◆−薔薇の妖精との再開・8−ザズルア (2001/10/18 16:50:48) No.7551 ┗薔薇の妖精との再開・9−ザズルア (2001/10/20 17:45:39) No.7570 ┗薔薇の妖精との再開・10(エピローグ?)−ザズルア (2001/10/23 17:34:12) No.7591 ┗終わってる!?−かお (2001/10/23 18:20:17) No.7592 ┗まだまだ続くよいつまでも!!−ザズルア (2001/10/24 17:07:17) No.7594
7551 | 薔薇の妖精との再開・8 | ザズルア | 2001/10/18 16:50:48 |
うあ〜。あたしがもたもたしてるからツリーが落ちちゃったよ〜。 「あなたが私をさらおうとした人物?」 ブロッサム王女は単刀直入に聞いた。 「えぇ、そう。私が事件の黒幕。」 女――ヒャルシャインは素直にそう答えた。 「なぜそんなことを!?」 「おびき出したかったから。お前達をここへ。」 「おびき出す?!何故!?」 「そこまでいう義理はないわ。でもひとつだけ。 あたしとお前達は敵同士だということ。」 言ったヒャルシャインの姿が揺らぐ。すると、瞬く間に彼女の姿は虎になった。 「姿を変えるなんて・・・、お前は何者!?」 「負の感情を糧として生きる、闇に身を置くものども・・・。 この世界では魔族と呼ばれる種族よ。」 「魔族!?」 この世界ではという言葉が引っかかるが、人間の姿になれるほどの魔族ならば半端じゃない強さを持っているのは間違いないだろう。 グワァッ ヒャルシャインは問答無用でアメリアに飛び掛る。 「ヴィスファランク!!」 アメリアは自分の拳に魔力を込める魔法を発動させ、ヒャルシャインに殴りかかる。 さすがにこれは予想できなかったか、ヒャルシャインはその攻撃を避けれなかった。 「へぇ・・・、拳に魔力を込める魔法か・・・。なかなか面白い術があるものなのね・・・。 でも・・・。」 ヒャルシャインは言葉を切った。 次の瞬間、ヒャルシャインは口から炎を吐いた! 「はっ!」 しかし、アメリアも何かの攻撃がくるということは予想し、防御呪文を唱えていた。しかし、 「きゃあ!」 ヒャルシャインの炎の力は強く、アメリアは防ぎきれずに吹き飛ばされる。 「アメリア!!」 「よくもアメリア様を!!」 言ってスプルは呪文を唱え始める。 ――汚れ無きものをいとおしむ 異なる世界を統べるもの 我 汝に盟約を近いし者 詠唱中のスプルに突っ込んでいくヒャルシャイン。 我の怒り 汝の力となりて 汝の怒り 我の力となりて しかし、スプルの方が一瞬早い! 我が心に生まれし闇よ 力となりて その源に裁きを与えよ! 「異神魔破斬(ジャズル・フィラード)!!」 ドォォォォン スプルの放った波動がヒャルシャインを包む。 勝った。誰もがそう思った。 しかし、波動が消えたあとから出現した闇があたかも彼女らの髪の色とと同化したいかのようににアメリア、スプル、ブロッサム王女を包んだ。 「アメリア!」 「スプルさん!ブロッサム王女!!」 つづく |
7570 | 薔薇の妖精との再開・9 | ザズルア | 2001/10/20 17:45:39 |
記事番号7551へのコメント (あれ・・・?わたしは確か・・・。そうだ!急に闇に包み込まれて・・・! それなのに、なぜ・・・どこかの王宮の薔薇園にいるの?) そう、彼女が立っているのはどこかの王城らしき場所の薔薇園。 そこにアメリアはわけがわからず突っ立っている。 向こう側から二人の少女の姿が見える。 その二人は、アメリアの知っている顔に良く似ていた。 『ブロッサム様!今日はシェイン様がお帰りになる日ですわね。』 『えぇ、二ヶ月だけとはいえ、いないと淋しかったわ・・・。』 (あの二人、もしかして・・・。) 見た感じからまだ年が若いが、間違いなくその二人はスプルとブロッサム王女であった。 (なぜ過去に・・・。) ブロッサムが思う。 彼女もアメリアと同じ状態である。 (いいえ、これは過去戻ったわけではないですわ。) 他の二人と同じ状態のスプルが思う。 (これは過去の映像ですわ!) 過去の映像は進んでいく。 (この日私は・・・。) 『帰ってきたぞ、二人とも』 『シェイン!』 『シェイン様!お帰りなさいませ!』 二人の少女に近づいてくる一人の少年。 (あの人は・・・?) (シェイン・・・。) 彼はシェイン=オヴィ=ブレイナー。ブロッサムの幼い日からの幼馴染で、周りから公認されたも同然の恋人同士である。 三人でなにやら雑談しているようだが、そのシーンは早送りされているようにとばされた。 『何の用でしょうか、シェイン様。』 人があまりきそうになさそうなところに、呼び出されたらしく、スプルはシェインに問う。 『お前に相談があるのだ、スプリング。』 『相談・・・?一体なんでしょうか。私でなくてもシェイン様にはブロッサム様が・・・。』 『そのブロッサムのことでの話だ。』 言ってシェインは三白眼の目でスプルの目を見つめる。スプルの頬が火照る。 (私はこの頃シェイン様に恋心を抱いていた・・・。) それを見ているスプルが思う。 『実はおれはブロッサムの呪術で操られていたんだ。』 (え・・・、何のこと・・・?) 映像の中のシェインの言葉に困惑するブロッサム王女。 『うそ・・・。』 『今は一時的に術から逃れているが、またすぐ操られるだろう。 聞いてくれ、スプリング。おれが本当に愛しているのはブロッサムではない。』 (どういうことなの・・・? 確かに私は呪術を得意とするけど、あの人を操ったことなんてないわ! なのに・・・、何故?) ブロッサム王女の心の叫びもむなしく、過去の映像は続く。 (そして、私は・・・。) 『きゃっ!』 『おれが愛しているのはお前だ、スプリング。』 (このとき、シェイン様に抱きしめられた・・・。) 『シェイン様・・・。』 『スプリング、お前に頼みがある。 もし、お前がおれと同じ気持ちならこの剣でブロッサムを殺してくれ。』 シェイドは言ってスプルに短剣を渡した。 スプルはその短剣を受け取り、うなずく。 『はい・・・。』 シェインはもう一度スプルを抱きしめた。 (!?) その一瞬、シェインの体から白い、煙のようなものが現れたのを三人の目が捕らえた。 (今のは・・・。) 三人の疑問が解けないまま、次のシーンへと移った。 映像の中で何も知らず、すうすう寝息と立てて眠っているブロッサム王女。 その横に黒い影が見える。 シェインから受け取った短剣を持ったスプルだった。 『そんな人でしたのね・・・、ブロッサム様、いやブロッサム!』 スプルは一歩一歩ブロッサム王女の寝台に近づく。 その彼女の後ろにぼんやりと白い影が見える。 その姿に、三人は見覚えがある。 (あれはヒャルシャイン!!) 『よくも・・・、よくもシェイン様を!!』 眠るブロッサムの横に立ち、短剣を振り上げるスプル。 「やめて!!」 無理も承知でアメリアが映像のスプルを羽交い絞めにする。 『誰・・・!私を愛称で呼ぶのは!!姿をあらわしなさい!!』 恐らくスプルというのは彼女の本名――スプリングの愛称のようだ。 「スプルさん、私の声が聞こえるんですね! スプルさん!ブロッサムさんがそんなことをしないということはスプルさんが一番知っているんじゃないんですか!?」 『・・・あんなのはあの女の演技よ。私は騙されてたのよ!』 「違う!それにシェインさんを操っていたのはブロッサムじゃなくて魔族だったんです!! あの時、ブロッサムに操られていると言っていた時のシェインさんは操られてたんです!!」 『・・・!あの時、あそこにいたの・・・?』 「・・・あの時シェインさんが操られていた。それは事実です。」 『・・・・・・。』 映像のスプルの手からすりぬけた短剣は絨毯の上に音もなく落ちた。 そして彼女は力なくその場に膝をつく。 『私は・・・、魔族にだまされていたの・・・? 私はだまされてブロッサム様を・・・。』 一粒、また一粒とスプルの頬から涙が落ちる。 アメリアは、ただその様子を横で見ていることしか出来なかった。 『ブロッサム様・・・、申し訳ございませんでした。 もう少しで私はあなた様を・・・。 このお詫びは・・・。』 映像の中、スプルは短剣を手に取る。 アメリアに嫌な予感がほとばしる。 「やめて!!」 しかし、スプルは切り落とした。自分の膝まである長い髪を。 「・・・?」 『・・・本来ならば死んで詫びるところですが、命より大事と思えるこの髪をあなたにささげます・・・。』 映像の中のスプルは切った髪を何か書いた紙で束ね、部屋を出て行く。 『さようならブロッサム様・・・。もう戻りません・・・。』 (あの日の夜、スプルは私を殺そうとしたのね・・・。) (あの時聞こえた声は・・・、聞こえた良心の声は・・・、アメリア様だったのですね・・・。) その時スプルは心の中で誓った。 自分を助けてくれたアメリアを、一生守っていこうと・・・。 「ん・・・?」 「アメリア、大丈夫か!?」 目覚めたアメリアが最初に見たのは心配そうに自分の顔を覗き込むゼルガディスだった。 「あれ・・・、ゼルガディスさん・・・。」 「う・・・ん。」 「私は・・・。」 「スプルさん!ブロッサム様!気が付きましたか!!」 セイドが二人に駆け寄る。 「大丈夫かアメリア?お前、急に倒れて・・・。」 「そうです!どこかわるかったりとかしてないですか!?」 「私は大丈夫です。ただ、ちょっと夢を・・・。」 「!!」 アメリアの言葉に反応するスプルとブロッサム王女。 「アメリア様、もしかしてそれは過去夢ではないですか!?」 「私とスプルの昔の・・・。」 「それってひょっとして・・・。同じものを見ていたんですか!?」 「あの“闇”が見せたのかしら・・・。」 「・・・・・・。」 「あの・・・、その夢って一体・・・?」 セイドが会話に割り込む。 「・・・・・・。」 しばらく沈黙する三人。 「・・・聞かないで下さい。スプルさんの為に。」 「スプルさんの為って、一体何が・・・。」 「セイド。」 ブロッサム王女が声で止める。 「そしてゼルガディスさん、私たちは三人で話があるの。 少し、席をはずしてください。」 「わかった。」 「・・・わかりました。」 うなずいてセイドはしぶしぶと、ゼルガディスと一緒に部屋をでる。 「・・・スプル、あなたがレイナードを出て行った理由、分かったわ。」 「・・・。あまり知られたくありませんでしたけど・・・。」 「スプル。」 厳しい口調で少女の名を呼ぶ。 「スプリング=ディオ=ホワイトローズ、私はあなたに国外追放の刑を与えます。」 「わかりました・・・。」 「待って、ブロッサム!!」 横からアメリアが割り込む。 「あなたも見たでしょう!? スプルさんはだまされてあなたを殺そうとしたのよ!!彼女に罪は・・・。」 「私もないと言いたいわ。 でも、彼女は私を殺そうとしたことには変わりがない。」 「そんな!」 「アメリアは黙ってて!!」 勢いのある声にアメリアは驚いて思わず身を引いてしまう。 「スプル、でもね、あなたをこの世で一番想ってくれる、あなたが一番想うことが出来る、そんな人と結ばれたら私の元に帰ってきて。 それまで、レイナードに戻ってはこない。それがあなたに与える私からの罰よ。」 「ブロッサム様・・・?」 「別にあなたにあの人をとられるのが怖いからこんなことを言っているわけではないの。 あなたのことだから『二度と人を愛さない!』って言うでしょうから・・・、だからこれなの。」 言葉を切ってブロッサム王女はスプルに笑む。 「人を愛するって素晴らしいことよ、スプル。 あなたにもその素晴らしさを知って欲しい・・・。わかってくれたかしら?」 「ブロッサム様・・・。」 「行きなさい、スプル!」 スプルはその赤い双眸からこぼれそうな涙をぬぐった。 「はい!ありがとうございますブロッサム様!!」 「それからアメリア!」 ブロッサム王女は今度はアメリアの方を向く。 「あの『夜鳥』をやらされていた人、恋人なんでしょう? このまま二人で逃げてしまったら?」 「に・・・、逃げるって・・・。」 「いいですわね!ブロッサム様! アメリア様、私もお手伝いいたしますわ!!」 「スプルさんまで・・・。」 「嫌ではないわよね?」 「・・・正直、ゼルガディスさんとこのまま旅に出て行きたいです。」 「それならば、決定ですわね!!」 「さぁ、あなたのお父様を説得しましょう♪」 つづく ***************************************** うあ〜、ブロッサムさんのキャラが崩れたよぉ〜・・・。ま、いっか。 気が付いたら設定がめちゃくちゃに・・・。 そしてスプルの敬語もめちゃくちゃ・・・。(泣) |
7591 | 薔薇の妖精との再開・10(エピローグ?) | ザズルア | 2001/10/23 17:34:12 |
記事番号7570へのコメント 翌日・・・ 「ブロッサム様、お願いがあります。」 早朝、セイドは自分の主に頭を下げる。 彼の今の格好はいつもの親衛隊長の正装ではなく、動きやすいライトメイルに、額には黒のバンダナをしている。 「お願い・・・?」 「はい。俺を、ブロッサム様の親衛隊長・・・いいえ、親衛隊を辞めさせてください。」 !! セイドの言葉に驚きの表情を浮かべるブロッサム王女。 しかし、その表情もすぐにいつも通りの無表情になる。 「・・・ついて行くつもりね、アメリアたちに・・・。」 「はい。 悪い意味ではありませんが、俺的にはブロッサム様は本当の主じゃない――というか、第二志望なんです。 俺の本当の主はゼルガディス=グレイワーズ・・・。そう、思っています。」 「・・・本当はそれだけじゃないでしょう?セイド。」 ギクッ! 心の中を見透かされたかと思い、セイドは驚く。 「スプルのことね。 あの子も二人についていくと言っていたし。」 「・・・はい。」 セイドの小さな返事に微笑し、ブロッサム王女はセイドに言う。 「わかったわ。 セイド=ドゥレスト、今日からあなたを親衛隊から解任します。」 言ってブロッサム王女は美しい花のような笑みを浮かべた。 「ありがとうございます。ブロッサム様。」 セイドはそのまま踵を返す。 彼は城の門をくぐり、追う。 自分が本当に認める主達を―― おしまい ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 第二シリーズも無事終わってホッと一息ついているザズルアです。 このシリーズは友達後輩メル友に宣伝しまくって「見てね、見てね!」としつこくいいまくっていました。(自爆) ・・・のわりにはブロッサムさんやシェインは元キャラがいるのに全然似てないし・・・。 ちなみに某少年コミックのゴルフ漫画の最近言い寄られている方です。(ブロッサムさんの方。) ってことで、感想ちょうだいね!みんな!! もちろん、ここでしかあたしと会った(?)事がないと言う方もドンドン感想ください!! それでは!! |
7592 | 終わってる!? | かお E-mail | 2001/10/23 18:20:17 |
記事番号7591へのコメント こんにちわ。ザズルアさん。 おひさしぶり・・だと思いますが、おひさです。 いつの間にか、最終回!? ・・楽しみにしてたのに・・。くすん・・。 この続きもあるのでしょーか? もーれつに見てみたいのですが・・・(爆!) ではでは、短いですが、感想でした。 ・・・頑張って・・夢の内容・・打ち込まねば・・それでは!! by一の方で下手くそ投稿中のかお(しかも、夢の内容を小説にしてる愚か者) でした!! |
7594 | まだまだ続くよいつまでも!! | ザズルア | 2001/10/24 17:07:17 |
記事番号7592へのコメント かおさんは No.7592「終わってる!?」で書きました。 どうも!またレスしていただき、ありがとうございます!! >こんにちわ。ザズルアさん。 >おひさしぶり・・だと思いますが、おひさです。 >いつの間にか、最終回!? >・・楽しみにしてたのに・・。くすん・・。 >この続きもあるのでしょーか? >もーれつに見てみたいのですが・・・(爆!) まだまだ続きますよ〜!ひたすら。 次はゼロス君が出てきます!!お楽しみに!! >ではでは、短いですが、感想でした。 >・・・頑張って・・夢の内容・・打ち込まねば・・それでは!! 夢の内容・・・か。あたしもあるんだよな・・・、小説にしたら面白そうな夢が・・・。 それではかおさん、また読んで下さいね! |