◆−『小さな鉢植え』について−amy(3/15-15:26)No.6053
 ┗小さな鉢植え 第十四章 レゾ1−amy(3/15-19:48)No.6059
  ┣Re:小さな鉢植え 第十四章 レゾ1−雫石彼方(3/16-04:00)No.6065
  ┃┗わ〜い!雫石さんだ!−amy(3/16-15:40)No.6072
  ┗小さな鉢植え 第十五章 レゾ2−amy(3/16-18:19)No.6074
   ┗小さな鉢植え 第十六章 レゾ3−amy(3/18-22:17)No.6108
    ┣あ〜う〜(涙)−みてい(3/18-23:06)No.6111
    ┃┗みていさん、こんばんわ!−amy(3/19-20:16)No.6119
    ┗小さな鉢植え 第十七章 キッパード−amy(3/19-23:45)No.6121
     ┣うひょわわわわ(慌て)−キト(3/20-11:07)No.6123
     ┃┗キトさんお久しぶりです!−amy(3/20-17:16)No.6124
     ┗小さな鉢植え 第十八章 『大丈夫』−amy(3/20-18:14)No.6125
      ┣生きているってスバラシイ!!−キト(3/20-20:59)No.6126
      ┃┗光り溢れる世界に祝福あれ!(笑)−amy(3/21-11:10)No.6127
      ┗小さな鉢植え 第十九章 緊急事態−amy(3/21-18:50)No.6128
       ┗小さな鉢植え 第二十章 銃撃戦−amy(3/22-17:13)No.6131
        ┣どっからこのような資料が…−みてい(3/22-18:34)No.6132
        ┃┗まあ色々と。−amy(3/23-12:10)No.6145
        ┣物知り……−キム(3/22-18:54)No.6133
        ┃┗あははは〜−amy(3/23-12:15)No.6146
        ┣手遅れたっ!! (>_<)−キト(3/23-15:16)No.6153
        ┃┗キトさん、いらっしゃいませ!(←店かい!)−amy(3/23-15:33)No.6154
        ┗小さな鉢植え 第二十一章 ルームサービス−amy(3/23-19:44)No.6155
         ┣ゼルは銃のポイ捨て魔(笑)−キト(3/23-22:44)No.6156
         ┃┗常連さん♪−amy(3/24-21:26)No.6159
         ┗小さな鉢植え 第二十ニ章 奇襲−amy(3/24-22:50)No.6160
          ┣風呂場にハンマー持って直行だ(笑)!!−キト(3/25-08:48)No.6166
          ┃┗危な〜い(笑)!!−amy(3/25-17:10)NEWNo.6172
          ┗小さな鉢植え 第二十三章 予想的中−amy(3/25-18:18)NEWNo.6174
           ┣謎が謎を呼ぶ(汗)☆−キト(3/25-20:05)NEWNo.6175
           ┃┗謎はいつ解きあかされるのか!?(笑)−amy(3/26-19:28)NEWNo.6186
           ┗小さな鉢植え 第二十四章 覚悟−amy(3/26-20:35)NEWNo.6188
            ┣あぁぁぁぁ・・・・・(T-T)−雫石彼方(3/27-02:45)NEWNo.6190
            ┃┗お久しぶりです〜!−amy(3/27-18:00)NEWNo.6191
            ┗小さな鉢植え 第二十五章 夢のまた夢−amy(3/27-19:54)NEWNo.6192
             ┗小さな鉢植え 第二十六章 春の風−amy(3/27-21:45)NEWNo.6193
              ┗小さな鉢植え 〜エピローグ〜−amy(3/27-22:05)NEWNo.6194
               ┗後書きと言う名の言い訳−amy(3/27-22:23)NEWNo.6195
                ┣滝涙。−雫石彼方(3/28-03:20)NEWNo.6197
                ┗あぅぅ(T□T)−キト(3/28-08:49)NEWNo.6198


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6053『小さな鉢植え』についてamy E-mail 3/15-15:26



 こんにちは!amyです!
   いつの間にやらツリーが落ちてました!(T_T)

  とりあえず『カテゴリー』の方に登録したので、
     そちらを読んでから続きをどうぞ。

   ちなみに、検索する場合は『ゼルアメ』や『amy』。
    または『現代物』でカテゴリーの検索をすれば出てきます。

  次は第十四章です。
   一体いくつの章まで続くんでしょうね、、、、?(ーー;)
    頑張るので応援して下さい。


  あ、あと落ちたツリーの方にも書いたのですが。

   雫石さん
    ラストはどちらがいいと思いますか?
     ご意見お待ちしてます。

  また、他にも『どちら』について理解出来る方がいらっしゃいましたら、
        御意見下さい。待ってます。


     amyより

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6059小さな鉢植え 第十四章 レゾ1amy E-mail 3/15-19:48
記事番号6053へのコメント


「レゾ様、、、、、何故ですか?」
「、、、、、、、、」
 エリシエル=ヴルムグン、、、、、エリスの問いに、レゾは答えない。
 ただ黙って目を閉じ、椅子に腰掛けている。
 レゾは世界でも名を馳せた聖人である。
 人々を救うため、ボランティアで世界各地を回った。
 ところが現在、人前に出ることも滅多になくなり、人々の間では『死んだの
ではないか』と囁かれる程音沙汰がない。
 レゾの目が生まれつき見えないことから、事故死の可能性がある、と。
 無論、そんなはずがないのだが世の噂とは無責任なもので、現在レゾは生死
不明の状態になってしまっている。
 そしてボランティア活動をしてから随分時間が経ってしまったためか、レゾ
の聖人君子的な話題は下火になっている。
 そのことについては、レゾにとってはありがたかった。
 何故まらこの頃、レゾはすでに殺し屋へと転職していたからである。
 聖人から殺し屋。
 一体どういう理由でこんなことになったのか、それは誰も知らない。
 ただ分かるのが、レゾはそれをすでに職業としており、足を洗うつもりがな
いこと。
 そして、自分の一人息子たるゼルガディスも同じように殺し屋を営ませるつ
もりであることだった。
 息子であるゼルガディスの母親については、これまた誰も知らない。
 知るはレゾ一人のみ。
 そのことに関してはゼルガディスも教えて貰えず、小さな頃は泣いていた。
 しかし、容姿が似ていることや、物事の飲み込みの早さが同じである。
 それがその時の唯一のレゾとゼルガディスの血縁の証明だった。
 勿論、レゾはゼルガディスを息子として可愛がっていた。
 目が見えないながらも、いつもゼルガディスの着替えは彼のみが手伝ってい
たし、頭を撫でて優しく子守唄を歌っていたこともある。
 その横ですやすやと寝息をたてるゼルガディスの寝顔に、人は皆心を和ませ
たものだ。
 それがある日突然、変わった。
 レゾはなるべくゼルガディスに関わらないようにしていた。
 必要以上のことは話さないし、顔を合わせることも少なくなった。
 そして、レゾはゼルガディスに殺人術を教え始めたのだ。
 時には教師を呼んでまで、、、、、、。
 回りの人間はとてつもなく驚いた。
 ゼルガディスのことを考えて、止めに入った人間もいた。
 その人間は次の日から姿を見せなくなり、ゼルガディスと回りの人間の不安
をひどく煽ったのは言うまでもない。
 そうこうして、ゼルガディスは人を殺すことになった。
 一番嫌がっていたナイフでの仕事。
 躊躇いに躊躇った末、ゼルガディスはそれを実行に移した。
 帰って来た時、彼は帰り血を浴びたまま、座り込んでいたという。
 無表情なままで。
 回りの人間はゼルガディスに大層同情したが、消えた男の二の舞いはごめん
だったのだろう。
 もう誰もレゾを止めに入らなかった。
 そんなレゾを見ても、レゾへの愛情が消え無かった少女、、、、エリスは疑
問で仕方無かった。
 それが冒頭の質問である。
 レゾは急に、ゼルガディスに英才教育を始めた。
 外国語やその風習は当たり前。
 世界情勢、政界情勢、、、、、ありとあらゆる分野を学ばせた。
 しかも、専門家並に。
 さらに大学を飛び級年令で受験させたのだ。
 当然、ゼルガディスは合格した。
 それを聞いたレゾが言ったのである。
 『大学に通え』と、、、、、、、。
 そして、物語りは冒頭に戻る。



「レゾ様、私は貴方の判断に異を唱えるつもりはありません。
       ただ、聞きたいのです。レゾ様。
    ゼルガディスを何故大学に、、、、、?
      裏社会で生活するのなら学は必要ないはずですが、、、、?」
 尚も問うて来るエリスに、レゾは溜め息をついた。
「私の考えを人に伝えるつもりはありません。
    誰にも。貴方にも、そしてゼルガディスにも、、、、、」
 言って席を立つ。
 それはまるで健常者のような動きだった。
「貴方には、知る必要のないことです」
 大人の部類に入る一歩手前の少女、エリスに冷たく言い放ち、レゾは部屋か
ら出て行ってしまう。
 残されたエリスは、ただただ沈黙するばかりであった。




 そしてゼルガディスは大学へ通った。
 ハーバード大学。
 無論、そんじょそこらの人間が入れる学校ではない。
 しかも飛び級ということで、大学内でゼルガディスはかなり目立っていた。
 もうすでに無表情が板についてしまったゼルガディスは気にしない風を装っ
て黙っていたが、人の好奇の視線に耐えられなかった。
 必要最低限しか大学には行かないし、サークルにも無論のこと入らなかっ
た。
 人付き合いもしなかったし、結局はいつも家にいた。
 それがますます殺し屋としての修行時間を増やしてしまっていた。
 他の職につく知識や力はあるし、裏の職業などごめんだった。
 それでも、ゼルガディスには他の生き方が分からなかったのだ。
 レゾの意図も、分からなかった。
 自分を試している気がした。
 裏社会から離れて違う職についたら、捨てられる気がした。
 ゼルガディスは十分に自立出来ていたし、親離れだってしていた。
 けれど、物心ついた時から母のいない生活を送っていたゼルガディスにとっ
て、唯一の親であるレゾに捨てられるのは耐えられなかったのだ。
 自分を裏社会に深く関わらせ、人を殺めさせた憎むべき男を、ゼルガディス
はどうしても最後の最後で嫌いきれていなかった。
 憎んではいたけれど、嫌いにはなれなかったのだ。
 どうしても。
 それが最悪の事態を招くのに、ゼルガディスはいつ気付いたのだろう。





 レゾから見て、ゼルガディスは間違い無く可愛い息子であった。
 母がいないせいか、自分にひどくよく懐いている彼が愛おしかった。
 大切にしていた。
 けれどある日、気付いたのである。
 きっかけはゼルガディスの8才の誕生日。
 死んだ母から、と偽った誕生日プレゼント。
 それにいつも以上に顔を綻ばせるゼルガディス。
 それが、引き金だったように、レゾは思った。
 死ぬ瞬間、走馬灯のように。
 自分の腹に大穴が開いていることを認識したすぐ後。
 レゾの意識は深い闇へと転落していったのだ。




 レゾの葬式は行われなかった。
 裏社会の人間である前に、レゾは聖人としてもてやはされていたのにも関わ
らず。
 葬式を出すなというのは、レゾの遺言の一つだったらしい。
 レゾの遺品は、ゼルガディスの元に届けられた。
 エリスとその他何名かの人間は雲隠れし、ゼルガディスは本当の意味で一人
っきりに、孤独になってしまったのだ。
 大学を卒業して、まだ2日しか経っていない、8月のことだった。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 こんばんは!amyです!

   暗い!むちゃんこ暗いぞ!この話!

    しかもどこがゼルアメやねん!(自分で言うな!)

    ううう、、、すみません。

  だって二番目に書きたかった所だから(T_T)


     ゼルの過去を振り返る話として、受け止めてやって下さい。



    ではでわ


     amyより

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6065Re:小さな鉢植え 第十四章 レゾ1雫石彼方 E-mail 3/16-04:00
記事番号6059へのコメント


こんにちわ、雫石です。
質問のお答えにやって来ました!
最後はレオン風味かオリジナルか、ですよね?
やっぱりオリジナルの方がいいと思います。レオン風味だと、今の時点で「大体あんな感じになるのかー」とわかってしまうので・・・。
ああ、でもどっちにしろアンハッピーなんですよね・・・・(泣)amyさん、今度ハッピーなゼルアメ書いてくださいね〜・・・・(切望)

そして今回、意味深でしたねー・・・。
レゾが突然変わったのは何故か?とか、最悪の事態ってなんぞや〜?とか。あうあう。でも今一番気になるのは、やっぱり一人で家に行ったアメリアがどうなっちゃうのか?ということなのです。ああアメリア〜!!(結局それかい)

ではでは、続きを楽しみにしております!



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6072わ〜い!雫石さんだ!amy E-mail 3/16-15:40
記事番号6065へのコメント

>こんにちわ、雫石です。
  こんにちは!amyです!
  いつもいつもありがとうございます!


>質問のお答えにやって来ました!
  待ってました!
   良かったです!レオンを知っていて、
     ツッコミを入れてくれる方がいて!


>最後はレオン風味かオリジナルか、ですよね?
>やっぱりオリジナルの方がいいと思います。レオン風味だと、今の時点で「大体あんな感じになるのかー」とわかってしまうので・・・。
  そうですか、、、ですよねー。
   やっぱオリジナルの方がいいですよね。
   レオン風味もいいかなー?と迷ってたんですけど。
  そうですね、ラストが分からないようにした方がいですもんね。
   まあ、どっちにしろ死人が出ちゃうんですけど。
   、、、、すみません、、、、(T_T)


>ああ、でもどっちにしろアンハッピーなんですよね・・・・(泣)amyさん、今度ハッピーなゼルアメ書いてくださいね〜・・・・(切望)
   あはは、、、、本当にすみません。
    この話はアンハッピーです。ごめんなさい(ーー;)
  うう、、、、今度はハッピー書かせていただきます。はい。
     次はギャグにしようかなーと思ってます。


>そして今回、意味深でしたねー・・・。
>レゾが突然変わったのは何故か?とか、最悪の事態ってなんぞや〜?とか。あうあう。でも今一番気になるのは、やっぱり一人で家に行ったアメリアがどうなっちゃうのか?ということなのです。ああアメリア〜!!(結局それかい)
 うふふふ、、、そのことについてはこれから小説の中で
        お話させていただきますわ、、、、、
    アメリアの方はもうちょっと待って下さい。
     すみませ〜〜〜ん(><)



  amyより

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6074小さな鉢植え 第十五章 レゾ2amy E-mail 3/16-18:19
記事番号6059へのコメント


 遺品は膨大な量だった。
 整理するだけで2ヶ月とちょい、使ってしかったくらいである。
 中にはどうしようもない程どうでもいい物もあった。
 それらは片っ端から捨てていったのだが、それでもわんさかあるわある。
 やっと3分の2片付け終わった頃。
 レゾがつけていたらしい日記が見つかった。
 目の見えない彼は文字も書けなかったので、それは日記帳ではない。
 フロッピーである。
 レゾはキーバードを打つことが出来た。
 そうすることで、ゼルガディスに資料をまとめて手渡したこともある。
 だが当然のことながら、彼はディスプレイを眺めることなど出来ない。
 何故、彼は読めもしない日記をつけていたのだろう。
 一枚のフロッピーに、『日記』と記してあったのだ。
 この『日記』という文字は、明らかにエリスのものである。
 きっとエリスに頼んで書いてもらったのだろう。
 エリスはこの中身を見たことはあるのだろうか?
 不思議に思い、ゼルガディスは多少抵抗はあるものの、それをパソコンの中
に挿入した。
 ディスプレイの中で、日記が開かれる。
 目次のような物だった。
 月日が書かれており、カーソルを合わせてクリックする。
 するとパスワードを催促された。
 パスワードを必要とするということは、誰にも見られたくないということで
ある。
 無論、エリスも見なかったであろう。
 誰にも開けないようにする場合、レゾはどんなパスワードを使うのか。
 ゼルガディスには検討もつかなかった。
 悩んだ末、住所、電話番号、人名を次々と入れていく。
 どれも空振りだった。
 思い付く限りの物を入力したが、ダメだった。
 一体レゾはどんなパスワードにしたのだろう。
 レゾの遺品をまた片っ端から調べ直した。
 意地である。
 勝手に人を殺し屋に仕立て上げて、殺させて、その上勝手に死なれたのだ。
 レゾのこととなるとその怒りのせいか、ゼルガディスは我を失うことがあっ
た。
 あちこちひっくり返した後、箱が出てきた。
 鍵付きの物で、頑丈そうな四角い黒の箱である。
 材質は何かの木、、、、であろうか?
 いまいち分からない。
 鍵を引っ張ってみたが当然開く気配はない。
 鍵はみつからなかった。
 どこにもそれらしき物がない。
 他にめぼしい物もないので、ゼルガディスはこの箱に何かあると踏んだ。
 鍵をみつけるのは諦め、外に持ち出す。
 誰もいない道に行き、箱を高く持ち上げる。
 そして強くアスファルトの地面に叩き付けた。

 ぐわあっしゃあああああああああんんっっっっ!!!!

 思った以上に派手な音を立てて、箱が割れる。
 割れ目を見ると、やはり材質は木の類いであったようだ。
 分厚い板が妙な方向に曲がり、穴がぱっくりと開いている。
 ゼルガディスはそれを手にとり、穴から中身を取り出した。
 そこにあったのは一枚の古い写真と二つの指輪、それだけだった。
 訝し気に思いながら、ゼルガディスは写真を見る。
 腰まで届く銀髪の女性。
 青い瞳は理知的で、鼻筋の通ったその顔は目も眩む程の美人だった。
 色白で、ひどく細い。
 そして細い左手の薬指には、ここにある指輪が一つ。
 これは婚約指輪、、、、いや、結婚指輪なのだろうか?
 小さいながら、高価であろう質のいいダイヤモンド。
 古く、長い間箱にしまわれていたせいか汚れているが、その輝きはまぎれも
なく本物の宝石。
 そして同じ指輪がもう一つ。
 それはもう片方と比べるとサイズが大きかった。
 まさか、、、と思いつつ、ゼルガディスは写真を裏返す。
 そこには、点字でこう書かれていた。

『愛するレイチェル』






 『パスワード:レイチェル=グレイワーズ』
 記入して、ゼルガディスはenterキーを押した。
 少しして、、、、、、
 パッと画面が変わり、日記の内要がディスプレイに写し出される。
 心臓の動悸が苦しい程高鳴る。
 ゼルガディスはそれをゆっくりと読み始めた。
 最初の方はゼルガディスについて、心暖まるような言葉。
 優しい雰囲気がひしひしと伝わってくる言葉。
 小さい頃の、ゼルガディスの記憶と全く変わらぬ、昔。
 何だか胸が苦しくて、ゼルガディスは急いで次の日付けへ進んだ。
 一応全て目を通しているが、それでも早々と次へ進む。
 『ゼルガディス、8才の誕生日』
 その項目をクリックし、同じように読み始める。
 ゼルガディスの指が震えた。

『ゼルガディスに、2つのプレゼントを送った。
  1つは私から。もう1つはレイチェルからと偽って。
    私からのプレゼントはいつも通りに嬉しそうに受け取った。
         けれど、ゼルガディスは、、、、、、、、、、、、』

 レイチェルというのが自分の母親。
 予想していたとはいえ、少なからず衝撃を受ける。
 が、次の文章はそれ以上の衝撃を、ゼルガディスに与えた。

『けれど、ゼルガディスはレイチェルからのプレゼントをもっと喜んでいた。
     いつも以上の笑顔を振り舞いて、喜んでいた。
   そして、久々に私に『母さんに会いたい』、、、と。
 何故かひどく腹が立った。私よりもレイチェルを見ているゼルガディスに。
    私よりも、レイチェルを大事にしているゼルガディスに。
   死んでしまったレイチェル。彼女に罪はない。
     けれど、今日、私は彼女を強く憎んでしまった。
       ゼルガディスを奪われた気がして、
         とてつもなくそれが嫌で、
            だから私は言ってしまった。
    この上もなく、冷たい声で。
      『お前の母親はとうに死んでいるよ』と。
       ゼルガディスの、息を飲む音がとてつもなく痛々しかった。』

 小さかったけれど、ゼルガディスはちゃんと覚えていた。
 この日を境に、レゾがゼルガディスに冷たくなったこと。
 そして殺人術を教え始めたことを。
 そして、この日記には自分がレイチェル、、、、母親に取られる気がすると
書いてある。
 死んでしまっていた母親に。
 ゼルガディスは急いでまた進んだ。
 おかしな発言や、哲学的な意見が突如現れてくる。
 どの項目もそうだった。
 自分の言いたいことの、半分も言えていない。
 文法も滅茶苦茶で、書いてあることも支離滅裂としている。
 それは日を追うごとにひどくなっている。
(レゾは、、、、、、、、、)
 狂っていたのかもしれない。
 しかも、こんなにくだらないことで。
 ゼルガディスが母親に惹かれ、自分から離れて行ってしまうのではないか、
というくだらない不安のせいで。
 狂人じみた文章がどんどん強くなって行き、恐ろしい雰囲気を醸し出してい
る。
 たまに意味のある文章があり、それが嫉妬に近いものであることを知る。
 八つ当たりじみた発言や、ゼルガディスに対するちょっかいの意味。
 自分でも、自分が狂っていることを自覚し始めたのが、ゼルガディスが13
の誕生日を迎えた頃だった。
 ほんの少し、正気であろう文章が他より増えている。
 それは、ゼルガディスに英才教育を始めた頃と重なっていた。

『ゼルガディスにこんなことばかり教えていてはいけないのではないか。
     最近、あの子が始めて人を殺した日の夢ばかり見る。
    泣くことも叫ぶこともせず、ただ無表情で座り込んでいた。
   返り血を拭おうともせずに。
      誰が声をかけても気付きもせず、ただ座り込んでいた。
   可哀想で、抱き締めてあげたかった。
     己のまいた種なのに。私にはそんな資格はないのに。
        ゼルガディス、すまない。ゼルガディス、、、、、、、、』

 そしてまた訳の分からない文章が続く。
 ゼルガディスはがくがくと震えていた。
 分からなかった。
 自分の知っている冷徹なレゾと、この日記の中の狂人のレゾとどちらが本当
のレゾなのかが。
 自分を渇望し、傷つけることで手元に置こうとした狂人。
 そしてそのことをひどく後悔し、己の行動に疑問を持ち始める狂人の一歩手
前にいるレゾ。
 理解出来無かった。
 ゼルガディスはずっとレゾを憎んで生きてきたのだ。
 こんな物を読まされても、信用出来ない。したくない。
 だって憎んでいたのだから。
 震える指で、カーソルを移動し、クリックする。
 次の日記。
 その日付けは、ゼルガディスにレゾが英才教育を施し始めた日であった。

『ゼルガディスは殺し屋を嫌がっている。
   無理もない。
    このままでは、私が死んでもゼルガディスは足を洗えない。
 殺しの技術しか持っていない者に、どうして他の職が見つかるというのか。
     だから、私はゼルガディスに色々学ばせたいと思い始めたのだ。』

 それだけ、完全に正気と言える文章。
 ゼルガディスは震えたまま、大学受験に合格した日付けに、カーソルを合わ
せてクリックした。

『ゼルガディスが大学に受かった。
   飛び級年令で。誇らしいことであると思う。
  これだけいい大学をこの年で出ていれば、
   そしてあれだけの知識と教養があれば、
     ほとんどの職業を選択することが出来るはずだ。』

 再び、意味不明の文章がこれに続く。
 レゾは、自分を誉め称え、誇らしいと言っている。
 自分の将来を考え、狂いながらも最善の方法をとってくれていたのだ。
 ゼルガディスは混乱した。
 自分を裏社会に引きずり込んだレゾ。
 自分を息子として愛してやまなかったレゾ。
 ゼルガディスの中でのギャップは激しかった。
 分からなかった。
 どうしてこうなったのか。
 自分はレゾを強く憎んでいる。
 けれどそれと同時に、、、、嫌いきれていなかった。
 いや、父として敬愛していた。
 だから、裏切られたと思って父を憎んだのだから。
 強く強く憎んで、、、、滅多に口もきかなくなったのだから。
 レゾが死んでも、、、、泣いてやらなかったのだから。
 レゾを敬愛してた心の部分が悲鳴をあげる。
 胸が押しつぶされるように苦しい。
 ゼルガディスは手近にあった食器を思いきり投げ飛ばした。

 がっしゃあああああああんっっっ!!!

 その音を合図に、ゼルガディスは咆哮をあげながら手当たり次第に物を床に
投げ付け始める。
 そのけたたましい音は2日間続き、、、、、、
 とうとう、ゼルガディスは自分が泣いていることに気付かなかった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 は〜い、こんばんわ。
  amyです。

  ゼル&レゾの過去話パート2です。
    ちょっと(?)痛いお話です。
 『レゾ1』で言った『最悪の事態』の一部始終がこれでございます。

   ええっと、これからも頑張るので応援よろしくお願いしますね。

  まだまだ続きます!!


    amyより

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6108小さな鉢植え 第十六章 レゾ3amy E-mail 3/18-22:17
記事番号6074へのコメント


 ぐしゃぐしゃに破壊された部屋の中で、ゼルガディスは呆然としていた。
 手が血まみれになっているが、痛みも感じないし気にならない。
 怒りを最大限に爆発させた後には、何かの空しさが強く残っていた。
 体がだるく、動くのが億劫だった。
 気付けば朝日がさしている。
 時計の針は8時を回っていた。
 ゼルガディスはゆっくりと瞳を閉じる。辛かった。
 このまま眠ってしまえればどんなにいいだろうと思ったが、意志に反して眠
りは訪れてくれない。
 しばし後、ゼルガディスはのろのろと体を起こし、ゆっくりと部屋の片付け
を始めた。自分の傷そっちのけで。
 割れ物を折れたほうきで一ケ所に集め、変型したゴミ箱に捨てる。
 ガラガラ、、、、、という音に、ゼルガディスはぴくりと震えた。
 壊れたパソコンからはみ出ているフロッピーを手に取る。
 しばしそれを眺めたゼルガディスは、躊躇うことなくそれを真っ二つに折
り、割れ物と同じくゴミ箱に放った。
 ガシャンッ!
 小さなその音が、ゼルガディスにはやけに遠くに聞こえた気がした。




 壊れた物を捨てる、という動作を繰り返す内、残ったのは冷蔵庫と自分が今
着ている服、そして備え付けの洗濯機だけだった。
 自分の暴れ振りを目の当たりにして、少々驚く。
 けれど、それだけだった。
 まだ回りに飛び散っている物の数々。
 本当に必要な物は他に保管してある。
 ああ、良かったと胸中につぶやく。
 そしてまた黙々と片付けに没頭した。
 ふと気付けばもう夜。
 電気をつけようにも電球が割れてしまっている。
 替えもない。
 片付けを諦めて、ゼルガディスは自分の傷口を流しですすいだ。
 蛇口も妙に曲がっている。
 傷口を洗った後、ゼルガディスは懐からハンカチを取り出し、裂いて巻き付
けた。血が滲んだ。
 それを見ると無性に何故だか悲しくなって、ゼルガディスは目を閉じる。
 涙は出なかった。




 必要な物を保管してある部屋へゼルガディスが戻ったのは、もう次の日の昼過ぎのことだった。
 疲れた目でドアを開く。
 溜め息をついた。
 ベッドに倒れ込み、ぼうっと窓の外を眺める。
 小さな雑音。
 きっと、人の話声や車の走ってる音や、そんなもの。
 ふと目をやると植木鉢があった。
 小さな植木鉢。
 何故か花の咲いたためしのない植木。
 草だけがぼうぼうと生えている。
 名前は知らない。知ろうと思わなかったから。
 それに視線を注ぐ。
 何だかそれに見すかされているような嫌な感じを受けて、ゼルガディスは目
を反らす。
 けれど一度気になるとなかなか意識を他へ向けられない。
 植木がこちらをじろじろと無遠慮に見ているような錯覚に陥る。
 ゼルガディスは窓を開けてから植木に正面を向けた。
 まるでそれが礼儀であるかのように。
 風が植木の草を撫で、軽い音を立てて揺れる。
 ふと思い出す、柔らかなレゾの笑顔。
 途端に怒りが込み上げて、かっとなったままで植木鉢を掴んだ。
 頭上に振り上げて、振り下ろす。
 が、それは手を離す寸前で止まった。
 風にまた柔らかく撫でられた植木の葉が、ひどく優しく見えて。
「う、、、、、、、」
 呻いても、葉は優しく揺れている。
「う、、、ううう、、、うううううううう、、、、、ううううううううっ!」
 涙は出ない。
 でも、声は明らかに泣き声だった。
 顔を歪ませる。
 植木の葉がまた風に吹かれて揺れる。
 まるで微笑んでいるかのように。
「うううううううううううううううううっっっ!!!」
 自分でも何故なのか分からないし、どうしてなのかも分からなかった。
 でも、悔しかった。
 目の前の植木鉢が優しく見えれば見える程、悔しかった。
 これは、レゾが14の誕生日に送ってくれた物である。
 思えばレゾが狂ってから一番まともだった頃のプレゼント。
 メッセージカードには『心優しくなるように』と書かれていた。
 ゼルガディスはそれを鼻で笑ったが、手放し難かった物。
 だって、寂しかったから。
 憎らしい相手からの贈り物であっても、嬉しかったのかもしれない。
 だって、寂しかったから。
 誰も自分に構ってくれなくて、寂しくて、だから、、、、、?
 自分にレゾが気付いてくれた気がして、、、、、?
「ううううううううううっっっっっっっっっ!!!!」
 叫ぶように声が大きくなる。
 未だ、涙は出ない。
 植木の葉はまだ優しく揺れている。
 風も暖かくて、でも涼しくて優しい。
 まるで春風のように。
 そう、あの時もこの植木が自分に優しくて、嬉しかった。
 寂しさを紛らわせてくれる気がした。
 だから必要な物の保管場所にこいつまで持って来て、、、、、、。
「うううううっ!うわあああああああああああああっっっっ!」
 とうとう声を張り上げた。
 我慢なんかしなかった。
 相変わらず、涙は一滴も流れなかったけれど。
 それでも叫べば少しは楽になれる気がしたから。
 ただ直感的にそう思っただけだけれど。
 結局、ゼルガディスはその場に座り込んだ。
 植木鉢は、ずっとゼルガディスの手の中から離れなかった。





 ヴァルガーブという人間とつき合いが始まってから数年経つ。
 ゼルガディスは結局、裏社会から足を洗えなかった。
 他の職につこうとしても、難しかった。
 人付き合いが苦手で、人前にほいほい顔を出すのも嫌だった。
 だからだ。
 この職業は嫌っているけれど、もうどうしようもないのかもしれない。
 諦めにも似た感情のまま、ゼルガディスはこうして食っている。
 もう後戻りは出来ないのだろう。
 ヴァルガーブのつてで自分の血液とレゾの遺髪を鑑定にかけ、本当に親子か
どうか試したこともある。
 結果は、、、、、親子。
 我ながら馬鹿なことをしたものだと思った。
 鑑定などしなければ『もしかしたら、、、』の範囲で親子ではないと思えた
のかもしれないのに。
 少しはこの重苦しさから逃れられたのかもしれないのに。
 ヴァルガーブは何も悪くないというのに、八つ当たりまでしてしまった。
 あいつは後で笑って許してくれたけれど。
「、、、、、、ごめんな」
「はあ?」
 突然謝ってきたゼルガディスに、ヴァルガーブは素頓狂な声をあげる。
 無理もないだろう。
 普段はなかなか謝ろうとしない男なのだから。
「どうしたんだ?突然?」
「いや、なんでもない」
 小さく、自嘲気味に笑う。
 ヴァルガーブは心配そうにこちらを覗き込んで来た。
「、、、、、あんまし溜め込むなよ?」
「、、、、、、」
 ふっと、ゼルガディスが笑う。
 口元しかヴァルガーブには見えなかったので、それが自嘲の笑みなのか、そ
れとも照れくささからなのか分からなかった。
 何も言わないゼルガディスを見て、ヴァルガーブは諦める。
 こういう時は何を言っても無駄なのだと知っているから。
 力になりたいけれど、きっとゼルガディス自身がそれを許さないだろうか
ら。
 ヴァルガーブは一つ溜め息をつくと、ゼルガディスに向き直る。
「で?今日は仕事と武器補充、どっちだい?」
「今日は、、、、、、」
 ゼルガディスが小さく口を開いた。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 はい、第十六話終了でっっす!

    amyです!こんばんわ!
     昨日はUPしませんでした!ああああすみませんんんんんんっ!
    熱出して倒れちゃってええええええ!うひいいいいい!
    ついさっきやっと熱引いたんです!ごめんなさい!
   ううう、予言通りに更新ペースがどんどん落ちてる(T_T)

    許して下さい、、、、、これからも頑張りますうううう。
     見捨てないでえええええええ、、、、、、(T_T)

   まだまだ続きます。
     過去の追憶はこれで終了です。
    アメリアと現在のゼルガディスに視点が移動します。


    ではでわ

        amyより

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6111あ〜う〜(涙)みてい 3/18-23:06
記事番号6108へのコメント

こんばんは、みていでございます。

>「うううううっ!うわあああああああああああああっっっっ!」
> とうとう声を張り上げた。
> 我慢なんかしなかった。
> 相変わらず、涙は一滴も流れなかったけれど。
> それでも叫べば少しは楽になれる気がしたから。
> ただ直感的にそう思っただけだけれど。
> 結局、ゼルガディスはその場に座り込んだ。
> 植木鉢は、ずっとゼルガディスの手の中から離れなかった。
ゼル、痛々しい過去を持ってたんですねぇ。
>「、、、、、あんまし溜め込むなよ?」
ヴァル、その頃からの付き合いですか。いい漢(おとこ)です。…いや、なんとなく…


>    amyです!こんばんわ!
こんばんわっ!
>     昨日はUPしませんでした!ああああすみませんんんんんんっ!
>    熱出して倒れちゃってええええええ!うひいいいいい!
>    ついさっきやっと熱引いたんです!ごめんなさい!
風邪でもひかれたんですか?お大事にしてください。
>   ううう、予言通りに更新ペースがどんどん落ちてる(T_T)
>
>    許して下さい、、、、、これからも頑張りますうううう。
>     見捨てないでえええええええ、、、、、、(T_T)
待ってますv
>
>   まだまだ続きます。
>     過去の追憶はこれで終了です。
>    アメリアと現在のゼルガディスに視点が移動します。
どーなることやらはらはらどきどきしながら待ってます。
お大事にしてくださいね。

ではでは、みていでございました。

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6119みていさん、こんばんわ!amy E-mail 3/19-20:16
記事番号6111へのコメント


>こんばんは、みていでございます。
 こんばんわ!みていさん。amyです!
    レス、ありがとうございます!

   
>>「うううううっ!うわあああああああああああああっっっっ!」
>> とうとう声を張り上げた。
>> 我慢なんかしなかった。
>> 相変わらず、涙は一滴も流れなかったけれど。
>> それでも叫べば少しは楽になれる気がしたから。
>> ただ直感的にそう思っただけだけれど。
>> 結局、ゼルガディスはその場に座り込んだ。
>> 植木鉢は、ずっとゼルガディスの手の中から離れなかった。
>ゼル、痛々しい過去を持ってたんですねぇ。
 薄幸な彼がどうしてだか好きです。
    過去が痛々しくて、最後に幸せ。
   ゼルはそうあってほしいです。
  このお話はアンハッピーなんですけどね、、、(T_T)ごめんゼル。



>>「、、、、、あんまし溜め込むなよ?」
>ヴァル、その頃からの付き合いですか。いい漢(おとこ)です。…いや、なんとなく…
  ヴァルって結構好きなんですよ。
    彼も薄幸な人物だからかもしれません。
   ゼルとヴァルって、話し合えば合う程理解し合えると思います。
  TRY見ててずっとそう思ってました。
     同情し合うようななれ合いじゃなくて、
    時には突き放すようなお互いへの気遣いとか出来そうですよね。
  お互いに暗い過去を話し合い、それに怒りを覚えながらも、
    表面的には『ふーん』みたいな(笑)
   きっといいコンビになれると思うんですよね。


>>     昨日はUPしませんでした!ああああすみませんんんんんんっ!
>>    熱出して倒れちゃってええええええ!うひいいいいい!
>>    ついさっきやっと熱引いたんです!ごめんなさい!
>風邪でもひかれたんですか?お大事にしてください。
   ありがとうございますううううう、、、、
     はい、風邪ひいちゃって。
    でもすぐ治りましたよ。
   私、病気とかケガがすぐ治るんです。
  昔、医者に『インフルエンザですね、一週間は高熱が出ますよ』
    と言われたにも関わらず、3日で全快しました(笑)
   医者のセリフ『、、、丈夫なお子さんですね、、、、』


   
>どーなることやらはらはらどきどきしながら待ってます。
>お大事にしてくださいね。
 心配してくださってありがとうございます。
   もう治ってますから大丈夫です。
  もうちょっとしたら書き始めますので、
    どきどきしながら待っていて下さいね(^_^)


  ではでわ

      amyより

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6121小さな鉢植え 第十七章 キッパードamy E-mail 3/19-23:45
記事番号6108へのコメント


 後ろから聞こえてきた足音に、アメリアはびくりと身を震わせた。
 誰かがこちらへ来る。
 慌てふためきながら、アメリアは辺りを見回した。
 警察が証拠品として押収したのだろう、ほとんど何も残っていない。
 家具があらかたないせいか、妙に広く感じる部屋の中央で、アメリアはせわ
しなく体を動かす。
(どうしよう、、、、、!)
 身を隠す場所が見つからず、右往左往してしまう。
 足音は確実にこちらへ向かって来ていた。
 どうか見つからないようにと祈りながら、ドアの裏側に隠れる。
 ちょっと床の方を見ればアメリアの靴が見えるし、回り込まれれば全身丸見
え、さらに逃げ場もない。
 けれどここしか身をほんの少しでも隠せる場所がなかったのだ。
 備え付けだった家具まで持って行かれたのだから。
 やがて足音が部屋へ入って来た。
 祈るような思いで身を固くし、目を閉じる。
 話声が聞こえてきた。
「で?どう揉み消すつもりだ?」
「さあなあ、、、、犯人が見つからないとか、目撃証言がないとか?」
(揉み消す!!??)
 聞こえてきた犯罪的な言葉に、アメリアがさらに身を固くする。
 まさか、と頭をよぎる一つの仮定。
「検事の方にこの事件の仕事を回さないでおくしかない。
     でないとすぐに足がつく。全く、警察の不祥事も、
       後ろ楯さえあれば完璧に隠し通せるってわけだ」
 3人目の声。
 どうやら3人以上いるらしい。
 だがそれよりも、アメリアの頭はその話の内容に執着していた。
(揉み消し、検事に回さない仕事、警察の不祥事、後ろ楯、隠し通す?)
 信じられない言葉の羅列。
 そしてゼルガディス達の言葉。
(麻薬捜査官の癒着、麻薬の横領、警察、、、、、、、)
 どういうことだろう?
 ばんやりとなら分かるが、確信も証拠もない。
 これはただの仮定。
 まさか、まさか、、、、、、、、
「なんだっけ?キッパード?
    麻薬課のお偉いさんだろ?勢い余ってって殺すかね、普通」
「!」
 アメリアの体の中で、衝撃が走り抜けた。
 自分の、まさかと思った仮定の通り、、、、、?
 じゃあ、まさか、、、、、自分の家族を、、、、、、、
「警察が殺しちゃダメだよな、、、、、、」
 癒着していた麻薬捜査官が『念のため』に殺していた、、、、、?
 最悪の予想が成り立って、アメリアは震えた。
 信じたくなかった。
 自分の母と姉が、『念のため』で虫けらのように殺されたなんて。
 けれど確信に近いくらいのセリフを聞いてしまった。
 アメリアは自分の体重を支えられず、そのままぺたんと座り込んでしまう。
『!!』
 当然、その音は部屋にいた警官らしき人達にも聞こえていた。
 ばっとドアが引かれ、そこからアメリアを見つけだす。
 無表情で大粒の涙を零すアメリアに、3人の警官らしき制服を着た男達が困
惑した。
「、、、、、お嬢ちゃん、聞いてたのかい?」
 一人がアメリアに問う。
 アメリアはその男に視線を動かした。
「、、、、聞いてたんだな、、、、、」
 残念そうにつぶやいて、男は腰から一丁の銃を引き抜く。
 そしてアメリアの胸に標準を合わせた。
「ごめんな、恨まないでくれよ、、、、、?」
 おそらく頭を狙わないのは汚い死体にならぬようにとの彼女への配慮なのだ
ろう。そして胸を狙うのは苦しませぬようにとの。
 アメリアを手にかけたくないという思いが伝わってくる。
 けれど、アメリアは男を許せないと思った。
 本当に辛そうな顔をして、男は引き金に指を置く。
「、、、、、ごめんな、、、、、、」
 心底申し訳なさそうに言う男に、アメリアは口を開いた。
 冷たい声で。
「、、、、、人でなし、、、、、、」
  ドンッッッ!!!
 発砲音と共に、アメリアが床に身を沈める。
 うつぶせに倒れ、ぴくりとも動かない。
 男達は決まり悪気に部屋からゆっくりと出て行った。
 携帯で上層部に連絡するつもりなのである。
 アメリアの胸元から赤い液体がゆっくりと流れ出ていた。




 予定より早く帰宅したゼルガディスは焦っていた。
 ノックをいくらしても出てこないアメリア。
 何かあったのかと慌てて部屋に入っても何ごともない。
 驚いてあちこちを探したがどこにもいない。
 書き置きもない。
 出かけたとしか考えられないが、ではどこへ?
 ゼルガディスは焦っていた。
 まさか一人でどこかへ行ってしまうとは思ってもみなかったのだ。
 アメリアがここから一人で行ける所とはどこだろう。
 この辺りにアメリアの知り合いはいないし、越して来たばかりだ。
 この辺り一帯ではないはず。
 じゃあどこへ?
 その時、床に落ちている朝刊が目に止まった。
 一面記事に大きく載っているのは、、、、、
「っ!あんの馬鹿っ!」
 つぶやいてゼルガディスは走り出す。
 新聞の見出しにはでかでかとこう書かれていた。
 『セイルーン家の惨劇』、、、、、と。




「、、、、、このキッパードっていうのは?」
「ああそれ、アルフ、、、、なんとかって奴の知り合いよ。
    アメリアって子のいとこだったかしら?アルフなんとかって」
 リナの問いに、マルチナは天井を見上げながら答える。
「確か警察の、、、、麻薬課の課長よ。
     結構悪い噂のある奴だわ。癒着とか横領とか賄賂とか」
「麻薬課で癒着?」
 マルチナの言葉に、リナはぴくりと反応する。
 ゼルガディスの予想人物像と当てはまるのだ。
 もしかしたら、、、、、、
「マルチナ、こいつの近辺って洗い出せる?」
「いいわよ、乗りかかった船だし。
   ゼルガディス様のためだしね!」
 リナの問いに、マルチナはウィンクをしながら明るく答えた。




「くそっ!早くしてくれっ!」
 列車が人身事故で止まってしまった。
 焦って愚痴をこぼすゼルガディス。
 だが列車はいつまでたっても動こうとしてくれない。
 ゼルガディスはアメリアが実家の方に赴いたことが分かったのだ。
 自分の家族の死が受け入れられなかったに違いない。
 時間的にも、アメリアと入れ違いになる可能性があった。
 早く着かなければいけないのに、、、、、っ!
 目的地の駅は目と鼻の先なのに!
「くそっ!もういいっ!」
 一人で大声を出すと、回りの人間の視線がゼルガディスに注がれた。
 しかし、ゼルガディスは気にせず窓を開ける。
 そこから身を乗り出し、外へ出た。
 予想外のゼルガディスの行動にざわつく列車内。
 それらを無視して、ゼルガディスは線路に沿って走り出した。
 駅はもう目前だったから。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 こんばんわ!第十七章終了です!

  ふう、やっと書けました。
      難しいですね、現代物って。
    政治っぽい話を出すと特に。

   ツッコミもあるとは思いますが、
    何分、私は無知なので許してやって下さい。
      間違い部分は『ああ、そういう物なんだ、この話では』
    てな感じで受けとめて下さい。
   すみません、、、、、(T_T)


    ではでわ


       amyより

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6123うひょわわわわ(慌て)キト E-mail 3/20-11:07
記事番号6121へのコメント


 お久しぶりです。(またこれかい)
 キトでふ。

 あああっ!!! アメリア死んじゃったにょ!?
 うひょわわわわ(謎の舞い)
 落ち着け、落ち着け・・・・(自分が1番落ち着いてないし)


 ・・・・・・えっと、これからの展開にドキドキものです。
 こんなの書けるamyさんってスゴイ。
 政治とか、銃の名前とか。
 あたしはパッパラパーなので解りません(調べようともしないし)
 

 うーむ、段々暗く・・・。
 だがしかし、こんなのもいいでしょうね。
 いいのだっ(私的に断言)

 キッパードとゆー人物が敵?
 とか色々頭を使わせてもらってます。


 短いですが、これで終わります。
 またちょくちょくレスつけますんで☆

 では、キトでした☆

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6124キトさんお久しぶりです!amy E-mail 3/20-17:16
記事番号6123へのコメント

> お久しぶりです。(またこれかい)
> キトでふ。
  お久しぶりです!amyです!
    レス、ありがとうございます!


> あああっ!!! アメリア死んじゃったにょ!?
> うひょわわわわ(謎の舞い)
> 落ち着け、落ち着け・・・・(自分が1番落ち着いてないし)
   あははは(笑い)キトさんって可愛い人ですよね♪
    どんな舞いなんでしょうか?
   アメリアについては今度の章で。


> ・・・・・・えっと、これからの展開にドキドキものです。
> こんなの書けるamyさんってスゴイ。
> 政治とか、銃の名前とか。
> あたしはパッパラパーなので解りません(調べようともしないし)
   いやあ、あんまし凄くないですよ。本当。
    政治に関しては映画とか翻訳物の本とか読んでて、
   『ふうん、、こんな感じなんだあ、、、、?』という(苦笑)
    かなり適当だし、うろ覚えな物ですからねー。
      政治家の方には顔向け出来ません(ーー;)
   銃の名前は図書館の本で調べてみました!
     結構色々あって面白いんですよね。

 

> うーむ、段々暗く・・・。
> だがしかし、こんなのもいいでしょうね。
> いいのだっ(私的に断言)
    いいんですか?(笑)
     私って、シリアスを書くとどんどん暗くなるんですよ。
   ああ、ここまで行くとやばいって思っててもどんどん、、、、、
 どおおろおおぬううまああああああああっな。
    精神鑑定してもらった方がいいでしょうか?


> キッパードとゆー人物が敵?
> とか色々頭を使わせてもらってます。
   うふふ、それはこれじゃらのお・た・の・し・み♪
    応援してやって下さいませ。


> 短いですが、これで終わります。
> またちょくちょくレスつけますんで☆
  はあ〜い、待ってま〜す!
    これからもよろしくお願いしますね。


   ではでわ

      amyより

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6125小さな鉢植え 第十八章 『大丈夫』amy E-mail 3/20-18:14
記事番号6121へのコメント


 はあっはあっ!
 息をきらせて走った。
 無我夢中で走った。
 死にたくないから。
「あっ!」
 何かにつまづいて、転ぶ。
 むくりと起き上がると、胸から赤い液体が零れた。
 こんなところに自分が通って来た証拠を残すのはまずい。
 そう判断したアメリアは胸からの赤い液体を手で押さえて、進行方向を変え
る。
 胸がずくずくと痛んだ。
 撃たれた場所である。
 しかし、これはケガをしたためではない。
 撃たれた衝撃で、胸の辺りに打ち身が出来たらしい。
 そのせいだった。
 アメリア自身の身体は、ゼルガディスから貰っていた防弾チョッキに守られ
てピンピンしている。
 胸から溢れている赤い液体はただの血のりだ。
 ゼルガディスの言う通り、死んだふりをしたらあっさり騙されてくれた。
 死んだふりなんて悪人のすることだと思っていたけれど、そんなことを言っ
てられるような状況ではなかった。
 男が頭を狙わなかったことに少なからず感謝する。
 とにかく駅へ誰にも見つからないように走って、列車に乗らなければ。
 足ががくがくと震えた。
 ずっと走って来たのだ、疲れて足がもつれ始めたに違いない。
 自分の腑甲斐無さが無性に悔しくて、アメリアは半べそになる。
 それでも走った。
 いや、早足、といった方がいいだろうか?
 何だか分からないけれど、急にゼルガディスに会いたくなる。
 そうすればきっと自分の生命は保証されるし、何よりもゼルガディスの顔が
見たかった。
 無表情な中で、それでも小さく優しい表情を浮かべて頭を撫でてほしい。
 例え身の安全が何らかの形で自分の力で保証出来ても、ゼルガディスが自分
に『大丈夫だ』と言ってくれるまで安心出来ない気がした。
 お世辞にも走っているとは言えないスピードで、アメリアは進む。
 人気のない裏路地は、ひたすらに恐かった。
 いつ横道からさっきの男達が出てくるか分からなかったから。
(ゼルガディスさんっ!ゼルガディスさんっ!)
 心の中で絶叫する。
 はあはあと荒く呼吸する口は、その名を叫べそうになかった。




 駅に自分の足で到着したゼルガディスはホームに登った。
 驚いた人々がこちらを凝視してくる。
 そんなことに構っている暇はこれっぽちもなかった。
 ゼルガディスはさっさと改札を済ませ、駅の外へ躍り出る。
 ごった返す人の群れ。
 この中で少女一人を見つけるのは至難の技のように思えた。
 ここでアメリアの行動を推測する。
 何ごともなく帰るつもりならばこの中にいるだろう。
 そして列車に乗るはずだ。
 もし何かあったとしたらアメリアの家にまだいるか、逃げているかのどちら
かのはず。
 逃げている場合は二通り。
 人ごみに紛れて逃げようとするか、裏路地を使うか。
 人ごみを選べば嫌でも目につく。
 人の間でざわつきが生じ、目立つはずだ。
 その痕跡は今の所、ない。
 ゼルガディスは裏路地を選んだ。
 そこならばアメリアはすぐに見つかるし、例え人ごみの方でも騒ぎが起これ
ばすぐに駆け付けることが出来るからである。
 人がいない裏路地を、ゼルガディスが駆けた。




 とうとう、アメリアは男達に見つかっていた。
 遠くの後ろから複数の男性の声が聞こえる。
 何を言っているのかまでは聞き取れなかった。
 パスパスッッッ!!
 サイレンサーをつけた銃の音が聞こえ、アメリアの足下のアスファルトが割
れる。
 足を狙われているらしい。
 アメリアの顔から血の気が失せた。
 胴体には確かに防弾チョッキを着けているが、足は全くの裸である。
 撃たれれば痛いし本物の血も出る。
 さらに逃げることが出来なくなるだろう。
 焦ってスピードを速めようとするが、一向に早まらない。
(助けてっ!ゼルガディスさんっ!!)
 心の中で絶叫する。
 パスッッ!!
 また足下のアスファルトがはぜた。
 その欠片を踏んでしまい、アメリアは派手に転倒する。
 ずしゃあっ!
 音をたてて転がり、立てないことに気付いた。
 長い距離を女の、しかも子供の足で走って来たのだ。
 無理もない話である。
 限界はとうに超えていたせいか、もう動かなかった。
 男達の声がどんどん近付いてくる。
 男達は足を打ち抜いたと思っているらしく、走ってはいない。
 けれど確実に近付いて来ていた。
「ったく、しぶといお嬢ちゃんだ」
 さっきよりも同情が薄まった目で、男がアメリアを見る。
 銃を見て真っ青になるアメリアに、男は溜め息をついた。
「そんな出血で走り回るからだ。あそこにいればもっと楽に死ねたのに」
 アメリアの顔色を違う意味に解釈したらしい男は、今度は胸ではなく頭に狙
いをつけてきた。
 恐怖にアメリアが瞳を大きく開いた。
 相変わらず、口からは荒い息が出るだけで声が出ない。
 咽の奥で張り付いたようになっていた。
「、、、、、今度こそ、さよならだ」
 男が引き金を引いた瞬間。
 ドンッ!!
 サイレンサーのついていない銃の音。
 そして男の指が吹っ飛んでいた。
「ぎゃああああああああっっっっ!」
 物凄い悲鳴をあげる男ときょろきょろと辺りを見回し始める2人の男。
 のたうち回る仲間に目もくれず、2人の男は銃を構えた。
 アメリアは大きく目を見開いて唖然としている。
 そこへバイクに乗った一人の男がやって来た。
 バウンッッ!
 バイクのエンジンが唸りをあげて2人の男のいる場所に着地する。
 2人の男達はかろうじて逃れたが、のたうち回っていた男がもろにぶつかっ
た。
 ぐしゃ、、、、
 奇妙な音とともに、男が静かになる。
 気付けばバイクに乗っていた男も、自分達が追い掛けていた少女も消えてい
た。
「どこに行った!?」
「、、、、、、ここだ」
 慌てる片方の男の真後ろで、低い男の声が聞こえた。
「!」
 パスッッ!
 振り向きざまに銃を撃つと、少し離れた真後ろにいる仲間に当ってしまう。
「何をっ!?」
 叫んで倒れる仲間に目を見張り、、、、、、
 ドンドンッッ!!
 銃声とともに、2人の男の意識も闇に飲まれた。
 ただ一人立っていた男、、、、ゼルガディスは硝煙の残るコンバットマグナ
ム45口径をベルトに挟み、隅っこに座り込んでいるアメリアに手を差し出
す。
「ケガはないか?」
 心配そうに問うゼルガディスに、アメリアはこくこくと頷いた。
 ゼルガディスの手を取り、アメリアはゆっくりと立ち上がる。
「そうか」
 優しく微笑み、ゼルガディスはゆっくりとアメリアの頭を撫でた。
 それでも震えているアメリアに、ゼルガディスは出来る限りの優しい声でつ
ぶやく。
「もう、大丈夫だ」
 その言葉に、アメリアは火がついたように泣き出した。
 声は出さないままで。
 ゼルガディスはアメリアを優しく抱き締めて、背中を撫でてやった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 こんばんわ!amyです!
   第十八章終了です!
  実はアメリア死んでいませんでした!(いえいっ♪)
   一体何人が騙されて、何人に読まれていたでしょうか?

   今回はちょっと(?)ラヴラヴな二人を書けて幸せなamyでした!


    ではでわ

        amyより

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6126生きているってスバラシイ!!キト E-mail 3/20-20:59
記事番号6125へのコメント


あいっ、今回は連続でレス(笑)


アメリア死んでない事に狂喜乱舞のキトです☆
流石ゼル! 用意がいいっ! 防弾チョッキは必須アイテムだっ!!
ついでに血のりもナイスですね。


しっかしゼルよ、愛しい(苦笑)アメリアを助けるために3人を撃ち殺すとわ。
やっぱし悪人に人権はないんでしょうか?



もっとらぶらぶな2人をかいてっ!!
がんばってamyさんっ!なキトでした。

それと1つ質問でふ。
ゼルは、アメリアをバイクで助けにきたんだよね?
・・・・・・・・・・どっからかパクった?(笑)

では、終わりです。

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6127光り溢れる世界に祝福あれ!(笑)amy E-mail 3/21-11:10
記事番号6126へのコメント

>あいっ、今回は連続でレス(笑)
  キトさんこんにちは!
     連続レス、嬉しいです!
    ありがとうございます!
      キトさんってレス書くの早いですよね〜。


>アメリア死んでない事に狂喜乱舞のキトです☆
>流石ゼル! 用意がいいっ! 防弾チョッキは必須アイテムだっ!!
>ついでに血のりもナイスですね。
   用意周到なゼル!(特アメリアに関しては)が好きです♪
     この話ではアメリアが無力に近いので、
    防弾チョッキはどうしても必要ですよね。
   でも血が出ないとすぐバレそうだなあ、、、と思いまして。
    実際にそういう血のりつきの防弾チョッキってあるらしいので、
   この話に採用させていただきました。


>しっかしゼルよ、愛しい(苦笑)アメリアを助けるために3人を撃ち殺すとわ。
>やっぱし悪人に人権はないんでしょうか?
  ありません(きっぱり)
    というよりも、アメリアを殺そうとしていた時点で、
  ゼルの目には男達が人間として写っていないことでしょう。


>もっとらぶらぶな2人をかいてっ!!
>がんばってamyさんっ!なキトでした。
   はい!頑張ります!
     もっともっとラブラブにします!
    これからも応援よろしくお願いしますね、キトさん。


>それと1つ質問でふ。
>ゼルは、アメリアをバイクで助けにきたんだよね?
>・・・・・・・・・・どっからかパクった?(笑)
  え〜っと、これは後でゼルとアメリアの会話から明らかになるのですが、
    キトさんには先に教えちゃいますっ!
  答えは、、、、、『裏路地にあったのをパクった』んです(ーー;)
   ゼルとリナは盗みに関してはきっとプロ並の腕でしょう。



   ではでわ

      amyより

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6128小さな鉢植え 第十九章 緊急事態amy E-mail 3/21-18:50
記事番号6125へのコメント


 リナの姉、ルナ=インバースの名義で借りている部屋に戻り、ゼルガディス
とアメリアはお互いに正面を向いて座った。
「で、だアメリア。落ちついた所で、、、、、、」
 やっと泣き止んだアメリアに向けられた視線は、恐い。
 びっくううう!!と身体を震わせる。
「あれほど外に出るなと言ったろおおおおおがあああああああっっっ!!!」
「ごっごめんなさあああああああいいいいいいっっっっ!!!」
 叫びと同時にアメリアの頬を思いっきり引っ張るゼルガディスに、アメリア
は情けない声で謝る。
「でもゼルガディスさんだってバイクを裏路地で盗んで、、、
   い、いえ!何でもないです許して下さいいいいいいいいいっっ!!」
「いいいいいいやっ!許さんっっ!!」
 みいよ〜んっ!うにうにうにっ!
「い、いひゃいへふううう〜〜〜〜〜〜!!」
(訳:い、痛いですううう〜〜〜〜〜〜!!)
 むにっむにににっ!!うにむにうににっ!
「ひぇひゅひゃひぇひゅひゃんひょひぇんひゃひゃ〜ひっ!」
(訳:ゼルガディスさんごめんなさ〜いっ!)
 みよみよみよよ〜ん!うにむみよ〜んっ!
「ひゃああ〜ん、ひゅひゅひひぇ〜!」
(訳:わああ〜ん、許して〜!)
 おしおきしてんのか痴話喧嘩してんのかさっぱり分からない二人のこのやり
とりは、この後小一時間程続いたという、、、、、、。




「ガウリイ様っ!リナさんから連絡が!」
 シルフィールの声に、ガウリイが飛び起きる。
 がばっ
「メールで、暗号の解読も済みましたけれど、、、、、」
「見せてくれっ!」
「はいっ!」
 頷いて、シルフィールがディスプレイでメールを開く。
 ガウリイはそれにじっと見入った。
「、、、、、シルフィール、お前さんはもうここに来ない方がいい」
「、、、でもっっ!」
「来るな」
「!」
 メールを読み終わると、ガウリイがシルフィールにぴしゃりと言い放つ。
 何も言えずに、シルフィールは部屋から出て行った。
 ガウリイはその後もメールと睨めっこをし、、、、、、
 ブツッ!
 電源を切って、ベッドの下から銃を一丁取り出した。




「、、、、メールチェックしなけりゃな、、、、」
 ぽつりとつぶやいて、ゼルガディスは回線を繋ぎ始める。
 横から真っ赤になった頬をさすっているアメリアが覗いていた。
 ちょっぴり涙目になっているが、あえて無視。
「、、、、リナからか」
 またまたぽつりとつぶやいて、ゼルガディスは解読を始める。
 たららら、、、、、という小さい音の後、解読された文章が飛び出した。
「、、、、、!」
 読み終わると、ゼルガディスが絶句する。
『ゼルガディスへ

  緊急事態が起きた。ガウリイも仲間の一人として見つかった。
    ガウリイの家が8時間後に襲撃される。
   ゼロスとゼルに応援求む。ゼルの居場所はまだ特定されてない。
     アメリアの命を狙っている人物の候補を一人。
   キッパード=リネイン。麻薬捜査課の課長。
     アルフレッドの知り合い。
    癒着、横領、賄賂などの噂が多数有り。
        バックに上院議院がついているとの噂も有り。
                気をつけられたし。
    アメリアはその家から西の方角にあるホテルへ。
          私とマルチナとゼロスがそこで待っている。
    時間は午後1:00、3:00、5:00にのいずれかに。
      待っている時間は10分だけ。ロビーにて待つ。
                     出来る限り早急に頼みたし。

      只今の時刻、12:36なり

                              リナより』
 ばっとゼルガディスが壁掛け時計に目を走らせる。
 今は午後の3時半過ぎ。
 2回もチャンスを逃している。
 次まであと1時間半弱、、、、、、、。
「アメリア、防弾チョッキは外すな。
  今の内に防弾チョッキの穴を塞いで、血のついてない服に着替えろ。
         服がなけりゃ上から俺のコートを羽織ってもいい。
          1時間後にここを出る。荷物は一切持つな、いいな?」
 てきぱきと言うゼルガディスに、アメリアは頷いてから寝室に消えた。
 ゼルガディスもパソコンの電源を切ると、荷造りを始める。
 武器を目立たない程度に持ち運ばねばならない。
 小さいトランクケースに、コルトガバメント45口径とその弾をいくらか
入れる。
 自分も手榴弾をつけた防弾チョッキを身につけ、上からシャツとセーターを
着る。
 この上からコートを羽織ってしまえば、目立たないだろう。
 腰のベルトにブローニング・ハイパワー9ミリをさす。
 コルトガバメント45口径は装弾数7発。
 ブローニング・ハイパワー9ミリは13発である。
 敵が多い時にはあまり使えないが、一発一発が強力なのでいいことにはいい
だろう。
 弾がいくらあっても足りないが。
 ウージー9ミリサブマシンガンを解体してトランクケースに入れる。
 弾もいくらか。
 こちらは敵が多い時に役立つが、ほとんど足留めである。
 当る所に当れば人間死ぬであろうが、急所からずれれば死に至ることは滅多
にない。
 レミントンM870ウイングマスターコンバットショートとSAPS12
ショットガンを並べる。
 この二つのショットガンは防弾チョッキを物ともしない銃である。
 強力ではあるし、簡単にコートの下に隠せる。
 だからこそ、軍人や警察が私服時の業務によく使うのだが、、、、、
 他の銃と比べてサイズがかなり大きい。
 はあ、と溜め息をつく。
 人に見つからないように持って行くとなると、どうしても帯に短し襷に長し
な銃ばかりになってしまう。
 これが単独行動ならまだ良かったのだが、、、、、、
(ゼロスとガウリイ、、、、か、、、、、、)
 仲間が二人もいるとなるとお互いを庇うことが多くなる。
 それにはどうしても装弾数が多く、かつ強力な物。
 そしてサイズがコンパクトなものが欲しかった。
 ただのわがままではあるが。
「まあ、銃なんてあればあるだけいいんだがな、、、、、、」
 つぶやいて、ゼルガディスは統べての装備方法を考え始めた。



 午後5:00ジャスト。
 西側に唯一あるホテルのロビーに、一組の男女の姿があった。
 男が片手に小さなトランクケースを持っている。
 女の子の方は手ぶらだが、何やら動きが固い。
 その男女はきょろきょろと辺りを見回した。
 ふと目についた喫茶店の奥で、こちらに手を振る女が2人。
 リナとマルチナである。
 二人は料金を払うと、こちらへやって来た。
「ゼル、部屋をとってあるの」
 みなまで言わずにリナはエレベーターへ歩き出す。
 ゼルガディスはそれに続いた。
 チン、、、、、、、
 電子音と共にエレベーターが停止し、ドアが開く。
 5階の非常口に近い部屋だった。
 中に入ると同時に、リナとゼルガディスはあちこちをひっくり返す。
 黙って立っているマルチナとアメリアの前で、二人は慎重に何かを探してい
た。
 ついにはコンセントやプラグまで外して調べている。
 驚く二人を尻目に、リナとゼルガディスは調べつくして息をついた。
「、、、、何していたんです?」
 訝し気に聞いて来るアメリアに、リナはウィンクする。
「盗聴器がないか調べたのよ、なかったけどね」
 言いつつソファに座り、他の3人にも椅子を勧める。
 マルチナが座った後、ゼルガディスはアメリアに手を差し出した。
 アメリアはコートの下からSAPS12ショットガンを取り出し、ゼルガ
ディスに手渡す。
 ゼルガディスも自分のコートからレミントンM870ウィングマスターコン
バットショートを取り出し、二つの銃を壁に立て掛ける。
 それからゼルガディスとアメリアが席についた。
 マルチナが目を丸くしたが、それだけである。
「ザングルスは海外に行っててね、呼べないわ。
      ゼロスはついさっきガウリイの方の偵察に行った」
「俺はアメリアをここに置いて行く。
     お前らにアメリアを頼んでおくぞ」
 切り出すリナに、ゼルガディスは言う。
 それにリナがこくりと頷いた。
「ガウリイはどうしてバレた?」
「分からないわ、そういう情報が流れたのよ。
    で、裏をとってみたら本当らしくてね、、、、、」
 言って懐から地図を取り出す。
 中央に赤い丸記しがあった。
「ここに麻薬捜査課の本部が設置されてるの。
     何故か機動部隊がわんさかいるのよね。
   それで奴らの無線を盗聴してみたら案の定ってわけ」
 そこから赤いボールペンでリナが線を引く。
 さらに赤丸をした所はガウリイの隠れ家。
「こちらに向かって少しずつ機動部隊を送ってるみたいね。
     行動に移すのは午後8時30分から。
        ガウリイを意識がある程度にして拉致し、
      拷問かなんかにかけてゼルのことを聞き出すつもりよ」
「賭に近いやり方だな、、、、、」
「そうね、ガウリイは本当にゼルの居場所を知らないもの。
     でもあのフロッピーが見つかれば、、、、、、、、、」
 すぐにメールが解読されてしまうだろう。
 そうすれば大体の場所も把握されてしまう。
 リナはそれを恐れたのだろう。
 ガウリイの腕はこの場の誰もが認めているし、心配はない。
 ただそれはガウリイ自身の身の安全についてである。
 ガウリイが自分の荷物をちゃんと忘れずにまとめて、自分の身と一緒に逃げ
きれるかどうかは怪しいところ。
 不安なのはガウリイの記憶力と荷物まで持ち出せるかどうかという状況。
 敵が多ければ多い程荷物と一緒に、、、というのは難しくなる。
 かといって、物によっては証拠を残すと後々危ない。
「ゼロスはすでにガウリイの所へ行ったんだよな?」
「ええ、ゼルも急いで」
「分かった」
 頷いて、ゼルガディスは素早く立ち上がった。
 SAPS12ショットガンとレミントンM870ウィングマスターコンバッ
トショートを片手で持って、コートの下に隠す。
 もう片方の手に小さなトランクケースを持ち、部屋から出た。
「、、、、、リナ、マルチナ。アメリアを頼む」
 ドアが閉まる寸前にそう言って消えた。
「ゼルガディス様もうちのダーリンに負けず劣らずカッコイイ♪」
 ぽーっとしながら言うマルチナに、何だかリナとアメリアは溜め息をつかず
にはいられなかった。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 こんばんわ!amyです!
   第十九章終了です!

   いやあ、早いものですね。
     もう十九章まで来てしまいました。
     でもまだまだ終わらない、、、、、(T_T)

  これからも続くので、応援よろしくお願いします!
      色々な方のレス、楽しみに待ってま〜す!



    ではでわ
      amyより

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6131小さな鉢植え 第二十章 銃撃戦amy E-mail 3/22-17:13
記事番号6128へのコメント


 普段よりもかなり迂回して、ゼルガディスはガウリイの隠れ家の前まで来て
いた。
 リナが『ゼロスは偵察に行った』と言っていたが、それではどこに?
 少なくとも、この近くにはいるはずである。
 機動部隊は隠れ家の正面と裏口をマークしていた。
 辺りに人家がほとんどないため、森に身を潜ませている。
 いくら上手く隠れても、プロからしてみればバレバレだった。
 気配を消すのが下手な奴が異様に多いのだ。
 戦争時やなんかには平気かもしれないが、このように誰かを捕まえる場合は
不利な人員である。
 勿論、昨今平和になってきているこの国の警察、それも麻薬課の機動部隊と
もなればこの人選が精一杯なのかもしれないが、、、、、。
 機動部隊を軽々しく扱えるのはやはり麻薬課の課長か、全権を任されている
署長あたりだろう。
 ガウリイを麻薬の取り引き関連者として扱い、機動部隊を結成したのならば
課長の任であるはずだ。
 そしてこの地域の麻薬捜査課の課長はキッパード。
 おそらく私服でこの辺りに屯しているはず。
 さっと目を走らせたが、それらしき人物は目に止まらなかった。
 何気ないゼルガディスの視線に気付いた者はいない。
 素知らぬふりをしたままで、ゼルガディスはてくてくと森を通り過ぎる。
 ガウリイの隠れ家をあえて素通りして、森から少し離れた人家の庭に入っ
た。
 無論のこと不法侵入である。
 けれどゼルガディスの仕種があまりにも普通で、その家の人間のようにしか
見えない。
 本当の主がゼルガディスを見つけない限りは、ここが安全だ。
 素早く物陰に隠れ、コートから2丁の銃を取り出した。
 SAPS12ショットガンとレミントンM870ウィングマスターコンバッ
トショートを地面に横たえる。
 トランクケースから分解したウージー9ミリサブマシンガンを取り出し、組
み立てた。
 これで一応の準備は済んだ。
 どうやらガウリイは家の中にいるらしい。
 わざと気配を丸出しにしていることから伺える。
 ゼロスはいないようだ。
 腕時計をさっと見る。
 もう午後の8時を回っていた。
 機動部隊が動くのは8時半。
 後30分もない。
 機動部隊が攻撃を仕掛けると同時にこちらも飛び出し、ガウリイとゼルガ
ディスの二人で挟み撃ちにするのが一番効率がいい。
 問題はガウリイも同じことを考えているかということと、ゼロスがどう動く
つもりなのかということだった。
 溜め息をつきながらトランクケースに入っている銃をベルトにさし、弾をポ
ケットに次々と詰め込む。
 そしてそのままトランクケースはぽい捨てした。
 ゼルガディスはすでに黒い革手袋をしている。
 指紋はついていないはずだ。
 トランクケースが警察で調べられても、証拠は何も出ない。
 また時計に視線を巡らせる。
 時間は午後8時25分ジャスト。
 あと5分。
 機動部隊のいる森の前で、一台の車が止まった。
 黒のセダンである。
 こういう状況下で乗ってくるのはある意味センスが悪い。
 車から降りてきたのは2人の男。
 片方は機動部隊の面々と同じ服装。
 もう一人は私服であった。
(こいつか、、、、、、、?)
 私服の方を凝視して、ゼルガディスは思った。





 ジャキンッッ!
 リナが銃の安全装置を外す。
 その音がやけに大きく響いた。
 ワルサーPPKS7.65ミリ。
 装弾数は8発で、ダブルアクショントリガーを備えた小型銃である。
 衝撃も少なく、短銃にしては装弾数の多いこれは女性に丁度いい。
 リナはそれを隙なく構え、撃つまねをした。
 それを見て、マルチナがアメリアに問う。
「あなた、武器って持ってるの?」
 その問いに、アメリアは首を横に振った。
 自分からもゼルガディスに頼んだが、危ないと言って何も与えて貰えなかっ
たのだ。
「ねえリナ、あなた余計に銃とか持ってないの?」
「使いにくいのなら持ってるけど、、、、もしもの時用に」
 言いながら鞄から銃をもう一丁取り出す。
 S&W357マグナム。
 接近戦では威力絶大で、殺傷能力もあるがポイントしづらい。
 素人には向かないし、接近戦でなければなかなか当らない。
 まさに使いにくい武器である。
 その代わり大きさはコンパクトで隠し持つのにはまあまあ最適であろう。
 ちなみに、マルチナが隠し持っているのはベレッタM92Fである。
 他の銃と比べて軽く、扱い安いが消耗品であまり長い間は使えない。
 米軍制式採用拳銃だ。
「アメリア、あなたって銃の扱いは?」
 問われて、アメリアは首を微妙にかしげた。
 幾度か演習場で撃ったことはあるものの、それは安全かつ指導者の元でのこ
と、実戦で役に立つかと問われれば首を横に振る。
 銃の扱いは演習場では中の下といったところだろうか?
 上手いのか下手なのかいまいちよく分からなかった。
「経験だけなら、、、、、、多少は、、、、、、」
 言い淀むアメリアに、リナはワルサーPPKS7.65ミリの方を手渡す。
 そちらの方が初心者には扱い安いと判断したのだ。
「安全装置はもう外してあるから、気をつけてね。
      撃つ時は気兼ねなく思いっきり撃っちゃいなさい」
 言って今度はS&W357マグナムの安全装置を外し、構えて撃つまねをし
始める。
 アメリアは溜め息を一つつくと、同じように構えて撃つまねをしてみた。




 時計の針が30分をさす。
 同時に機動部隊がじりじりとガウリイの家に近付き始めたのが分かった。
 ゆっくりと家の回りを包囲し始める。
 一部の部隊が出遅れたことを、ゼルガディスは見逃さなかった。
 防弾チョッキに着けておいた手榴弾を一つ外し、そこへ投げ込む。
 誰かの悲鳴と同時に、手榴弾が爆発した。

 どおおおおおおんんっっ!!

 予想以上の爆発と音に、ゼルガディスは顔をしかめた。
 急いでレミントンM870ウィングマスターコンバットショートとSAPS
12ショットガン、そしてウージー9ミリサブマシンガンを引っ掴む。
 それらを持ったままで庭を突っ切り、森へ駆けた。
 もう一つ手榴弾をお見舞いしてやる。

 どおおおおおおんんっっ!!

 何人かが吹っ飛ばされて民家に激突したのが見てとれた。
 ざざざっと草をかき分けてガウリイの家に近付き、森が途切れる一歩手前で
立ち止まる。
 もう一つ手榴弾を後方へ投げた。

 どおおおおおおんんっっ!!

 また悲鳴があがる。
 どうやら中には少しだけ気配を消せる奴もいるらしい。
 殺気が漏れていたが。
 車で逃げようとするのがいくらか見えた。
 ゼルガディスは無言でSPAS12ショットガンを構える。
 車は全部で8台。
(っち、、、、、)
 心の中で舌打ちをしてから銃を撃つ。

 ドンドンドンドンドンドンドンッッッッッッ!!!

 7発全部撃ち尽くす。
 あっという間に車が7台、炎上した。
 炎を恐れて、逃げようとしていた輩が悲鳴をあげる。
 機動部隊は思わぬ攻撃に戸惑っていた。
 目の前の家からではなく、外からの攻撃。
 原因も理由も分からないのだろう。
 そんなことはお構い無しに、ゼルガディスはレミントンM870ウィングマ
スターコンバットショートでもう一台を炎上させる。
 続いて黒のセダンも爆破した。
 男の怒号。
 どうやらセダンの持ち主らしい。
 ゼルガディスは素知らぬ顔でSPAS12ショットガンをまたもやぽい捨て
した。
 自然に冷たい男、ゼルガディス=グレイワーズ。
 ぽいっと手榴弾を車に群がっていた奴らに投げてやる。
 悲鳴と同時に爆音がした。
 どうやら冷たいのは自然に対してだけではないらしい。
 ゼルガディスはそのまま大きく迂回し、その場から離れる。
 ガウリイの家の裏口に回ると、そこにはゼロスがいた。
「御苦労様です、ゼルガディスさん。
    あなたって意外と派手好きだったんですねえ」
 笑いながら言うゼロスの足下には十数人の機動部隊者。
「これでここは全部か?」
「裏口は、、、、ね」
 お互いに頷き合って、二人は家に入った。
 廊下を走ると銃の音が聞こえてくる。
 どうやら家を撃っているらしい。
 そのまま寝室らしきドアを開いた。
「ガウリイ!」
 ゼルガディスの声に、ガウリイが手を振る。
 ガウリイの足下にも、数体の死体があった。
「もう中に入っていたのか」
「んーついさっきだけどなー」
 こんな時までのほほんと喋るガウリイに、ゼルガディスは何となく頭痛がし
た。
「ゼルガディスさん、部屋の整理は僕がしときますから、
      終わるまではガウリイさんと敵の足留めしといて下さい」
「え?俺がやるぞ?」
「お前の記憶力じゃ部屋のどこに大切な物があるかなんて覚えとらんだろ」
 言ってゼルガディスはゼロスを手伝おうとするガウリイを引きずる。
 ドアから出て、ガウリイと廊下を走った。
「俺は裏口の方、旦那は正面口頼む」
「分かった」
 言って二手に別れると、ゼルガディスは廊下の窓から手榴弾をまた投げた。

 どおおおおおおおんんっっっ!!

 轟音と共に人の悲鳴。
 やはり窓からの奇襲を考えていたらしい。
 振り向きもせずに、ゼルガディスはそのまま廊下を通り抜けて裏口へ向かっ
た。
 人の気配がないことを確認すると、ゼルガディスは威嚇の意味を込めてレミ
ントンM870ウィングマスターコンバットショートを撃つ。
 動きがないところを見ると、どうやら敵の大半が正面口へ回ったらしい。
 ガウリイの身をちらっと案じて、ゼルガディスは裏口を閉めた。
 近くにあった家具を片っ端からバリケードにする。
 これでかなりの人数が体当たりをかまさない限りここは開かないだろう。
 それを確認してから、ゼルガディスは廊下の窓へ走る。
 こちらには人がいた。
 窓の外から中を伺っている。
 ゼルガディスは窓枠の下でレミントンM870ウィングマスターコンバット
ショートを構える。
 誰かが窓枠に手をかけた感触と同時に撃つ。

 どんどんどんどんんっ!

 窓枠の下の木の壁はあっさりと割れ、向こう側の人間を葬る。
 弾のなくなったレミントンM870ウィングマスターコンバットショートを
ぽい捨てし、ゼルガディスはウージー9ミリサブマシンガンを構えて窓から身
を踊らせる。

 だんだんっっ!

 短銃の音と同時に胴体が揺れたが、ゼルガディスは気にせずに銃を撃った。

 ぱららららららららららららっっっ!

 タイプライターに近い音がして、まだ生きていた人間が倒れる。
 どうやら防弾チョッキは身につけていないらしい。
 数に物を言わせたものの、結局予算が間に合わなかったのだろう。
 ゼルガディスはベルトにさした弾をウージー9ミリサブマシンガンにセット
した。
 この銃はすぐに弾が減る。
 辺りを見回し、気配を読むが誰もいないようだった。
 後ろ歩きで窓に戻り、ゆっくりと警戒しながら家に戻る。
 試しに辺りを一度撃ってみてから、窓にも軽いながらバリケードを張った。
 そしてそのまま正面口へ向かう。
 銃撃戦の音が激しかった。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 こんばんわ!amyです!
   何ともう二十章まで来てしまいました!

   本当にあっと言う間です。
       でもまだまだ終わらない(T_T)

   予定では十七章頃で終わるはずだったのに、、、、、(ーー;)

  これからも頑張ります。


     amyより

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6132どっからこのような資料が…みてい 3/22-18:34
記事番号6131へのコメント

こんにちはamyさん。みていでございます。

いえ、件名はどういう意味かと申しますとね、銃やら火器系の名前がたっくさん出てくるなぁと。私の知り合いにも一人…二人かないるんですけど、「ふふふっ」て笑って教えてくれないもので…。

毎回どきどきして読ませていただいます。
> 自然に冷たい男、ゼルガディス=グレイワーズ。
…いや、今回で一番ハマってしまった文だったりします。
こんなところに引っかかるなと自分で突っ込みましたが、本当にそう思われそうです。

>  これからも頑張ります。
これからも読ませてくださいね。また寄らせていただきます。
ではではみていでした。

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6145まあ色々と。amy E-mail 3/23-12:10
記事番号6132へのコメント


>こんにちはamyさん。みていでございます。
こんにちは、みていさん!
   レスありがとうございます!
   今回は二人もレスしてくれたようで、、、、嬉しいです!


>いえ、件名はどういう意味かと申しますとね、銃やら火器系の名前がたっくさん出てくるなぁと。私の知り合いにも一人…二人かないるんですけど、「ふふふっ」て笑って教えてくれないもので…。
   うふふ♪仲間かしら?
 えーっと疑問にお答えします。
    映画で出てきたのをメモしてあったり、
       映画のパンフに載ってたりします。
     まあそれだけならいいのですが、、、、、、、
      その手の本を買ったりインターネットで調べたり、、、、
   結構あるとこにはあるもんなんですよ、、、うふふふ。
     つい最近、その手のHPを見つけて、
  『資料めっけええええええ!!』とこの『小さな鉢植え』を
      始めたのでございます。
     今まで十分な資料がなくて書けなかったんですよ、この話。


>毎回どきどきして読ませていただいます。
>> 自然に冷たい男、ゼルガディス=グレイワーズ。
>…いや、今回で一番ハマってしまった文だったりします。
>こんなところに引っかかるなと自分で突っ込みましたが、本当にそう思われそうです。
   いえいえ、自分でもここの部分がとても気に入ってるので、
     ハマってもらえると嬉しいです(笑)
   いや〜ゼルってなんだか環境破壊云々を気にとめたことなさそうで。
 あ、木がない。で終わりそうですよね。
     環境破壊、、、、、、それで?って(笑)


>>  これからも頑張ります。
>これからも読ませてくださいね。また寄らせていただきます。
>ではではみていでした。
  は〜い、どんどん寄っていって下さいね!
   これからも頑張ります!
     みていさんも頑張って下さい!


     amyより

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6133物知り……キム 3/22-18:54
記事番号6131へのコメント

初めまして。キムって言います。『小さな鉢植え』始めからずっと読ませてもらってるんですけど、物知りですね、amyさんって……毎回毎回たくさんの武器の名前がでてるけど、何でそんなに詳しいの?私なんて1つも知らないし、分かんないですよ!それでは、がんばって投稿してくださいね。それでは。

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6146あははは〜amy E-mail 3/23-12:15
記事番号6133へのコメント


>初めまして。キムって言います。『小さな鉢植え』始めからずっと読ませてもらってるんですけど、物知りですね、amyさんって……毎回毎回たくさんの武器の名前がでてるけど、何でそんなに詳しいの?私なんて1つも知らないし、分かんないですよ!それでは、がんばって投稿してくださいね。それでは。
 初めましてキムさん!amyです!
    初めからずっと読んで下さってたんですね!
  ありがとうございます!
   物知り、、、、なんでしょうね、たぶん(ーー;)
     いやあ、こういうの調べるの趣味でして、、、、(危ない?)
    日々友人と完全犯罪について語り合っております(おいおい)

   いや、上記のことは冗談ですが、
       結構銃火機については調べてます。
     そういうのが好きで、格好いい!とか思っちゃうんで、、、
  いやあ、勿論所詮人殺しの道具なんだから格好いいわけないんですけど。
   分かってるけど、物語りの中だけでならいいかな?っと。
     こういうことはあんまり知らない方がいいですよ。
    知ってる私がおかしいんです(苦笑)

  これからも頑張らせていただきます!
     応援よろしくお願いしますね!


     amyより

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6153手遅れたっ!! (>_<)キト E-mail 3/23-15:16
記事番号6131へのコメント


 今回、かなり出遅れてしまいました(汗)
 せっかくのツッコミポイント(笑)があるのに書かなければソンでしょう(汗)
 では、かかせてもらいます。


 今回はゼルによるほっぺたうにーん事件(勝手に命名)がおもしろかったでふ☆
 ・・・・・アメリアのほっぺたは大丈夫だろうか?(苦笑)


> 自然に冷たい男、ゼルガディス=グレイワーズ。
 ここでがふっ!(笑)となりました。
 うーん、確かに自然に冷たいですね。
 自然愛好家としては許しがたいでふね←自然好き生物


> どうやら冷たいのは自然に対してだけではないらしい。
 ここでさらに笑ったでふ。
 ゼルの後ろから歩いていって銃を拾っていこうかな?
 んでもって売る(自爆)!!
 あ、その前に死んでるかな。

 うーん、やっぱり銃の名前オンパレードですね。
 よくわからないので勝手に想像してます。
 万事おっけーですかね?


 では、このぐらいで終わらせてもらいます。
 今回あたしの他に2つもレスついてますね☆
 これからも正義の心を燃やしてファイトしてください!
 キトでした。

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6154キトさん、いらっしゃいませ!(←店かい!)amy E-mail 3/23-15:33
記事番号6153へのコメント

 キトさんこんにちは!
    レス、ありがとうございます!


> 今回、かなり出遅れてしまいました(汗)
> せっかくのツッコミポイント(笑)があるのに書かなければソンでしょう(汗)
> では、かかせてもらいます。
   今回はツッコミのポイントが多かったらしく、
      いつもより多くの人にレスを頂きました。
  嬉しい限りです。
     キトさんもどんどんつっこんじゃって下さい(笑)


> 今回はゼルによるほっぺたうにーん事件(勝手に命名)がおもしろかったでふ☆
> ・・・・・アメリアのほっぺたは大丈夫だろうか?(苦笑)
   大丈夫です!(笑)
     アメリアのほっぺたは2時間後にはもう治ってます!
    どんなに痛くともOK!だってゼルのくれた痛みだから♪
 『うにうにっ!』とかの擬音作るのが楽しかったです。


>> 自然に冷たい男、ゼルガディス=グレイワーズ。
> ここでがふっ!(笑)となりました。
> うーん、確かに自然に冷たいですね。
> 自然愛好家としては許しがたいでふね←自然好き生物
   自然愛好家だったんですか!?
      うきゃあすみません!
     ゼルが自然に愛情持ってなくて!
      まあ、どっちかというと『平気だろ』というゼルなのですが。
   まあ平気だろって、、、、、、、(ーー;)



>> どうやら冷たいのは自然に対してだけではないらしい。
> ここでさらに笑ったでふ。
> ゼルの後ろから歩いていって銃を拾っていこうかな?
> んでもって売る(自爆)!!
> あ、その前に死んでるかな。
     あはは、ここは私も自分で書いててツボでした。
    『お〜我ながらいい♪』って。


> うーん、やっぱり銃の名前オンパレードですね。
> よくわからないので勝手に想像してます。
> 万事おっけーですかね?
   万事OKです!
     銃は適当に想像して下さい。
    楽しんでもらえればそれで嬉しいです!

  
> これからも正義の心を燃やしてファイトしてください!
   イエス、サー!
     これからも頑張ります!



     amyより

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6155小さな鉢植え 第二十一章 ルームサービスamy E-mail 3/23-19:44
記事番号6131へのコメント


 ゼルガディスは正面口に向かった。
 寝室をなるべく迂回して通る廊下。
 その途中ですでに銃撃戦の音が聞こえてきていた。
「ガウリイ!」
 急に飛び出すと敵と間違われて撃たれるかもしれないので、ゼルガディスは
ガウリイに声をかけてみた。
「ゼル!そっちは!?」
「大丈夫だった!」
 言ってからガウリイの足下に滑り込む。

 ぱららららららららららっっっ!!!

 タイプライターに似た音と共に、ガウリイの前にいた敵をあらかた倒した。
 ガウリイが持っていたのは短銃。
 いくら弾があっても足りないし、連射出来ないため大人数相手には不利な武
器である。
 コルトパイソンだ。
 装弾数はたったの6発。破壊力は最強クラスだが、素人には非常に扱いにく
い銃である。衝撃が強く、ポイントしづらい。
 プロのガウリイならばお手のものだが、素人が使うと世程の至近距離でなけ
れば当らない。
 余談、『シティーハンター』の主人公、冴羽撩の愛銃である。
 ガウリイといい、冴羽といい、何故こんな扱いにくい銃を使うのだろうか?
 作者の中での最大の疑問である。
「もっと大人数に有利な銃を使え!」←ごもっとも!
 ゼルガディスの声に、ガウリイは頭をぽりぽりと掻く。
「いやあ、これしかなくって」
「それでもプロかお前は!?」
 二人の会話は横からの銃撃によって中断された。
 二人は横に転がりながら銃撃を避ける。
 二人の元いた場所が蜂の巣になった。

 ぱらららららららららららららららっっっ!!!、、、かちっ!

 弾切れになるまでゼルガディスがウージー9ミリサブマシンガンを撃った。
 もんどりうって倒れこむ機動部隊達。
 ゼルガディスが弾を交換している間に、ガウリイが発砲する。

 ガンッガンッ!!

 短い悲鳴と同時に3人倒れた。
 2発で3人である。
 プロ根性を見せたガウリイ。

 ぱらららららららららららららららららららららららららっっっっっ!!!

 弾の交換と同時にまた撃ちまくるゼルガディス。
 景気よく全弾撃ち尽くすと、ウージー9ミリサブマシンガンをまたまたぽい
捨てする。
 そして手榴弾をぽいっと投げた。
 強い爆発が起き、機動部隊の3分の1が巻き込まれる。
 手荒い方法だが仕方無い。
 爆発の間に弾を足したガウリイは、ゼルガディスに視線を送る。
 ゼルガディスは頷いた。
 ばっと二人で同時に外へ躍り出ると、ゼルガディスがブローニング・ハイパ
ワー9ミリを構えて撃つ。

 だんだんだんっっ!!

 悲鳴をあげて倒れた機動部隊の人間が3人。
 その横を通り抜けてガウリイが森へと消える。
 それを確認すると、ゼルガディスは近付いて来た男を撃った。

 だんっっ!!

 返り血がついてしまったが、気にする余裕はない。
 一旦家の中に身を隠し、また手榴弾を投げた。
 爆風に飛ばされる機動部隊。
 奥からゼロスが出てきた。
 手には大きめのトランクケースが一つ、握られている。
「終わりました」
「ガウリイが車を回してくる、退散するぞ!」
 ゼルガディスの言葉に、ゼロスが一つ頷いて腰のベルトから短銃を取り出
す。
 グロック199ミリ。装弾数は15発。
 グリップフレームやマガジンに始めて強化プラスチックを使った銃である。
 恐らくゼロスの持っているこれは初期開発の物だろう。X線に感知されない
優れものである。

 だんだんだんっっっ!!

 だんだんだんだんっっっ!!!

 ゼロスとゼルガディスが同時に撃った。
 トランクケースを持っているゼロスを庇う形で、ゼルガディスが大きく動い
た。
 ぐるっと森を迂回すると、機動部隊が追ってくる。
 ゼルガディスは発砲することによって相手を牽制した。

 だんだんだんだんだんだんっっっっっ!!

 残り全弾撃ち尽くし、急いで弾を交換する。
 ゼロスが一発撃った。

 だんっ!ぼひゅっ!

 妙な音がして庭にあった蛇口が吹っ飛び、水が吹き出した。
 追ってきていた機動部隊の一人がまともにこの水を受け、後ろに転ぶ。
 そこをゼロスがすかさず撃った。

 だんっ!

「ぎゃあ!」
 短い悲鳴があがり、転んだ男の右足が吹っ飛ぶ。
 血しぶきがあがった。
「、、、、ゼロス!」
「処置が早ければくっつくかもしれませんよ?」
 非難の声をあげるゼルガディスに、ゼロスは冷笑しながら言い放った。
 ゼルガディス自身、さっきから何人も殺しているが、だからと言ってこんな
やり方はないだろうと思う。
 死ぬのにかなりの時間を要するし、生き延びたとしても足がまたくっつく可
能性はかなり低い。
 死ぬのには苦しいし、生き延びるには後の人生お先真っ暗になる。
 どっちにしてもゼルガディスならごめんだった。
 まだ一思いに殺して貰えた方がいい、絶対。
 例えそれが自分勝手な思い込みだとしても、こういう残虐な方法は嫌いだっ
た。
「今はそんなセンチメンタルな議論をしている場合じゃありませんよ!」
 言ってまた発砲する。
 ゼルガディスのすぐ後ろにいた機動部隊の3人がもんどりうって倒れた。
 また急所を外している。
 見兼ねてゼルガディスはもがいている4人の男の頭を打ち抜いた。
 すぐに4人は静かになる。
「、、、、、余計なことを、、、、、」
「うるさいっ!」
 呆れるゼロスに、ゼルガディスは吠えて走った。
 森が途切れる一歩手前で手榴弾を後方に投げ付ける。
 爆発とともに悲鳴があがった。
「ゼル!ゼロス!」
 声に振り向けばガウリイが車を運転していた。
 どこから盗んできたのか、赤いスポーツカーである。
 目立つことこの上ないが、文句を言っている暇はなかった。
 急いで飛び乗る二人を確認すると、ガウリイは車を発進させる。
 先程車を全てゼルガディスが破壊しておいたので、追っ手は走っている人間
のみだった。
 こちらの車のタイヤを狙って撃ってくる。
 ゼルガディスは無言で残りの手榴弾を全て投げた。
 今までとは比べ物にならない程の大きな爆発と同時に、追っ手が消えた。
 5、600メートル離れると、3人は車を降りて別の車に乗り換える。
 勿論、盗んでいるのだが。
 黒の、どこにでもある車に乗って3人はリナ達のいるホテルに向かった。




 部屋のベルが鳴り、リナは銃を片手にドアへ歩み寄る。
 穴から覗くとボーイが立っていた。
「何?」
「ルームサービスです」
「、、、、、頼んでないわ」
「え?しかしお客さまの部屋番号で、、、、、、」
 リナの言葉に困惑するボーイ。
 リナは虫がなく腹をちらりと見てから言った。
「そこに置いてって、チップはドアの下よ」
 言いながら数枚の紙幣をドアの下の隙間から外へ出す。
 ボーイはそれを受け取ると、ワゴンに乗った食事を置いて行ってしまった。
 しばらくしてから慎重にリナがドアを開け、食事を中に入れる。
 開けてみたが、やはり頼んではいない。
「、、、、間違い?」
「まさか、、、、おかしいわね」
 マルチナのつぶやきをリナが否定する。
 自分達の居場所は仲間内しか知らないはず。
 そしてこのホテルは民主党よりの経営者のホテル。
 警察とも上院議院とも関わりはないはず。
 一応リナが毒味をしてみるが、毒は入っていなさそうである。
 間違いにしてはおかしい。
 ボーイは『この部屋の番号が、、、、』と言っていた。
 部屋の番号を確認してのことならば間違いはないはずである。
 それでも、、、、、?
 部屋の番号を偽造するには二つの方法がある。
 一つは自分達がいない間にこの部屋でルームサービスをとること。
 そしてもう一つはこのホテルにある圧力をかけること。
 自分達はずっと部屋から出ていない、ならば圧力、、、、権力面での仕業。
 そこまでしたのに何故毒すら入っていないのか?
 疑問に思いながらもリナ達はその食事を取り始めた。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 こんばんわ!amyです!

  いやあ、もう二十一章まで来ちゃいましたね。
   まだ終わらないくさいです。
     ううう、早く終わらせたいですうう、、、、、(T_T)
   新しい話のアイディアがあるのにいい、、、、、

    とりあえず、これからもよろしくお願いしますね。
   応援、頼みます!


    ではでわ

         amyより

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6156ゼルは銃のポイ捨て魔(笑)キト E-mail 3/23-22:44
記事番号6155へのコメント


  こんばんわ☆
  ついには常連客(店か?)になりつつあるキトです。
  いいんです。常連になってしまうから(笑)

> 弾の交換と同時にまた撃ちまくるゼルガディス。
> 景気よく全弾撃ち尽くすと、ウージー9ミリサブマシンガンをまたまたぽい
>捨てする。
> そして手榴弾をぽいっと投げた。
  ああっ! また自然破壊をっ!!(笑)
  しかも銃のポイ捨てはだめぢゃあっ!!
  そこらへんに居る怪しいおっちゃんがその銃片手に殴り込んでくるかもしれないでしょぅ!?
  ・・・でも、ホントにいたら怖いね。そんなおっちゃん。


  今回は戦闘シーンが多くてどきどきしてました。
  うーんやっぱりゼロスは残酷だぁ。
  ゼル、今回アンタが普通に見えるよ(爆)
  ガウリィは何気に活躍してないような気がするのは気のせい?


  新しいお話のアイデアがあるみたいですね。
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・くふv
  楽しみに笑ってます。(こわいって)
  

  そんでもってまたまた謎が出てきたし。
  るぅむさぁびぃすですね。
  ボーイさんは悪役!?
  とか考えて、脳味噌熔けてるキトです。(笑)


  これからスレイ無印のビデオ見るんです〜〜♪
  何ヶ月ぶりだろ? TRYはつい最近見たんだけどな〜〜。
  って、こんな事いってる場合じゃないし。


  毎日投稿すばらしい!!
  根性ありますね。
  では、終わりますです。


  キトでした☆☆

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6159常連さん♪amy E-mail 3/24-21:26
記事番号6156へのコメント

>  こんばんわ☆
>  ついには常連客(店か?)になりつつあるキトです。
>  いいんです。常連になってしまうから(笑)
 キトさん、こんばんわ!
   amyです!常連さんになっていただけるんですか?
     嬉しいですう♪
   これからもよろしくお願いしますね!


>> 弾の交換と同時にまた撃ちまくるゼルガディス。
>> 景気よく全弾撃ち尽くすと、ウージー9ミリサブマシンガンをまたまたぽい
>>捨てする。
>> そして手榴弾をぽいっと投げた。
>  ああっ! また自然破壊をっ!!(笑)
>  しかも銃のポイ捨てはだめぢゃあっ!!
>  そこらへんに居る怪しいおっちゃんがその銃片手に殴り込んでくるかもしれないでしょぅ!?
>  ・・・でも、ホントにいたら怖いね。そんなおっちゃん。
  たぶん(笑)大丈夫です。
    警察の人が証拠品にと持って行くはずですから。
  自然破壊は本当にしちゃいけませんけどねえ、、、、、、(遠い目)
  そこらへんにいる怪しいおっちゃんが拾っても弾がない(合掌)ですし。
   ゼルもあんまり証拠品残すな〜!

 

>  今回は戦闘シーンが多くてどきどきしてました。
>  うーんやっぱりゼロスは残酷だぁ。
>  ゼル、今回アンタが普通に見えるよ(爆)
>  ガウリィは何気に活躍してないような気がするのは気のせい?
  あはは、ゼル中心になると目立たないんですよね(汗)
   一応活躍はしてますよ。
   正面口の方が敵の数は多かったですから。
  ゼルが行くまでずっと一人で銃撃戦をしていたわけですし。
     車もかっぱらって回して来ましたしね。
   ゼロスを出すとどうしても情けない人か残酷な人になってしまう私。



>  新しいお話のアイデアがあるみたいですね。
>  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・くふv
>  楽しみに笑ってます。(こわいって)
  うわ〜あんまし期待しちゃだめですよ〜う。
      期待してても後でガッカリしちゃうだけですよ。
  

>  そんでもってまたまた謎が出てきたし。
>  るぅむさぁびぃすですね。
>  ボーイさんは悪役!?
>  とか考えて、脳味噌熔けてるキトです。(笑)
  さあどうでしょうね〜(うふふ)
     ボーイが悪役かどうかは分かりませんよ〜(にやり)
    色々想像してて下さい。
      脳味噌溶かしながら(笑)


>  これからスレイ無印のビデオ見るんです〜〜♪
>  何ヶ月ぶりだろ? TRYはつい最近見たんだけどな〜〜。
>  って、こんな事いってる場合じゃないし。
  見た〜い!無印のスレイヤーズ!
    NEXTも見てないです、最近は。
  専らTRYですね。無印の頃のビデオは自宅にありませんし。
    無印見たいですう〜!!


>  毎日投稿すばらしい!!
>  根性ありますね。
>  では、終わりますです。
  そうでしょうか?
    でもなかなか進みませんよ、話(涙)
  頑張りま〜す、、、、、


  ではでわ

   amyより

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6160小さな鉢植え 第二十ニ章 奇襲amy E-mail 3/24-22:50
記事番号6155へのコメント


 随分と迂回し何度も違う道に入って、ようやくゼルガディス達は車から降り
た。
 車はその場に乗り捨てである。
 ガウリイがゼロスの持っていたトランクケースを持った。
 ゼルガディスについた返り血はゼロスのハンカチで拭いてはいるが、服に付
着してしまった分はどうしようもない。
 仕方なく、ゼルガディスはこの寒い中コートを脱いで血のついた部分を隠し
ながら腰に巻いた。
 リナ達のいるホテルからはかなり離れた市街である。
 そこから3人は歩いていた。
 男3人ではとても『仲良くショッピング』には見えないが、いた仕方ない。
 これも運命の一つである。
 さりげなく辺りに注意を配りながら、ゼロスは足早にホテルへと向かう。
 ゼロスは、この3人の中で一番この辺りに詳しい。
 彼について行くのが最も安全だった。
「ゼロス、、、、後どれくらいで着く?」
「まあ、大体2、30分といった所でしょうかね?」
 ゼルガディスの問いに、ゼロスはさらりと答える。
 ゼルガディスは曖昧に相槌をうった。
「心配ですか?」
 誰が、とは言わずに問うてくる。
「別に、、、、」
 言ってゼルガディスは視線を外した。
 ちょっとむくれている。
 ついつい、ゼロスはくすりと笑ってしまった。



 何度味見してみても、やっぱり毒を盛った様子はなかった。
 リナの舌で見分けのつかない毒はないに等しい。
 ならば何故わざわざルームサービスが、、、、?
 マルチナとアメリアが朗らかに食事をしている中で、リナは必死に頭をフル
回転させていた。
 自分ならばどういう時にこんな手のこんだことをするか。
 思い付くのはただの嫌がらせや何かの精神攻撃。
 相手を不安でいっぱいにさせておいて、襲撃。
 そんな陳腐なものしか思い浮かばない。
 そんなことで敵がわざわざルームサービスを、、、、?
 あり得ないことではないが、それでも引っ掛かるものがある。
 こんな無意味に近いことをやるような人間が高いレベルの職につけるのだろ
うか?そうだとしたら何だか腹が立つ。
 ぶつぶつとつぶやきながら、リナは食器の乗ったワゴンを部屋の外に押し出
した。




 コンコン、コン、コンコン。

 ノックの音に、アメリアは急いでドアを開けた。
 現れたのはゼルガディス、ガウリイ、そしてゼロス。
 ガウリイは大きなトランクケースを一つ持っていた。
「ゼルガディスさん、お帰りなさい!」
 嬉しそうにゼルガディスに飛びつきながら言う挨拶は、ゼルガディスの耳に
届いていなかった。
 べちっ
 軽く頭をはたかれる。
 ゼルガディスはアメリアに視線を合わせた。
「ノックの後に10秒待てと言ったろう」
 怒っている。
 それがすぐに分かるくらいの低音で言われて、アメリアはすぐに素直に謝っ
た。
 ゼルガディスをこれ以上怒らせるのは危ないと思ったから。
「ご、ごめんなさい、、、、、、」
 しゅんとなるアメリアを見兼ねて、リナが横から口を挟んだ。
「アメリアはずーーーっとゼルを待ってたのよ。
    心底心配してたんだから、それくらい許してやんなさいよ」
「それくらいだと?」
 リナの言葉に、ゼルガディスは反対に腹を立てたようだった。
 リナの方を軽く睨み、ゼルガディスは言葉を続ける。
「それくらいの油断で死ぬことなんかざらにあるんだぞ!
    ノックの後にすぐに出たらドアごしに撃たれることもあるんだ!
             蜂の巣になっちまったらもう助からんのだぞ!」
「まあまあ、いいじゃないですか。
    今回のことが教訓になって、
   アメリアさんもきっとこんな失態はしなくなりますよ」
 ゼルガディスとリナの間に入ったのは意外にもゼロスだった。
 いつも通りのにっこり笑顔で言われて馬鹿馬鹿しくなったゼルガディスは、
溜め息を一つはいてから視線を反らす。
 リナはウィンクをしながら、アメリアに肩をすくめて見せた。
「それよりもゼル、ルームサービスが来たわ」
「?」
 突然のリナのセリフに、ゼルガディスが怪訝そうな顔をする。
 アメリアがそれを見て勢いこんで言った。
「頼んでもないのにルームサービスが来たんです!
   リナさんが毒味しても毒はないし、、、おかしいと思って!」
 わたわたとしながら言うアメリアの頭を何となく撫でながら、ゼルガディス
はリナの方を見た。
「毒は絶対入ってなかったわ。保証する。
   もう全部食べてワゴンも返しちゃったけど」
「さっきのかあ〜?」
 リナの言葉に、ガウリイが呑気な声で言った。
 ゼルガディス達がノックをする前、ワゴンを押しているボーイとすれ違った
のだ。
「さっき?」
 ガウリイの言葉に、マルチナの眉が片方だけぴくんと動く。
「リナがワゴンを返したの、結構前だったわよね?」
「、、、、、、、」
 マルチナの問いに、リナは無言で頷いた。
 丁度示し合わせたかのようにワゴンを押していったボーイ。
 時間的に見て、ゼルガディス達がガウリイの隠れ家から逃げた頃に届けられ
たルームサービスの食事。
 そしてそこに毒は混入されていなかった。
『まさかっ!』
 リナ、ゼロス、そしてゼルガディスの声が見事に重なった。
 3人は急に慌てて武器を構える。
「え?何何?」
「ゼルガディスさんっ!?」
 3人の様子を見て、ただ事ではないと感じ取る残りの3人。
 その3人に、リナが小さく耳打ちした。
「これから襲われるわ!」
 3人が驚愕の表情を顔に乗せたそのまさに直後。

 がっしゃああああああんっっっっっ!!!

 ドアとは反対にある窓がラスが派手な音をたてて割れる。
 部屋に入って来たのは機動部隊と同じ制服を着た男だった。
「ちいっ!」
 ガウリイが舌打ちをして、その男に発砲する。
 撃たれた衝撃でその男の体が震えたが、それだけだった。
「防弾チョッキ!!?」
 マルチナが悲鳴のようにそう叫ぶと、その男がマイクロウージー9ミリで発
砲してきた。

 だらららららららららららららっっ!!

 放たれた物と跳弾した物、両方の弾を上手く避けながら、ゼルガディスはア
メリアを抱えて風呂場に移動した。
 後の4人もそれに続く。
 この分だと玄関のドアの方にも誰かいるはず、相手の企みは分かっていた。
 ずばり、ゼルガディス達を出口のない方に追い詰めて片付ける。
 だからこそ、ゼルガディスは一見出口のなさそうな風呂場に逃げ込んだの
だ。
 こちらで防弾チョッキを身に着けているのはゼルガディスとアメリア、そし
ておそらくゼロス。
 後の3人は銃撃から身を守れないし、防弾チョッキを着けていても頭を撃た
れれば十分死ぬ。
 わざわざ敵が待ち構えているドアに行くのは無謀と言って良かった。
 ブローニング・ハイパワー9ミリを腰のベルトから引き抜いて、ゼルガディ
スは窓からの侵入者に発砲した。
 弾は見事に男の額に当たり、男はその場に崩れ落ちる。
 同時にドアと窓から新たな侵入者が顔を出した。
「数が多い!」
 愚痴をこぼすガウリイも、自分の銃で応戦している。
 ガウリイとゼルガディスが侵入者への応戦をしている間に、ゼロスが風呂場
の窓硝子を叩き割った。
 強化ガラスは未練がましく壁にまとわりつくが、ゼロスは慌てずにそれを
次々とはがしていく。
 綺麗に窓枠だけが残り、小さな外への穴が完成した。
 だが無論、これだけでは一番小さいアメリアですら肩が通らないだろう。
 ゼロスは無言でグロック199ミリを構え、発砲した。

 だんだんだんだんっっ!

 銃声と同時に衝撃音が聞こえ、風呂場でこだまする。
 窓枠の回りの壁がもろくなった。
 ゼロスはシャワーのヘッドを取り外すと、それをもろくなった所へ打ち付け
る。

 がんがんがいんっっ!

 妙な音の後、ぼろぼろと壁がはがれ落ちていく。
 ゼロスはそれを力まかせにひっぺがしながら、穴をどんどん広げていった。
 アメリカのホテル、特に窓があるような風呂場は壁がひどくもろい。
 勿論、一流ホテルならば話は別だが、ここは二流のホテルである。
 当然安上がりで壁ももろかった。
 やがて一番大きいガウリイも肩が通るくらいの穴が出来あがる。
 ゼロスはリナ、マルチナ、アメリアの順に外へ出すと、ゼルガディス達に加
勢する。
 粗方片付いてはいたが、やはりしぶといのがいくらかいる。
 ガウリイの銃の弾はすでに尽きており、ゼルガディスもブローニング・ハイ
パワー9ミリを捨てて、いつものコルトガバメント45口径を使っていた。
 部屋では死屍累々と機動部隊の面々が倒れている。
 ゼロスはガウリイとゼルガディスに耳打ちをし、銃を放った。
 ガウリイが外へ脱出し、ゼロスとゼルガディスで応戦し続ける。
 敵を二人残して、ゼルガディスが外へ脱出した。
 ゼロスは自分の銃を敵の近くに投げ飛ばす。
 それが跳弾した弾に当って、小規模の爆発を起こした。

 ばああんっっっっ!!

 思わず瞳を強く閉じた機動部隊の二人を尻目に、ゼロスもあっという間に外
へ非難していた。




「何で襲われるって分かったのよ!?」
 走って逃げながら、マルチナがリナに問う。
 はあはあ言いながらも、リナは叫ぶようにして答えた。
「ゼル達が帰って来た時に丁度ボーイがいたのはおかしいわ!
  たぶん、ボーイはどこかで私達の部屋の入り口を監視してたのよ!
   ゼル達が帰って来た時にワゴンを押して行って、
   上の連中にゼル達が戻って来たことを伝えたのね!
    だからすぐ襲って来れたって訳!
  ゼル達を消すのに失敗して、すぐにホテルに連絡したのよ!
   今すぐ食事を持って行って、返って来たワゴンを
  ゼル達が帰って来た時に押して行き、すれ違って顔を確認!
     さらにこちらに連絡しろってね!
    ゼル達の顔は割れちゃってるわ!
              もう今はひたすら逃げるしかないわよ!!」
「だからって、ワゴンをあらかじめ用意しておけばいいじゃないですか!」
「ルームサービスを持って来たのはこちらへの確認よ!
    一体何人の人間がここの部屋に残っているのか!
   それを調べて、人数の確認をとりたかったのよ!
   でも私はドア越しの会話で済ませ、チップもドアの隙間から渡した!
     そのせいで人数確認が出来なかったのよ!
   だからまだ私とマルチナの顔は割れてないはずよ!
       アメリアとゼル達はもう割れちゃってると思うけどね!!」
 アメリアの問いに、リナは大声で答えた。
 幸い、ここには人と呼べるものがほとんどない。
 6人はひたすらに走り、郊外で座り込んだ。
 ぜえはあと荒い息をしながら、6人は座り込む。
「、、、リナ、マルチナ、お前達は急いで仕事場に戻れ」
「、、、、仕方ないわね」
 ゼルガディスの言葉に、リナは悔しそうに頷く。
 リナとマルチナは何気ない風を装いながらタクシーに乗って行った。
 それを目だけで見送ってから、ゼルガディスが大きな溜め息をはく。
「ゼロス、お前は平気だよな。ゼラスの後ろ楯がある」
「ええ、僕は平気ですけれど」
 ゼロスに確認をして、ゼルガディスはガウリイに向き直った。
「旦那、あんたはどうする?
  俺と同様後ろ楯のない今は、一人はあまりにも危険だ」
「、、、、、」
 ゼルガディスの言葉を、ガウリイはただ黙って聞いている。
 ゼロスがガウリイの右肩に手を置いた。
「ゼルガディスさん達と一緒にいた方がお互いいいんじゃないですか?」
「、、、、、どうする?」
 ガウリイはしばし考えてから、ゼルガディスの問いに頷いた。
「そうする」
「、、、、気をつけた方がいいですよ。
  ガウリイさんの隠れ家やホテルの部屋番号まで知られていたのは、、、」
「ああ、確かにおかしい」
 ゼロスの言葉に、ゼルガディスは同意した。
 ガウリイの方にちらりと目をやり、また溜め息をつく。
「こちらの動きを読むのが早すぎる」
「警察のどこにそんな情報網があるんだ?」
 ガウリイの疑問に答えられる人間は、この場にはいなかった。



 どさっとアメリアはベッドに倒れ込む。
 走り回ったおかげでもうくたくただった。
 今日は一日中走っていたような気さえする。
 ごろりとベッドの上で転がりながら、アメリアは目を閉じた。
 10秒待たずにドアを開けた自分を叱るゼルガディスを思い出す。
 真剣に自分のことを心配してくれたのが素直に嬉しかった。
 はたかれた頭はちょっぴり痛いけれど。
 ふう、と息をはく。
 隣の部屋からは、何やら話ているゼルガディスとガウリイの声が微かに聞こ
えてきていた。
 話している内要は分からない、けれど暗い雰囲気が伝わってきて、アメリア
は身震いした。
 なんとなく嫌な予感がしたのだ。
 視線を移動させると、ゼルガディスが大事にしている植木鉢が目に飛び込ん
で来る。
 アメリアはむくりと起き上がると、その鉢植えに水指しの水を軽くやった。
 水滴のついた葉がなんだか綺麗で、アメリアはぼうっとそれを眺める。
 心を和ませるこの植物は、決して花が咲かない物だったと記憶していた。
 よく見かける植物である。
 名前はなんだっただろう。
 アメリアは基本的に花が好きだったので、こういう植物にはあまり興味がな
かった。
 けれどこの植物はゼルガディスの所有物で、、、、、
 もう一度溜め息をついてから、アメリアはまた植物を凝視した。
 花の咲かないこの植物を、アメリアは『寂しい』と感じた。
 それはゼルガディスに対しても言える。
 孤独で、でもそれを自分で納得してしまっていそうな雰囲気。
 似たもの同士だから大事にしているのかな、とアメリアはふいに思った。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 こんばんわ!amyです!
   やっと二十二章です!
   一体いつになったら終わってくれるのでしょうか?(T_T)

  これからも頑張ります〜〜〜〜〜〜(うええ、、、)


     amyより

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6166風呂場にハンマー持って直行だ(笑)!!キト E-mail 3/25-08:48
記事番号6160へのコメント


 オハヨウゴザイマス。
 ちょっと寝起きで髪の毛爆発なキトです。
 いーのです、今日は雨だから何所にも出て行きませんから。


 今回も銃撃戦ですね。
 撃たれたら痛いなぁ〜。なんぞと言う意味不明ってゆーか。
 そのまんまな考えを考えている今日この頃です。
 嗚呼、何か文章まで変だ(笑)。


 ボーイの意味はそうだったのか。
 人数確認ねぇ〜、へぇ〜。
 よく考えましたね。
 スゴイよアンタ。
 ・・・・・・・・ん?・・・・・・何か忘れているような・・・。
 ハッ!!
 土曜にマサルさん見るの忘れたッッ!?
 深夜番組だからなぁ・・・(悲し)。


 ゼル達の顔がバレた!
 これからどうなる仲良し6人組(笑)!!
 勝手に命名して遊んでます。
 しかし、ヴァルとフィリアの影が薄いよーな気が・・・・。
 何気にマルチナ居るし。


 風呂場は壁がモロイってか。
 今度家の壁を・・・・・・。ウソです。しません(滝汗)。
 ・・・・・・・今度、泊まったホテルの壁を見てみよう。(決意)


 もう22章ですね。
 ゾロ目、おめでとうございます。・・・・おめでたくないかも(汗)
 長く続くほど面白くなる物です。頑張ってくださいね♪


 では、ついに常連となっているキトでした☆

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6172危な〜い(笑)!!amy E-mail 3/25-17:10
記事番号6166へのコメント

> オハヨウゴザイマス。
> ちょっと寝起きで髪の毛爆発なキトです。
> いーのです、今日は雨だから何所にも出て行きませんから。
 キトさん、こんにちは。
  私も今日は寝ぐせがひどかったです。
    私、くせっ毛だから。


> 今回も銃撃戦ですね。
> 撃たれたら痛いなぁ〜。なんぞと言う意味不明ってゆーか。
> そのまんまな考えを考えている今日この頃です。
> 嗚呼、何か文章まで変だ(笑)。
    あはは♪キトさんって面白い人ですよね〜(いい意味で)
 撃たれたら痛いでしょうね、映画とか見てると大したことなさそうだけど
       本当は無茶苦茶痛いんだと思います。
     ノンフィクションの小説とか読んでると、
     そういうの生々しく載ってたりするんですよ。
    一発で動けなくなってたりしますし、
        致命傷じゃないけど、撃たれてショック死してたり、、、、
   映画よりも人間って脆いのかもしれませんね。


> ボーイの意味はそうだったのか。
> 人数確認ねぇ〜、へぇ〜。
> よく考えましたね。
> スゴイよアンタ。
> ・・・・・・・・ん?・・・・・・何か忘れているような・・・。
> ハッ!!
> 土曜にマサルさん見るの忘れたッッ!?
> 深夜番組だからなぁ・・・(悲し)。
   凄いでしょうか?
     う〜む、結構こじつけですよ、あれ(苦笑)
    実際にはもっと上手い手段があると思います。
   思い付かないんですけどね(汗)
    、、、、、マサルさんって面白いんですか?


> ゼル達の顔がバレた!
> これからどうなる仲良し6人組(笑)!!
> 勝手に命名して遊んでます。
> しかし、ヴァルとフィリアの影が薄いよーな気が・・・・。
> 何気にマルチナ居るし。
  ヴァル達のマークがまだ解かれてないんですう。
   ヴァル達はまだまだ出てきません、すみません(T_T)
  密かにマルチナのキャラ、好きでした。



> 風呂場は壁がモロイってか。
> 今度家の壁を・・・・・・。ウソです。しません(滝汗)。
> ・・・・・・・今度、泊まったホテルの壁を見てみよう。(決意)
 日本のホテルは結構丈夫ですよ〜。
   アメリアの安いホテルの壁がもろいらしいです。
   何かの本に載ってました。
   安いホテルの窓枠、特に風呂場やトイレの壁がもろいって。
  実際はどうなのか知らないので、、、、
    頑張って調べて来て下さい!(他力本願)
   調べたらぜひぜひ結果を教えて下さい!


> もう22章ですね。
> ゾロ目、おめでとうございます。・・・・おめでたくないかも(汗)
> 長く続くほど面白くなる物です。頑張ってくださいね♪
   ありがとうございます(笑)
      ゾロ目はおめでたいんでしょうか?
     続いてても面白いですか?
    長いと嫌になりません?
     そこらへんが心配で、、、、、、(不安)


> では、ついに常連となっているキトでした☆
  わ〜い常連さん♪
    これからもレス、お願いしますね!
   キトさんのレスが私の力の源と化してるんですから!
    あ、でも強制じゃないですよ、レス。


   では、これからも頑張らせていただきます!


     amyより

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6174小さな鉢植え 第二十三章 予想的中amy E-mail 3/25-18:18
記事番号6160へのコメント


 テーブルに地図を広げ、ゼルガディスは思案顔で椅子に腰掛けていた。
 リナの姉の名義で借りているこの部屋と先程のホテルの距離をおおまかには
かり、さらにガウリイの隠れ家からホテルまでの距離をはかる。
 キッパードという人間のバックに、上院議院がついているという噂があった
が、あのホテルは自民党だったか何だったかの上院議院とは敵対関係になる政
治家が裏にいたはずだ。
 何故そのホテルの人間がキッパードとかいう人間のために動いたのか。
 さらに、どうしてガウリイの隠れ家がバレたのか。
 どうしてガウリイとゼルガディスの関係に気付いたのか。
 疑問は多い。
 ゼルガディスとガウリイの仕事関係やガウリイの隠れ家は情報屋を使ったと
いう仮説も成り立たなくはない。
 けれどこんなに早いのはおかしいではないか?
 ゼルガディスについての具体的な情報が流れていないのだから、おそらく情
報屋を介したのだろう。
 ゼルガディスは自分の情報を売らないでもらえるようにと金を出している。
 ガウリイにそんな気のきいたことは出来ないであろうから、ガウリイの情報
が漏れていても不思議はない。
 ただどうしても仮説すら立てられないのはホテルでの一件だ。
 何故なのか、さっぱり分からない。
 ホテルからガウリイの隠れ家の距離はかなりある。
 時間的に見ても、ゼルガディス達が退却した後にルームサービスを出すのは
普通だ。
 ゼルガディスが戻る前にはきちんと食事も終わるはずである。
 また、得体の知れない代物であるからにはリナもすぐにワゴンを外に出そう
とするだろう。
 そこまで考えてから、ゼルガディスは麻薬捜査課の本部とホテルの距離をは
かってみた。
 遠くはない、いやむしろ近い。
 これならばすぐにホテルへ機動部隊の残りを連れて行けるだろう。
 だが、、、、、、
(どういうことだ?)
 ゼルガディスはその疑問に顔をしかめる。
 ルームサービスがリナ達のいた部屋に到着した時間を見ても、食事はあらか
じめ用意していたとしか思えない。
 つまり、ゼルガディス達が無事にガウリイの隠れ家から脱出し、ホテルへ帰
ると予想していたことになる。
 それはいくらなんでも、、、、おかしかった。
 捨てゴマにするつもりなら、あんな大人数を動かすとは思えない。
 また、ホテルの方にばかり金をかける必要はないだろう。
 防弾チョッキを着けていたのだから。
 金がかかることこの上ない。
 それに、ホテルの方が腕の立つ者が多かった。
 明らかにガウリイの隠れ家の方は捨てゴマ。
 けれど、、、、、、、、
(人数はどうみても、50人強、、、、、、)
 捨てゴマにするにはあまりに惜しい。
 ゼルガディスはふと思い付いて、ゼロスへのメールを送る。
 あまりゼロスとの関わりを持ちたくはないが、いた仕方ない。
 今は頼れる人間が少ないのだ。
 ふう、と溜め息をついて、ゼルガディスは寝室を覗く。
 アメリアがベッドの上に突っ伏して寝ていた。
 苦笑してからゼルガディスがアメリアをベッドの布団へ入れる。
 すうすうと寝息を立てるその様はまだまだ子供だった。
 これでもう16である。
 何とも不思議な気がした。
 毛布をアメリアに被せ、ゼルガディスは寝室から出た。
 ドアは閉めずに部屋から離れる。
 リビングではガウリイがソファで寝ていた。
 こいつはこいつで子供っぽい。
 ゼルガディスは自分より年上の男の寝顔をまじまじと見る。
 やっぱり子供じみて見えた。
 くすりと笑って、ゼルガディスは布団をガウリイに被せてやる。
 ぴくりとガウリイが反応したが、そのまま寝入っていた。
(うちには二人もガキがいるわけだ)
 心の中でつぶやいて、ゼルガディスは椅子に腰掛けて電気を消した。
 いつもよりも早い就寝だったと思う。
 暗い闇夜の中で、二人分の寝息が聞こえた。




「、、、、おかしいわ」
 ゼルガディスと全く同じことをしていたリナがつぶやく。
 隣には寝こけているマルチナがいた。
 ここはリナの仕事部屋である。
 散乱している書類の中で、リナはぶつぶつとつぶやいていた。
「何で?あのホテルは、、、、、」
 ばっさばっさと資料をかき分けながら言う。
 お目当ての代物が見つかったのか、リナの動きが止まった。
 食い入るようにその書類を見つめる。
「!」
 すると一瞬にして顔色が代わり、まさに食らい付くような早さでパソコンの
前に座った。
 今はこれしか連絡手段がないのだ。
 躊躇ってなんかいられない。
 カタカタと音が聞こえる中で、マルチナの寝言が響いた。
 いわく、
「ダーリン、早く帰ってきてえ〜(ぐすんっ)」
 だそうである。




 ゼロスはディスプレイを眺めていた。
 メールの送り主はヴァルガーブである。
 どうやらマークはまだ続いているらしかった。
「、、、、、あてにはなりませんね」
 ぽつりとつぶやく。
 ヴァルガーブ達に甘えることは出来ないだろう。
 彼等はずっとマークされているのだから。
 ほう、と溜め息をついて、もう一度メールチェックをしてみる。
 ゼルガディスからメールが来ていた。
「、、、、、、、、、、?」
 眉を寄せて、ゼロスが首を傾げる。
 この頼みに、一体どんな意味があるのか分かり兼ねた。
『ゼロスへ

    頼みがある。至急に、だ。
    麻薬捜査課の機動部隊と同じ制服を着ている部隊を調べてくれ。

                          ゼルガディスより』
 制服、、、、?と訝しみながらも、ゼロスの体は素早く動いていた。




「失礼します!リナさんっっ!」
 ばんっと大きな音をたてて、シルフィールが部屋に入ってくる。
 ドアのそばで寝ていたマルチナがドアに挟まれて悲鳴をあげたが、シル
フィールは気にしない。
「ガウリイ様は、ガウリイ様は無事ですかっっ!!?」
 何やら難しい顔をしているリナに、シルフィールは大声で問う。
 うるさげにリナが眉を寄せた。
「、、、、シルフィール、お願いだから静かにして」
 そのリナの言葉に、慌ててシルフィールが口を手で押さえる。
 それを確認してからリナは口を開いた。
「ガウリイは無事よ。
  ただ顔が割れちゃったからゼル達と一緒にいる。
     その方が断然有利だし、何より安全だしね」
 呻きながら体を起こすマルチナの方を見て、リナは答えた。
 シルフィールは憮然としている。
「じゃあ、ガウリイ様は危険なままなんですね?」
「ゼル達もね」
 ガウリイだけを強調するシルフィールに、含めるように言うリナ。
 静かな沈黙が落ちた。
 訳が分からず、マルチナはきょときょとと二人を見比べている。
 しばしして、リナは嘆息した。
「ゼル達の居場所は教えないわよ」
「何故です?」
「危険だから」
 きっぱりと言い捨てるリナに、シルフィールが不服そうに唇を突き出す。
「私には指をくわえてただ結果を待っていろと言うんですか?」
「そうじゃないわよ。
  けど、貴方が行けば目立つわ」
 その通りだった。
 お嬢様であり、有名な大会社の秘書である彼女がそうほいほいと移動すれば
かなり目立つことになるだろう。
 今、それは避けたかった。
「ガウリイの隠れ家がバレたのも、シルフィールが目立ったからかも」
 ぽそりと言うマルチナに、シルフィールは冷たい視線を投げた。
 それは普段の彼女からは考えられない冷たさで、、、、
「シルフィール」
 名前を呼ばれて、シルフィールはリナに向き直った。
 いくぶん、冷静を装って。
「ガウリイを危険な目に遭わせたくないのなら、行くのはやめて」
 ゆっくりとあやすように言うリナに、シルフィールは憤然としながらも頷い
た。
「分かりました!」





 朝、とは言ってももう11時だが、、、、、
 目を覚ましたゼルガディスは、辺りを見回した。
 まだ寝ているガウリイ、そして向こうの方にアメリア。
 疲れているのだろう、起きる気配のない二人に口の中だけで『おはよう』と
告げる。
 そしてパソコンの前に座り直した。
 メールチェックをし、2通届いていることに気付く。
 1通目、、、、リナからだった。
『ゼルへ

   一つ分かったことがある。
   あのホテルの裏の人間は上院議院と確かに対立した位置にいる。
  けど本人は借金に困ってて、つい最近、何故か借金を全額返済した。
    もしかしたら借金の金と情報を交換したのかも。
        それでボーイがあんな風に。
    これはあくまでもただの仮説。
      あなたの意見を聞かせて。

                             リナより』
 簡潔に書かれた文章を見て、ゼルガディスは思考を巡らせた。
 もしかしたら、、、、、と思っていたことを、リナも考えていたらしい。
 次のメールを開いてみた。
『ゼルガディスさんへ

   ゼロスです。
    制服について、
    麻薬課と同じ制服(機動部隊に限り)を着用しているのは、
     麻薬捜査課と殺人課だけのようです。
    ちなみに、麻薬捜査課の機動部隊は総勢24名。
         殺人課は総勢125名。
     殺人課の割り当ては西に30名。
       東地区は40名。南と北はよく分かりません。

        参考になりましたか?

                   では、ゼロス=メタリオムより』
 ゼロスからのメールに、ゼルガディスは短く口笛を吹いた。
 予想通りだったからである。
 ゼロスがオマケで書いてくれた資料もそれの役にたってくれた。
 これはゼロスに感謝しなければなるまい。
 自分の予想は当っていたのだ。
 ゼルガディスは急いでリナへのメールを書き始めた。
 やられる前にやらなければいけない。
 それには情報が必要不可欠だった。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  こんばんわ!
    あ〜全然話が進まない〜(T_T)

   しかも尻切れとんぼ。
    ご、ごめんなさい〜〜〜〜〜〜〜(ーー;)

   ちょっと時間に余裕がないので、ここで失礼します。


      amyより   

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6175謎が謎を呼ぶ(汗)☆キト E-mail 3/25-20:05
記事番号6174へのコメント


 ばんわ!! キトでふ☆
 うーん、段々なつかしく・・・じゃなくてむつかしく(汗)。
 一文字違いで大違い(何かいてるんだよ)☆


 謎が謎を読んでもうあたしの頭では理解不能。ぐるぐる〜〜(@_@)
 ゼル達の解説をふんふんと読んでいます。
 やっぱりみんな頭いいなぁ。


 ここでツッコミの言葉を2つ。
 「ルームサービスが・・・・」
 あたしにそんなことが解るかっ(何気に肘鉄)!!
 「ホテルが・・・・・」
 風呂場の壁がボロイ(即答)!!!
 嗚呼、スッキリした(汗ふきふき)
 ここにガウリィのボケでもあったら飛び蹴りが出るんだけどな☆(おひ)


 ゼルの家には巨大な子供が1人と小さな子供が1人。
 中くらいの子供が1人。
 覚えておきましょう(笑)


 うーん、資料で溢れているリナの部屋はどんなのだろう?
 覗いてみたい気もする(笑)
 シルフィールが今回怖かった。うーん、般若の顔(滝汗)。
 マルチナは大丈夫だろうか? かなり心配。


>   、、、、、マサルさんって面白いんですか?
 はい、お答えしましょう。
 面白いです。
 ・・・・・・ただ、思いっきり馬鹿丸出しですから(滝汗)
 見ない方がいいかも・・・・・(汗)。
 名前からしてスゴイもん『それいけ(すごいよ)マサルさん』だもんなあ・・。
 出来るだけ見ないで下さい(汗) 



 ではでは、amyさんのレスを付けるのが日課のキトでした★

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6186謎はいつ解きあかされるのか!?(笑)amy E-mail 3/26-19:28
記事番号6175へのコメント

> ばんわ!! キトでふ☆
> うーん、段々なつかしく・・・じゃなくてむつかしく(汗)。
> 一文字違いで大違い(何かいてるんだよ)☆
 キトさん、こんばんわ!
    そっかー懐かしいんですねー(大笑)
   何だかギャグのネタが増えて嬉しい今日この頃。


> 謎が謎を読んでもうあたしの頭では理解不能。ぐるぐる〜〜(@_@)
> ゼル達の解説をふんふんと読んでいます。
> やっぱりみんな頭いいなぁ。
    あっはっは、私、文才ないから〜。
   すみません、分かりにくいですよね>解説
     精進します。もっと簡単かつ楽に読めるように。


> ここでツッコミの言葉を2つ。
> 「ルームサービスが・・・・」
> あたしにそんなことが解るかっ(何気に肘鉄)!!
> 「ホテルが・・・・・」
> 風呂場の壁がボロイ(即答)!!!
> 嗚呼、スッキリした(汗ふきふき)
> ここにガウリィのボケでもあったら飛び蹴りが出るんだけどな☆(おひ)
    あぐっ!(肘鉄)くふう、効きますねえ、キトさんの肘鉄☆
   うふふふ、私にもよく分かりません♪(うおいっ!)
  ガウリイのボケをストレートに出すといつまでたっても会話が終わらない
 ので、最初の設定にはあったはずのボケを急遽削除しました。
     ここにも私の文才のなさが出ております(汗)


> ゼルの家には巨大な子供が1人と小さな子供が1人。
> 中くらいの子供が1人。
> 覚えておきましょう(笑)
   覚えておいて下さい(笑)
     寝顔は皆お子ちゃまです♪
    天使の寝顔でございます。(注:一名は食いしん坊の寝顔)


> うーん、資料で溢れているリナの部屋はどんなのだろう?
> 覗いてみたい気もする(笑)
> シルフィールが今回怖かった。うーん、般若の顔(滝汗)。
> マルチナは大丈夫だろうか? かなり心配。
  おそらくぐっちゃぐちゃの部屋でしょう(笑)
    足の踏み場がほとんどないほどに。
   ガウリイのこととなると恐くなる女、シルフィール。
  マルチナは、、、顔に大きくドアの跡がついただけです、きっと。


>>   、、、、、マサルさんって面白いんですか?
> はい、お答えしましょう。
> 面白いです。
> ・・・・・・ただ、思いっきり馬鹿丸出しですから(滝汗)
> 見ない方がいいかも・・・・・(汗)。
> 名前からしてスゴイもん『それいけ(すごいよ)マサルさん』だもんなあ・・。
> 出来るだけ見ないで下さい(汗) 
   面白いんですね?
     何だか面白い題名ですが。
    出来るだけ見ないで、、、って、、、、え、、、、?


> ではでは、amyさんのレスを付けるのが日課のキトでした★
  ありがたい日課です。嬉しいです、もう本当に。
    あ、キトさんの投稿小説読みましたよ〜。
   ゼルったら可愛い♪
  きっと彼の運はいいんです。
     お幸せに〜。
   こんなとこに感想書いてすみません(ううう)


       amyより

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6188小さな鉢植え 第二十四章 覚悟amy E-mail 3/26-20:35
記事番号6174へのコメント


 ゼルガディスはメールを送り終わると、ガウリイを起こしにかかった。
 寝起きが悪いのは知っているので、いきなりソファから引きずり落とす。
 どすんっ
「うぎゃっ」
 面白い、、、じゃなかった、奇妙な声をたてて、ガウリイが起き上がる。
 その顔は不満がありありと見てとれる表情で。
「何笑ってるんだ」
 思わず口の端を上げてしまったゼルガディスに、ガウリイがますます不満顔
で言った。
 ゼルガディスは「別に」と答えると、アメリアを起こしにかかる。
 こちらは比較的楽に起きてくれるので、普通に体を揺らして起こす。
 猫のように伸びをしてから、アメリアは挨拶をしてきた。
 こちらも挨拶に答えてやるとにっこり笑う。
「顔洗ってきますね」
 ぱたた、、、と足音をたてて洗面所へ向かう後ろ姿を見て、ガウリイがふっ
と微笑んだ。
「何か『普通』って感じでいいなー」
「どういう意味だ?」
「さあ、俺にもよく分からん」
 何故か満足顔でそう言うと、ガウリイも洗面所へ向かった。
 ゼルガディスは台所に向かい、朝食、もとい、昼食の準備を始める。
 一時とはいえ、柔らかな時間が過ぎて行った。
 これから起こることはそっちのけに。



「!」
 ゼルガでィスからのメールを見て、リナは絶句し、青ざめた。
 まさか、、、、という考えが頭の隅をよぎり、、、、、、
「大丈夫よ、ゼルなら、きっと大丈夫、、、、、」
 自分を安心させるためにつぶやく。
 けれどその不安は大きくなるばかりで。
 マルチナもそのリナの様子に良からぬことを想像したのか青ざめた。
「何よ?ちょっとどうしたのよリナ?」
「、、、、」
 黙っているリナがじれったくて、マルチナはリナを押し退ける形でパソコン
の前に立った。
 書いてある内容にさっと目を通し、、、、、
「ちょっ、ゼルガディス様、何考えてるの?」
 悲鳴に近い声でマルチナが言う。
 次いで、マルチナがリナの両肩を掴んだ。
「ちょっと、ほっといていいの!?」
 がくがく揺らしても、リナはマルチナを見ようとしない。
 いらいらしながらマルチナが叫んだ。
「ゼルガディス様、死ぬ気かもしれないのよ!!?」




 簡単に食事をとった後、ゼルガディスはガウリイに一言言った。
「ガウリイ、ここは今日中に襲撃される」
 あまりにも冷静な物言いに、ガウリイは一瞬何を言ったのか分からなくな
り、、、
「ふへ?」
 間の抜けた声をあげた。
 顔も同様である。
 ゼルガディスは苦笑しながら繰り返した。
「今日中にここが襲撃される。
   逃げ道を一応気休め程度に確保した。
          アメリアのことは、頼む」
「、、、、」
 呆然とするガウリイを見て、ゼルガディスは自分の頭をぽりぽりと掻いた。
 居心地悪そうに。
「頼むって、、、、、どういうことだ?」
「、、、、、まあ、そのままの意味だ」
 やっと口を開いたガウリイの言葉に、ゼルガディスはさらりと答える。
 あまりにさばさばしているので、それがいかにも重要ではないかのように感
じてしまう。
 けれど、現実は違うことを、ガウリイはなんとなく認識していた。
「、、、、、何考えてんだ?」
「あまりいいことではないことだけは確かだ」
「何でそんなに冷静なんだ?」
「、、、、、いつかはこうなるだろうと覚悟していたせいかもな」
「どうして?」
「、、、、、ろくでもない商売してるからじゃないのか?」
「俺に頼むって、、、、お前は?」
「、、、、、まあ、人間いつかはこうなるさ。誰でも」
「、、、、、そんなこと言われて、俺が素直に頷くとでも?」
「、、、、、、、」
 ガウリイの言葉に、ゼルガディスは困ったように笑う。
 先程から微笑をよく見せるが、普段の彼からは考えられないことだった。
 ガウリイは何故だか腹を立てる。
「俺は絶対、見捨てないぞ」
「アメリアは?彼女はどうなる?」
「お前が一緒に逃げればいい」
「、、、、、、無理だ」
「何でだよっ!?」
 がたんっと椅子が音をたてて倒れた。
 ガウリイが勢いよく立ち上がったためである。
 憤るガウリイの正面には、冷静に座っているゼルガディスの姿があった。
「ガウリイ、俺はアメリアを助けたい。
     、、、、、、、、、、あんたもだ」
「?」
「あんたが死んだら、、、、、リナに殺される」
 苦笑を浮かべるゼルガディスに、ガウリイは呆然とした。
 意味がよく分からなかったのだ。
「今回ばかりは、絶対に犠牲者が出る。
    それを少なくするには、誰かが囮になるしかない」
「だったら俺が、、、、」
「だから」
 ガウリイの言葉を途中で遮り、ゼルガディスが続ける。
「だから、俺が残る。
  旦那が死んだらリナが苦しむ。
    泣くだろうよ、たぶん。
   その後、アメリアの身柄はリナに委ねるしかない。
      俺は何としてでも元凶を殺す気でいるが、、、、
    殺した後どうする?アメリアはまた誰かに狙われる。
      リナがニュースを使ってアメリアを守るしかない。
           ペンは剣よりも強し。
      マスコミにアメリアを保護させるしか、ないだろう?
          せめて、ほとぼりが冷めるまでの間は、、、、、な」
「、、、、、」
「リナには、、、、元気でいてもらわなくては、困る」
 ゼルガディスの言葉に、ガウリイはその場に固まってしまう。
 彼の言うことは、正しいのだ。
 何も、どこにも落ち度はない。
 正しい。
 けれど、ガウリイにだってゆずれない。
 ゼルガディスを、古い友人を見捨てるのは、どうしても嫌だ。
「、、、、納得出来ない」
「ガウリイ」
「絶対、出来ない」
「ガウリイ」
 首を振るガウリイに、ゼルガディスはまるで子供をあやすかのような口調で
ガウリイを呼ぶ。
「それを言うなら、アメリアだって悲しむぞ。
    ゼルが死んだりしたら、絶対、悲しむ。俺には分かる」
「それはあり得ない」
「何で」
 こちらを睨めつけるガウリイに、ゼルガディスは肩をすくめて見せた。
 ゆっくりと椅子から立ち上がって、ガウリイの前に立ち止まる。
「、、、、まだ会って、、、、一週間も経ってない」
「じゃあどうしてゼルは命をかけるんだよっっ!!」
 ばんっ!とガウリイが机を叩いた。
 本格的に怒っている。
 それは分かっていても、不思議と恐いと感じなかった。
「、、、、なりゆき、、、、、かもな」
「、、、、、ゼルはっ!」
 何を言えばいいのか分からず、ガウリイは言い淀んだ。
 ゼルガディスは黙って待っている。
「ゼルはっ、ゼルはっ!何で、、、、、」
 上手く言えない。
 口ベタな自分をもどかしく思いながら、ガウリイは続けた。
「何でそんなこと?絶対、いつものゼルなら、、、、、違うのに?」
 ああ、やっぱり上手く言えない、、、とガウリイは心の底で落胆する。
 なんて自分は馬鹿なのだろうと、頭を抱えた。
 それが伝わっているのか、ゼルガディスがこちらを見て苦笑している。
「ああ、違うだろうな。
    あえて言うなら、、、、気に入ったのさ、あいつが」
「、、、、」
 返す言葉が全然思い付かなくて、ガウリイは呻いた。
 ゼルガディスが無理というのなら、きっと無理なのだろう。
 誰かが囮にならなければ、本当に無理なのだろう。
 アメリアを助けたい、というのも分かる。
 助けるために、苦労してたのだから。
 無報酬と分かっても。
 それでもリナが手をかしたのは、何だかんだといっても人がいいから。
 皆そうだ。分かってる。理解出来る。
 自分だって死にたくはない。
 でも、ゼルガディスを見殺しになんか出来そうにない。
「俺には、無理だ」
「出来るさ、いざとなれば」
 本心を語るガウリイに、いとも簡単にゼルガディスが言う。
 冷や水を被ったような気がした。何となく。
(こいつ、、、、死ぬ気だ、、、、、、)
 何故か確信する。
 このままではいけないと本能が告げた。
「ゼルっ!俺は、、、、、」
 こんこんっ
 ガウリイが何か言いかけた時、ドアからノックが聞こえた。
「入っていいですか?」
 聞こえてくるのはアメリアの声。
「ああ」
 ゼルガディスはすぐに承諾した。
 言葉を続けることが出来なくて、押し黙る。
「どうした?」
「いえ、物音がしたから、、、、、」
 ケンカしてたんですか?というアメリアの問いに、ゼルガディスは微笑みな
がら首を横に振って見せた。
「いや、ちょっとな」
「そうですか?」
 訝しむアメリアに、ゼルガディスは頷いた。
 ああ、とガウリイは思う。
(ああ、笑ってる。ゼルが。やっぱり、、、、、、)
 死ぬ気なのだ、と確信した。
「アメリア、これから襲撃される。
   俺が食い止めてる隙にガウリイと逃げろ。
     リナの所にだ。後から絶対、俺も行くから」
「、、、、、はい」
 不安そうに、それでもアメリアは頷いて見せた。
 嘘つきめ、、、、とガウリイは心中で思う。
 この男は嘘をついている。しかも上手に。
「作戦を立てるから、、、、ちょっと向こうの部屋で待ってろ」
「、、、、はい」
 存外素直に、アメリアは部屋から出て行く。
 それを見送ってから、ゼルガディスはガウリイに向き直った。
「、、、、脱出口は、ダストシュートになる」
 こちらの複雑な心中も無視して、ゼルガディスは本当に作戦を練り始めた。





「、、、、マルチナ、私、どうしよう?」
 珍しく弱きに、リナはつぶやいた。
 マルチナがいらいらと首を振る。
「とめるのよ!決まってるでしょ!
   皆で行けば、絶対何とかなるに決まって、、、、」
「、、、、、、」
 反応のないリナに、思わずマルチナが押し黙る。
「、、、、、確かに、誰かが囮にならないと。
     誰かを犠牲にしなくちゃ、無理かもしれない。
        ゼルの判断は正しいよ。ゼロスもきっとそう言う」
「だからって、見殺しにするつもりっっ!!?」
 たまらず叫ぶマルチナに、リナはゆっくりと目を向けた。
「私達、どうするの?ゼル達はプロよ?私達は違う。
      行っても足手まといになるだけかもしれない。
         反対に、迷惑なだけかもしれない。
              だったら、ここでアメリアを待って、、、、」
 マスコミの力で彼女を守る方が、絶対自分に出来ることだ、と思う。
 リナは、それを口に出せなかった。
「私、見殺しになんかしたくないっっ!」
「私だってそうよっっ!!」
 マルチナのヒステリックともとれる声に、リナが叫んだ。
 自分だって、見殺しになんかしたくない。
 けど、、、、、、、
「ガウリイに、、、、、ガウリイを信じるしかないでしょう!!?」
 後ろめたさに、リナは叫ぶ形で言った。



「ゼルガディスさん、本当に?」
「ん?ああ」
 アメリアの問いに、ゼルガディスは頷く。
 植木鉢を布の袋に入れ、アメリアに手渡した。
「先に、これを持って脱出してくれ。
     これを取りに、お前の所に行く。約束の印だ」
 受け取って、アメリアはまた不安そうにゼルガディスを見上げた。
「絶対?」
「絶対だ」
 嘘だけれど、と心の中でゼルガディスはつぶやく。
 ひとまず安心したのか、アメリアは袋を大事そうに抱き締めた。
「早く戻って来ないと、捨てちゃいますからね」
 いたずらっこのような笑顔で、アメリアがあっかんべーをする。
 ゼルガディスは小さく笑いながらアメリアの頭を撫でた。
 アメリアはぱたぱたとリビングに向かう。
 それを見送りながら、ゼルガディスは溜め息をついた。
(『戻る』、、、、、、か)
 なんとはなしにくすぐったさを感じながら、ゼルガディスは武器を手に取
る。
 これが、最後かもしれなかったから。




『キッパード氏への任務連絡事項。
   今日午後6:00、ルナ=インバースの名義で借りられている、
   マンションの一室を襲撃すること。
    ゼルガディスという男と、アメリア嬢が在宅している。
     これは確認済みなり。
   二人共、なるべく生かして捕らえるべし。
    アメリア嬢は保護せよ。
      ゼルガディスという男に関してはやむおえない場合は、
    仕方ないということで処置をとる。
      警察の殺人課の機動部隊は大打撃を受けているため、
     出動出来るのはわずかに10人弱ということ。
    麻薬捜査課の方で部隊を要請すべし。
      また、現場確認のために貴方も出動すること。
             幸運を祈る。              』

 以上、キッパードのメールアドレスへのハッキング内容。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 はい!第二十四章終了です!

  ふう〜やっとここまで来ました〜!
    早く終わらせたいです(涙)
  えっと、ここで一つ解説。

  結局、ガウリイの隠れ家を襲撃したのは殺人課の方の機動部隊。
   ホテルを襲撃した方が麻薬捜査課の方の機動部隊ということです。
  だから上の方に『大打撃』とあるわけです。
     麻薬捜査課の方には50人も機動部隊がいませんので。

  ううう、説明しないと分からないですよね。ごめんなさい。

 あ、ちなみにもう一つ。
     良いコの皆さん、ハッキングは犯罪だから、しちゃダメよ♪

 、、、、、すみません、言ってみたかっただけです。


     ではでわ

        amyより      

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6190あぁぁぁぁ・・・・・(T-T)雫石彼方 3/27-02:45
記事番号6188へのコメント

お久しぶりのレスになりました、雫石です。

ゼルが・・・・ゼルがぁぁぁぁ(涙)
いよいよ最後の悲劇に向けて動き出したって感じですね。何も事が起こってない今から思わず泣いてしまった今日この頃です(^^;)
ゼルの嘘を何の疑いも無く信じ切ってるアメリアが見てて切ないです;ガウリイやリナ達もやりきれないですよね・・・・(泣)
でも、これからどうなっていくのかしっかり見届けたいと思います!
続き頑張って下さい。

では。

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6191お久しぶりです〜!amy E-mail 3/27-18:00
記事番号6190へのコメント

>お久しぶりのレスになりました、雫石です。
 お久しぶりです!雫石さん!
   はわわあ〜何だかとっても嬉しいです。
  わ〜い、雫石さんのレス〜♪


>ゼルが・・・・ゼルがぁぁぁぁ(涙)
>いよいよ最後の悲劇に向けて動き出したって感じですね。何も事が起こってない今から思わず泣いてしまった今日この頃です(^^;)
  あははは。あは(^^;)
    すいません、今回は完璧に悲劇です、、、、
   人によってはアンハッピーエンド。
     すいません、、、、、(T_T)


>ゼルの嘘を何の疑いも無く信じ切ってるアメリアが見てて切ないです;ガウリイやリナ達もやりきれないですよね・・・・(泣)
  アメリアは基本的に凄く素直な性格だと思うんですよ。
     滅多に人を疑わないし、知り合いの言葉なら
   大抵は無条件で信じちゃうわけで、、、、、、
     気付いた時にはもう遅いってこともあると思うんです。
    リナやガウリイもなるべく人のことは信用するし、
    疑ってばかりじゃないけれど、やっぱりアメリアと比べると、、、、
  うん、疑ってしまいますね。
      だから嘘かどうかとかある程度見分けちゃうわけで、
    それなのに何も出来ないと自分を責めちゃうんでしょうね。
    特にリナちゃんは。
      ガウリイは『喉元過ぎれば熱さ忘れる』っぽいですけど。
    もしくは表に出そうとしなかったり。
  やっぱり二人ともやりきれないでしょう。うん。
    リナなら後悔したくないからって何かするんでしょうね。
   でも自分が足でまといになるのも嫌だと思うんです。
 、、、、、ああ!語ってしまった!すみませんっっ!


>でも、これからどうなっていくのかしっかり見届けたいと思います!
>続き頑張って下さい。
 はい!見届けてやって下さい!
    精一杯頑張らせていただきますので!


 ではでわ

      amyより

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6192小さな鉢植え 第二十五章 夢のまた夢amy E-mail 3/27-19:54
記事番号6188へのコメント


 目の前にはキッパードという男の顔写真。
 特徴は別にない。
 普通のサラリーマンのような、そんな男。
 こんな男が麻薬捜査課の課長をしていて、しかも癒着や横領、賄賂までして
いたというのだから驚きだ。
 心底そう思って、ゼルガディスは溜め息をついた。
 パソコンの電源を切り、そのパソコンにコルトガバメント45口径を向け
る。
 どんっ!ぼひゅっ!ぐわしゃんっっ!!
 パソコンを粉々に壊し、レゾの残した暗号解読のフロッピーを割る。
 まとめて部屋の隅に転がした。
 残してしまうと他に困る物はあるだろうかと考える。
 思い付かなかった。
 服や家具が残っていても、別に困らない。
 ゼルガディスの家にある資料のことが頭を掠めたが、あれは自分が死んだ後
にでもリナが始末してくれるだろう。
 となると、思い付かなかった。
 もう一度溜め息をついてから、ゼルガディスは武器の確認をする。
 足りないかもしれなかった。
 どれくらいもつものか、さっぱり見当もつかない。
 麻薬捜査課の方は人数が少ないためか武器や防具は充実しているらしい。
 勿論、麻薬のせいで狂人と化している人間に向かっていくのだから当然とい
えば当然の装備かもしれないが、、、、、。
 残っている手榴弾は15個。
 銃火器は安心出来る程はない。心もとないかもしれない程度。
 無論、普通の人間が見れば越しをぬかす程あるのだが、、、、
 ふう、とまた溜め息をつく。
 今日でこれで何度目だろうかと、ゼルガディス自身思った。
 銃を手にし、久々にその重さに驚く。
 ああ、やっぱりこれが人の命の重さなのだな、とどこか場違いなことを考え
た。
 次いで、今まで使わなかったナイフを電燈にかざす。
 光りを鈍く反射した。
 最初に人殺しをして以来、ナイフにじかに触ったことなどなかった。
 一体何年ぶりだろうか?
 しかも、これはその最初の殺しに使ったナイフだ。
 ほんの少し、刃こぼれしている。
 血のくもりはなかったが。
 ふう、とまた溜め息が出た。
 思わず苦笑してしまう。
 これを使わなければならない時が来るのかもしれない。
 銃の弾が全てなくなって、どうしようもなくなったら、、、、、
 一瞬にして沸き起こる嫌悪感。
 自分のこの手でじかに人を殺すことによる嫌悪の予感。
 銃のように飛び道具ではなく、この手でじかに。
 恐い、とこれまた久々に感じた。
 自分を情けないと思う。
 女のようにうじうじと、情けない。
 そうは思っていても、体は正直な物で、これ以上ナイフを手で持っていられ
る自信はなかった。
 鞘に戻してベルトにくくりつける。
 何故だか銃よりもずっしりと重く感じた。
 そのナイフから目を反らそうと顔をあげると、壁にカレンダーが掛けてあっ
た。
 今日の日付けを見て、ああ、と息を漏らす。
 自分の、20回目の誕生日だった。




「ガウリイが、ガウリイが何とかしてくれるのを期待するわ。
    ゼルとアメリアの身柄は私が確保して、それで、、、、、、」
 冷静になろうと必死になるリナに、マルチナは眉を寄せた。
 疑問だった。
 普段の彼女ならば自ら赴き、そして苦境を打破しようとするものなのに。
 今回に限っては、それがなかった。
 不信に思って、リナがトイレにいっている間にリナの資料を片っ端から調べ
てみる。
「、、、、違う、違う、違う、これも、、、違う、、、、、」
 つぶやきながらばっさ、ばっさと紙を投げる。
 どれもこれも今回に関係のない事件の資料ばかりだった。
 思わずムキになりながらあちこちを調べる。
 最後に手にかけたのが、パソコンのキーボードの下に挟まっている紙だっ
た。





「、、、、ガウリイ」
 一声呼んで、ゼルガディスはガウリイに2丁の銃を手渡す。
 ウージー9ミリサブマシンガンと、コルトガバメント45口径。
 片方は大人数相手に有利な武器、もう片方はゼルガディスの愛銃と同じ種類
のものだった。
「?」
 不信げなガウリイに、ゼルガディスはふっと肩をすくめて見せた。
「餞別だ、アメリアを頼む」
 餞別、、、という言葉にガウリイはどうしてだか反応した。
 何となく、聞き逃してはいけない言葉だったと思ったから。
「、、、、そろそろだ」
 腕時計を見たゼルガディスに言われて、ガウリイはアメリアの元へ歩み寄
る。
 針は午後の5時57分を指していた。
「アメリア、後3分、、、、、」
 ガウリイが言いかけた時だった。
 だんだんだんだんっっっっ!
 銃声が聞こえたかと思うと、ゼルガディスのすぐ近くの壁に穴が開いた。






「リナっ!」
 リナがトイレから戻ってくると、マルチナが世にも恐ろしい顔で仁王立ちし
て待っていた。
「どういうことよ!何で言わなかったわけ!!?」
 そう言ってリナの目の前に一枚の紙をぴらぴらと見せて振る。
 そこにはゼルガディスへの襲撃に参加するメンバーが簡単に書かれていた。
 一体どこから手に入れたのかは分からない。
 一般市民は一生お目にかかれない情報だった。
「何で、何でSWATがいるのよ!!?」
 マルチナの言葉通り、殺人課、麻薬捜査課の他に、そこには確かにSWAT
と書かれている。
 マルチナは続けた。
「これって政府の中で一番銃撃戦に慣れていて、
    さらに腕の立つ人達のことよね!?
   いくらガウリイ様やゼルガディス様でも、勝てるわけないじゃない!」
 さらに突き付けるようにリナの前に突き出す。
 リナは無反応だった。
「自分が足手まといになるっていう根拠はこれなわけ!?
    あんたは自分が絶対にかなわない相手には尻尾巻いて逃げるの!?」
 その言葉に、リナがきれた。
 ぱあんっという音と衝撃。
 マルチナは勢いのままに横倒れになる。
 マルチナの片頬は真っ赤に腫れ上がっていた。
「私が平気だとでもおもってるわけ!?
  自分のプライドのせいで全員巻き込んじゃったらそれこそ無意味よ!
      本末転倒でしょう!!?
  プライドやポリシーだけじゃ生きてけないのよ!
    それを語るのに見合う力も必要なの!
       この世界では!!
    逃げるとか逃げないとか、簡単に二つに割り切れたりしないのよ!」
 はあはあと荒い息をしながら、リナは叫ぶ。
 マルチナは腫れた方の頬を押さえて呆然とリナを見上げている。
「足手まといになる根拠はそれよ!ええ、それよ!
    私一人が犠牲になるので済むなら、いくらでも命かけるわよ!
  でもね、今回は私じゃないの!
    どうしても、違う誰かも犠牲になるのよ!
    私がいればいた分だけ余計な犠牲者を出すだけなのよ!
      勿論、ゼルを見捨てたくなんかないわよ!
     そんなの、絶対絶対嫌!でもどうしようもないのよ!
  だからって、どうしようもないからって割り切れる程強くないのよ!
     だからこんなとこでうじうじ考えてるんじゃない!
    もしもゼルも助かったらその場合はって!!
     そんなことしか私には出来ないのよ!
     もしもっていう『仮定』に頼ることしか!
       確率は限りなく0に近いわ!
      でも、でもここで諦めたら本当に0になっちゃうじゃない!
     1、あるかもしれないものが完璧に0になる!
    0にするよりは1を信じてた方がいいに決まってるでしょ!?
    自分がわざわざ出向いて、1を0にしちゃうよりはいいでしょ!?」
 言いたいことを全て吐露し、リナは荒い息のまま沈黙した。
 やるせなかった。
 マルチナはまだリナを呆然と見上げていた。



「早く逃げろっっ!」
 ゼルガディスの声が聞こえて、アメリアの思考回路はやっと正常に働き出し
た。
 目の前で予告も心の準備もなしに発砲されたのだ、放心状態になっていた。
 さすがにガウリイは平気だったようで、アメリアを庇うように立っている。
 ゼルガディスは発砲してきた方へ銃を構えた。
「3分も早いぞ!」
「そうだな!」
 ガウリイの言葉に、ゼルは叫んだ。
 自分にだって、何故3分も早いのか分からない。
 多分に自分と向こうの時計の差だろうが。
 だんだんっっ!だんっ!
 次々に打ち込まれる銃撃の数々に、アメリアがたまらず悲鳴をあげた。
 見るとアメリアの足下に穴が開いている。
「アメリア、逃げろ!」
「嫌です!」
 ゼルガディスの言葉に、アメリアは初めて反抗を見せた。
 植木鉢の入っている袋を持ったまま、アメリアはその場を動こうとしない。
「ゼルガディスさんも一緒じゃなくちゃ嫌です!」
 想像以上の銃撃に、情緒不安定になっているようだった。
 四方八方からの銃撃に、ゼルガディスは舌打ちをした。
 そうこうしている間にも、銃撃は次々とくり出されている。
「アメリア!」
 ゼルガディスの叱責に、それでもアメリアは首を横に振る。
 それはひどく頑なだった。
「ガウリイ!頼む!」
 ゼルガディスの声に答え、しぶしぶながらもガウリイがアメリアを抱き上げ
たその時だった。
「いやああああああああああっっっっっ!!!!」
 アメリアが悲鳴をあげて滅茶苦茶に手足を振り回す。
 暴れて手のつけようがないほどだった。
「ゼルガディスさんっ!ゼルガディスさんっっ!」
 ゼルガディスを呼びながら、アメリアは銃撃の中ゼルガディスの元へ走って
くる。
 慌てたのはゼルガディスだった。
「馬鹿っ!」
 物陰から飛び出ると、アメリアを抱えてゼルガディスは走った。
 つい今さっきまでゼルガディスがいた場所に蜂の巣が出来る。
 ざざっとまた物陰に隠れて、ゼルガディスは怒鳴った。
「何考えてるんだ!
  約束したろう!先にガウリイと逃げてると!!」
「だって!だって!ゼルガディスさん!!」
 涙目になりばがら、アメリアは震える。
 それでも、手はゼルガディスの服を掴んで離そうとしなかった。
 だんだんだんっっっっっ!!!!
 また銃撃が激しくなる。
 これでは体を少し移動させるのも命がけであろう。
 ゼルガディスはまた舌打ちをした。
「ゼルガディスさんと一緒がいいです!」
「ダメだ!絶対お前の所に戻るから!」
「嘘!!」
 ゼルガディスがほんの少し目線を反らしたことに気付き、アメリアは叫ん
だ。
「嘘!だって今目を反らしたじゃないですか!!」
「アメリア!」
 尚も言い募ろうとするアメリアに、ゼルガディスはまた叱責した。
 効果はほとんどないにしても。
「ゼルガディスさん!目を反らしたじゃないですか!」
「アメリア!」
「嘘つきがそういうことするんです!」
「アメリア!」
「こんな中じゃ絶対、囮になったら絶対、、、、、」
「アメリア!!!!」
 アメリアの体を揺すぶって、ゼルガディスは声の限りに名前を呼んだ。
 びくっとアメリアは震えて大人しくなる。
「アメリア、約束だ、絶対だ、だから、逃げろ」
 出来うる限りに優しい声で言う。
 けれどアメリアは小さな子供がいやいやをするかのように首を振った。
「アメリア、、、、、」
 たしなめるように名前を呼んでも、首を振る。
「ゼルガディスさんと一緒にいたいです、、、、、、、」
 か細い声で言う。
 銃声で聞き取るのが難しいくらい、小さな声で。
 困りはててゼルガディスはガウリイに目をやる。
 ガウリイも首を横に振って物陰に隠れた。
 銃撃の中で、ゼルガディスは溜め息をついた。
 恐らく、吊り橋効果というやつなのだろう、と思う。
 吊り橋効果というのは吊り橋の上にいる男女が恋をしてしまうことである。
 命が危険な状況にある男女の二人が、本能的に子孫を残そうと脳が電波を発
してしまい、恋をしているのだと錯覚するのだ。
 アメリアは現在、その状況なのだろう。
 ゼルガディスはそう思い、アメリアを諭した。
 けれどアメリアはそれを認めようとしない。
 この銃撃のさなか、これ以上会話を長引かせる命とりだ。
 困り、ゼルガディスはアメリアを眺めた。
 せめてこの子は生かしてやりたい。
「、、、、私、、、、」
 決心したような面持ちで顔をあげたアメリアに、ゼルガディスは慌てた。
 このままではいけない。
 下手をしたら、この子は自分に告白するかもしれない。
 それは、困る。
 自分の方が手放し難くなってしまう。
 一緒に逃げようとしてしまう。
 そうしたら、恐らく自分達は全滅するだろう。
 遅かれ早かれ。
 思ったゼルガディスはアメリアの口を手で塞ぐ。
 そして息を吸い込んだ。
 これから言うことは、この子にとって酷かもしれない。
 いや、酷だろう。
 けれどこう言えばこの子はきっとガウリイと逃げる決心がつくだろうし、自
分も安心してここで囮になれる。
 その後、彼女は悲しむだろうが、吊り橋効果程度の恋でしかないのだからき
っといつしか自分は思いでの一つになるだろう。
 ちょっと人とは違った思いでを持つだけ。
 自分をそう説得して、ゼルガディスは声を出した。
「アメリア、これが終わったら一緒にどこかに住もう。
      まともな職を探して、普通に暮らそう。
         そうすればお前さんの食事をまともに食べられるし」
 なるべく優しい微笑みを顔に乗せて、ゼルガディスは言う。
 夢のような話だと思った。
 本当に、夢のような。
 出来るなら、本当にそうしたいけれど。
 自分には一生無縁な話。
 そしてそれはこれから証明される。
「今日、俺の20才の誕生日なんだ。
      後で一緒に祝ってくれ、アメリア」
 口に出して、初めて思い出す。
 ああ、そういえば誕生日だったのをさっき確認したな、と。
 それもまた、夢のような話だ。
 いや、夢ですらない。
 ただの憧れ。
「絶対に戻る、だから、一緒に祝ってくれ」
 言いながらアメリアの頭を撫でた。
 不安そうに彼女は自分を見上げてくる。
 銃撃戦のさなかに自分は一体何を言っているのだろう、とおかしく思った。
「約束だ」
 最後まで、目は反らさなかった。
 それを理由に嘘だと思われないように。
「約束、、、、?」
「ああ、約束だ」
 本当にそれが守れたならどんなにいいだろうか、とゼルガディスは思う。
 頷くアメリアを見て、心の隅で謝った。ごめんな、と。
「ガウリイ!」
 銃声に遮られても声が聞こえるように、ゼルガディスは大声で呼んだ。
 一瞬にしてガウリイがこちらへ飛び込んで来る。
「、、、、後は頼む」
 ゼルガディスの言葉に、ガウリイは残念そうな顔をした。
 アメリアに説得されてくれると思っていたのだろう。
 しぶしぶ、アメリアを抱きかかえる。
「、、、、じゃあ、またな」
 極上の笑みを浮かべて、ゼルガディスはアメリアに言った。
 アメリアが頷いた後、ガウリイはそのまま銃撃を避けて走って行く。
 ゼルガディスは覚悟を決めて立ち上がった。
 だんだんだんだんんっっっっ!!!
 発砲してくる方向に銃を放つ。
 2、3銃撃がやんだ。
 そのままゼルガディスは部屋から躍り出る。
 思った通りに武装した集団が固まっていた。
 ガウリイとアメリアの姿はない。
 恐らく上手く隠れながら逃げられたのだろう。
 安堵して、ゼルガディスはにやりと笑った。
 武装集団に向かって、ゼルガディスは高らかに声をあげた。
「俺はここだ!」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 はい!第二十五話、終了です!

  補足!ゼルはちゃあああんとアメリアに惚れております!
      自分ではあんまし正確に気付いてないです!
    アメリアは気付いてるけど告白するチャンスを逃しました!
  ああああああ!ごめんなさい!
     期待していた方、すみませんんんんんんん!!!!


    amyより

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6193小さな鉢植え 第二十六章 春の風amy E-mail 3/27-21:45
記事番号6192へのコメント


 銃撃から身をかわしながら、ゼルガディスはひたすらに走った。
 急な銃撃のおかげで、武器もまともに持っていない。
 悪態をついて、ゼルガディスは手榴弾をいくつか投げた。
 曲り角にまがって、身を臥せる。
 後ろで大爆発が起きた。
 熱気が多少こちらに来たが、仕方がない。
 ウージー9ミリサブマシンガンを強く握って、ゼルガディスは深呼吸した。
 ばっと壁から腕を出して乱射する。

 ぱららららららららららららっっっっ!!!!

 タイプライターに似た音と共に、幾人かの悲鳴が聞こえた。
 向こうも負けじと撃ってくる。
 SWATだけあって、正確なショットだった。
 防戦一方になりながらも、ゼルガディスは手榴弾を投げる。
 爆発が起きたが、数は減っていないようだった。
「くそっ!」
 角をそのまま曲がり、窓ガラスを割る。

 がっしゃあああああんっっ!

 凄まじい音に気付いて、武装集団がこちらに駆けてくるのが分かった。
 ゼルガディスはまた角すれすれに戻り、人の顔が見えたと同時に乱射する。

 ぱららららららららららららららららっっ!かちっ!

 大人数を仕留めたが、弾切れになる。
 ゼルガディスは忌々し気にウージー9ミリサブマシンガンを投げ捨てると、
大きく弧を描きながら回し蹴りを放った。
 がつっ!
 音を立てて一人倒れる。
 そこへ手榴弾を投げ、窓の所まで行き、外へ飛び出た。

 どおおんんっっっっっっ!!!

 窓の外まで炎が溢れる。
 火炎がおさまったのを見て、ゼルガディスはまたマンションの中に戻った。
 ばったり敵に遭遇する。
「ちいっ!」
 舌打ちしながらも手刀を放った。
 首根っこを撃たれ、それは昏倒する。
 腰のベルトからブローニング・ハイパワー9ミリを取り出し、撃った。
 何人かが倒れ込み、痙攣している。
 それを見届けもせずに、ゼルガディスは大声で言った。
「俺はまだ生きてるぞ!!」
 その声に反応して、また新たに敵が出てくる。
 ゼルガディスは溜め息をついた。





「じっとしてろ」
 ガウリイの声に、アメリアは素直に頷いた。
 ここはダスト・シュートの一番下。
 すなわちゴミの上である。
 上から聞こえてくる銃声や爆音に、アメリアが震えた。
 ガウリイは構わずにゴミを掘って下への道を作っている。
「、、、、、」
 無言で、上を不安気に見上げるアメリアが痛々しかった。





「ぐっ!」
 左腕を打ち抜かれ、ゼルガディスは小さく呻いた。
 血が蛇口の水のように溢れ出ている。
 これはすぐに処置しなければならない、と理性が告げた。
 処置してどうするのだ、ともう一人の自分が笑う。
 ゼルガディスは簡単にハンカチを裂いて腕に巻くと、そのまままた走り出し
た。
 ただの自殺行為としかとれない突撃。
 うろたえる敵を目前に、ゼルガディスは撃った。
 額を打ち抜かれて男が倒れる。
 ゼルガディスは敵のど真ん中でにやりと笑うと、窓ガラスを割って外に躍り
出た。
 屋根をつたって下へ降りて行く。
 敵もこちらを撃ちながら後に続いて来た。
「男が逃げました!外へ!大通りに向かっています!
              至急応援を呼んで下さい!」
 トランシーバーに向かって言っている男の声を聞き、ゼルガディスはほくそ
笑む。
 それでいい、ついてこい。
 ゼルガディスは走った。
 後ろを決して振り返らずに。





 どんどん遠くなっていく銃声に、ガウリイが動いた。
 ダスト・シュートの外を覗き、きょろきょろと見回す。
 人がいないことを確認し、ガウリイはアメリアと走り出した。
 ゼルガディスとは反対方向の、リナの仕事場へ。




 車で追い回され、ゼルガディスは肩で息をしながら座り込んだ。
 無論、物陰である。
 車の窓をちらちら盗み見て、キッパードを探した。
(、、、、、、いた、、、、、、、、)
 見つけた。
 ゼルガディスは素早くその車に狙いをつけて撃った。
 車のタイヤがパンクし、ぐるぐると回転して建物に衝突する。

 どぎゃああっっ!

 摩擦で火の粉が出ていた。
 爆発、炎上するには及ばなかったらしい。
「ちっ」
 小さく舌打ちして、移動する。
 建物の中に入り、上から射撃した。
 ぱんぱんっ!と、近くにいた人間の頭を撃ち抜く。
 残ったキッパードがこちらを凝視した。
 ゼルガディスのいる2階からはキッパードの表情までは伺えない。
 キッパードが何やら叫んだのは見て取れた。
 一斉に回りの武装集団がこちらに銃を構える。
 身の危険を感じて、ゼルガディスは咄嗟に部屋へ隠れた。
 だんだんだんだんだんっっっ!!
 銃弾の雨が降り注ぐ。
 ゼルガディスは窓に向かって残りの手榴弾を全て投げ捨てた。

 どおおおおおおおんんんんんっっっっっっ!!!!!

 今までで一番大きな爆発。
 下にいた人間を一掃出来たのかもしれない。
 淡い期待を込めて、ゼルガディスは窓の下を覗いた。
 その途端。
 ぱんっ!
 ひどく間抜けな音と同時に、体に衝撃が走る。
 浮遊するような感触と同時に、右肩が焼けるように熱く感じた。
 ふらり、と体が傾く。
 ぱんぱんっっ!!
 2発分の衝撃が体を揺るがした。
 一発は防弾チョッキで防いだが、もう一発は足に当ったらしい。
 バランスを崩して、ゼルガディスは窓から落ちて行った。
 下にはキッパードと幾人かが焼けこげた服でこちらを見据えている。
 一体どうやってあの爆発から身を守ったというのだろう。
 考えて、すぐに分かった。
 隣の建物に避難していたらしい。
 爆発は確かに大きく強かったが、広範囲ではなかったのだろう。
 隣の建物には傷一つ、焦げ跡一つなかった。
 ふっと、ゼルガディスは自嘲気味に笑う。
 地面が眼前に迫っていた。




「ゼルは、、、、一緒じゃないのね?」
 苦しそうに、感情を押し殺してリナが問う。
 あの後、ガウリイ達はこちらへ向かっていたシルフィールの車でリナの仕事
場まで逃げて来た。
 シルフィールはリナの制止を振り切って、ガウリイを救うために車で行って
しまっていたのだ。
 おかげでガウリイとアメリアは無事にリナ達の元へ帰って来れた。
 けれど、、、、、
「ゼルは、、、、まだ、、、、、」
 ガウリイの言葉に、リナが苦しそうに唇を噛み締めた。
「俺はゼルの加勢に行ってくる」
 行って身を翻すガウリイに、シルフィールはすがりついた。
「ダメです!ガウリイ様!」
 ガウリイは苛立たし気にシルフィールに目をやると、リナに助けを求める。
「ガウリイ様が死んでしまいます!」
「だからってゼルを見殺しにしろって言うのか!!??」
 思わず怒鳴ったガウリイに、シルフィールはびくりと震える。
 けれど体は離さなかった。
「ガウリイ、、、、もう、、、、遅いわ」
 それを見て、リナはぽつりと言う。
 リナの耳にはイヤホン。
 そしてその先には一つのラジオのような黒い機械があった。
「今、やつらの無線を盗聴したの」
 静かに言うリナに、アメリアが悲鳴をあげた。
「嘘です!ゼルガディスさんが!嘘です!そんなの!」
 叫んでじたばたと暴れ出す。
 急いでガウリイがそれを押さえ込んだ。
 アメリアはずっと叫んでいる。
 信じられなくて、首を横に振り続けていた。



 ゼルガディスは倒れていた。
 気を失っていたせいかもしれない。
 体はぴくりとも動かないし、撃たれても反応出来なかった。
 撃たれたといっても防弾チョッキで防いではいたが。
 回りの音が全く聞こえず、ゼルガディスはぼんやりと瞳を開けた。
 目の前にはアスファルトの地面。
 ああ、他しか階から落ちたのだ、と思い出す。
 2階からならばたいしたケガはしていないはずである。
 むしろ撃たれた傷の方が心配だった。
 結構な時間、消毒もせずに放っていた。
 化膿するかもしれない。
 そこでまた思い出す。
 ああ、化膿したって構いはしないじゃないか。
 どうせ、、、、、、、
 そこで意識がはっきりとした。
 回りから話声が聞こえてくる。
 自分は倒れてから何度か撃たれたらしい。
 防弾チョッキの血のりで血が出ているように見えているようだ。
 ぴくりともしない自分は、死んだと思われている。
 ゼルガディスはうつぶせのままほくそ笑んだ。
 油断大敵だと思う。
 足音が近付いてきて、ゼルガディスの頭のすぐ横で止まった。
「課長?」
「こいつの顔を、、、、、」
 誰かに声をかけられてそれに答えたのはすぐ横にいるそれらしい。
 課長がキッパードであり、そしてキッパードはすぐ横にいることを理解した
ゼルガディスは、ほぼ条件反射で起き上がった。
 ベルトにさしていたナイフを鞘ごと抜く。
 そして手首のスナップで鞘を後方へ飛ばした。
 回りから悲鳴とキッパードを呼ぶ声。
 キッパードも急いで腰から銃を抜いていたが、ゼルガディスの方が早かっ
た。
 ざくっ、、、、
 鈍い音と豆腐をさしたような感触。
 ああ、昔と同じだ。
 そう思うと吐き気がした。
 刺した後に顔を確認する。
 まぎれもなくキッパードだった。
 刺した後に確認する不様さに、ちょっと苦笑する。
 どんっ!
 腹に衝撃を受けた。
 どうやらキッパードに撃たれたらしい。
 けれどそれは防弾チョッキで防がれている。
 ゼルガディスはまたにやりと笑って、ナイフを思いきりえぐってやった。
「ぐうっ!」
 呻くキッパードを見て、ゼルガディスは目を閉じる。
 後ろから誰かに撃たれた。
 当ったのは運悪く首の付け根の辺り。
 ああ、致命傷だな、と冷静に分析する。
 残った力で、それだけで力任せにナイフを上体に向かって切り上げた。
 ざあっと皮膚が裂けて血がしぶく。
 キッパードがたまらず倒れた。
 急所を思いきり切り裂いたから、キッパードはもう助からないだろう。
 そんなことを考える。
 こんな死の真際になっても冷静な自分が不思議だった。
 ふとアメリアに自分が言ったことを思い出す。
 そうだ、今日は20才の誕生日だったのだ、自分の。
 何て虚しい、いやな誕生日だろうと皮肉に思う。
 これが今まで人を殺め続けた者の運命だろうか。
 それだけではなかった。
 何だか昔のことがいやに思い出される。
 レゾの優しかった頃、狂った頃、その理由が分かって、苦しかった自分。
 結局殺し屋を営み続けて、こうなっている。
 これが走馬灯だろうか?
 最後に、アメリアを思い出した。
(植木鉢、、、、大事にしてくれればいいが、、、、、、)
 ふわふわとした感触の中で、ゼルガディスはそんな間の抜けたことを思って
いた。
 自分でも間抜けだと思う。
『普通の職を探して、普通に暮らす』
 ああ、いいなあと思った。
 ぜひ、そうありたいと。
『後で一緒に祝ってくれ』
 本当にそうしたい。
 出来るならば。
『絶対に戻る』
 戻りたい。
 無理だけれど。
『約束だ』
 約束を自分は破ってしまった。
 心の中で、心底謝罪を述べる。
 恐らく無事であろうアメリアに。
(すまん、、、、、)
 謝ったら、気が随分と楽になった。
 アメリアが無事なのだと思うと、何故だか幸せな気分になる。
 我知らず、ゼルガディスは柔らかな微笑みを浮かべていた。
 次の瞬間、がんっと頭を殴られたような衝撃。
 けれどその痛みはすぐにひいて、、、、、、
 ゼルガディスが知覚出来た感覚はそれで最後だった。




「ゼルガディス、始末しました。どうぞ」
 ゼルガディスの近くにいた男がトランシーバーで伝える。
『確認しました。どうぞ』
 トランシーバーから聞こえて来た声に、男は言った。
「キッパード課長、殉職なさいました。
     我々の力がいたりませんでした、申し訳ありません。どうぞ」
 トランシーバーの向こうで、また何かの応答があった。
 あっという間に頭を切り代えられたのはその男だけで、他の男達はゼルガ
ディスを見て呆然としている。
 この男は、一体何のためにここまでしたのか。
 答えは明白である。
 まだ見つかっていない少女、アメリアを逃がすため。
 この男は囮になったのだ。
 自分達はそれにまんまとのせられ、こうして彼を始末した。
 この男は最後の力を振り絞ってキッパードを殺して。
 キッパードの悪い噂はよく耳にしていた。
 そのために殺されたのだとしたら、自業自得であろう。
 ゼルガディスは、死ぬ直前に笑っていた。
 それはこの場にいる誰もが目撃している。
 思わず息を飲んだ。
 死の真際に、微笑むことの出来るその精神力に圧倒されて。
 もうぴくりとも動かないその死体を目の当たりにして、男達はただただ立ち
すくんでいた。





 それから数日後。
 リナ=インバースという名のリポーターによって一つの悪事が露見した。
 キッパード氏の癒着、横領の証拠があがったのだ。
 アルフレッドも悪事に加担していたということで、彼には終身刑が言い渡さ
れたという。
 調べてみると、かなりの量の麻薬が横領され、国外に持ち出されたことが分
かったからだ。
 この事件と、上り坂だった人気のおかげで、リナ=インバースの名前はかな
りの広範囲に轟いたという。
 影の人間について知る者は少ないが。
 ゼルガディスは共同墓地に埋葬されたらしい。
 墓石には形だけ名前が刻まれた。
 アルフレッドの父、クリストファがアメリアに心からの謝罪をし、援助を申
し出たが、アメリアはそれを断ってしまった。
 ヴァルガーブとフィリアは見せを再開。
 ゼルガディスの墓参りには必ず二人で毎日行っているという。
 ガウリイはしばらくの間仕事を止めていたが、結局殺し屋は再開した。
 裏社会の人間はどうあってもそのままなのかもしれない。
 シルフィールとマルチナもふさぎ込んでおり、ザングルスが参っているとい
う。
 リナは元気を表面上は取り戻し、仕事に励んでいた。
 あの事件から季節は移り変わり、寒いながらも春の風が吹いていたという。




                            END



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6194小さな鉢植え 〜エピローグ〜amy E-mail 3/27-22:05
記事番号6193へのコメント


「アメリアの具合はどうなの?」
「、、、、変わらねえよ。あのまんまだ」
 リナの問いに、ヴァルガーブは答えた。
 唇を噛んで。
「見込みは?」
「、、、、医者の話では、、、、難しいそうだ」
「そう、、、、」
 ヴァルガーブの言葉を半ば予想していたのだろう、リナは頷いた。
「今日はシルフィールも来てる。
    ゼロスも、フィリアも、マルチナも」
「ガウリイは?」
「、、、、昨日来た」
「ふうん」
 また気のない返事をする。
 そこで会話はぱったり終わった。
 お互い、明るく会話など出来なかったから。
 そのまま白い壁の続く長い廊下を歩く。
 ここは病院である。
 外からは楽し気な入院患者らしき子供の笑い声が聞こえてきた。
 今日はいい天気である。
 爽やかな、春らしい温かい風が窓から吹き込んで来る。
 優しい風だった。
 唐突に。
 女性の笑い声が聞こえた。
 誰かと会話しているらしく、楽しそうに何やら話している。
 それはリナの目指している病室からだった。
 病室のドアの前には所在なさげに立ち尽くす4人の男女の姿。
 シルフィール、マルチナ、ゼロスそしてフィリアである。
 なんとはなしに、予想はついていた。
 リナは毅然とした態度をそのままに病室の前まで歩く。
 ヴァルガーブもそれに続いた。
 窓からの木漏れ日と薫風。
 笑い声が大きく聞こえてきた。
 とても楽しそうな、笑い声。
 病室の表札には『アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン』。
 ドアの隙間から中を覗くと、楽しそうに笑っているアメリアがいた。
 本当に、楽しそうに。
 窓辺に両腕をおいて、外を見ている。
 横にはあの植木鉢。
 薫風に髪を撫でられながら、アメリアは植木鉢に何ごとか話かけた。
 それから少し黙り、、、、、、また嬉しそうに笑い出す。
 まるで植木鉢と会話でもしているかのように。
 いや、きっとアメリアの中では立派に会話が成立しているのだろう。
 それを見て、リナはまた決心が鈍った。
 あんなに嬉しそうに、楽しそうにしているから。
 たとえ思い込みでも、彼女はあのままで幸せなように見えて。
 たとえそれが幻であっても。
「、、、アメリア」
「!リナさん!」
 リナの声に、アメリアが初めてこちらを振り向いた。
「皆さんも!わざわざおいでいただいて、ありがとうございます!」
 丁寧にお辞儀するアメリアに、リナ達は戸惑う。
 そんなことはお構いなしに、アメリアは植木鉢に言った。
 はっきりと。
「ゼルガディスさん、皆さんが来て下さいましたよ!」
 ああ、とリナは納得した。
 やっぱり、彼女は幸せなのだ。このままで。
 だって、あんなにも幸せそうに植木鉢を『ゼルガディス』と呼ぶのだから。
「ごめん、アメリア、今日は寄っただけ。また来るから」
「え?そうですか、、、、、」
 残念そうに言うアメリアの顔を見ないようにして、リナは病室から離れる。
 後のメンバーもそれに続いた。
 また、嬉しそうな笑い声。
 いたたまれなくて、誰もが顔をしかめた。
 誰が言えるというのだろう、彼女に。
『それはゼルガディスじゃない。ゼルガディスは死んだ』と。
 溜め息を吐き、幾人かはアメリアの不憫さとゼルガディスの死に泣く中で、
またアメリアの幸せそうな笑い声が聞こえた。



 人を疑うことを知らなかった少女が疑い。
 それを経ての結果。
 それが精神の病。
 病だけれど、それでも少女は幸せそうに笑っている。
 植木鉢を『ゼルガディス』と呼んで。
 嬉しそうに、楽しそうに。
 そして、
 幸せそうに。






                         END

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6195後書きと言う名の言い訳amy E-mail 3/27-22:23
記事番号6194へのコメント


 はい!『小さな鉢植え』終わらせていただきました!
 amyです!

   明日から家族旅行に行ってしまうため、
     急いで終わらせました。
  そのため書きたりない所、
    文才のなさ故至らぬ所はございますが、目をつぶってやって下さい。


  アン・ハッピーエンドです。
    ハッピーエンド隙の皆様、本当にすみません。
  というか最初に断ったから読んでないとは思いますが、、、、(^^;)
      人によってはハッピーエンドともとれなくもないと思います。
   人によってはメチャメチャアン・ハッピーエンドですけれど(ーー;)
 
 ゼルアメですよ、本当。ゼルアメです(^_^)
    そうは見えなくともゼルアメです。
   見方によっては幸せです。最後。
    ゼルはアメリアの面影を追って死ねたし、
     アメリアは幻とはいえゼルと一緒にいます。
    ある意味、一緒に暮らしています。
      それが幸せかどうかは人によると思いますが。
   本人達は結構幸せ感じてます。本人達だけ。
    回りの人間にとってはいたたまれなくて苦しい状況です。
    ごめん、リナ、ガウリイ、ヴァルにフィリアそしてゼロス。
  特に謝りたいのはシルフィール。
    ガウリイを想うあまり、損な役回りをさせられていました。
    ごめんね、シルフィール。
   今回、ガウリイはちょっぴし賢かったと思います。
        んで、ちょっぴし感情的だったと。
      こうしたかったんです。
     いつも原作で怒ったりしにくいガウリイの感情を、
     丸出しにしてみたかったんです。
       そうじゃないと影が薄くなるので、、、、、(笑)
   ヴァルやフィリアも途中から本当に全然出てこないし、、、、
     ごめん、都合上出せないんだよ〜(涙)
       ゼロスもあんまし目立たなかったです、すみません。
  リナは目立たせる予定だったので良かったです。
     リナとゼルって似てる所が多いと思うんですよ。
    性格とか考え方とか。
     二人とも頭いいし。
        だからいっぱい出したかったんです。
      マルチナが思った以上にでばりました(笑)
   本当はもっとチョイ役のつもりだったんです。
       すぐ出てこなくなるはずでした。
      意外にリナをよく叱咤してくれました。
    NEXTのように。
     ありがとう、マルチナ(笑)
      君、とっても書きやすかった(大笑)


    ゼルもアメリアもちゃんとした『恋』と自覚する前に、
     ゼルはぱったり御臨終。
   認識前でした、はい。
     気付いているけれど、本当の意味で認めてなかったです。
    特にゼルは。
      だって彼はひねくれてるから(笑)
      レゾのこともあって、ひねくれた考えをついしちゃうんですよ。
    だからこうなってしまったわけです。はい。


  次はゼルアメのハッピーエンド、、、というか
     ギャグっぽいものを書こうと思います。
   読者の皆様が後味悪くないように。
         本当、今回後味悪くてごめんなさい。
     最近、ダークな話しにハマってまして(汗)
   またダークなの書くやもしれません。
     最初に予告するので、いやな方は読まない方が、、、、


   4泊なので、5日後になると思います。
       またお会いしましょう。
      感想書いてくれると嬉しいです。
     このツリーが落ちても、また言い訳とか書きます(笑)
   そこに感想書いて下さい。
       ツリーが落ちたら、ですよ(笑)
     では、帰って来た時に沢山の苦情、、、いやいや、
          感想があることを期待しています。



      amyより

 以上:後書きと言う名の言い訳でした。


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6197滝涙。雫石彼方 3/28-03:20
記事番号6195へのコメント


ついに終わってしまいましたね・・・・・・。
そしてやはり最後はアンハッピー(泣)最初から覚悟して読んでいたとはいえ、いざとなるとやっぱり辛かったです(T-T)
ゼルぅぅぅぅぅ!!!ちゃんと恋だと認識できないままに死んでしまわれたんですね・・・・・。ばかー!!どうしてゼルってばそうひねくれものなのよぅ!!(><)
そうそう、ゼルがアメリアを説得するシーン、ついつい「愛してるよアメリア」のセリフを期待してしまいました(笑)やはし『レオン』のようにはいきませんでしたね(^^;)
そしてアメリアも壊れちゃいましたねー(涙)
でも、傍から読んでる私でさえゼルが死んだシーン、「え、死んだの!?ほんとに死んじゃったの!?」って感じでなかなか受け入れられなかったので、アメリアがその事実を受け入れられずにおかしくなっちゃうのもわかるんですけどねー(T-T)でも、アメリアのその姿を周りで見てる人達はいたたまれないですよね、きっと。
ああ、悲しい・・・・・。

このお話、リナがとってもよかったです。特に最後の方の、マルチナに本音ぶちまけるシーン。頭が良くて、根は優しくて、酸いも甘いも噛み分けてるってな感じのかっこいいところが大好きですv友達にするならリナみたいな人がいいなあ。あと、何気にマルチナも好きです(^^)気が付くと結構おいしい役所にありついてる人ですよね、彼女(笑)

次回はゼルアメのギャグっぽいもの、ということで期待してますv
旅行、楽しんできて下さいねー☆

ではでは、連載お疲れ様でした。

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6198あぅぅ(T□T)キト E-mail 3/28-08:49
記事番号6195へのコメント


 おいっす、キトです。
 前回、忙しくてレス付けられなかった(汗)

 とうとう終わっちゃいましたね。
 あん・はっぴぃえんどぉ〜〜・・・。(涙)
 シリアスおんりーだぁ(汗)
 ゼル死んじゃったし。
 アメリア精神おかしくなっちゃったし(涙)

 でも、これはこれでハッピーエンド?とか思ってしまう。


 さて、人様の作品にケチつける理由にはなりませんが。
 辛気臭い話はゴミ箱に捨てて、明るい話に行きましょう。

 次のお話楽しみでっす☆
 ゼルアメのギャグ〜〜〜☆


 その時もレス魔になってしまうと思います(汗)
 許してね♪


 では、キトでした☆


 amyさん、旅行いってらっしゃいね!!
 んでもって風呂場の壁を・・・・(笑/まだ根に持ってる)