◆−死に至る病−amy(4/25-22:20)No.6391
 ┣泣いた〜〜〜。−キト(4/27-16:31)No.6402
 ┃┗泣けました?−amy(5/1-19:45)No.6425
 ┣切ないよう(泣)−CANAL(4/27-23:16)No.6405
 ┃┗胸が苦しかったり、、、(笑)−amy(5/1-19:49)No.6426
 ┗死に至る病・2−amy(5/1-21:27)No.6427
  ┗富士の病(←一発変換(大爆笑))−キト(5/6-15:24)No.6443
   ┗富士山!!!(爆笑)−amy(5/7-19:21)No.6448


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6391死に至る病amy E-mail 4/25-22:20



 注!:一応ゼルアメですが、すんごくダークです!
    暗いです!痛いです!
    それでもいいと言う方だけお読み下さい。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





 意外にも、それはあっけなかった。

 本当に。

 頭のどこかが、それを拒否したのだろうと思う。

 すぐに目の前が霞んで、それを忘れた。








「、、、、、、、、、」
 何も言えやしなかった。
 口が凍ったように動かなかったから。
 瞳も大きく見開かれていたと思う。
 目が乾いて、涙がぼろぼろ溢れた。
 そう。
 涙が出てきたのは。
 目が乾いたから。
 ただ、それだけ。
 目の前に横たわる者なんて。
 知らない。
 違う。
「アメリア」
 名を呼ばれた。
 横を向けば、栗色の髪を持つ魔導師が一人。
 リナ=インバース。
「これは、、、、、現実よ」
 沈んだ口調で言うその言葉に、何も思い当たらなかった。
 そう、何も。
「現実、、、、、?」
「そうよ」
 やっと動いた口から漏れた言葉はそれ。
 リナはこくりと頷く。
 アメリアはそれを、どこか覚めた目で見ていた。
「、、、、何が、、、、、です?」





 ゼルガディスの様子がおかしくなったのは、3週間前。
 時たま目眩を起こしていたようにアメリアには見えた。
 それを決定付けたのが、つい2日前。
 いきなりゼルガディスがアメリアの目の前で吐血したのだ。
 それも、大量に。
 信じられなかった。
 確かに、具合が悪そうには見えた。
 けれど、つい昨日まで魔族との戦いにことかくこともなかったのだから。
 単なる、疲れかなにかっだとばかり、、、、、、。
 一気に血の気が失せたゼルガディスの体を支えて。
 アメリアは必死にリザレクションを唱え続けた。
 無意味では、あったけれど。
「ゼルガディスさんっ、ゼルガディスさんっっ!!」
 呼び声は、果たして彼に届いていたであろうか?
 それも、今となっては分からない。
 彼はそのまま2日間意識を取り戻さず、、、、、、、
 今日の朝、あっけなく逝った。
 本当に、あっけなく。
 唯一の救いは、彼の苦しむ時間が短かったことだろうか?
 吐血し、意識を無くした後。
 彼はしばらくは呻き続けていたものの、翌日からは穏やかに眠り続けていた
のだから。
 まるで、死んだのではないかと疑う程に。
 一時間と空けずにゼルガディスの様子を見ていたアメリアはいつも泣きそう
に顔を歪ませていた。
 最後の日。
 彼は一瞬だけ、意識を取り戻した。
 ほんの、一瞬。
 リナとガウリイを呼ぼうとするアメリアの腕を、力無く掴んで。
 小さな、ともすれば聞き逃してしまいそうになる小さな声で。
 アメリアに、そっと囁いた。
「悪かった、、、、、」
 アメリアには、それが何に対しての謝罪なのか、分からなかった。
 ただ認識出来たのは、謝罪されたという事実。
 そして、次の瞬間からは息をしていないということ。
 絶叫したのは、自分だったと、、、、、思う。
 だってその声でリナ達が部屋にやって来たのだから。
 彼は、穏やかな顔で。
 まるで寝顔のような、顔で。
 安らかに天に召されていたのだ。





「アメリア、ゼルを、、、、、、」
「ええ、そうですね」
 リナの声に、アメリアは微かに頷く。
 それを見て、リナは安堵した。
 しかし、それも束の間。
 アメリアは、ゼルガディスの肩を緩く揺すり始めたのだ。
「ゼルガディスさん、起きて下さい。朝ですよ」
 嗚呼。
 アメリアは。
 溜め息を一つつき、リナはアメリアの後ろに回った。
 ゼルガディスをなおも起こそうとするその少女の首めがけて手刀を放つ。
 いつも以上に、脆く。
 彼女は簡単に昏倒した。
 リナはそれを確認すると、ガウリイに目配せをする。
 ガウリイは無表情で頷いた。
 ゼルガディスをゆっくりと抱き上げ、部屋の外へ出す。
 アメリアを一人置いたまま。
 リナも後に続いた。
 成るべく、見晴らしのいい場所を選んで。
 リナはガウリイと共に穴を掘った。
 ゼルガディスを眠らせるための、穴を。
 リナが選んだのは小高い丘の上。
 柔らかな色の花が咲き薫る、場所。
 穴を掘り終わって、リナとガウリイはゼルガディスを持ち上げる。
 穴にそうっとしまい込み、眉を寄せた。
 目を閉じ、ぴくりともしない彼はまるで、、、、、、。
「こんな所で、ごめんね。ゼル」
 まるで何かの石像のようなゼルガディスに、リナはぽつりと言った。
 彼の故郷など知らないから。
 こんな、所に。
 残された者のエゴだと分かっているけれど。
「どうか、安らかに」
 こんな風に、割り切れてしまう自分が嫌いだった。
 アメリアのようになれたなら、と思う。
 きっと、その方がずっと人間的だろうから。
 上から土を被せ、ゼルガディスを埋める。
 完璧に埋まった後、ゼルガディスの愛用していた剣を突き刺した。
 ささやかな、墓。
 墓の回りに花を供える。
 爽やかな風が吹いた。
 嫌味な程に明るい青空。
 清清しい風。
 景色が心情風景と重なるなんて、嘘だ。
 ひどく、アメリアが心配になる。
 すぐに二人で引き返したけれど、そこにはもう、誰もいなかった。




「ゼルガディスさん、お早うございます」
 明るい声が、洞窟の中で響いた。
 アメリアが楽しそうにゼルガディスに触れる。
「今日もいい天気ですよ。ゼルガディスさん」
 言いながら、ライティングを唱えた。
 明るくなる洞窟内。
「早く、目を覚まして下さいね」
 下に、あるのは。
 一つの石像。
 男の、石像。
 青黒い石で出来た整った容姿。
 髪は細い銀の糸。
 瞼の降りた、美しい青年。
「ずっと、待ってますから」
 柔らかく微笑む少女の瞳には、光りが、ない。
「最初に目が覚めたら、一番に言いたいことがあるんです」
 愛おし気にそうつぶやいて、少女は銀の髪を優しく撫でた。
 優しく、優しく。
 何度も何度も。
 繰り返し。
 そう、これは石像ではなく。
 一つの、死体。
 墓から掘り起こした、死体。
 岩の肌で出来ているゼルガディスの体は、腐ることがなかった。
 そのままの形で。
 それはきっと、彼にとっては苦痛であろうに。
「ゼルガディスさん、、、、、、」
 体を濡れたタオルで丁寧に拭いて。
 たまに唇に水を含ませて。
 シーツを代えて。
 洗濯して。
「今日も、いい天気ですよ」
 触れるたびに気付くのに。
 もう、冷たいこと。
「早く目を覚まして下さいね」
 顔を見るたびに気付くのに。
 もう、微笑まないこと。
「待ってますから」
 声をかけるたびに気付くのに。
 もう、声を聞けないこと。
「目が覚めたら、最初に言いたいことがあるんです」
 毎日繰り返して、気付くのに。
 もう、死んでいること。
「ねえ、ゼルガディスさん、、、、、、」
 気付かない、ふり。
 分からない、ふり。
 知らない、ふり。
 馬鹿なことだって、気付いてる。
「早く、起きて?」
 無意味だって、分かってる。
「いっぱい、待ってるんですよ?」
 死んでるって、知っている。
「ねえ、、、、、」
 けど、けど、けど、けど、、、、、、、、、、、
「ゼルガディスさん、起きて下さい」
 こんな人里離れた森の奥深くの洞窟で。
 誰にも内緒で、こんなこと。
 たった一人で、こんな場所に。
 せっかく、眺めのいい場所にいたのに。
 こんな暗くてじめじめした所へ押し込んで。
 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、、、、、、、
 謝るから、だから、、、、、
「起きて、、、、、」
 目を、開けてくれるだけでいいの。
 息を、してくれるだけでいいの。
 心臓を、動かしてくれるだけで、いい、から。
「ゼルガディスさんっ、、、、!」
 声を、聞かせて。
 あの、ぬくもりを、もう一度。
 名前を、呼んで。
 ねえ。
「ゼルガディスさんっっ、、、、、、!!!」
 嫌いでも、いいから。
 好きじゃ無くて、いいから。
 軽蔑だって、いくらでもしてくれて構わない。
 二度と、口をきいてくれなくても、いい。
 笑顔が、見れなくても、いい。
 触れて、くれなくても。
「お願いです、、、、、」
 起きて、起きて、起きて、起きて、起きて、、、、、、、、
 生きていて欲しかった。
 ずっと、ずっと。
 彼が、元気なら。
 生きてさえ、いてくれるなら。
 本当に、どうでもよかった。
 後のことなんて。
「起きて下さいっっ、、、、、、、、!!!」
 こんなの、正義じゃないですよね?
「言いたいんですっ!」
 分かってる、でも。
 それでも。
「一言だけっ、、、、!!!」
 ねえ、せめて、、、、、、
「私は、貴方が、、、、、、」
 今、一瞬だけでも、、、、
「貴方のことがっ、、、、、!!!」
 お願いだから。
「ゼルガディスさんっ、、、、、、!!!」





 思い出した。

 けど。

 ねえ。

 もう一度、だけ。

 お願い。

 どうか。

 ちょっとの間だけでも。

 ねえ。

 起きて。

 目を。

 もう一度。

 どうか。








                            END



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6402泣いた〜〜〜。キト E-mail 4/27-16:31
記事番号6391へのコメント



 こんばんわamyさん♪
 エイミーで変換できる事に気付いてひゃっほう! なキトです(笑)
 実はあたしひらがな入力でして☆
 ローマ字のしゅ、とかしょ、とかでぃ、とか頭に出てこないので(汗)
 こっちにしたんです〜。


 最初読んでハワって!! (>□<)
 ゼルお陀仏ってか―――――!?!?
 夢オチになって(お願い)


 ってゆーか、なんか今鳥肌立ってるんですけど・・・・(汗)
 ・・・・・不思議☆


 では、この辺で。
 キトでした♪




 あとひと言。
 二回目に読み返したとき涙出てきちゃいました。
 切な過ぎるにょう・・・・。


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6425泣けました?amy E-mail 5/1-19:45
記事番号6402へのコメント

キトさんへ

> こんばんわamyさん♪
> エイミーで変換できる事に気付いてひゃっほう! なキトです(笑)
> 実はあたしひらがな入力でして☆
> ローマ字のしゅ、とかしょ、とかでぃ、とか頭に出てこないので(汗)
> こっちにしたんです〜。
   こんばんわ!変換出来るんですか?
   私はローマ字入力なので、、、、出来ない、あう(T_T)


> 最初読んでハワって!! (>□<)
> ゼルお陀仏ってか―――――!?!?
> 夢オチになって(お願い)
   すみません、夢じゃないです、この話では(汗)
     まあ、既成事実はないってことで、、、、(うおい)


> あとひと言。
> 二回目に読み返したとき涙出てきちゃいました。
> 切な過ぎるにょう・・・・。
  く、暗いかなーって思って、投稿しないようにしてたんですけど。
     、、、、、自分の欲に負けました(滝汗)
    ううう、、、、ダークがこれから多くなるやもしれません。
   いっそ、このツリーをダーク話用にしてしまいましょうか、、、、


  ではでわ

    amyより   


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6405切ないよう(泣)CANAL 4/27-23:16
記事番号6391へのコメント

amyさん!いつも読ませて頂いてます。
アメリアの気持ち痛いほどよくわかる〜
泣けました!すごく切なかったです。
amyさんの小説はみんな好きです!
また、amyさんのゼロ×ゼル読んでみたいです。

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6426胸が苦しかったり、、、(笑)amy E-mail 5/1-19:49
記事番号6405へのコメント


 CANALさんへ

>amyさん!いつも読ませて頂いてます。
    ありがとうございます〜。
   読んでくれる人がいるのって嬉しいです(照れ)

>アメリアの気持ち痛いほどよくわかる〜
>泣けました!すごく切なかったです。
    ううう、分かってくれましたか。
   最近、すっごく切ない系やダーク系にハマってまして。
     暗い暗いとは思いつつも書いてしまうとゆー、、、、(汗)


>amyさんの小説はみんな好きです!
    あ、ありがとうございますうううううっっっ!!!!
   すんごく嬉しい!!書いてるかいがあるというものです!


>また、amyさんのゼロ×ゼル読んでみたいです。
  そ、それを知っているとは!
     よく読んでますねー(びっくり)
    結構前の話なのに、、、、、、、
  ううう、ありがとうございます!
     まだネタがないですけど、その内書かせていただきます!


   ではでわ

      amyより

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6427死に至る病・2amy E-mail 5/1-21:27
記事番号6391へのコメント


 ゼルガディスヴァージョンです。
  暗いと思われますので、御注意下さい。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 気付いてはいた。

 自分の体が、おかしいこと。

 アメリアがそれにうすうす勘付いていること。

 けれどこんなに早く、、、、、、、、。






 ふら、、、、、、
 軽い目眩に襲われて、ゼルガディスは思わず額に手を当てた。
 軽い頭痛も、する。
 熱も、多少。
 けれど、それはだるいものではなく、、、、、。
「、、、、、ふう、、、」
 軽く溜め息をついて、ゼルガディスは気を入れ直した。
 また魔族との戦いに巻き込まれたら、こんな状態ではだめだ。
 きっと風邪か何かに違いない。
 気を抜かぬようにしなければ。
 必死に自分に言い聞かせ、ゼルガディスはしゃんと背筋を伸ばした。
 この状態に、自分はもう2週間以上悩まされ続けている。
 随分今年の風邪はしつこいのだな、と思ったその時。
「、、、、、っ」
 咽の奥から、何か、、、、、
 とうとう嘔吐感まで覚えたかと自分を苦々しく思いながら、ゼルガディスは
それを堪えようとしたが、、、、、、、、
「ごふっ!!!」
 意志に反して、それは咽の奥から吹き出た。
 ああ、戻してしまった、と思った瞬間。
 赤い液体が視界に入る。
「!」
 それは、自分の吐いた、血。
 一瞬で意識が遠のき、ゼルガディスはその場に倒れる。
 悲鳴と自分を呼ぶ声が聞こえたが、そんなものに構っていられなかった。






『ゼルガディス、、、、、、、、』
 暗闇の中、名前を呼ばれて振り返る。
 声は聞き覚えのあるものだった。
「、、、、、レゾ?」
『ゼルガディス、、、、、、、可哀想に』
 言われた意味が理解出来ず、ゼルガディスは声の聞こえる方へ目をこらし
た。
 けれど見えるのは闇ばかり。
『あなたの幸せを、、、、、願っていたのに』
「俺の、、、、、幸せだとっ!?」
 レゾの言葉に、ゼルガディスは激昂した。
「ふざけるな!あんたがキメラにした俺の幸せをあんたが願うだと!?
    馬鹿にするにも程がある!!貴様に同情されるいわれはない!!!」
 叫んで、胸がちくりと痛む。
 その痛みが何か、なんて、知らない。
『ゼルガディス、、、、、』
 悲し気に呼ぶその声を聞きたくなくて、ゼルガディスは耳を塞いだ。
「うるさい!黙れ!!」
『私は、、、、』
「うるさい!」
『お前を、、、、、』
 聞きたく無かった。
 例え、予想と違う言葉であったとしても。
 自分は。
 だって、リナの手を借りて。
 殺したんだ。
 あんたを。
 だから。
 そう、聞けない。
 その権利はないし、第一聞きたくない。
 頼むから。
 やめて。
『愛し、、、、、、、』
「い・や・だああああああああああああああっっっっっ!!!!!!」
 出せる限界までの声量で叫んだ。
 自分の声に、その声がかき消されることを祈って。
 けれど。
『愛していましたよ』
 聞こえた。
 はっきりと。
 一瞬だけ、呆然として。
 そうしたら、自然と。
 笑いが込み上げてきた。
「、、、、は、ははは、、、、、愛してた、だと?」
 おかしくなってしまったのかもしれない。
 自分が。
「あんたが、、、、俺を、、、、、?」
 どこかが、警告音を発する。
 もしかしたら、それが最後の理性の欠片だったのかも、しれない。
「あんたを殺した、この俺を?」
 自分で言ってしまって、気付いた。
 自分の罪に。
 それに気付かぬふりをしていたことに。
 そして、無意識に逃げていたことに。
「嘘だ、、、、だってあんたは俺をキメラに、、、、、」
『それは、私の中のルビー・アイが、、、、、』
 予想していたその事実。
 考えられた一つの真実。
「俺に人を殺させて、、、、、」
『お前をどこにもやりたくなかった』
 独占欲という名の一つの可能性。
 考えられた一つの真実。
「違う、あんたは自分の目を開かせるためだけに、、、、、」
『お前の顔を見たかった』
 強い願望と言う名の切望。
 考えられた一つの真実。
「だってあんたは俺を、、、、、、、」
 大切になんか、してくれなかったじゃないか。
『見捨てられるのが、恐かったから、、、、、』
 口に出していないはずの言葉に、レゾは答える。
 ゼルガディスは激しく頭を振った。
 信じたくなくて。
 だって。
 自分は。
 愛されてなんか。
 ない。
 だから。
「嘘だ、、、、、」
『見捨てられたくないから、冷たくしたんです。
      自分がお前を、きちんと諦めて、送り出せるように』
 恨んだ。
 憎んだ。
 呪った。
 最後まで。
 ずっと。
 だって。
 愛してなんか。
 くれなかったでしょう?
「嘘だ、、、、、、」
『お前に幸せになって欲しかった。
   私のせいで不幸になんかなって欲しくなかった』
 だって、大切になんかしてくれなかったじゃないか。
 優しく、なんか。
 これっぽっちも。
「、、、、嘘だっ、、、、!」
『お前が大切だったんですよ』
「嘘だっっ!!!」
 嘘つき。
 やめて。
 どうか。
 もう。
『結果、私はお前を不幸にしてしまった。
   だからせめて、私の死の後に、お前が幸せになれるようにと、、、』
 祈っていたけれど。
『お前は病魔に冒されているんですよ。
     もう、私には、救ってやれない』
 この手には、もう救いの力が、ない。
『腑甲斐無い私を、、、、、、』
 許してなんか、やらないで。
『だから、、、、、』
 だからせめて。
『痛み、だけでも』
 せめて安らかに逝けるように。
「やめろっっっ!!!」
 嫌だ。
 今さら。
 優しくなんか。
 しないで。
 今さら。
 甘やかしたり。
 するな。
 頼むから。
 やめて。
『次は、幸せに、、、、、、』
「俺はあんたを殺したのに!!!」
 叫びは、届いたのだろうか?






 柔らかな、日射し。
 暖かな、声。
 爽やかな、風。
 嗚呼。
 自分は、こんなにも。
 愛されていたのだ、と。
 ひどく、実感する。
 何故、恨んでいたのか。
 何故、憎んでいたのか。
 何故、呪っていたのか。
 もう、分からなくて。
 何故、今自分はこうして、こんなにも救われているのだろう?
 一人で勝手に、憎んで。
 あいつを殺したのに。
 どうして、自分だけが救われているのだろうか?
 フェアじゃない。
 ふと、視界が開けて。
 目の前には、心配そうな少女の顔。
 自分と目が合うと、嬉しそうに笑った。
「今、リナさん達を、、、、、」
 咄嗟に、その腕を、掴む。
 思った以上に弱々しい自分の、握力。
 少し、驚いた。
 嗚呼。
 自分は、本当に死ぬのだな、と。
 驚くアメリアに、そっと、囁く。
 自分でも分かる程、小さな、声で。
 だって。
 そんな声しか、出ない、から。
「悪かった、、、、、」
 心配かけて。
 一人にして。
 生き延びて、やれなくて。
 愛してくれていたのに、気付いて、やれなくて。
 本当に。
 すまない。
 目を見開く少女が。
 自分の見ることの出来た最後の風景。
 嗚呼、ごめんな。
 本当に。
 自分ばかり、救われてしまって。




 もっと、生きられると思っていた。

 自分の望みはいつか必ず叶うと過信していた。

 悲劇の主人公は、自分だけだと思っていた。

 悪かった。

 すまない。

 ごめんな。

 本当に。

 だから。

 どうか。

 幸せに。

 陳腐なセリフだけれど。

 幸せに。





                     END

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6443富士の病(←一発変換(大爆笑))キト 5/6-15:24
記事番号6427へのコメント


  ちょびっと涙ぐみましたしねコレ(苦笑)
  レゾさんちょいとカッコイイよ♪(好きだし)


  ゼルは不治の病だったのかぁ・・・。
  ・・・どーでもいいけど、ふじのやまいって入力して変換したら。
  『富士の病』って出てきたんですけど。(笑)
  ほんっとーにどーでもいいっすね。
  すんません・・・(汗)


  しかし・・・・『愛してる』発言に黒こげになりました。
  ・・・・もーちょっと別の言葉で・・・。
  いや、いいんです。
  ・・・・・・・・・・・・・・・・くすり♪(怪笑)


  やっぱamyさんスゴイわ。
  うんうん、見習っちゃおう☆


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6448富士山!!!(爆笑)amy E-mail 5/7-19:21
記事番号6443へのコメント


 キトさんへ

 キトさんこんにちは!
   感想、ありがとうございます!
   忙しい中、本当にどうもです!


>  ちょびっと涙ぐみましたしねコレ(苦笑)
>  レゾさんちょいとカッコイイよ♪(好きだし)
    格好いいですか!?
   レゾ好きなんですよね〜♪(うふふふ)
    レゾとゼル、昔は仲良しを希望!


>  ゼルは不治の病だったのかぁ・・・。
>  ・・・どーでもいいけど、ふじのやまいって入力して変換したら。
>  『富士の病』って出てきたんですけど。(笑)
>  ほんっとーにどーでもいいっすね。
>  すんません・・・(汗)
   いえいえ、笑わせていただきました。
     富士山の病気、、、、富士山、、、(うぷぷうぷ、、、、)


>  しかし・・・・『愛してる』発言に黒こげになりました。
>  ・・・・もーちょっと別の言葉で・・・。
>  いや、いいんです。
>  ・・・・・・・・・・・・・・・・くすり♪(怪笑)
    ふふふふ、こっちでは健全な意味ですよ〜一応。
  そう、一応ね、一応、、、、、(くすくすくす、、、、)


>  やっぱamyさんスゴイわ。
>  うんうん、見習っちゃおう☆
   やん♪そんなに誉められちゃうと本気にしちゃうじゃないですかあ〜。
  だめですよ〜ほどほどに誉めなくちゃ、ほどほどに。
   (↑結局誉められたい馬鹿)



   ではでわ

    amyより