◆−Requiem 〜鎮魂花〜−雫石 彼方(5/20-09:24)No.6500
 ┣タイトルが綺麗でとってもいいなぁ(><)−桐生あきや(5/20-20:50)No.6502
 ┃┗どこぞのひ弱小僧には負けてられんからの。−雫石 彼方(5/20-22:17)No.6504
 ┗アルフレッドーー(叫)−桜井  ゆかり(5/24-02:28)No.6540
  ┗ひぃぃぃ;−雫石彼方(5/30-13:00)No.6620


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6500Requiem 〜鎮魂花〜雫石 彼方 E-mail 5/20-09:24



こんにちは、雫石です。
今回は『珍しい組み合わせ話再び』、つまりはアル&アメ話第二弾でございます。
自称『ゼルアメ←アル推進委員会会長』(笑)としましては、ぜひともゼルアメ←アルな話を書きたかったのですが。アルってばもう既に他界しちゃってるもんだから、アメリアの回想ってことになって、なんだかアメリアがアルのこと好きみたいな感じになっちゃうんですよねー・・・・・(はふぅ)しかもこの話、ゼル出てきやしねぇ(爆)でもでも、決してアメリアはアルのことを異性として好きなのではなくって、あくまで従兄として好きなんだぁぁ!!と前回に引き続き力説した上で、この話を読んでいただきたく思う所存であります(^^)
ではでは、こういう組み合わせもいいかな、という慈悲深い方はどうぞ見ていってくださいませv


*********************************


 キィ・・・・キィ・・・・・

「リナさんとガウリイさんは食べ歩き」

 キィ・・・・キィ・・・・・

「ゼルガディスさんは図書館」

 キィ・・・・キィ・・・・・

「私は何しよう・・・・・」

 繰り返される、何かが軋む音。
 それは、小柄な少女が椅子に座り、テーブルに足を引っかけて後ろに反り返ったり元に戻ったり、を繰り返している音だった。

 キッ・・・・・

 ふと、窓の外に目を向けた少女の動きが止まる。
 少し強い風が吹き、木々がサァァァァッと音を立てて揺れていた。

 新緑薫る初夏。
 また、この季節がやってきた。

 ―――“あれから”、一年経ったんだ・・・・・・

 少女は感慨に耽りかけて―――――
 すかっという音と共に、テーブルに引っかけていた少女の足が外れて空を切った。
「わわっ!?」
 慌てて体制を立て直そうとするも、時既に遅し。
「ぅきゃーーーーーーっ!!!」
 ド派手な大音響を撒き散らしながら、少女は椅子ごと無様にひっくり返った。
 痛みに顔をしかめる・・・・・と思いきや。
 少女はきょとん、とその大きな瞳を瞬かせ、
「―――――そうだ!!」
 突然がばっと起き上がると、そのまま部屋から出て行った。
 パタパタパタ、と騒々しく駆けていく音が徐々に遠ざかり――――

 部屋は再び、静かになった。



Requiem 〜鎮魂花〜



 様々な店が建ち並ぶ、街のメインストリート。
 そこをアメリアは歩いていた。
 何かを探しているのか、きょろきょろと辺りを見回している。―――と、突然立ち止まった。
 どうやらお目当ての店を見つけたらしい。
 彼女は一直線に、色とりどりの花が飾られている花屋へと歩いていった。
「すみませーん、この花くださーい!」
 ぐるっと店内を見回して、アメリアは迷うことなくある一つの花を手に取った。
 茎が長く、丸いかんざしのような形をした濃いピンク色の花。それを小さなブーケにしてもらうと、お金を払って彼女は再び歩き出した。
 大事そうに抱えた花が、胸元で揺れる。
 それを改めて見つめて。
 きびきびと歩いていた歩調が次第に緩み、やがて彼女は往来の真ん中で立ち止まった。
「――――アルフレッド・・・・・・」
 顔を俯けて、自分でも聞こえないほどの小さな声で。
 彼女は彼の名を呟いた。

 アルメリアというその花の名前を教えてくれたのは、彼女の従兄であるアルフレッドだった。



『アルフレッド』
 背中越しに掛けられた聞き慣れた声に、彼は微笑みながら振り返った。
 そこに立っていたのは予想通り、自分の従妹に当たる小柄な少女。
 彼の持つ鉢植えの花に興味を持ったのであろう。少女はちょこんと首を傾げて、彼に尋ねてきた。
『その花、なあに?』
『アルメリアだよ。庭園に咲いていたのを少し分けてもらったんだ』
 部屋に飾ろうと思って、と付け足す彼に、少女は面白そうに笑った。
『アルメリア・・・・・なんだか、アルと私の名前を足したような名前ね』
『そうだね』
 つられて微笑む彼に、少女はまた尋ねた。
『アルフレッドは、その花が好きなの?』
『ああ。母さんが好きだった花だからかな・・・・・・』
『へぇ・・・・・』
 彼の言葉に少女は花をじっと見つめ。
『綺麗だね!!』
 そして、輝くような笑顔を向けた。
 それに少し眩しげな表情をして、彼はふ、と空を見上げた。
『――――もし』
『え?』
『もし、僕が死んだ時には、墓にこの花を供えてもらおうかな・・・・・・』
 彼の言葉に、少女はさっきまでにこにこと微笑んでいた顔を強張らせて、そして彼に詰め寄った。
『何・・・・・何言ってるの!?この前ランディおじさまが亡くなったばかりだっていうのに、縁起でもないこと言わないで!!』
 とても明るくて元気で、けれど同時にとても繊細な面を合わせ持った少女の心を逆撫でしてしまったらしい。
 明らかに怒っている少女の瞳をじっと見つめ返し、やがて彼は微苦笑を浮かべた。
『冗談だよ・・・・・』
 そう言った彼の顔が、とても切なげで。
 “本当に、冗談なの?”と喉元まで出かかった言葉を口に出すこともできず、王宮の中へと戻っていく彼の後ろ姿を、少女はただ見ていることしかできなかった。



 あの頃から、あなたの心は既に闇を抱えていたのですか?
 あの頃から、自分の辿る運命をあなたは分かっていたのですか?

 ―――今となっては、知る由もないけれど・・・・・・

 今、アメリアは街の外れにある森の中を歩いていた。
 道なき道を、鬱蒼と茂る草を掻き分けながら進む。
 どれくらいそうしていただろうか。
 薄暗い森の中、ふいに前方に光が見えた。
 夢中でその光を目指していくと、突然視界が開け、目の前に広大な川が現れる。
 
 ―――確かこの川は、セイルーンへと続いていたはず・・・・・・

 崖から落ちないように気を付けつつぎりぎりの位置まで進むと、アメリアは持っていたブーケを川へと放った。
 目を閉じ、祈るように手を組み合わせる。
 鮮やかなピンク色が舞い散り、ゆっくりと。
 それは、流れていった。


 私からあなたへ、この花を贈ります。
 せめて、現世(ここ)とは違う別世界へ旅立った今は、あなたが幸せであることを心から祈って―――――

END

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6502タイトルが綺麗でとってもいいなぁ(><)桐生あきや URL5/20-20:50
記事番号6500へのコメント


 拝啓、ヤトロファお祖父様、ドラマ出演おめでとうございます(笑)

 ………というわけで(笑)
 ひさしぶりに彼方ちゃんのお話が読めて、いまとっても幸せ♪な桐生です。
 アル&アメ全然おっけーです。切ない感じがとっても素敵で。アル『&』アメリアというところに、彼方ちゃんのこだわりがとってもよくわかります(笑)。私もゼル『&』リナが好きだから(笑)。こっちはガウリナでゼルアメな中での二人という意味だけれど。

 アルメリアの花、ただいまネットで見てまいりました(こういうときネットは便利だとしみじみ思う)可愛い花だすねぇ。
 花の写真以外に何やらよけいな知識も一緒に持ち帰ってしまったけど(爆)。花言葉は『共感』らしいです(笑)。あと、名前はケルト語で「海に近い」という意味だとか。

> キッ・・・・・
>
> ふと、窓の外に目を向けた少女の動きが止まる。
> 少し強い風が吹き、木々がサァァァァッと音を立てて揺れていた。
>
> 新緑薫る初夏。
> また、この季節がやってきた。
>
> ―――“あれから”、一年経ったんだ・・・・・・
 なぜだかこのシーンがすごく印象深いです。光景が目の前に思い浮かぶというか。
 椅子の前足を浮かせている時点で私はコケることをかなり心配したけど(笑)
 私もよく学校でやったから(恥)

 彼方ちゃんのアメリアはやっぱりとっても可愛くていじらしいです。
 素敵なお話でしたv 読めて幸せ、どうもありがとうvv
 ではでは。また♪

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6504どこぞのひ弱小僧には負けてられんからの。雫石 彼方 E-mail 5/20-22:17
記事番号6502へのコメント


以上、ヤトロファお祖父様からの一言でした(笑)

> 拝啓、ヤトロファお祖父様、ドラマ出演おめでとうございます(笑)

ありがちゅ〜〜〜〜〜〜Vvああもう、ちょーはっぴー♪ねんジーあ〜りがとぉ〜〜〜〜う!!(こんなとこで絶叫すな)
あ、ちなみにドラマじゃなくて映画なのよん☆

> アル&アメ全然おっけーです。切ない感じがとっても素敵で。アル『&』アメリアというところに、彼方ちゃんのこだわりがとってもよくわかります(笑)。私もゼル『&』リナが好きだから(笑)。こっちはガウリナでゼルアメな中での二人という意味だけれど。

おっしゃ、アル&アメおっけーっすね!!桐ちゃんも推進委員会にどう?(笑)
まあ、冗談はさておき。そうなんすよ!アル&アメのテーマは『切ない想い』、まさにこれっす!!わかってくれて嬉しいわv
ゼルアメ・ガウリナでのゼル『&』リナは、私も大好き。頭いいくせに意地っ張りでそれぞれの相手に素直になれないとことか、ほんと『似たもの同士』で、なんかいいんだよね(^^)

> アルメリアの花、ただいまネットで見てまいりました(こういうときネットは便利だとしみじみ思う)可愛い花だすねぇ。
> 花の写真以外に何やらよけいな知識も一緒に持ち帰ってしまったけど(爆)。花言葉は『共感』らしいです(笑)。あと、名前はケルト語で「海に近い」という意味だとか。

花言葉って、見る本とかによって全然違ったりするんだよねー。私が持ってる『四季別・花屋さんの花・カラー図鑑』によると(笑)、『思いやり』『同情』『心遣い』だったよ。ケルト語で「海に近い」ってのは、こっちのにも書いてあった。なんでも海岸に自生していることに由来してるんだとか。

>> キッ・・・・・
>>
>> ふと、窓の外に目を向けた少女の動きが止まる。
>> 少し強い風が吹き、木々がサァァァァッと音を立てて揺れていた。
>>
>> 新緑薫る初夏。
>> また、この季節がやってきた。
>>
>> ―――“あれから”、一年経ったんだ・・・・・・
> なぜだかこのシーンがすごく印象深いです。光景が目の前に思い浮かぶというか。

私はボキャブラリーがあんまりないから、情景描写とかあんまり得意じゃないんだよねー・・・・。だから擬音語となんとなくの雰囲気で勝負!!って感じだから、光景が目の前に思い浮かぶような文ってなかなか書けないんだけど、桐ちゃんにそう言ってもらえるとすごく嬉しいだすv

> 椅子の前足を浮かせている時点で私はコケることをかなり心配したけど(笑)
> 私もよく学校でやったから(恥)

なんせ姫ですからvお約束ははずせません(笑)

> 彼方ちゃんのアメリアはやっぱりとっても可愛くていじらしいです。
> 素敵なお話でしたv 読めて幸せ、どうもありがとうvv

ありがと〜v
でもいかんせん、うちのアメリアはおつむの方が・・・・・(汗)桐ちゃんとこみたく頭がいいといいんだけどねぇ・・・・・(遠い目)
それではっ!!

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6540アルフレッドーー(叫)桜井 ゆかり E-mail URL5/24-02:28
記事番号6500へのコメント


>こんにちは、雫石です。
お久しぶりです!
雫石さんの作品!?と思って見てみるとアル&アメ。
私もゼルアメ←アルが好きです。
ぜひぜひ、ゼルアメ←アル推進委員会監査に(いや、生徒会で監査委員をやってるからなんとなく)

>自称『ゼルアメ←アル推進委員会会長』(笑)としましては、ぜひともゼルアメ←アルな話を書きたかったのですが。アルってばもう既に他界しちゃってるもんだから、アメリアの回想ってことになって、なんだかアメリアがアルのこと好きみたいな感じになっちゃうんですよねー・・・・・(はふぅ)しかもこの話、ゼル出てきやしねぇ(爆)でもでも、決してアメリアはアルのことを異性として好きなのではなくって、あくまで従兄として好きなんだぁぁ!!と前回に引き続き力説した上で、この話を読んでいただきたく思う所存であります(^^)
アメリアとしては従兄、でもアルは・・・・・どうなんでしょうって、答えは一つしかないですね・・・・・。

>ではでは、こういう組み合わせもいいかな、という慈悲深い方はどうぞ見ていってくださいませv
大丈夫。私なんて、いろんなの好きだからカップリング好きだから(但し、2つほど嫌なカップリングあり/前代未聞抜きで)
>
>*********************************

> キィ・・・・キィ・・・・・
>
>「リナさんとガウリイさんは食べ歩き」
いつも同じことばっかりだね。この2人は

> キィ・・・・キィ・・・・・
>
>「ゼルガディスさんは図書館」
根暗(笑)


> すかっという音と共に、テーブルに引っかけていた少女の足が外れて空を切った。
ま、お姫様のくせにお行儀悪い。

>
>
>Requiem 〜鎮魂花〜
>
>
>『アルフレッド』
> 背中越しに掛けられた聞き慣れた声に、彼は微笑みながら振り返った。
> そこに立っていたのは予想通り、自分の従妹に当たる小柄な少女。
> 彼の持つ鉢植えの花に興味を持ったのであろう。少女はちょこんと首を傾げて、彼に尋ねてきた。
>『その花、なあに?』
>『アルメリアだよ。庭園に咲いていたのを少し分けてもらったんだ』
アルメリアっていろんな所で聞く名前だけど、実際に見たことないんですよねー。私。
>
>
>
> 私からあなたへ、この花を贈ります。
> せめて、現世(ここ)とは違う別世界へ旅立った今は、あなたが幸せであることを心から祈って―――――
>
わー(ぱちぱちぱち)
凄いですね。自称ゼルアメ←アル推進委員会会長様。
アメリアのカップリングならば大体はOKな私にとって、ゼルアメ←のカップリングが特に好きです。
嫌いなカップリングもありますが、そういう方達を敵には回したくないので書かないことにします。
そう言えば、友達に「アルが好きだ」といったら「アルメイス?」とか言われていまいました(泣)そりゃあ、確かにアルだけど・・・・・
って、何時の間にやらこんな時間!今日はテストだわ!(だったら書くな!レスを)





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6620ひぃぃぃ;雫石彼方 E-mail 5/30-13:00
記事番号6540へのコメント


ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃぃぃ;(><)
忙しくてなかなかネットできないでいたら、お返事書けなくてツリーが
落ちる寸前なんていう、恐ろしいことになってしまいました;

>雫石さんの作品!?と思って見てみるとアル&アメ。
>私もゼルアメ←アルが好きです。
>ぜひぜひ、ゼルアメ←アル推進委員会監査に(いや、生徒会で監査委員をやってるからなんとなく)

おお、ゆかりさんもアル&アメおっけーですねっ!わ〜いv
監査ってどういうことやる役職なんでしょうかねぇ・・・・・私馬鹿だから
わかんな〜い(殴)

>>自称『ゼルアメ←アル推進委員会会長』(笑)としましては、ぜひともゼルアメ←アルな話を書きたかったのですが。アルってばもう既に他界しちゃってるもんだから、アメリアの回想ってことになって、なんだかアメリアがアルのこと好きみたいな感じになっちゃうんですよねー・・・・・(はふぅ)しかもこの話、ゼル出てきやしねぇ(爆)でもでも、決してアメリアはアルのことを異性として好きなのではなくって、あくまで従兄として好きなんだぁぁ!!と前回に引き続き力説した上で、この話を読んでいただきたく思う所存であります(^^)
>アメリアとしては従兄、でもアルは・・・・・どうなんでしょうって、答えは一つしかないですね・・・・・。

そうですねー。アルはアメリアのことが好きだと嬉しいです。


>> キィ・・・・キィ・・・・・
>>
>>「リナさんとガウリイさんは食べ歩き」
>いつも同じことばっかりだね。この2人は

だからと言ってこの2人が違うことしたら、それはそれで嫌かも(^^)

>> キィ・・・・キィ・・・・・
>>
>>「ゼルガディスさんは図書館」
>根暗(笑)

これがゼルガディスさんのライフワークなのでこれでいいのです!!(ばい・アメリア)

>> すかっという音と共に、テーブルに引っかけていた少女の足が外れて空を切った。
>ま、お姫様のくせにお行儀悪い。

お姫様っぽくないところがアメリアのいいと・こ・ろv(やめいっ)


>>『アルメリアだよ。庭園に咲いていたのを少し分けてもらったんだ』
>アルメリアっていろんな所で聞く名前だけど、実際に見たことないんですよねー。私。

可愛らしい花ですよ。ネットとかでも見れると思うので機会があったら
見てみてくださいね。

>> 私からあなたへ、この花を贈ります。
>> せめて、現世(ここ)とは違う別世界へ旅立った今は、あなたが幸せであることを心から祈って―――――
>>
>わー(ぱちぱちぱち)
>凄いですね。自称ゼルアメ←アル推進委員会会長様。
>アメリアのカップリングならば大体はOKな私にとって、ゼルアメ←のカップリングが特に好きです。
>嫌いなカップリングもありますが、そういう方達を敵には回したくないので書かないことにします。
>そう言えば、友達に「アルが好きだ」といったら「アルメイス?」とか言われていまいました(泣)そりゃあ、確かにアルだけど・・・・・
>って、何時の間にやらこんな時間!今日はテストだわ!(だったら書くな!レスを)

ありがとうございます〜♪
また投稿した時には見てやってくださいね。
ああ、ごめんなさい・・・・ちょっとタイムアップです・・・・;
お昼休みが〜〜〜〜;
ではでは。