◆−お久ぶりです&皆様へアンケート−amy(3/4-22:57)No.5870 ┣はじめまして。−ねんねこ(3/5-10:13)No.5876 ┃┗こんにちは♪−amy(3/5-18:32)No.5883 ┃ ┗、、、ゼルアメ、、、になるやも。−amy(3/6-22:56)No.5893 ┣おはようございます−一坪(3/7-04:10)No.5898 ┃┗新連載、ゼルアメで行くことにします!−amy(3/7-16:07)No.5899 ┗小さな鉢植え 〜プロローグ〜−amy(3/7-17:41)No.5901 ┗小さな鉢植え 第一章 旅客機事故 −amy(3/7-18:45)No.5902 ┗小さな鉢植え 第二章 星空 −amy(3/7-19:26)No.5903 ┗小さな鉢植え 第三章 少女 −amy(3/8-19:28)No.5928 ┣初めましてで・・・・す。−キト(3/8-21:03)No.5930 ┃┗初めまして!−amy(3/8-21:31)No.5932 ┗小さな鉢植え 第四章 真相−amy(3/8-21:22)No.5931 ┣楽しみですっv−雫石彼方(3/9-02:18)No.5937 ┃┗雫石さん、初めましてっ!−amy(3/9-17:21)No.5946 ┣気がつけば、4章まで……−ねんねこ(3/9-13:26)No.5944 ┃┗ねんねこさんっ!アドレスありがとうございます!−amy(3/9-17:28)No.5947 ┗小さな鉢植え 第五章 合図のノック−amy(3/9-19:04)No.5948 ┗小さな鉢植え 第六章 『その人』−amy(3/9-21:05)No.5949 ┣みんな出てきた〜〜〜☆−キト(3/9-22:17)No.5950 ┃┗第二回レス、おめでとうございま〜す!−amy(3/10-12:43)No.5957 ┣わくわく、はじめまして。−みてい(3/10-08:02)No.5955 ┃┗こちらこそ初めまして!−amy(3/10-12:50)No.5958 ┗小さな鉢植え 第七章 プロの殺し屋−amy(3/10-19:12)No.5960 ┗小さな鉢植え 第八章 麻薬捜査官−amy(3/10-22:50)No.5963 ┣くらくら・・・・v−雫石彼方(3/11-02:07)No.5968 ┃┗私もくらくら・・・・v(笑)−amy(3/11-14:42)No.5977 ┗小さな鉢植え 第九章 ありがとう−amy(3/11-15:54)No.5980 ┗小さな鉢植え 第十章 セイルーン家の惨劇−amy(3/11-16:35)No.5983 ┗小さな鉢植え 第十一章 『お早う』−amy(3/12-18:44)NEWNo.5996 ┗小さな鉢植え 第十二章 小さな鉢植え−amy(3/13-18:09)NEWNo.6013 ┣ハラハラ。−雫石彼方(3/14-03:56)NEWNo.6024 ┃┗レオン〜♪−amy(3/14-15:03)NEWNo.6030 ┗小さな鉢植え 第十三章 最初の殺人−amy(3/14-17:04)NEWNo.6033
5870 | お久ぶりです&皆様へアンケート | amy E-mail | 3/4-22:57 |
皆様お久ぶりです。amyです。 受験だったため、ずっとパソ禁止令が出てました。 やっと解禁されたので、前の通り投稿しようと思います。 前に連載していた『白紙の存在意義』ですが、、、、、 ごめんなさい、もう書けません。 色々諸事情があり、あして、、、、(ーー;) 読んで下さっていた奇特な方、ごめんなさい、、、、、。 リクエストして下さっていたえもんさん、すみません、、、、。 あと一話だけ書いたゼルの過去話はそのまま『硝子の都』の方に続きます。 続くと書いたのはそのためです、誤解させてごめんなさい。 なんか謝ってばっかりですね、、、(ーー;) これからもまたゼル中心の不特定カップリングで行こうと思ってます。 こんな奴ですが、どうか見捨てないでやって下さい。 これからまた連載小説を書きます。 とりあえずゼル中心で(笑) アクション物(?)にしようかな〜と思ってます。 拳銃とか出てきたりして。 そこで皆様に質問、というかアンケートなのですが、 カップリングは何がいいでしょうか? ゼルと誰かをくっつけたいのです。 ゼルアメとゼルリナ。 それともひねってゼルシル(シルフィール)とか ゼルフィリ(フィリア)というのはどうでしょう? 勿論スレキャラなら誰でもいいです。 というか誰でも書けます。 どうか御意見下さい。 多数決で決めたいなーなんてこと考えてます。 どうかよろしくお願いします。 amyより |
5876 | はじめまして。 | ねんねこ E-mail URL | 3/5-10:13 |
記事番号5870へのコメント はじめまして、ねんねこというものです。 なんだか下の方で暴走していますが……あんまり気にしないでやってください(汗) 受験、お疲れ様でした……というか、私もつい最近まで受験生だったのですが〜(笑) ゼル中心の新連載をされるとのことで。 魔剣士さん同盟なるものに所属しているねんねことしましては嬉しい限りです。 カップリングの方ですが……問答無用にゼルアメで(きっぱり) なんていうか一番自然なカップリングがいいです。いえ、突飛なカップリングも面白いとは思うんですけど、でもやはし、リナにはガウリイ、シルフィールはガウリイに片思い、フィリアは……ゼロスなりヴァル君なりと仲良くなっているのが自然体だと思うので(ゼロアメ好きの発言とは思えないなをい)とりあえずゼルアメを希望。 あくまで個人的な意見ですので、気を悪くなされないよう(汗) それでは新連載楽しみにしておりまする。 ではでは! |
5883 | こんにちは♪ | amy E-mail | 3/5-18:32 |
記事番号5876へのコメント ねんねこさん、初めまして! 今回は貴重な御意見をいただき、本当にありがとうございます。 ねんねこさんの小説、見させて貰いました! くう〜!いいですねえ!ゼル格好いい!アメリア可愛い!! ねんねこさんの小説、好きです! こんな素晴らしい方が私のアンケートに答えて下さるなんて! 嬉しいです!本当に! >受験、お疲れ様でした……というか、私もつい最近まで受験生だったのですが〜(笑) え!?そうなんですか!? 小説がいっぱいあるからびっくりしちゃいました。 受験生なのに頑張ってらしたんですね、、、(ホロリ) これからは私も頑張りますから! >ゼル中心の新連載をされるとのことで。 >魔剣士さん同盟なるものに所属しているねんねことしましては嬉しい限りです。 ええええ!?そういう同盟ってあるんですか!? 私もぜひ加盟したいです! >カップリングの方ですが……問答無用にゼルアメで(きっぱり) >なんていうか一番自然なカップリングがいいです。いえ、突飛なカップリングも面白いとは思うんですけど、でもやはし、リナにはガウリイ、シルフィールはガウリイに片思い、フィリアは……ゼロスなりヴァル君なりと仲良くなっているのが自然体だと思うので(ゼロアメ好きの発言とは思えないなをい)とりあえずゼルアメを希望。 >あくまで個人的な意見ですので、気を悪くなされないよう(汗) >それでは新連載楽しみにしておりまする。 そうですね、私もゼルアメ大好きです。 ゼルリナとかも結構、、、、ですけど(笑) 自然体ではその通りだと思います。 決して気を悪くなんかしませんよ。 私、そういう意見が欲しかったので。 『何でもいいと思う』よりはやっぱり、 『これがいい!!』っていう意見の方が嬉しいし、 何より何を望んでいるのかはっきり分かりますから。 とりあえず、カップリング決めは多数決で行うので、 もう数日様子を見ます。 では、ねんねこさん、貴重な御意見、本当にありがとうございました! これからもどうか仲良くしてやって下さい。 amyより |
5893 | 、、、ゼルアメ、、、になるやも。 | amy E-mail | 3/6-22:56 |
記事番号5883へのコメント えっと、皆様こんにちは、amyです。 アンケート結果ですが、 ねんねこさんの『ゼルアメ』と、 メールで御意見を下さった 3Yさん、謎人さん、匿名希望の方の『ゼルアメ』により、 次の連載はゼルアメで行こうかな、と思っております。 もう意見が出てこなさそうなので、 明日の夕方まで一応待ってみます。 amyより |
5898 | おはようございます | 一坪 E-mail | 3/7-04:10 |
記事番号5870へのコメント おはようございます一坪です。 うむ? 4時だとまだ「こんばんは」かな? 徹夜の私にとっては「おやすみなさい」がいいなー。 と、朦朧としてるところで、受験お疲れさまでした。 あんどパソ解禁おめでとうございまーす! ゼルのパートナーですが、ゼルアメが本命っぽいみたいですね。 が、私としては特にカップリングにこだわらず、 とにかくゼルのアクション全開なのを期待したいです。 カップリングなら逆にオリジナルキャラってのもいいなーなどと思います。 外伝っぽいですが。 では、こんなとこで。 |
5899 | 新連載、ゼルアメで行くことにします! | amy E-mail | 3/7-16:07 |
記事番号5898へのコメント 一坪さん、御意見ありがとうございます。 とりあえずゼルアメで行こうかと思います。 オリジナルキャラについてですが、一応出てきます、やはし。 ただオリジナルをカップリングに含める度胸が私にはないのです。(T_T) だって話が上手く繋がらなさそうなんですもん。 オリジナルキャラを考えるのって苦手なんです。 だから脇役にオリジナルキャラを使うんですけどね。 脇役なら変な扱いしても平気(?)な気がするので、、、、 では、もう少ししてから書き始めます。 amyより |
5901 | 小さな鉢植え 〜プロローグ〜 | amy E-mail | 3/7-17:41 |
記事番号5870へのコメント その少女は純粋だった。 子供特有の、あの無邪気な残忍さすらない少女だった。 父は自分が産まれる前に死んでしまっていたと聞いていた少女。 けれど、優しい母と不器用な姉に囲まれて幸せだった。 愛情に包まれていて、大切にされていた。 彼女自身も、家族のことを本当に大切に思っていた。 誰よりも、家族を深く愛していた。 無論、今でも愛している。 大切な、大切な家族だったから。 今では、もう何も言ってはくれない二人だけれど、 それでもかつての優しさが、少女にとっては愛しいものだったから。 だからなのかもしれない、彼女はその瞬間まで確かに幸せだった。 母と姉が物言わぬ躯と化した、その瞬間までは。 少女の名前は、アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。 元大政治家の娘である。 |
5902 | 小さな鉢植え 第一章 旅客機事故 | amy E-mail | 3/7-18:45 |
記事番号5901へのコメント それは本当に突然だった。 誰も予測しなかったであろう爆撃。 一瞬、目の前が真っ白になり、耳も聞こえなかったように思う。 体中が鈍い痛みに覆われ、悲鳴をあげる間すらなかった。 意識が遠のく瞬間に知覚出来た最後の言葉は、、、、、『理不尽』。 そして白けていた視界がブラック・アウトしていった。 バラバラバラバラバラバラバラバラ、、、、、、、、、、、、 轟音と共に、ヘリコプターが空で踊る。 そのヘリには、最近よく見かけるリポーターがいた。 『アメリカ史上最悪の事故ですっ! 空港のジャンボ機が2機、消息を経ちましたっ! 1機は爆発し、太平洋の海に沈んだのを漁師が目撃していますっ! 只今決死の救助が行われていますが、 まだ一人も引き上げられていない様子ですっ! もう1機は依然行方不明っ!同じように沈んだ可能性があると見て、 現在、鋭利捜査中とのことですっ! なお、2機のジャンボ機は両方とも日本行きの便であることと、 離陸時刻が全く同じであることから、同一犯の犯行ではないかと、、、』 ピッ! 電子音と共に、テレビの中の女性の姿と声が消えた。 それを確かめてから、テレビの前の男はリモコンをテーブルに置く。 銀色の髪をわしゃわしゃとかき混ぜて溜め息をついた。 白い肌にある青い瞳が、困惑したように揺れている。 「、、、、、どういうことだ?」 ポツリとつぶやきながら、男は目の前の女性に問う。 そこには先程テレビに映っていた女性が座っていた。 「どうもこうもないわよ。これは真実よ」 言って何かのファイルを男に手渡す。 そこにはジャンボ機のファーストクラスの乗客リストがあった。 「言っとくけど、これはあんたを全面的に信用した上で見せてんのよ?」 「分かってる、すまんな、リナ」 最近人気が上昇し始めたリポーター、リナ=インバースに答える。 大手会社に勤めるリナは立派なキャリアウーマンで、まだ18になったばか りだというのにプロのリポーターをやっている。 飛び級して、大学を16の時に卒業したのだと言う。 綺麗な腰まで伸びた栗色の髪とつぶらな瞳が特徴的な美人だが、惜しいこと に胸と温厚さが欠けてしまっている。 面と向かって言えば殺されるので、男もそのことを口にしたことはない。 彼女はそんなエリートであるにも関わらず、こうして裏の人間といくらか通 じている。男その一人である。 「これといって問題のある乗客はいないわ。どういうことかしらね?」 つぶやくリナに、男は答えた。 「そうでもない、102便の方には悪徳政治家が乗ってる。 他にも密輸容疑のあった社長さんもいるし、、、、、、」 リストの中からひょいひょいっといくつか摘まみ上げる。 「105便の方は凄い顔ぶれだ。麻薬取り締まり官、その責任者。 警視庁の若手エリートさんが3人、、、、何しに日本へ?」 「どうやら警察が追っている麻薬犯が日本で密輸していたらしいの」 「それを追って、、、、?」 「ええ」 頷くリナに、男はふーんと気のない返事をする。 「じゃあ、こっちは?GCC・コーポレーションの会長と付き人。 チャイニーズ・マフィアの幹部の一人」 「会長の方は日本の会社に用があったのよ。確認はとれてるわ。 この人が幹部だってのは、、、、、、、初耳ね、、、、」 まじまじと写真を見ながら、リナは言う。 「その幹部については調べてみるわ、他に何かない?」 リナに言われ、男はさっとリストを眺める。 「、、、、特には、、、、ない。俺の記憶の範疇には」 「そう、ありがと。ゼルも何かあったら言ってね? 力になるんだからさ、あんた何でも背負い込み過ぎよ」 男、、、、ゼルガディス=グレイワーズはリストを返しながら頷いた。 「後でファーストクラスの乗客リスト、コピーして渡すわ」 「頼む、、、、」 言ってゼルガディスは席を立ち、玄関のドアを開けた。 そこをリナが通り過ぎて行く。 「じゃあ、くれぐれも気を付けんのよ」 「それはこっちのセリフだと思うが?」 お互いに不敵に笑い合って言う。 そしてゼルガディスはリナの耳に口を寄せた。 「次の合図はノックを3回、1回、4回だ、、、、」 「OK」 誰にも聞こえないような小さな囁き声。 端目には恋人同士が愛を囁いているようにしか見えないだろう。 そのままリナは雑踏の中へ、姿を消して行った。 それをゼルガディスはしばらく眺め、ドアに鍵をかけて街へ出た。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 amyです。 本編に突入しました。 どこがゼルアメッ?! とおっしゃる人もいらっしゃるとは思いますが、、、、、 これから少しづつそうなるので勘弁して下さい。 後、随分前に『ゼルは絶対不幸にしないっ!』と豪語しましたが、、、 すみません、下手したらアン・ハッピーエンドになるやもしれません。 人によって受け止め方が違うと思うので、、、、 ではでわ amyより |
5903 | 小さな鉢植え 第二章 星空 | amy E-mail | 3/7-19:26 |
記事番号5902へのコメント ゼルガディスの向かった先は、一件の居酒屋だった。 そこは知り合いの男が経営している。ゼルガディスは常連であった。 「よお」 ドアを開けて声をかけると、奥から手招きされた。 それに従って奥へ進む。 「珍しく久々だな。仕事の方はどうだ?」 「まあまあ、といった所だ」 奥から現れたのは緑の髪に白い肌。 両頬に傷跡のあるヴァルガーブであった。 数年前にこの街に越してきて、居酒屋を営み始めたのである。 フィリアという年上の奥さんがいて、二人で一緒に働いている。 ヴァルガーブは、ゼルガディスを軽視しない数少ない人間の一人である。 ゼルガディスはただでさえ男とも女とも見える美形なのに、身体が華奢で、 分厚いコートを羽織っていてもその細さが目立ってしまう。 その上に色白で、銀髪なのだ。 たまに某小説の主人公のように、男からのお誘いがあり、ゼルガディスは鳥 肌をたてながらそういう輩を蹴り飛ばしていた。 「フィリアは元気か?」 「元気だぜえ、モーニングスターを振り回してる。ゴキブリ退治に」 「、、、、、家は、、、、、」 「この間壊滅しかかったな、あっはっはっは」 笑い事ではないと思う。 少々青くなりながらも、ゼルガディスはそうか、と頷いた。 「今日は何にする? 軽くメシでも食うか?」 「ああ、何か軽い物がいい。あまり食欲がない」 「それは危ないぞ、お前はただでさえ細いんだ、倒れちまう」 言いながら奥からサンドウィッチを出してくる。 ヴァルガーブの店のオススメで、ボリュームたっぷりのサンドウィッチだ。 カツとハム、レタスとスライスしたトマトがチーズと一緒に何段にもなって パンの間に挟まっている。 「、、、、、、」 「大丈夫だ、この店では軽い方のメシだぞ」 「、、、、知ってはいるが、、、、、」 世間の『軽い』と自分の『軽い』にはどれくらい差があるのだろう? なんとなくゼルガディスはそう思った。 「で、、、ゼル、次の仕事はどうする?」 「、、、、一つ他から請け負ってはいる」 「じゃあこっちの仕事はガウリイに回しちまうが、、、、」 「いい」 もう一つ、ヴァルガーブとゼルガディスの関係にはこれがあった。 ヴァルガーブがゼルガディスやその他の人々に仕事と情報を提供しているの である。ゼルガディスとガウリイはこの店では一番の古株であった。 「それと武器に入り用はないか?」 「ああ、、、、、コルトガバメント45口径とS&W35マグナムの弾がいい」 「分かった、明朝までに用意しておこう。 いつもの場所で、明日のAM6:00に」 頷き、ゼルガディスはサンドウィッチを口に運ぶ。 ヴァルガーブも何ごともなかったかのように皿を洗い出した。 これから先は仕事の話はなしである。 仕事に関しては必要最低限だけだ。 表向きにはただの居酒屋なのだから、ここは。 「、、、、、本当に多いぞ」 「そうか?ガウリイなら軽すぎるって言うが、、、、、」 「あいつと一緒にするのはやめてくれ、、、、、」 結局、ゼルガディスはそのサンドウィッチを家に持ち帰り、夕食にした。 目を開くと、そこは知らない場所だった。 上には満天の星。 「綺麗、、、、、」 声に出した途端、体中が痛み出した。 痛みに顔を歪め、身体を自分で抱き締める。 服が裂け、ところどころ血が滲んでいた。 骨には異常はなさそうである。 自分の状況を思い出し、急いで起き上がる。 自分がこんなにも軽傷で済んだのはまさに奇跡であろう。 トイレに立ち、たまたま混んでいたのでファーストクラスから後ろの方へ 行ったのだ。丁度、飛行機の外へ繋がるドアの前にいた時の爆発が起き、自分はそのまま外へ投げ出されて海と衝突した。 他の乗客達は飛行機と共に爆発に巻き込まれて木っ端微塵になっただろう。 本当に自分は運が良かった。 息を一つついて歩き出す。 酷く弱々しい歩みだった。 何故飛行機が爆発したのか、一つだけ心当たりがある。 逃げなければ、、、、、、少女、アメリアはそう思った。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 続きます! これから夕食なので、 amyより |
5928 | 小さな鉢植え 第三章 少女 | amy E-mail | 3/8-19:28 |
記事番号5903へのコメント 昼間に見たニュースでは、105便が墜落したのは太平洋だと言っていた。 この海岸には、時々太平洋の辺りから物が流れてくることがある。 瓶の中に手紙の入った物や、何かの木材。 はては何かのトランクケースまで流れてくることもしばしあった。 なんとはなしにここへ足を運んできたゼルガディスも、実は手紙入りの小瓶 を拾い、その手紙に書いてあった住所にその旨を伝えたことがある。 手紙は日本語で書かれており、どうやら小学生くらいの子供のようだった。 字があまり綺麗ではなかったので、翻訳するのに時間がかかったことを覚え ている。 手紙を送り返すと、相手はとても喜んでいるようだった。 そんな過去を思いながら、ゼルガディスは何か手がかりはないかと海岸を歩 く。 月夜の晩に、海岸で散歩をしているように見えるが、それは国の一大事とも 言える犯罪についての調査である。 何も見逃すことがないよう、ゼルガディスは目を光らせていた。 「、、、、、、、、!」 しばらく行くと、けがをした少女を発見する。 よろよろと歩き、すぐに倒れ込んだ。 ゼルガディスは驚きのあまり超えが出なかったが、少女が倒れ込んだのを見 て、急いで少女の元へ駆け付ける。 「おいっ!大丈夫かっ!?」 ゼルガディスの声に少女はうっすらと瞳を開き、、、、、、 「、、、、あ、、、、」 それだけ言って気絶してしまう。 けがの様子から言って、恐らく長時間海水に漬かっていたことによる疲れと けがへのショック。強い打撲と軽い切り傷、火傷。 大したことはないが、かなり消耗してしまっている。 すぐにでも救急車を呼ぶべきだ、、、、、ゼルガディスの頭脳はそう告げ る。 しかし、裏社会で生活しているゼルガディスにとって、病院は危険な場所 だった。 身分を完璧には証明出来ない自分が病院に行けば怪しまれるだろう。 普段、けがをしても大抵は自分で処理してしまうし、余程の時にはヴァル ガーブを仲介役にしている。 これから客入りであろう居酒屋に、誰にも見つからずにけが人を連れ込むこ とは不可能に近かった。 かといって、このけがは放っておいていいものではない。 最悪でも応急処置は必要である。 しかし、こんな海岸で出来ようはずもない。 恐らくこの少女は飛行機事故の生き残り、いわば証人であろう。 どうしてこんな軽傷で済んだのかひどく疑問に思ったが、それは本人に聞け ば分かることである。 また、自分はその飛行機事故の手がかりを探しにここへやってきたのだ。 彼女の身柄を警察へ渡し、保護を求めるのはその後でもいいだろうか? 「、、、、仕方がない」 少し危険な賭けかもしれないが、まさかけが人、、、、しかも少女をこんな 暗い海岸に置いてきぼりにするわけにはいかない。 ゼルガディスはそう判断し、少女の身体を自分のコートでくるむと抱き上げ る。 幸い、この時間帯なら一目も少ないし、家も近かった。 |
5930 | 初めましてで・・・・す。 | キト | 3/8-21:03 |
記事番号5928へのコメント amyサマ、初めまして☆ キトと言いまふ☆ 本日はお日柄がうんたらな事はどっかにほおり投げておいて(しかも今日雨だし) 小説は過去のものを見させてもらっていまふ☆ はっきり言って・・・・大好きでふ☆☆☆ ゼルがカッコイイのと、ゼロスが情けないのが・・・・・・・(笑) この小説ですが、うーん、ゼルが拾ったのは誰なんだろう? しかもヴァルが居酒屋の店主・・・・・・・・・・・。 最高☆(星と『〜ふ』ばっか・・・・) 後のお話が楽しみです☆ 星大放出のキトでしたにょ☆ 〜〜ふ。と言うのは癖っぽいでふ。 |
5932 | 初めまして! | amy E-mail | 3/8-21:31 |
記事番号5930へのコメント キトさん、初めまして!amyですっ! 感想下さってありがとうございます! >本日はお日柄がうんたらな事はどっかにほおり投げておいて(しかも今日雨だし) >小説は過去のものを見させてもらっていまふ☆ >はっきり言って・・・・大好きでふ☆☆☆ >ゼルがカッコイイのと、ゼロスが情けないのが・・・・・・・(笑) ありがとうございます! 過去の小説を読んでいただけて嬉しいです。 でもちょっと恥ずかしい、、、、かな(///ーー///) 好きになってもらえるのはとっても嬉しいです。 どうぞこれからもよろしくお願いします。 >この小説ですが、うーん、ゼルが拾ったのは誰なんだろう? >しかもヴァルが居酒屋の店主・・・・・・・・・・・。 >最高☆(星と『〜ふ』ばっか・・・・) >後のお話が楽しみです☆ 答えは第四章に、、、、、 ヴァルの役柄については少々皆様の反応が恐かったので(だって脇役)、 キトさんの『最高☆』には安心しました。 ありがとうございます。 これからも『小さい鉢植え』(どうでもいいけどセンスない、、、) を、よろしくお願いします。 感想をちょくちょくいただけると嬉しいです。 ではでわ amyより |
5931 | 小さな鉢植え 第四章 真相 | amy E-mail | 3/8-21:22 |
記事番号5928へのコメント 目が覚めると、初めて見る天井があった。 決して高級ではないが気品があり、清潔な照明が見える。 天井も古い割りには綺麗で、いかにも頑丈そうに見えた。 「目が覚めたか?」 知らない男の声が聞こえて、少女、アメリアは訝しみながら首を動かした。 銀色の髪に白い肌、深みのある、しかし澄んだ青い瞳。 中性的な、月を思わせる美しい顔、華奢とも言える細身の身体。 白い服を着たその男はさらにアメリアに尋ねた。 「どうして海岸で倒れていた?そのけがは一体どうしたんだ?」 男の言葉に、アメリアは一気に覚醒した。 そう、自分はどうやら助かったらしい。 この男のおかげで。 「あ、あのっ!助けていただいてありがとうございます!」 慌てて身を起こし、アメリアは言う。 少し身体に痛みを感じたが、そんなことはどうでも良かった。 「あのっ!私、アメリアと申します! 飛行機事故に遭って、 偶然外に通じるドアの近くにいたので助かったんです!」 そう言って、肩で切りそろえた艶やかな黒髪の愛らしい少女、アメリアが男 を伺うように見た。 「あの、、、、失礼ですが、どちら様で、、、?」 「俺の名前はゼルガディス=グレイワーズ。 ただのフリーターだ。」 フリーターというのは無論嘘である。 これはゼルガディスがよく使う嘘であった。 但し、ちゃんと偽造したフリーターの身分証は持っている。 勿論、調べられたら簡単に足が付いてしまう程度の物ではあるが。 「フリーター、、、、さん。 あの、どうして助けてくれたんです?」 不安そうに問うアメリアに、ゼルガディスは困った顔をする。 「どうしてと言われても、、、、、 若い女をあんな危ない場所に放置出来るわけがないだろう?」 本音である。勿論、理由はそれだけではないが。 「そう、、、、ですか、親切にしていただいてすみません」 「いや、こっちも何があったのか分からなかったから、 警察に届けを出していない。何でけがしたのか分からなかったから、、、」 これも嘘。 警察に届けを出していないのは本当だが、けがの理由は検討がついていた し、自分の都合もあるからだ。 「はい、ありがとうございます。 警察へは、、、、通報しないで下さい」 「何故?」 飛行機事故に遭ったのなら、普通は警察へ行き、保護を求めるだろう。 けがをしているわけだし、なんと言っても女なのだから。 「あの、、、、すみません、少し、、、、、」 時間が欲しいのだろう、おそらく。 ゼルガディスは一つ頷くと、部屋から出て行った。 アメリアは何も言っていないのに部屋から出て行ったゼルガディスに、心の 中で礼を述べた。 「、、、、、やはり、、、、」 夕方にリナから郵送されて来た、飛行機のファーストクラス乗客リストを見 て、ゼルガディスはぽつりとつぶやいた。 そのリストには肩で切りそろえた艶やかな黒髪に、大きな黒い瞳を持った愛 らしい少女が一人映っている。 「名前:アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。 年令:16才。 日本への留学が目的で飛行機に便乗。今だ行方不明」 リストの必要な部分だけを読み上げるゼルガディス。 それはまさに隣の部屋にいる少女であった。 セイルーンと言えば元大物政治家のファミリーネームである。 何やら先祖が貴族だったと聞く。いや、王族だったか。 確かホワイトハウスで起きた何かの事件に巻き込まれて死亡していた。 反政府派の、、、、名前は忘れたが、、、そいつらが大統領を人質にしたと いう大事件だった。ホワイトハウス内にいた他の官僚や政治家も一緒に人質に され、犠牲者が幾人か出ている。 その中の一人がフィリオネル=エル=ディ=セイルーンという政治家だっ た。 彼には妻と一人娘のグレイシアというのがいたはずだが、、、、、。 「あの事件は、確か、、、、、」 ゼルガディスはがさごそと棚のファイルを片っ端から引っこ抜き、捲る。 「ホワイトハウス、、、、ホワイトハウス、、、、、」 確かあの事件は新聞の一面記事に、『ホワイトハウスの惨劇』とか言う見出 しでデカデカと載っていたはずである。 このファイルのどれかの中のどこかに保存してあるはずだ。 「、、、、、あった」 つぶやいてファイルからその記事を取り出す。 日付けは17年前の11月。 今度はアメリアのファイルを見る。 誕生日は16年前の4月。 「、、、、、まだ産まれてなかったってわけだ」 どうりで聞き覚えがないはずである。 ということは政治家の娘として狙われたのだろうか? いや、それにしては事が大き過ぎる。 派手好きのアメリカン右翼ならば、今頃声明文を警察にでも送っているはず だ。 第一、政治家である父親は17年も前に他界。 死に方に問題は、、、、ないとは言いきれないが、この際関係はない。 アメリア本人はその頃に産まれてすらいない。 彼女自身にも無論、問題はないし、 父親の方も恨みを持たれるような人物では決してない。 正義感が強く、容貌とは違って優しい平和主義者だった。 母親も姉も政治的権力は一切なく、遺産も底をついた頃だろう。 相続に関しての問題もない。 ところが、アメリア本人には心当たりがありそうである。 一体何が原因であると言うのだろうか? 「、、、、留学金、、、、、」 ここでゼルガディスは一つの問題点に気付いた。 遺産もそろそろ底をついてしまっているはずなのに、一体どこから留学する ための費用を捻出したというのだろうか? 無論、母親側の貯金や稼ぎとも考えられるが、物価の高い日本にわざわざ留 学させるだろうか? 先祖が貴族だか王族だからしいが、それはイギリスでだそうだ。 ならばそこの親戚に預けるのが妥当であろう。 それとも、、、、、、、 (この娘がスパイだとでも、、、、、、?) スパイ天国の日本にわざわざ行く理由はそれだろうか? しかし、さっきの様子からしてそうとは思えない。 勿論、演技しているという可能性は捨て切れないが、、、、、 「、、、、、ゼディルガスさん、、、、、」 「ゼルガディスだ、、、、、」 アメリアの声によって、ゼルガディスの脳活動は一時停止した。 よく間違えられる名前である。 ゼルガディスはノックをしてから扉を開いた。 「、、、、私のファミリーネームはセイルーン。 17年前に起きたホワイトハウスでの事件に巻き込まれた政治家の娘です」 調べた通りだ。 ゼルガディスは一つ頷いて見せる。 「父が死に、父の知り合いだという人から援助をうけて、 私達一家は今日まで生きてきました。 その人に感謝はしています。 私を留学させようとまでしてくれたんです。 でも、、、、、その人が何か犯罪の片棒を担いでいるようなんです」 少し驚いたゼルガディスは、目を見開いて黙っている。 アメリアは先を続けた。 「多分、その人の敵対者が私をスパイか何かと勘違いしたんだと思うんです」 16才にしては頭がよく回るものだ、とゼルガディスは感心した。 アメリアは辛そうに続ける。 「私の乗っていた飛行機が爆発しました。 多分、爆弾か何かだと思うんです。 だってファーストクラスの方から爆発があったんですから」 その通り、例え不慮の事故としてもまずファーストクラスの方から爆発する はずがない。 危険物は格納庫か操縦室くらいにしかないだろう。 もしくはエンジンが故障した場合。 ファーストクラスからということは、誰かがあらかじめそっちに爆弾を仕掛 けたか、誰かの手荷物に混ぜたということになる。 そんなことをするのには権力の後ろ楯が必要不可欠だ。 「、、、、警察に行ったらきっと殺されます。 厚かましいお願いだっていうことは分かってます。 でもこの通りです、お願いです。助けて下さいっっ!」 祈るように両手を組み、懇願されてゼルガディスは焦った。 「え、、、、いや、、、その、、、、」 助けるかどうかなんて約束は出来ない。 ここまで聞いた以上、リナやヴァルガーブやに連絡はするが、その後の対処 は自分にはどうしようもないだろう。 正直、返答に窮した。 「、、、、、、、」 しかし、アメリアは必死の表情でこちらに縋るように懇願している。 涙に濡れた瞳が、不安を隠しきれないでいた。 当然、ゼルガディスも男である。 こんな愛らしい少女に懇願されて、同情しないわけではない。 けれど約束が出来ないのに頷いてもいいものだろうか? 「、、、、、分かった、出来る範囲で、、、、ならな」 結局、根はお人好しのゼルガディス。 形ばかりの口約束とは言え、頷いた。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 UPしました! こんなに早く進むのはどれくらいぶりでしょうか? 何か嬉しいです。 これから先、どんどん話が進んでいきます。 少しづつゼルアメになっていくので、お待ち下さいね。 では、今日はこの辺で、、、、、、 amyより |
5937 | 楽しみですっv | 雫石彼方 | 3/9-02:18 |
記事番号5931へのコメント amyさんはじめまして、雫石彼方と申します。 私はゼルの絡むカップリングはゼルアメ以外読めないので、全部とは言えませんが、amyさんのお作は過去の記事で読ませていただいてました。どの作品もとても惹き込まれると言うか、先が気になる面白いお話ばかりで、今回のもとても楽しみです。とりあえず一番気になるのは、二人がどうやって親密になっていくのか、ということですvだんだんゼルアメになっていくんですよねv でもこのお話、アンハッピーエンドなんですか?ばりばりのハッピーエンド好きの私としてはちょっと切ないですが、でもでも楽しみにしてますので頑張って下さいね! ああ、なんだか初めてのレスでとても失礼なことを言いまくってる気がします・・・・無礼者な私をどうかお許し下さい・・・・(--;) |
5946 | 雫石さん、初めましてっ! | amy E-mail | 3/9-17:21 |
記事番号5937へのコメント >amyさんはじめまして、雫石彼方と申します。 こちらこそ初めまして、amyですっ! >私はゼルの絡むカップリングはゼルアメ以外読めないので、全部とは言えませんが、amyさんのお作は過去の記事で読ませていただいてました。どの作品もとても惹き込まれると言うか、先が気になる面白いお話ばかりで、今回のもとても楽しみです。とりあえず一番気になるのは、二人がどうやって親密になっていくのか、ということですvだんだんゼルアメになっていくんですよねv 誉めて下さってありがとうございます♪凄く嬉しいですっ! 過去の物も読んで下さったとか、、、、、 本当に嬉しい限りです。 意外に皆さん、読んで下さってるんですね。 ゼルアメと表示していなくても、 ほんのりゼルアメだったりするものも、たまにあります。 もしよろしければ挑戦してみて下さい。 >でもこのお話、アンハッピーエンドなんですか?ばりばりのハッピーエンド好きの私としてはちょっと切ないですが、でもでも楽しみにしてますので頑張って下さいね! すみません、人によってはアンハッピーととれるかもしれないんです。 一応、私自身もハッピーエンドが好きなので、 救いのようなものはあると思うのですが、、、、、 友人に話してみたら『暗ーい』と言われてしまいました(T_T) とにかく、救いのようなものが伝わるよう、頑張ります。 >ああ、なんだか初めてのレスでとても失礼なことを言いまくってる気がします・・・・無礼者な私をどうかお許し下さい・・・・(--;) 全然失礼じゃないですよっ! そんなこと気になさらなくともいいです! こうやって、わざわざ感想を書いていただけるのが嬉しいんです。 私は感想苦手なので、結構サボっちゃうんですよ。 感想を貰えるだけで、本当に嬉しい限りです。 では、これからもどうか応援よろしくお願いします。 amyより |
5944 | 気がつけば、4章まで…… | ねんねこ E-mail URL | 3/9-13:26 |
記事番号5931へのコメント ねんねこです♪ 『魔剣士さん同盟』の件については後ほどメールにて詳細をお知らせしたいと思います。 などと報告する間に4章まで行ってますのぅ……しかもなんかアメリアさんわけありですし。 話の方もゼルアメで盛り上がっていくようですし、楽しみですのーん☆ とはいえ4章までゼルガディス氏にやられていた私ですが。 ヴァルガーヴも良い感じです。なぜに居酒屋経営してる(笑) しかも居酒屋のくせに武器の密売やってるし……(笑) もう私のツボに入りまくりな二人です〜Vv 続きの方、楽しみにしとりますねVv ではまた〜♪ |
5947 | ねんねこさんっ!アドレスありがとうございます! | amy E-mail | 3/9-17:28 |
記事番号5944へのコメント ねんねこさん、感想ありがとうございます! 読んで下さって本当に感謝してます! >ねんねこです♪ >『魔剣士さん同盟』の件については後ほどメールにて詳細をお知らせしたいと思います。 はいっ♪メール届きましたっ! 早速、参加の申し込みをしましたよ。 ゼルガディス狂の私にはたまらない同盟ですううっ! アドレスを教えて下さって、本当にありがとうございます! >などと報告する間に4章まで行ってますのぅ……しかもなんかアメリアさんわけありですし。 >話の方もゼルアメで盛り上がっていくようですし、楽しみですのーん☆ >とはいえ4章までゼルガディス氏にやられていた私ですが。 >ヴァルガーヴも良い感じです。なぜに居酒屋経営してる(笑) >しかも居酒屋のくせに武器の密売やってるし……(笑) 私も結構ヴァル、好きなんです。 ねんねこさんも『運命迷宮案内』でゼルとヴァルが 仲良し(?)なのを書いてらっしゃいますね。 私もそういう関係の二人が大好きなんです。 『死神降臨』とかでもやりました、そういうの。 居酒屋→武器商人に関しては、またお話の中で出しますっ! >もう私のツボに入りまくりな二人です〜Vv >続きの方、楽しみにしとりますねVv >ではまた〜♪ はいっ!楽しみにしてて下さいっ! 力の限り頑張りますのでっ! あと、ねんねこさんの『運命迷宮案内』、面白くって大好きです! これからのゼルの動きに注目しまくってます。 こんな所で感想書くのは失礼かもしれませんね、、、、、 、、、、、、すみません、、、、、(T_T) amyより |
5948 | 小さな鉢植え 第五章 合図のノック | amy E-mail | 3/9-19:04 |
記事番号5931へのコメント 「アメリア、、、具合はどうだ?」 柔らかな朝日が窓から降り注ぎ、小鳥のさえずりが微かに聞こえる。 都会のど真ん中にしては珍しい、朝の目覚め。 「大分、、、、、いいです」 「そうか」 ゼルガディスの言葉に、アメリアは答えた。 そこへゼルガディスが紙袋を投げてよこす。 「歯ブラシとコップだ。今買って来た。使うといい」 言ってくるりと向こうを向く。 TシャツとGパン姿がその動作と相まって、なんとなくゼルガディスの後ろ 姿が少年に見えた。 「洗面所はこの廊下の突き当たりだ」 言って部屋を出ていく。 アメリアはベッドから這い出た。 すると、そこにはきちんと並べられた青いスリッパが一組。 そっけない、でも優しいゼルガディスに、アメリアは心の中で礼を述べた。 アメリアは言われた通りに洗面所へ行き、思ったよりも清潔なそこで歯磨き と洗面を済ませる。 そのままゼルガディスのいる方へ歩いた。 ボロボロになった服の代わりに、とゼルガディスから手渡されたシャツは細 いながらもやっぱり大きく、ブカブカだ。 今着ているこれがそうなのだが、丈はアメリアの膝まである。 袖などは、アメリアがいくら指を伸ばしてみても指先が見えない程長い。 ズボンも試してみたが、これはどうやってもサイズが合わなかった。 なので、シャツと下着だけで眠っていたのである。 ゼルガディスにとってはそれは勿論目の保養、、、いやいや目に毒である。 そのためか、あまりこちらを見ようとしない。 そんな彼が、アメリアは好きだった。 (だって、とっても格好いいし、紳士的ですし) にこにこしながら、ぺッタぺッタと足音をたて、アメリアは廊下を行く。 コトコトコトコトコト、、、、、、、 やがて鍋の音と鼻孔をくすぐるいい匂いが漂ってきた。 この匂いはおそらくコーンスープ。 アメリアがそうっと台所を覗くと、そこには料理をしているゼルガディスの 姿があった。 なんとなく意外で凝視してしまう。 「、、、、、どうした?」 急に声をかけられ、アメリアは驚いた。 まさか気付いていたとは思わなかったのだ。 そのままゼルガディスに近付く。 「何かお手伝い出来ませんか?」 「もう出来るから、、、、いい」 言ってゼルガディスは椅子を指差す。 そこに座れ、という意味なのだと気付き、アメリアは腰掛けた。 「あまり料理はしないんでね、大したものじゃないが、、、、」 言いながら温かいコーンスープと軽いサンドウィッチを差し出す。 ヴァルガーブの店のようなものではなく、ヘルシーなサンドウィッチだ。 「いただきます、、、、」 言って食事を口に運ぶアメリアを確認してから、ゼルガディスも席につい た。 「、、、、美味しい、、、、これならお店を開けますよっ!」 ぱああああっと顔を光らせながら言う。 ゼルガディスはふっと微笑んで 「そうか」 とだけ言う。 勿論、成るべくアメリアを見ないようにして。 うぶなゼルガディスに、アメリアはくすくすと笑った。 「これから俺は仕事の関係で家を出る。 お前さんはずっと家から出るな。 すぐに家中のドアと窓の鍵を閉めること。 窓には成るべく近付かないこと。音を立てないこと。 すぐに戻ってくるから、、、、我慢だ、いいな?」 「はい」 ゼルガディスの言葉に素直に頷く。 それを見て、ゼルガディスはアメリアの頭を撫でた。 「俺は帰って来たらノックをする。合図だ。 3回、1回、4回だ。それ以外なら居留守を使え。 もし俺の知り合いだとしても、だ。 このノックをした場合は誰であろうと中に入れろ。 お前の力になってくれるはずだ。 勿論、それまでには戻るつもりだがな」 一気に言うとコートを羽織る。 外は冬の始め、Tシャツの上から羽織っただけでは肌寒いかもしれない。 「ノックが鳴ったら10秒待て、それから確認しろ、いいな?」 「はい、分かりました」 こくこくと頷く。 ゼルガディスはまたアメリアの頭を撫でて、玄関に向かった。 「ゼル、、、、お前が遅れるなんて珍しいな」 「すまん、ちょっとな」 言ってゼルガディスはヴァルガーブの前で立ち止まる。 ここはセントラル・パーク。公園である。 早朝ということもあって、辺りにはジョギングしている中年くらいしかいな い。 「もう7時だぜ、どうしたんだ?時間にうるさいお前が一時間も」 「、、、、昨夜、ちょいと拾い物をした」 「、、、、女か?」 にやにやしながら聞くヴァルガーブに、ゼルガディスは赤面する。 「違う、そういうんじゃない。確かに女の子だが、、、、」 「、、、何?子供なのか?ロリコン?」 「だから、そうではなく、、、、、」 赤面したままで首を振る。 「大丈夫だゼル。俺は偏見ないぞ」 「、、、、、いい加減にしないと怒るぞ、、、、、、」 「冗談だって、まあとりあえずは注文の品だ」 言って、ヴァルガーブは懐から紙袋を取り出す。 どこにでもあるデパートの紙袋だ。 「代金は今夜、現金のドルで頼む」 「分かった、拾った女の子に関してもそこで話す。予約だ」 「部屋はどうする?」 「お前の部屋がいい。フィリアに店番頼めるか?」 「今週中ならな」 言って別れる。 ヴァルガーブはABCストアへ。 ゼルガディスは商店街へ向かった。 コンコンコン、コン、コンコンコンコン。 3回、1回、4回のノックである。 かっきり10秒待ってから、アメリアはドアの穴をそっと覗く。 そこには、最近テレビでよく見かけるリポーターがいた。 (え、、、、、、?) 混乱しかけるが、ゼルガディスの言っていたことを思い出す。 『お前の力になってくれる』 息を飲み、覚悟を決めてからアメリアはドアを開いた。 「フィリア、ゼルからの予約だ。俺の部屋。 悪いけど今夜は店番してくれ。話があるらしい」 「え、、、、?」 ヴァルガーブの言葉に、フィリアは不安そうな顔をした。 「私、店番すると、、、、、、」 「分かってる、ナンパされるんだよな」 こくこくと頷くフィリアを抱き締める。 「大丈夫だ、そんなに長くかからない。 なんなら今夜はガウリイも呼ぼうか?」 真っ赤になっているフィリアが頷くのを見て、ヴァルガーブは身体を離す。 「すぐに電話する。悪いな」 ぽんぽんと背中を叩いて、ヴァルガーブは受話器を手にした。 「あら、お客さん?」 ちょっぴり驚いて、リナはつぶやいた。 まさかゼルガディスが女を連れ込むとは思わなかった。 しかも結構可愛いし。 「あ、あの、ゼルガディスさんなら出かけてますっ!」 しどろもどろになりながら、アメリアはリナに話かけた。 「えっと、リナ=インバースさんですよね? リポーターの、、、、ニュース、いつも見てます」 「ありがとう、嬉しいわ。 ところで、、、、、あなたは?」 営業スマイルでリナはアメリアに優しく聞く。 その笑顔に安心したのか、アメリアは息をついてリナを中に入れ、ドアの鍵 を閉めると答えた。 「私、アメリアって言います。 ゼルガディスさんの家に居候したんです、昨夜から」 (わお、『昨夜』?) 色々誤解しながら表面上では平静に頷くリナ。 (う〜ん、ゼルちゃんも隅に置けないわね〜うふふふふ、、、) 何やら良からぬことを考えているようである。 アメリアにとってはそれどころではなかった。 腰まで届く長い栗毛、どちらかというと童顔の顔。 けれどそれはとても美人で、、、、、 背もさして高くはないし、胸だってないが、それでも細くて十分綺麗だ。 (この人ってもしかして、、、、、、) ぐるぐるぐる、、、、、と頭の中で一つの単語が回る。 「あの、、、、、インバースさん」 「リナでいいわ、アメリア」 「じゃあリナさん」 言って、アメリアは自分でもなんでこんなことを聞くのか分からなかった。 「リナさんって、ゼルガディスさんの恋人か何かなんですか?」 ちょっと声が小さくなってしまう。 それを見て、リナがくすりと笑った。 「そうだって言ったら、、、、、どうする?」 「!」 意地悪そうな声で逆に質問され、アメリアは戸惑う。 勿論、どうしようもないし、自分でも何故こんなことを聞いたのか分からな い。 ちょっとオロオロしてしまう。 それを見て、リナが吹き出した。 「冗談よ、冗談。 ゼルとはただの仕事仲間よ、なっかっま♪」 「フリーターの、、、、?」 不安そうに問うアメリアに、リナは頷く。 「そう、色々情報の交換とかしてんのよ」 ゼルガディスが本当のことを言っていないのに気付きながら、平静なままで 答える。このあたりは流石というところだろう。 「じゃあ、ゼルが戻るまでどうして貴方がここにいるのか教えてくれる?」 リナはそう言って微笑んだ。 コンコンコン、コン、コンコンコンコン。 ノックの音。 10秒きっかり数えて、アメリアはドアを開いた。 「お帰りなさい、ゼルガディスさん」 微笑みながら言うと、ゼルガディスの頬が少し赤くなる。 色白なので目立つのだ。 「リナは来てるか?」 「はい」 言ってドアの鍵を閉めると、ゼルガディスに部屋の奥を指差して見せる。 「ついさきほど」 |
5949 | 小さな鉢植え 第六章 『その人』 | amy E-mail | 3/9-21:05 |
記事番号5948へのコメント コートを脱ぎ、それをソファーに置いたゼルガディスはリナの正面に椅子を 移動させて座る。 アメリアもそれにならい、ゼルガディスの隣に座った。 「リナ、わざわざ朝早くからすまん」 「別に、ところでそのアメリア、、、、」 リナは言いながらアメリアを指差す。 「そんな格好のままでいいの?」 見るとアメリアは朝のままの格好。 すなわち、下着の上にシャツを羽織っただけだった。 ちょっと赤面しながら、ゼルガディスは急いで持っていた紙袋の中から服を 取り出す。 ゼルガディスの服よりもいくらかサイズの小さいTシャツとGパンである。 「アメリア、今買って来た。着とけ」 言って奥の部屋を指差す。 アメリアは服を受け取ると、赤面したままそそくさと奥へ向かった。 「ゼルちゃ〜ん、可愛い子じゃなあ〜い」 にやにやしながら言う。 「昨夜連れ込んだんですってねえ?なあに、どおいう関係?」 くすくすと笑いながらからかうリナに、ゼルガディスは赤くなる。 「誤解しているようだから言っとくが、 そういう関係じゃない。 あいつの服がボロボロだから仕方無くだな、、、、、」 「はいはい、分かってるわよ。あんた甲斐性無いもん」 ぐさ、、、、、 『甲斐性無し』という言葉に心当たりがちらほらあり、ゼルガディスはその 一言に心臓を抉られたような気がした。 「え〜っとだな、、、、」 咳払いをしてから話を切り出す。 「この間の飛行機墜落事故の生き残りがあのアメリアだ」 電話のベルがやかましく鳴り響く。 そこへ金髪の美丈夫がバスタオル一枚で電話へ駆け寄ってきた。 「はいはいっと。人が風呂入ってるってのに、、、」 ぶつぶつ言いながら受話器をとる。 「もしもし、ガウリイ=ガブリエルです」 『あ、ガウリイか?俺だ』 「ヴァル?」 受話器から聞こえてきた声は居酒屋の店主であり、ガウリイの為に武器を調 達してくれる武器商人でもあるヴァルガーブだった。 『今日、ゼルからの予約が入ってる。 フィリアの店番につき合ってやってほしい』 「げっ!」 『コンバットマグナムの代金、、、、、』 「分かった!分かってるって!行く!」 『じゃあ、今夜頼むぞ』 ぷつっ、、、つーつーつー、、、、、 切れた電話を元に戻し、ガウリイは溜め息をつく。 彼は記憶力が極端に乏しいため、しょっちゅう代金を支払うのを忘れてしま うのだ。 その引き換えに、今回のような雑用(?)を押し付けられる。 自分の記憶力の悪さを呪いながら、ガウリイはシャワーを止めた。 お風呂に入ると今の用件を忘れてしまう気がしたので、、、、、 「シルフィール君、この書類を頼む」 「はい、社長」 言って腰まで届く黒髪の美女は書類を受け取った。 彼女の名前はシルフィール=ネルス=ラーダ。 先祖が貴族で、厳しい家柄の一人娘である。 小さな頃から最高の教育を受け、女性としては最高の地位にいるキャリア ウーマンの一人。 GS・カンパニーの社長の秘書をしている。 勿論、大会社だ。 しかし、彼女も家から独立して、今では裏社会にも関わっている。 親には内緒だが、思い人は裏社会の人間だ。 だからことどとくお見合いを断っている。 言い訳は『仕事を続けたい』。 彼女程の美貌を持つ女性もなかなかいないので、見合い相手は大層悔しがる のだが、そのことに全く気付かない天然さんだ。 シルフィールは書類に目を通しながら考えていた。 (今日はゼルガディスさんが武器を購入しているはず、 周期的に言えばガウリイ様もだけれど、、、、) 考え事をしているとはとても思えない書類さばき。 (リナさんも今日は欠番のはず。今頃もしかしたらガウリイ様と、、、、) 一瞬だけシルフィールの表情が険しくなり、書類を強く握りしめる。 (、、、、、ヴァルガーブさんのお店は今日も営業日、、、、) 憂さ晴らしにでも行こう、と書類整理中にキャリアウーマンは思った。 「、、、、成る程」 ゼルガディスとアメリアの話を聞いて、リナは一言つぶやいた。 「分かったわ、力になる。 私は何をすればいいの?」 「情報が欲しい」 リナの質問に、ゼルガディスは言う。 「フィリオネル氏の友人に関しての資料が欲しい」 「分かったわ、アメリア、その人の名前と国籍を教えて」 リナの言葉に、アメリアはぴくりと身体を震わせ、、、、、 「、、、、、、、、」 不安そうに俯き、唇を噛む。 そして溜め息とともにつぶやいた。 「アルフレッドという名前の、、、、、、私のいとこだそうです。 国籍は、、、、、イギリス。 年令はまだ19才だと聞きました、、、、、、」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 今晩は!amyです! こんなに早いペースは本当に久しぶりです! これからも頑張ります! お風呂が湧いたようなので、、、、、、 ではでわ amyより |
5950 | みんな出てきた〜〜〜☆ | キト E-mail | 3/9-22:17 |
記事番号5949へのコメント こんばんわ! キトでふ☆ amyさんにレスするのは、めでたく二回目ですにゃ、よろしく。 ガウリィとシルフィールが登場してきて、リナちゃんも出てきて・・・・・。 もーなんか、ドキドキのワクワク☆で、心臓破裂しそう(笑) さらに、リナちゃんの『甲斐性無し』発言。 ゼルも自分で解ってる所がいいですね☆ やはり、ゼルは甲斐性無し・無愛想・根暗と三拍子揃ってないと・・・(笑) ガウリィはやっぱり物忘れが激しすぎるんですね。 シャワー浴びただけで忘れそうって・・・ねぇ。 と、言うよりヴァルがガウリィを雑用みたいに使ってるのかぁ・・・・。面白そう☆☆ では、レス終わります。 キトでした☆ ぴぃえす・お風呂入ってサッパリしましたか〜?(笑) |
5957 | 第二回レス、おめでとうございま〜す! | amy E-mail | 3/10-12:43 |
記事番号5950へのコメント >こんばんわ! キトでふ☆ お早うございます!amyです! >amyさんにレスするのは、めでたく二回目ですにゃ、よろしく。 第二回レス、おめでとうございます! これからもいっぱいレスしまくっちゃって下さいね! >ガウリィとシルフィールが登場してきて、リナちゃんも出てきて・・・・・。 >もーなんか、ドキドキのワクワク☆で、心臓破裂しそう(笑) あっ!キトさんの心臓がっ!!(笑) これからもどんどんキャラクターが登場しますよ〜! オリジナルキャラクターも出す予定です! >さらに、リナちゃんの『甲斐性無し』発言。 >ゼルも自分で解ってる所がいいですね☆ >やはり、ゼルは甲斐性無し・無愛想・根暗と三拍子揃ってないと・・・(笑) その上無表情♪そんな彼が私はス・キ♪ ゼルも一応自覚してはいるものの、どうやっても直せないという、、、 ちなみに、このお話の中でのゼルは只今19才と11ヶ月。 あとちょっとで20才、ハタチです! そして彼の『彼女いない歴』は19年と11ヶ月(ーー;) 主な理由:女性の好意に気付かない。 好みを見つけても、恋愛うんぬんまで持ってけない。 そんでもって甲斐性もナッシング。 、、、、、、、、、、、、、、、、、ゼル(T_T) >ガウリィはやっぱり物忘れが激しすぎるんですね。 >シャワー浴びただけで忘れそうって・・・ねぇ。 >と、言うよりヴァルがガウリィを雑用みたいに使ってるのかぁ・・・・。面白そう☆☆ ほんの少しでも刺激を受けると忘れます(笑) この場合はお湯の温かいのが刺激。 >ぴぃえす・お風呂入ってサッパリしましたか〜?(笑) はい、とっても♪ 湯舟で睡眠とっちゃいました☆ ではであ amyより |
5955 | わくわく、はじめまして。 | みてい | 3/10-08:02 |
記事番号5949へのコメント > 今晩は!amyです! はじめまして。小説1の方で思いついたように巨大なツリーを作っているみていと申します。 己のツリーに精一杯でこちらの小説読ませていただいてましたが、これまでレスつけれませんでした。すみません。 ゼルが格好いいですっ!ハードボイルドが似合う方ですねぇ。アメリア可愛いし。 リナもやり手のようで。ガウリイは、…どこに行ってもおつむの容量は相変わらずv ヴァル、繋ぎ役がはまってますっ。フィリア、お店やってるんですか?ナンパしにくる人って誰だ?あの人か?? ではでは、短いですがこれにて失礼します。 奇襲くらって犬がダイビングかましてきたので予定より2時間早く起きたみていでございました。 これからも気張ってくださいね。また寄らせてください。 |
5958 | こちらこそ初めまして! | amy E-mail | 3/10-12:50 |
記事番号5955へのコメント >はじめまして。小説1の方で思いついたように巨大なツリーを作っているみていと申します。 こちらこそ初めまして。 みていさんの小説、時々読ませてもらってます。 ガウリイって意外と複雑な家庭環境にいたのですね、、、(ほろり) みていさんの小説好きです!これからも頑張って下さい。 >己のツリーに精一杯でこちらの小説読ませていただいてましたが、これまでレスつけれませんでした。すみません。 いえいえ、私こそレスつけてません。 こんなとこ(↑)で感想書いてます。 本当にすみません。 >ゼルが格好いいですっ!ハードボイルドが似合う方ですねぇ。アメリア可愛いし。 >リナもやり手のようで。ガウリイは、…どこに行ってもおつむの容量は相変わらずv >ヴァル、繋ぎ役がはまってますっ。フィリア、お店やってるんですか?ナンパしにくる人って誰だ?あの人か?? ゼルって銃とか似合いますよね〜。 リナはやっぱり『策士』といった感じでしょうか? ガウリイはどうあがいてもおつむがそのまんまクラゲです(笑) ヴァルとフィリアはめでたく夫婦になっております。 ナンパしにくる人は、そう、あの人です(誰よ?) まあ、他にもナンパにくる人、いますけどね。 だってフィリアって美人だから♪ >これからも気張ってくださいね。また寄らせてください。 ありがとうございます!みていさんも頑張って下さいね! いつでもいくらでも寄っていって下さい。 ではでわ amyより |
5960 | 小さな鉢植え 第七章 プロの殺し屋 | amy E-mail | 3/10-19:12 |
記事番号5949へのコメント 「19才?んなガキに人様の援助なんか出来んの?」 訝し気に問うリナ。 それもそうだろう。 19才ではまともに職探しも出来まい。 キャリアウーマンであるリナですら、就職当時は大変だった。 「アルフレッドさんの父親はクリストファさんっていうんですけど、、、」 『クリストファッッ!!??』 アメリアの言葉に、ゼルガディスとリナの声が綺麗にハモる。 「クリストファって言えば、イギリスの医療事業で有名な、 あの大会社の会長さんじゃないのっっ!」 「ってことは何か?!そいつはお前にとって伯父ってことかっ!!?」 次々に明かされる真実(笑)に、二人は大声をあげた。 「世の中って狭いわっ!どーしてこうも有名どころが揃ってるわけ!?」 「フィリオネルにクリストファ!雲の上の人間だぞ」 「あの〜、、、、、、」 二人の言葉に、アメリアは眉を寄せる。 そこまで驚かれても困るのだ。 「何ですか?アメリア様」 「、、、、、、普通に接して下さい、、、、、、」 いきなり畏まるリナに、アメリアは涙した。 「やっほー、久しぶりね、ヴァル!」 「げっ、リナも一緒かよ」 「げって何よっ!」 夜、ゼルガディスは約束通りにヴァルガーブが経営している居酒屋に来てい た。何故かリナも来るというのでアメリアも連れて来た。 一人置いておくのは危険過ぎる。 「ヴァル、悪いが早速いいか?」 「え?あ、ああ、、、、じゃあ俺の部屋に、、、、、」 言ってヴァルガーブはカウンターから出てくる。 「フィリア!ガウリイ!後よろしくな!」 奥に向かって叫んで、ヴァルガーブはゼルガディスに2階へ行くよう指示し た。リナはカウンターに残っている。 ゼルガディスはアメリアを連れて、2階に上がった。 「すまんな、ガウリイまで呼んだのか」 「人妻をナンパしにくるいけ好かねえのがいるんだよっ!」 「、、、、、ゼロスか、、、、、、」 不機嫌になるヴァルガーブに、ゼルガディスは心底同情する。 ゼルガディス自身、ゼロスのことが苦手だし、好きではなかった。 ヴァルガーブの部屋に入り、言われるままにゼルガディスとアメリアは椅子 に腰掛ける。 ヴァルガーブも部屋へ入り、ドアの鍵を内側からかけた。 殺風景な、飾り気の『か』の字もない部屋。 あるのはベッドと椅子が5脚。窓とカーテンだけである。 「、、、、あいかわらず、殺風景だな」 「いいんだよ、滅多に使わねえんだから」 辺りを見回しながら言うゼルガディスに、ヴァルガーブはそっけなく答え る。 こういう所は似た者同士だなあ、とアメリアは思った。 「で、この女の子は一体どういう?」 ヴァルガーブは素早く話を切り出した。 「今晩は、、、、」 「あ!お久しぶりです!シルフィールさん!」 店に入ってきたシルフィールに、フィリアは声をかけた。 ふと見ると、そこにはフィリアだけでなくリナやガウリイまでいるではない か!? 何故かヴァルガーブの姿は見えないけれど。 「ガウリイ様!?どうしてここに!?」 驚きの声をあげるシルフィールに、ガウリイは笑いかけた。 「いやあ、借金の代わりに雑用してるんだ」 正確に言えば借金ではないのだが、ガウリイはそこまで頭が回らない。 「そうですか、、、、言って下さればいつでもお金くらい、、、、」 調達するのに、、、と言おうとしたシルフィールに、リナが声をかける。 「ダメよ、お金の問題は個人の問題!自分で何とかしなくっちゃ」 「、、、、、でも、、、、、、」 「ダメ。責任はちゃんととらなくっちゃね。 シルフィールだって仕事ではそうでしょ?」 食い下がるシルフィールに、リナはぴしっと言ってやる。 まだ何か言いたげだったが、シルフィールは沈黙した。 「あの、、、ところでヴァルガーブさんは?」 「上でゼルガディスさんと仕事の話をしてるんです」 フィリアが何やらにこにこしながら答える。 どうやら今日は機嫌がいいらしい。 「、、、そうですか、リナさんは?」 「ゼルの付き添いよ。今日は非番なの。 シルフィールも飲みに来たんでしょ?」 「ええ」 「んじゃあビールをジョッキでプリーズ!2人分ね!」 「え?リナさん、私は、、、、、、」 逃げ腰になるシルフィールの首根っこを、リナは素早く掴んだ。 「ダ〜メ!シルフィールっていっつもカクテルばっかりでしょ!」 言いながらビールのジョッキをシルフィールの口に傾ける。 「きゃあ、リナさんちょっと〜!」 騒ぐリナ達を見て、ガウリイはのほほんと笑う。 フィリアは他人のフリをして、グラスをふいていた。 そこへ新たに客がやってくる。 「いらっしゃいま、、、、、」 言い終わる前に、フィリアの顔が強ばった。 「やあ、フィリアさん♪御機嫌いかがです?」 「いやあ〜!生ゴミい〜!」 にっこり笑う美青年に、フィリアは言った。 「、、、、、ふうん、アルフレッド、、、、、ねえ」 話終えた後、ヴァルガーブは顎を撫でながらつぶやいた。 「犯罪の片棒って、具体的にどんなのだい?お嬢ちゃん」 「え、、、、、いや、、、、よくは知らないんですけど、、、、、、」 ヴァルガーブの質問に、困ったようにアメリアは答える。 「ただ、よく警察の人とか来るんです。 色々聞かれますし、、、、、、」 「成る程、、、、で、お嬢ちゃんの母親と姉には?」 「相談しました。でも、考え過ぎよって、、、、、」 「連絡しなくていいのか?」 アメリアの言葉に、ふとゼルガディスが思い付いたことを言う。 自分が見る限り、事故に遭ってからアメリアは家族に連絡をとっていない。 無論、それどころではなかったのだが、、、、、 「、、、、連絡して、私が生きてるのが知れたら、、、、、」 言って、アメリアは沈痛な面持ちで口を閉じる。 不安なのだろう。 自分のせいで家族にまで被害が及ぶかもしれない。 自分が生きてることを家族が知ったら、警察に助けを求めるだろう。 それでは自分も家族も危険なのだ。 見かけによらず、年とは違ってよく物事を考えている。 そんなアメリアに、ヴァルガーブとゼルガディスは内心驚いた。 「分かった、、、、ゼル、彼女を家に置いておけ。 自分のこと、本当のことを全部話してな」 「、、、、、しかし、、、、、」 躊躇した、自分の素性はあまり人に話したくはない。 勿論、自分が彼女を守るのならば明かすべき素性ではあるが、、、、、 今、自分は彼女にとって『親切なフリーター』なのだ。 それに気付いたヴァルガーブは、溜め息を一つついた。 「俺にはどうしようもない。 お前が守るしかないだろ?事件を解決して、 裏から誰かに金を貰うしか、アメリアにとって安全にはならない」 その通りである。 警察に手渡せばアメリアの身が危ないし、助けた自分も危険だ。 自分が事件を解決するのならば、報酬がいる。 それを貰う相手はまだ分からないが、アメリアの環境から言えば不足はしな いはずである。 利益面で見れば何も問題はないが、、、、、 「、、、、、、、、」 ゼルガディスは、自分がアメリアに嘘をついたことを知られたくなかった。 どうしてだか分からないけれど、嫌だったのだ。 「、、、、仕方ない、俺が言う」 ぴくっとゼルガディスの身体が震えたが、ヴァルガーブは構わずにアメリア に向き直る。 何の会話をしていたのか分からなかったアメリアは、びっくりしたように ヴァルガーブを見上げた。 「ゼルガディスはフリーターじゃあない。 裏社会の人間だ。実行する側のな。 つまり、、、、、、プロの殺し屋だ」 「!」 ゼルガディスの顔が一瞬歪み、アメリアが息を飲む。 朝の出来事を思い出した。 彼はアメリアの気配にやすやすと気付いたのはこの為か。 「殺し、、、、、屋、、、、、?」 信じられない、とでも言うようにアメリアはゼルガディスの表情を伺う。 ゼルガディスは顔を背けた。 それは肯定を表している。 アメリアの視線に曝されるのが耐えられなくて、ゼルガディスは部屋から出 て行った。後ろめたい気持ちがした。 今まで何度も『自分の手が汚らわしい』と思ったことがあるが、こんなにも 胸に突き刺さるかのように感じたのは久々だった。 「フィリアさん、すみませんね。 今夜はあなたの相手、出来ないんです」 「き、気色悪いこと言わないで下さいっ! 用がないのならさっさと帰って!なまゴミ!」 「な、、、生ゴミ、、、、」 何やら青筋を立てるゼロス。 フィリアはそれにも構わず、ゼロスを罵り続けている。 ぴくぴくとゼロスは反応しているが、リナは声をかけてみた。 「で?何の用なのよゼロス?」 それに気を取り直したのか、ゼロスはにっこり笑って、、、、、 「『秘密です』って言ったら、警察に突き出すわよ」 ピシッとゼロスが固まり、泣き出しそうな顔になる。 「で、何?」 冷たく言うリナに、ゼロスは悲しそうな顔をしながらも答えた。 「実は、警察が今日、この店にガサ入れに来ますよ。 後1時間くらいですけれど、、、、、、、」 『!』 ぶっと、リナが酒を吹き出す。 「ちょ、ヤバいじゃないのよフィリア!」 「大丈夫です。 今週中だって分かってましたから、ちゃんと隠しました!」 えっへんと胸を張るフィリアに、リナはハリセンをお見舞いする。 べしいいっ! 「馬鹿っ!私やゼルやガウリイは持ってるでしょおおおおおっっっ!!?」 「はっ?!忘れてました!」 「忘れるなああああああっっ!!」 大慌てで、リナが2階に上がる。 ゼルガディスに教えて、早急にこの店から出なければ。 ダラララララララララッッッッ!! 「!?」 何やら銃の音が聞こえて、咄嗟にリナは床に伏せた。 見るとフィリア、ガウリイ、シルフィールそしてゼロスはカウンターに入っ て弾をやり過ごしている。 すると、店の入り口から煙りが入り込んで来た。 白い煙り。 (催涙ガスっっっ!!) はっとなって、リナはハンカチを口元に当てる。 勿論、これだけではガスを防げない。 リナは急いで階段を登った。 ダラララララララララッッッ!! 銃の音に、ヴァルガーブとゼルガディスは素早く反応した。 ベルトの背中側から短銃を取り出す。 アメリアは怯えたように身を竦ませた。 「ゼルっ!」 そこへリナが階段を登ってくる。 「どうした?!」 「分からないわ!急に撃ってきたの、外からよ。 下で催涙ガスが巻き散らかされてる!ガウリイ達も下にいるわ!」 ドアから出て来たヴァルガーブやアメリアにも聞こえるように言う。 「ゼロスが『今日、警察のガサ入れがある』って言ったら急に、、、、」 「!勘付かれたか!」 舌打ちをして、ゼルガディスは階段を降りる。 そこはもう真っ白な霧で視界が聞かない状況だった。 「ヴァル!ガスマスクないか!?」 「ある!」 言って、ヴァルガーブはさっきの隣の部屋に入り、中から5つ程のガスマス クを持って来た。 「5つしかない」 「十分だ。お前らは上にいろ。 目を固く閉じて、ハンカチか何かで口と鼻を塞げ」 言って、ゼルガディスは一つのガスマスクを付けると、残りの4つを持って 階下へ降りていく。 ヴァルガーブは女性二人を奥へ誘導した。 「ここの部屋ならガスが入って来ない。 ゼルガディスの言う通り、俺達はここでじっとしていよう」 「助けなくていいんですか!?」 叫ぶように言うアメリアに、ヴァルガーブは肩を竦める。 「ガウリイの旦那やゼロスならともかく。 今この状況で俺が行けば確実に足手まといになる」 「でもっっ!」 「落ち着きなさい、アメリア」 焦るアメリアに、リナが低い声で言った。 「冷静にならないと、こういう状況ではあっという間に死ぬことになるわ」 「、、、、、、」 「ゼルとガウリイとゼロスの強さは半端じゃないわよ。 安心しなさい、アメリア」 言って、リナは優しくアメリアの頭を撫でた。 もくもくと立ち篭める催涙ガスに辟易しながら、ゼルガディスはコルトガバ メント45口径を片手に歩く。 外からの銃撃は止んでいる。 おそらく、催涙ガスにたまらず外へ飛び出た者から始末するつもりだろう。 篭城すれば、そぐに銃を持った敵がここへ侵入するはずだ。 時間はあまりない。 手探りでカウンターまで歩いた。 時間的に、客がいなかったことは幸いであろう。 もっとも、入り口付近で2人ほど死んでいたが。 (目標はこの店内の人間全員らしいな) 「ガウリイ、、、いるか?」 カウンターまで辿り着くと、ゼルガディスは囁くような声で問う。 小さな物音がした。 そこへ行き、手を伸ばして軽く振る。 何か温度のあるものに触れた。 そこに手を這わすと、人の形をしている。 うっすら見える髪の色は金。 無理矢理ひっぱって、顔をこちらに向けた。 フィリアである。 ガウリイではなかったが、この際もういい。 「フィリア、ガスマスクだ」 言って、マスクをフィリアの顔に押し付ける。 フィリアが慌ててマスクを装着し、目を開いた。 同じ様にして、他の3人にもガスマスクをつけさせた。 あと少し遅ければ息が続かず、4人とも催涙ガスにやられていただろう。 (早く着いてよかった) ゼルガディスはほっと息をつく。 「行くぞ」 ぽつりと言って、階段の方へ向かう。 4人はゼルガディスの後ろに続いた。 |
5963 | 小さな鉢植え 第八章 麻薬捜査官 | amy E-mail | 3/10-22:50 |
記事番号5960へのコメント ソロリソロリと、十数名の武装した人間が居酒屋に侵入してくる。 それぞれ手に銃火器を持ち、手榴弾も装備している。 防弾チョッキとガスマスクも身に付けていた。 催涙ガスのせいで視界が悪い中、ガスマスクを付けたために表情の分からな いその人間達が店内を見回す。 手探りで歩き回り、1階に誰もいないことを確認する。 2階へ続く階段を見つけ、上へ上がっていった。 部屋を片っ端から開けて調べるが誰もいない。 結局、トイレや物置きまで調べたにも関わらず、人っ子一人見つからなかっ た。 「、、、、、どういうことだ?」 ゼルガディスの家に着くと、ヴァルガーブは開口一番にゼロスに問う。 ゼルガディス達は咄嗟に天井裏に隠れ、そこからダストシュートを使って下 に降り、警備が薄くなったのを見計らって外に出た。 野次馬の中に混ざり、成るべく歩調を緩めて素知らぬフリをして歩いた。 やっとの思いで辿り着いたゼルガディスの家に、とりあえず異変はなかっ た。 「さあ、、、、僕が聞きたいくらいなんですけれど、、、、、」 困ったように言うゼロスに、ヴァルガーブは殺気を注ぐ。 「ふざけるな。貴様が来たのを見計らったかのように銃撃だ。 貴様がスパイ、もしくはつけられていたとしか思えん」 睨み付けるヴァルガーブに、ゼロスはにっこり笑いかける。 「いやだなあ、つけられるなんてヘマ、するわけないでしょう? 第一、スパイやるにしてもこんな危ない橋は渡りませんよ」 「そのにやけ顔が信用ならねえんだよ!」 にこにこしながら言うゼロスの態度に腹を立て、ヴァルガーブがゼロスの襟 につかみかかった。 それを横からガウリイが止める。 「止めるなガウリイ!」 「ゼロスは何も悪くないと思うぞ」 怒りの抗議をあげるヴァルガーブに、ガウリイは存外冷静に言った。 「どうしてそんなことが分かるんだ!?」 「ゼロスの言う通りだからさ」 ヴァルガーブの問いに答えたのは、ガウリイではなくゼルガディスだった。 「ゼロスはつけられるようなヘマはしない。 スパイをやるのは無意味かつメリットがない。 俺達の力はよく知っているはずだし、 何より無関係者を巻き込む奴じゃない」 冷静につらつらと述べるゼルガディスに、ヴァルガーブは呆然とする。 「ここにはリナも、その上シルフィールもいた。 入り口で死んでいた2人の客もそうだ。 無関係な人間を殺すのは権力者の力があってこそ。 ゼロスにはゼラス=メタリオムがいる。 わざわざ他の権力者の傘に入る必要はあるまい? ゼラスは無関係者を巻き込むのは好かん奴だしな」 その通りであった。 ゼロスもゼラスも、無関係な人間を巻き込むことは好まない。 揉み消しが大変で面倒だかららしいが、そのことについては信用がおける。 ゼロスが入って来たとほぼ同時の銃撃は偶然、もしくは客が入ったと同時に 銃撃するように命令されていた、、、、ととるべきであろう。 「警察の一味、、、、か?」 「そうですね、ダラララ、、、、って音がしたでしょう? マシンガンの一種なんですけど、たぶんマイクロウージー9ミリ。 あれを集団で扱うのは警視庁の麻薬捜査課の機動部隊の特徴です」 ゼルガディスの質問に、ゼロスがすらりと答える。 警察内部の情報に関しては、ゼロスの右に出る者はいない。 少なくとも、この場には。 「、、、、、麻薬捜査課、、、、ですって?」 リナがゼロスの言葉に反応し、眉をぴくりと動かす。 「ゼルっ!ファイル!」 リナの言わんとすることに気付き、ゼルガディスはリナから郵送されてきた ファイルのコピーを棚から取り出す。 飛行機事故のファイルである。 アメリアも乗っていた105便のファーストクラス便乗者リスト。 そこには、、、、、、 「『麻薬捜査官、、、、、、警視庁のエリート、、、、、、』」 「麻薬捜査官!!?」 驚愕の声をあげたのはヴァルガーブである。 ゼロス、ヴァルガーブ、ガウリイはリストを食い入るように見つめた。 「こいつ知ってる。 海外密輸の麻薬を担当してるエリシエル=ヴルムグンだ!」 呻くように言うヴァルガーブ。 それに驚いたのはゼルガディスである。 「エリシエル?んな馬鹿な」 急いでリストを見ると、確かにそこには見覚えのある顔によく似た顔。 「知り合い?」 「、、、、ガキの頃のな」 成長した姿を一度も見たことがなかったので、気付かなかった。 『エリシエル』という名前もよくいるし、気にとめなかったのだ。 黒髪の肩で切りそろえたなかなかの美女である。 意地っ張りそうな、挑戦的な目つきはあいかわらずだ。 8年前と変わらない。 「アメリア、こいつを見たか?」 突然聞かれ、アメリアはびくっとしながらリストを受け取る。 見覚えがあるともないとも言えない。 「、、、、すみません、覚えてません」 謝るアメリアの頭を、ゼルガディスはゆっくりと撫でた。 「いい、気に病むな」 言うとリストをまじまじと見る。 まさか警察になっていたとは思わなかった。 レゾの関係者にこんなまともな職につける奴がいたとは。 「、、、、これで分かった。 たぶん、アルフレッドとかいう奴の加担していた犯罪は、、、、」 ぺらっとリストを捲り、リナに手渡す。 リナがファイルを棚に戻すのを見てから、ゼルガディスは断言した。 「麻薬の密輸だ」 「おそらく、麻薬捜査官の誰かと癒着でもしていたんだろう。 麻薬を横流しさせて、密輸していたのさ。 日本や中国なんかのアジアなら、結構簡単に密輸出来る」 言って、ゼルガディスはアメリアに温かいココアを差し出した。 アメリアはお礼を言ってから受け取り、こくこくと飲む。 「そこへアメリアの日本への留学があった。 捜査官はアメリアを共犯者だとでも思ったんだろう。 アメリアをマークしていたんだろうな。 それに気付いた癒着していた方の捜査官が、 アメリアと捜査官を飛行機ごと消してしまおうと思ったんだろう」 案の定、居酒屋での事件は暴力団の無差別事件として流れた。 ヴァルガーブとフィリアは現場に戻り、警察に事情聴取を受けている。 残ったリナ、ガウリイ、シルフィール、そしてゼロスがアメリアと共にゼル ガディスの話に耳を傾けていた。 「だが問題が生じた。 アメリアが乗る便が105便と102便、 どちらなのか分からなかったんだ。 どちらも日本行きで、離陸時刻も全く同じだったのさ。 犯人は結局両方の飛行機に爆弾をセットし、両方爆破した。 乱暴なやり方ではあるが、揉み消せるなら上手い方法だったのかもな」 「じゃあ、癒着がバレないようにするためだけに、、、、?」 ゼロスの質問に、ゼルガディスが頷く。 「おそらくな。 アルフレッドにはその旨を話してはいないだろう。 アルフレッドはアメリアを隠れ蓑にして、 他の便で麻薬の密輸を実行したんだろうよ。 もしかしたら102便の方かもな。 その証拠を残したくなかったんだろう。 アメリアは犯罪について気付いていたから、邪魔だったのさ。 これ幸いと消しにかかったんだろう。 居酒屋に現れたのは癒着していた捜査官の部隊だろうな。 アメリアのことをタレコミに行った情報屋がいたんだろう」 ほぼ全てが推測に過ぎないが、ゼルガディスは妙に確信を持って言った。 回りも妙に納得した顔をしている。 その中で、アメリアだけがガタガタと震えていた。 「アメリア、怖がることないわ。 絶対私達が守ってあげるから、、、、、」 「違います!」 優しく言うリナに、アメリアは立ち上がりながら叫ぶ。 手にしたコップが落ちたが、ココアはもう飲み干した後らしい。 何も零れはしなかった。 「恐いんじゃないです!腹が立つんです! そんな陰湿なやり方、正義じゃありませ〜ん!!!」 バックに炎を燃やしながら、アメリアがあさっての方に叫ぶ。 「このアメリア=ウィル=テスラ=セイルーン! 死んだ父に変わって、その癒着した人を倒して見せます!!」 『無理無理』 アメリアの言葉に、全員がツッコミを入れる。 銃一つ扱えない彼女にはどだい無理な話である。 相手は完全武装しているのだから。 女の、しかも子供の手に負える相手ではない。 「まあとにかく、 リナさんとシルフィールさんは仕事場に戻った方がいいですよ。 お二人なら誤魔化しはいくらでもききますし。 僕らはチェックされてる可能性がありますね。 僕ならゼラス様がいるから平気ですけれど、、、、、、、、、、、」 シルフィールは元々裏社会の人間ではない。 大会社の社長の秘書だ。 誤魔化しは十分通じるし、そう簡単に危険なめに遭うこともない。 リナはリポーターである。 このことを記事にしない限りは安全であろう。 ゼロスもゼラスという大きな後ろ楯がある。 ヴァルガーブやフィリアは今回の被害者として生活していれば、時間の経過 と共にマークも解かれるはずである。 問題はガウリイとゼルガディス、そしてアメリア本人であった。 「ガウリイ様はあの隠れ家で2、3ヶ月生活していてはどうでしょう? 私、料理や掃除や洗濯くらいなら毎日でもいたしますけど」 シルフィールがおずおずとガウリイに提案する。 「そうだな、それがいい。 皆は成るべく普段通りの生活を送れ。 情報に関してはメールで暗号化して送ってくれ。 方法はいつも通りに。 ゼロスには武器の調達を頼む。ヴァルに頼めばヴァルが危ない」 頷いたのはゼルガディスだ。 それに皆は頷いた。 ゼロスがこちらを向く。 「こうなったら協力しますけれどね、ゼルガディスさん。 僕も武器の調達以上の手伝いは出来ませんよ?いいですか?」 「ああ、勿論だ」 ゼロスの言葉にゼルガディスは頷く。 今回ばかりは仕方が無い。 ヴァルガーブの店がチェックされたことが一番苦しかった。 仲間を不用意に作れば、それが墓穴掘りになる。 が、人数は多ければ多いほどいいというこの状況。 味方を作れない以上、武器はあるにこしたことはない。 「じゃあ、ゼロスを残して後は帰宅しろ。 ガウリイ、リナとシルフィールを送ってくれ。 最初にリナの会社、次がシルフィールの自宅だ」 「分かった」 言って、ガウリイが二人を連れて出ていく。 最後尾に居たリナが振り返った。 「ゼル、私の姉ちゃんの名義で借りてるマンションがあるの。 あなた達もそこに移った方がいいわ。 ここは引き払わずに、ね。 そっちの方の家賃やなんかはそっち持ちになるけど、、、、、」 「すまない」 リナの申し出を、ゼルガディスは素直に受け取る。 リナの名義ではなく、その姉の名義。 これならバレる可能性は少ない。 「ここが住所よ」 言って、メモをゼルガディスに手渡す。 「すまん、リナも解決するまでは仕事場以外の外出はするな。 連絡は常に暗号化したメールでしよう。 今回のことについてはいつか礼をさせて貰う。 本当にすまないな、リナ。」 言うと、ゼルガディスは壁にノックをする。 コンコン、コン、コンコン。 「今度はこれだ。全員いいな? ヴァル達にもメールで伝えてくれ」 「了解」 頷いて、リナ達はドアの外へ出て行った。 すぐにゼルガディスは鍵をかけるとくるりとこちらを向き、ゼロスに言う。 「早速だが調達して欲しい武器がある。いいか?」 「ええ、構いませんよ」 「ウージー9ミリサブマシンガン、 レミントンM870ウイングマスターコンバットショート、 グロック199ミリ、ベレッタM92F、 SPAS12ショットガン、ブローニング・ハイパワー9ミリ、 ワルサーPPKS7.65ミリをそれぞれ弾が満タン状態で20丁。 手榴弾を30個。防弾チョッキを2着。 あとコルトガバメンメント45口径の弾を箱で1ダース。 まあ、とりあえずは以上だ」 かなりの量に、思わずアメリアは目眩がしてしまう。 ところがゼロスはこともなげに言った。 「足りるんですか?」 「『とりあえず』と言ったろう?」 微笑した様は、二人とも本当に美青年で格好いいのに、話している内容は泣 きたくなるほど恐い。 アメリアははっきりと感じた。 これが裏社会というものなのだ、と。 ゼロスが帰り、ゼルガディス達も家をリナの姉、ルナの名義で借りられたマ ンションに移動してからというもの、アメリアはずっと押し黙ったままだっ た。 部屋には備え付けの家具といくらかの着替えや洗面用具、パソコンと鉢植え と武器がいくらか。 家具以外は全て持参のものである。 「、、、、、アメリア」 ゼルガディスは沈黙に耐えられず、アメリアの名前を呼んでみた。 反応はない。 少しおろつきながらも、言葉を続ける。 「嘘をついていたことに関しては、、、、、その、、、、すまなかった」 やはり反応はない。 少し胸が痛んだが、感傷に浸る時ではない、今は。 「あまり、好きではないんだ、この職業が。 俺にはこういう生き方しか分からなくて。 やろうと思えば他の職もあったかもしれないが、無理で。 悪かったと思ってる。嫌だったろう? 殺し屋とずっと一緒にいたなんて、何と言うか、、、、、、、」 元々口下手なゼルガディスである。 上手く自分の言いたいことが言えず、何だかもどかしさを感じた。 「俺は、お前に危害を加えるつもりは一切ない。 むしろ守るつもりだ。 何でなのか、自分でもよく分からないがそうしたい。 なりゆき、というのもあるかもしれないがそれだけじゃない。 同情、、、、でもないとは思う。 だから、俺のことを嫌いでもいいから素直に守られていてくれ」 何だか言いたいことの半分も相手に伝えていない気がするが、ゼルガディス にはそれ以上を語る口の上手さがなく、そのままアメリアを一人にして寝室か ら出て行く。 溜め息を一つついてドアを閉じた。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 今晩は。amyです。 せっかく沢山のキャラクターを出せたのに、 もう引っ込ませなくてはならなくなりました(T_T) またの登場には結構なブランクを要します。 さて、順調過ぎるほど順調に進んでいるこのシリーズ。 これから盛り上がります!ぜひぜひお読み下さいませ♪ ではでわ amyより |
5968 | くらくら・・・・v | 雫石彼方 | 3/11-02:07 |
記事番号5963へのコメント こんにちわ、雫石です。 ああもう、緊張感溢れる展開と二人の微妙な関係にくらくらしっぱなしでしたVvゼルってばアメリアに嘘付いたことを知られたくないだなんてっvもう既に惚れ真始めてるんでしょうか?(きゃっ)しかも何気に「守りたい」宣言までしちゃってるしv これから更に盛り上がっていくということで、先が気になって気になって仕方ありません!!(><)楽しみに待ってますので頑張って下さいね!! では。 |
5977 | 私もくらくら・・・・v(笑) | amy E-mail | 3/11-14:42 |
記事番号5968へのコメント >こんにちわ、雫石です。 こんにちは、第二回レス、ありがとうございます! >ああもう、緊張感溢れる展開と二人の微妙な関係にくらくらしっぱなしでしたVvゼルってばアメリアに嘘付いたことを知られたくないだなんてっvもう既に惚れ真始めてるんでしょうか?(きゃっ)しかも何気に「守りたい」宣言までしちゃってるしv うふふっふふふ〜♪ くさってもゼルアメですからね〜♪ 緊張感があると私も書きやすいんですよ♪ まだゼルは認識出来ていませんが、 アメリアに『ほ』の字なのでございますう〜。 >これから更に盛り上がっていくということで、先が気になって気になって仕方ありません!!(><)楽しみに待ってますので頑張って下さいね!! はいっ!頑張ります! 応援よろしくお願いしますね!!! ではであ amyより |
5980 | 小さな鉢植え 第九章 ありがとう | amy E-mail | 3/11-15:54 |
記事番号5963へのコメント 「あ、ゼルガディスさん。おでかけで?」 外へ出ようとすると、突如管理人に声をかけられた。 「いや、郵便物の有無の確認に、、、、」 言ってゼルガディスは郵便受けを覗き込む。 ニューヨークタイムズがあったので、それを取り出す。 「妹のルナさんは?」 「上で休んでいる」 ルナの名義で借りているため、どうしてもその名前を使わなければならな かった。 ゼルガディスは男なので、アメリアをルナという名前にして登録してある。 二人はこのマンションでの記録上、兄妹ということになっていた。 「ところで、ルナさんって染めてるんですか?」 「いや、元々黒髪だ」 管理人の言葉に、ゼルガディスが不審そうな顔をする。 「あ、すみませんねえ、、、兄妹なのに色が違うから、、、、」 ゼルガディスは銀髪、アメリアは黒髪である。 管理人が不審に思うのも頷ける。 「親が違うんでね」 嘘はついていない。 だって両親ともに赤の他人なのだから。 「ああ、こりゃあ失礼なことを聞いてしまって、、、すみません」 「別に、お気になさらず」 慌てる管理人に、ゼルガディスは言う。 そしてそのままエレベーターで上に戻って行った。 まだこちらを見ようとしないアメリアに溜め息をつき、ゼルガディスは椅子 に腰掛けた。 ノートパソコンを開き、メールのチェックをする。 リナから早速メールが届いていた。 文字化けの上に暗号化されたメールを、ゼルガディスは解いていく。 これを解くには特殊なフロッピーとデータが必要で、それらはゼルガディス とガウリイ、リナ、ヴァルガーブそしてゼロスしか持っていない。 仲間内だけしか読めない暗号文なのだ。 暗号を解読し、読む。 『ゼルへ アルフレッドに関する資料。 19才。男。ハーバード大学に在学。 父、クリストファの仕事を手伝っている。 貯金、預金は全部で8億ドル。 会社の収入の約2%にあたる金額。 政治家、警察に知り合いや親戚は多数あり。 大学での友人関係は特になく、親友もいない。 性格は社交的で明るい。 但し独占欲が深く、少々わがままな点もあり』 他にも色々と細かく資料が書かれていた。 最後に 『PS:危なくなったらちゃんと頼るように』 「、、、、、、」 こんな命がけの時にまで気を遣ってくれるリナの優しさに、思わずゼルガ ディスは微笑した。 こういう温かい人間関係には縁のない時間が、彼の人生の大半だったから。 心の中でリナに礼を述べて、ゼルガディスはパソコンを閉じた。 持参して来た植木鉢を窓際に置くと、水をたっぷりとやる。 手持ちぶたさになってしまい、ゼルガディスは武器の整理を始めた。 コンコンッ! 軽いノックとともに管理人の声が聞こえた。 『インバースさん、お届け物ですよ! 下に郵便配達の人がいらっしゃってます』 「すぐに行く」 返事をしながら、ゼルガディスはコートを羽織る。 今だにこちらを向かないアメリアに、そっと声をかけた。 「アメリア、一緒に来てくれ」 ゼルガディスの言葉に、アメリアは無言で従う。 ひどく窮屈な気分になったが、ゼルガディスはアメリアと外へ出た。 管理人と一緒にエレベーターで下に降りる。 玄関にはトラックが止まっていた。 よく見かける郵便配達のトラックである。 違うのは、運転手がゼロスである点であろう。 「こんにちはインバースさん♪」 にっこり笑顔で言うゼロスに、ゼルガディスは溜め息を一つついた。 「引っ越しの荷物です。 ここで手渡しますね。サインをお願いします」 きっちり配達人になりきっているゼロスの手元の紙に、ゼルガディスはサイ ンをする。 きちんと『ゼルガディス=インバース』と書くあたりが彼らしい。 「では、またの御利用をお待ちしています」 言ってゼロスはトラックを運転して行ってしまう。 残された荷物に、ゼルガディスは呻いた。 何故かチェロやヴァイオリンがケースごと幾つも置いてある。 おそらくはこの中に分解した銃やらなにやらを隠してあるのだろうが、、、 「あの、、、楽器をおやりになるんで?」 おずおずと聞く管理人に、ゼルガディスは思わず言い淀む。 楽器なんぞやったことがなかった。 そこへアメリアが口を挟む。 「私がやるんです。今度の8月に音楽学校の採用試験があって、 それに挑戦するんです。兄さんに言って、奮発して貰いました!」 すらすらと言う。 それに少々呆気にとられながらも、ゼルガディスは頷く。 「そうですか、なるべく音が外に漏れないようにね。 御近所迷惑にならないようにしておいてくれるかな?」 「はい、気を付けます」 にっこり笑って言うと、アメリアは二つのヴァイオリンケースを持って、エ レベーターに向かう。 慌ててゼルガディスもチェロのケースを3つも抱えて、後に続いた。 「その、、、すまなかった。助かった、アメリア」 「いえ、いーんです。 さっきまで私が悪かったんですから、気になさらないで下さい」 ゼルガディスの謝罪に、アメリアが答えた。 それに驚いて、ゼルガディスが顔をあげる。 「意地をはってごめんなさい。 私を助けるために命をかけて下さってるのに、、、、 混乱しちゃったんです。だってここ数日で色々あって、、、、」 ケースをそれぞれ順に並べながら、アメリアは言う。 「だから頭の中を整理したくて、 ごめんなさい。ゼルガディスさんは何も悪くないのに、、、、 私、ゼルガディスさんのこと信用してます。 だって助けてくれたし、私何かのためにこんな目に遭って、、、」 尚も続けようとするアメリアの口を、ゼルガディスは手で塞いだ。 驚くアメリアに、ゼルガディスが微笑みながら言う。 「謝るな、俺が嘘をついていたのが悪いんだ。 本当にすまん。あと、、、、ありがとう、許してくれて」 『ありがとう』の部分で真っ赤になるゼルガディスを見て、アメリアが吹き 出す。 くすくす笑うアメリアに、ゼルガディスも小さく笑った。 ぴりぴりとしていた部屋が、やっと柔らかい空間になった。 |
5983 | 小さな鉢植え 第十章 セイルーン家の惨劇 | amy E-mail | 3/11-16:35 |
記事番号5980へのコメント ゼルガディスの確認が終了した部屋で、アメリアはう〜んと伸びをした。 窓もトイレもお風呂場も台所も全て異常はないらしい。 今、ゼルガディスは持参した洋服をタンスに入れたり、洗面用具を設置した りと慌ただしく動いている。 最後にゼロスの持って来た楽器のケースを開き、予想通り武器が分解されて 入っているのを確認し、組み立て始める。 次々に組み上がって行く武器に、アメリアは目を丸くした。 「どうしてそんなに早く組み立てられるんですか?」 「慣れてるからな。昔からこういう仕事をしていたし」 言いながらも手は休むめない。 あっという間に銃が出来上がり、注文の通りのものが並べられた。 「昔から、、、、、?」 「ガキの頃からさ」 言って、ゼルガディスは出来上がった武器を壁に立て掛け、いつでも取れる ように傾ける。 手榴弾は15個を防弾チョッキの一つに括りつけ、残りをまとめて布にくる んで洋服掛けの中に入れた。 「俺の父親がこういう仕事していたんだ。 物心ついた頃からこういうのの扱い方を教え込まれてた」 防弾チョッキの手榴弾がついていない方をアメリアに手渡す。 「それを常に服の中で身に着けておけ。 チョッキには血のりもあるからまずバレない」 いざという時には死んだフリをしろ、ということである。 アメリアは不安そうにこちらを見上げてきた。 ゼルガディスはふっと笑って、頭を撫でてやる。 「あくまでも『もしもの時』だ。安心しろ」 ゼルガディスの言葉にこくりと頷くと、アメリアは防弾チョッキを持って寝 室へ行く。 早速身につけるつもりなのだろう。 ゼルガディスは自分の分の防弾チョッキを洋服掛けの中に入れると、台所へ 向かった。 「アメリア、夕飯は何がいい?」 「え!?私が作ります!」 ゼルガディスの声に、アメリアがどたばたと走ってくる。 途中で転んだらしき物音がしたが、アメリアは何ともないようだ。 「ゼルガディスさんに御馳走になったんですから、 今度は私が作ってゼルガディスさんに御馳走するんです〜!」 小さな子供のようにじたばたしながら力説する。 それを微笑ましく思いながら、ゼルガディスは頷いた。 「分かった、じゃあ頼む」 「はいっ!!」 元気いっぱいに頷く彼女が、どうしてだか羨ましかった。 コトコトコト、、、、、 鍋の音と、食欲をそそるいい匂いが部屋中に立ち篭める。 何だかそれを嬉しく思いながら、ゼルガディスはテレビの電源を入れた。 ニュースの番組だが、リポーターはリナではないようだ。 確かリナの同僚のミリーナ、とかいう名前の人物である。 長い銀髪をポニーテールにしているが、それでも腰まで届く。 切れ長の目が冷たい感じをかもし出す美女。 ふとリナの言葉を、ゼルガディスは思い出した。 『ミリーナってね、ルークっていう男に惚れられちゃってさ、 すっごい大変なのよ。ミリーナがどんなに冷たくしても お風呂のカビみたいにしつこくしつこく口説きにくんのよ』 くすっと笑ってしまう。 だが、その笑みはすぐに凍り付いた。 『セイルーン家の惨事。 17年前、ホワイトハウスの事件で死亡した、 フィリオネル氏の家族が次々と死亡する事件が起きました。 つい先日の飛行機事故で次女のアメリアさん。 そして今日、フィリオネル氏の家で妻と長女のグレイシアさんが 何者かに襲われ、死んでいたのが発見されたのです。 犯人は未だ特定出来ておらず、 二人の死体に乱暴された形跡がないこと、 そして金品が残っていることから怨恨ではないかと、、、、、』 ガッシャーーーーーーンッッ!!! はっとして後ろを振り返ると、アメリアが呆然として立っていた。 足下には割れてしまった皿の欠片が散乱している。 急いでテレビの電源を切るが、時すでに遅し。 アメリアはかくんと膝をつき、青ざめたままで言う。 「母さんと、、、姉さん、、、、、死んで、、、、、?」 「アメリア!」 自分の膝が割れた皿で傷付くことも気にならないのか、そのままがっくりと うなだれる。 「嘘、、、、そんな、、、、、」 「アメリア!立て!立つんだ!膝がっ、、、、!」 「どうしてですかっ!?私、二人に連絡なんかしてないのにっ!!」 「アメリア!頼む、立ってくれ!」 どうあっても立とうとしないアメリアに、ゼルガディスが焦りながら叫ぶ。 しかし、その声も今のアメリアの耳には届かない。 血がどくどくと出ていてもアメリアは膝をついたままだ。 「何で!どうしてですかっ!?そんなの正義じゃないですっ!!」 叫びながら身を捩るアメリアの膝に、割れた皿がますます食い込んだ。 ゼルガディスはアメリアを無理矢理抱き上げ、ベッドに乗せる。 そしてそこで膝の傷を診た。 思ったよりも深い傷に、ゼルガディスが眉を寄せる。 割れた皿の欠片を傷口から取り出し、シーツを裂いて膝に縛りつけた。 「アメリア、そこを動くなよ!」 言って、まだ叫んでいるアメリアをベッドに押さえ付ける。 返事はないが、待っている暇はなかった。 急ぎ割れた皿を始末すると、台所のコンロの火を消す。 それからバーボンを持って来た。 救急箱がないので、消毒液の代わりにするためだ。 アメリアの傷口にそれをかけると、さすがに滲みたのか、アメリアが小さく 悲鳴をあげる。 その上からさらに裂いたシーツを巻き付けた。 「応急処置だ。後で必要な物を買ってこよう」 言ってアメリアを布団にくるむ。 「今日はもう寝ろ」 涙で濡れた頬を撫でて、ゼルガディスは優しく言った。 落ち着いてきたアメリアは 「はい、、、」 と弱々しく頷くと、布団に潜り込む。 寝室からゼルガディスが出て行った後、アメリアは声を押さえて、泣いた。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ああ!もう十章まできちゃいました! こんにちは!amyです! もう十章だというのに、全然終わる気配が見えません。 一体どれくらい続くものなのか、、、、(う〜みゅ) さてさて、これからもじゃんじゃんUPしていきます! 応援よろしくお願い申し上げます! ではでわ amyより |
5996 | 小さな鉢植え 第十一章 『お早う』 | amy E-mail | 3/12-18:44 |
記事番号5983へのコメント 救急箱を購入したゼルガディスは、音を立てぬようにゆっくりとドアノブを 回した。 寝室で泣きつかれて眠っているアメリアを起こすのが忍びなくて、迷う。 結局彼は布団をゆっくり剥ぐと、アメリアを起こさぬように優しく膝の治療 を始めた。 消毒時に呻いたが、気にせず治療を続ける。 包帯を綺麗に巻いて布団を被せ直すと、ゼルガディスは寝室から出て行っ た。 パタン、、、、という軽い音と共に部屋が暗闇に飲まれる。 ドアに寄り掛かったまま、ゼルガディスは深い溜め息をついた。 どうして気が回らなかったのだろう。 アメリアが発見され、ヴァルガーブの居酒屋が襲撃を受けた時点で、アメリ アの生死は向こうにも確認されていたのだ。 ならば、アメリアの家族が狙われる可能性も全くの無ではない。 そのことに、自分は気付かなかった。 無論、気付いたとて何を出来るものでもない。 アメリアを置いて遠出は出来ないし、かといってアメリアを連れて行くのは 危険過ぎる。 アメリアの実家はこのヴァージニア州からはかなり遠い。 居酒屋の襲撃の後に急いで駆け付けても間に合わなかったかもしれない。 分かっている、これは時間的に言っても仕方のないことだ。 分かっている、分かってはいる。 けれど感情面では納得出来なかった。 彼女にとっては、大切な家族だったのだ。 その二人が失われた今、彼女に何が残っているというのだろう。 自分が何か出来たのかもしれない。 もしかしたら、本当に確率は低いけれど、もしかしたら、、、、、、 そう思うと、アメリアに対してすまない気持ちでいっぱいだった。 自分の腑甲斐無さに歯を食いしばる。 「すまない、、、、アメリア、、、、、」 囁きのような、本当に小さな声で、ゼルガディスはつぶやいた。 「、、、、、、っ!」 ニュースを見て、リナは息を飲んだ。 セイルーン家の惨劇、、、、、。 気付いてやるべきだった。 何故このことを予想出来なかったのだろう。 きっと、今頃あの少女は泣いている。 それだけじゃない。 きっとあの男も悔しさに、自分の腑甲斐無さに震えている。 自分が何とかしていれば、と、、、、、、。 リナ自身、それに近い感情があった。 (、、、、見てなさいよ、、、、、) テレビ画面を睨み付け、リナは真犯人に心の中で言ってやる。 (必ずあんたをこの手でとっちめてやるんだからっ!) テレビを消すと、リナはパソコンの正面に向かった。 アメリアの作った食事にラップをかけ、ゼルガディスは椅子に座り込む。 自分は落ち込んでいる場合ではない。 彼女を守らねばならないのだ。 彼女の家族は死んでしまったが、この際報酬などどうでもいい。 そんなものはいらない。 だから、彼女を守るためにも自分はしっかりしていなければいけない。 食事もきちんととらねばならないと分かっているが、さすがにそんな気持ち にだけはなれなかった。 テーブルに突っ伏して、このまま眠ってしまおうかと思う。 けれどふいに不安に思って、ドアや窓の鍵を念入りにチェックしてしまう。 寝室にいるアメリアの安否が気になり、居ても立ってもいられなくなった。 女性が寝ている部屋に無断で入るのは、あまり好ましいことではない。 ましてや、そこに一緒にいるのも難だろう。 けれど、ゼルガディスは彼女が心配でならなくなった。 寝室のドアだけ開けておき、その近くで睡眠をとるのはどうだろうか、と真 剣に考えてしまう。 やはり失礼だろうか。 うろうろと寝室のドアの前を、行ったり来たりしてしまう。 とりあえず、ドアの前に椅子を引きずって置き、座ってみた。 寝息も何も聞こえず、これでは安否に気付かない。 けれど、、、、、 ごちゃごちゃする頭の中で、時計をちらりと見た。 前にパソコンを開いてから4時間経っている。 またメールをチェックする必要があった。 後ろ髪を引かれる思いで、ゼルガディスは寝室から離れる。 そしてパソコンを機動させた。 メールが2通来ていた。 一通はシルフィール、もう一通はリナからである。 シルフィールのメールを開き、解読すると、そこにはニュースのことが載っ ていた。 おそらく、自分があのニュースを見落としたかもしれないと気をきかせたの だろう。 けれど、ゼルガディスにはそんな親切も苛立たしく感じた。 『セイルーン家の惨劇』 この言葉はもう見たくなかったのだ。 さっと読んでニュースと大差ないことを知ると、ゼルガディスは躊躇うこと なくそのメールを削除する。 続いて、リナのメールを開いた。 『ゼルガディスへ たぶん見たと思うけれど、アメリアの家族が殺された。<ニュース 犯人は一応不明とされている。 もしかしたら何かしらの情報があるかもしれないので、 セイルーン家に関わっていた人物にインタビューしてみる。 深入りはなるたけしないつもりだから安心して。 ゼルは無理せずアメリアを守ること。 単独行動は極力控えて。 PS:一人で何もかも背負い込むのはやめて リナ=インバースより』 「、、、、、、、」 呆然としてしまう。 欲しいと思った情報を掴みに、わざわざ行ってくれると言う。 欲しいと思う言葉を、こともなげに与えてくれる。 それが凄く嬉しくて、心の中で精一杯の礼を述べる。 ゼルガディスはディスプレイを眺めたまま、ほんの少しだけ、泣いた。 朝がやって来た。 前のゼルガディスの家とは違い、小鳥のさえずりは聞こえなかった。 朝にしては強烈な日ざしが顔を照らし、その眩しさにアメリアの目が開く。 ゆっくりと身体を起こすと、膝がずきりと痛んだ。 ぼうっとしたまま昨夜のことを思い出す。 途端に視界が滲んだのを自覚して、アメリアは急いで涙を拭った。 気を張り詰めなければいけない。 昨日は我を忘れて取り乱してしまった。 さぞゼルガディスを困らせてしまったことだろう。 彼は自分のために命さえかけてくれた人なのだ。 これ以上困らせるようなことはしたくない。 決心を胸に、アメリアは床に足をついた。 また膝に痛みが走ったが、それほどでもない。 そのまま寝室のドアを開き、そこから出た。 すると、目の前に椅子に座ったまま眠っている男がいた。 こくりこくりと頭を揺らしながら、椅子に座って腕組みしている。 自分のためにこんな寒い所にずっといたのかと感動しながら、アメリアは小 さく微笑んだ。 彼の目が覚めたら思いっきり微笑んで、『お早う』と言おう。 昨日のことを謝罪して、自分の作った食事を食べてもらって、、、、、、。 そんなことを思いながら、アメリアはまだ眠っているゼルガディスに優しく 微笑みかけた。 そっと肩に手を置くと、ゼルガディスがびくりと身体を震わせて目を開い た。 何度か瞳を瞬かせると、こちらを見る。 アメリアは極上の笑顔を見せて、ゼルガディスにゆっくりと言った。 「お早うございます」 |
6013 | 小さな鉢植え 第十二章 小さな鉢植え | amy E-mail | 3/13-18:09 |
記事番号5996へのコメント 優しい笑顔と共に、朝の爽やかな挨拶が降ってくる。 それが何だか眩しくて、ゼルガディスは目を細めた。 目の前には花のように微笑むアメリア。 「、、、、アメリア、、、、、、」 寝ぼけたままの頭で、ゼルガディスはつぶやく。 アメリアは頷いた。 「朝御飯、私が作りますから」 言って台所へ駆けて行く。 それにはっとなって、ゼルガディスはアメリアに手を伸ばした。 右腕をかろうじて掴み、問う。 「大丈夫かっ!?」 本当に心配そうに問うゼルガディスに、アメリアは頷いた。 「はい、もう大丈夫です。心配かけてごめんなさい」 柔らかく微笑み、アメリアは自分の右腕を掴んでいるゼルガディスの手を、 そっと撫でた。 「もう、あんな風に取り乱したりしません」 健気とも言えるアメリアの言葉に、ゼルガディスの表情が陰る。 「無理、、、、、するな、、、、、」 小さく言う彼に、アメリアは無言で台所へ走って行った。 「すみません、昨日の残り物になっちゃって、、、」 申し訳なさそうに言うアメリアに、ゼルガディスは首を振った。 「いい、結構うまいな」 「、、、、ありがとうございます」 ゼルガディスの誉め言葉に、アメリアは真っ赤になって俯く。 誉められるのがとても嬉しかった。 全て平らげたゼルガディスは、皿を流しで洗い始める。 「あ、私がやります!」 慌ててアメリアが流しに駆け寄り、ゼルガディスに言った。 「いや、いい。お前は自分の分だけ洗え」 言って手を休めない。 「で、でも、、、、」 うじうじ言いながら、アメリアが皿に手を伸ばそうとした時だった。 隣にある、まだ熱い鍋に、アメリアの手の甲が触れる。 「っ!」 「馬鹿っ!」 小さな悲鳴をあげたアメリアの手を掴み、水につけた。 ザーッという音が響く中、黙ったままで火傷を冷やす。 「、、、、、」 お互いに黙ったままで、頬に朱色がさしてきた。 ゆっくりとゼルガディスはアメリアの腕から手を離す。 そして皿をまた洗い始めた。 「もう少し、そのままにしておけ、、、、、」 言いながら洗い終わった皿を拭き、棚に戻す。 「俺は、仕事をしに行かなくちゃならん。収入がそれしかない」 ゼルガディスの言葉に、アメリアはつぶやいた。 「、、、、、ごめんなさい」 「こっちが謝りたいくらいだ。すまん。少しの間、留守にする」 泣きそうな声のアメリアに、ゼルガディスは困ったような顔をしながら言っ た。 こくりと小さく頷くアメリアの頭を、ゼルガディスは撫でる。 「この植木鉢の世話、頼めるか?」 窓辺にある植木鉢を手にとって、ゼルガディスはアメリアに問う。 それはゼルガディスの家から持参してきた植木鉢だった。 いつも必要最低限の物しか持たないゼルガディスが、唯一持参してきた物で ある。 アメリアは一もニもなく頷いた。 「水をやるだけでいい。あと、日に当てる。水は一日2回だけだ」 言いながら植木鉢を窓辺に戻す。 その仕種は、さも大事な物をしまう動作に似ていた。 「、、、、、大事な、、、、物なんですね、、、、、」 「ああ、、、、父親の、、、、形見でな、、、。 14の誕生日に貰ったんだ。それ以来の宝物だ。 唯一の親友、といってもいいのかもしれないな」 微笑むゼルガディスに、アメリアはそっと告げる。 「けど、、、その植物は広い野原に埋めてもらう方が幸せかもしれません」 「、、、、、そうかも、、、、、な、、、、、」 微笑む表情は全く崩さず、ゼルガディスは頷く。 前々から似たようなことを考えてはいた。 それでも手元にこうして6年近く置いておいたのは、自分のわがまま。 手放すのが辛かったのだ。 だから、それはきっと真実だろう。 広い野原の方が、こんな小さな植木鉢よりもいいに決まってる。 「とりあえず、頼む。今日の夜中までには帰る。夕食は先に食っとけ」 言うと、ゼルガディスはコルトガ場面戸5口径を手にコートを羽織る。 黒いサングラスをかけて、部屋を出た。 ドアから出る寸前、ピースし、指を一本だけ立て、またピースする。 それがノックの合図の回数を表していることに、アメリアは気付いた。 頷くと、ゼルガディスはドアを閉じる。 しん、、、と静寂が部屋に響いた。 「そう、、、じゃあ頼むわね」 「ええ、まっかせなさ〜い!」 リナの言葉に、マルチナという同僚が頷く。 リナはマルチナに、マルチナの夫であるザングルスと一緒にセイルーン家に ついて調べて欲しいと頼んだ。 いつもは口ゲンカをしている手前、マルチナがそれを渋ったが、事情を説明 すると力になると言ってくれた。 勿論、事情のことに関しての口止めはしてある。 マルチナも、自分の命に関わることだ、そう易々と口外しまい。 一つ溜め息をついて、リナは仕事に戻った。 書類を一目見て、顔を顰める。 そこには今最も見たく無い言葉。 『セイルーン家の惨劇』があった。 「、、、、、アメリア、ゼル、、、、、、」 ふと急に思い出して、不安になる。 アメリアは今頃どうしているのだろう? ゼルガディスは? ヴァルガーブとフィリアはこちらからも手を回して、なんとかお咎めなしに なったし、マークも軽い物で済んでいる。 盗聴器を発見したりもしたが、リナ達は知らん顔を決め込んでいた。 わざわざこちらに対して警戒させるのは無意味だからである。 メールという手段は本当に良かった。 盗聴される心配はないし、暗号化出来る。 しかも、それを解くためのソフトは一部の人間しか持っていない。 そのソフトはかの有名なレゾ=グレイワーズが作った物である。 そう簡単にはソフトの中身を理解出来まい。 ゼルガディスにとってはいささか複雑ではあろうが、、、、、 「まあ、、、仕方無いわよね」 血縁は血縁。 例え血を全部抜き取って、赤の他人と入れ替えても、家族は家族。 ゼルガディスの父は、レゾ。 レゾの息子は、ゼルガディス。 これはどう足掻いても変わらない事実。 ゼルガディスも、それにはきちんと納得しているはずである。 リナはまた溜め息を吐き、観念したのか書類に目を通し始めた。 アメリアは列車に乗っていた。 伊達眼鏡をかけ、薄く化粧もしている。 マンションの近くにあったABCストアで購入したものだ。 簡単な変装をすることで、実家に行くつもりだった。 母と姉の死んだ場所。 自分の大好きな家。 一度、この目できちんと見たかった。 大好きな人達が死んだ場所を。 純粋な少女は、もう純粋ではいられなくなっていた。 人を軽々しく信用出来なくなっていたのだ。 ゼルガディスも、リナも、ゼロスも、シルフィールも、ガウリイも、ヴァル ガーブも、フィリアも信用している。 皆のことを信用している。 けれど、それ以外の人を信用出来ない。 ニュースなんか、信じられない。信じたく無い。 もしかしたら、母と姉が生きているかもしれない。 本当に低い確率だけれど、もしかしたら。 だから、この目で見たかった。 例え本当に死んでいたとしても、この目で確かめたい。 列車が動き始めた。 ゼルガディスに黙って来てしまったことに、薄い罪悪感を感じる。 彼は自分を心配して家から出るなと言っていたのに、、、、、 スピードがぐんぐん早まり、列車から見る外の景色があっという間に遠ざか る。 もう、後戻りは出来なかった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 今晩は!amyです! 昨日はコメントなしでした。すみません(T_T) 段々UPするスピードが落ちて来ました。案の定です。 私って、才能ないかも、、、(T_T) まだまだ続きます。応援してやって下さい。 そろそろツリーが落ちそうで恐いですね、、、、、 ではでわ amyより |
6024 | ハラハラ。 | 雫石彼方 E-mail | 3/14-03:56 |
記事番号6013へのコメント こんにちわ〜。しつこく登場の雫石です(^^;) アメリアが健気で可愛いですねぇ・・・Vvゼルが守りたいって思う気持ち、よくわかります♪ でも一人で黙って出てっちゃって、お姉さんは心配で堪りませんですよ・・・・。大丈夫かしら・・・・ハラハラ。 ところでこのお話、『殺し屋』『鉢植え』『音楽学校云々の言い訳』ときて「ん?」と思ったんですが、『レオン』を元にしてるんですか? あれはいいですよねぇ・・・・ナタリー=ポートマンは可愛かった・・・・v最後がアンハッピーで悲しかったですが・・・・・。このお話もあんな感じなんでしょうか?うぅ・・・・。 > 段々UPするスピードが落ちて来ました。案の定です。 > 私って、才能ないかも、、、(T_T) > まだまだ続きます。応援してやって下さい。 そんなことないです、全然早いですよ!!毎日アップされるのを楽しみにしてますv まだまだ続くんですよね、嬉しいです。頑張ってくださいね〜!! |
6030 | レオン〜♪ | amy E-mail | 3/14-15:03 |
記事番号6024へのコメント >こんにちわ〜。しつこく登場の雫石です(^^;) こんにちは!amyです! いつもレスしてくれて、本当にありがとうございます! 雫石さんのレス、いつも楽しみにしてますから♪ >アメリアが健気で可愛いですねぇ・・・Vvゼルが守りたいって思う気持ち、よくわかります♪ >でも一人で黙って出てっちゃって、お姉さんは心配で堪りませんですよ・・・・。大丈夫かしら・・・・ハラハラ。 私もです〜♪メインキャラの中で、 『守ってあげたい!』って思うキャラの一人です。 シルフィールにも似たような感情を持つんですけどね。 黙って出て行ってしまったアメリア。 さてさてどうなることやら。 続きはお楽しみで! >ところでこのお話、『殺し屋』『鉢植え』『音楽学校云々の言い訳』ときて「ん?」と思ったんですが、『レオン』を元にしてるんですか? >あれはいいですよねぇ・・・・ナタリー=ポートマンは可愛かった・・・・v最後がアンハッピーで悲しかったですが・・・・・。このお話もあんな感じなんでしょうか?うぅ・・・・。 お♪レオン知ってるんですか? 私、あれが大好きなんです〜♪ 最後の『愛してるよマチルダ』ってセリフが一番好き♪ つい最近洋画劇場(テレビ)で放送していたのを見ました! えっと『元にしてるんですか?』について。 『殺し屋』と『鉢植え』については、随分前から考えてました。 TRYで銃を撃つゼルを見て、『ゼルの殺し屋話』を思いつきました。 書いてみたい〜と思いつつ、全体像がなくて書けなかったんです。 『鉢植え』は去年の12月に、プレゼントされた鉢植えを元にしました。 ちなみにラベンダーです。 (名前はラべ君♪私のネーミングセンスはそんなもん) んで、楽器のケースに分解した銃を入れるというのはよく聞く話なので、 それを使う際にどういう言い訳にするか悩んでいたんです。 『音楽学校云々の言い訳』はレオンから思いきりパクりました!(笑) 言い訳について全然思い付かなくて困ってたんです! ありがとうレオン!(笑) 最後についてですが、、、、、悩んでます。 二つ考えてあるんです。両方アンハッピーエンドだけど、、(ーー;) 一つはレオン風味。もう一つがちょっと違うけどやっぱし、、、、、 雫石さんはどっちがいいと思います? >> 段々UPするスピードが落ちて来ました。案の定です。 >> 私って、才能ないかも、、、(T_T) >> まだまだ続きます。応援してやって下さい。 >そんなことないです、全然早いですよ!!毎日アップされるのを楽しみにしてますv >まだまだ続くんですよね、嬉しいです。頑張ってくださいね〜!! うううう、、、、ありがとうございますうううううう、、、、 スピードが落ちちゃって、怒ってたらどうしよ〜って思ってました。 頑張って毎日更新しますうう〜。 まだまだ続くので、応援よろしくお願いします! PS:やっぱりエンドはオリジナルな方がいいですかねえ? amyより |
6033 | 小さな鉢植え 第十三章 最初の殺人 | amy E-mail | 3/14-17:04 |
記事番号6013へのコメント え〜っと、まず最初に白状します。 第十二章で、ミスしました。 『コルトガバメント5口径』と記入されていますが、 正確には『コルトガバメント45口径』です。 銃の種類です。間違えました。変換ミスりましたすみません(T_T) では、本編をどうぞ。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 いつからか、人を殺すことが平気になった。 昔は殺す前にすら、散々泣いていた気がする。 手が震えて、もうどうしようもない程の罪悪感に潰されそうだった。 どういうつもりで父、、、、レゾが自分に殺し屋をさせたのかは知らない。 どういうつもりでレゾが殺し屋には必要のない知識や環境を与えたのか、そ れも知らない。 ゼルガディスは英語のみならず、フランス語、ドイツ語など、数カ国後を話 すことが可能だ。 それはレゾから教えられた物もあれば、レゾが雇った人間から学んだ物もあ る。 レゾは、ゼルガディスに色々なことを叩き込んだ。 勉学、外国の言葉、風習、世界情勢、政界情勢、コンピュータの扱い方、物 を作る方法そして、、、、、人の殺し方。 銃もナイフも体術も学んだ。 特にナイフや体術については異常な程。 人間の体には幾つの急所があって、どこをどうすればどんなに苦しんでも死 ねないか、ということまで教えられた。 比較的、銃の扱いに関しては人に教えられた時間の方が長い気がする。 そのせいだろうか、ゼルガディスは得意なナイフや体術よりも銃に執着した ように思う。自分でも。 今もこうして、銃を使って殺し屋なんぞをしている。 勿論、殺し屋をやる以上、銃を使うのは当たり前だ。 けれど、ゼルガディスは普段からナイフを持ち歩かない。 それがこうして最悪な結果として産まれているわけだけれど。 (人殺し、、、、、か、、、、、) 仕事を終えて、ゼルガディスは溜め息とともに項垂れる。 人を殺しても罪悪感を感じない。 いつからなのかも分からない。 始めて殺した時は、恐くて恐くて仕方無かった。 夜になるとそいつが化けて出て仕返しに来るんじゃないかとか、そんなこと まで考えて一人震えていたことを今でも生々しく覚えている。 殺した相手の命が重くて、重みに耐えられずに潰れるんじゃないかと思って いた。 今では、、、、、本当になんともないのだ。 手に残る銃の衝撃の感触。 それが今では、、、、、日常。 最初に殺した時はナイフだった。 生々しく手にいつまでも残る肉を切った感触。 まるで豆腐のようで、そのあっけなさがさらに恐ろしかった。 返り血が生暖かくて、、、、気色悪くて恐かった。 ぬめぬめとしていた赤い液体が、自分にいつまでも絡み付いてきた。 まるで意志を持っているかのように。 恐くて恐くて、数日、眠ることすら出来無かった。 ずっと空中に向かって謝っていた。 『ごめんなさい』、、、、と。 あの頃は子供だったから。 レゾにそいつを殺すように命じられて、、、、、逆らえ無かった。 まぎれも無く親だから。 どんなに嫌悪しても親だから。 親に見捨てられるのは恐かったから。 だから、、、、、、、 あの最初の殺人以来、ゼルガディスはナイフに触っていない。 家が見えて来た。 産まれた時から住んでいた家。 母と姉に囲まれて生きていた家。 父は産まれた時からいなかった。 寂しくなかったと言えば嘘になる。 けれど、少なくとも幸せではあった。 目の前に家が見えて来て、アメリアはほっとした。 玄関に入れば母が『お帰り』と言ってくれて、温かい夕飯の匂いがする。 姉が今日一日あったことを面白おかしく話してくれて、、、、、 幸せな毎日の思い出。 これからそれが起こる気がした。 母と姉が死んだというのはただの夢で、今自分は学校から帰る途中で、家に 入ればまたいつも通りの優しい家庭。 そんな少女の希望、、、、夢は、家の前にあるパトカーによってあえなく砕 かれた。 家の玄関にも警察特有の黄色いビニルテープがはり巡らされている。 テレビでよく見る物だった。 アメリアはその場に硬直してしまう。 (ああ、、、やっぱり、、、、死んだんだ、、、、、、) ぼんやりとそう思って、涙が出そうになる。 けれどそれを必死になって止めた。 自分は今、泣いてはいけない。 泣かないと朝誓ったばかりなのだから。 辺りに誰もいないことを確認して、アメリアはそろりと家に入る。 ビニルテープを跨いで、足音を立てずに中に入った。 人がいるはずである。 だって家の前にパトカーが停まっていたのだから。 物置きに隠れようと部屋に入ると、床に白線が引かれていた。 それはどう見ても人の形をしていて、、、、、 「っ!」 叫びそうになった自分の口を無理矢理手で塞ぐ。 身長から言って、おそらくそれは姉。 そして腹部と思われる白線部分に散らばる赤黒い物体。 それはどう見ても固まった血だった。 ニュースだけで聞いた母と姉の死が、急にダイレクトに伝わってくる。 涙目になりながら、アメリアは深呼吸を繰り返した。 と同時に、後ろから人の話声が聞こえて来た。 「リナっ!約束のブツよ!」 何だか犯罪者みたいな言葉遣いで、マルチナがリナの仕事部屋に入ってく る。 手には分厚いファイルがあった。 「セイルーン家の親戚から友好関係会社。 あと、フィリオネル氏の個人的な友人関係まで徹底的に洗い出したわ!」 ばんっとテーブルの上にそのファイルを叩き付ける。 「マイハニーと調べたのよ!手落ちは絶対ないわ!」 自信満々に叫ぶ。 それにリナは苦笑した。 「随分早かったわね。正直、驚いたわ」 「そりゃあゼルガディス様のためですもの!」 マルチナは過去に、ゼルガディスに一目惚れしたことがあった。 ガウリイやゼロスにもである。 恋多き女、マルチナ=メル=ゾアナ=ナブラチロワ。 今ではザングルスに首ったけ。 「助かったわ。珍しく役に立つじゃない、マルチナ」 「あ〜ら、人に手伝わせというてそういうこと言うわけえ?」 ばちばちっと二人の間で音がする。 仲がよろしくないのはあいも変わらずと言ったところだろうか。 結局、ミリーナがリナの仕事部屋に入ってくるまで、無謀な二人の口ゲンカ は続いていた。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 こんにちは!amyです! この話の元ネタ(?)っぽい物が雫石さんにバレた今日この頃。 『小さな鉢植え 第十三章』をお送りしました! 何か話しが進むの遅いですね、、、、(ーー;) このままずるずると話数だけが更新していくのでしょうか、、、、? しかも一章しかUPしていないというこの様。 あうううう、、、、すみません、、、、、(T_T) ではでわ、これからも何とぞ応援よろしくお願いします。 amyより |