・・・いや、僕が悪かったんです。」
心底反省した顔で、マッドは深々と頭を下げた。

すでにだいぶ高くなった朝日を受け――ミシェールの小屋は、なんだか妙に明るく見えた。

「・・・くくく・・・わかれば良いのよ・・・」
先ほど、風に飛ばされてフードを無くしたままのミシェールが、うつむき、含み笑いをもらして言う。
ミシェールがうつむくとともに――彼女のきらめくような金髪が、さらっと流れる。
その笑顔は、輝ける朝日のごとく、美しい。

・・・それにしても、同じ行動&言動でも・・・
この美少女スタイルで言うのと、あの陰気な呪術士スタイルで言うのとでは、なんと違う事か。

「嗚呼、それにしても・・・あなたのような御方に作って頂いたこの薬――さぞかし良く効く事でしょうっ!!」
おーげさな身振りで、マッドは、手にした『秘薬』――青い液体の入った、どこにでもある土瓶――を胸に抱く。
その後ろでは、マッドと同じ形の土瓶を手にした、マッドの部下達(生きてた)が、歓喜の踊りを舞っている。

「まあ・・・良かったじゃねーか。
『秘薬』がまだまだたくさんあって。」
言ってガウリイは、最後に残った、ガラスの小瓶に入った『秘薬』を太陽に照らす。
「・・・それにしても、反則だよな。」
小さな声で、不服を漏らしたのは、リビウス。
「いかにも、『最後に残った『秘薬』はあと二つだけっ!』・・・みたいな事を言っておいて・・・・
本当は、『単に、『秘薬』を入れるための『ガラスの小瓶』が、あと二つだけだった』ってオチだったなんて・・・・。」
リビウスは、マッド達と同じ土瓶に入った『秘薬』を手に、ぶつぶつ言っている。
「・・・くくく・・・何かおっしゃいましたか・・・?リビウス・・・・」
ミシェールが言った、その途端。
「いいえぇっ!!なんでもありませんよぉ!ミシェール様っ!!」
途端に、声を裏返して猫なで声を出すリビウス。
「・・・『様』付けかい・・・」
ぼそっとガウリイがツッコむ。

結局。
あの騒動は、ミシェールの美貌が発覚した途端に、どういう訳か収まってしまった。
皆が皆、ミシェールの美貌に見とれた事と――そして、騒動の元となった『秘薬』が(それを入れるための『小瓶』が無いだけで)実はまだたくさん残っている事が、皆に知れ渡ったからである。
・・・ちなみに、閃光弾で汚れたミシェールの家は、マッド達が必死に片付けてくれたから元通りになっていた。

「そーいえば、一番最初に・・・ミシェールは、『その薬の「瓶」は、あと二つだけ残っている』と言ったんだっけな・・・」
昇りきった朝日を見上げ、ガウリイはぼんやりと呟いたのだった。

 ◆・◆・◆ 

それから――半日後。
マッドが帰ったのを見届けたガウリイとリビウスは、ミシェールの家を後にし、旅路に入っていた。

・・・最も。リビウスだけは、最後の最後まで『ミシェール様の元に残るっ!!』と強固に言い張っていたが・・・
あえなくミシェールにフラれた事と、『あんまりシツコイと嫌われるぞ』というガウリイの一言により、不承不承ながらもミシェールの家を後にした。

「・・・そういえばよ、リビウス。
一つ、気になることがあるんだが、聞いて良いか?」
「・・・何だよ。」
ガウリイに首根っこ持って引きずられつつ、不機嫌そうに言うリビウス。

「その『秘薬』についてなんだが・・・それって、本当に、お前さんにとって必要なモノなのか?」
「――っ!?
ど、どういう意味だよっ!!」
意味ありげなガウリイの言葉に、何かを察したのか、リビウスの顔色がまともに変わる。
「だってよ。
その『薬』ってさ――『秘薬』なんぞとカッコ良く言ってるけど、実は単なる『毛生え薬』なんじゃないか・・・って思ったからさ。」
「なっ!!?」
ガウリイの言葉に、あからさまに動揺の色を浮かべるリビウス。
「・・・やっぱりそうか・・・。
それにしても・・・お前さんはまだ若いのに、そんな『毛生え薬』なんて必要じゃないんじゃないか?」
ちらりとリビウスの頭を見て、ガウリイは容赦なく言う。
「・・・ど、ど、どど、どうしてソレをっ!!
ガウリイ兄ちゃんは『秘薬』の効能は知らないんじゃなかったのかっ!?」
ガウリイの手を振り解き、慌てて頭に巻いたバンダナを押さえるリビウス。

「どうして、って・・・だってさ。
あの黒ずくめ達、一応隠してはいたが――皆が皆、頭がハゲてただろ?・・・あのマッドってヤツも、頭はカツラだったし。」
「――っ!?」
あまりの驚きに、完全開いた口が塞がらなくなるリビウス。
・・・実はリビウスは、マッドが実に精巧なカツラをかぶっている事を、長年の付き合いで知っていた。
だが――
マッドの精巧なカツラを見破り、なおかつ黒ずくめ達がわざわざ隠していた頭の様子まで察していた、そのガウリイのあまりのカンの良さに驚いたのだ。
「ンで・・・それ以外に、全員に共通点は無かったしな。
となれば、全員が共通で必要とする『薬』は――ハゲを直す『秘薬』なんじゃないかなって思ったんだ。
・・・・それなら、あれだけ皆が皆必死になる理由がよくわかるしよ。」
とうとうと話すガウリイを、唖然とした様子で見るリビウス。
そして。
「そ、そうか・・。・・・い・・・意外と、カンがスルドイんだね・・・ガウリイ兄ちゃん・・・。」
リビウスは、観念したかのように立ち止まると・・・その頭につけたバンダナに手をかける。
「・・・リビウス?」
立ち止まり、振り返るガウリイ。
その目の前で、リビウスはバンダナをすっと外す。
その下から出てきたのは――その年にしては、やや・・いや、かなり後ろの方に下がっている、髪の生え際だった。
「・・・・な゛っ・・・」
コレにはまともに驚くガウリイ。
「コレで・・・わかったろ。」
リビウスは、沈痛な面持ちでうつむくと、
「・・・ぼくは・・・・・・若ハゲなんだ。」
血を吐くように言う。
「・・・そ、そうだったのか・・・。・・・悪かったな。リビウス。」
さすがにちょっと反省して、誤るガウリイ。
「構わないさ。
・・・それに、コレでも・・・毎年、この薬を飲んでいたからか、大分回復してきたんだよ?」
手にした土瓶を見てしみじみと言うリビウス。
「・・・そうか。お前も・・・色々と大変だったんだな・・・」
リビウスの笑顔に何か重たいモノを感じたか、ガウリイはそれ以上の追求をしなかった。

そうして――しばらく森の中を歩いただろうか。
「ところで――ガウリイ兄ちゃん。ぼくも一つ、気になる事があるんだけどさ。」
唐突に、明るい声でリビウスが話し掛けてきた。
「・・・何だ?」
「ガウリイ兄ちゃんは、あのミシェール様を見ても、あまり動じてなかったよね?フツー、あんな美少女目にしたら、態度は変わるだろうに。
・・・どうしてだい?」
自分自身は、思いっきり態度を変えていた少年が言う。
「・・・う〜ん、何でだろうな。」
言われてガウリイも、しばし考え込む。

――言われてみればそうである。
確かにミシェールはかわいい。絶世の美女といっても差し支えないだろう。
――けれども・・本気で興味を持つ、という所までは至らなかった。
・・・何かが違うような気がしたのだ。

「・・・やっぱし、あまり好みじゃなかった・・・って事だろうな。多分。」
「ふーん?そんなもんかね?」
あいまいな答えを返すガウリイに、リビウスは特にツッコミを入れなかった。

・・・まあ、それどころじゃない生活してるしな・・・
心の中でガウリイは呟く。

もちろんガウリイも男である。
それなりに異性に興味もあるし、世の中に厳然として存在する『かわいい娘に罪はない』という格言もしっかりと支持している(笑)。
けれども、ガウリイは今まであまり本気で異性に興味を持った事がなかった。(かといって『実は同性愛者♪』などという事だけは無いのだが(笑)。)
・・・それが一体どうしてなのか。何が違うのか。・・・今のガウリイにはわからなかった。

――彼がその答えを見つけるのは――数年後の出会いを待つ事となる。


ちなみに、この数ヶ月後。
答そのものになるリナ=インバースがこの森――ミシェールの小屋を訪れることとなるのだが――
そりはまた別の話である♪(参:スレでりしゃす2orスレSP16巻「呪術士の森」。)(<シツコイ)

◆・◆・◆・◆・◆

終わりです。
にしても・・・投稿しておいて何ですが・・・なんかあまりスレイヤーズらしくない話だったかもしれないですね・・・コレ(汗)魔法出てないし(笑)ボウガンまで出てきたし(爆)

・・・失礼しましたっ!!(逃)

トップに戻る
5364初めまして!あごん E-mail 1/5-05:51
記事番号5350へのコメント

おはようございます。
そして初めまして、あごんという者です。

前回の「ふくしぅの刃」も大変たのしく読まさせて頂きました。
先ほど副業から帰ってきたとこなんですが(何者だお前)、寝る前に新作が投稿されているか見ておこうと思い、覗いてみたところ。
なんとっ!
マグロマナティ様の新作がっ!
嬉しいっ!!!!!

とゆーわけで、早速拝見させて頂きましたっ!
面白かったですよぅ〜〜!
私もミシェールが大好きなので、かなり嬉しかったです。
しかし。
前回のレミーといい、今回のミシェールといい。
マグロマナティ様はすぺしゃる好きなんですねぇ!
次はゼヒ、ナーガををををっ(無茶を言うな)!!
オリキャラ達もいい味だしてますし。
オチには大変笑わせて頂きました!

ではでは、愛想なしで申し訳ございませんがこの辺で。
失礼致しました。

トップに戻る
5370Re:初めまして!マグロマナティ 1/8-10:30
記事番号5364へのコメント

あごんさま。
>前回の「ふくしぅの刃」も大変たのしく読まさせて頂きました。
>嬉しいっ!!!!!
前回といい・・・こんなつたない文章に喜んでいただけて・・・ありがとうございますぅぅぅっ!
>私もミシェールが大好きなので、かなり嬉しかったです。
ミシェールって、オイシイキャラですよね♪
ちなみに、この小話書いてしばらく、含み笑いしてしまうクセがついてしまってました(笑)
>マグロマナティ様はすぺしゃる好きなんですねぇ!
そりゃもぉ、すぺしゃるには、むちゃくちゃオイシイキャラが多いですから・・・・ぜひとも!コレは利用せねばっ!!と思い、書いた次第にございます!
>次はゼヒ、ナーガををををっ(無茶を言うな)!!
もちろん、出したいですよぉっ!ナー様はっ!!(<『様』付けかい。しかも妙な風に略してるし。^^;)
一応、以前に一度書いた事はありますが・・・あまりに巨大サイズの為、載せるのを断念したので・・。(^^;)
今度は小さいサイズので書けるよう、目指しております♪(<ヘタクソなので計算して文章が書けないヒト^^;)

>オリキャラ達もいい味だしてますし。
あははは(汗)
じ、実はあのキャラ(リビウス)は・・ガウリイとミシェールだけじゃ話が進まなかったんで(爆)急遽、ツッコミ役として出したキャラなのであります(爆)
でも、お褒めいただきありがとうございます!
マッドは・・・本当はもう一つのオチのためにだしたキャラでしたが、ミシェールを生かすために、ただの敵役になってまいました(爆)
では、レスありがとうございましたっ!

トップに戻る
5371『呪術士の秘薬〜その5』のもう一つの差し替え版(爆)マグロマナティ 1/8-10:35
記事番号5350へのコメント

コレは。『呪術士の秘薬〜その5』で使ったある部分オチの、そのもう一つのバージョンです。
本当はマッドはこーゆーキャラだった、とゆー事を示していた部分だったのですが・・。ボツになったけど、対象的なので投稿してみたり(死)

 ◆・◆・◆ 

「・・・くくく・・・さぁてね・・・。
あえて言うならば・・・『秘薬』を求めるあまり、気合がカラ回りしている・・・と言った所かしら・・・?
・・・くくくくくくく・・・」
相変わらずの含み笑いをもらすミシェール。
「・・・っ!?き、貴様・・・・よくも我らの気も知らずに、そんな事をっ!!!」
馬鹿にされたと思ったか、抜き身の剣を下げたまま、ミシェールの方へと駆け出すマッド。
「・・・!
やめろっ!!マッド!!――『秘薬』なら――」
その軌道上に立ちふさがってマッドを止めようとするガウリイ。だが
「どけぇぇっ!!!」
マッドは怒りで我を忘れている。部下に裏切られた事。薬を無くした事。そしてミシェールに笑われた(と本人は思っている)事が、彼の怒りを強いモノとしていた。

――聞く耳持たない・・・って事か。
・・・仕方ない。
ガウリイには、ある策があった。
――最初に。ガウリイとマッドが切り結んだ時――ガウリイは、とあるマッドの弱点に気付いていたのだ。
その弱点を突けば、マッドを止めることが出来る。

しかし――ガウリイには、ためらいがあった。
――同じ男として、その弱点を狙うのは気が引けたのだのだ。

・・・だが・・・ここまでマッドが逆上しているとなると。
もはや彼を止めるには・・・その弱点を突くか・・・もしくは斬らなければならない。
ガウリイは、覚悟を決めてマッドと対峙する。
突っ込んでくるマッド!ガウリイは、複雑な表情で、彼の前に立ちふさがる。

「邪魔をするなあああああぁぁっ!!!」
マッドが剣を大きく振りかぶる!
ガウリイは、マッドの太刀を、軽く身をひねってかわす!
そして――マッドとガウリイが交差したその瞬間!
ガウリイは、振り向いて、剣を一閃する!その時!

ざざざぁっ!!!

強い風が、ガウリイ達のいる広場に吹き荒れ――その風に乗り、黒くて丸い塊が、朝焼けの――いや、すでに朝日が昇りかけている空へと舞い上がる。
「・・・なっ・・!?」
ミシェールが、空へと舞い上がった黒い塊を見上げる。
マッドに背を向けたままで、ガウリイは、剣を鞘へすぅっと収める。
ガウリイが剣を鞘へと戻す――その、ぱちん、という音と共に、空へと舞い上がっていた黒い塊――マッドのカツラ――が地面の上へぽとり、と落ちる。

そして――森に朝日が昇る。
それは――まるで、吟遊詩人が語る物語のラストシーンのようだった。

赤味がかった太陽がゆっくりと昇り、白く眩く輝き始める。
太陽の上昇と共に、ついさっきまで、闇に包まれていた森に光がゆっくりと広がっていく。
森の木々の間をぬって差し込んでくる光が、森と大地に生き生きとした緑の輝きをもたらしていく。
空に残る満月は光を失い、白い雲のひとかけと同化していく。
朝日の眩い輝きを受け、森の緑と、空の青が戻っていくのがはっきりとわかった。

そして――マッドのいる場所にも、朝日が注ぐ。
マッドは、最初、空に舞った自分のカツラを視線で追っていたが――やがてそれが地面へとぽとりと落ちたのを見届けると、視線をゆっくりと元に戻す。
その動きに従い、マッドの、わずかに頭に残った絹糸のように貧弱な細い髪の毛が、わずかに揺れる。
すでに・・・スキンヘッドと言った方が近いだろうか。汗か油かで妙にてかてかしたその頭が、昇りたての朝日を受け、ひときわ輝く。
血色を無くした唇が動揺に震え、その瞳がきょろきょろと落ち着き無く動く。
その、動揺した顔立ち。
いまだ残る風が、マッドの黒い服をゆっくりとはためかせていたが――

「・・・マ、マッド・・・お前・・・!?」
リビウスが、呆然としてマッドを見る。
「・・・み、み、見るなあぁぁぁぁあぁあぁっ!!!!」
絶叫するマッド。
彼は、自らの頭――まるでスキンヘッドがごとく、キレイにハゲあがった頭を抑え、うずくまる。

やがて風は収まり――空に舞っていた木の葉が地面に舞い降りる。
その舞い落ちる木の葉がこすれあい、カサカサと物寂しく、枯れた音をたてる。

そして――森に朝日が昇った。
マッドの頭にも朝日が昇った。
朝の輝きも、森の緑も、空の青も――全てが彼のために用意された舞台に見える。
朝日の光を受け――マッドの頭自身が輝くように見えた。
それはまるで・・・森の中にもう一つの朝日が昇ったかのような光景――神々しいまでの輝きだった。(・・・いーかげんにしろ、私。)

「・・・そこまで・・・『進んで』いたのか・・・・」
哀れみを帯びた声でリビウスが言う。
思わず目を伏せるガウリイ。
・・・さすがに、ちょっと悪い事しちまったな・・・とか思いながら。

 ◆・◆・◆ 

はい。もう一つのオチでした。
ボツになった理由は単純。
こっちのオチだと、この後の展開が収まらなかった事と、せっかくミシェールを出すのに、彼女の味が出せなくなる事と、書いてる途中で、『さすがにコレはちょっとマズいか(汗)』と思いとどまった部分だったから・・・だったり。(^^;)(<ンなの追加投稿すんなよ・・・私。^^;)(<なんで投稿したかって・・・ガウリイがちょっぴし活躍してたからだったりも♪(をい))

で、ではっ!(本気で逃)

トップに戻る
5380も、もう駄目です…(ぶははは)ひずみ E-mail URL1/9-00:11
記事番号5371へのコメント

は、始めまして…マグロマナティ様。
コメント書くの初めてなのと、今腹筋が苦しいので見苦しいのはご容赦を(汗)
いやそれとゆーのも…この辺。


>そして――森に朝日が昇った。
>マッドの頭にも朝日が昇った。

>「・・・そこまで・・・『進んで』いたのか・・・・」



………倒れました……お見事です…………



本編の方読んでた間は、まさか最後にこんなオチが付くなんて……(爆笑)
でも此処まで称えられれば彼もきっと昇天できることでしょう♪(死んでない)
死ヌ程笑わせて頂ありがとうございました♪

トップに戻る
5386Re:も、もう駄目です…(ぶははは)マグロマナティ 1/10-00:58
記事番号5380へのコメント

ひずみさま。
>………倒れました……お見事です…………
ありがとうございますぅぅ!!

>でも此処まで称えられれば彼もきっと昇天できることでしょう♪(死んでない)
>死ヌ程笑わせて頂ありがとうございました♪

わーい、ウケて頂けた〜♪(喜)
力一杯笑って頂けたようで・・・彼も本望でしょうっ!(<だから、死んでないっての(笑))

いや、ホント迷ったんですけどね・・・このオチにするかどーするかで・・・(^^;)
でもそこまで笑っていただけたのなら、投稿した甲斐があるってモノです♪
レス、ありがとうございましたっ!

トップに戻る
5395かってにスレイヤーズ(爆)(他作品パロディ・完全ギャグ)マグロマナティ 1/12-01:06
記事番号5345へのコメント

なんか・・・このツリーがずっと上に残ってるので、もう一つクダラナイ話、付属させちゃいます(自爆)

はじめに――
これは、某週刊誌・少年サ○デーで連載中のマンガ『かってに改蔵』(4巻11話)のパロディです。(爆)
一応、完全ギャグですが、読んでる途中で思わずディスプレイかち割りたくなったり、意味もなくグル○ルのギッ○ルのごとく叫びたくなる人が出るやもしれませぬが・・とりあえず、そうなったヒトもなんとか後半まで読んで頂けると・・・非常にありがたいです(汗)。
あと。この話は話の元ネタのためか(自分ガウリナ者のクセに)すんごくゼルアメっぽくなってしまいました。その辺りもご容赦を。
では始めます。

 ◆・◆・◆

(初)春だから、世の中バラ色に見えたりします。
同じモノでも、人によっては見え方は様々です。
――今回は希望あふれる新入生役・アメリアさんの視点でお届けします。

 ◆・◆・◆

『聖エターナルクイーンズ学園――
幼稚園から大学までの一貫教育で、伝説のゼフィーリア永遠女王ゆかりの、500年の歴史を持つ由緒正しき名門校――』

『なにはともあれ・・・今日から、わたし、アメリアはこの学園の高校生です!』(アメリア視点)

効果音:リーン・・・ゴーン・・・(西洋風の鐘の鳴る音)
(時刻はお昼休み。)
(バックには花びらが舞い、煉瓦造の西洋風の校舎に、噴水の水の音が心地よく響く。)
(そんな中を・・・)
「ああっ!大変!急がなくては、間に合わなくなってしまいます!」
(何故かベルバラ風のフリフリがついたセーラー服を着たアメリアが走っている。)
(アメリアが校舎の角を曲がったその途端。)
効果音:どんっ!
「ご、ごめんなさいっ!」
(誰かにぶつかったアメリア。慌てて身を起こす。と、そこには。)
『・・・ゼ、ゼルガディス様・・・!』
(ぶつかった相手に見ほれるアメリア。)

「――大丈夫かい?」
(こちらも、やたらとベルバラ的な学生服(らしき)服を着たゼルガディス。コケたままのアメリアに優しく手を差し伸べる)
「だ・・・だ・・・大丈夫ですっ!!」
(助け起こしてもらったアメリア。真っ赤になり、すぐに立ち上がって言う。)
(その様子を見たゼルガディス、片手をさっと上げ、そのまま去っていく。)

「まあ、ゼルガディス様よ」
「いつ見ても、高貴な御方でいらっしゃる・・」
(アメリアの後ろで、女生徒達が話し込んでいるのが耳に入る。)
(彼女達もまた、去っていくゼルガディスの背中をうっとりと眺めている。)

「・・ゼルガディス様って・・?」
(女生徒の一人が他の女生徒に質問しているのが耳に入る)
「あら、貴方、知らないの?」
「ゼルガディス様といえば、この聖エターナルクイーンズ学園の、もっとも高貴な三人の御方の一人・・・。誰もが憧れる存在ではありませんか。」
「へえ・・・」

『・・・やはり・・・人気のある御方なんですね・・・』
(女生徒達の会話を耳にしつつも、ぽぉ、として見送るアメリア。と、その視線の先に。)
(学園の庭にある、白いアール・デコ風のイスとテーブルに2人の男女が座っているのが見える。)
「ああ、見て!あちらにいらっしゃるのは、リナ様とガウリイ様よ!」
(女生徒の一人が、そちらを指して言う。)

「!リナ様にガウリイ様・・」
(それは、これまたベルバラ的なフリフリ&宝石付のドレスを着たリナと、それと似たような服に身を包んだガウリイ。)
(二人は、テーブルの上の紅茶を囲んで談笑をしている。)

「あちらの長くて美しい金髪の男性がガウリイ様。そして、あちらの上品な女性が我らがリナ様。
御二人は、この学園のベストカップルでもいらっしゃるの。」
「特にリナ様は、ゼルガディス様を加えた高貴な方々の、その中心的存在であらせられる御方なのよ。」
「・・ベストカップル・・・かぁ・・・」
(女生徒と同じく、うっとりとそちらを見るアメリア。)

(アメリアの視線の先。リナとガウリイの二人は、なにやらにこやかに話し込んでいる。)
(フト、リナの白い指がテーブルの中央に飾られた赤い薔薇へと伸びる。)
(と同時に、ガウリイもまた同じ薔薇へと手を伸ばし――リナとガウリイの、互いの手と手が触れ合う。)
(リナとガウリイは一瞬、目を合わせる。バックに舞う桜の花びら)
(途端に真っ赤になってうつむき、手を引っ込めるリナと、そのまま薔薇を手にして、にっこりと笑うガウリイ。)
(そのまま、二人の時が止まる。その時。)

「・・・お邪魔したかな?」
(二人の間へ入っていくゼルガディス。)
(まだ赤みの残る頬で、にこやかに微笑み、ゼルを迎えるリナ。)
(ガウリイは余裕の笑みを浮かべたまま、何やらゼルに話し掛けている。)

「ああ、いつお見かけしても仲のおよろしい・・・」
(うっとりとする女生徒達。)
『いつか・・・わたしも、あのリナ様とガウリイ様の御二人のように・・・』
(なにやら妄想するアメリア)

 ◆・◆・◆ 
【(注)このまんまだと話が訳わかんなくなるので、今までのシーンを現実視点でリプレイしてみます。→ → →】
 ◆・◆・◆ 

『私立素礼矢亜珠高校・・・
一応、高校・大学の一貫教育であるが、5年前とわりと最近の創立で伝統は全く無い。』

効果音:・・・ゴーン・・・ゴーン・・・(町はずれの寺の鐘の音)
(時刻はお昼休み。)
(ごくありきたりなコンクリートの校舎に、近くにあるコケの生えた貯水池にウシガエルが飛び込む音がぼちゃんと響く。)
(そんな中を・・・)
「ああっ!大変!急がなくては、購買のパンが売り切れてしまいます!」
(どこにでもあるようなセーラー服を着たアメリアが走っている。)
(アメリアが校舎の角を曲がったその途端。)

効果音:どんっ!・・・どがしゃんっ!!
(誰かとぶつかるアメリア。相手はその場にしりもちついただけだが・・・)
(アメリアの方は、見事に近くにあったゴミ捨て場に頭から突っ込む(悲)。)
「い、いたいです・・・」
(アメリア、なんとか身を起こす。)
「だ、大丈夫かっ!?」
(慌てて言い、手を差し伸べたのはゼルガディス。・・当然、普通の学生服を着ている。)

『・・・はっ!!ゼルガディスさんっ!』
「だ・・・だ・・・だ、大丈夫ですっ!!!!!」
効果音:どーーん!
(アメリア、ぶつかった相手に気付くと、慌てて身を起こし、テレ隠しでついついゼルガディスを突き飛ばす。(をい^^;))
(突き飛ばされ、某『ら○ま1/2』のノリで、空高く飛んでいくゼルガディス(悲)。)

「ねえ、見て見て!今日もゼルガディスさんが、空飛んでるわよ!」
「いつ見ても、苦労している方ね・・・」
(空高く飛んでいくゼルガディスを同情のまなざしで見上げる通りすがりの女生徒達。)

(と、今度はやたらと騒々しい声が、学校の庭から聞こえてくる。)
「ああ・・・また、あのリナさんとガウリイさんの二人ね・・・。」
(女生徒の一人が、そちらを向いて、諦めたように言う。)
「!リナさんとガウリイさん・・・」
(そこには、学校の庭にある芝生(立ち入り禁止)に入り込み、弁当広げているリナとガウリイの姿。)

「・・・この学校には、いつも学校を騒がせる数人の人間がいるのよ。」
「あの長い金髪のヒトがガウリイ=ガブリエフ。で、その隣にいるのがリナ=インバース。・・・特に、あのリナ=インバースさんは、いつも学校の騒動の中心に居るヒトで・・・」
「あー!知ってる知ってるっ!あの二人ってつきあってるんでしょ!?」
(アメリアの後ろで、世間話を始めるその他の女生徒達。)
「・・ベストカップル・・・かぁ・・・」
(リナ達を見て、うっとりと呟くアメリア。)

(一方、騒動の中心の、リナとガウリイ。)
「くぉらーーーっ!!リナっ!!それ、オレのヤキソバパンっ!!!」
「早いもん勝ちよっ!!」
「だーーっ!手に入れるのが大変なんだぞっ!!ソレ・・・・って、おりゃっ!」
「どぉあっ!あたしのカツサンドっ!!おにょれソレだけはっっ!!」
効果音:ぐわしぃ!!
(一切れのカツサンドを二人で掴み、にらみ合いをするリナとガウリイ。バックにばちばちと火花が見える。)
(当然、その手と手は重なり合っているが、二人ともンな事気にもしていない(笑)。)
(と、フイにガウリイが引っ張り合う手をすっとゆるめる。)
(そのスキを逃さんとばかりに、リナはカツサンドを両手で握りなおそうとするが――その時、リナの手にわずかにスキが生まれる。)
(そこへすかさず、ガウリイはすっと手を伸ばし――リナの手の中のカツサンドを、風がさらうような見事な動きで奪い取る。)
「だぁぁああぁあぁぁっ!!!しまったぁぁあぁっ!!!」
(思わず痛恨の雄叫びを上げ突っ伏すリナと、余裕の笑みでカツサンドを味わうガウリイ。)
(と、そこへ)
効果音:だがしゃぁぁあんっ!!
(アメリアに突き飛ばされて空を舞っていたゼルガディスが、リナとガウリイの間に落下する。)

「・・・よう・・・お邪魔・・・したようだな・・・」
(頭からひっくり返ったまま、前髪をかきわけて言うゼルガディス。額に一筋の汗が浮かんでいる。)

「あっ!!ゼルーっ!!ちょうど良いトコに降って来てくれたっ!聞いてくれよーっ!リナがなー!オレのヤキソバパンを・・」
「何よーっ!あんただって、あたしのカツサンド取ったじゃないのよっ!!
って、あああっ!!ゼルっ!!あんた、ドサクサまぎれにあたしのパンをふみ潰しちゃってるじゃないっ!!どーしてくれるのよっ!!」
「おれを巻き込むなぁぁぁつ!!!」
(取っ組み合いを再会するリナとガウリイ。巻き込まれるゼル。)
(学校中に響き渡るよーな声で騒ぎまくるリナ達三人。)

「にしても、いつ見ても騒がしい人達よね・・・」
(はためーわくそーな様子の女生徒達)
『いつか・・・わたしも、あのリナ様とガウリイ様の御二人のように・・・』
(一方、うっとりとそちらを見つつ、なにやら妄想するアメリア)


(・・続きます。^^;)

トップに戻る
5396かってにスレイヤーズ(爆)その2・・(終)マグロマナティ 1/12-01:12
記事番号5395へのコメント

◆・◆・◆

「・・・って、あれ?アメリアじゃない!何やってんのよー!そんなトコでっ!!」
ガウリイと取っ組み合いをしていたリナが、フイに、ぼうっとしたまま突っ立っているアメリアに気付き、声をかける。
だが、急にリナに声をかけられたアメリアは、何故か急にもじもじとしたかと思うや、そのままダッシュでその場から走り去ってしまう。

「・・・って、どーしちゃったのよ・・・アメリア。」
訝しがるリナ。
「なんだか様子がおかしい!追うぞっ!」
「・・・へ?」
追いかけるゼルと、後につづくリナとガウリイ。
『あああ・・・急に声をかけられるなんて・・・でも、せっかくの仲良くなれるチャンスに逃げ出すなんて・・・!』
少女ちっくな思いに浸りつつ走るアメリア。と。

――どんっ!
いきなり誰かに軽くぶつかるアメリア。
「・・ちょっとぉ・・・いったいわね・・・
って、あら?アメリアじゃない。何やってんのよ、そんなトコで。」
アメリアがぶつかった相手は、ナーガだった。(爆)
元々は普通のセーラー服だったのを何故かミョーに露出度を高く着こなしている(笑)。

「――グレイシアお姉様っ!!」
うるうる瞳でナーガに抱きつくアメリア。(笑)
「・・・んなっ!?お、お姉様・・・って・・・ち、ちょっとぉ!・・・何なのよ、一体・・・」
かなり本気で困惑しまくるナーガ。

「ちょっと・・どうしちゃったのよ、アメリア・・・なんか、様子が変よ?」
「・・・これは大変なことになりましたねぇ・・・」
追いついたリナ達の背後に、急に登場したのはゼロス。

「うぉわっ!!ゼロスっ!!あんたイキナリわいてでてくんじゃないわよっ!虫かあんたはっ!」
「とすると・・・そこにある配水管からわいて出たのか!?ゼロス!!」
すかさずツッコむリナと、真顔で広げるガウリイ(笑)。
「・・・リナさん・・・ガウリイさん・・・あなた達ってヒトは・・・(涙)」
だくだく涙を流すゼロス。

「と・・とにかくですね!アメリアさんのこの状態ですが・・・これは、間違いありません。
――『貴族病』です!」

「な、何ですってっ!?」
ゼロスの言葉に、ナーガが叫ぶ。

「・・・何だ?その・・・『貴族病』って・・・?」
訪ねるガウリイ。
「・・・『貴族病』。またの名を『上流階級症候群』。
これは、花粉症と並ぶ春の文明病なのです。」
解説を始めるゼロス。
「しかも、一度かかってしまうとやっかいで・・・人物、着衣、建物、食事など、世の中の全てのものが、上流階級調に見えてしまうのです。」
「ふっ。特に夢や希望にあふれる新入生や、夢見がちなヒトがかかりやすい病気なんだけど・・・
・・・まさかそんな病気にアメリアがかかってしまうなんて・・・困ったものね・・・。」
額に一筋の汗をかきつつ無念そうに言うナーガ。
「・・・って、コラ待てあんたらっ!!ンな病気、聞いたこともないわよっ!」
とうとうと説明するゼロスとナーガに、憮然として言うリナ。

「――例えば・・・なんでもない普通のアパートに、西洋風の名前がついていたり・・・
普通の日本人のハズなのに西洋建築の家に住み、さらには金髪のカツラをつけて住んでみたり、
町で一番高い山に、○○町のアルプスなんぞと名づけてみたりする事など、様々な『貴族病』の事例が挙げられています。」
「・・・う・・・た、確かにそーゆーのってよくあるけど・・・」
「ふっ。ちなみに、ゲームのRPGとかにもこの傾向は顕著に見られるわね。」

「な・・・直す方法は無いのかっ!!!」
必死に言うゼルガディス。
「・・・残念ながら・・・こればっかりは・・・時間の問題でして。」
「ふっ。季節が終われば症状は収まるんだけどね・・・。
けれど・・・この病気の本当に恐ろしいところは・・・・季節が終わる前に、あまりに症状が進行しすぎると。
――本物の貴族になってしまうところなのよっ!」
「なるかぁぁぁっ!!!!」
すかさずツッコむリナ。

「でもよ。本当の貴族になれるんだったら別にイイんじゃないか?というか、アメリアって元々王族だし。何か問題あるのか?」
「何言ってんのよガウリイ!問題大アリ・・・・
・・・って・・・・」
ガウリイの言葉にツッコもうとするリナだったが、なにやら急に考えこむと、

「うーーん・・・でも・・・
・・・ま、確かに・・・言われてみれば、あんまり問題では無い気もしてきたわね・・・」
あまり実害が無い事に気付いたか、なにやら納得するリナ。
「をいっ!!リナ!!」
すかさずツッコむゼル(笑)。(<アメリアがずっとこのままだった場合一番被害(笑)を受ける可能性が高いヒト(笑)。)

「ふっふっふ・・・よっしゃっ!!アメリアは春の間、このまんまで良しっ!」
面白半分に言うリナ。
「とゆー訳でゼル(はぁと)!春の間、アメリアの世話、頼むわね〜♪じゃっ!!」
「・・頼むぞ〜!」
なぜだかにこやかな笑みを浮かべ、手と手を取り合い(笑)ダッシュでその場を立ち去るリナとガウ。
「って、こらオイっ!!待てっ!!」
ゼルの叫びも、最高のコンビネーションで力一杯ダッシュしまくる二人には届かない(笑)(・・・ダッシュするのにコンビネーションも何もないだろ、というツッコミはこの際却下(笑)。)

「ふっ・・・ゼルガディス。」
ぽんぽん、とゼルの肩をたたいたのは、ナーガ。
すっとアメリアの肩を後ろから押し、ゼルに押し付けると
「・・・アメリアのことは頼んだわよっ!!!ほーーーーほっほっほっほっほっ!!!・・・レイ・ウィングっ!!」
そのまま空へと飛んで逃げるナーガ(笑)
「おいっ!!こらっ!!それでも血の繋がった・・・・て、そうだ、ゼロスはっ!!」
慌てて振り返るゼル。と、そこには、すでに宙に浮いて逃げ体勢(笑)になってるゼロスの姿。
「・・・ゼルガディスさん。
どうしてアメリアさんが『貴族病』にかかったか・・・知りたいですか?」
なにやら意味ありげに言うゼロス。
「な、何だっ!?」
「それはですね・・・。・・・・ひ・み・つです♪」
人差し指を口の横にたて、にっこり笑って言うゼロス。

「・・・ラ・ティルトッッ!!!」
ぼしゅぅぅっ!!!
イキナリ強力な呪文をぶちかますゼル。だが、ほぼ同時に虚空へと消えるゼロス。
当然、呪文は命中する事もなく、ムナしく虚空を灼いたのみだった。

――そして結局。
ゼルは、春が終わるまで、アメリアの相手役(世話)を続けたのでありました・・・とさ。


(・・・『かってに改蔵』4巻11話よりのパロディ・・・。)
◆・◆・◆

あああああつっ!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!特にアメリア&ゼル&ゼロスのファンの人たちっ!!!
メチャクチャやってしまいました。(汗)(パロディとはいえ、ラストはオリジナルなんで(爆)。)

にしても・・・コレって『呪術士の秘薬』で全くガウリナが書けなかった為に、私の中でガウリナを補完するために書いた(<をい)小話のハズだったのですが(汗)・・・あまりガウリナでないかも(笑)(<もう一つの理由として『・・・グレイシアお姉様っ!』がやりたかったのも有り。^^;)

と、とりあえず『かって○改蔵』知らない人にもある程度わかるように書いてみましたが・・・やはりちょっとついていけないノリかもしれません・・・(自信ナシ)。

でわっ!(逃)

トップに戻る
5412バラは美しく咲く・・・(笑)あごん E-mail 1/13-02:37
記事番号5396へのコメント

こんばんは!あごんとゆー者です!
いやー。またまた笑わせていただきました!

もう、情景が目の前に広がりましたよっ!
ぶわわっと赤やピンクなお花が散らばってました!

そのパロディとなった漫画が存じあげませんが、すごく楽しめましたよ!
ちょいと読んでみよーかしら、なんて思ってみたりしましたから!

ガウリナとゆーよりはゼルアメ色が強い気もしますが(笑)。
ゼルがカワイソーな感じで、ちと愛しいです。

ナーガも出てきてかなり美味しかったですよ!
もう満腹です!

ではでは、愛想なしですがこの辺で。
またマグロマナティ様の素敵な作品に会えることを楽しみにしつつ。
あごんでした!

トップに戻る
5415知ってますっ!いちごみかん E-mail 1/13-17:26
記事番号5396へのコメント

はじめまして、マグロマナティさん!
いちごみかんと申します。

・・・あはははっ!
このお話、知ってますよぅっ!!(喜)
この話の本、持ってますからっっ!!(えばりっ)

マンガで見たときもそうでしたが、笑えますね。
とくに、ゼロス君が改蔵の役してるのが、これまた面白い!
スレイヤーズ版でも面白い!!

いい発想ですね。
・・・今度違うのでやってみようかなー・・・なんて。

ではこの辺で。
次回作を期待してます。
(いちごみかんでしたっ!!)

トップに戻る
5418Re:あははははははっ!?みてい 1/13-20:32
記事番号5396へのコメント

いやぁ思わず大笑いしそうでした。いえ、しました。
すっごいオチですね。あそこまで視線が変わると変化しますか。モノは言い様とはまさにこのことっ!(拳振る)
ナーガがおねぇさんしてるし。ゼル飛んでるし。アメリア夢見る乙女だし。リナとガウリイは案の定だし。
はー。いいわぁ。

以上みていでした。

トップに戻る
5422はじめまして、です!!砂緒 1/14-02:06
記事番号5396へのコメント

はじめまして!!砂緒といいます。
お話読みながら、一人でパソコンの前でうけてました・・・。(笑)


>「ふっ。季節が終われば症状は収まるんだけどね・・・。
>けれど・・・この病気の本当に恐ろしいところは・・・・季節が終わる前に、あまりに症状が進行しすぎると。
>――本物の貴族になってしまうところなのよっ!」
>「なるかぁぁぁっ!!!!」
>すかさずツッコむリナ。
なればいいのに本当に(笑)
おもしろそうだし・・・(おいおい)


>ゼルの叫びも、最高のコンビネーションで力一杯ダッシュしまくる二人には届かない(笑)(・・・ダッシュするのにコンビネーションも何もないだろ、というツッコミはこの際却下(笑)。)
ここらへんはガウリナですね。
しかし・・・ゼル哀れです・・・(合掌)


>と、とりあえず『かって○改蔵』知らない人にもある程度わかるように書いてみましたが・・・やはりちょっとついていけないノリかもしれません・・・(自信ナシ)。
わたし知らなかったけど、ぜんぜんついていけました!!
また書いてほしいですっ!!(個人的希望)




トップに戻る
5429ありがとうございます!マグロマナティ 1/15-01:09
記事番号5396へのコメント

一日以上開けて来てみれば・・・レスをもらっていてウレシイです〜っ!!(T▽T)(感涙)みなさま、ありがとうございますっ!

★あごんさま。
>いやー。またまた笑わせていただきました!
またまたウケていただけたようで、・・・レス、ありがとうございます♪
>ぶわわっと赤やピンクなお花が散らばってました!
ちらばりましたかっ!!(笑)大成功ですっ!(笑)
>ちょいと読んでみよーかしら、なんて思ってみたりしましたから!
えーと(^^;)じ、実は、『かってに改蔵』は、けっこうシュールなトコやたまに下ネタも(汗)あったりするので・・・好みが別れるマンガなのですが(汗)
とりあえず。シュールなネタが好きなのならば、オススメです♪

★いちごみかんさま。
レス、ありがとうございます!
>この話の本、持ってますからっっ!!(えばりっ)
ををっ!知ってますかっ!!持ってますかっ!!(同志発見(笑)!)
とすると、ひょっとして、某Webサ○デーでとらうま高校のライブカメラを事あるごとにチェックしてるクチですかっ!!?(<誰もそんな事言ってないって。^^;)
>とくに、ゼロス君が改蔵の役してるのが、これまた面白い!
『改蔵(変換)スレイ』は、配役に悩んだのですが・・・スレイには、ゼロス氏とナーガ様、という強い味方がいるのでOKなのですっ!(何の味方だ。何の。^^;)
>・・・今度違うのでやってみようかなー・・・なんて。
是非、やっちゃってください♪(爆)(話も一杯あるし(笑))私もまた何か思い付いたらやってみます♪(爆)(<おいおい^^;)
・・・失礼しました(汗)

★みていさま。
レスありがとうございますっ!
>あそこまで視線が変わると変化しますか。モノは言い様とはまさにこのことっ!(拳振る)
コレが『貴族病』なのです(爆笑)
ちなみに、アメリアの視点には(マグロマナティの中の)ガウリナ思想が混じってます(笑)
(例:お食事争奪戦→(ガウリナ変換)→らぶらぶ大暴走。^^;)
>ナーガがおねぇさんしてるし。
そうっ!ソレなのですっ!書きたかったのはっ!(笑)
おねぇさまなナーガ様・・・なんてイイ響き♪(はあと)(<アヤシイ上にヤバイって。^^;)
・・・し、失礼しました(汗)

★砂緒さま。
>お話読みながら、一人でパソコンの前でうけてました・・・。(笑)
ウケていただけたようで・・レスもいただけて・・・ありがとうございます!
>おもしろそうだし・・・(おいおい)
たしかに、おもしろそうですよね(爆)・・・白タイツをはいてみたりして(笑)(←パロディ元ネタ^^;)
>しかし・・・ゼル哀れです・・・(合掌)
苦労人ゼルガディス(合掌)・・・でも、何故かミョーに書きやすかったです(爆)(<おいおいっ!^^;)
>わたし知らなかったけど、ぜんぜんついていけました!!
わかっていただけたようで・・良かったです・・・(胸をなでおろす)


ではっ!