◆−ANJYE−斉藤ぐみ (2001/9/19 21:42:58) No.7362
 ┣お、続きだ!!!−紫嵐 (2001/9/20 20:00:44) No.7366
 ┃┗Re:お、続きだ!!!−斉藤ぐみ (2001/9/29 21:30:27) No.7423
 ┗ANJYE−斉藤ぐみ (2001/9/23 20:52:16) No.7386


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7362ANJYE斉藤ぐみ E-mail 2001/9/19 21:42:58


イルーシェと名乗ったものは、綺麗な若草色の髪、すけるような透き通った薄い黄緑色の肌、そして耳があるだろう部分は小さな羽が生えていた。
黒いマントを羽織っているため服は良く見えないが…。
イルーシェはアメリアを抱き上げた。
アメリアはなんの抵抗もしなかった。
「おいっ!離せっ!」
ゼルガディスがイルーシェに魔法弾を投げつけるが、結界があらかじめ張ってあったらしく、無効になってしまった。
「アメリア姫はしばらく預かる。」
イルーシェはそう言うとレイウイングを唱え始めた。
「アメリア!!」
ゼルがディスが、アメリアを呼ぶ。
だが反応が無い。
「アメリア!アメリア!!アメリア!!」
何回も呼んだがそれでも反応がまったく無かった。
ピクリとも動かない…。
気になって、イルーシェは術を唱えながらアメリアの顔を見てみた。
「どうした?白のゼルガディスが呼んでいるぞ?」

ぽろっ・・・

アメリアの瞳に溜まっていたであろう涙が零れ落ちた。
ショックが強すぎたのか?
愛している者との子供を授かったが、愛している者におろせと言われ、挙句には強制的におろされそうになってしまったのだから…
「大丈夫だ。俺が必ずお腹の子を産ませてみせるから。」
アメリアの耳元で囁くように言った。
それでもアメリアの瞳の濁りは取れはしなかった。
ゼルはそのイルーシェの行動が当然気にくわず嫉妬のどす黒い闇の塊が心の中で増大していく。
ゼルガディスは、剣を抜きアストラルヴァインで魔法剣にする。
「アメリアを離せっ!」
ゼルガディスがイルーシェに切りかかる。
ズッ!!!
レイウイングの結界とアストラルヴァインをかけた剣がぶつかり合い、嫌な音を立てた。
「無駄だ。白のゼルガディス。」
イルーシェはゆっくりと、テラスのほうへ歩いていき、テラスからアメリアを抱き上げたまま飛び去った。
「7ヶ月後アメリア姫とお腹の子供は返す。」
イルーシェはそう言うと、綺麗な若草色の髪を風に囚われつつ飛び去っていこうとした。
ゼルガディスは、イルーシェに追いつくためにレイウイングを唱えていた。
「あの野郎!!!」
術が完成しイルーシェを追いかけた。
月明かりに二つの影が照らし出される。
「まだ追いかけてくるのか…」
イルーシェはそう言うとマントを脱ぎ捨てた。
その瞬間背中かから真っ黒な漆黒の羽が瞬時に生えた。
レイウイングを解き、羽を使い空を飛んでいる。
イルーシェは、ゼルガディスの方向に向き直り術を解き放つ。
「ダークミスト…」
「!!!」
イルーシェはダークミストを放ち辺り一帯を真っ暗な切りで覆い隠した。
ただでさえ、闇夜の中視界が悪いというのに、月明かりも遮られ何も見えなくなってしまった。
「アメリア―!!!!」
ゼルガディスが叫んでも、誰も答えるものが居なかった…。

続く

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7366お、続きだ!!!紫嵐 E-mail 2001/9/20 20:00:44
記事番号7362へのコメント

お!ANJYEの続き発見!!
前のは落ちてしまってレスが出来なかったのもまとめてレスだー!!(待テ)

>「どうした?白のゼルガディスが呼んでいるぞ?」
>
>ぽろっ・・・
>
>アメリアの瞳に溜まっていたであろう涙が零れ落ちた。
>ショックが強すぎたのか?
>愛している者との子供を授かったが、愛している者におろせと言われ、挙句には強制的におろされそうになってしまったのだから…
あ、ゼルガディス。テメェ、アメリア嬢泣かしたな(怒)
今度お前が出てくる小説を書く時はいぢめてやる!!(をい)
えっと、続きを見つけることが出来て良かったです。姫、モテますね(激違)
この先一体どうなるんだー!!気になる!!
と言う訳で、続きを楽しみにしてます。
あと、私書箱のパスワード…知ってますっけ?
書き込みしてくださいっスー!!
では、紫嵐でしたーー!!!

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7423Re:お、続きだ!!!斉藤ぐみ E-mail 2001/9/29 21:30:27
記事番号7366へのコメント

こんにちはー!!
毎度読んでくださって有難うございます(ぺこり)

>あ、ゼルガディス。テメェ、アメリア嬢泣かしたな(怒)
>今度お前が出てくる小説を書く時はいぢめてやる!!(をい)
ええ。ぜひ苛めてください。アメリア姫泣かした悪ですから。(こら)

>えっと、続きを見つけることが出来て良かったです。姫、モテますね(激違)
>この先一体どうなるんだー!!気になる!!
>と言う訳で、続きを楽しみにしてます。
早いうちにまた続き書きます(がふん)

>あと、私書箱のパスワード…知ってますっけ?
知ってます!が、皆さん書くペースはやくって…(泣)
>書き込みしてくださいっスー!!
>では、紫嵐でしたーー!!!
ではでは。なんとか私書箱も追いつけたら追いつきます(待てこら)

脱兎!!!



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7386ANJYE斉藤ぐみ E-mail 2001/9/23 20:52:16
記事番号7362へのコメント

セイルーンの街から離れている森の中にその家はあった。
白い壁に、赤い屋根。
普通の家が森の中に一軒だけ建っていた。
がしゃぁぁぁんっっ
思いっきり景気の言い音が家の中から響いてきた。
「きゃぁっ!なんですかぁぁ!!」
アメリアが、夢の淵から連れ戻された。
「あっ、起きちまったか…スマン…フライパンひっくりかえしただけだから…」
ひょっこりと、ドアの隙間から顔を出したのは、昨日アメリアを連れ出したイルーシェだった。
「まだ寝てろよ。じきに朝ご飯できるから。」
片目を瞑ってウインクして見せ、また台所へと戻っていった。
あっけにとられ、しばらくぽかんと口をあけたままそのまま固まっていたアメリア。
だが、すぐに笑い出した。
「クスクス…思ってたよりも変な人…」
アメリアは、お腹をなでながら、昨日のことを思い出した。

子供が出来た…

伝えた…

ゼルガディスさんに…

大好きな…

愛しい人に伝えたのに…

おろせと言われ…

強制的に、子供を殺されそうになって…

そしたら…

ゼルガディスさんと同じ合成獣の人…

イルーシェさんが助けてくれた…
私どうしたら良いんだろう…?

『子供は下ろせ…』
ゼルガディスの言葉が頭の中で響く。
どうしようもない事実。
子供が合成獣だから下ろさなきゃいけないのは…
客観的にみたら下ろさなきゃいけないのは…分かる。
でも、自分の子供だから、生きてこの世の中を知って、感じてほしいから。

私は…産みたい…

「おまちどぉさん。朝食が出来たからこっちに……何泣いてる?」
「え?」
アメリアは、自分でも気がつかないうちに泣いていた。
ぼろぼろと大粒の涙かこぼれ出す。
イルーシェがアメリアの隣に行き、ベットに腰掛ける。
アメリアの頭をなでながら言った。
「昨日の…白のゼルガディスが言った事か?」
アメリアは口を開きかけたものの、何も言えずただうなずいた。
「言っただろ?お前の子供は必ず俺が産ませて見せるから。」
アメリアの肩を抱き頭をなでつづける。
まるで、泣いた子供をなだめるかのように…。



「じゃぁ、あなたは黒竜と邪妖精とエルフと人間の合成獣なんですか?」
アメリアは、イルーシェになだめられ泣き止んだ後、朝ご飯を食べてる最中イルーシェについて聞いてみた。
「ああ。父さんがもともと黒竜、邪妖精、エルフの合成獣だったから。そこに母さんの人間の血が加わった。」
イルーシェは、ライ麦パンをかじりながら言った。
「あの…非常に聞きづらいんですけど…聞いて良いですか?」
「ああ。何?」
「どうしてイルーシェさんが産まれた時、あなたのお母さんは死んでしまったのですか?」
イルーシェは最初、目を真ん丸くして少し驚いていたが、薄く笑い答えた。
「食事中こんな話をするのもなんなんだけど、俺は母さんの腹を突き破って産まれてきちまったんだ。」
「!!」
「勿論自分の意志とは関係なしにね…俺の中にはいろんな生き物の血が入っているせいか時々野性的な事をしてしまうらしくてね。動物が、卵の殻を破って産まれてくるだろ?あれと同じ事を俺は母さんにしちまったみたいでね…いまいち自分では思い出せないんだけどね。」
アメリアは、スプーンを持ったまま固まっていた。
「やっぱしこんな話するんじゃなかったかな?食べて食べて。」
アメリアは、スプーンをおき頭を下げた。
「ごめんなさい…私…」
「気にしてないよ。俺は。」
「でも…」
「いいから。食べて。妊婦さんは健康第一だよ。」
イルーシェは、まぶしいほどの笑顔でアメリアに微笑んでいった。


続く