◆−聖王都動乱ふたたび・・・ その10−隣のLおねいさま(4/2-16:01)No.6252


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6252聖王都動乱ふたたび・・・ その10隣のLおねいさま E-mail 4/2-16:01


 
 こんにちわ〜(はあと)やっと書けました長篇です(はあと)って言っても短いん
ですけどね(汗)今回は三人称で書いてみました。

 暗さ100倍になってしまいました。はう〜明るい話かきたいです。
それでは、お楽しみくださいねん(はあと)

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 聖王都動乱ふたたび  その10  秘密 

 聖王都セイルーン王宮の一室。一角に聳え断つその塔の一室の前でフィリオネル=エル=ディ=セイルーンは足をとめた。彼の足取りは決して軽いものではなかった。
大切な娘の命か、それともセイルーンに代々秘密として伝えられてきた重大なことか。
どちらも重要なのだ。そんな自分をなんとも言えない気分で味わっていた。

 『父上、入ります』

 気分を払うかのようにして、凛とした声で声をかけた。

 『入れ、何用じゃ、フィリオネル』

 かれた声が中から聞こえてきた。現国王はこの部屋からでることはない。正確にはここから出られないのだ。多分それは彼が死ぬまでだろう。

 フィリオネルはドアをゆっくりとあけた。ベッドには横たわってる自分の父親のなんとも哀れな姿が横たわっていた。これを見るのはとても辛いこと。彼はあまりこの部屋には立ち入らなかった。

 『父上実は、アメリアがさらわれまして』

 『何?何ごとじゃ。まさかまた王位継承問題か』

 現国王がそう考えてもおかしくないほど、この国には昔から王位継承問題で命を落としたり、または争いを起こすものがたえなかった。

 『いえ。それはまだ分りません。しかし、一つ困ったことが起こりまして』

 フィリオネルは言葉につまった。現国王はフィリオネルがこれから何を言わんとしているのか大体さっしはついているようだった。呪われた体を無理に起こした。

 『父上、なりません。寝ておいてください』

 『フィリオネルよ。この国は呪われておるのだろうか』

 その瞳を強く閉じた。彼の瞳の裏には色々な情景が浮かんでいた。
フィリオネルは国王の体を支えると空をあおいだ。

 『あの極秘事項のせいでどれだけの者が命を落としたか。どれだけの血を啜れば
終わるんだ。教えてください、ティルト様』

 国王のつぶやきは祈りのように聞こえた。

 『もう、終わりにしたい。父上、こんなことはもう。』

 フィリオネルの頭の中には自分の愛する妻が残殺されたシーンが蘇っていた。
その場所には幼いアメリアと幼いグレイシアがいた。忘れられない、一生その身を苦しめる妻の死。

 『さ、いけフィリオネル。私のかわいい孫をすくってやってくれ』

 国王はもう一度床についた。彼の体は病んでいるのではない。これは一種ののろいだ、
そしてこれはごく一部のものしか知らない。アメリアの母が残殺された時に国王もその身に何者からかの強いのろいを受けた。それ以来ずっとこうなのだ。これは人間の為したものではない。この呪が自らが死ぬまで続くと国王は確信していた。

 (すべてはこの秘密のため。多くの者がこれを知りたがり、多くの者が勝手に誤信して
命を落としていった。それでも言えなかった。私が悪い)

 国王の黒い瞳に涙が浮かんだ。

 『もう、最後にしよう。のう、息子よ。わし等で終わらそう。』

 部屋を出ていくフィリオネルに悲しげに声をかけた。フィリオネルは声もださずにうなづくと部屋を出た、振り返らずに。

 『誰の死も、もう見とうない』

 ドアを閉めて、そこにもたれ掛かったフィリオネルはしばらく泣いた。

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 『ガウリイ。今回はやばいかもしれない』

 リナはベッドに寝転がってるガウリイに話しかけた。

 『なんでまた、お前さんらしくない』

 ガウリイはいつもどうりの優しい声で返事を返す。椅子に座っているリナはどうも
調子が悪そうだ。

 『実はね、あたし妊娠してるかもしんない』

 『へっ!?』

 いきなりのリナの告白にさすがのガウリイも沈黙した。どう言葉を返していいのやら、ガウリイなりに必死に考えている様子だった。そんなことを言ったリナもタイミングが悪かったなとおもいながら、ガウリイの返事を待った。

 二人が親密な関係になったのはそう最近のことではない。思い当たるふしがあるからこそ、ガウリイもなんとなくバツが悪いのだ。あまりにもタイミングの悪い発言に少し戸惑った。

 『でも、まだ仮定よ。ちゃんと診てもらってないし』

 『リナ、お前さん今回は手を引いた方がいいんじゃないか?』

 ガウリイは起き上がると座っているリナを後ろから優しく抱き締めた。

 魔族との戦いにもし、いるかもしれないお腹の子供が安全なわけがない。そうかと言ってゼルガディス一人にまかすわけにもいかない。苦渋の選択をしいられているのだ。

 『でもね。アメリア一人救えなくてお腹の子供も守るなんて出来っこないわ』

 優しくまだいるかどうかも分らない子供を思ってリナは自分の下腹部をさすった。

 『でもな、それとこれとは話は別だ』

 『でもっ!!』

 言い返すリナに大してガウリイは優しく下腹部をさすってるリナも手に自分の手を重ねた。

 『ひどいことを言うかもしれんが、今の魔力が減退しているお前さんがいったところで
何ができるんだ?な、リナ、今回は諦めるんだ』

 力のこもった言葉。リナは反論することが出来なかった。呪文の威力が落ち続けていることは自分自身がよく分かっていた。しかし、リナはアメリアを救いたかった。
自分のことを姉のようにしてしたってくれるアメリア、旅の仲間として色々な戦いを共に繰り広げてきた仲間。そう考えてるとリナは悔しいような悲しいような気になった。
しかしだからといってお腹の子供にあたることも出来ない。ぶつけようもない気持ちをどこにぶつければいいのか、それはリナの瞳にあふれる涙となって現われた。

 『ガウリイ、私やっぱりゼルを助けないと』

 ガウリイは困ったように宙を見上げると、ふーっとため息をついた。

 『やっぱりな』

 『へっ!?』

 リナが少し驚いた顔でガウリイを見上げると、なんとも言えない諦めたような、ちょっと笑っているような顔していた。

 『お前さんをちょっとおどしてみただけさ。どうせ、リナのことだから行くっていうに
決まってただろうから』

 『そ、そんなことなら、早く言わんかいっ!!』

 すぱーん

 リナ必殺!旅館うらりょんのスリッパの軽快な音が部屋中に響き渡った。

 『全く。乙女の涙をなんだと思ってんのよっ!!』

 『そ、そのくらいの元気があれば大丈夫だな、ははは』

 頭をさすりながらガウリイは乾いた笑いをこぼしたのだった。

 『そのかわり』

 ガウリイは一変して真面目な顔になった。

 『そのかわり、無理は絶対にしないでくれ。今回はリナから仕掛けるようなことは
しないでくれよ。おれたちに任せてくれないか?リナ』

 リナは優しく微笑むと

 『分かった。援護は任せておいてねっ!』

 とガウリイに向かってとびきりのウインクをした。

 『それと心配するだろうから、ゼルには絶対ヒミツよ』

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 異空間の中でアメリアはフィルーゼから『昔話』と称された話を聞いた。
アメリアにとっては遠い親戚(?)の存在に何が何やら分らなくなっていた。

 『あなたを見ているとね、すごくある人を思い浮かべてしまうの』

 『誰なんですか?その人って』

 その瞬間、フィルーゼの顔が狂気に満ちた。アメリアは何かさわったのかな?と思い一瞬身をこわばらせた。ここには二人しかいない。何かあっても自分でなんとかしないといけない。相手は自分の愛する人の妹分だというのに、ただの街娘って感じなのに、この恐怖はどこから来るのだろう?っとアメリアが思うぐらいフィルーゼは変ぼうしていた。

 ぐうっっっ!!

 声もでないまま、アメリアはいきなりフィルーゼに首をしめられた。体が思ったように動かない状態になった。寝転がる状態になったアメリアをフィルーゼは四つん這いになって首をさらに締めにかかる。

 (あ、だめ。このままじゃ)

 アメリアは一瞬死を覚悟した。意識がだんだん遠のいていく。

 『だめじゃないですか。まだ、殺していいなんて言ってませんよ、エレイナさん』

 『ごほっ、ごほっ!!!はあ、はあ、はあ、はあ。あうっ』

 アメリアはやっと解放され自分の手で喉元を押さえながら激しく咳き込む。
聞き覚えのある神官の声がフィルーゼを制止した。

 『そうだったわね。ゼロス』

 虹色をした宙に向かってフィルーゼはいや、エレイナと呼ばれた少女は返事した。

 『フィルーゼを演じるのも疲れたわ。がまんできなくなっちゃった(はあと)』

 アメリアはますます混乱した。フィルーゼという人間はフィルーゼではなくエレイナという別の人間だったのか?咳き込みながらもゼロスとエレイナのやり取りをしっかり聞いている。しかし、ゼルガディスが間違えるはずがないとアメリアは思った。ってことは一体どうなっているのやら?と困惑するばかりだった。まだ、声は出そうにない。
 
 『全くあなたって人は。いったん帰ってらっしゃい』

 『仕方ないわね、分かったわ』

 フィルーゼはアメリアを振り返って見る。今だ、アメリアは激しく咳き込んで地面に屈している状態だ。その様子を面白そうに見ると、また首を戻した。

 『良かったわね。助かって、でも安心しないでね。アメリア王女』

 そうつぶやくとフィルーゼの体は一瞬にして空間にとけた。
アメリアは緊張させていた心をいったん解放し、そのまま自分に『復活』の術を唱えはじめた。何も考える余裕などアメリアには残ってない程、つよく首をしめられたのだ。
ただ、恐怖にまだアメリアの体は震え上がるのだった。

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 こんこん。

 『リナ殿入るぞ』

 フィリオネルがリナの部屋に来るころにはもう、夕日が顔を出していた。

 『それでは、本題に入ろうか』

 ゼルガディスも部屋から呼ばれ、フィリオネルはことの全容を話しだした。

 『このセイルーンには代々王とその第一継承者にしか伝えられていない秘密があったの
じゃ。他の継承者はどこからか秘密があると嗅ぎ付け、我がものにしようとその王位を狙う者がたえなかった』

 『多分、魔族にそそのかされたのね』

 リナの問いにフィリオネルは深くうなづいた。

 『それでも、そうと分かっていてもこれは秘密にしなくてはいけなかった。多くの者の血が流れた。皮肉なことに聖王都の名前がもはや形骸化してると言っても過言ではない。
しかし、それでも多くの血がこの大地をうるおしたとしてもこれは絶対に秘密にしなくてはいけなかった』

 フィリオネルは悲し気に窓の外を見た。彼の胸中には自分の妻のことがあった。

 『リナ殿やゼルガディス殿はこのセイルーンの都市の形を御存じですな?』

 リナとゼルガディスは互いに顔を向かい合わせると不思議な顔をしながらうなづいた。

 『五芒星だ。あれは破魔のための結界で、白魔法の力を増幅させ、魔の者の侵入をふせぐというものだったな』

 『そうね。あたしたちはそう教えられたわ』

 ガウリイ一人何が何やらと言った感じだったがリナとゼルガディスの脳裏にはそのイメージが幼いころからついていた。

 『実はあれは確かにその力も持っているのだがあれ自体がメインではない』

 『なんですって!!』

 リナは勢いよく椅子から立ち上がった。

 『では、あれは一体何だ。もったいぶらないではなせ。時間がない』

 『そうだな〜俺もワケはあんまり分かってないけど聞きたいな』

 ゼルガディスの冷静な応対にガウリイのまの抜けたセリフ。その声に押され、本当の事をまだ話すか話すまいかで悩んでいたフィリオネルの気持ちは固まった。

 『あれはカタート山脈に流れ込む力の流れをとめる役目をしている』

 力の流れをとめる。あれが壊されたら、今までたまっていた力が一気にカタートへ流れ込み、そして・・・・。リナの頭ではそのような構図がすでに出来上がっていた。

 『ってことはあれが壊されたら今までたまっていた力がすべてカタートへ流れ込んで、つまり北の魔王が復活するかもしれないってことか』

 ゼルガディスが声を上げた。

 『しれないじゃなくてゼル、多分100%って言っても過言じゃないわ』

 『なんてこった!』

 ゼルガディスは足で床を思いきり踏み付けた。

 『あれを解放する為には、王族の血が必要らしいのじゃ』

 『それで、アメリアがさらわれたって訳ね』

 リナの問いにうなづくフィリオネル。

 『わしも確かなことは分らんのじゃ。誰もなんせやったことがないのだからな』

 『それで、その初代国王とはどういう関係だ』

 ゼルガディスは一度立ち上がったからだをもう一度席に戻した。
リナも同じように椅子に座り直した。

 『それを作ったのが初代国王ティルト。そして、そのゆかりの場所というのは彼が最初に王宮建築として完成させたところ。つまり、赤竜の神殿じゃ。そこに何があるのかはわしには分らん』

 リナとゼルガディスは顔を見合わせた。なんせ今さっき来いと呼ばれて行った場所だからだ。

 『ゼロスのやつあたしたちをバカにしたわね』

 『くそっ!ゼロスのやつ』

 リナたちは一斉に立ち上がると部屋を飛び出した。

 『ありがと〜フィルさん!後は任せておいてね〜』

 彼等を見送るフィリオネルはなぜだかとても穏やかだった。

 『これで良かったのじゃ、のう?』

 誰もいない部屋で一人呟くのだった。

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 ひさしぶりの長篇です。なんだかフィルさんが大活躍してますね〜。
この話忘れられてる可能性がありますね〜。大丈夫なんでしょうか?
今回は三人称にしてみました。なんだか暗くなりました〜。
っていうかこれギャグじゃないしあたり前なんだよね?
ってな訳で続きはいつできるのか分かっておりません!!一応考えてはいるのです
が文章にしていないので。では今回も読んでくれてありがとうです(はあと)
ではでは、またね〜ん(はあと)