◆−彼等の結婚式事情 (前編)−せりあ(7/9-17:51)No.6860
6860 | 彼等の結婚式事情 (前編) | せりあ E-mail URL | 7/9-17:51 |
皆様お夕です(夕方の挨拶らしい)。 3度寝したんですが、3回仕立ての連続ドラマ(違)な夢を見まして。 何でこんな夢みたのかと何気にブルー入りつつ、現代版スレイヤーズに変換してみました。 アルフレッドが不幸ないい人です(爆) というか出張ってます・・・。 話し方とか間違ってるかもしれません(汗) それでもいいという方、お付き合いくださいませ♪ ・・・連載の方の続き早く書こう・・・。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 「ああもうっ!何やってんのよ、あいつは?!」 時計を見ながら、イライラとリナが言う。 もうそろそろ式が始まってしまう。 「・・・間に合ってくれるといいんですけど」 アメリアも時計を覗き込むと、少し心配そうに窓の外を見た。 時間が近づけば近づくほど、緊張は高まってくる。 アメリアが溜息をついたのと同時に、ドアが勢いよく開いた。 「ごめん、アメリア。服の裾が切れちゃって・・・」 その人物を確認すると、アメリアはほっとしたように息をついた。 よっぽど急いでくれたのだろう。息を整えながら言う彼の前髪は、汗で額に張り付いてしまっている。 「一緒に待ってたあたしには一言もないわけ?」 こめかみをひくつかせて、リナの拳を握る力が強まった瞬間。 「そろそろ、お時間です」 慌しく、早口でそう告げる声が聞こえてきた。 呼びに来てくれるのがもう少し遅かったらどうなっていただろう・・・考えて彼は身震いをした。想像するだけでも恐ろしい。 リナは面白くなさそうな顔をしていたが、二人を見据えると、 「上手くやるのよ。こっちはこっちでやっておくから」 そう言って不敵な笑みを浮かべる。 彼女は数少ない、事情を知る者の一人。 彼らは互いの視線を合わせると、無言でしっかりと頷いた。 アメリアは大財閥の次女として生まれた。 長女である姉は、現在は世界中を巡る旅をしている。 時々手紙はくるものの、何処にいるのかは書いていない。 そのため、セイルーン財閥を継ぐのはアメリアではないかと言う者の方が多かった。 金目当てで交際を申し込んでくる者の多い中、従兄弟のアルフレッドは気兼ね無しに話せる少ない異性の1人。 その彼の家で、今日は勉強会を開いていた。 「・・・で、”それ”っていうのが指し示してるのがこの・・・」 「なあ、リナ。これ何て読むんだ?」 「っだああああ!それくらい事前に調べておきなさいよ!!あんたはわからない漢字調べなさい!教えるのはそれからね、ったくもう」 「アメリア、今この家揺れなかった?」 「そうかも・・・もう慣れたけど」 出席者は、リナ、ガウリイ、アメリア、アルフレッドの4人。 彼らは今大学生。 勉強会とは言っても、ガウリイのための、と言ったほうが正しいかもしれない。 現に辞書片手に唸っているガウリイ以外は3人とも談笑しているのだから。 「・・・リナさん」 アメリアは少し躊躇った後、唐突に話を切り出した。 「ん?何よ?」 「ゼルガディスさんって、私のことどう思ってるんでしょう・・・」 不安そうな瞳で尋ねる彼女に、リナは溜息をついた。 アルフレッドはずっと無言のまま聞いている。 「ゼルに直接聞けばいいじゃないの」 彼らは同じ大学に通っていて、何かと行動を共にすることが多い。 あれだけ一緒にいて気が付かないアメリアに溜息をついても、リナは自分ではなく、ゼルガディスに直接聞くように促した。 けれど、アメリアはぽつりと、 「そう・・・できればいいんですけどね・・・」 そう呟いたきり、黙り込んでしまった。 その沈黙を打ち破ったのは。 アルフレッドの一言だった。 彼はアメリアの目の前に移動すると、彼女を真っ直ぐ見据えてこう言った。 「アメリア。僕と結婚式を挙げてくれない?」 先に硬直状態から抜け出したのはリナだった。 「な、なななな・・・何考えてんのよっ?!」 リナの声に、アメリアもアルフレッドに詰め寄る。 「アル、あなた何言ったかわかってるの?!私は・・・!」 2人の瞳には怒りの色が浮かんでいる。 アルフレッドは慌てて2人から距離を置くと、首をひきちぎれんばかりにブンブンと振り、必死で否定した。 「落ち着いて!僕は、”結婚してください”とは言ってないだろう?ただ、式を開くだけなんだ。入籍してない状態だって式は開こうと思えば開ける。そこらへんはいくらでもごまかせるんだ」 何が言いたいのかわからない、といった様子で自分を見てくる2人に苦笑すると、彼は言葉を続ける。 「アメリアは彼の気持が知りたいんだろう?だったら試しに他の男とくっつくふりをしてみればいいよ。自分の愛してる人がいきなり取られれば、何らかの行動にでるはずだから」 ただ呆然とするしか無かった。 自分が何を言っているのかを彼はわかっているのだろうか? わかっているのか、いないのか。 そのまま彼は更に説明を続ける。 「でも回りに知られるとめんどくさいことになっちゃうから・・・僕達と彼だけの式にしよう。親が出張している間にやるなら大丈夫だろうし。場所もあまり人のいないところの方がいいかな・・・うん」 1人頷く彼と、何も言えずにただ口をぱくぱくさせるだけしかない2人。 そして何故だかアルフレッドを見て溜息をつくガウリイ。 この瞬間から、大規模な作戦は始まった。 >>>続くはず |