◆−暗黙の落日−CANARU(7/11-18:53)No.6874


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6874暗黙の落日CANARU URL7/11-18:53


ふいいい・・・。
前から書きたかったテイストの話です〜〜!!
お暇でしたら感想くださいですうう〜〜〜☆

******************
夕暮れ時は・・・・血の色・・・・・。
退廃の色が濃いこのグラナダの町に今日も落日が来る。
先ほどまでの熱狂は既になくなっていた。
静寂・・・黄昏のみが今を支配する。
「・・・もう少し・・・このままで・・・・・」
自分が何に凭れ掛かってくるのかすらわからないまま・・・・・。
このまま深い、深い眠りに落ちていきたい衝動を堪えはするが。
やがてその誘惑に負け、眠りに落ちてしまう。
悪循環・・・・消え去った熱狂の後の悪夢のような底冷え。
この感覚・・・・・・・。
まるで古代ローマの朽ち果てかけた遺跡の中に一人で取り残された気分だ。
「おい・・・・?」
煩い。
「もう・・・とっくに閉館の時間だぞ?」
・・・・だからナンなのよ・・?アタシは眠たいのよ・・・・・・。
そんな言葉はまるで届いては居なかった。
何者かがしつこくリナを揺さぶり、その眠りを妨げようと試みている。
「眠いのよ・・・」
文句を交えた・・多分腫れぼったいだろうと自分でも自覚できる瞳でリナは
その人物を軽く睨みつける。
・・・・・・・・夕日と・・・自分の髪と目と同じ・・・深紅・・??
まずはその色を認識したが・・。
彼が手にしたビロードと落日の僅かに残した『赤』の幻影と直ちに気付く。
「黄金・・・???」
だんだんそのものが「識別」できるようになり・・・。
寝ぼけた眼を強引に擦りながらリナは目にしたものの名称をそのまま口にする・・・。


傷つけた事はお互い様。
騙しあった事も・・・多分罪の重さは同じ程度・・・であろう・・・。
落日のグラナダ・・・・・。
貴方の生死は分からない事ね・・・・・・・・・・・。
燃え盛る炎・・消え行く思い出・・・。
それと同時に何処へ行くのか分からない自分の未来を見据えて・・・。
リナは最後にこの場所へ降り立った。
眠るため・・・あの時と・・・あの人と初めてであったときと同じように・・・。


「眠いのよ・・・放っておいてくれない・・・?」
リナは目を擦りながら見知らぬ男・・恐らくここでも人気のあるであろう闘牛士の男・・・に場違いな・・と思いながらも一応文句をつけてみた。
「そうは言っても・・お嬢さんがこんな所で一人で居るのは何かと物騒だとおもうのだが・・・?」
今日の闘牛で彼の試合はあったかしら・・・?
寝ぼけて真面目に見ていなかったから・・落日ばかりに気を取られていたから覚えていない。
「だいたい・・貴方と一緒に居たって・・あなた自身が危険かもしれないじゃない?」
アッサリと頭に思った事を言ってやる。
「そりゃあまあ・・・俺・・ガウリイ=ガブリエフと一緒に居たとなれば・・。
お嬢さんの評判も多少は落ちちまうのは事実だろうなあ・・」
苦笑しながら闘牛士・・ガウリイは言う・・・のだが・・・。
「・・・ガウリイ・ガブリエフ・・・・???有名なの?貴方」
「・・・知らないのか?」
半ば面食らったといった様子でガウリイは苦笑する。
「送るぜ?こんな所に遅くまで居たら・・それこそ危ないからな・・」
未だに眠たそうなリナに手を出しだしながらガウリイは言った。


「リナさん・・・。気をつけたほうがいいですよ?」
『危険だから家の近くまで送る』と・・まあ、下心なんか無しであることは請け合いのガウリイの申し出を丁重に辞退して。
街中で彼と別れてリナは迎えに来た『家』の馬車にそっと乗車する。
1863年のグラナダ・・・・。
王家の紋章をそれとなく掲げたその馬車は静かに街中を進んでいく。
「どう言う事?アメリア・・・」
未だに眠たそうにすっかり暗くなった空を眺めながら迎えに来てくれた同じ王家の
一族・・アメリアに聞き返す。
「私も暇だったのでリナさんを待ってる間・・街中をちょっとぶらぶらしたんですけど・・・。リナさん・・金髪の・・背の高い・・その・・・・・」
「・・・ガウリイの事?」
妙に言葉を濁すアメリアに先手を打って彼の名前を言うリナ。
「そう・・・。そのガウリイですけど・・。かなり名うての『女誑し』で有名
らし〜ですよ???」
「ふ〜〜ん・・じゃ、アタシはお子様扱いだから大丈夫だわ・・・」
眠たいせいもあるのだろうか・・・。
日頃の彼女の前では絶対的な『禁句』を自分から口にしてさっさと眠りに落ちるリナ。
かくして・・・。
静かにグラナダの夜は更けていくのだった・・・・。


「最近・・随分大人しいな・・・。お前のご乱行は・・・」
自分の獲物の紅いマント・・・そして怒り狂う猛牛にトドメを刺すサーベルを手入れしていたガウリイに不意にゼル・・彼のマネージャーが声をかけてくる。
「・・・別に・・血管切れるほどお前に『もういい加減にしないか!!』と怒鳴らせないだけマシだろ〜が・・・?」
ジト目でゼルを見遣りながらガウリイはサーベルでシュっと宙に投げ捨てた紙切れを斬り捨てる。
目にもとまらぬ早業・・見事な切り口・・・。
まさに『神業』の名に相応しい・・の一言である。
「で・・・なんで最近の素行は『優等生』なんだ?ガウリイよ・・」
ふうっとため息をつきながら半ば諦めたように・・もう半ばは好奇心本位でゼルは
ガウリイに尋ねる。
「最近は・・雅な扇言葉で呼びかけてくる貴婦人も少ないだろ?来るといったら。
居眠りしに来る嬢ちゃんくらいなもんだ・・」
はぁっとサーベルに息を噴きかけ彼は手入れに勤しんでいる。
「それはまあ・・貴族連中は革命が何時起こるかでびくびくだからだろうが・・・」
「昔のように遊び呆けてるわけにはいかない・・か・・・」
現スペインの国王は女王であり、その名をイザベル二世という。
しかし、その叔父が『女』である彼女の王位継承に異を唱え・・・・。
現在、ただでさえ内乱の多いこの国では内乱の危険に瀕しているのだった。
・・・百数十年前のフランスのように『革命』が起こるのでは・・?
そのような危惧すら現状は充分に孕んでいるのだった。
何時に無く今日のガウリイは辛辣な雰囲気・・強いて言えば棘を含んでいるな。
こう言うときはあまり多くを言わないに限るのだが。
「今日のお前と決闘する猛牛は・・かなりもモンだそうだ・・」
業務的なことは否応無しに伝えなければならなかった。
「ふ〜〜ぅん・・・。俺たちは・・非常時だろうがナンだろうが・・娯楽を提供しろってことか・・・・」
「・・・そう言うな・・・・・」
「じゃあ・・・言わなね〜〜よ・・・・・・」
これは予想以上に機嫌も悪ければ性質も悪い・・・・・・・。
『触らぬ神に祟りなし』とは本当に良く言ったものである。
とばっちりを食らう前にゼルはさっさとガウリイの目の前から消える事を
決意したのだった。


午前五時・・・・・・。
夕日が傾き、陰が闘牛場の半分を影で覆おうとすること時刻・・・・。
派手な衣装に深紅の布。
サーベルを纏った闘牛士が獰猛な牛に戦いを挑む時刻の始まりである。
「わあああああああああああああああああ!!!!!!!!」
体中の全神経を研ぎ澄ましてもこの観客の歓声が聞こえてくるのは勝負の
終わったこの一瞬だけの事。
勝負の始まり、真っ最中にはそんな声が彼の耳に届く事は無い。
無造作に深紅の布を地面に投げ、未だサーベルにこびり付いた獰猛な牛の
血潮を一振りして振り払う。
捧げられた花束は無用な長物・・・・・・・・。
パフォーマンスも兼ねてこれまたガウリイは無表情なまま汗を拭いつつ。
深い紫、赤、青の花束を客席に向かって放り投げる。
またまた一段と歓声が高まる・・・・・・・・・・・・。
退場の刹那、いつもなら巧みに扇言葉で話し掛けてくる貴族連中の女に
目をとめる事もあるが・・・。
革命を恐れてだろう。誰一人今日は見当たりはしない。
が、今のガウリイはそんなことは本当にどうでも良かった。


すぅ・・・すぅ・・・・・・・・・・・。
軽い寝息がほんの僅かに離れただけとはいえ・・この場にまで聞こえてくる。
よっぽど疲れているのか。
それとも眠りから醒めたくない様な夢を見ているのだろうか・・・?
「・・・・おい・・こら・・起きた!!」
これで何回目になるだろうか?
何時も同じこの席、この時刻、この角度、この表情、この寝息で眠りに落ちている
少女を起こすのは・・・。
「・・・おはよう・・・ガウリイ・・・・・・・」
「・・あのなあ〜・・『おはよう』じゃない!!それに。お日様はもうとっくにお家に帰って歯磨きしてるぞ?」
自分でも馬鹿馬鹿しい言い回しだと思った。
こう言った情況、台詞にはとことん慣れていない自分が居る事にはじめてガウリイは気付き、思わず舌を噛締めたい衝動に駆られた。
が・・・彼女のほうは・・・・・。
「・・・そうね・・・まったくよ・・ふふふふふ・・・」
今の言い回しが逆に非常に気に入った・・とでも言いたそうな様子でガウリイを見遣る。夕日よりも紅い・・・綺麗な瞳だった。
このままでは何となく気まずく、年下の彼女に負けたような気がして。
それが癪で・・・・・。
「何時までたってもそれじゃあ子供だな・・・・」
「・・・・子供だもん・・・・・・・・」
「ガキって事だぞ・・・????」
「ガキだもん・・・ガキで結構・・餓鬼で済むなら・・・・・」
何を意地を張ってるんだ・・・?自分の彼女も・・・。
そう思うに至ってガウリイは自分がこの少女よりもかなりレベルの低いことを
仕掛けてしまった・・と遅まきながら後悔を余儀なくされる。
「ま、貴方には分からないでしょうけどね・・。馬鹿にされちゃったのよ。
『子供っぽい遊戯』だって・・・・」
ふうっとため息をつきながら彼女はその年齢の娘が見せるにはあまりにも儚い・・・
それであってどこか生命力に満ち溢れた表情をふっとガウリイに見せる。
「今まで聞かなかったが・・お前さんの名前は・・???」
「・・・リナ・・・母方の苗字はインバース。珍しいね。名うての『女誑し』で名高いって・・アメリアからの受け売りだけど・・貴方が私みたいなお子様の名前聞きたがるなんて・・」
はふ〜〜ああ・・っとこんな場面でもリナは眠たそうに欠伸をする。
ガウリイとしても過去の彼なら・・・こんな事リナに聞く事は無かっただろう。
が・・・・。
今では『眠り』を何よりも優先事項としているリナに、彼が相手にされているのは義務感から・・と言うだけのことが少し癪にさわったりもした・・・。
・・・なんでこ〜なるかなあ・・コイツが言ってるように・・コイツはお子様・・
「まあ、な・・・。それに、お前の発想・・『家に帰って歯磨き』程度で喜ぶなんて・・本気で・・・・・・」
新鮮だが・・・・、まだまだだ。
この言葉がでかかったが・・あえてガウリイは喉の奥でそれを飲み込んで打ち消し。
「父方の苗字は・・・?」
「言いたくない」
何時もの約束の時間、リナを市街地の真ん中まで送っていく時間が迫っている事を
傾きかけた日が知らせるのだった・・・。


「ガウリイ、お前まだ詩作なんかしてるのか・・・?」
不意に現れたゼルが珍しく・・・いいや・・久しく紙にペンを走らせるガウリイに
そう尋ねてくる。
「まあ・・な・・・久しぶりに・・・」
リナに出会ってからだった・・。今まで弾圧された自分の詩作を思い出し。
再び筆を走らせてみたくなったのは・・・・。
「お前の詩作は当局から目を付けられているからな・・・。過激、かつ奔放な描写・・。
そして・・・とんでもなく暴力的、左翼的思想・・。お前の詩を好む奴は・・」
「あ〜あ・・・。倒錯嗜好の持ち主か・・政治家・・芸術家のどれか・・・
と言った所だろ?どちらにせよ・・反骨精神が無ければ・・・」
反骨精神・・・???
自分で口にしたその言葉をその耳で聞きなおしたその刹那・・・・。
リナのくれないの瞳が脳裏に蘇った・・・。
あの眠りを求めるだけの瞳は・・強く何かに反骨しているのでは無いだろうか?
そして・・・・・。
それだからこそ自分は惹かれたのかもしれない。
強い・・精神・・それと正反対な・・・・・・・・・・・・・。
彼が暫し自分の脳裏の中でのみの考えに耽っていたその時だった。
「こりゃ〜〜・・驚いたな・・」
ガウリイの書き上げた詩作に目を通していたゼルがやおら驚いたような声を上げる。
「ん・・?どしたぁ〜?」
「どうした・・・はお前だ・・。まるで今までの弾圧された当事の毒々しさや・・・市家々うなら猥雑さも消え去ってるな・・。これなら・・・誰かに仕えて詩作する事も出来るんじゃないか・・・?」
「・・・性に合わないことを頼むから勧めンな・・・・・」
ご機嫌斜めな眼差しをゼルに送りつつ、ガウリイは今日彼に宛てて届いた郵便物に目を通す作業を始めるのだった・・・。


『インバース』の家の・・・家計図に書けばまあまあの近親。
そんな家からの招待でなかったらガウリイは早速そんな招待状は破り捨てていただろう。革命に怯えているとは言え・・虚栄は棄てきれないらしかった。
フランス風の舞踏が催され・・・まるで地上に出来上がった楽園・・である。
「まあ、真坂英雄であるガウリイ殿にお越しいただけるなど・・」
何度か扇言葉で英雄・・・今では一流の闘牛士となった彼に声をかけた貴族の女が感激したようにガウリイに擦り寄る。
「ああ・・・お久しぶりです・・・」
流石に無碍にするわけにもいかず、適当に話をあわせ、ダンスの誘いに乗るハメになるガウリイの視界の隅にふっと飛び込んでくる映像・・・。
柱に凭れ掛かり・・物思いと憂い・・それでいながら生命力を持ち合わせた顔・・・。
リナ・・・・・・・・・・・・・・・・・。
名前を呼んでこちらに引き寄せようと身を乗り出すと同時に・・。
すっとリナは人々に会釈をし、飄々とその場から去っていくのだった・・・。


「リナ!!!」
名前を呼んでガウリイはその後を追いかける。
「・・・・な〜〜んだ・・ガウリイか。もっとお金持ちかと思ったら・・」
チェっと舌打ちしながらリナはいかにも残念で仕方が無い・・とでもいいたそうな表情で此方を振り返る。
「お前なあ・・・・・・・」
さしものガウリイもこの攻撃には参ったらしい。
冷徹だけがとりえ・・・と思っていた自分の顔が否応無しに歪んでいるか、引き攣っているかしてるのが分かってしまう。
「冗談。何か用?」
真っ直ぐに見詰められてそういわれるのも・・・何となくテレる感じがする。
「いや・・踊らないのか?」
やっぱりこう言った真剣な場面には不慣れな自分自身を呪わずにはいられなかった。
「フランス風のワルツは苦手なの」
普通の女性だったら言わないような自分のウィークポイントをアッサリとさらけ出すリナ・・。
またしてもガウリイはそんな彼女に呆然とさせられてしまうのだが・・・。
やがてプっと噴出し・・・・。
「俺も・・フランスのワルツより・・スペインのダンスのほうが好きだな・・ボレロだ!!」
言うが早いかリナに手を差し出し、ボレロの誘いを申し込む。
「そね。全身を使って感情表現できないのは辛いもの!!」
言うが早いかリナはガウリイも負けず劣らずなステップを踏み、激しい感情表現の手の動きをガウリイと繰り返した・・・。
暫し・・時を忘れるかのように・・・・・・。


躍動・・自由・・・熱情・・そして・・・・・・・・・。
リナにとっては未知なる感情・・今までは囲いの中で育ったも同然だったからだ・・。
ガウリイの詩を一通り聞き終えて・・・。
「すごいわ・・どうして・・・」
こんな凄い気取らない詩が世の中に出回らなかったのだろうか?
ドイツの重苦しい、イングランドの気取った・・イタリアの軽薄な詩ともまるでちがう・・熱情的なものだった。
こんなものは今まで一回も聞いた事は無い。
いつもどおりの午後五時以降のガウリイとの再会・・・・。
何を思ったかガウリイが今まで『発禁処分にされて・・作るのはひさしぶりだが』とはにかみながらもリナに自作の詩を語ってくれたのだ。
「・・・これでも表現押さえたつもりだったんだが・・ま、俺の場合は危険思想もあるって当局に睨まれてな・・・恨むとしたら・・」
「・・・恨むとしたら・・・???」
「・・俺を迫害した・・思想家かな・・・特に・・・・」


内乱がすべてをくれないに染める・・・・・・・。
あの日以来、リナは姿を消してしまった・・・・・・・。
まるで・・・ガウリイを避けるように・・何かを怯えるように・・・。
恨むべきは『高貴な血』・・・とガウリイはリナに語ってしまったその日から。
気付いたら・・・。
ガウリイは既に戦乱で廃墟となりかけていたあの闘牛場にやってきていた・・。


傷つけた事はお互い様。
騙しあった事も・・・多分罪の重さは同じ程度・・・であろう・・・。
落日のグラナダ・・・・・。
貴方の生死は分からない事ね・・・・・・・・・・・。
燃え盛る炎・・消え行く思い出・・・。
それと同時に何処へ行くのか分からない自分の未来を見据えて・・・。
リナは最後にこの場所へ降り立った。
眠るため・・・あの時と・・・あの人と初めてであったときと同じように・・・。
「辛かったのよ・・私も・・。内乱の原因となる王家の血をひくなんて・・・」
言える訳が無い・・・・・・。
一族の血を洗う争いが辛く、何時も宮殿から逃げ出した。
考えすぎは思考能力のオーバーヒートを産む。
リナは・・・だからひたすら安心できる場所で眠り続けた・・・・・・・。
そして・・・。
『内乱』によって・・リナを苦しめ続けた『王制』は・・廃止された・・・。
けれども・・今更彼に会えるはずは無い・・・。
「・・・行こう・・・・・・」
ふっとため息をつきながらリナは席から立ち上がる。
「・・・元王族が・・・一人でこんな時間に出歩くのは危険だと思うのだが・・?」
聞き覚えのある声がする・・・・・。
ゆっくり・・リナは其方を振り向いた・・・・・・。
「・・・ガウリイ・・・?????」
「ああ。探したぞ?リナ・・・。今度は・・・・」
街中で別れるのではなく・・最後の最後まで・・・ずっと傍で『護衛』させて欲しい。
もうさっきまでのような気持ちは絶対にお断りだった。
過去は忘れ・・これから未来へ・・・・・・。
今、暗黙の了解が再度二人の間に成立するのだった・・・。


(お終い)