◆−Curious−穂波(1/31-23:47)No.5584
 ┣はじめまして♪−砂緒(2/1-20:06)No.5587
 ┃┗こちらこそよろしくです−穂波(2/2-00:28)No.5591
 ┗Re:Curious−31(2/2-19:38)No.5592
  ┗ありがとうございます−穂波(2/5-01:13)No.5605


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5584Curious穂波 E-mail 1/31-23:47


えーと、今回は初のオーフェンネタです。
オーフェンとクリーオウしかでてこないあたりから、内容を察してやってくださいませ(汗)。ちなみに穂波は「我が戦場に踊れ来訪者」P58の6行目で至福に浸れるようなタイプです(笑)。
それでもいいと思われる方は、お読みください。
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「ねぇ、オーフェンてキスしたことある?」
 問いかけは、ひどく唐突だった。
 問われた男は、一瞬その台詞の意味を理解し損ね、しばしの沈黙の後、
「……はぁ?」
 と間の抜けた返事をかえした。

Curious

「だから、キスだってば!」
 繰り返したのは金髪碧眼の少女だ。いつも好奇心でキラキラ輝いている水色の瞳が彼の目の前にある。彼、問われた黒髪黒目の男は、魔術師の証である首から下げた銀製のペンダント――剣にからみついた一本脚のドラゴンの紋章を、意味もなく指でもてあそびながら、とりあえず座ったまま椅子ごと後ずさってみたりする。
「ねぇ、したことあるの、ないの!?」
 窓の外は、鮮やかな夕暮れだった。金色の雲が茜の間を走り、真紅に燃える太陽が光の残滓を煌めかせている。天井も低くベッドも固い、或る意味料金相応の部屋だと思っていたが。
(この部屋から見る夕暮れは、一見の価値があるかもな)
 フッと眼を細めてそんな物思いに耽ろうとした彼の頬に、細い指が触れた。そのままかなりの力で、グキッと首を曲げられる。
「聞いてるの、オーフェン!?」
 とうとう実力行使にでた少女――クリーオウの顔を目の前に、彼――オーフェンは、結構心の底から大きなため息をついた。
(っとにこいつは……やっぱ、寝ている方が大人しくて可愛かったよな)
 体調を崩し、ここ数日ベッドから起きられなかったクリーオウのことを、心配しなかったわけではないのだが、いざ目がさめるとやはりうるさい。
「なんだってそんな質問に答えなきゃならねーんだよ!」
「いーじゃない、そんなことくらいっ! つべこべ言わずに答えなさいよ!」
「お前なぁ……」
 肩で息を切らして、それでもこちらを見上げてくる少女に、オーフェンは片手で自分の額を押さえた。クリーオウはベッドから半身を起こしたままで、少しも視線を逸らそうとしない。淡いブルーのパジャマは少女にはやや大きいようで、袖を二つ折りにしているがまだこぶしが半分隠れている。えりの間からは、白い肌に浮かぶ鎖骨が見え隠れしていた。
「ったく、寝過ぎでどっかこわれたんじゃねぇか?」
「失礼ねっ! 大体そんなに寝てないわよ!」
「お前なぁ、三日間ベッドに倒れてぐーぐー寝こけてた奴がよく言うぜ!」
「ずぅっと寝てたわけじゃないわよ! レキと遊んだり持ち物の整理したりおみやげリスト作成したり服の雑誌眺めて次に買う奴決めたりしてたんだから!」
 一息でまくし立てる少女のセリフに何かイヤなものを覚えた気がしたが、そのひとつひとつに突っ込む気力もなく、オーフェンは力無く肩をおとした。
「……大人しく寝てろよ、頼むから」
「じゃあ、答えてくれたら寝る。キスしたことあるの?」
 どうしてそこに戻るんだ、とオーフェンは叫びたい衝動に駆られたが、かろうじて自制する。ここでクリーオウのペースに巻き込まれたら負けなのだ、自制心が肝心である。
「オーフェン、なに壁に向かってブツブツ呟いてるの?」
「あぁぁぁぁ、いいだろ、何でも!!」
「いーけどさぁ、寂しくない?」
「お前が突っ込むなよ!!」
「で、キスしたことある?」
「だぁぁぁぁっっっ!!」
 勘弁してくれ、と叫んで泣き出さなかった自分を偉い、とオーフェンは内心誉めてやったりする。
「あーもう、俺は自分の部屋に戻るぞ」
「えー質問はぁ!?」
「うるせー、答える義理はねぇだろ!」
 てきとうに言い放ち、彼は椅子を立った。ぶーぶー言い続けるクリーオウに背を向け、ドアへと歩を進める。
 ごそっ。
 振り向くと、クリーオウがベッドから抜け出そうとしていた。少女の金髪が夕陽を反射して鮮やかに煌めく。そして、金色の髪が床に向かってぐらりと揺らめき……。
「なっ!!」
 床を蹴り手を伸ばす、オーフェンはギリギリのところで少女が床に激突するのを防いだ。
「あ……れ?」
 現状が把握できていないのだろう、ぼんやりと呟く腕の中の少女に彼は嘆息する。
「少しは自覚しろよ、半病人のくせにいきなりベッドから飛び降りようとするんじゃねぇよ」
「うるさいわねー大体オーフェンが悪いんじゃない! 私の質問に、答えようとしないから!」
 眼をおろすと、間近にクリーオウの顔があった。
 また熱がでてきたのかもしれない、潤んだ水色の瞳と、興奮したせいで赤く上気した頬。
(ほんと、なんでそんなこと訊きたがるんだこいつ?)
 今日何度めかのため息をつき、オーフェンは素早く身をかがめる。
「ちょっと聞いてるの、オーフェ……」
 クリーオウのセリフが、唐突に途切れる。
(最初っからこうすりゃうるさくなかったかもな)
 たいして時間は過ぎていない。
 わずか2、3秒と言ったところだろう。
 顔をあげ、オーフェンは沈黙したまま固まっているクリーオウを両腕で抱えてベッドの上に降ろした。
「とりあえず、一回はしたことあるぜ。じゃあな」
 ドアを閉めた途端、クリーオウが何か叫んでいた気がしたが、オーフェンは特に気にしなかった。
「ま、あのぶんならすぐ元気になるだろ」
 ひとりごち、廊下を歩く彼の表情は、微笑とも苦笑ともつかない色を漂わせていた。
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お、落ちが無いような……。
え〜ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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5587はじめまして♪砂緒 2/1-20:06
記事番号5584へのコメント

はじめまして!!砂緒といいます。
ひさびさに投稿小説2の方に来てみたら、いきなりオーフェン!?(喜)
思わずレスしてしまいましたっ!!

>ちなみに穂波は「我が戦場に踊れ来訪者」P58の6行目で至福に浸れるようなタイプです(笑)。
これを読んで、初めてオーフェンの最新刊が出ていることに気づきました。(←おい)
お話から察するに、穂波さまはわたしとタイプが同じみたいです(笑)

それでは。砂緒でした♪

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5591こちらこそよろしくです穂波 E-mail 2/2-00:28
記事番号5587へのコメント

こんばんは、砂緒さん。
穂波と申します、こちらこそどうぞよろしくです。

>ひさびさに投稿小説2の方に来てみたら、いきなりオーフェン!?(喜)
>思わずレスしてしまいましたっ!!
あはは、ありがとうございます〜。
普段こちらに投稿させて頂いているのは主にゼルアメなんですが、突発的に書きたくなってしまいまして(笑)

>>ちなみに穂波は「我が戦場に踊れ来訪者」P58の6行目で至福に浸れるようなタイプです(笑)。
>これを読んで、初めてオーフェンの最新刊が出ていることに気づきました。(←おい)
>お話から察するに、穂波さまはわたしとタイプが同じみたいです(笑)
わーい、好みが同じなのですね、嬉しいです。
新刊はゲットされましたでしょうか?
タイプが同じということでしたら、それなりに楽しめる箇所があるかと(笑)。

ではでは、読んでくださりありがとうございました〜。

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5592Re:Curious31 E-mail 2/2-19:38
記事番号5584へのコメント

 こんにちは。

 最近ケーブルテレビで「オーフェン」をやるようになってから、ちょっとずつこのジャンルをネットで読み出すようになりまして、感想らしきものを書きに参った次第です。

 なんちゅうかその、ほのぼのっていいなァ、と………

 ………ひょっとしたら感想文って以上でおわったらいけないんじゃないかなと思わぬでもないのですが、とにかく、ええ、いいお話でした。どうやら最新刊というのが出ているというのをここではじめて知りましたので、本屋さんに寄ったら買って御指摘の部分読んでみます。

 では…。

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5605ありがとうございます穂波 E-mail 2/5-01:13
記事番号5592へのコメント

こんばんは、31さん。

御無沙汰しております…久しぶりにスキーなどに挑戦し、雪と戯れて帰還したら、コメント頂けている、と凄く嬉しくなってしまいました。

> 最近ケーブルテレビで「オーフェン」をやるようになってから、ちょっとずつこのジャンルをネットで読み出すようになりまして、感想らしきものを書きに参った次第です。
ケーブルテレビでやっているのですか〜。(初めて知りました)
普通の局しか入らないので、ちょっと羨ましいです、はい。

> なんちゅうかその、ほのぼのっていいなァ、と………
そう言って頂けるとありがたいです。
特にドラマ性も何も無いので(笑)

> ………ひょっとしたら感想文って以上でおわったらいけないんじゃないかなと思わぬでもないのですが、とにかく、ええ、いいお話でした。どうやら最新刊というのが出ているというのをここではじめて知りましたので、本屋さんに寄ったら買って御指摘の部分読んでみます。

いえいえ、一言でも感想いただけると幸せです。
読んでくださっただけでもありがたいのに、わざわざそれを伝えてくださっているわけですし。
はい、最新刊出ておりますので、ピンポイントですが…よろしかったらチェックしてみてくださいませ。

では、本当にありがとうございました。