◆−永遠という場所 〜1.ガウリイ〜−春日野 (2001/12/8 11:08:52) No.7852 ┣はじめまして−一坪 (2001/12/9 01:44:37) No.7853 ┃┗こちらこそはじめまして!−春日野 (2001/12/9 18:00:51) No.7854 ┣Re:はじめまして。−春祭あられ (2001/12/11 19:56:23) No.7863 ┃┗きゃー!(浮かれ気味)−春日野 (2001/12/15 14:07:09) No.7876 ┣初めまして!−紗希 (2001/12/12 21:46:29) No.7868 ┃┗りたーん初めまして!−春日野 (2001/12/15 14:10:06) No.7877 ┗永遠という場所 〜2.シシル〜−春日野 (2001/12/15 14:52:40) No.7878 ┣またまたこんにちはー!−春祭あられ (2001/12/16 19:37:34) No.7879 ┃┗はい、こんにちは!−春日野 (2001/12/17 16:55:00) No.7880 ┗永遠という場所 〜3.エディ〜−春日野 (2001/12/26 14:31:41) No.7926
7852 | 永遠という場所 〜1.ガウリイ〜 | 春日野 | 2001/12/8 11:08:52 |
これは、少女と青年が出会う、数年前の物語。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 始まりは、立ち寄った食堂で聞いたうわさ話。 なんでも、どこだかの村に吸血鬼が現れ、子供を生贄として差し出すよう脅しているだとか。 まあ特に興味もなかったので、少年はそのままの進路で旅を続けた。 土地勘が皆無の彼は、自分が今まさにその村へと向かっている事に気付くはずもなく。 「そこのつよそうなおにーさまっ!」 「へ?」 街道を行く少年の前に突然現れたのは、まだ6、7歳の、年端もいかぬ幼い少女だった。 「おねがいですっ!わたしたちにきょうりょくしてくださいっ!」 「・・・えーっと・・・」 瞳をウルウルさせて懇願する少女に、しかし彼は困ったように頭を掻いた。 傭兵として、旅に出てからはや一年。 自慢じゃないが、『強そう』などと言われたことは一度もない。 15歳男子にしてはやや低い身長。切るのが面倒なだけなのに、なぜかカルく見られる金の長髪。そして、ここまであからさまに戦士の格好をしていなければ分かってもらえないほどの女顔。 ・・・弱そうに見えて無理はない、どころか当然。 「それってまさか、吸血鬼に捧げる生贄になってほしい、とかじゃないよな?」 「ゑ!?」 「・・・・・・当たりなのか?」 確認のために言ってみた言葉にまともに動揺され、さすがにリアクションに困る少年。 「そ、それは・・・」 ガサッ 「待って!!」 だらだら汗を流して少女が言葉に詰まっていると、少年の後方から、街道沿いの茂みかき分け、一人の女性が飛び出してきた。 彼女はそのまま、少女のそばへと走り寄る。 「ごめんなさい!この子・・・シルビィは、村のためを思っていただけなの! どうか許してあげて!」 「ちょ、ちょっとおかあさん!『だいじょーぶ!まだ自分の身の程も知らないが きんちょでも捕まえて、ちょっとおだててやれば簡単に引っかかるわよ★』な んていいだしたのは、おか」 ごきいっ シリアス顔のまま母親が放った右フックをこめかみに喰らい、シルビィは昏倒する。 「・・・・・・えーっと・・・・・・」 さすがに言葉を失う少年。 「もしよければ、お詫びと言ってはなんだけど、うちでご飯でも・・・」 「そーいうことなら喜んで!」 彼女の言葉に、彼は先ほどまでのやり取りなんぞスパッと忘れ、旺盛な食欲に身を任せる事に決めた。 実に単純である。 「村はすぐ近くだから・・・。 私はシシル。この子は私の娘で、シルビィというの。 あなたは?」 今さらのような自己紹介にも、少年は元気に応える。 「俺は、ガウリイです。 ガウリイ=ガブリエフ。」 金の髪をなびかせながら、彼は言った。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー どうも初めまして〜、春日野と申します! 小説の投稿なんて初めてで、文章もへたっぴ・・・(涙) 感想なんぞ頂ければ、泣いて踊って喜びますので! 冒頭でも言いましたが、これはスレイヤーズ本編が始まるよりも何年か前の話です。ガウリイの正確な年齢知らないので、具体的には言えないのですが・・・(汗) 第2話も、できるだけ早く書けるようがんばります! |
7853 | はじめまして | 一坪 E-mail | 2001/12/9 01:44:37 |
記事番号7852へのコメント 投稿ありがとうございました! 弱い(っぽい)というか成長段階のガウリイさんってのは珍しくて興味惹かれました。 「〜1.ガウリイ〜」ってコトは他のキャラも出てくるのかな? このガウリイさんが、どんな活躍をするか楽しみです。 では、連載ガンバって下さいね。 |
7854 | こちらこそはじめまして! | 春日野 | 2001/12/9 18:00:51 |
記事番号7853へのコメント >投稿ありがとうございました! いえ、投稿は私の夢だったので、できて嬉しい限りです! >弱い(っぽい)というか成長段階のガウリイさんってのは珍しくて興味惹かれました。 >「〜1.ガウリイ〜」ってコトは他のキャラも出てくるのかな? >このガウリイさんが、どんな活躍をするか楽しみです。 ぢつは弱くはなかったり・・・(笑) いきなりシルビィを出したように、すぺしゃるからキャラを引っ張ってこようと思ってます。どうなるかわかりませんが・・・(汗) >では、連載ガンバって下さいね。 なかなか時間がとれませんが、がんばらせていただきます! |
7863 | Re:はじめまして。 | 春祭あられ | 2001/12/11 19:56:23 |
記事番号7852へのコメント はじめまして、春日野さん。 私は春祭あられと申します。どうぞ、以後お見知りおきを。 小説よまさせていただきました。「昔々あるところに〜」風な昔話ですね。(全然違う) でも、読んでてちょっと感動しました。 何でかといいますと、私は絶対昔話は書けそうにないからです。 ええ、書けませんよ絶対に。原作を壊しそうで怖いから。(笑)私はいつも小説を書くときは壊れながら書いてます。(爆) ちなみに読みまくれ1のほうに出てませんでよろしく。 (こっそりと宣伝。いやなこんじょー丸出し) ガウリィ、女顔。た、確かに。いやん。 弱っちそうなんですか?彼が?そうなると旅の途中で成長していくとか? しかも背が低いってちょっと・・・・・・あんなに背が高いのにぃ。毎日牛乳三本を目標にしなければ!! こりは具体的に何年前のお話しなんでしょう。わかんないって言ってましたけど大体に予想。 彼が今現在25,6だとすると、約10年前。10年・・・・・・リナっち8歳。げふっ(吐血) やべぇ、想像していくうちになんだかまた壊れてきた。 これ以上壊れないためにも今回はここで終わらせていただきます。(感想になってないけど・・・ごめんなさい気にしないで。) 続き楽しみにしてますね。出たらすぐに読ませていただきます。 それでは、また今度。 春祭あられ |
7876 | きゃー!(浮かれ気味) | 春日野 | 2001/12/15 14:07:09 |
記事番号7863へのコメント 春祭あられ様!はじめまして〜。感想ありがとうございますっ > 小説よまさせていただきました。「昔々あるところに〜」風な昔話ですね。(全然違う) はい、そんなかんじで(笑) >何でかといいますと、私は絶対昔話は書けそうにないからです。 >ええ、書けませんよ絶対に。原作を壊しそうで怖いから。(笑)私はいつも小説を書くときは壊れながら書いてます。(爆) 私も怖いです。マジで。 でも、ガウリイは結局謎な部分が多いキャラなので、わりかし書きやすいです。たぶん・・・。 >ちなみに読みまくれ1のほうに出てませんでよろしく。 はい!読んでおきます!命にかえて! >こりは具体的に何年前のお話しなんでしょう。わかんないって言ってましたけど大体に予想。 >彼が今現在25,6だとすると、約10年前。10年・・・・・・リナっち8歳。げふっ(吐血) き、訊かないで下さい・・・(弱気)私にもよく分からな・・・ >続き楽しみにしてますね。出たらすぐに読ませていただきます。 ありがとうございます! >それでは、また今度。 > 春祭あられ よろしければ、また感想くださいね〜★ 春日野 |
7868 | 初めまして! | 紗希 E-mail | 2001/12/12 21:46:29 |
記事番号7852へのコメント 初めまして、春日野さん! 私は紗希という者です! 今後とも宜しくお願い致します! 私は小説が出来ません。 はっきりです。 故に、私は詩で頑張るわけです。 嫌…今の私は、詩ではありませんね、ハハハ(苦笑) 第2話も、頑張って創られて下さいね♪ 応援しています…♥ では… |
7877 | りたーん初めまして! | 春日野 | 2001/12/15 14:10:06 |
記事番号7868へのコメント 感想ありがとうです! >初めまして、春日野さん! >私は紗希という者です! >今後とも宜しくお願い致します! こちらこそ!こちらこそ!(ハイ) >私は小説が出来ません。 >はっきりです。 >故に、私は詩で頑張るわけです。 >嫌…今の私は、詩ではありませんね、ハハハ(苦笑) 私も詩は好きです。詩っていうか・・・みつを的な。 わりとよく書きます。 >第2話も、頑張って創られて下さいね♪ >応援しています…♥ > >では… がんばります! ありがとうございました! 春日野 |
7878 | 永遠という場所 〜2.シシル〜 | 春日野 | 2001/12/15 14:52:40 |
記事番号7852へのコメント 「ここが、私たちの村よ」 シルビィを背負ったガウリイとシシルがその村に着いたのは、それからすぐの事だった。 まさにどこにでもあるような、小さくも大きくもない村。 道すがらのシシルの話によれば、ハーブがちょっとした名産品であること意外は、本当に何もない村だという。 しかし今は、重い空気が辺りを包んでいる。吸血鬼に怯えて、だ。 「おお!シシル!」 きょろきょろと辺りを見回すガウリイの耳に、老人の声が届いた。 「あら、村長さん。 どうなさったんですか?」 振り向くと、老人・・・村長らしき人が、近づいてくるところだった。 「どこに行っとったんじゃ!みんなで心配しておったぞ!」 「すみません、ちょっと・・・」 彼女はポンッとガウリイの肩に手を置き、 「生贄を見つけてきました」 「えええええっ!?」 さすがにガウリイも、驚きの声をあげる。 「何を驚いてるの?最初にシルビィが言ってたでしょう?」 「いえ、それはそうなんですけど・・・ 食事のお誘いになったんじゃあ・・・?」 「あら、ガウリイ君てば」 シシルはしっとりと微笑み、 「嘘に決まってるじゃない」 「マジですかぁぁっ!?」 「あー、これこれ」 絶叫するガウリイに、村長が横から困り顔で声をかけた。 「大丈夫じゃ、生贄にはせん。 旅の魔道士殿が、吸血鬼を退治してくださるんじゃ」 「えええええっ!?」 今度は、シシルが悲痛な叫び声をあげる。 「それでは、せっかく我が子を犠牲にしてまで生贄を連れてきた私の努力はどうなるんですっ!?」 「だいじょうぶよ、おかーさん」 わけのわからない主張に答えたのは、いつの間にやら目を覚ましたシルビィだった。 彼女はガウリイの背から降りると、 「いくらまどうしさんでも、ひとりはたいへんでしょう? ガウリイさんはけんしみたいだから、てつだってもらえばいいじゃない」 「あら、それはいい考えねシルビィ!」 そんな提案に村長は不満気な顔で、 「・・・とか言ってはおるが、どうせ『万が一返り討ちに合ったら困るから、討伐隊兼生贄用に、手ごろな旅 人を2人送り込んじゃえ★』とかいった考・・・」 めごがきっ! シシルの左ストレートとシルビィのアッパーカットで、村長は静かになった。 「それで、引き受けてくれる? 礼金も払うけど」 「は、はいっ!」 にこやかな顔で訊かれ、彼は引きつった笑みを返した。 ・・・人間、命は大事だろう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー どうも。そういえばこのタイトルシリアスくさいよなーとか考え始めた春日野です。 ・・・どう考えてもギャグなんだけど・・・。 個人的には、この話、ツリー分けてシリーズにしようとか大それたことを考えてます。どうにも長くなるんで・・・。 感想くださった皆様、ありがとうございました!またくださると嬉しいです♪(ずーずーしい) 次回は、ずっと出したかったキャラを出します。オリジですが。 ではでは〜。 春日野 |
7879 | またまたこんにちはー! | 春祭あられ | 2001/12/16 19:37:34 |
記事番号7878へのコメント こんにちは!またまた感想書かせていただきます! > 振り向くと、老人・・・村長らしき人が、近づいてくるところだった。 > 「どこに行っとったんじゃ!みんなで心配しておったぞ!」 > 「すみません、ちょっと・・・」 > 彼女はポンッとガウリイの肩に手を置き、 > 「生贄を見つけてきました」 > 「えええええっ!?」 ええええええっ!?私もびっくり!だって食事だけって言ってたじゃん! 卑怯だ!詐欺だ!こんなことされて、「ここまで来たならやってくれないと困る」なんて言われたらガウリィのことだからしょうがなしに引き受けるに決まってんじゃん! はっ、そうか!彼女たちのすばらしい観察力でそういう彼の性格も見切ってしまっていたのね?! > さすがにガウリイも、驚きの声をあげる。 > 「何を驚いてるの?最初にシルビィが言ってたでしょう?」 > 「いえ、それはそうなんですけど・・・ > 食事のお誘いになったんじゃあ・・・?」 > 「あら、ガウリイ君てば」 > シシルはしっとりと微笑み、 > 「嘘に決まってるじゃない」 > 「マジですかぁぁっ!?」 ええ?!ここまで来て食事なし?!・・・・・・・・・生贄にしても良いけど(待て)食事ぐらいは・・・・・・軽く20人分くらいは用意しておかないと。 割に合いませんよー。 > 「あー、これこれ」 > 絶叫するガウリイに、村長が横から困り顔で声をかけた。 > 「大丈夫じゃ、生贄にはせん。 > 旅の魔道士殿が、吸血鬼を退治してくださるんじゃ」 > 「えええええっ!?」 > 今度は、シシルが悲痛な叫び声をあげる。 > 「それでは、せっかく我が子を犠牲にしてまで生贄を連れてきた私の努力はどうなるんですっ!?」 いや、そんな努力しなくていいから。(笑) > 「だいじょうぶよ、おかーさん」 > わけのわからない主張に答えたのは、いつの間にやら目を覚ましたシルビィだった。 > 彼女はガウリイの背から降りると、 > 「いくらまどうしさんでも、ひとりはたいへんでしょう? > ガウリイさんはけんしみたいだから、てつだってもらえばいいじゃない」 > 「あら、それはいい考えねシルビィ!」 > そんな提案に村長は不満気な顔で、 > 「・・・とか言ってはおるが、どうせ『万が一返り討ちに合ったら困るから、討伐隊兼生贄用に、手ごろな旅 人を2人送り込んじゃえ★』とかいった考・・・」 > めごがきっ! > シシルの左ストレートとシルビィのアッパーカットで、村長は静かになった。 いいコンビしてるけどこの親子・・・・・・ シルビィって本当は何歳?年相応じゃありませんよ・・・・・・ > 「それで、引き受けてくれる? > 礼金も払うけど」 > 「は、はいっ!」 > にこやかな顔で訊かれ、彼は引きつった笑みを返した。 > ・・・人間、命は大事だろう。 これはどっちの? シルビィとシシルに殺されること?それとも吸血鬼のこと? たぶん前者だろうなぁ・・・ >ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー > > どうも。そういえばこのタイトルシリアスくさいよなーとか考え始めた春日野です。 > ・・・どう考えてもギャグなんだけど・・・。 > 個人的には、この話、ツリー分けてシリーズにしようとか大それたことを考えてます。どうにも長くなるんで・・・。 > 感想くださった皆様、ありがとうございました!またくださると嬉しいです♪(ずーずーしい) > 次回は、ずっと出したかったキャラを出します。オリジですが。 > ではでは〜。 > > 春日野 はい、面白かったです。読ませていただき、ありがとうございました。 感想になってませんが一応これで。 次回作待ってまーす。 |
7880 | はい、こんにちは! | 春日野 | 2001/12/17 16:55:00 |
記事番号7879へのコメント またしても感想ありがとうございます!しかも早い!(感涙) >はっ、そうか!彼女たちのすばらしい観察力でそういう彼の性格も見切ってしまっていたのね?! はい(笑)彼女たちをあなどってはいけません。なにせシルビィとその親ですから・・・。 ・・・そういや父親は・・・?(汗) >ええ?!ここまで来て食事なし?!・・・・・・・・・生贄にしても良いけど(待て)食事ぐらいは・・・・・・軽く20人分くらいは用意しておかないと。 >割に合いませんよー。 やだなー、彼女たちがそんなステキ★なことするわけないじゃないですか。 きっと座右の銘は『漁夫の利』ですよ。 >いいコンビしてるけどこの親子・・・・・・ >シルビィって本当は何歳?年相応じゃありませんよ・・・・・・ 外見どおりの年齢です。 年相応じゃないのは、あの母親だからです。怖いですね。 >> ・・・人間、命は大事だろう。 >これはどっちの? >シルビィとシシルに殺されること?それとも吸血鬼のこと? >たぶん前者だろうなぁ・・・ もちろん!(笑)ガウりんにかかれば、吸血鬼なんぞちょちょいのちょいっ、ですから。 >はい、面白かったです。読ませていただき、ありがとうございました。 >感想になってませんが一応これで。 >次回作待ってまーす。 本当にありがとうございました!これからもどうぞごひいきに! 春日野 |
7926 | 永遠という場所 〜3.エディ〜 | 春日野 | 2001/12/26 14:31:41 |
記事番号7878へのコメント 「宿屋、宿屋・・・っと」 そう広くもない村の中を、きょろきょろしながらガウリイは歩く。 あの後、倒れた(殴り倒した)村長を家まで運んでいき、途中で通りすがりの村人に旅の魔道士の居場所を尋ねた。 すると、宿屋に泊まっているとのこと。 いささかの不安はあったものの、一刻も早く事を解決すべく、村長をシシルたちに預けると、彼は宿へと向かった。 「んー・・・・・・ お、あったあった」 ようやく、目的の村に一軒しかない宿屋を見つけ、その扉をくぐる。 さすがというか何というか。 吸血鬼の脅威のせいか、普通は旅人で賑わっているはずの宿屋一階の食堂部分に、人がほとんどいない。 ・・・いや、単に田舎だからかもしれないが。 カウンターで退屈そうにしている店のマスター以外で、客と呼べそうなのはただひとり。 ガウリイは客の横を素通りすると、マスターに向かい、 「すいません。ここに、旅の魔道士が泊まってるって聞いたんですけど・・・」 「おいおいおいおいおい」 返事は、後ろから来た。 振り返ると、つい今しがた通り過ぎた『客』の姿。 「何か?」 「・・・見りゃあ分かるだろ。 俺が魔道士だよ」 「・・・へ?」 顔だけをマスターの方へ向け、 「そうなんですか?」 「ああ・・・俺も見れば分かると思うが・・・」 マスターにまで言われて、彼は改めて『魔道士』の姿を眺める。 年の頃なら二十歳くらいだろうか。ガウリイより頭ひとつ半は大きい。 くり色の短髪に、ショルダー・ガードと黒いマント。ややゆったりした服には、要所要所に何かの文字が縫い付けられている。 この格好は、やはり・・・ 「魚屋かウエイターかと思った」 どがしゃあっ! ガウリイのコメントに、魔道士とマスターはまともにすっ転ぶ。 「・・・だいじょぶですか?」 「誰が魚屋かウエイターだっ! どこからどう見ても魔道士だろうがっ!!」 何とか身を起こしながら、彼は抗議の声をあげる。 「と、ところで・・・ 君は見ない顔だけど、何の用で来たんだい?」 「ああ、・・・・・・・・・おお!忘れそうだった!」 記憶から抜け落ちる間際だった用件を、ガウリイはかろうじて思い出す。 改めて魔道士に向き直ると、 「シシルさんに頼まれて、一緒に吸血鬼の討伐に行くことになりました、ガウリイです。一応、剣を使えます」 「・・・へぇ・・・」 すっと目を細めて、魔道士がガウリイを見やる。先ほどまでとは打って変わった、彼の技量を測る目だった。 「それなりに、ウデに自信はあるわけだ?」 「まあ、吸血鬼を相手にするくらいには」 しれっ、とガウリイが答える。 「ぷっ、なるほどね・・・」 面白そうに、彼は笑った。決して馬鹿にしているのではなく。 「ガウリイ、だったな。そういうことならよろしく頼むぜ。 俺はエディ。流れの傭兵だ」 言って差し出された右手を、ガウリイは握り締めた。 剣士ガウリイと、魔道士エディ。 これが、2人の出会いだった。 ーー-ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー おー・・・ようやく3話が終わってくれた・・・。 私的には、エディとおっちゃんがこけたあたりでしめようかな〜、とか思ったんですが・・・エディの名前出さなきゃ、サブタイトルがつけられない・・・(アホ) ちなみに、『エディ』は愛称です。ちゃんとした名前は、いずれ出す・・・かもしれません。 では。アホな話ですが、まだ続きます。期待しないで待っていてください〜。 春日野 |