◆−月光(ゼルアメ)−駒谷まや(4/22-13:57)No.6370
 ┣すっ飛んで来た甲斐がありました♪−ゆっちぃ(4/22-23:55)No.6375
 ┃┗感想ありがとうございますVv−駒谷まや(4/23-23:12)No.6379
 ┗宣言通りやってきました(^^)−雫石彼方(4/25-12:59)No.6386
  ┗一粒で二度おいしいVv(←?)−駒谷まや(4/26-22:01)No.6394


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6370月光(ゼルアメ)駒谷まや E-mail 4/22-13:57



 どうも……はじめまして。はるか昔に数度投稿しただけなんで、
覚えてる方もいらっしゃらないでしょう。なので、皆様はじめまして。
駒谷まやです。

 今回は、寝かせておいたゼルアメ小説を引っ張り出してみました。
 相変わらずわけのわからない話ですが、読んで楽しんでいただければ
(楽しめる……だろうか?)幸いです。
 それでは、どうぞ。

――――――――――――――――――

「月光」 



「ゼルガディスさん、ちょっとお散歩に行きません?」
 いきなり俺の部屋にやって来て、アメリアは開口一番そう言った。
 ……なんだか妙ににこにことしている。
 もう時刻は真夜中に近い。今日は満月が出ているので、確かに夜歩きには不自由しないだろう。

 リナはいつものごとく盗賊退治、ガウリイはそれに気づいて護衛に出て行った。ついていく理由もないので俺は魔道書を読んでいたのだが……。
「今から行けば盗賊退治にいっているリナに追いつけるぞ」
「今日は盗賊退治じゃありませんってば。すごくきれいなところを見つけたんですよ。一人で見るのはもったいないから、気分転換にどうかと思って」
 言いながら、アメリアはいったん廊下に出た。と思うとすぐに大きな荷物を抱えて戻ってくる。右手には一抱えもある大きな袋、左手にはなぜか花をさしてある花瓶。あまりに危なっかしくて、俺は慌ててアメリアの手から荷物を引き取った。
「持ってくれるんですか?ありがとうございます」
 にこりと笑ってアメリアが言う。
「そこまではちょっと遠いですから、どっちか片方は持ちますよ」
……なんだか上手くはめられた気がしないでもない。


 街を出て、街道を少し歩いて、橋に差し掛かったところで川沿いに進む。
俺やアメリアにはなんでもないが、普通の生活をしている人間にはすこし険しい道だった。しばらく歩くと、滝の音が聞こえてきた。
「もうすぐですよ」
 花を抱えたアメリアが言う。
 やがて、人の背丈の二倍ほどの高さの滝が目の前に現れた。思わず感嘆のため息がもれる。
「ね?いいところでしょう?」
 それを聞きつけたのか、アメリアが問い掛けてきた。
 轟音とまではいかない、心地よい滝の音、足元の柔らかい下草、滝からすべりおちるせせらぎ。確かに、悪くないところだ。

「街からはちょっと遠いだけですけど、気軽に来るには険しいところですからね、それで穴場になってるんでしょうね」
「だが、こんなところまで月見に来るなんて、お前さんも物好きだな」
「お月見だけじゃないですよ。さ、ここで問題です!」
 アメリアは言葉を切って大仰に空いているほうの手を広げ、俺が持っている袋を指し示した。
「この大荷物、いったい何が入っているでしょう?」
 荷物はかさばるわりに軽く、硬いものが入っているような手ごたえもない。
「あんたのことだから、食い物だろう?」わざと外れた答えをかえしてみる。
「違いますよ!!」
 案の定、アメリアはむくれている。
 アメリアは花瓶を手近な石の上において、俺の抱える袋に手を伸ばした。


「正解は……」
 アメリアは荷物の中から布を引っ張り出した。真っ白い布、きらきらと玉虫色に光る布、薄い桃色に透ける布……。手品師が帽子からいくつものハンカチを出して見せる芸のようだ。
 昼、太陽の下ではただの安布にしか見えないであろうそれらが、月光を浴びて輝く。

「ほら、見てください。きれいでしょう?」
 きらりと光る薄布をひるがえすアメリアを見て、妖精がいるとしたらこんな感じなんだろうかと、ふと思った。
「……ゼルガディスさん?どうかしたんですか?」
 アメリアに顔を覗き込まれて、俺は我に帰った。
「あ……いや、なんでもない」
 まさか正直にアメリアにみとれていたと言うわけにもいかない。


「それにしても、何だって布の山なんか持ち出してきたんだ?」
 何とか話をそらそうと、俺は思いついたことを口にした。そのとたん、アメリアは満面の笑顔を浮かべた。
「それでは第二問です!!」
 言って白い布を手に胸をはる。
 ……ちょっとこのノリにはついていけない。
「私はこれから何になるでしょう?」
 ……何になる、って……。
「正義のヒーロー、か?」
「違いますぅっ!!」
 思わず即答したが、アメリアのほうも即座に否定してきた。今日のアメリアの意図は違うところにあるらしい。
「じゃあ、わかった時点で答えてくださいね」
 アメリアは布をひらりと舞わせて言った。

 いつもの服の上から、白い布を巻きスカートのように巻きつけて、別の布を長方形にたたんでサッシュ代わりに結ぶ。
 花瓶にさしてある花を、これも白いのを一輪取り出して、胸のところにピンで留める。
「……まだ、わかりません?」
 ……駆け引き抜きでわからない。
 俺がうなずくと、アメリアは花瓶ごと花を持ってきた。
「……ちょっとじっとしててくださいね……」
 アメリアは花の中から青いのを選んで俺の胸元にピンで留めつけた。
 そのまま俺を見上げて、いたずらっぽい笑みを浮かべた。
「これが第二ヒントです」
 ……ますますわからない。
「アメリア、いったい何がしたいんだ……?」
 アメリアは不服そうに口を尖らせるて、花瓶に残った花を半分に分けて、小さいうす布で巻いて茎のところにリボンをつける。もう片方は、茎を折り取ってまとめ、薄布の端にピンで留める。


 片手に花束、花をつけた薄布はふんわりと頭に載せて。
 まるでこれは。
「ウエディングドレス……?」


 月のスポットライトを浴びて、アメリアは布遊びをしている少女から純白の花嫁に姿を変えた。
「ご名答です」
 にこりと笑んでアメリアが言う。
「覚えてますか?私が花嫁さんになりたいって言ってたの」
 確かにそんなこともあった。一時期一緒に旅をした――腐れ縁といったほうが正解かもしれなかったが――少女がその旅の終わりに結婚をしたとき、その花嫁姿を見て、アメリアはそう言っていた。

「私の夢をかなえてくれますか?」
 風が顔の前に落ちかかっていたヴェールを巻き上げる。
 俺はアメリアの瞳を真正面から見て、言った。
「……喜んで」


                             (了)

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ……やはりほうっておいただけあって、こうやって見るとかなり恥ずかしい代物ですね……(特にゼルの最後の台詞とか。キザです。偽者くさいです・笑)

 では、ここまで読んでくださって、ありがとうございました!!


                              駒谷まや拝

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6375すっ飛んで来た甲斐がありました♪ゆっちぃ E-mail URL4/22-23:55
記事番号6370へのコメント


駒谷さん今晩わ♪ゆっちぃですっ。
タイトル通り、メール見てすっ飛んできました(笑)
いやんもー、素敵すぎですぅっ(///)


> 今回は、寝かせておいたゼルアメ小説を引っ張り出してみました。

良い具合に熟成されてますね♪相変わらず駒谷さんの書かれるお話は素敵ですーv
情景が目に浮かぶというか、雰囲気が伝わってくると言うか………いつ読んでも惚れ惚れします(^^)


頭からつま先まで、何度も何度も読み返しました。
ゼルアメ狂者の私には、嬉しい限りのお話ですv
個人的にゼルの最後の台詞がすごい好きです。
二人には本当、幸せになって欲しいものです♪

ではでは。素敵なお話、ありがとうございました(ぺこり)
相変わらず愛想も何もない感想ですみませんです……(ーー;)

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6379感想ありがとうございますVv駒谷まや E-mail 4/23-23:12
記事番号6375へのコメント


 ゆっちいさん、こんばんは。
 感想をどうもありがとうございますVv


>> 今回は、寝かせておいたゼルアメ小説を引っ張り出してみました。
>
>良い具合に熟成されてますね♪
 
 腐ってしまったんじゃないかと心配してたんですが(^_^;)
 楽しんでいただけたようで嬉しいですVv

 今回のコンセプトは「エセ結婚式、だけど愛は本物」(……自分で書いて恥ずかしくなってきました……)ですから。
 やっぱりゼルとアメリアの二人にはちゃんと幸せになって欲しいですもんね。


>相変わらず愛想も何もない感想ですみませんです……(ーー;)
 
 いえいえそんな事ないですよ(^_^)
 レスがいただけるだけですごい幸せです(^。^)
 ……どちらかというと、私のほうが愛想も何もないお返事しか出来てなくて
申し訳ないです……(汗)
 

 それでは、感想をどうもありがとうございました
(……って、2行目と全く同じ台詞で締めてる……←バカ……)


                      駒谷まや拝

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6386宣言通りやってきました(^^)雫石彼方 E-mail 4/25-12:59
記事番号6370へのコメント


メールでも書いたけど、久しぶりにまやちんのゼルアメが読めて幸せだったよv

アメリアがやっぱりかわいいっv
「ノリについていけない」とか言いながら、ゼルもやっぱりメロメロなんじゃないか〜!というラストで
満足させていただきました(笑)

ああ、やばい・・・・ちょっともう昼休み終わっちゃって時間がないので、すっごく短いけど許して〜〜〜;

ではでは。

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6394一粒で二度おいしいVv(←?)駒谷まや E-mail 4/26-22:01
記事番号6386へのコメント



>メールでも書いたけど、久しぶりにまやちんのゼルアメが読めて幸せだったよv
 やっぱりメールで書いたけど、読んでくれてありがとうVv


>アメリアがやっぱりかわいいっv
>「ノリについていけない」とか言いながら、ゼルもやっぱりメロメロなんじゃないか〜!というラストで
>満足させていただきました(笑)

 やっぱりアメリアは可愛くないとね(^_^)
 自分で書いてて、今回のゼルは、かなり正直者だわ……と思っちゃったよ(^_^;)
 

>ああ、やばい・・・・ちょっともう昼休み終わっちゃって時間がないので、すっごく短いけど許して〜〜〜;

 じゃあ今度イラストちょうだいねVvそしたら許してあげる(鬼)
 (……じょ……冗談です……)

 感想どうもありがとう!!
 それでは!!

                    駒谷まや拝