◆−ライバル出現!? 11−いちごみかん(3/2-19:12)No.5842 ┣即行技−toto(3/2-21:08)No.5844 ┃┗解決策−いちごみかん(3/3-17:01)No.5855 ┣ライバル出現!? 12−いちごみかん(3/4-13:40)No.5867 ┃┗重いのね〜−toto(3/5-16:06)No.5881 ┃ ┗そぉなのよ〜−いちごみかん(3/5-16:28)No.5882 ┣ライバル出現!? 13−いちごみかん(3/5-21:33)No.5884 ┃┗ヤヌス状態…−toto(3/6-15:36)No.5887 ┃ ┗あい どんと のぅ 『ヤヌス』・・・(泣) −いちごみかん(3/6-17:44)No.5888 ┣ライバル出現!? 14−いちごみかん(3/6-17:56)No.5889 ┣ライバル出現!? 15−いちごみかん(3/6-21:53)No.5891 ┣ライバル出現!? 16−いちごみかん(3/6-23:46)No.5896 ┃┗どうなってしまうの?−toto(3/7-19:58)No.5905 ┃ ┗くはははは!!(←修正版・呪術士)−いちごみかん(3/7-20:54)No.5909 ┗ライバル出現!? 17−いちごみかん(3/7-21:16)No.5910
5842 | ライバル出現!? 11 | いちごみかん E-mail | 3/2-19:12 |
いっや〜・・・。 ツリー落ちちゃいましたねぇ・・・。 短かった・・・いちごみかんです。(こんばんはです) でもまぁ、区切りのいいところで落ちたわな、ツリー。 自分的にO.k?(は、半角??) とにかく11話なのです。 本文行くのです。 (↓ツリーが落ちて、気分も変えようと言うことで。でも結構面倒くさい) ===================================== Filia Side 「どうしたの―――?フィリアさん」 死怨は腕を組み、小悪魔のような顔で微笑みながら私を見上げる。 「何故貴方がここに居るんですか」 私は無愛想に尋ねた。 「そりゃぁもちろん」 私が『何なのか』と死怨の方を見ると、 彼は急に真面目な顔になって言った。 「詩穏のために」 「貴方は!! ・・・貴方は自分の存在が詩穏を追いつめていることに、 気付いていないんですか!?」 すると詩穏は馬鹿にしたようにこちらを見て、 「おれの存在が、 詩穏を駄目にするって言いたいわけだ、フィリアさん。 でもな、おれは詩穏が望んだからここに居るんだ。 あいつのことをよく知りもしないくせに、 偉そうな口聞くなんて・・・」 あんた馬鹿だね―――。 死怨はその後を続けなかったが、言いたいことは分かっている。 その時。 「鈍いねっフィリアさん!!」 「な・・・っ!」 くすっと言う死怨の笑い声が耳元で聞こえたかと思うと、 がしっと手首に感触が生まれた。 そして次に私の目に映ったのは、見慣れたキッチンだった。 と、さっきまで私たちが居たはずの寝室の方から、 凄まじい爆音が聞こえてくる。 まさか・・・。 私は少し背の低い死怨の方を向いて問いかけた。 「あれに、気付いて・・・??」 「勘違いしないで欲しいな」 私の言いたいことを悟ったのか、死怨がびしっと私に指を突きつけて言う。 「おれは、あんたが傷つくと詩穏が悲しむから助けてやっただけだから」 「はい」 分かっているという風に頷くと、きっと視線を寝室の方へ向けた。 「何か、居ますね」 「だから寝床があんなになっちゃったんでしょうが」 「まぁ、そうなんですけど・・・」 「分かってるんならちゃっちゃと片づけて寝よう」 「・・・はい・・・」 何とかうち解けて弱みを掴もうとしているのに、 彼はそれをするすると抜けていってしまう。 ・・・どうすればいいのだろう? Xelloss Side 「ゼロス様!?」 驚きの声と同時に扉がばんっと開かれる。 僕はとっさに手紙を背中に隠す。 「どうしたんですか??血相を変えて」 「いや、ゼロス様の物らしき雄叫びが聞こえてきたものですから」 「そうですか」 僕は心の中で、いくら獣王様の行動が突拍子のない事だったからって、 あんな大声で叫ぶべきではなかった、と後悔していた。 「いえ、僕は叫んではいませんよ? 聞き違いじゃ、ありません?」 「いえ、そんなはずは・・・」 後ろにいた数人の魔族達もざわつきはじめる。 「僕は言ってないんですよ」 もう一度しれっと答える。 ・・・今度は少し、威圧を込めて。 「でもあれは確かに貴方の声・・・」 効果無し。 これだから下級魔族というのは・・・! よほど苛立ちを感じていたのだろう。 そして僕は、障気を抑えるのを止めた。 「・・・!?」 魔族達の顔から血の気が引いていく。 「僕は、言っては、いないんです」 「は、はい・・・っ! 失礼・・・しました!!」 扉が閉まり、 ばたばたという足音が遠ざかっていく。 「・・・ふぅ」 こんな風に脅しをかけるなんて僕らしくない・・・。 僕は深々と溜息を付いた。 「とにかく、獣王様を捜さないと」 手紙の中の、『詩穏を連れ戻す』の言葉を頼りに、 僕はフィリアさんの所へと飛んだ。 ===================================== はー。 死怨君、正気ですか―――?? と、思わず作者が突っ込みたくなるような話ですね。 totoさーん、続きですよー・・・。 って、見て下さってなかったらどうしよう・・・。 ふふふ、淋しぃ・・・。 とにかく今から続きを頑張ろうと思います!! (ヲイ、試験勉強はどうした) ・・・ふふ、勿論さぼるのです。(←学生、いや人間失格) 今度の期末、半分取れてればいい方かも。 ・・・これ、本当に来年受験生になるだろう奴の言うことか?? ちがうなー・・・。 一人でボケ、一人で突っ込むことの寂しさを知った今日この頃。 ではこの辺で。 |
5844 | 即行技 | toto | 3/2-21:08 |
記事番号5842へのコメント totoです。テスト大変そうですね。という私もレポートたんまり…パソコンから離れられないんです。(涙)その代わりこのレスの早さ。華麗なくらいですね。 >いっや〜・・・。 >ツリー落ちちゃいましたねぇ・・・。 そうですねえ。でも確かにキリがいいかも死怨君の巻って感じだし。 はあーますます眼が離せません。だんだんゼロスワールドとシオンワールドの溝が広がっていますね。しかしそこがドキドキしてしまう所です。何時繋がるの?どうやって繋がるの?みたいな期待が…やはり「彼女なりに頑張っている」いちごみかんさんのフィリアさん、いい味だしてます。足手まといでこそ可愛いのよって感じ。 >totoさーん、続きですよー・・・。 >って、見て下さってなかったらどうしよう・・・。 >ふふふ、淋しぃ・・・。 見てるの。待っているの。ではでは、また〜クラピカ好きの友人に宜しく。私はねこじるの様な眼のイルミが好き。(?)あんまよくみてないから解らないけど… |
5855 | 解決策 | いちごみかん E-mail | 3/3-17:01 |
記事番号5844へのコメント >totoです。テスト大変そうですね。 たいへんです。 母は、何とか私にいい点を取らせたいらしく (まぁ、受験控えてるし?) 全て70点以上だったらゲームやマンガのペンなど、 計7000円ほどの約束をしましたよ、今日。 という私もレポートたんまり…パソコンから離れられないんです。(涙)その代わりこのレスの早さ。華麗なくらいですね。 ホント、早い・・。 昨日は、試験勉強で一日平均2・3時間ほどしか 寝てなかった反動が襲ってきて・・・、 見てなかったですぅ・・・。 >>いっや〜・・・。 >>ツリー落ちちゃいましたねぇ・・・。 >そうですねえ。でも確かにキリがいいかも死怨君の巻って感じだし。 >はあーますます眼が離せません。だんだんゼロスワールドとシオンワールドの溝が広がっていますね。 そうですよー? 詩穏君も、死怨君も、 もっともっと奥が深いのだ。 (とくに死怨君。) しかしそこがドキドキしてしまう所です。何時繋がるの?どうやって繋がるの?みたいな期待が…やはり「彼女なりに頑張っている」いちごみかんさんのフィリアさん、いい味だしてます。足手まといでこそ可愛いのよって感じ。 そーですねー、あの二人が闘ったとしても、 フィリアさん、気持ちを落ち着かせてあげる位しか、 できないんじゃないかなぁ。 >>totoさーん、続きですよー・・・。 >>って、見て下さってなかったらどうしよう・・・。 >>ふふふ、淋しぃ・・・。 >見てるの。待っているの。ではでは、また〜クラピカ好きの友人に宜しく。私はねこじるの様な眼のイルミが好き。(?)あんまよくみてないから解らないけど… 感想ありがとー!!!(絶叫) 新しいツリーになってから淋しくて淋しくて(涙) そっかー・・・イルミ君ですか。 うん、あの人(?)も結構可愛い。 でもやっぱり私はキル君が好き。 暗殺者のプロなのに、さりげにお菓子好きって所なんか、もう。 ではこのへんで! (結局題名に関することは出てこなかったなあ・・・) |
5867 | ライバル出現!? 12 | いちごみかん E-mail | 3/4-13:40 |
記事番号5842へのコメント はいはーい こんにちは。 いちごみかんです!! 来ました!12話です。 でも、今回少し短いです。 やっとゼロス君と死怨君がつながるのだ。 ・・・そんな事すれば、今後もっともっとややこしくなるの、 分かりきってるのに・・・。 いいのです。では、本編です。 ===================================== Filia Side 「フィリアさん。度胸はある方?」 死怨がいきなりこんな事を聞いてきた。 「それは・・・まあ少しは」 私は話の意図が掴めないまま答えた。 「そ。なら大丈夫かな」 「何がです?」 「すぐに分かるよ、フィリアさん。嫌でもね」 シオンは意味深な顔で笑うと、くるりと私に背を向けた。 次に死怨が口を開いたとき、 さっきまでの(やはり)小悪魔のような口調は消えていた。 「来るよ」 「はい??」 刹那。 ずどぉっっっっ!!!! 私たちがいた場所に、大きな火の玉が飛んでくる。 私自身はと言えば、 宙に浮かんでその煙を見下ろしていた。 「・・・あれ?」 何で自分が浮いているのか、全く分からない。 そんな術を発動させた覚えもない。 すると頭の上から声が聞こえた。 「フィリアさん・・・見かけによらず、重いのな。 ・・・さすがは竜族の一員」 何と死怨は、私を両手で抱きかかえて宙に浮いていたのだ。 ・・・そりゃあ攻撃を避けるためだろうけど、 ゼロスの頭より2個分ほど小さい死怨が・・・!!?? 「・・・って、離して下さいっ」 「いいの?」 「う゛・・・」 「ここって結構天井高いんだね」 はっとして見上げると、死怨のすぐ上に天井があった。 ・・・確か天井までは2・3メートルはあったはず。 と、言うことは。 「嘘・・・」 「ホント」 「・・・・」 「何かご不満?フィリアさん。 おれ、これでも結構辛いんだからね」 額にぽつぽつと汗が浮かんでいるところを見ると、本当らしい。 「・・・すみません」 「いいよ、別に。 竜族の体が重いのなんて、あんたのせいじゃないからね」 Xelloss Side 暗い闇の中、高速で移動を続ける。 もう少し、もう少しであの人の所へ着ける。 ・・・こんなに道のりが長く思えたことが今までにあっただろうか? ない、と思う。 しばらくして、金色の光が見えた。 やっと、着いた。 「フィリアさん!!」 その姿を捕らえたとき、僕はすぐに名を呼ぶ。 すると、驚いてこちらを見返してくるその顔・・・が、 いつもならあるはずなのに。 今回目に入ったのは、 詩穏に抱えられふわふわと浮いているフィリアさんだった。 「詩穏!!!」 「ぜ、ゼロス!?」 フィリアさんが驚きの声を上げる。 僕が今まで詩穏だと思っていたそれは、 ゆっくりとこちらを向いて、丁寧にお辞儀したのだ。 ・・・空中で。 「初めまして、ゼロスさん。 おれ、死怨って言います―――」 言葉自体は非常に丁寧なのだが、どこか引っかかる物言い。 そして、会ったときから続いている、 僕に対する呼び捨て行為が消えているのも奇妙だ。 それに・・・。 「死怨・・・?貴方は『詩穏』じゃ、ないんですか??」 「ええ。お初ですよね、おれに会うのは」 悪魔的な微笑みを浮かべてこちらを見る仕草は、 外見が詩穏なだけに、何か落ち着かない。 「詩穏が僕をからかっているのでは・・・なさそうですね」 フィリアさんの方を向いて尋ねると、 彼女は確かにこくんと頷いた。 ===================================== ・・・なんか、やっぱしよくわかんない話になってしまった。 それよりも、ラナン!! お前、攻撃と攻撃の間、開きすぎ!! ・・・とか、自分で突っ込んでしまう所など、 この作品が不完全なのを物語っております ま、いいか。 いちごみかんだし。 (と、許してくれる人が居たら嬉しいかも) では、早速母のお呼びがかかっておりますので、この辺で。 「はい―――!? 今行きま―――っす!!!」 (↑ホントに発しちゃったよ、このセリフ) |
5881 | 重いのね〜 | toto | 3/5-16:06 |
記事番号5867へのコメント totoです。今日も学校PCです。 >やっとゼロス君と死怨君がつながるのだ。 待っていたの♪ >「何かご不満?フィリアさん。 死怨君、結構ゼロスに似ている性格の悪さかもしれない。 > おれ、これでも結構辛いんだからね」 >額にぽつぽつと汗が浮かんでいるところを見ると、本当らしい。 >「・・・すみません」 フィリアさん乙女とは思えない重量なのねえ。可哀相にフィリアさんちの椅子。 >「いいよ、別に。 竜族の体が重いのなんて、あんたのせいじゃないからね」 死怨君、少年らしい恰好良さが素敵。小学校でもてるタイプですよねえ。さりげなフォローをする男の子って。 >>暗い闇の中、高速で移動を続ける。 >もう少し、もう少しであの人の所へ着ける。 >・・・こんなに道のりが長く思えたことが今までにあっただろうか? >ない、と思う。 シリアス何だかシリアスでないんだか微妙なゼロスさんの思考回路ですねえ。 「ない、」の点が結構好き。 >では、早速母のお呼びがかかっておりますので、この辺で。 >「はい―――!? > 今行きま―――っす!!!」 >(↑ホントに発しちゃったよ、このセリフ) 何だか大変な生活の様ですね。カツオ状態なんですね。 では、続きを待ってます。 |
5882 | そぉなのよ〜 | いちごみかん E-mail | 3/5-16:28 |
記事番号5881へのコメント >totoです。今日も学校PCです。 いいなぁ、学校で出来るの。 >>やっとゼロス君と死怨君がつながるのだ。 >待っていたの♪ ご期待に応えて。 >>「何かご不満?フィリアさん。 >死怨君、結構ゼロスに似ている性格の悪さかもしれない。 うん、絶対に似てる。 でも似てる分、ふぃりあさん強奪作戦(!?)がややこしくなるのかも。 >> おれ、これでも結構辛いんだからね」 >>額にぽつぽつと汗が浮かんでいるところを見ると、本当らしい。 >>「・・・すみません」 >フィリアさん乙女とは思えない重量なのねえ。可哀相にフィリアさんちの椅子。 全くだわ。 でもこればっかりは、 ダイエットでどうのって問題じゃないからねぇ(同情) >>「いいよ、別に。 竜族の体が重いのなんて、あんたのせいじゃないからね」 >死怨君、少年らしい恰好良さが素敵。小学校でもてるタイプですよねえ。さりげなフォローをする男の子って。 ですねぇ。 死怨君はそんな他人の目を気にするような奴じゃないから、 きっとこれは天然なのね☆ >>>暗い闇の中、高速で移動を続ける。 >>もう少し、もう少しであの人の所へ着ける。 >>・・・こんなに道のりが長く思えたことが今までにあっただろうか? >>ない、と思う。 >シリアス何だかシリアスでないんだか微妙なゼロスさんの思考回路ですねえ。 >「ない、」の点が結構好き。 全く、その通り。 彼の思考回路は、彼を操る私の思考回路までも混乱させる。 (行動パターンが読めないι) >>では、早速母のお呼びがかかっておりますので、この辺で。 >>「はい―――!? >> 今行きま―――っす!!!」 >>(↑ホントに発しちゃったよ、このセリフ) >何だか大変な生活の様ですね。カツオ状態なんですね。 >では、続きを待ってます。 またまた感想、どうも! それにしても・・・。 どうして世の中に『試験』なんて物があるんでしょうかねぇ。 ホント、大変ですよ。 ◎母の言い分 【数学は、かけ算・引き算・足し算・わり算を覚えていれば十分。 面積?体積?? そんなもの、建設課に進む人にだけ教えろ。 理科なんて日常生活中に必要ない。 そんなもの、大学教授を目指す人にだけ教えろ】 ・・・だ、そうです。 そのとおりですよねぇ? では、この辺で。 |
5884 | ライバル出現!? 13 | いちごみかん E-mail | 3/5-21:33 |
記事番号5842へのコメント ははーい、こんばんは!! いちごみかんです。 最近腕が鈍ってきたのか、 のばすと「あ」の音になる平仮名 (あかさたなはまやらわがだば・・・など) を打つとき、ほとんどと言っていいほど 「あ」を二回打ってしまう・・・。 (ああ かあ さあ たあ・・・など) 変換するときに気付くんですが、 これを直すのがまた面倒で。 何でこんなにも悠々とパソコンをしているかというと、 明日のテストは 「英・国・家」 英語も国語も、得意教科なのよん。 ・・・と、母親に言い訳して公認のパソコンなのです。 (久しぶりに) 英語はもともと、習いたいなー・・・って小学の頃からあこがれてたし。 今思えば、正解だったな。 英語なんて、好きにならなきゃやって行けんよ、ホント。 覚えなくてはいけない単語多いし、 文法とかも多数あるし。 ああ、英語が好きで、よかった。 (嫌いで苦手な人は、今頃地獄を見てるんだろーなー(同情)) でも家庭科が・・・。 あれは嫌いだ。特に先生。 私って、授業を受けるのが嫌いで(みんなそうだと思うけど)、 いつも落書きしてるんですよね。 好きであるはずの英語までそうなんだから、 化膿止めを打っても手遅れと言うことが分かるでしょう。(笑) 家庭科の先生、みんなに真面目に受けて欲しいのは分かるけど、 真面目じゃない人を見つけたら、 その場で名指しにするのは止めて欲しいなぁ・・・。 その他の教科の先生は、 私が一年の頃からそんなのを知ってるから、 もう・・・無視? (いや、冗談じゃなく) だから、私も開き直って目の前で堂々と絵を描いている。 (駄目だろ) その中でも特に可哀想なのが、数学の先生!! 私、教科書も出さないんだもん。 ノートは取ってるけど、 先生、私が絵を描いてるのを知っては大きな溜息をつくんだよなぁ・・・。 はっ!前書き、長っっ!!! ではそろそろ本文へどうぞ!! ===================================== Xelloss Side もしも今ここでフィリアさんを抱きかけているのがあの『詩穏』なら、 僕は迷わず滅ぼそうとしていたに違いない。 しかし・・・。 今ここでフィリアさんを抱えているのは詩穏ではない。 彼は自分で『死怨』と名乗った。 何ともセンスの悪い名前だ。 ・・・最初に思ったのはその事だった。 聞いただけで、性格が滲み出てくるような。 「ゼロス??」 フィリアさんから声がかかる。 僕ははっとする。 「詩穏・・・いえ、『死怨』」 「何です?ゼロスさん」 僕の機嫌を一番逆撫でするのは、その言葉遣いだった。 『彼』のことを調査する上でも、 気分が掻き乱されるのは問題だった。 「そんなに丁寧な言葉遣いをして頂かなくとも、結構ですが?」 僕がそう言うと、ふむ、と考え込んで、 にこりと笑った。 「そう? ならお言葉に甘えて」 彼がそう言い終わった瞬間、死怨めがけて呪文の固まりが飛んできた。 もっとも、本人の結界に阻まれて、 かすり傷一つ、負わなかったが。 しかしその時から、 死怨の機嫌は目に見えて悪くなっていった。 「フィリアさん、ちょっと」 死怨が彼女に話しかける。 「え・・・」 何が、と思ったら、彼女はいきなり僕の腕の中に転移されてきた。 「ぜ、ゼロス!!??」 「!!??」 何がなんだか分からなかったが、 死怨の次の行動に、フィリアさんは邪魔、という事らしい。 彼は無事に僕が代わりをつとめているのを確認すると、 自分の足下に向かって手をかざした。 「自分の実力を、相手との力の差を・・・知れ」 途端に、家が壊れてしまうのではないかと言うほどの大爆発が起こった。 僕は直前に危険を悟り、 フィリアさんを抱えたまま外に避難していたが。 「今の・・・死怨・・・ですよね?」 分かっては居たが、聞いてみる。 「ええ、多分・・・。 ゼロス、貴方は何もやってはいないんでしょう?」 「やってたらこんな事、聞きませんって。 普通で考えてくださいよ」 「私の頭が悪いと言うんですか!?」 「別にそんな、はっきりとは言っていませんよ?」 「言ってはいないけど、思ってはいるって事ですかあ!?」 「まぁ・・・」 僕はいったん上を向きながら言葉を切り、 にっこりと笑顔で言葉を返した。 「そう言うことになりますかね」 「なぁんですってぇ!!?? 私のどこがマヌケなんですか!!!」 「別にマヌケとは言ってませんよぉ? ほら、 頭が悪いにも種類があるじゃないですか。 『馬鹿』とか『ドジ』とか『阿呆』とかぁ」 僕のその言葉は、余計に彼女を怒らせたらしい。 「ゼロスぅ!?」 「は、はい?」 僕は、フィリアさんがいつも異常に恐ろしい目つきで睨んできたので、 思わず2・3歩引いてしまった。 引いたんですよ?この僕が。 そこからでもこの時のフィリアさんの剣幕が分かっていただけるだろう。 「このっ!生ゴミっ、可燃物っ、不浄の生物っっ!!!」 「な゛・・・っ」 「愛くるしい犬にまとわりつく無惨な猿の死骸のくせに!!!」 「だぁれが猿ですか!!しかも死骸!!??」 「あぁら、貴方に決まってるじゃないですか。 勿論愛くるしい犬とはこの私。 猿にまとわりつかれて生ゴミの嫌なにおいが移りそうだわ。 ああ、イヤだイヤだ」 フィリアさんは顔の前で、片手をひらひらと動かした。 (そう、まるで異物のにおいを避けるように!) 「な、な、生ゴミとはこの僕のことですかぁ!?」 「ええ」 僕がひきひきしながら尋ねると、 フィリアさんは当然といった風に大きく頷いた。 「自分の欠点にも気付かずに、よくも他人を罵れますね! 大体貴方は、自分のことをもっとよく知るべきです。 正義をかざすその下で、 貴方自身は一体何をやっているんです!?」 フィリアさんの顔からさっきまでの挑戦的な色が消えていく。 ・・・でも僕の口は止まらない。 隅の方に、彼女の負の気を喰らう自分が見える。 「結局足手まとい。 ・・・何もせず、傍観者を決め込んでいる所なんか、 僕達魔族と同じじゃないですかっ!!」 フィリアさんの顔に、新たに動揺が生まれる。 でも、まだ止まらない。 「そんな神の名を語る堕ちた魔族の一員なら、 降魔戦争のとき、 ほとんどを滅ぼしておいて正解でしたかねっっ!!!」 「!!」 フィリアさんから、明らかに精気が奪われていく。 ・・・これは僕の仕業なのだろうか?? まぁ・・・それ以外に考えられまい。 「そもそも竜族なんて・・・」 それでもまだ僕の口は皮肉を紡ごうとする。 こんな事言いたいんじゃないのに―――。 誰か、僕を止めて下さい・・・。 「その辺にしといたら? フィリアさん、十分へこんでるみたいよ??」 この声は・・・。 「詩穏?」 フィリアさんが彼の名を呼ぶ。 するとふるるっと首を振り、くすっと笑った。 「ちがーう。まだ『死怨』(こっち)」 フィリアさんの期待(?)も虚しく、 死怨は地面に降り立った。 †Sion Side まぁったく。 何考えてんだ?こいつは。 フィリアさんをいぢめてるゼロスさんを見たとき、 最初に思ったのはそれだった。 「(あんなのいぢめて、なぁにが楽しいんだか)」 口には、出さなかったが。 『ねぇ死怨・・・。 お願い、フィリアを救って』 今は神経を通じて会話の出来る状態の詩穏が訴える。 今は・・・というのは、 普段おれが出るときにはあいつの声が届かないように細工してるからだ。 「なぁんでおれが、 死竜族下っ端には相当する力を持った魔族なんぞと、 闘わにゃならん?? ・・・面倒な」 おれはきっぱりとそれを却下したつもりだったのだが、 詩穏はなおもしつこく言ってくる。 『お願いだよ・・・死怨』 「やかましい。 現在の全神経使用権利獲得者はおれなの! ・・・もし気が向いたら救ってやるよ」 『うん・・・ありがと』 「ホントにっ! 気が向いたら、だからなっっ!!」 『分かってるよ・・・』 そして次に、おれはその魔族・ゼロスさんに声をかけていたわけだ。 「その辺にしといたら? フィリアさん、十分へこんでるみたいよ??」 ・・・って。 ===================================== 中途半端でゴメンナサイ。 でも、 どんな得意教科でも真面目にやらないと・・・って思ったの。 前書きであんなに書いちゃったから、 あとがきではほとんどはなす事がない・・・。 前に比べて少なく淋しいのですが、この辺で。 |
5887 | ヤヌス状態… | toto | 3/6-15:36 |
記事番号5884へのコメント >ははーい、こんばんは!!いちごみかんです。 こんにちわ。相変わらず大変そうな日常ですが大丈夫ですかあ? >英語はもともと、習いたいなー・・・って小学の頃からあこがれてたし。 良いことです。 >英語なんて、好きにならなきゃやって行けんよ、ホント。 >覚えなくてはいけない単語多いし、 >文法とかも多数あるし。 >ああ、英語が好きで、よかった。 >(嫌いで苦手な人は、今頃地獄を見てるんだろーなー(同情)) 地獄を見た… >でも家庭科が・・・。 >あれは嫌いだ。特に先生。 家庭科って駄目でした、料理は食ってるだけ、裁縫は他人に肩代わりしてもらって乗り越えました。(最低人) では感想へうつらさせて頂きます。今回ゼロスが可愛かったですね。魔族の本質?への素直さ?がよんでて楽しかったです。フィリアさん口悪っ…そこが魅力ですねえ。もはやゼロス以外には耐えられそうにないですねえ。ゼロス以外にはあたりが良いのかもしれませんが…またシオン君の視点、子供が大人の恋愛の滑稽さを冷静に観察している様で良い雰囲気です。ただし、「死怨君」ってばかなりのダークホース。恐いよ…何をしでかすのやら。 >> 現在の全神経使用権利獲得者はおれなの! > ・・・もし気が向いたら救ってやるよ」 >『うん・・・ありがと』 >「ホントにっ! > 気が向いたら、だからなっっ!!」 >『分かってるよ・・・』 このヤヌス状態のやりとり好きです。でも、ちょっと恐いよお。 >>そして次に、おれはその魔族・ゼロスさんに声をかけていたわけだ。 >「その辺にしといたら? > フィリアさん、十分へこんでるみたいよ??」 >・・・って。 おーとっ、ゼロス、恋の面目どころかその存亡さえ危ぶまれているのですね。 続きが楽しみです。では、頑張って下さい。失礼します。 |
5888 | あい どんと のぅ 『ヤヌス』・・・(泣) | いちごみかん | 3/6-17:44 |
記事番号5887へのコメント >>ははーい、こんばんは!!いちごみかんです。 >こんにちわ。相変わらず大変そうな日常ですが大丈夫ですかあ? 大丈夫ですぅ♪ あとは数学と保体♪♪ >>英語はもともと、習いたいなー・・・って小学の頃からあこがれてたし。 >良いことです。 でも実体は、「英語ってなんか格好いいから!!」 ・・・って思ってたんだよなぁ。 >>英語なんて、好きにならなきゃやって行けんよ、ホント。 >>覚えなくてはいけない単語多いし、 >>文法とかも多数あるし。 >>ああ、英語が好きで、よかった。 >>(嫌いで苦手な人は、今頃地獄を見てるんだろーなー(同情)) >地獄を見た… 頑張って下さい♪♪ (私はもう終わりました♪75点は確実♪)←レベル、低ッ!! ってもしかして、もう終わっちゃってるかも? >>でも家庭科が・・・。 >>あれは嫌いだ。特に先生。 >家庭科って駄目でした、料理は食ってるだけ、裁縫は他人に肩代わりしてもらって乗り越えました。(最低人) あ、いいなぁ、それ(ヲイ) 私も今度やろーっと。(密かにたくらむ) >では感想へうつらさせて頂きます。今回ゼロスが可愛かったですね。魔族の本質?への素直さ?がよんでて楽しかったです。フィリアさん口悪っ…そこが魅力ですねえ。もはやゼロス以外には耐えられそうにないですねえ。ゼロス以外にはあたりが良いのかもしれませんが…またシオン君の視点、子供が大人の恋愛の滑稽さを冷静に観察している様で良い雰囲気です。ただし、「死怨君」ってばかなりのダークホース。恐いよ…何をしでかすのやら。 ゼロスさんはやっぱりああでないと。 私の中のフィリアさん像は、 100ぱーせんと、アニメだからな。 アニメのままの口の悪さです♪♪ >>> 現在の全神経使用権利獲得者はおれなの! >> ・・・もし気が向いたら救ってやるよ」 >>『うん・・・ありがと』 >>「ホントにっ! >> 気が向いたら、だからなっっ!!」 >>『分かってるよ・・・』 >このヤヌス状態のやりとり好きです。でも、ちょっと恐いよお。 うーむ、分かんないなぁ、『ヤヌス』。 私が無知なのです。 ゴメンナサイ。 >>>そして次に、おれはその魔族・ゼロスさんに声をかけていたわけだ。 >>「その辺にしといたら? >> フィリアさん、十分へこんでるみたいよ??」 >>・・・って。 >おーとっ、ゼロス、恋の面目どころかその存亡さえ危ぶまれているのですね。 >続きが楽しみです。では、頑張って下さい。失礼します。 感想、有り難うです。 もしもこれを読んで、 フィリアさんのイメージが壊れてたりなんかしたりしたら、 ゴメンナサイ。(←くどい) 死怨君は、 私のキャラの中で、一番の暴走性を発揮してますからねぇ。 他にも怖いのはいるんですが、 彼には勝てない(笑)。 詩穏君の陰的存在だからかなぁ。 【ここからは、話とは何の関係もない話に。】 英語のテストで75点取れたっていっても、 (↑まだ返ってきてないだろ、ヲイ!!) うちのクラスは平均点が高いから、なぁんにも威張れないんですよねぇ。 とくに 「芦田 竜二朗」←笑!(仮名) なんか、真面目っぽくないのに真面目で(?) いっつもいい点数取ってるんですよぅ。 不良なら(違うかもしれないが)不良らしく、 一だの二だのとれーーー!!!(一を取る人がたくさんいれば、私の体育が二に 昇格するかもしれない!!)←浅はかな野望。 では、なんかしょーもなくなってきそうなので、この辺で。 |
5889 | ライバル出現!? 14 | いちごみかん | 3/6-17:56 |
記事番号5842へのコメント さぁ近づいてきたぞ!! キリのいい15話!! ・・・などと意気込んでいるいちごみかんです。 そうそう。 実わ、ワタクシ。 ここのイラストページにイラストを送るんですのよ♪ (誰よ、あんた) ・・・って掲示板見てもらえれば一目瞭然か。 そして、 このお話に出てくるキャラなのよ。 (まぁ、ゼロスさんとフィリアさん以外なら詩穏か死怨だし、 目つきが怖くなかったら、詩穏だし・・・って、 バレバレ??) ま、とにかくおいといて、 本文行きましょうか、本文。 ===================================== Xelloss Side 「貴方に言われる筋合いはありませんよ?死怨」 僕は今度は死怨に向き直った。 「おれは別に、それでいいんだってば。 『詩穏』が言ってるんだよ。 『フィリアを助けてくれ』ってね」 「詩穏・・・が?」 「ああ」 「そう、ですか」 フィリアさんは何か考え込んでいるようだった。 「じゃ、おれの仕事は済んだみたいだし、 ・・・戻るな?」 彼はそのまま、誰も良いとは言ってないのに、戻った。 ・・・なんて自分勝手な。 『詩穏』に戻ると同時に、詩穏はフィリアさんに駆け寄っていった。 「フィリア?フィリア?大丈夫??」 「え、大丈夫ですよ、別に」 「そう?でも・・・」 ・・・なんか、僕って思いっきり悪者じゃないですか。 やっぱり『一族を殺しといて正解』と言ったのが悪かったんだろうか。 「ゼロス」 「何ですか、詩穏」 「ちょっと、話がある。 ・・・こっち来て」 「は?話??」 「いいから!!」 ・・・と、半ば連れ去られたように僕は詩穏に引っ張られていった。 フィリアさんを残して。 「ゼロス」 「何なんです!?何度も呼び捨てにしないで下さい!」 「お前になんか、分からない」 「?」 「フィリアの心は、お前には理解できない・・・っ!!」 「な・・・。 いきなり何を言い出すんですか」 詩穏に連れてこられたのは、フィリアさんの家の裏だった。 そこは陽も当たりにくい場所らしく、 入り口の暖かな雰囲気とは違っていた。 まるで、 『詩穏』と『死怨』の様に。 また、詩穏が口を開く。 「おれたちの能力は、時にはもの凄く便利なときがある。 でも・・・反対に、 こんな力無い方がよかったって・・・思うときだってある!! 今が、その時だ」 「どうしたんですか。 いつもの貴方らしくないですよ? フィリアさんの毒舌が僕に向いて、嬉しいんじゃないんですか??」 「そりゃ・・・まぁ、嬉しい」 「でしょう? 何故僕が貴方にまでけなされなくちゃいけないんですか」 「フィリアが、悲しんでるからだ」 「は?」 「フィリアは・・・泣いてるんだ。心の中で。 おれの中に、その気持ちが勝手に入ってきてしまう。 だから、今おれは自分が死竜族であることを悔やんでいる」 「だから・・・何なんですか」 「お前は、間違っている」 詩穏は僕を睨み付けながらびしっと指を指す。 ・・・僕が・・・間違っている?? そして詩穏はゆっくりと手を下ろすと、ほぅ、と溜息をついた。 「・・・正確に言えば、フィリアも、なんだけど、 おれが好きだから許す」 な、なんて身勝手な。 こういう所を見ていると、さすがに詩穏と死怨が似ている気がする。 「でもこれは、おれだけの判断で許されることじゃ、無いと思うんだ」 「??」 「・・・わかんないよね。 だって、本人達が気付いてないんだもん」 詩穏は僕を見て(天然かもしれないが)、 にこにこ、と笑う。 「どういう意味ですか」 「つまりぃ、」 詩穏は真面目な顔になって、僕の心臓を指差す。 「その心に気付けない限り、死竜族には敵わない」 「な、にを・・・」 そして、タイミングを見計らったの如く、 フィリアさんの悲鳴が聞こえてきた。 『!!??』 ・・・僕と詩穏は同時に振り向いたであろう。 「フィリア!!??」 そして、やはり同時に駆けだしていた。 ===================================== ・・・ふうぅぅぅ・・・。 キリ悪いしー短いしーゼロス君側しかないしー、 シオンコンビ(!?)が意味不明だしー・・・。 とまぁ、 上げてみれば、あるもんですねぇ、駄点。 あえてここで発表することはないし・・・、 この辺で♪♪ (↑テストが出来たせいか・・・まだ『うきうき』) |
5891 | ライバル出現!? 15 | いちごみかん | 3/6-21:53 |
記事番号5842へのコメント こんばんわ!! いちごみかんです。 はは、ついぼーっとしてたら、 『名前』の所に本名打っちゃってました。 あー・・・あぶなー・・・。 で、この回、キリがいいとのことで、 新たにオリジナルキャラを増やします。 だから、『彼女』の活躍で、 死竜族の位置や、 (魔族で言うと、【魔王の腹心】とか、【神官・将軍】とか) 詩穏君の立場などが、 次々に分かっていく「予定」(←ここ強調)です。 では早速どうぞ!! ===================================== Sion Side 「フィリア!!!」 おれの目がフィリアの姿を確認すると同時に、 彼女につかみかかっている存在にも目が行った。 おれの頭には、一瞬で『知っている』と言う感覚が生まれた。 腰まである深緑の髪は束ねずに流し、 その頭には、ある種族独特の色布が巻かれている。 胸下までの短い上着の下には、赤い生地が顔を覗かせている。 そして、複雑に巻かれたスカート状の腰布と、足元には大きなブーツ・・・。 彼女は・・・!! 「瑚殊(ここと)!?」 おれは声をかけたつもりだったが、その瑚殊には届いてないらしい。 それでも彼女の声が届いてくるところを見ると、 よほどの声量で話して(叫んで?)いるらしい。 「何を言ってるんですの!? いいですわ。お分かりになられていない様ですので、もう一度申し上げますわ。 ですから!! 我等死竜族の群長のご子息を、どこへ連れて行かれましたの!?」 「!!」 おれは一瞬びくっと体が震えた。 Filia Side 私はまた、混乱していた。 何故なら、 大人しく彼らの帰りを待っていようと思った矢先に、 空間からふわりと出てきた少女が、 いきなり「群長のご子息はどこですの?」と聞いてきたからである。 しかも、はじめの方は声も小さく、何とか普通に会話が出来る状態だったが、 次第に気が立ってきたのか私を睨み付けながら話を進めるし。 それでも私が「貴方の群の群長の息子さんなんて、預かってはいませんよ?」と、 繰り返すほどにいきり立つのである。 少女はそのたびに言う。 「貴方はご存じの筈ですわ」と。 しかし、知らない物は知らないので、何度も首を横に振った覚えがある。 ついに少女は痺れを切らしたらしく私につかみかかってきたので、 思わず叫んでしまったのだが―――効果無し。 「ですからっ!私には、そんな覚え、無いんですよぉっ!!」 なおも少女―――瑚殊は食い下がる。 「瑚殊っ!!」 向こうの方で、声が聞こえる。 あれは、詩穏だろう。 ・・・助かった。 それが正直な気持ちだった。 Xelloss Side 「ここ・・・と??」 何とも不可解な名前だ。 ・・・というのが、本音。 しかし、詩穏が呼んでいるのだから、同族なのだろうか? 「詩穏。聞こえてませんよ」 僕がその少女から目を離さずに言うと、彼は分かっているといった風に頷いた。 「瑚殊は、一直線なんだ」 僕はなるほど、と納得する。 それなら、他人の声が耳に入らないのも理由付けできる。 「瑚殊っっ!!!!!」 詩穏はもう一度さっきとは比べ物にならない大声で叫ぶ。 ・・・が、反応無し。 「本当に、聞こえてないんですね。 ・・・彼女はヘレン・ケラーですか?」 「違うよ、ゼロス。 ヘレン・ケラーは、口も利けない」 「なるほど」 おかしな会話をしているのに、自分たちは全く気付かず、うんうんと頷く。 変なところで意見が合う。 しばらくして、 瑚殊はようやく僕達に気付いたようだ。 ===================================== あはは、変な所で切っちゃってゴメンナサイ。 でも、 そのうちに瑚殊ちゃんのイラストも送りたいなと思っているので、 許して! なんか最後の方、 思いっきりギャグになっちゃいましたねぇ。 このお話、作者にも流れが分かんない♪♪(←物語作者失格者其の弐の発言) では、今結構忙しいので、この辺で!! |
5896 | ライバル出現!? 16 | いちごみかん | 3/6-23:46 |
記事番号5842へのコメント こんばんはです、いちごみかんです。 なんか、今日だけで三話くらい投稿してる気がする。 ・・・だってぇ、 せっかく作ったオリジナルキャラは、 使わないと死滅するんですもの。 だから、【ひとキャラにも十個の魂】(!?)とかいって使ったら、 瑚殊ちゃん、すっごくつかいやすいんです!! まさかこんなになめらかに話が進むとは思わなかった。 ではそろそろどうぞ!(今日何度目だ?この台詞) ===================================== Filia Side 「た、助けてくださいぃ」 彼らがこちらに向かってきているのを確認すると、 私は何よりも先にその事を訴えた。 すると詩穏が口を開いた。 「どういうこと?瑚殊」 詩穏は、その少女、瑚殊を知っているようだった。 すると瑚殊は詩穏に向かって深々と礼をし、言葉を発した。 「勿論、貴方様を連れ戻すためですわ」 あれ・・・? 瑚殊って人は、確か死竜族の群長の息子さんを捜していて・・・。 その瑚殊さんが詩穏に向かって貴方を連れ戻すため・・・?? ってことは、 詩穏が死竜族の群長の息子さん(長っ)・・・!? 私が頭の中でゆっくりと整理をしていると、 ゼロスがやっぱりと言った風に口を開く。 「そんな事だろうと思いましたよ。 貴方の声が響いてきたときから、詩穏の様子が変でしたしね」 「そ、そんなに響いておりました??瑚殊の、声・・・?」 途端に真っ赤になる瑚殊さん。 こういう所は、まだまだ子供なんですね。 (見た目通りに) 「瑚殊。悪いけど、おれは群になんか帰りたくないんだよ」 詩穏がすまなそうに言う。 急に瑚殊の表情が変わる。 「そう言うわけには、参りませんわ」 二人の間に険悪なムードが漂う。 それを音を立てて粉々にしたのはゼロスだった。 「ちょ、ちょっと待って下さいよ。 つまり瑚殊さん、貴方も死竜族とやらの一員な訳ですね?」 「その通りですわ」 「死竜族の皆さん、今は獣王様のお城の前じゃ・・・」 ふとゼロスの言葉が引っかかった。 ・・・そんな事になっていたのか。 知らなかった。 そうなら言ってくれればいいのに。 「あら?ご存じじゃないんですの? 私たちは、とっくに退いておりますわよ?」 「え?」 「それもこれも、 獣王とか言うのに使える魔族がいつまでたっても戻らないから、 群全体で決めて、魔族全体に宣戦布告をして、戻ってきましたの。 そうそう、丁度貴方のような髪型で―――」 私は思った。 獣王に仕えているのはゼロスのみなのだから、 きっと彼女が見たのはゼロスに間違いない、と。 その証拠に、 ゼロスがぼーぜんとしている。 あれは、 『そんな事も言ったっけな』と言う顔だ。 Sion Side まいったな・・・。 瑚殊の姿を見つけてから、おれの頭の中はその事でいっぱいだった。 彼女はしつこい。 とにかく、しつこい。 そのしつこさで、何十回という会議で自分の意見を実現させてきた。 瑚殊の考えは、ただしつこいだけ、と言うのではないから、 たちが悪い。 ちゃんと納得できる理由が、必ずあるのだ。 だから、 みんな終いには彼女の意見に賛成してしまうのだ。 今回、おれを連れ戻そうとすることにしても、必ず理由があるに違いない。 一つだけなら、思いつかないでもない。 おれは群長の息子だ。 父親に何かあったのなら、その次の座に着くのは、 他の誰でもない、おれだ。 それなら、群の中で会議を行わねばならない。 肝心のおれがいなくては、成り立たない会議だ。 立派な、理由だよぅ・・・。 おれは、内心頭を抱え込んだ。 もしも本当にこの理由なら、おれは帰らないわけには行かない。 会った記憶のない父親でも、 そんな事知るもんか、などと捨てられる物ではない。 頭領のいなくなった集団ほど非道い物は、無い。 一方ではその座を巡って殺し合い、 一方では意見がまとまらず、みんな好き勝手にし、 結局その群は息絶えるのだ。 そんな群を一つ、見たことがあったが、 非道い、本当に非道い物だった。 小さな子供達が何人かで寄り添いあっておれに助けを求めてきたが、 ・・・遅すぎた。 もうその群に、言葉は届かなかった。 そしてやはり皆・・・。 「詩穏様?」 瑚殊の声にはっとする。 だいぶ、昔のことを、思い出しすぎてしまったようだ。 「なに?」 すぐ返事を返す。 「詩穏様。群にお戻りになられるつもりは全く御座いませんのね? お顔を拝見させて頂けば、よく分かりますわ」 瑚殊が言う。 おれは、思っていたことを口にする。 そう、「理由による」―――と。 「何故、理由がある、と?」 瑚殊が尋ねる。 「瑚殊のことだから、あるんだろ?ちゃんとした理由がさ」 おれは諦めたように言う。 「そうですわね。ありますわ。 述べさせていただいても、よろしいですか?」 瑚殊はみんなの顔色をうかがう。 おれは勿論こくんと頷いた。 フィリアも、 「ええ、構いませんが」 と言ってくれたし。 でも、ゼロスは違った。 「なんかつまらなそうですので、 その間に部下に話を聞いてきますよ」 と言い残し、去っていった。 ・・・ああ、宣戦布告の話か。 おれも知りたい。 そうは思ったけど、口には出さないでおいた。 今からおれは、『理由』を聞かなきゃならないんだから。 「では、まず長様のお言葉からお伝えしますわ」 瑚殊がゆっくりと話し始めた。 ===================================== 終わった終わった。(肩こきこき) そういえば、 瑚殊ちゃんの名前!! あれを考えるのには苦労しました。 もう人物像も出来て、性格もこんなだよ、とか作って、 さぁ後は名前だけだ♪ ・・・ってな時に。 当初の名前【亜久亜】(あくあ)の単語が、 一発で変換できなかったんですよぉ。 パソコンに記憶させようと、何度もその単語だけ打ちましたが―――効果無し。 ついついその時はパソコンの前で狂喜乱舞。(怪) 奇声「どうせいっちゅーねーん!!!」を上げながら。(笑) ・・・で、次の候補、【真琳】(まりん)に急遽変更したんですが、 これも出ない。 またまた踊りながら、「なんでやねーん!!!」を連呼。(恥) でもって、 パソコンにでたらめな単語を入力してました♪ その一部→(jhんう゛ぃ得れvみlfぢmっう゛んrbれ)(笑々) なんか、私の名付けセンスって偏ってる? (かなぁ・・・??) で、正気を取り戻した私は、 「そうだ!もうこの世に読み方の存在する単語は出ないのかも!!」 とか思い直してたどり着いたのが、 【瑚殊】(ここと)な訳です。 だらだらと書いてしまった。 ではこの辺で!! P・S 『こうかなし』と打ち込むと、 真っ先に『高価な死』と 出てくるいちごみかんでした♪(怪々ι) |
5905 | どうなってしまうの? | toto | 3/7-19:58 |
記事番号5896へのコメント totoです。 テスト終了おめでとうございます。 私は相変わらずです。 >なんか、今日だけで三話くらい投稿してる気がする。 それでも、もっと続きが見たくなりますよ。 >・・・だってぇ、 >せっかく作ったオリジナルキャラは、 >使わないと死滅するんですもの。 なかなか個性的な、キャラが登場ですねえ、 妖しいですが、すっごく興味あります。 >今回、おれを連れ戻そうとすることにしても、必ず理由があるに違いない。 >一つだけなら、思いつかないでもない。 >おれは群長の息子だ。 >父親に何かあったのなら、その次の座に着くのは、 >他の誰でもない、おれだ。 おや、彼はおぼっちゃまだったのですねえ。 >>でも、ゼロスは違った。 >「なんかつまらなそうですので、 > その間に部下に話を聞いてきますよ」 >と言い残し、去っていった。 どうしたのお?ゼロスの行動が読めない。うーん気になります。 > P・S 『こうかなし』と打ち込むと、真っ先に『高価な死』 意外と素敵フレーズですね、このまま何か物語になりそう。 毎回展開が想いもよらぬ方へ行きたのしまさせて頂いています。 ゼロスとフィリアの関係修復(もともと良好なのか?)への 道のりは??全く先が見えません。というわけで楽しみに待ってます。 ちなみに、ヤヌスはローマ神話の顔の2つある門番で、 二重人格や二面性のある性質の比喩によく使われます。 詳しいことは図書館で調べてね(逃亡) |
5909 | くはははは!!(←修正版・呪術士) | いちごみかん | 3/7-20:54 |
記事番号5905へのコメント >totoです。 いちごです。『みかんです。』 (二人!? Σ(っ°)) >テスト終了おめでとうございます。 >私は相変わらずです。 はい、今まさに天国にいるようです。 totoさんも頑張って♪(!?) > >>なんか、今日だけで三話くらい投稿してる気がする。 >それでも、もっと続きが見たくなりますよ。 あんまりいっぺんに送ると、 下の方に陣取っていらっしゃる方々から恨まれそうなので♪♪(爆) >>・・・だってぇ、 >>せっかく作ったオリジナルキャラは、 >>使わないと死滅するんですもの。 >なかなか個性的な、キャラが登場ですねえ、 >妖しいですが、すっごく興味あります。 瑚殊ちゃんのイラスト、送りました♪ (さぁ、いつ表示されるでしょう?) >>今回、おれを連れ戻そうとすることにしても、必ず理由があるに違いない。 >>一つだけなら、思いつかないでもない。 >>おれは群長の息子だ。 >>父親に何かあったのなら、その次の座に着くのは、 >>他の誰でもない、おれだ。 >おや、彼はおぼっちゃまだったのですねえ。 箱入り息子なのですぅ(怪) >>>でも、ゼロスは違った。 >>「なんかつまらなそうですので、 >> その間に部下に話を聞いてきますよ」 >>と言い残し、去っていった。 >どうしたのお?ゼロスの行動が読めない。うーん気になります。 だって理由なんか聞いても一文の特にもならないし。 ・・・ゼロス君がお金にこだわるとは到底思えないけど。 >> P・S 『こうかなし』と打ち込むと、真っ先に『高価な死』 >意外と素敵フレーズですね、このまま何か物語になりそう。 どんな『死』なんでしょうかねぇ。 >毎回展開が想いもよらぬ方へ行きたのしまさせて頂いています。 どうもです。 >ゼロスとフィリアの関係修復(もともと良好なのか?)への >道のりは??全く先が見えません。というわけで楽しみに待ってます。 根性で『逝』きます♪♪←駄目だろ。 > >ちなみに、ヤヌスはローマ神話の顔の2つある門番で、 >二重人格や二面性のある性質の比喩によく使われます。 >詳しいことは図書館で調べてね(逃亡) ありがとうっっ! 感想くれた上に説明まで!! う〜・・・マンボ!!!(不明) そっかー・・・顔が2つ・・・ねぇ。 それってただの、子供背負ったお母さんだったりしない?? ・・・。 な訳ないか。 (ふふふ、さみし・・・) そうだよね。 詩穏君、まさに二重人格だもん。 ジキルとハイド氏みたいな物か!!(名前違うかも) でわでわこの辺で。 (全ていちごみかんのたわごとだった・・・。) |
5910 | ライバル出現!? 17 | いちごみかん | 3/7-21:16 |
記事番号5842へのコメント 17です〜。 いちごみかんです〜。 近頃、このお話の書き方を変えようかと悩んでいるのです。 だって、 スレイヤーズのように、 『本話』→「話その1」 ↓→「話その2」 「話その3」 ・・・とかいう、 枝分かれ方式の方が、よっぽど楽じゃないですか。 小話をいくつも作れるし。 ま、そのうちそうなるって事で。 では、どうぞ♪♪ ===================================== Xelloss Side 「あの、聞いてもいいですか?」 獣王様の城の前に戻った僕は、 そこら辺で溜息をついていた下っ端その1に声をかけた。 「あ?ああ、ゼロス・・・様」 その1は、 いかにも任務をやり遂げることが出来なかったという風に僕を眺めた。 「死竜族達のことでしょう? あんなにいっぱい居たのが急にいなくなったら、 いくらゼロス様でも驚きますよねぇ・・・」 そしてまた深々と溜息をつく。 ・・・何か、勘違いしているようだ。 「違いますよ。僕は直接、 『今さっき魔族達に宣戦布告してきました』って聞いたので、 聞きに来たんですよ」 「え゛、ゼロス様。死竜族の一人に、会ったんですか」 その1(いい加減名前付けたれよ)が驚く。 「会いました。それが、何か??」 「いえ・・・、良く無傷でいられましたね・・・。 そっか、ゼロス様だもんな・・・」 その1は、自分で言って自分で納得する。 失礼な。僕だからどうだって言うんですか。 「どうしたんです?そう言えば、キズだらけじゃないですか」 僕は今気がついたという風に言ったが、 ・・・本当に今さっき気付いたのだ。(←非道い奴) 「死竜族なんて・・・相手にするもんじゃないですね」 「何があったんですか」 「攻撃してきたんですよ、一斉にね」 「たかが竜族に、そのキズですか!?」 「ゼロス様、奴らをなめちゃぁいけません。 あいつら、普通の竜族とは、違った」 「どういうことです」 「手も足も出せなかった。 おれたち、下っ端だから、大人の竜には敵いません。 ・・・でも、子供にまでこんな、無様な・・・ッ!!」 下っ端その1が涙ぐむ。 相当悔しいのだろう。 しかし僕はといえば・・・。 「(・・・今日の教訓・・・【下っ端にも五分の魂】・・・)」 なんてことを考えていたりする。(←非道すぎる奴) 「とにかく、内容を聞かせてください」 僕が言うと、その1は力無く首を振った。 「無理です。おれの頭じゃぁ、あれは覚えきれません。 雰囲気から、何となく闘うんだなぁ・・・とは分かりましたけど」 「は?覚えきれない。そりゃまた、どうして」 「長すぎるんですよ」 「長い??」 「そう!あの瑚殊とか言うガキ、 だらだらと長いこと、しゃべりっぱなしだったんですよ」 「瑚殊さんが、ねぇ・・・」 「はっ!?まさか、お知り合いで!!??」 「状況は分かりました。 では僕はこの辺で」 答えを求められる前に消える。 ・・・これ、魔族の鉄則ナリ―――。 Filia Side ゼロスが行ってしまうと、瑚殊さんはほぅ、と溜息をついて言葉をつなげた。 「長様のお言葉は、こうですわ。 【我等死竜族の群長の子息、 詩穏をこちらに引き渡して頂けぬのであれば、致し方ない。 本来我々は戦など好むような種族では、無い。 が、今は緊急事態なのだ。 我等の本能―――戦を好むどころか戦を拒む考えを、 鬼と化してでもあれを取り戻さねばなるまい。 立ち上がれ、我等が同志よ。 今こそ我々との実力の差という物を、奴らに見せつけてやるのだ。 長いこと我等を封じ込めた奴らに、 泡を吹かせてやるのだ。 我等に栄光あれ、死竜族に勝利あれ!!】」 聞き終わったとき、私は一瞬魂抜けしていたであろう。 長い、途轍もなく長い。 (社会で習った条約にもこんなに長いのはなかった!!)←作者’s 意見。 でも詩穏はけろりとしていた。 そして、驚くべき事を口にしたのだ。 「はいはい、それに、瑚殊の説明が加わるんだろ?」 「勿論ですわ。瑚殊とて、 これだけの発言で魔族と闘うこと納得して頂けるなんて、思いませんわ」 「だ、ろうね・・・」 詩穏は深々と溜息をついた。 (何度目?) 私は一つ、瑚殊さんに質問をした。 「あなた方死竜族は、魔族に封じられていたときがあるのですか?」 ・・・と。 瑚殊さんが説明しようと口を開き掛けたその時に、 先に詩穏が言葉を発した。 「あのね、瑚殊。フィリアに説明してあげるならさ、 本当に短くでいいからね」 「分かっていますわ」 瑚殊さんはこくりと頷くと、くるっと私を見ていった。 「これは、もう何年も前の話ですわ。 大げさに申せば、貴方様さえも生まれていないほど。 その時にもまた、 大きな戦が起こったのですわ。 ・・・あの、降魔戦争のように。 さすがにゼロスとか言うあの魔族は生まれておりましたけど」 「そうなんですか・・・。 ・・・って詩穏!? 貴方その外見で、私より年上だというの!!??」 「え、へへへ。まぁね」 「そ、そんな」 私の体から、一気に力が抜けていくのが分かった。 瑚殊さんが恐る恐る尋ねる。 「あの・・・続けても、よろしい??」 「あ、はい。すみません・・・」 「その戦争では、人間も加わったのですわ。 我等死竜族に味方する物は、誰一人としていなかったのですわ。 そして我等は、一ヶ月間戦い続けましたわ。 一ヶ月・・・と言うのですわよね? ヒトの暦では・・・。 そう、この地球上の、ほぼ皆と言って良いほどの敵を作って。 今思えば、 私たちって本当によく頑張りましたのね。 しかし、その我等の戦い方の中にも、弱みはあったのですわ。 一ヶ月と少したった頃、我等と魔族は、双方力を消費して、 いつまで続くやも分からぬ、冷戦状態にあったのですわ。 そして、完全に勝利を確信していた我々の前に、 信じがたい事実が浮き上がってきたのですわ・・・」 瑚殊さんはがっくりと膝をついて、その場でさめざめと泣き出した。 それを見た詩穏が、代わりをするよ、と申し出た。 「『信じがたい、事実』・・・それはね、フィリア。 おれたちの前群長が、不治の病にかかっていたことだよ。 そしてそれは、おれたちが一番馬鹿にしていた種族、 人間によって・・・だったんだ」 短くね、と瑚殊さんに言っていただけのことはあって、 詩穏の話は簡潔だった。 が、私はそんな事を考えていられなかった。 「あの時はびっくりしたよ。 おれたちが、本当に馬鹿にしていた奴らだったからね。 思い知らされた。 『人間は非力だが、それを克服すべく、多様な知識を秘めている。 むやみに手を出すでない』―――ってさ、 そんな規則が作られたのだって、あの頃だよね??」 「その通りですわ・・・」 そろそろ泣きやんだ瑚殊さんがゆっくりと立ち上がる。 「では次に、瑚殊が説得できるだろうと思い、 実際に発した言葉を述べますわ。 【何故我々は自分たちより遙かに劣る魔族に戦いなど挑むのでしょう? 何故ならそれは、我等のプライドを護るためですわ。 魔族に封じられ、魔族にけなされ―――。 そうして痛んだ我々の、砂のように純粋な心をかばうためですわ。 『魔族など、取るに足りない存在』。 『我々にとって、小さな蟻よりも劣る生物』。 『心を持たない、ただの機械人形』―――。 そうした我々の、おごり高ぶった心が、こんな結末を生んだのですわ。 『魔族になんか、負けるはずがない』―――。 そうした油断が、奴らに一瞬でも隙を与えてしまったことは事実ですわ。 我等は強くなくてはいけませんわ。 他の地球上の、いかなる生物よりも―――。 何故なら我等死竜族は、この世で絶対の存在なのですから。 強くなくてはいけないのです。 魔族の手に掛かってしまった汚点など、 除かねばならないのですわ。 たかが魔族、と取るか。 されど魔族、と取るか。 どちらをお取りになるかは、皆さまの御勝手ですわ。 ―――けれど。 魔族にだって、心があることの分かった今、 以前のような考えで、魔族を滅ぼそうなんて考えてはいけません。 即ち、 『心のない機械の生き物』。 『殺されても悲しむまい』。 『奴らはたかが精神生物』。 ・・・などと考えてはいけないのですわ。 そう思い、不意打ちなどと言う浅はかな考えを持つことそのものが、 我等死竜族の威厳を、 じわりじわりと削り取る事に値するのですわ。 今こそ我等の威力を!! 魔族達もひれ伏す死竜族に戻るのですわ!!!】 ・・・と」 私は思った。 まぁ、話はしっかりとしている。 これなら・・・説得できるだろう。 でも・・・、 長い。 ホントに長い。 むちゃくちゃ長いっ!!! ===================================== ゴメンナサイ。 今回、各キャラのイメージ、がた崩れだったでしょう。 やってしまった物に言い訳は出来ません。 ・・・と言うことで、 一言述べて、去ります。 『瑚殊の演説の言葉、考えるの大変だった〜〜〜!!』 ではこの辺で!! |